JP2760321B2 - 酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents
酸化物薄膜の製造方法Info
- Publication number
- JP2760321B2 JP2760321B2 JP7198823A JP19882395A JP2760321B2 JP 2760321 B2 JP2760321 B2 JP 2760321B2 JP 7198823 A JP7198823 A JP 7198823A JP 19882395 A JP19882395 A JP 19882395A JP 2760321 B2 JP2760321 B2 JP 2760321B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- oxide thin
- lnba
- precipitate
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLnBa2 Cu3 O7-x
酸化物薄膜を基板上に製造するための製造方法に関す
る。
酸化物薄膜を基板上に製造するための製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜(L
nはTbを除くランタノイド元素またはY)を例えばシ
リコン等の半導体基板上に成長する方法は従来から種々
提案されており、例えば特開平4−365383号公報
に記載の技術がある。しかしながら、このように形成し
ようとする薄膜と異なる材料の基板上に薄膜を成長する
過程においては、前記酸化物薄膜材料と異なる組成を有
するBaとCuを含む析出物の核が前記基板と薄膜の界
面で形成され、薄膜よりも速く成長する。そこで、薄膜
成長後に前記析出物が薄膜表面よりも突出されるのを防
ぐため、成膜方法及び成膜条件を工夫することにより、
薄膜中の前記析出物の密度を低減化し、前記析出物のサ
イズを小さくした薄膜の製造方法として次の文献に開示
された技術が知られている。
nはTbを除くランタノイド元素またはY)を例えばシ
リコン等の半導体基板上に成長する方法は従来から種々
提案されており、例えば特開平4−365383号公報
に記載の技術がある。しかしながら、このように形成し
ようとする薄膜と異なる材料の基板上に薄膜を成長する
過程においては、前記酸化物薄膜材料と異なる組成を有
するBaとCuを含む析出物の核が前記基板と薄膜の界
面で形成され、薄膜よりも速く成長する。そこで、薄膜
成長後に前記析出物が薄膜表面よりも突出されるのを防
ぐため、成膜方法及び成膜条件を工夫することにより、
薄膜中の前記析出物の密度を低減化し、前記析出物のサ
イズを小さくした薄膜の製造方法として次の文献に開示
された技術が知られている。
【0003】文献1:アプライド・フィジックス・レタ
ーズ(Applid Physics Letter
s),63(8),1993,pp.1146−114
8。
ーズ(Applid Physics Letter
s),63(8),1993,pp.1146−114
8。
【0004】文献2:ジャパニーズ・ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(Japanese Jo
urnal of Aplied Physics),
33(1),1994,pp.L20−L23。
・アプライド・フィジックス(Japanese Jo
urnal of Aplied Physics),
33(1),1994,pp.L20−L23。
【0005】文献3:ジャパニーズ・ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(Japanese Jo
urnal of Aplied Physics),
33(3),1994,pp.L417−L420。
・アプライド・フィジックス(Japanese Jo
urnal of Aplied Physics),
33(3),1994,pp.L417−L420。
【0006】これらの文献に開示の技術によれば、蒸発
源と基板の距離を調整するか、傾斜基板を使用するか、
あるいは薄膜成長中の酸素雰囲気を最適化することによ
り、前記酸化物薄膜材料と異なる材料の基板上に、前記
析出物の少ない薄膜を連続した1回の成膜工程で形成し
ている。
源と基板の距離を調整するか、傾斜基板を使用するか、
あるいは薄膜成長中の酸素雰囲気を最適化することによ
り、前記酸化物薄膜材料と異なる材料の基板上に、前記
析出物の少ない薄膜を連続した1回の成膜工程で形成し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術では、ある程度前記析出物の低減を図ることは可
能であるが、成膜時の条件がより狭いものとなるため、
薄膜中の前記析出物を完全に除去することは困難であっ
た。また、薄膜を連続した1回の成膜工程で形成するた
め、薄膜形成の初期段階で発生した析出物の核を除去す
ることができなかった。さらに、前記析出物の成長する
速さが薄膜の成長する速さよりも速いため、析出物が薄
膜表面より突出していた。
の技術では、ある程度前記析出物の低減を図ることは可
能であるが、成膜時の条件がより狭いものとなるため、
薄膜中の前記析出物を完全に除去することは困難であっ
た。また、薄膜を連続した1回の成膜工程で形成するた
め、薄膜形成の初期段階で発生した析出物の核を除去す
ることができなかった。さらに、前記析出物の成長する
速さが薄膜の成長する速さよりも速いため、析出物が薄
膜表面より突出していた。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、前記した析出物がな
く、表面の平坦なLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜の
製造方法を提供することにある。
く、表面の平坦なLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜の
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法の製造
工程を図1に示す。先ず、同図(a)のように、LnB
a2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜2を、この酸化物薄膜と異
なる材料の基板1の表面上に(001)面が主たる膜面
に平行になるように形成する。このとき、形成された薄
膜中にBaとCuを含む析出物3が析出される。次い
で、同図(b)のように、この析出物をエッチング除去
する。しかる上で、同図(c)のように、前記酸化物薄
膜2の上に(001)面が主たる膜面に平行をなしたL
nBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜4を形成する。
工程を図1に示す。先ず、同図(a)のように、LnB
a2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜2を、この酸化物薄膜と異
なる材料の基板1の表面上に(001)面が主たる膜面
に平行になるように形成する。このとき、形成された薄
膜中にBaとCuを含む析出物3が析出される。次い
で、同図(b)のように、この析出物をエッチング除去
する。しかる上で、同図(c)のように、前記酸化物薄
膜2の上に(001)面が主たる膜面に平行をなしたL
nBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜4を形成する。
【0010】この場合、最初に形成するLnBa2 Cu
3 O7-x 酸化物薄膜2は、形成しようとする最終膜厚よ
りも薄く形成し、析出物3をエッチング除去した後にそ
の最終膜厚に達するまでLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物
薄膜4を形成することが好ましい。
3 O7-x 酸化物薄膜2は、形成しようとする最終膜厚よ
りも薄く形成し、析出物3をエッチング除去した後にそ
の最終膜厚に達するまでLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物
薄膜4を形成することが好ましい。
【0011】例えば、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄
膜2,4を形成する方法としては蒸着法が採用でき、析
出物をエッチングする方法としてはフッ酸水溶液におけ
るウェットエッチング法が採用できる。また、析出物を
エッチングした後、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
2の表面をエッチング法により清浄化することが好まし
い。
膜2,4を形成する方法としては蒸着法が採用でき、析
出物をエッチングする方法としてはフッ酸水溶液におけ
るウェットエッチング法が採用できる。また、析出物を
エッチングした後、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
2の表面をエッチング法により清浄化することが好まし
い。
【0012】
【作用】本発明では、最終膜厚より薄く前記酸化物薄膜
を形成した後、薄膜中に生じた析出物をエッチングする
ことにより、薄膜中の析出物の核を除去されるため、そ
の後にLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を再成長する
ことにより、ほぼ基板全面に覆われる酸化物薄膜上には
析出物が形成されず、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物の
みが成長する。
を形成した後、薄膜中に生じた析出物をエッチングする
ことにより、薄膜中の析出物の核を除去されるため、そ
の後にLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を再成長する
ことにより、ほぼ基板全面に覆われる酸化物薄膜上には
析出物が形成されず、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物の
みが成長する。
【0013】また、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物は<
001>に垂直な方向に成長し易いため、析出物のエッ
チングされてできた凹部は再成長の際、LnBa2 Cu
3 O7-x 酸化物により優先的に埋め込まれる。したがっ
て、薄膜中から前記析出物は取り除かれ、その際に生じ
る凹部もLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物により埋め込ま
れるため、前記析出物のない、表面の平坦なLnBa2
Cu3 O7-x 酸化物薄膜が形成される。
001>に垂直な方向に成長し易いため、析出物のエッ
チングされてできた凹部は再成長の際、LnBa2 Cu
3 O7-x 酸化物により優先的に埋め込まれる。したがっ
て、薄膜中から前記析出物は取り除かれ、その際に生じ
る凹部もLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物により埋め込ま
れるため、前記析出物のない、表面の平坦なLnBa2
Cu3 O7-x 酸化物薄膜が形成される。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。なお、以
下の実施例ではランタノイド元素LnとしてY,Prを
適用した例を示している。
下の実施例ではランタノイド元素LnとしてY,Prを
適用した例を示している。
【0015】(実施例1)図1(a)を参照して、真空
蒸着槽を10-6Torrまでターボ分子ポンプによって
排気した。薄膜を成長させる蒸着基板1として、表面を
研磨したSrTiO3 単結晶を、その表面(15mm
φ)が(100)面となるようにして用い、これをSi
Cヒータにより760℃まで加熱し、この温度に保持し
た。しかる後、真空蒸着槽内を10-1Torrのガス圧
の酸素で満たした。
蒸着槽を10-6Torrまでターボ分子ポンプによって
排気した。薄膜を成長させる蒸着基板1として、表面を
研磨したSrTiO3 単結晶を、その表面(15mm
φ)が(100)面となるようにして用い、これをSi
Cヒータにより760℃まで加熱し、この温度に保持し
た。しかる後、真空蒸着槽内を10-1Torrのガス圧
の酸素で満たした。
【0016】蒸発源にはYBa2 Cu3 O7-x 多結晶焼
結体を用い、その表面にKrFエキシマパルスレーザを
集光させて蒸発させ、YBa2 Cu3 O7-x 薄膜を基板
上に蒸着した。蒸着終了後は、1気圧の酸素雰囲気中で
1時間かけて室温まで冷却した。この結果、膜厚50n
mのYBa2 Cu3 O7-x 薄膜2を得た。この薄膜の反
射電子線回折像をとり、YBa2 Cu3 O7-x の(00
1)面が膜面に平行をなしてエピタキシャルに成長して
いることを確認した。また、走査型電子顕微鏡により膜
中に析出物3が存在しており、同時に蛍光X線分析によ
りその析出物3がBaとCuを含んでいることを確認し
た。
結体を用い、その表面にKrFエキシマパルスレーザを
集光させて蒸発させ、YBa2 Cu3 O7-x 薄膜を基板
上に蒸着した。蒸着終了後は、1気圧の酸素雰囲気中で
1時間かけて室温まで冷却した。この結果、膜厚50n
mのYBa2 Cu3 O7-x 薄膜2を得た。この薄膜の反
射電子線回折像をとり、YBa2 Cu3 O7-x の(00
1)面が膜面に平行をなしてエピタキシャルに成長して
いることを確認した。また、走査型電子顕微鏡により膜
中に析出物3が存在しており、同時に蛍光X線分析によ
りその析出物3がBaとCuを含んでいることを確認し
た。
【0017】次いで、図1(b)を参照して、得られた
YBa2 Cu3 O7-x の薄膜2を4.9%のフッ酸水溶
液中で1分間超音波洗浄した。その結果、走査型電子顕
微鏡観察により、前記の析出物3のみがエッチング除去
されていることを確認した。次いで、薄膜2の清浄表面
を出すため、薄膜2の表面をEDTA飽和水溶液中で3
0秒間超音波洗浄してウェットエッチングし、その後7
0℃の超純水中で2回洗浄した。
YBa2 Cu3 O7-x の薄膜2を4.9%のフッ酸水溶
液中で1分間超音波洗浄した。その結果、走査型電子顕
微鏡観察により、前記の析出物3のみがエッチング除去
されていることを確認した。次いで、薄膜2の清浄表面
を出すため、薄膜2の表面をEDTA飽和水溶液中で3
0秒間超音波洗浄してウェットエッチングし、その後7
0℃の超純水中で2回洗浄した。
【0018】次いで、図1(c)を参照して、同図
(a)で説明したのと同様の方法でYBa2 Cu3 O
7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が160nmの
YBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄膜4の
反射電子線回折像をとり、この再成長されたYBa2 C
u3 O7-x 薄膜4も(001)面が膜面に平行をなして
エピタキシャル成長していることを確認した。また、走
査型電子顕微鏡観察においては、前記析出物3は観察さ
れなかった。また、原子間力顕微鏡による薄膜表面の観
察により、析出物をエッチングした部分はYBa2 Cu
3 O7-x により埋め込まれており、表面が平坦であるこ
とを確認した。
(a)で説明したのと同様の方法でYBa2 Cu3 O
7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が160nmの
YBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄膜4の
反射電子線回折像をとり、この再成長されたYBa2 C
u3 O7-x 薄膜4も(001)面が膜面に平行をなして
エピタキシャル成長していることを確認した。また、走
査型電子顕微鏡観察においては、前記析出物3は観察さ
れなかった。また、原子間力顕微鏡による薄膜表面の観
察により、析出物をエッチングした部分はYBa2 Cu
3 O7-x により埋め込まれており、表面が平坦であるこ
とを確認した。
【0019】(実施例2)この実施例では、析出物をエ
ッチング除去した後に、YBa2 Cu3 O7-x 薄膜2の
清浄表面を出すためにドライエッチング法を用いている
点が実施例1と異なっている。すなわち、実施例1と同
様の方法で膜厚100nmのYBa2 Cu3 O7-x 薄膜
2を得た後、走査型電子顕微鏡により析出物3が存在し
ていることを確認し、次いで、実施例1と同様の方法で
析出物3をエッチングし、走査型電子顕微鏡で確認し
た。そして、加速電圧500V、入射角85°の条件で
5分20秒アルゴンイオンミリングしてYBa2 Cu3
O7-x 薄膜2の表面の清浄化を行っている。さらに、清
浄化したYBa2 Cu3 O7-x 薄膜2の表面の結晶性を
回復させるため、1気圧の酸素雰囲気で600℃、5時
間熱処理を施した。
ッチング除去した後に、YBa2 Cu3 O7-x 薄膜2の
清浄表面を出すためにドライエッチング法を用いている
点が実施例1と異なっている。すなわち、実施例1と同
様の方法で膜厚100nmのYBa2 Cu3 O7-x 薄膜
2を得た後、走査型電子顕微鏡により析出物3が存在し
ていることを確認し、次いで、実施例1と同様の方法で
析出物3をエッチングし、走査型電子顕微鏡で確認し
た。そして、加速電圧500V、入射角85°の条件で
5分20秒アルゴンイオンミリングしてYBa2 Cu3
O7-x 薄膜2の表面の清浄化を行っている。さらに、清
浄化したYBa2 Cu3 O7-x 薄膜2の表面の結晶性を
回復させるため、1気圧の酸素雰囲気で600℃、5時
間熱処理を施した。
【0020】次いで、実施例1と同様にYBa2 Cu3
O7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が390nm
のYBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄膜4
を走査型電子顕微鏡により観察し、析出物のない薄膜と
なっていることを確認した。また、原子間力顕微鏡によ
る観察により、析出物を選択的にエッチングした部分は
YBa2 Cu3 O7-x により埋め込まれており、表面が
平坦であることを確認した。
O7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が390nm
のYBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄膜4
を走査型電子顕微鏡により観察し、析出物のない薄膜と
なっていることを確認した。また、原子間力顕微鏡によ
る観察により、析出物を選択的にエッチングした部分は
YBa2 Cu3 O7-x により埋め込まれており、表面が
平坦であることを確認した。
【0021】(実施例3)蒸発源にPrBa2 Cu3 O
7-x 多結晶焼結体を用い、実施例1と同様の方法で膜厚
50nmのPrBa2 Cu3 O7-x 薄膜2を得た。その
後、走査型電子顕微鏡により析出物3が存在しているこ
とを確認し、ついで実施例1と同様の方法で析出物3を
エッチングし、走査型電子顕微鏡で確認した。次いで、
薄膜2の清浄表面を出すため、薄膜2の表面をEDTA
飽和水溶液中で30秒間超音波洗浄してウェットエッチ
ングし、その後70℃の超純水中で2回洗浄した。
7-x 多結晶焼結体を用い、実施例1と同様の方法で膜厚
50nmのPrBa2 Cu3 O7-x 薄膜2を得た。その
後、走査型電子顕微鏡により析出物3が存在しているこ
とを確認し、ついで実施例1と同様の方法で析出物3を
エッチングし、走査型電子顕微鏡で確認した。次いで、
薄膜2の清浄表面を出すため、薄膜2の表面をEDTA
飽和水溶液中で30秒間超音波洗浄してウェットエッチ
ングし、その後70℃の超純水中で2回洗浄した。
【0022】次いで、実施例1と同様にPrBa2 Cu
3 O7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が160n
mのPrBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄
膜4を走査型電子顕微鏡により観察し、析出物のない薄
膜となっていることを確認した。また、原子間力顕微鏡
による観察により、析出物をエッチングした部分はPr
Ba2 Cu3 O7-x により埋め込まれており、表面が平
坦であることを確認した。
3 O7-x を前記薄膜2上に成長させ、全膜厚が160n
mのPrBa2 Cu3 O7-x 薄膜4を得た。得られた薄
膜4を走査型電子顕微鏡により観察し、析出物のない薄
膜となっていることを確認した。また、原子間力顕微鏡
による観察により、析出物をエッチングした部分はPr
Ba2 Cu3 O7-x により埋め込まれており、表面が平
坦であることを確認した。
【0023】なお、前記実施例ではLnとしてY,Pr
を用いた例を示しているが、Tbを除くランタノイド元
素の酸化物薄膜を形成する場合にも本発明を同様に適用
できることは言うまでもない。
を用いた例を示しているが、Tbを除くランタノイド元
素の酸化物薄膜を形成する場合にも本発明を同様に適用
できることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を形成した後、薄膜
中のBaとCuを含む析出物をエッチングすることによ
り、薄膜中の析出物の核を除去し、その後に薄膜の表面
上にLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を再成長してい
るので、最終的に形成される薄膜上には析出物が形成さ
れず、表面の平坦なLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を製造することが可能となる。
LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を形成した後、薄膜
中のBaとCuを含む析出物をエッチングすることによ
り、薄膜中の析出物の核を除去し、その後に薄膜の表面
上にLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を再成長してい
るので、最終的に形成される薄膜上には析出物が形成さ
れず、表面の平坦なLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を製造することが可能となる。
【0025】特に、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を(001)面が主たる膜面に平行になるように基板上
に形成し、かつ再成長においても(001)面が主たる
膜面に平行をなしたLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を成長することにより、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物
が<001>に垂直な方向に成長し易いため、エッチン
グにより生じた凹部は再成長の際にLnBa2 Cu3 O
7-x 酸化物により優先的に埋め込まれ、表面の平坦化が
実現される。
を(001)面が主たる膜面に平行になるように基板上
に形成し、かつ再成長においても(001)面が主たる
膜面に平行をなしたLnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を成長することにより、LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物
が<001>に垂直な方向に成長し易いため、エッチン
グにより生じた凹部は再成長の際にLnBa2 Cu3 O
7-x 酸化物により優先的に埋め込まれ、表面の平坦化が
実現される。
【0026】また、再成長の前に先に形成した酸化物薄
膜の表面を清浄することで、再成長する薄膜をエピタキ
シャル成長することが可能となり、エピタキシャル薄膜
を得ることが可能とされる。
膜の表面を清浄することで、再成長する薄膜をエピタキ
シャル成長することが可能となり、エピタキシャル薄膜
を得ることが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を工程順に示す断面図であ
る。
る。
1 SrTiO3 基板 2 YBa2 Cu3 O7-x 薄膜 3 BaとCuを含む析出物 4 再成長されたYBa2 Cu3 O7-x 薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C30B 29/22 501 C30B 29/22 501C // C23C 14/08 C23C 14/08 K 14/28 14/28 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 28/00 - 30/00 C23F 1/04 C23F 1/30 C23F 4/00 C30B 29/22 501 C23C 14/08 C23C 14/28 JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
(LnはTbを除くランタノイド元素またはY)を、前
記酸化物薄膜と異なる材料の基板上に(001)面が主
たる膜面に平行になるように形成する工程と、形成され
た薄膜中に析出したBaとCuを含む析出物をエッチン
グ除去する工程と、さらにその上に(001)面が主た
る膜面に平行をなしたLnBa2 Cu3 O7-x 酸化
物薄膜を形成することを特徴とする酸化物薄膜の製造方
法。 - 【請求項2】LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を
形成しようとする最終膜厚よりも薄く形成し、析出物を
エッチング除去した後に前記最終膜厚に達するまでLn
Ba2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を再度形成する請求
項1の酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項3】LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜を基
板上に成長し、フッ酸水溶液中において析出物をエッチ
ング除去し、再度LnBa2 Cu3 O7-x 酸化物薄膜
を成長する請求項1または2の酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 析出物をエッチングした後、LnBa2
Cu3 O7-x 酸化物薄膜の表面をエッチング法により
清浄化する請求項1ないし3の酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項5】LnBa 2 Cu 3 O 7-x 酸化物薄膜を
基板上に形成する工程と、析出物をウエットエッチング
する工程と、再度LnBa 2 Cu 3 O 7-x 酸化物薄
膜を形成する ことを特徴とする酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項6】前記ウエットエッチングとしてフッ酸水溶
液を用いることを特徴とする請求項5記載の酸化物膜の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7198823A JP2760321B2 (ja) | 1995-04-15 | 1995-08-03 | 酸化物薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-113975 | 1995-04-15 | ||
JP11397595 | 1995-04-15 | ||
JP7198823A JP2760321B2 (ja) | 1995-04-15 | 1995-08-03 | 酸化物薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093659A JPH093659A (ja) | 1997-01-07 |
JP2760321B2 true JP2760321B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=26452833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7198823A Expired - Lifetime JP2760321B2 (ja) | 1995-04-15 | 1995-08-03 | 酸化物薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2760321B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014207946A1 (en) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Surface layer superconductor and fabrication method of the same |
EP3143851B1 (en) | 2014-05-13 | 2018-11-21 | Etel S. A.. | Electronic component mounting system |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0623438B2 (ja) * | 1988-10-27 | 1994-03-30 | 株式会社フジクラ | 酸化物超電導体の製造方法 |
JPH0772337B2 (ja) * | 1988-10-27 | 1995-08-02 | 株式会社フジクラ | 酸化物超電導体の製造方法 |
JPH0788568B2 (ja) * | 1988-10-27 | 1995-09-27 | 株式会社フジクラ | 酸化物超電導体の製造方法 |
-
1995
- 1995-08-03 JP JP7198823A patent/JP2760321B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH093659A (ja) | 1997-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yoon et al. | Growth of (111) oriented MgO film on Si substrate by the sol‐gel method | |
US4477308A (en) | Heteroepitaxy of multiconstituent material by means of a _template layer | |
US5444001A (en) | Method of manufacturing a semiconductor device readily capable of removing contaminants from a silicon substrate | |
KR20000076851A (ko) | 실리콘과의 결정형 알칼리성 토류 금속 옥사이드 경계면을가지는 반도체 구조의 제조 방법 | |
KR20000076850A (ko) | 실리콘과의 결정형 알칼리성 토류 금속 옥사이드 경계면을가지는 반도체 구조 | |
US4012235A (en) | Solid phase epitaxial growth | |
JP2760321B2 (ja) | 酸化物薄膜の製造方法 | |
JP2000100801A (ja) | エピタキシャルウェハおよびその製造方法ならびにそれに用いられる化合物半導体基板の表面清浄化方法 | |
JPH05251771A (ja) | 人工粒界型ジョセフソン接合素子およびその作製方法 | |
JP3095944B2 (ja) | 酸化物結晶薄膜の製造方法及び薄膜素子 | |
US5134090A (en) | Method of fabricating patterned epitaxial silicon films utilizing molecular beam epitaxy | |
JP2889492B2 (ja) | 酸化物薄膜の作製方法 | |
Hasegawa et al. | Dynamic observation of silicon homoepitaxial growth by high‐temperature scanning tunneling microscopy | |
JP2705400B2 (ja) | 半導体細線形成方法 | |
JP2762097B2 (ja) | Soi膜の形成方法 | |
JPH0620056B2 (ja) | CaF▲下2▼膜成長方法 | |
JP2771636B2 (ja) | 選択的エピタキシャル成長方法 | |
EP0455981A1 (en) | Method of forming crystals | |
JP2000086400A (ja) | 酸化物単結晶基板の製造方法、及び電子デバイス | |
JP2518033B2 (ja) | シリコンのエッチング方法 | |
JP2637950B2 (ja) | 表面清浄化方法 | |
JPH0660401B2 (ja) | シリコン薄膜製造方法 | |
JP2895639B2 (ja) | 結晶成長法 | |
JPH05335234A (ja) | 半導体基板の製造方法 | |
JPH02105517A (ja) | 半導体装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980217 |