JP2759858B2 - クランク軸の潤滑油供給構造 - Google Patents

クランク軸の潤滑油供給構造

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JP2759858B2
JP2759858B2 JP4156954A JP15695492A JP2759858B2 JP 2759858 B2 JP2759858 B2 JP 2759858B2 JP 4156954 A JP4156954 A JP 4156954A JP 15695492 A JP15695492 A JP 15695492A JP 2759858 B2 JP2759858 B2 JP 2759858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のエンジンに
用いて好適の、クランク軸の潤滑油供給構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等のエンジンでは、エンジ
ンを円滑に作動させるために、潤滑装置を設けて、エン
ジンの回転部分や摺接部分に潤滑油を絶えず供給して、
このエンジン内の摩擦抵抗を減少させている。一般に、
潤滑油をエンジン内に供給する構造としては、エンジン
のクランク軸の回転により作動するオイルポンプによっ
て、オイルパン内に蓄えられていた潤滑油を各部に供給
するようになっている。そして、この後潤滑油は、フィ
ルタとしてのオイルエレメント内を通って再びオイルパ
ンに蓄えられ、このような動作を繰り返している。
【0003】そして、図5,図6に示すように、エンジ
ンのクランクシャフト1内にも、この潤滑油が通るため
の潤滑油通路6′が設けられており、このクランクシャ
フト1の油路6′に送給された潤滑油は、潤滑油を送出
する穴部(潤滑油送出部)5から、コネクティングロッ
ド(図示省略)とクランクシャフト1との摺接部である
クランクピン部4に供給される。また、潤滑油は、メイ
ンジャーナル部2の潤滑油導入部3から潤滑油通路6′
に連続して送給されるので、クランクシャフト1の回転
に伴い、クランクピン部4には、潤滑油によって薄膜が
形成され、エンジンが滑らかに回転できるようになって
いる。
【0004】また、この潤滑油には、摩擦抵抗の減少だ
けでなく、エンジン内の摺接部分が高温になった時にこ
れを冷却する冷却作用や、図示しないピストンリングと
シリンダ壁との隙間等の気密性を潤滑油の油膜により保
持するという気密性保持作用もある。そして、このクラ
ンクシャフト1内の潤滑油通路6′は、クランクピン部
4とクランクシャフト1のメインジャーナル部2とを直
線的に連絡しており、図5に示すように、クランクシャ
フト1の軸方向から見てクランクピン部4の外端点4A
とクランクシャフト1の軸中心1Aとを結んだ基準面1
Bに対して傾けて設けられており、この潤滑油通路6′
は基準面1Bと交叉している。
【0005】このような潤滑油通路6′では、クランク
シャフト1の軸中心1Aよりもクランクピン部4の外端
点4A側(すなわち、図5中B部)の潤滑油は、クラン
クシャフト1の回転によって潤滑油通路6′内の潤滑油
が遠心力を受けることにより潤滑油送出部5から外側に
送出され、クランクピン部4に潤滑油が供給される。そ
して、この時に送出された潤滑油によって生じる潤滑油
通路6′内の圧力変化によって、潤滑油通路6′内で軸
中心1Aよりも潤滑油導入部3側(図5中A部)の潤滑
油が潤滑油送出部5側に移動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5中A部
の潤滑油は、潤滑油通路6′内の潤滑油が流れる方向と
は逆向きの遠心力を受けており、潤滑油は、この逆向き
の力に抗して潤滑油送出部5側に移動しているので、こ
のA部での遠心力は、潤滑油の供給経路上において大き
な抵抗となる。
【0007】これにより、メインジャーナル部2での潤
滑油供給圧力がクランクシャフト1の回転速度によらず
一定のエンジンでは、クランクシャフト1が高回転にな
ると、A部での遠心力が大きくなり、メインジャーナル
部2の油圧に抗して潤滑油が潤滑油通路6′内に流れな
くなることが考えられる。そして、このような状態で
は、潤滑油の供給能力が低下して、十分な潤滑が行なわ
れなくなる。
【0008】したがって、メインジャーナル部2では、
A部での遠心力に打ち勝つような高い油圧を確保して、
潤滑油導入部3に潤滑油を送給する必要がある。このた
め、クランクシャフト1の回転速度に応じて、メインジ
ャーナル部2の潤滑油供給圧力を高めることが考えられ
るが、このようにメインジャーナル部2の潤滑油供給圧
力をクランクシャフト1の回転速度に応じて調整しよう
とすると、エンジンの重量が増加し、コストも上昇して
しまう。
【0009】そして、このような問題を解決するため
に、図7に示すようなクランク軸の潤滑油供給構造が考
えられた。この構造では、潤滑油通路6″が、図5に示
した従来の潤滑油通路6′に対して、軸中心1Aから離
隔した位置に配設されている。これにより、クランクシ
ャフト1の回転に伴う遠心力が減少し、潤滑油の流れる
方向に対して逆向きに働く遠心力も低減する。なお、図
中符号8はバランスウェイト部を示し、矢印Dはクラン
クシャフト1の回転方向を示している。
【0010】ところで、上述したような潤滑油通路6″
では、潤滑油通路6′に対して、軸中心1Aよりも遠く
に設けられているので、クランクシャフト1の軸方向か
ら見て基準面1Bに対して大きく傾いて設けられてい
る。そして、メインジャーナル部2での潤滑油の流れる
方向に対して、潤滑油導入部3が鋭角になり、メインジ
ャーナル部2と潤滑油通路6″内とでは、潤滑油の流れ
る方向がほぼ逆方向になる。したがって、潤滑油通路
6″内に潤滑油が送給されにくいという課題がある。
【0011】また、潤滑油中に空気が混入していると、
潤滑油通路6″内の圧力変化は、この潤滑油通路6″内
の空気の容積が膨脹することにより吸収されて、潤滑油
のA部からB部への移動がほとんど期待できなくなり、
十分な潤滑が行なわれなくなることがある。本発明は、
上述の課題に鑑み創案されたもので、クランクシャフト
の回転状態によらず、常に潤滑油が良好な状態で供給さ
れるようにした、クランク軸の潤滑油供給構造を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
本発明のクランク軸の潤滑油供給構造は、クランク軸
のメインジャーナル部に形成された潤滑油導入部と、該
クランク軸のクランクピン部に形成された潤滑油送出部
と、該潤滑油導入部と該潤滑油送出部とを略直線的に連
絡するようにクランク軸に穿設された潤滑油通路とをそ
なえたクランク軸の潤滑油供給構造において、上記潤滑
油通路が該メインジャーナル部の中心軸と該クランクピ
ン部の中心軸とを含む平面に交差しないように、該潤滑
油導入部と該潤滑油送出部とがいずれも該平面の一方の
側に設けられるとともに、該潤滑油導入部に沿う潤滑油
の流れ方向と該メインジャーナル部におけるクランク軸
回転方向の接線とによってなされる角度が鈍角となるよ
うに形成されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の本発明のクランク軸
の潤滑油供給構造は、該潤滑油導入部に沿う該潤滑油の
流れ方向と該メインジャーナル部におけるクランク軸回
転方向の接線とによってなされる角度が鈍角となるよう
に、該潤滑油導入部が上記潤滑油通路に対して屈曲形成
された導入部用補助通路に設けられていることを特徴と
している。
【0014】
【作用】上述の本発明のクランク軸の潤滑油供給構造で
は、潤滑油導入部と潤滑油送出部とが、いずれもメイン
ジャーナル部の中心軸とクランクピン部の中心軸とを含
む平面の一方の側に配設されているので、クランク軸の
回転による遠心力の影響が低減される。また、潤滑油導
入部がメインジャーナル部でオイル流れ方向に対して鈍
角に設けられているので、潤滑油がクランク軸のメイン
ジャーナル部の潤滑油導入部から円滑に送給され、この
潤滑油は潤滑油通路を通じて潤滑油送出部から送出され
て、クランク軸の潤滑油の供給状態が常に良好に保たれ
る。
【0015】
【実施例】以下、図面により、本発明の第1実施例とし
てのクランク軸の潤滑油供給構造について説明すると、
図1はその要部構造を示すクランクシャフト軸正面図、
図2はその要部構造を示すクランクシャフト軸側面図で
あって図1のC矢視図である。
【0016】まず、図1に示すように、このクランクシ
ャフト(クランク軸)1内には、潤滑油の供給経路とし
て、潤滑油通路6が設けられている。この潤滑油通路6
は、このクランクピン部4のメインジャーナル部2か
ら、コネクティングロッド(図示省略)とクランクシャ
フト1との摺接部である、クランクピン部4まで延設さ
れている。クランクシャフト1のメインジャーナル部2
は、クランクシャフト1がシリンダブロック(図示省
略)に支持されている部位であって、通常は、このメイ
ンジャーナル部2とシリンダブロックとの間に、ベアリ
ングとしてのメタル(メタルベアリング)10が設けら
れている。また、クランクシャフト1が回転すると、メ
タル10とメインジャーナル部2との間には潤滑油が供
給されるように、メタルオイル溝11が形成されてお
り、これにより、このメインジャーナル部2は、潤滑油
の油膜によってシリンダブロックから浮き上がって回転
駆動され、クランクシャフト1とシリンダブロックとの
摩擦が低減されるようになっている。
【0017】そして、図1,図2に示すように、このメ
インジャーナル部2には、潤滑油導入部3が設けられて
いる。この潤滑油導入部3は、クランクシャフト1内の
潤滑油通路6に通じており、クランクシャフト1の外側
のメタルオイル溝11から潤滑油通路6に潤滑油を送給
するための導入部になっている。すなわち、メタルオイ
ル溝11からの潤滑油は、一部をメタル10とメインジ
ャーナル部2との間に供給され、残りをクランクシャフ
ト1の回転に伴って潤滑油導入部3から潤滑油通路6に
送給されるようになっている。
【0018】また、潤滑油通路6の出口側には、このク
ランクシャフト1のクランクピン部4の外周に開口した
潤滑油送出部5が設けられている。そして、潤滑油送出
部5からは、潤滑油導入部3から潤滑油通路6を通って
送給された潤滑油が、クランクシャフト1の回転時に遠
心力を受けることにより送出されるようになっており、
これにより、コネクティングロッドの軸受け部(図示省
略)とクランクシャフト1との間の隙間に潤滑油が送給
されて、これらのコネクティングロッドの軸受け部とク
ランクシャフト1との摩擦が低減されるようになってい
る。
【0019】また、この潤滑油通路6は、クランクシャ
フト1の軸心線1Aから離隔して設けられており、この
クランクシャフト1における表面から比較的浅い部分を
通過するように配設されている。これにより、クランク
シャフト1の回転によって潤滑油通路6内の潤滑油に生
じる遠心力が弱まって、潤滑油の流れに対する遠心力の
影響が低減されるようになっている。つまり、図1中、
潤滑油導入部3近傍における潤滑油は、潤滑油通路6内
で潤滑油が流れる方向とは逆向きの遠心力を受けるが、
このように潤滑油通路6をクランクシャフト1の軸心線
1Aから遠ざけて配設することにより、潤滑油の流れ方
向に沿う遠心力の分力が小さくなり、潤滑油導入部3に
おいて潤滑油に作用する遠心力の影響が低減されるので
ある。
【0020】したがって、この構造では遠心力は、潤滑
油の供給経路上においてあまり大きな抵抗とならずに、
潤滑油は、容易に潤滑油送出部5側に移動していくよう
になっている。そして、このクランク軸の潤滑油供給構
造では、メインジャーナル部2で潤滑油導入部3に向か
うメタルオイル溝11内のオイル流れ方向に対して、潤
滑油導入部3がより鈍角(図1中の角度a)になるよう
に、潤滑油通路6に対して屈曲した導入部用補助通路7
が形成されている。
【0021】つまり、例えば、図1中矢印D方向にクラ
ンクシャフト1が回転すると、メインジャーナル部2の
外周のメタルオイル溝11において矢印bのような流れ
が生じるが、導入部用補助通路7に設けられた潤滑油導
入部3により、メタルオイル溝11から流れを利用しつ
つ、潤滑油が導入される。そして、これにより、潤滑油
が潤滑油通路6に滑らかに送給されるようになってい
る。
【0022】また、クランクシャフト1が高速で回転す
る程、潤滑油も多く必要であるが、このように、オイル
流れ方向に沿うように導入部用補助通路7を介して潤滑
油導入部3が設けられているので、潤滑油導入部3に導
かれる潤滑油は、クランクシャフト1が高速回転する程
増加して、クランクシャフト1の回転速度に応じて潤滑
油が供給されるようになっている。
【0023】そして、図1,図2に示すように、このク
ランクシャフト1には、重量低減のための肉抜き穴9が
設けられている。この肉抜き穴9は、図1に示すよう
に、クランクシャフト1の軸方向から見てクランクピン
部4の外端点4Aとクランクシャフト1の軸中心1Aと
を結んだ基準面1B上に設けられている。また、この肉
抜き穴9は、クランクシャフト1の強度を損なわない範
囲で、極力大きく設けられることが望ましいが、このク
ランク軸の潤滑油供給構造では、潤滑油通路6がクラン
クシャフト1の軸心線1Aから離隔して設けられている
ので、大型の肉抜き穴9を設けることができるようにな
っている。
【0024】本発明の第1実施例としてのクランク軸の
潤滑油供給構造は、上述のように構成されているので、
クランクシャフト1が回転すると、メインジャーナル部
2のメタル10とメインジャーナル部2との間に潤滑油
が供給される。これにより、クランクシャフト1が高速
で回転駆動されると、このメインジャーナル部2は、潤
滑油の油膜によってシリンダブロックから浮き上がって
回転駆動され、クランクシャフト1とシリンダブロック
との摩擦が低減される。
【0025】そして、メタル10とメインジャーナル部
2との間には、メタルオイル溝11を通じてクランクシ
ャフト1が回転駆動している時も、潤滑油が供給され
る。また、メタルオイル溝11からの潤滑油は、このメ
インジャーナル部2の潤滑油導入部3から潤滑油通路6
を通じてクランクピン部4とコネクティングロッドとの
摺接部へも送給される。
【0026】この時、この潤滑油通路6は、クランクシ
ャフト1の軸心線1Aから離隔して設けられているの
で、潤滑油が受けるクランクシャフト1の回転による遠
心力の影響が低減される。つまり、図1中、潤滑油導入
部3近傍における潤滑油には、クランク軸1の回転によ
る遠心力の分力が作用して、潤滑油が流れる方向とは逆
向きに遠心力の分力を受けるが、このように潤滑油通路
6をクランクシャフト1の軸心線1Aから遠ざけて配設
することにより、潤滑油に生じる遠心力の分力が小さく
なって、潤滑油の流入を妨げようとする力が低減される
のである。
【0027】そして、メインジャーナル部2において、
メタルオイル溝11の流れに鈍角(図1中角度a)にな
るように、潤滑油通路6に対して屈曲した導入部用補助
通路7が設けられ、この導入部用補助通路7に潤滑油導
入部3が設けられているので、メタルオイル溝11から
の潤滑油が潤滑油導入部3に滑らかに送給される。ま
た、クランクシャフト1が高速で回転する程、潤滑油も
多く必要であるが、このように、オイル流れ方向に導入
部用補助通路7が設けられていることにより、潤滑油導
入部3からは、クランクシャフト1の回転速度に応じて
潤滑油が供給される。
【0028】そして、潤滑油送出部5からは、潤滑油導
入部3から潤滑油通路6を通って送給された潤滑油が十
分に送出される。これにより、コネクティングロッドの
軸受け部とクランクシャフト1との間の隙間に潤滑油が
送給されて、これらのコネクティングロッドの軸受け部
とクランクシャフト1との摩擦が低減される。また、図
1に示すように、潤滑油通路6をクランクシャフト1の
軸心線1Aから離隔して設けることにより、大型の肉抜
き穴9を設けることができ、これにより、クランクシャ
フト1全体の重量を低減することができる。
【0029】次に、本発明の第2実施例としてのクラン
ク軸の潤滑油供給構造について説明すると、図3はその
第2実施例の要部構造を示す模式図である。この第2実
施例では、第1実施例のクランク軸の潤滑油供給構造に
対して、潤滑油通路6の構造のみ異なっており、他の構
造については第1実施例と同一であるのでここでは説明
を省略する。
【0030】このクランク軸の潤滑油供給構造でも、図
3に示すように、メインジャーナル部2で潤滑油導入部
3に向かうメタルオイル溝11内のオイル流れ方向に対
して、潤滑油導入部3がより鈍角(図3中、角度a)に
なるように、潤滑油導入部3に導入部用補助通路7Aが
形成されている。この実施例の導入部用補助通路7A
は、潤滑油導入部3のオイル流れ方向の上流側の内壁の
みを面取りしたように切り欠いたものである。なお、潤
滑油導入部3の内壁のうち、オイル流れ方向の下流側
は、切り欠かれていない。そして、この導入部用補助通
路7Aにより、潤滑油を抵抗なく導入することができる
ようになっている。
【0031】また、この潤滑油通路6は、第1実施例と
同様に、クランクシャフト1の軸心線1Aから離隔して
設けられており、クランクシャフト1の表面から比較的
浅い部分を通過するように配設されている。これによ
り、メインジャーナル部2で潤滑油導入部3に向かうメ
タルオイル溝11内のオイル流れ方向に対して、潤滑油
導入部3が鈍角になるようになっている。
【0032】本発明の第2実施例としてのクランク軸の
潤滑油供給構造は、上述のように構成されているので、
メインジャーナル部2で潤滑油導入部3に向かうオイル
流れ方向の上流側に設けられた導入部用補助通路7Aに
より、潤滑油導入部3へより鈍角(図3中、角度a)に
潤滑油が導入され、潤滑油通路6に潤滑油が送給され
る。これにより、メタルオイル溝11から滑油導入部3
へ円滑に潤滑油が流れて、潤滑油通路6に潤滑油が送給
される。
【0033】したがって、第1実施例とほぼ同様な効果
が得られる。そして、この実施例の導入部用補助通路7
Aは、潤滑油導入部3の開口部を僅かに加工するだけな
ので、クランクシャフトの加工の工数やコストをより低
減でき、本構造を容易に実現することができる。次に、
本発明の第3実施例としてのクランク軸の潤滑油供給構
造について説明すると、図4はその第3実施例の要部構
造を示す模式図である。
【0034】この第3実施例は、第2実施例と同様に、
第1実施例のクランク軸の潤滑油供給構造に対して、潤
滑油通路6の構造のみ異なっており、他の構造について
は第1実施例と同一であるのでここでは説明を省略す
る。このクランク軸の潤滑油供給構造では、図4に示す
ように、潤滑油通路6が、メインジャーナル部2の潤滑
油を導入する潤滑油導入部3から潤滑油送出部5までを
屈曲することなく直線的に結んでいる。
【0035】したがって、潤滑油導入部3は、上述した
第1実施例及び第2実施例のような、導入部用補助通路
7及び導入部用補助通路7Aは設けられず、潤滑油通路
6の配設方向によって、オイル流れ方向に対して、潤滑
油導入部3が鈍角(図4中、角度a)になるように設定
されている。本発明の第3実施例としてのクランク軸の
潤滑油供給構造は、上述のように構成されているので、
潤滑油が潤滑油導入部3へ鈍角に導入される。そして、
メタルオイル溝11から滑油導入部3へ円滑に潤滑油が
流れて、潤滑油通路6に潤滑油が送給される。
【0036】したがって、第1及び第2実施例とほぼ同
様の効果に加えて、クランクシャフトの加工の工数やコ
ストをさらに低減でき、本構造を容易に実現できる利点
がある。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のクランク
軸の潤滑油供給構造によれば、クランク軸のメインジャ
ーナル部に形成された潤滑油導入部と、該クランク軸の
クランクピン部に形成された潤滑油送出部と、該潤滑油
導入部と該潤滑油送出部とを略直線的に連絡するように
クランク軸に穿設された潤滑油通路とをそなえたクラン
ク軸の潤滑油供給構造において、上記潤滑油通路が該メ
インジャーナル部の中心軸と該クランクピン部の中心軸
とを含む平面に交差しないように、該潤滑油導入部と該
潤滑油送出部とがいずれも該平面の一方の側に設けられ
るとともに、該潤滑油導入部に沿う潤滑油の流れ方向と
該メインジャーナル部におけるクランク軸回転方向の接
線とによってなされる角度が鈍角となるように形成され
という構成により、潤滑油が受けるクランク軸の回転
による遠心力の影響が低減されて、潤滑油がクランシャ
フトの回転状態によらず常に良好な状態で供給される。
すなわち、潤滑油通路における潤滑油の流れに対して逆
向きに作用するクランクジャーナルの回転による遠心力
を小さくすることができ、これにより潤滑油の供給状態
を良好に保つことが可能となるのである。 また、潤滑油
通路を上記平面の一方の側に設けることにより、クラン
ク軸に大型の肉抜き穴を設けることができ、クランク軸
の全体の重量を低減することができるという利点があ
る。
【0038】また、上記潤滑油導入部が上記メインジャ
ーナル部で該潤滑油導入部に向かうオイル流れ方向に対
して鈍角になるように、該潤滑油導入部が上記潤滑油通
路に対して屈曲形成された導入部用補助通路に設けられ
るという構成により、潤滑油が潤滑油導入部に滑らかに
送給される。また、潤滑油導入部からは、クランク軸の
回転速度に応じて潤滑油が供給される。
【0039】た、潤滑油通路をクランクシャフトの軸
心線から離隔して設けることにより、大型の肉抜き穴を
設けることができ、これにより、クランクシャフト全体
の重量を低減することができる。そして、本発明はこの
ような簡単な構成により、低コストで本機構を実現する
ことができ、クランクシャフトの回転状態によらず、常
に潤滑油が良好な状態で供給される潤滑油供給構造を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのクランク軸の潤滑
油供給構造の要部構造を示すクランクシャフト軸正面図
である。
【図2】本発明の第1実施例としてのクランク軸の潤滑
油供給構造の要部構造を示すクランクシャフト軸側面図
であって、図1のC矢視図である。
【図3】本発明の第2実施例としてのクランク軸の潤滑
油供給構造の要部構造を示すクランクシャフト軸側面図
である。
【図4】本発明の第3実施例としてのクランク軸の潤滑
油供給構造の要部構造を示すクランクシャフト軸側面図
である。
【図5】従来のクランク軸の潤滑油供給構造を示す模式
的な構成図であって、図6におけるE矢視図である。
【図6】従来のクランク軸の潤滑油供給構造を示す模式
的な構成図である。
【図7】従来のクランク軸の潤滑油供給構造を示す模式
的な構成図であって、図6におけるE矢視図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト(クランク軸) 1A クランクシャフト軸心線 1B クランクシャフト基準面 2 メインジャーナル部 3 潤滑油導入部 4 クランクピン部 4A クランクピン部外端点 5 潤滑油送出部 6,6′,6″ 潤滑油通路 7 導入部用補助通路 7A 導入部用補助通路 8 バランスウェイト部 9 肉抜き穴 10 メタル 11 メタルオイル溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01M 1/06 F16C 3/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸のメインジャーナル部に形成
    された潤滑油導入部と、該クランク軸のクランクピン部
    に形成された潤滑油送出部と、該潤滑油導入部と該潤滑
    油送出部とを略直線的に連絡するようにクランク軸に穿
    設された潤滑油通路とをそなえたクランク軸の潤滑油供
    給構造において、 上記潤滑油通路が該メインジャーナル部の中心軸と該ク
    ランクピン部の中心軸とを含む平面に交差しないよう
    に、該潤滑油導入部と該潤滑油送出部とがいずれも該平
    面の一方の側に設けられるとともに、 該潤滑油導入部に沿う潤滑油の流れ方向と該メインジャ
    ーナル部におけるクランク軸回転方向の接線とによって
    なされる角度が鈍角となるように形成されている ことを
    特徴とする、クランク軸の潤滑油供給構造。
  2. 【請求項2】 該潤滑油導入部に沿う該潤滑油の流れ方
    向と該メインジャーナル部におけるクランク軸回転方向
    の接線とによってなされる角度が鈍角となるように、
    潤滑油導入部が上記潤滑油通路に対して屈曲形成された
    導入部用補助通路に設けられていることを特徴とする、
    請求項1記載のクランク軸の潤滑油供給構造。
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