JP2002138846A - ターボチャージャの軸受装置 - Google Patents
ターボチャージャの軸受装置Info
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- F16C2360/00—Engines or pumps
- F16C2360/23—Gas turbine engines
- F16C2360/24—Turbochargers
Abstract
音の低減と、白煙の発生防止とを両立させる。 【解決手段】 シャフト13の一端を支持するコンプレ
ッサ側軸受25の外径クリアランスを大とし、内径クリ
アランスを小とするか、或いは外径幅を小とし、内径幅
を大とすることにより、シャフト13の自励振動を抑え
て騒音を低減させる。また、タービン側軸受26の内外
径クリアランスを共に小とするか、或いは内外径幅を共
に大とすることにより、排気側へのオイル洩れ量を低減
させて白煙の発生を防止する。
Description
ために使用されるターボチャージャの軸受装置に関する
ものである。
来技術として、例えば特開昭56−138423号公報
に開示されたものが知られている。この従来技術を図3
に基づいて説明する。ターボチャージャのベアリングハ
ウジング71は浮動ブッシュ軸受72を介してシャフト
73を回転自在に支承している。また、2つの浮動ブッ
シュ軸受72の間には中間スリーブ74が配設されてい
る。各浮動ブッシュ軸受72には、ベアリングハウジン
グ71に穿設されたオイル供給路75を介して、図示し
ないオイル供給源から潤滑用オイルが供給される。
転するシャフト73との間に形成された数十ミクロンの
隙間(内径クリアランス)にオイルが圧送されて、この
隙間に油膜が形成されるので、シャフト73は浮動ブッ
シュ軸受72上に浮いた形で回転する。このとき、浮動
ブッシュ軸受72は油膜を介してシャフト73の回転に
引きずられ、シャフト73の回転数に対して20〜30
%の回転数でつれ回りをする。また、ベアリングハウジ
ング71と浮動ブッシュ軸受72との隙間(外径クリア
ランス)にも油膜が形成される。
ト73との摺動面の相対速度が低下し、また油膜による
ダンパー効果によりシャフト73のふれまわりが制振さ
れるので、浮動ブッシュ軸受72はシャフト73の高速
回転時にも焼付くことがなく、安定して回転を受け持つ
ことができる。また、2つの浮動ブッシュ軸受72に
は、通常軸受諸元がそれぞれ等しいものが使用され、シ
ャフト73の自励振動を制振するように適合されてい
る。
動車エンジン用のターボチャージャにおいては、騒音を
より低減することが求められている。しかしながら、図
3に示すような構造の浮動ブッシュ軸受においては、オ
イルホワールなどシャフトの自励振動による騒音を完全
に抑えることは難しいので、軸受諸元の最適化等により
これに対応している。
ュ軸受には左右(コンプレッサ側とタービン側)同諸元
の軸受が用いられる。そして図4に示す各軸受の外径ク
リアランスを大とすると共に、内径クリアランスを小と
する(図5(a)参照)か、或いは、外径幅を小とする
と共に、内径幅を大とする(図5(b)参照)と、シャ
フトの自励振動を小さくすることができる。
外径クリアランスを大とするか、或いは、図5(b)の
ように外径幅を小とすると、軸受を通過して流れるオイ
ル流量が増加して、排気側へのオイル洩れ量が増加する
ために白煙が発生するという問題が生じる。従って、シ
ャフトの自励振動による騒音を低減することと、排気側
へのオイル洩れによる白煙発生を防止することとは、両
立させることができないという問題がある。
み、本発明においては、ターボチャージャの騒音低減
と、排気側へのオイル洩れによる白煙の発生防止を両立
させることができるようなターボチャージャの軸受装置
を提供することを目的とする。
課題を解決するために講じた手段は、ハウジングと、該
ハウジングに軸受装置を介して回転自在に支承されるシ
ャフトと、該シャフト上に配設され、収容部を形成する
スラストブッシュと、前記ハウジングに取り付けられる
と共に、前記収容部に係合するスラストベアリングと、
前記ハウジングの内部に形成され、前記軸受装置及びス
ラストベアリングへオイルを供給するオイル供給路と、
前記シャフトの両端にそれぞれ取り付けられるタービン
ロータ及びコンプレッサロータとを有するターボチャー
ジャにおいて、前記軸受装置が、軸受諸元の異なる2種
類の浮動ブッシュ軸受から構成されると共に、それらの
浮動ブッシュ軸受が、外径クリアランスが大で、内径ク
リアランスが小の、或いは外径幅が小で、内径幅が大の
コンプレッサ側軸受と、内外径クリアランスが共に小
の、或いは内外径幅が共に大のタービン側軸受から構成
されるようにしたことである。
作用する半径方向の荷重を支持するために、軸受諸元が
相互に異なる2種類の浮動ブッシュ軸受をコンプレッサ
側及びタービン側に使い分けることを特徴としている
が、これらのコンプレッサ側軸受及びタービン側軸受が
それぞれ別体として設けられることを要件とするもので
はなく、両者が合体して一体化されていてもよい。ま
た、これら2つの軸受が完全な浮動ブッシュ軸受である
必要はなく、一部が固定された所謂セミフローティング
ベアリングであってもよい。
軸受は、コンプレッサ側及びタービン側共に同諸元の軸
受が用いられ、軸受諸元により図5(a)(b)のよう
な特性を示す。すなわち、外径クリアランスが大で、内
径クリアランスが小であるか、或いは外径幅が小で、内
径幅が大であるほど、シャフトの自励振動を小さくする
ことができ、それによって騒音を低減することができる
が、外径クリアランスを大きくするか、或いは外径幅を
小さくするほど排気側へのオイル洩れ量が増加し、白煙
が発生しやすくなる。
の中では、シャフトの重心から遠い位置にあるコンプレ
ッサ側軸受の諸元が支配的であり、排気側へのオイル洩
れの原因の中では、排気側であるタービンに近いタービ
ン側軸受の諸元が支配的である。
に、コンプレッサ側の軸受の外径クリアランスを大とす
ると共に、内径クリアランスを小とするか、或いは外径
幅を小とすると共に、内径幅を大とすることにより、シ
ャフトの自励振動を低減させることができ、それに伴っ
て騒音も低減させることができる。また、タービン側軸
受の内外径のクリアランスを共に小とするか、或いは内
外径の幅を共に大とすることにより、排気側へのオイル
洩れ量を低減させることができ、それに伴って白煙の発
生を防止することができる。このようにして、ターボチ
ャージャのシャフトの自励振動による騒音の低減と、排
気側へのオイル洩れによる白煙発生防止とを両立させる
ことが可能となる。
した実施例について、添付図面に基づいて詳細に説明す
る。図1に示す本発明の実施例としてのターボチャージ
ャ10において、ハウジング11は、タービンハウジン
グ11a、ベアリングハウジング11b及びコンプレッ
サハウジング11cから構成される。ベアリングハウジ
ング11b内においては軸受装置12を介して、シャフ
ト13が回転自在に支承されている。タービンハウジン
グ11a内において、シャフト13の一端にはタービン
ロータ14が溶接等によって取り付けられている。ま
た、コンプレッサハウジング11c内においてシャフト
13の他端には、スラストブッシュ15,16を挟ん
で、コンプレッサロータ17がナット18により取り付
けられている。なお、タービンハウジング11aとベア
リングハウジング11bとは、カップリング19により
一体化されていると共に、ベアリングハウジング11b
とコンプレッサハウジング11cとは、スナップリング
20により一体化されている。
付部付近にはオイル洩れ防止機構21が構成されてい
る。同様に、コンプレッサロータ17の背面部にはオイ
ル洩れ防止機構22が構成されている。図2において拡
大して示すように、軸受装置12の一部としてシャフト
13に取り付けられたスプール状のスラストブッシュ1
5の収容部23内には、ベアリングハウジング11bに
取り付けられたフォーク状のスラストベアリング24の
内周部が、軸方向に僅かな隙間を残して係合している。
なお、スラストベアリング24には、ベアリングハウジ
ング11bに形成されたオイル供給路29よりオイルが
供給されている。
側軸受25及びタービン側軸受26は、その外周面がベ
アリングハウジング11bに形成された収容部27の内
壁面との間に僅かな隙間を残して挿入されている。また
コンプレッサ側軸受25及びタービン側軸受26には、
その半径方向に複数個の給油孔(貫通孔)25a,26
bが穿設されている。
受25及びタービン側軸受26の内周面との間に僅かな
隙間をもって挿入されている。なお、コンプレッサ側軸
受25及びタービン側軸受26の軸方向への移動は、ス
ラストブッシュ15と3個のスナップリング28によっ
て規制される。
ンプレッサ側軸受25とタービン側軸受26はいずれも
浮動ブッシュ軸受であるが、それらの軸受諸元は相互に
異なっていて、コンプレッサ側軸受25は外径クリアラ
ンスが大で内径クリアランスが小になっているか、或い
は外径幅が小で内径幅が大になっていると共に、タービ
ン側軸受26は内外径クリアランスが共に小になってい
るか、或いは内外径幅が共に大となっている。
チャージャの軸受装置の実施例における作用について以
下詳細に説明する。エンジンの運転に伴ってオイル供給
路29には図示しないオイル供給源より常時潤滑、冷却
用のオイルが圧送されており、スラストベアリング24
の周辺及び軸受装置12の周辺へ供給されて、各摺動部
分に油膜が形成、保持されている。
いては、スプール形状のスラストブッシュ15の2つの
フランジの内側面と、それらの間に挿入されたスラスト
ベアリング24の側面との間に油膜が形成、保持され
る。シャフト13が高速で回転する際には、その軸方向
及び半径方向にそれぞれ微小な振幅で振動をするが、上
記油膜のスクイズ膜効果(オイルによるダンパー効果)
によりシャフト13の軸方向振動が低減されるので、ベ
アリングハウジング11bへの軸方向振動の伝達量は非
常に小さいレベルに抑えられる。
間、及び軸受25,26とベアリングハウジング11b
との間にはそれぞれ2枚の油膜が形成、保持される。従
って、上記2枚の油膜によるダンパー効果により、シャ
フト13の振れまわりが制振される。さらに、自励振動
には、シャフト13の重心から遠いコンプレッサ側軸受
25の諸元が支配的であるため、外径クリアランスが大
で、内径クリアランスが小であるか、或いは外径幅が小
で、内径幅が大のコンプレッサ側軸受25により、シャ
フト13の振れまわりが十分に制振されるため、シャフ
ト13の半径方向振動の、ベアリングハウジング11b
への伝達量は非常に小さいレベルに抑えられる結果、騒
音の発生量を低減させることができる。
であるタービン側に近いタービン側軸受26の諸元が支
配的であるため、内外径クリアランスが共に小である
か、或いは内外径幅が共に大となっているタービン側軸
受26により、タービン側軸受26付近のオイル流量を
低減させることができるために、排気側へのオイル洩れ
量が低減されて、白煙の発生を防止することができる。
ャフトの自励振動による騒音の低減と、排気側へのオイ
ル洩れによる白煙発生防止の両立が可能となる。なお、
本発明の実施例としてのターボチャージャの軸受装置1
2においては、半径方向の荷重を支持する左右の軸受2
5,26が相互に別体の浮動ブッシュ軸受である場合に
ついて説明したが、これらを左右の軸受25,26が一
体となった単体の浮動ブッシュ軸受によって置きかえる
か、或いは軸受25,26にハウジング側のピン等によ
って回り止め(公転のみを許す自転止め)を施した所謂
「半浮動ブッシュ軸受」に置きかえてもよい。それらの
場合にも前述の実施例と同様な効果が得られることは自
明である。
受装置を示す縦断面図である。
示す要部の拡大断面図である。
る。
オイル洩れによる白煙発生との関係を説明するための図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ターボチャージャのコンプレッサとター
ビンとを連結する回転軸と、該回転軸を囲むハウジング
との間に設けられた軸受装置において、該軸受装置が軸
受諸元の異なる2種類の浮動ブッシュ軸受から構成され
ていると共に、それらの浮動ブッシュ軸受が、外径クリ
アランスが大で、内径クリアランスが小のコンプレッサ
側軸受と、内外径クリアランスが共に小のタービン側軸
受から構成されていることを特徴とするターボチャージ
ャの軸受装置。 - 【請求項2】 ターボチャージャのコンプレッサとター
ビンとを連結する回転軸と、該回転軸を囲むハウジング
との間に設けられた軸受装置において、該軸受装置が軸
受諸元の異なる2種類の浮動ブッシュ軸受から構成され
ていると共に、それらの浮動ブッシュ軸受が、外径幅が
小で、内径幅が大のコンプレッサ側軸受と、内外径幅が
共に大のタービン側軸受から構成されていることを特徴
とするターボチャージャの軸受装置。 - 【請求項3】 請求項1または2において、軸受諸元の
異なる2種類の前記浮動ブッシュ軸受が、いずれもセミ
フローティングベアリングであることを特徴とするター
ボチャージャの軸受装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記コンプレッサ側軸受と前記タービン側軸受が一体化
されていることを特徴とするターボチャージャの軸受装
置。
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- 2000-11-07 JP JP2000339547A patent/JP4386563B2/ja not_active Expired - Fee Related
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