JP2759619B2 - 菌床栽培用の培養容器の製造方法およびその装置 - Google Patents

菌床栽培用の培養容器の製造方法およびその装置

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JP2759619B2 JP6335854A JP33585494A JP2759619B2 JP 2759619 B2 JP2759619 B2 JP 2759619B2 JP 6335854 A JP6335854 A JP 6335854A JP 33585494 A JP33585494 A JP 33585494A JP 2759619 B2 JP2759619 B2 JP 2759619B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、おが屑を主体とする培地を使
用して栽培するシイタケなどの菌床栽培に用いる培養容
器の製造方法と、この製造方法に使用される製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】クヌギやコナラなどの原木に種菌を接種
して行うシイタケの原木栽培に対し、おが屑を主体とす
る培地を広口ビンや、中低圧ポリエチレンまたはポリプ
ロピレンなどのプラスチック製の袋からなる培養容器に
充填して行う菌床栽培が広く実施されている。かゝる菌
床栽培に使用する培養容器の多くは、取り扱いなどの利
便性から厚さ0.03〜0.05mm程度の中低圧ポリ
エチレンまたはポリプロピレン製などプラスチック製フ
ィルムをガゼット状の上部が開口した袋とし、このガゼ
ット状の袋の上部に通気のために形成された孔にフィル
ターを熱溶着または接着剤によって取り付けたものが使
用されており、また、このプラスチック袋を自動的に製
造する装置もすでに実用化されている。
【0003】かくして得られたプラスチック袋からなる
培養容器は、生産者において、培養容器内におが屑を主
体とする培地を、人手あるいは機械などを使用して所定
量充填し、しかるのち開口部を仮止めして殺菌し、殺菌
が終了したのちシイタケなどのきのこ種菌を接し、再び
開口部を適宜の手段で閉塞して菌床とし、この菌床を爾
後常法にしたがって培養し、きのこを生産している。
【0004】一方、公知の竪型ビロー包装機として知ら
れる竪型製袋包装機に、中空軸スクリュー、分離切断
軸、分離ナイフ、細長孔形棒、加圧検知受板および袋横
受ガイドを設けることによって、袋を成形すると同時
に、袋内おが屑を自動的に詰め込み、充填した培地にき
のこ菌を植え付けるための孔を形成することのできるオ
ガ自動製袋加圧成形充填装置(特開昭63−1号公報)
も実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】菌床栽培に使用される
前記公知のプラスチック袋からなる培養容器は、プラス
チック製フィルムをガゼット状の上部が開口した袋と
し、このガゼット状の袋の上部に通気のために形成され
た孔にフィルターを熱溶着等によって取り付けられたも
のが市販されているため、生産者においてこれを購入す
ることがもっとも簡便であるが、完成品をその都度購入
せねばならず、この種の培養容器を大量に使用する場合
にはコストも嵩むなど実用上問題があった。
【0006】また、前記特開昭63−1号公報に開示さ
れたオガ自動製袋加圧成形充填装置は、製袋と同時に培
地を充填した培養容器を製造することができる点におい
てきわめて有利なものである。しかしながら、製袋され
た袋には、袋の側面部に通気用の孔を形成し、この孔に
円柱状のウレタンを差し込むか、薄いフィルターを熱溶
着や接着などの手段によって取り付けるか、あるいは、
開口する上部に内キャップ、薄い板状のフィルターおよ
び外キャップを装着して使用する必要があるため、通気
性を確保するための手段がきわめて煩瑣であるという問
題を有している。
【0007】この発明はかゝる現状に鑑み、製袋と同時
におが屑を主体とする培地を充填した培養容器に通気性
を確保するためのフィルターを簡単かつ容易に取り付け
ることのできる培養容器の製造方法およびその装置を提
供せんとすることを目的とするものである。
【0008】前記の目的を達成するため、この発明の菌
床栽培用の培養容器の製造方法は、下記(1)〜(6)
の工程を回転テーブルを所定の間隔で回転させながら順
次行うことを特徴とするものである。 (1)内部におが屑を主体とする培地を収容すると共
に、上部が開口したプラスチック製袋からなる培養容器
をコンベアから回転テーブル上に搬入する搬入工程 (2)搬入された培養容器の前記開口部を上下動するス
リーブ機構によって開口保持する開口保持工程 (3)前記スリーブ機構によって開口部を開口保持した
状態で培養容器の側面上部にフィルター取付け用の孔を
開口する孔開け工程 (4)開口部をスリーブ機構によって開口した状態で側
面上部に開口させたフィルター取付け用孔にフィルター
を熱融着するシール工程 (5)前記フィルターを培養容器に熱溶着させたのち、
開口部を開口状態に保持するスリーブ機構を培養容器か
ら離脱させて開口状態を解除する開口保持解除工程 (6)開口部の開口保持状態を解除された培養容器を回
転テーブルから再びコンベアに搬出する搬出工程
【0009】また、前記菌床栽培用の培養容器の製造方
法に使用する製造装置は、下記(A)〜(E)の機構を
具備することを特徴とするものである。 (A)コンベアによって移送される内部におが屑を主体
とする培地を収容すると共に、上部が開口したプラスチ
ック製袋からなる培養容器をコンベアから順次回転テー
ブル上に搬入する搬入機構 (B)回転テーブルの上方に上下動自在に設けられ、下
降によって方形のスリーブの下端部に設けた先端部が収
斂する複数本の保持ヒンジが培養容器の開口部から内部
に進入すると同時に、スリーブの下降によって収斂する
複数本の保持ヒンジが拡開して培養容器の上部を方形に
押し広げ、スリーブの最下降位置において培地上方の培
養容器を方形に保持し、スリーブの上昇によって前記保
持ヒンジの先端部が収斂して培養容器から離脱するスリ
ーブ機構 (C)スリーブによって培地上部を方形状態に保持され
た培養容器の側面に配置され、シリンダの作動によって
円筒状のヒータが培養容器の上部側面と当接して、培養
容器の側面にフィルター貼着用の孔を形成する孔開け機
構 (D)上部側面に孔が形成された培養容器の側面に配置
され、シリンダの作動によってフィルター保持部が前進
すると共に、カットされたフィルターを培養容器に形成
された孔の外周縁部に溶着するシール機構 (E)シール機構によって上部側面に形成された孔の外
周縁部にフィルターが融着された培養容器をコンベアに
搬出する搬出機構
【0010】この発明において、培養容器は中低圧ポリ
エチレンまたはポリプロピレンなどプラスチック製のシ
ートを製袋して形成したものであればよく、この培養容
器への培地の充填は、前記特開昭63−1号公報に開示
されたような装置を使用して充填されたものであって
も、市販されている通気孔のない培養容器に人手もしく
は機械によって充填したものであってもよい。
【0011】
【作用】この発明の菌床栽培用の培養容器の製造方法
は、培地を充填し、かつ上部が開口する培養容器をコン
ベアから回転テーブルに移送し、この回転テーブルを所
定の間隔で回転させながら培養容器の上部開口部の開口
保持、培養容器の上部側面へのフィルター装着用の孔の
形成、フィルターの溶着およびフィルター装着後の培養
容器のコンベアへの搬出を能率的に実施することができ
る。
【0012】また、菌床栽培用の培養容器の製造装置
は、回転テーブル上に載置された培地を充填した培養容
器の上部開口部をスリーブ機構によって確実に開口保持
しながら培養容器の上部側面へのフィルター装着用の孔
の形成とフィルターの溶着を行うため、培養容器への通
気用のフィルターの取り付けが自動化でき、効率的に培
養容器を製造することができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の菌床栽培用の培養容器の製
造装置の実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明し、
併せて培養容器の製造方法を述べる。この発明の菌床栽
培用の培養容器の製造装置1は、基本的には、図2およ
び図3から明らかなように装置本体2と、この装置本体
2上に設けられ、間欠運動によって所定の間隔で回転す
る回転テーブル3と、搬送面が前記回転テーブル3と同
一平面上に位置し、かつ回転テーブル3の外周縁部の一
部と接する状態で装置本体2上に配置されるコンベア4
と、コンベア4によって搬送される培養容器9を回転テ
ーブル3に搬入し、回転テーブル3上の培養容器9を再
びコンベア4に搬出するための搬入搬出機構5と、前記
回転テーブル3の上方に配置される複数のスリーブ機構
6と、回転テーブル3の所定位置の側方に配置され、培
養容器9の側面部に孔を形成するための孔開け機構7
と、孔開け機構7によって孔が形成された培養容器9の
前記孔にフィルターを溶着するため回転テーブル3の所
定位置の側方に配置されたシール機構8とから構成され
ている。
【0014】前記回転テーブル3は、間欠的に駆動する
モータ(図示せず)によって60°づつ間欠的に回転す
るもので、この60°づつの回転によって図1のよう
に、 (1)コンベア4によって搬送される培地91が充填さ
れた培養容器9を回転テーブル3上に受け入れる搬入工
程 (2)搬入された培養容器9の培地上方の上部開口部を
下降するスリーブ機構6によって開口保持する開口保持
工程 (3)培養容器9の上部側面に通気用のフィルター取付
け用の孔92を形成する孔開け工程 (4)前記培養容器9に形成された孔92の外周縁部に
フィルター93を熱溶着するシール工程 (5)シール工程終了後の培養容器9からスリーブ機構
6を上昇させて開口保持状態を解除する開口保持解除工
程 (6)開口部の開口保持状態を解除された培養容器9を
回転テーブル3から再び前記コンベア4に搬出する搬出
工程 が順次実施されるものである。
【0015】コンベア4は、公知の竪型製袋機によって
製袋と同時におが屑を主体とする培地の所定量が充填さ
れた培養容器9を回転テーブル3に搬入し、所定の工程
が終了した培養容器9を爾後の工程に搬送するためのも
ので、培養容器9を回転テーブル3に搬入させるまでの
間のコンベア4の両側には、培養容器9を確実に回転テ
ーブル3に搬入させるためのガイド板41を設けること
が好ましい。
【0016】搬入搬出機構5は、コンベア4によって搬
送される培養容器9を回転テーブル3に搬入し、所定の
工程が終了した回転テーブル3上の培養容器9を再びコ
ンベア4に搬出するためのもので、培養容器9の回転テ
ーブル3への搬入は、具体的には、培養容器9の外周部
を保持する半円状の保持板51の中心部にロッド52を
連結し、このロッド52をシリンダ(図示せず)と連動
させることによってコンベア4で搬送されてくる培養容
器9を回転テーブル3に搬入する。また、すべての工程
が終了した培養容器9のコンベア4への搬出は、具体的
には、先端部53を直角に屈曲させたアーム54をシリ
ンダ(図示せず)と連動せしめ、シリンダを作動させて
アーム54を先端部53が直立した状態で回転テーブル
3上に送り出し、先端部53が回転テーブル3の上面と
接するように90°反転させ、培養容器9の背面部に先
端部53を引っ掛けたのち、アーム54を引き戻すこと
によって培養容器9をコンベア4に搬送するものであ
る。
【0017】培養容器9の上部開口部を開口保持するた
めのスリーブ機構6は、回転テーブル3の上方に回転テ
ーブル3の回転角度と同期させて6つ設けられる。各ス
リーブ機構6は図4に示すように、断面が方形な角筒状
のスリーブ主体61がシリンダ62の上下動に同期して
上下動するもので、このスリーブ主体61の一側面の下
方には後記する孔開け機構7の円筒状のヒータ73が挿
通するための孔68が形成されている。このスリーブ主
体61の下端部には、スリーブ主体61が上昇位置にあ
るときは各先端部が角筒状のスリーブ主体61のほぼ軸
心部において収斂し、下降するにしたがってスリーブ主
体61の外周部によって拡径する4本の保持ヒンジ62
が取り付けられている。
【0018】なお、図中63はスリーブ主体61をガイ
ドするスリーブロッド、64は前記スリーブロッド63
の下端が固定された回転体であって、中心軸から60°
の間隔ごとに計6つのスリーブ主体が装着され、前記回
転テーブル3と同期して回転するもので、各スリーブ主
体61に対応してスリーブ主体61が挿通することので
きる孔65が形成されている。また、この回転体64の
裏面には、各スリーブ主体に対応して複数のガイドロッ
ド66が取り付けられ、このガイドロッド66に沿って
前記保持ヒンジ62の先端部を収斂、拡開させるための
機構を具備したベース部材67がそれぞれ上下動自在に
設けられている。
【0019】培養容器9の側面部に孔を形成するための
孔開け機構7は、前記(3)の工程が行われる位置の回
転テーブル3の側方に配置されるもので、具体的には図
5に示すようにシリンダ71の作動によってベース板7
2が水平状態で前進または後退できるように取り付けら
れると共に、このベース板73の先端部には円筒状のヒ
ータ73が設けられている。なお、図中74はエアノズ
ルで、ヒータ73による培養容器9の上部側面部の切取
りを確実に行わせ、かつ切取り片を除去するためエアを
ダクト75を通じてヒータ73の背後から供給するため
のものである。また、76は前記ベース板72を水平方
向にガイドするためのガイドローラを示す。
【0020】シール機構8は、前記(4)の工程が行わ
れる位置の回転テーブル3の側方に配置されるもので、
シリンダ81の作動によって水平状態に設けられたベー
ス板82がガイドローラ83によって案内されて前進ま
たは後退するよう設けられると共に、ベース板82の先
端部には所定の大きさにカットされた1枚のフィルター
93を保持するための保持ヘッド84が設けられてい
る。この保持ヘッド84は、図2に示すロール10に巻
回された帯状のフィルターが送りローラ11によって下
方に引き出され、かつカッター(図示せず)で所定の大
きさにカットされたフィルター93を上方から受け入れ
て保持するもので、保持されたフィルター93を培養容
器9の上部側面に溶着するための円筒状のヒータ85を
具備している。
【0021】かゝる構成からなる製造装置1を使用した
培養容器9の製造方法を以下に説明する。製袋と同時に
所定量の培地91が上部開口部から充填された培養容器
9は、コンベア4によって回転テーブル3方向に搬送さ
れる。(図3参照) しかして、先頭の培養容器9が所定の位置に到達する
と、搬入搬出機構5のロッド52が作動してコンベア4
上の培養容器9を回転テーブル3の所定位置に搬入させ
る。(図2および図3参照) 回転テーブル3に培養容器9がコンベア4から搬入され
ると、回転テーブル3は60°だけ回転するため、培養
容器9の位置が60°回転分だけ移動し、回転テーブル
3にはつぎの培養容器が前記と同様の方法でコンベア4
から搬入されるものである。
【0022】回転テーブル3の回転によって開口保持工
程(2)前進した培養容器9は、その上部開口部は周縁
部が互いに近接しているものが多いので、培養容器9の
上部からブロアー(図示せず)でエアを供給して開口縁
部を培養容器が角形の場合には方形に、円形の場合には
真円状態に近くなるようあらかじめ操作する。ついで、
培養容器9の上部がきれいに開口すると、シリンダ62
が作動してスリーブ主体61が下降を開始するので、先
端部が中心部に収斂した保持ヒンジ62も収斂状態を保
持しながら下降して、保持ヒンジ62の先端部が開口部
から培養容器9内に入る。
【0023】保持ヒンジ62の先端部が培養容器9内に
挿入され、スリーブ主体61の下降がさらに進むと、図
4に示すようにスリーブ主体61の外周部によって保持
ヒンジ62の先端部が押し広げられ、スリーブ主体61
の先端部(下端部)が培地91と当接する状態まで下降
するとスリーブ主体61の下降は停止し、培養容器9の
開口部はスリーブ主体61の外周部によって方形の状態
で開口保持される。
【0024】培養容器9の上部がスリーブ主体61によ
って開口保持されると、回転テーブル3はさらに60°
回転して停止するので、培養容器9は孔開け工程(3)
に進む。このとき、スリーブ機構6を装着する回転体6
4も同じく60°だけ回転する。回転テーブル3が停止
すると、図5に示すシリンダ71が作動し、ベース板7
2が回転テーブル3上を前進し、このベース板72の先
端部に取り付けられた円筒状のヒータ73が培養容器9
の上部側面に当接し、さらにスリーブ主体61の下方に
形成された孔68内に入るため、培養容器の上部側面に
はヒータ73と同径の孔92が形成される。このとき、
培養容器9の上部側面はスリーブ主体61によって緊張
状態にあるので、ヒータ73によって簡単に孔92を形
成することができる。
【0025】前記操作によってヒータ73によって培養
容器9の上部側面に所定の径の孔92が形成されると、
シリンダ71の作用によってベース板72が後退し、回
転テーブル3から離れる。この孔開け機構7による孔開
け作業が完了すると、回転テーブル3はセンサーなどの
検知装置によって60°だけ回転して培養容器9はシー
ル工程(4)に進む。同時にスリーブ主体61を保持す
る回転体64も60°だけ回転する。
【0026】培養容器9がシール工程(4)に位置する
と、図6に示すシリンダ81が作動してベース板82が
回転テーブル3上面を培養容器9に向かって前進する。
ベース板82の先端部のヘッド84には、あらかじめカ
ットされたフィルター93が保持されているので、ベー
ス板82の前進にしたがってヘッド84も前進し、ヘッ
ド84の先端面が培養容器9の上部側面に形成した孔9
2の外周縁部と接触した状態でベース板82がさらに前
進すると、ヘッド84がスプリング86の付勢力に抗し
て後退するため、フィルター93が孔92の外周縁部と
密着すると同時にヒータ85によって加熱され、培養容
器9にフィルター93が一体的に溶着されるものであ
る。培養容器9にフィルター93が溶着されると、シリ
ンダ81が作動してベース板82が後退し、回転テーブ
ル3から離れる。
【0027】前記のシール工程が終了すると、回転テー
ブル3がさらに60°だけ回転して培養容器3は開口保
持解除工程(5)に移動する。この開口保持解除工程
(5)に培養容器9が移動すると、図4に示すシリンダ
62が作動してスリーブ主体61がスリーブロッド63
に沿って上昇し、同時に培養容器9の上部開口部をスリ
ーブ主体61と一緒に開口保持していた保持ヒンジ62
もガイドロッド66に沿って上昇を開始し、保持ヒンジ
62を装着しているベース部材67が回転体64に近接
すると、各保持ヒンジ62は元のように各先端部が収斂
し、図示の状態に復帰する。
【0028】スリーブ主体61が上昇してスリーブ機構
6が培養容器9の開口部から完全に離脱すると、回転テ
ーブル3が60°回転して培養容器9が搬出工程(6)
に移動する。培養容器9が搬出工程(6)に位置する
と、シリンダ(図示せず)の作用によって図3に示すア
ーム54がコンベア4を横切って回転テーブル3上を、
先端部53を直立させた状態で中心方向に向かって進
み、先端部53が培養容器9の後部に到達すると、アー
ム54が90°回転して先端部53が回転テーブル3の
上面と平行となったのち、アーム54が後退を始める
と、アーム54の先端部53が培養容器9の背面部と係
合するため、培養容器9はアーム54に従ってコンベア
4側に移動する。シリンダの作用によるアーム54の後
退によって培養容器9がコンベア4のほぼ中央部に到達
すると、アーム54が再び90°回転して先端部53が
直立状態に復帰したのち後退してアーム54がコンベア
4から離脱し、搬送工程(6)が終了すると回転テーブ
ル3が60°回転して当初の位置に復帰し、すべての工
程が完了する。
【0029】すべての工程が完了して再びコンベア4に
戻された培養容器9は、コンベア4によって殺菌および
きのこ菌接種のために次工程に搬送される。
【0030】
【発明の効果】この発明の菌床栽培用の培養容器の製造
方法は、製袋と同時におが屑を主体とした培地を充填し
た培養容器を回転テーブル上において、回転テーブルを
所定の間隔(角度)で回転させながら、培養工程におい
て不可欠な通気用の孔の形成およびこの孔に雑菌類の進
入を防止するためのフィルターの取付けを行うことがで
きるので、培養容器へのフィルターの取り付けが自動化
することができ、菌床栽培における菌床の製造を大幅に
合理化することができる。
【0031】また、この発明の菌床栽培用の培養容器の
製造装置は、回転テーブル上に載置された培地を充填し
た培養容器の上部開口部をスリーブ機構によって確実に
開口保持しながら培養容器の上部側面へのフィルター装
着用の孔の形成とフィルターの溶着を行うため、培養容
器への通気用のフィルターの取り付けが自動化でき、効
率的に培養容器を製造することができる。また、回転テ
ーブルを使用してすべての工程を実施するため、装置自
体を小型なものとすることができ、製袋と同時に培地を
充填することのできる装置を組み合わせることによって
菌床栽培用の培養容器の製造を効率的に、しかも経済的
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の菌床栽培用の培養容器の製造方法を
示す説明図である。
【図2】この発明の菌床栽培用の培養容器の製造装置の
一例を示す正面図である。
【図3】図2に示す菌床栽培用の培養容器の製造装置の
要部の平面図である。
【図4】図2に示す菌床栽培用の培養容器の製造装置に
おけるスリーブ機構の説明図である。
【図5】図2に示す菌床栽培用の培養容器の製造装置に
おける孔開け機構の説明図である。
【図6】図2に示す菌床栽培用の培養容器の製造装置に
おけるシール機構の説明図である。
【符号の説明】
1 菌床栽培用の培養容器の製造装置 2 装置本体 3 回転テーブル 4 コンベア 5 搬入搬出機構 6 スリーブ機構 7 孔開け機構 8 シール機構 9 培養容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−113827(JP,A) 特開 平1−258944(JP,A) 特開 昭62−175117(JP,A) 特開 平3−201911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(6)の工程を回転テーブ
    ルを所定の間隔で回転させながら順次行うことを特徴と
    する菌床栽培用の培養容器の製造方法。 (1)内部におが屑を主体とする培地を収容すると共
    に、上部が開口したプラスチック製袋からなる培養容器
    をコンベアから回転テーブル上に搬入する搬入工程 (2)搬入された培養容器の前記開口部を上下動するス
    リーブ機構によって開口保持する開口保持工程 (3)前記スリーブ機構によって開口部を開口保持した
    状態で培養容器の側面上部にフィルター取付け用の孔を
    開口する孔開け工程 (4)開口部をスリーブ機構によって開口した状態で側
    面上部に開口させたフィルター取付け用孔にフィルター
    を熱融着するシール工程 (5)前記フィルターを培養容器に熱溶着させたのち、
    開口部を開口状態に保持するスリーブ機構を培養容器か
    ら離脱させて開口状態を解除する開口保持解除工程 (6)開口部の開口保持状態を解除された培養容器を回
    転テーブルから再び前記コンベアに搬出する搬出工程
  2. 【請求項2】 下記(A)〜(E)の機構を具備するこ
    とを特徴とする菌床栽培用の培養容器の製造装置。 (A)コンベアによって移送される内部におが屑を主体
    とする培地を収容すると共に、上部が開口したプラスチ
    ック製袋からなる培養容器をコンベアから順次回転テー
    ブル上に搬入する搬入機構 (B)回転テーブルの上方に上下動自在に設けられ、下
    降によって方形のスリーブの下端部に設けた先端部が収
    斂する複数本の保持ヒンジが培養容器の開口部から内部
    に進入すると同時に、スリーブの下降によって収斂する
    複数本の保持ヒンジが拡開して培養容器の上部を方形に
    押し広げ、スリーブの最下降位置において培地上方の培
    養容器を方形に保持し、スリーブの上昇によって前記保
    持ヒンジの先端部が収斂して培養容器から離脱するスリ
    ーブ機構 (C)スリーブによって培地上部を方形状態に保持され
    た培養容器の側面に配置され、シリンダの作動によって
    円筒状のヒータが培養容器の上部側面と当接して、培養
    容器の側面にフィルター貼着用の孔を形成する孔開け機
    構 (D)上部側面に孔が形成された培養容器の側面に配置
    され、シリンダの作動によってフィルター保持部が前進
    すると共に、カットされたフィルターを培養容器に形成
    された孔の外周縁部に溶着するシール機構 (E)シール機構によって上部側面に形成された孔の外
    周縁部にフィルターが融着された培養容器を前記コンベ
    アに搬出する搬出機構
JP6335854A 1994-12-21 1994-12-21 菌床栽培用の培養容器の製造方法およびその装置 Expired - Fee Related JP2759619B2 (ja)

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