JPH0623438B2 - 酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体の製造方法

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JPH0623438B2
JPH0623438B2 JP63271730A JP27173088A JPH0623438B2 JP H0623438 B2 JPH0623438 B2 JP H0623438B2 JP 63271730 A JP63271730 A JP 63271730A JP 27173088 A JP27173088 A JP 27173088A JP H0623438 B2 JPH0623438 B2 JP H0623438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は積層構造であって超電導特性の優れた酸化物
超電導体を製造する方法に関する。
「従来の技術」 近年相次いで発見されている酸化物超電導体は従来知ら
れている合金系あるいは金属間化合物系の超電導体に比
較して超電導状態に遷移する臨界温度が極めて高いため
に、有望な超電導材料として応用開発がなされている。
このような背景において超電導特性の優れた種々の酸化
物超電導体を製造する試みがなされているが、酸化物超
電導体の多くのものは結晶軸の特定の方向に電流を流し
易い異方性を有している関係から、酸化物超電導体を製
造する場合には結晶軸の方向制御が可能な薄膜製造法が
有利であるとされている。
この薄膜製造法は、近年、半導体の製造分野で急速に発
展してきたものであり、CVD法(化学気相法)、スパ
ッタリング法、分子線エピタキシー法、レーザ蒸着法な
どの種々の方法を利用した酸化物超電導体の製造方法が
試みられ、臨界電流密度が数十万〜数百万A/cm2に及
び酸化物超電導体の試作もなされている。
「発明が解決しようとする課題」 このような背景において種々の構造の酸化物超電導体の
薄膜を製造する試みがなされており、この薄膜状の酸化
物超電導層を製造する場合、多層膜構造のものを製造す
ることがあるが、第1層目の酸化物超電導層を形成した
後に第2層目の酸化物超電導層を形成して酸化物超電導
層を製造する場合に、以下に説明する問題を生じること
がある。
まず、所定の製造装置を用いて基板上に第1層目の酸化
物超電導層を形成した後に、前記製造装置とは別種の製
造装置を用いて第2層目の酸化物超電導層を形成する場
合、あるいは、同じ製造装置を用いる場合であっても製
造条件を変えるような場合、第1層目の酸化物超電導層
を形成した後に製造装置から基板を取り出して大気中で
所定時間(例えば一日間)保存し、次の製造装置に基板を
セットして第2層目の酸化物超電導層を形成することが
ある。このような場合、第1層目の酸化物超電導層を大
気中で保存している間に、酸化物超電導層の表面部分に
雰囲気中の不純物が混入したり、酸化物超電導層の上面
部分に分解生成物が生じることがある。即ち、例えば、
Y-Ba-Cu-O系の酸化物超電導体などは、雰囲気中の
2OあるいはCO3と反応し易い傾向があり、反応の結
果Ba(OH)2,BaCO3などの分解生成物が生成されて
酸化物超電導層の表面部分の超電導特性が劣化する問題
がある。実際に第1層目の酸化物超電導層を大気中で1
日間保存した場合、その表面部分をオージェ分光分析法
で分析すると炭素が存在していることが認められてい
る。
そして更に、このような表面部分が劣化した第1層目の
酸化物超電導層上に第2層目の酸化物超電導層を形成し
た場合、第1層目の酸化物超電導層と第2層目の酸化物
超電導層との付着力が低下して両層間で剥離現象を生じ
ることがあった。また、第1層目の酸化物超電導層上に
第2層目の酸化物超電導層を形成する場合、前記のよう
に表面部分に分解生成物などが存在すると第2層目の酸
化物超電導層が十分にエピタキシャル成長しなくなり、
第1層目と第2層目の酸化物超電導層の結晶方位が不整
合となって所望の超電導特性が得られなくなる問題があ
る。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、
多層構造の酸化物超電導体を形成する場合に、各酸化物
超電導層間の付着力が強く、各層間で剥離などを生じな
いとともに、酸素を十分に含有した酸化物超電導体を製
造できる方法を提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は、前記課題を解決するために、積層構造の酸化
物超電導体を形成する方法において、先に形成した酸化
物超電導層の後に次の酸化物超電導層を形成するにあた
り、先に形成した酸化物超電導層の表面を酸素雰囲気中
においてプラズマに曝し、この後に次の酸化物超電導層
を形成するものである。
「作用」 先に形成した酸化物超電導層の表面をプラズマに曝して
洗浄した後に次の酸化物超電導層を形成するので、両方
の酸化物超電導層が良好に付着する。先に形成した酸化
物超電導層の表面がプラズマで洗浄されるので、次に形
成する酸化物超電導層の結晶方位が先の酸化物超電導層
の結晶方位に整合する。また、酸素雰囲気でプラズマ洗
浄するので、先に形成した酸化物超電導層の超電導特性
が劣化しない。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
第1図ないし第4図は、本発明の製造方法をY-Ba-Cu
-O系の超電導体の製造方法に適用した一例を説明する
ためのものであり、この例では、第3図に示すスパッタ
装置を用いて第1層目の酸化物超電導層を形成した後
に、第1層目の酸化物超電導層の表面をプラズマで洗浄
し、その後に第4図に示すプラズマCVD装置で第2層
目の酸化物超電導層を形成する場合について説明する。
この例を実施するには、まず、第1図に示すような板状
の基材10を用意する。この基材10の構成材料として
は、融点800℃以上であって、非酸化性の材料を用い
ることが好ましく、具体的にはAgなどの貴金属または
その合金、Ti,Ta, Zr,Hf,V,Nb等の単体金属、あ
るいはCu-Ni 合金、Cu-Al合金、Ni-Al合金、Ti-
V合金、あるいは、モネルメタル、ステンレスなどの金
属材料、石英ガラス、サファイア、または、酸化マグネ
シウム、チタン酸ストロンチウムなどのセラミックスな
どが用いられる。このように非酸化性の材料を用いる理
由は、後の工程で行う熱処理時に、基材10が酸化して
酸化物超電導層から酸素を奪うことがないようにするた
めである。
次に第3図に示すスパッタ装置を用いて前記基材10の
上面に第1図に示すように第1層目の酸化物超電導層1
1を形成する。
この第1層目の酸化物超電導層11を形成するには、こ
の例ではスパッタ装置を用いるが、CVD法(化学蒸着
法)、真空蒸着法、分子線エピタキシー法、レーザ蒸着
法などの薄膜形成手段を用いることも自由である。ま
た、ここで形成する酸化物超電導層11とは、A-B-C
-O(ただしAは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどの周期律表第I
IIa族元素あるいはBa,Bi,Tlのうち1種または2種以
上を示し、Bは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Raなどの周期
率表第IIa族元素とKのうち1種あるいは2種以上を示
し、CはCu,Ag,Auなどの周期律表第Ib族元素とNb,
Kのうち1種あるいは2種以上を示す。)系のものであ
り、実際の系を例示するならばY-Ba-Cu-O系、Bi-
Sr-−Ca-Cu-O系、Tl-Ca-Ba-Cu-O系、La-Cu-
O系、Ba-K-Bi-O系などである。
第3図のスパッタ装置は、高周波スパッタ装置Sにイオ
ンビームアシスト用の酸素イオン源2を並設してなるも
のである。
このスパッタ装置Sは、3つの第1イオン源1と、基材
10を保持する板状の基材ホルダ3と、この基材ホルダ
3に所定間隔をもって対向する3枚の板状のターゲット
4,5,6とから概略構成されている。そして、前記基材
ホルダ3にはバイアス電源7が接続されており、この電
源7より基材ホルダ3とターゲット4,5,6との間の空
間にプラズマを発生できるようになっている。また、前
記基材ホルダ3とターゲット4,5,6は共に真空等の低
圧下におかれ、両者間の空間はアルゴンガスなどからな
る不活性ガス雰囲気あるいは酸素を含む不活性ガス雰囲
気とされている。なお、前記基材ホルダ3には、保持す
る基材10を成膜に適した温度に加熱するためのヒータ
が付設されている。
前記ターゲット4,5,6としては、前述したA-B-C-
O系の酸化物超電導層の構成元素であるA元素とB元素
とC元素のうち、少なくとも1つの元素を含む金属製あ
るいは合金製ターゲット、または、全元素を含む複合酸
化物、酸化物超電導体のターゲットなどを使用すること
ができる。ここで、ターゲット4にA元素からなるター
ゲット、ターゲット5にB元素からなるターゲット、タ
ーゲット6にC元素からなるターゲットを使用して各タ
ーゲットへのイオン電流を制御すれば、成膜される第1
層目の超電導層11の組成比を所望の値に調節すること
ができる。更に、ターゲット4,5,6のうち、2つを省
略して1つのターゲットのみを用い、酸化物超電導体の
ターゲットを用いてスパッタリングを行うこともでき
る。
前記スパッタ装置1の近傍には酸素イオン源2が配設さ
れている。この酸素イオン源2は、前記基材ホルダ3に
保持された基材10上で成膜中の第1層目の酸化物超電
導層11に向けて、酸素イオン、原子状の酸素、分子状
の酸素を単独あるいは2種以上含むビームとして照射す
るものである。
このような装置を用いれば、基材ホルダ3とターゲット
4,5,6との間に電場と磁場を発生させ、第1イオン源
1によりイオン化したアルゴンをターゲット4,5,6の
対向面に衝突させ、この衝突によりスパッタされたター
ゲット材料の中性原子や分子を基材10の表面に堆積さ
せることができる。そしてこの堆積と同時に第1層目の
酸化物超電導層11に酸素イオン源2から酸素イオンを
照射する。このような処理により酸素を十分に導入しつ
つ第1層目の酸化物超電導層11を形成することができ
る。
以上の操作によって第1層目の酸化物超電導層11を形
成したならば、スパッタ装置1から基材10を取り出し
て第2層目の酸化物超電導層を形成する準備を行う。
この準備の際に、基材10を大気中に放置しておくと、
第1層目の酸化物超電導層11の表面が空気中の塵埃な
どで汚れるか、あるいは、分解生成物の層が形成されな
どして表面が汚染される。この状態のままで第1層目の
超電導層11上に第2層目の超電導層を形成すると、両
層の付着力が低下して場合によっては両層間で剥離する
などの問題が生じる。
そこで、第2層目の酸化物超電導層を形成する前に、第
1層目の酸化物超電導層11の表面を洗浄する。ここで
洗浄を行うには、高周波あるいは直流でプラズマを発生
させて第1層目の酸化物超電導層11の表面をプラズマ
に曝す。プラズマに曝す場合、第3図に示すスパッタ装
置1あるいは第4図に示す後述のプラズマCVD装置を
用いても良いし、その他の一般的なプラズマ装置あるい
はスパッタ装置を用いても差し支えない。高周波プラズ
マにより酸化洗浄する場合、例えば、酸素ガスの圧力を
5×10-3Torr程度に設定し、高周波電力を1W/cm2
程度に、処理時間を数十分とすることにより洗浄するこ
とができる。この場合にプラズマにより第1層目の酸化
物超電導層11を酸化洗浄する際の厚さは、0.01〜
0.2μmの範囲が好ましい。厚さが0.01μm以下
であるとプラズマによる酸化洗浄の効果が不足であり、
0.2μm以上であるとプラズマによる酸化洗浄部分が
厚くなり過ぎて好ましくない。
このプラズマ酸化を行うには、第3図に示すスパッタ装
置1あるいは第4図に示すプラズマ蒸着装置を用いるこ
とができる。
第3図に示すスパッタ装置を用いる場合は、基材10を
基材ホルダ3に装着し、真空雰囲気においてバイアス電
源7を作動させてプラズマを発生させ、基材10上の第
1層目の酸化物超電導層11をプラズマに曝すようにす
れば良い。
第4図は、第2層目の酸化物超電導層の形成に用いて好
適なプラズマCVD装置の一例を示すものである。ま
た、第2の酸化物超電導層を形成する装置は、第4図に
示すようなプラズマCVD装置であっても良いし、真空
蒸着装置、スパッタ装置、分子線エピタキシー装置、レ
ーザ蒸着装置などであっても良い。
第4図のプラズマCVD装置Pは、プラズマ発生筒20
と、プラズマ発生筒20の下部に接続された真空容器2
1と、真空容器21に接続された気相源供給装置22を
主体として構成されている。
プラズマ発生筒20の外周側には高周波コイル24が付
設され、プラズマ発生筒20の上端部にはキャリアガス
の供給管25が接続されている。前記真空容器21は、
図示略の真空排気装置に接続されて内部を真空引きでき
るようになっているとともに、真空容器21の中央部に
は加熱ヒータ26が設けられ、加熱ヒータ26の中央部
上面に基材10を設置できるようになっている。
また、気相源ガス供給装置22は、バブラ28,29を
具備し、各バブラ28,29は接続パイプ27によって
真空容器21に接続され、接続パイプ27の先端部27
aはプラズマ発生筒20の下端開口部に臨ませられてい
る。前記バブラ28にはYとCuの気相源、例えば、こ
れらの元素のアセチルアセトン化合物、ヘキサフルオル
アセチルアセトン化合物などのジケトン化合物、シクロ
ペンタジエニル化合物などの金属錯体などが収納され、
バブラ29にはBaの有機金属錯体あるいはCuの無機化
合物などが収納されている。そして、この気相源ガス供
給装置22により、各バブラ28,29から発生させた
揮発ガスにキャリアガスを混合して気相源ガスとした後
に、この気相源ガスを接続パイプ27を介して真空容器
21の内部に送ることができるようになっている。な
お、バブラ28,29に供給されるキャリアガスとして
は、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガスなどが好適に用
いられるとともに、気相源として常温常圧では気化し難
いものを用いる場合は、各バブラ28,29を加熱する
かあるいはバブラ28,29を減圧状態にすることで揮
発ガスの発生を促進することができる。
この装置を用いて第1層目の酸化物超電導層11の表面
を洗浄するには、ヒータ26の上に基材10を設置し、
真空容器21の内部を減圧雰囲気とするとともに、ガス
供給管25から酸素ガスとArガスの混合ガスを送り、
高周波コイル24を作動させてプラズマフレームFを発
生させる。
以上の操作によりプラズマフレームFを基材10上の酸
化物超電導層11の表面に吹き付けて第1層目の酸化物
超電導層11の表面をプラズマ酸化させて洗浄すること
ができる。この洗浄処理は先に行ったスパッタ装置1に
よる洗浄が十分な場合は省略しても差し支えない。
次いで第2の酸化物超電導層12を形成する。この場合
基材10を真空容器21のヒータ26の中央に設置して
おき、真空容器21の内部を真空引きするとともに、気
相源22からYとCuの気相源ガスとBaの気相源ガスと
酸素ガスをプラズマ発生筒20の下方に送る一方、ガス
供給管25から酸素ガスや亜酸化窒素ガスなどの酸素源
ガスと不活性ガスを混合したプラズマ発生用ガスをプラ
ズマ発生筒20に送り、更に高周波コイル24を作動さ
せてプラズマ発生筒20の内部にプラズマフレームFを
発生させる。また、加熱ヒータ26を作動させて基材1
0を600〜1000℃程度に予熱する。
接続パイプ27の先端からプラズマフレームFに供給さ
れた気相源ガスは、プラズマフレームFの熱で分解さ
れ、プラズマフレームFの周囲に存在する酸素と反応し
てYとBaとCuの複合酸化物の微粉末となって被覆線の
表面に吹き付けられる。
このとき基材10は、プラズマフレームFの熱と加熱ヒ
ータ26の熱により800〜1000℃程度に予熱され
ているために、この高温雰囲気によって気相源ガスは雰
囲気中の酸素の反応してY-Ba-Cu-O系の第2層目の
酸化物超電導層12が生成する。第2層目の酸化物超電
導層12を生成させたならば、必要に応じ、酸素雰囲気
中などにおいて800℃に0.1〜数10時間程度加熱
する熱処理を施して元素の拡散を促進し、各酸化物超電
導層11,12を安定化する。
なお、第2層目の酸化物超電導層12を生成する場合、
気相源ガス供給装置22から、300℃程度で分解して
酸素を放出する亜酸化窒素(NO)ガスなどの酸化性の
ガスを送り、酸化物超電導層Sの生成時に十分な酸素を
供給するようにしても良い。
以上説明したように第1層目の酸化物超電導層11の表
面をプラズマ酸化して洗浄した後に第2層目の酸化物超
電導層12を形成するならば、第1層目の酸化物超電導
層11の結晶の方位に整合させてエピタキシャル成長さ
せながら第2層目の酸化物超電導層12を形成できるの
で、第1層目の酸化物超電導層11の結晶方位と整合し
た第2層目の酸化物超電導層12を形成できる。従って
所望の超電導特性の酸化物超電導層12を形成できる。
また、第1層目の酸化物超電導層11に対して第2層目
の酸化物超電導層12が整合性に優れるので両超電導層
11,12が良好に密着し、剥離することがない。
なお、この発明の実施に用いる基材10はテープ状、線
状、筒状などでも差し支えなく、テープ状の基材を用い
る場合は、基材の一側の表面のみに酸化物超電導層を形
成しても良い。なおまた、この例では2層構造の酸化物
超電導体を形成する場合について説明したが、3層以上
の構造の酸化物超電導体を形成する場合も層毎に前述と
同様の操作を繰り返し行って積層するならば、層間での
剥離を生じることなく特性の優れた多層構造の酸化物超
電導体を形成することができる。
「実施例」 本発明の方法に基いて2層構造のY-Ba-Cu-O系の酸
化物超電導層を形成した。
基材には酸化マグネシウム製の基板を使用するととも
に、第1層目の酸化物超電導層を形成するにはターゲッ
トを1基備えた高周波スパッタ装置を用い、ターゲット
はY1Ba2Cu37- δなる組成の酸化物ターゲットを用
いた。スパッタ時の雰囲気は100%Arガス雰囲気と
し、圧力は0.25Paに設定するとともに、成膜時の
基材温度は700℃とした。また、酸素イオン源のイオ
ン電流密度は500μA/cm2、加速電圧は500eVに
設定してスパッタを行い、基板上に厚さ1μmの酸化物
超電導層を形成した。
次にこの酸化物超電導層を大気中で1日間保存した後に
前記高周波スパッタ装置の基材ホルダに再び設置し直
し、酸素分圧を5×10-3Torrに設定し、高周波電圧
を1W/cm2に設定して15分間プラズマに曝した。
この後に第4図に示すプラズマCVD装置を用いて第2
層目の酸化物超電導層を形成した。この装置における気
相源としては、Yのトリス-シクロペンタジエニル化合
物とCuのビス-アセチルアセトン化合物を用い、各気相
源のキャリアガスとしては窒素ガスを用いた。また、プ
ラズマ発生筒のキャリアガスの供給管からArガスとN2
Oガスの混合ガスによりBaCO3の粉末を供給し、プラ
ズマ発生筒の真空度を1Torrに設定し、基板温度を8
50℃に設定して厚さ1μmの第2層目の酸化物超電導
層を形成した。
以上の工程により製造された2層構造の酸化物超電導層
の臨界温度(Tc)と臨界電流密度(Jc)を測定した結果、 Tc=89K Jc=3×105A/cm2 の優秀な値を発揮することを確認できた。また、第2層
目の酸化物超電導層は第1層目の酸化物超電導層に対し
て整合性良く密着していることも確認できた。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば、酸化物超電導層を
形成した後にプラズマにより表面を洗浄し、表面の不純
物層を除去した後に次の酸化物超電導層を形成するの
で、多層構造の酸化物超電導体であっても各層間の密着
性の良好なものが得られる。従って多層構造の酸化物超
電導体であっても所望の特性のものを製造することがで
きる。また、先に形成した酸化物超電導層に対し、後に
形成する酸化物超電導層が整合性良く成長するので、各
超電導層間で結晶方位の揃ったものを形成することがで
きる。更に減圧酸素雰囲気でプラズマ処理するので処理
する酸化物超電導層には酸素が十分に補給されて酸化物
超電導層の特性が劣化することがない。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は、本発明の一実施例を説明するた
めのもので、第1図は基材に第1の超電導層を形成した
状態を示す断面図、第2図は第1の超電導層上に第2の
超電導層を形成した状態を示す断面図、第3図はスパッ
タ装置の構成図、第4図はプラズマCVD装置の断面図
である。 10……基材、11……第1の超電導層、 12……第2の超電導層、S……スパッタ装置、 P……プラズマCVD装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 12/00 ZAA 8936−5G 13/00 561 Z 8936−5G (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 小山内 裕 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 品田 知章 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社研究企画部内 (72)発明者 杉本 脩 広島県広島市南区大州4丁目4番32号 中 国電力株式会社技術研究所内 (72)発明者 渡辺 喜一郎 福岡県福岡市南区塩原2丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層構造の酸化物超電導体を形成する方法
    において、先に形成した酸化物超電導層の後に次の酸化
    物超電導層を形成するにあたり、先に形成した酸化物超
    電導層の表面を酸素雰囲気中においてプラズマに曝した
    後に次の酸化物超電導層を形成することを特徴とする酸
    化物超電導体の製造方法。
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