JP2759177B2 - 電子部品などの包装用リール - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は多数の電子部品を収納
したテープを巻き取って収納することにより保存や輸送
に便利にすることを目的とする包装用又はその他全ての
リールに関する。

【０００２】

【従来の技術とその課題】電子部品を収納したテープを
巻き取って収納する包装用リールにおいて、２枚の側面
板を筒状芯部の両端に一体に固定したものは、テープを
巻いていない未使用時や使用後においても嵩が変らない
ので、電子部品の巻取前の状態での格納時や輸送の際に
占める空間が大きくなり、返却輸送や格納の際のコスト
が高くなるという問題がある。又リール巾が広くなる程
嵩張り、大問題になっている。

【０００３】また、折り畳み自在の使い捨てリールも提
案されているが、紙を用いているものが多く、強度の点
で問題があり、大型のリールとしては用いられない。ま
た、ゴミが増加し焼却の手数もかかる等の問題がある。

【０００４】この発明の課題は、上記のような従来のリ
ールの問題点を解決するために、リールを折り畳み自在
として、未使用時や使用後に嵩ばらないようにでき、し
かも、強度が十分で何回でも使用できる便利なリールを
提供することである。

【０００５】又使用不能になった時は溶かしてリサイク
ルが出来るためゴミの発生を防止する事が出来る。

【０００６】即ち、従来のリールは使い捨てを基本とし
ており、リユースを目的とされていないため、使用後は
嵩張り大量のゴミの発生源となり大問題となっている。

【０００７】この発明は世界的な環境保全の流れが強ま
り、ゴミの削減を強く要求されるようになり、ゴミの発
生しないリユース、リサイクルが出来るリールとして発
明したものである。

【０００８】リールを使用後、再使用のため送り返す場
合に、従来のリールは広巾になる程嵩張り、返却運送費
が高くなり、又使用不能となった場合も側面板が紙で芯
が発砲スチロール製が多く、リサイクルが出来ないた
め、ゴミにするしかなかった。

【０００９】この発明はリールを折り畳み、組立て自在
にする事により、返却時は大巾に嵩を低くして返却費を
安くすると共に治具なしで簡単に組立てて何度でも使用
出来、地球資源の浪費を防止出来ると共にゴミの発生を
も防止する。又使用不能時も溶解をして樹脂に戻すリサ
イクルする事が出来るリールを提供する事である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、２枚の側面板と、この両側面板を接
続する芯部からなるリールであって、該各側面板に、同
側面板と同一平面から他方の側面板へ向けて垂直に折曲
げ可能な複数の芯部形成片と、該各芯部形成片の先端の
係止片に係脱する係止部を有する複数のスリットとを交
互に設け、更に、該各芯部形成片とスリットの間に、起
伏自在の位置合わせ片を設けて、対向するこの位置合わ
せ片の端部を接合して、組み立て時に該芯部形成片の係
止片と該スリットの係止部の係合により、芯部が形成さ
れるようにしたリールにおいて、上記芯部形成片に折り
畳み時に指を挿入するための孔を設けた構成、あるいは
上記芯部形成片の先端の係止部が係合する係止部を有す
るスリットの外側を、内外方向の弾性を有する舌状部と
して、該係止片が係止部に係合する際に該舌状部が内外
に揺動するようにした構成を採用した。

【００１１】

【作用】この発明は上記の構成であり、使用前において
は、別体の両側面板の複数の芯部形成片は、両側面板の
開口内に収めた状態とし、各位置合わせ片は折り畳み状
態として２枚の側面板を重ね合わせておくことにより嵩
ばらない状態となり、使用に際しては、両側面板を各位
置合わせ片が伸び切るまで引き離すと共に、各芯部形成
片を垂直に折曲げて、その先端の係止片を他方の側面板
の複数のスリットに挿入して、その係止部に係合させる
ことにより、両側面板からの各芯部形成片がほぼ円筒状
となり、両側面板が一定間隔に保たれてリールが構成さ
れる。

【００１２】その際、芯部形成片に折り畳み時に指を挿
入するための孔が設けられていると、折り畳み組立が治
具なしで簡単に行なえ、また、芯部形成片の先端の仮止
部が係合する係止部を有するスリットの外側を、内外方
向の弾性を有する舌状部として、該係止片を係合部に係
合する際に該舌状部が内外に揺動するようにすれば、係
止片が係止部に係合し易くなると共に、両者の係合後の
離脱を防止できる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１４】図１、図２において、１は左右２枚の円板
状側面板で、この各側面板１に、同側面板と同一平面か
ら他方の側面板へ向けて垂直に折曲げ可能な複数の芯部
形成片２を、側面板１と同芯の円周状に一定の間隔で夫
々設ける。

【００１５】該芯部形成片２は、垂直に折曲げた時、側
面板１の中心と同芯の円筒の一部をなすように、円弧状
に湾曲させておく。そして、この各形成片２の先端には
係止片３を一体に設ける。

【００１６】また、各側面板１には、他方の前記係止片
３に係脱する係止部４を有する複数のスリット５を、該
芯部形成片２と交互配置になるように設ける。

【００１７】各側面板１には図１のように、芯部形成片
２を形成するための開口６を設け、各芯部形成片２の内
端の内側には溝７を設けて芯部形成片２を、この溝７か
ら曲げやすくし、スリット５の両端から外側に続くスリ
ット８を設けて、スリット５、８で囲まれる舌状部９が
内外に動くことにより係止片３が係止部４に係合し易く
すると共に、両者の係合後の離脱を防止する。

【００１８】また、該係止部４の内側の部分は内側に突
出させて肉厚として係止部４が内側に突出している形に
する。

【００１９】そして、図３と図４にも示す如く各側面板
１の中心には軸孔１０を設けると共に、軸の凸部に係合
する複数の切欠１１を該軸孔１０の周囲に形成する。更
に、各側面板１には該各片２、９の間において、外向き
コの字形の切れ目により、複数の位置合わせ片１２を設
け、この位置合わせ片１２の折曲げ部にも溝１３を設け
て折り曲げ易くし、且つ、一方の側面板１の芯部形成片
２に他方の側面板１のスリット５を対向させた状態で、
対向する位置合わせ片１２の端部１４を溶着または接着
して一体とし、対向する側面板１の位置決めとすると同
時に折り畳み時に側面板２枚が分離しないようにすると
共に組立時には引張りに対する強度も保持する。

【００２０】また、前記芯部形成片２には電子部品のテ
ープを挿入するためのスリート溝１５や指を挿入するた
めの丸孔１６を設け、前記各舌状部９にも丸孔１７を設
けて、この孔に指を挿入して舌状部９を動かせるように
して折り畳み組立が治具なしで簡単に行なえるようにす
る。

【００２１】上記の実施例において、使用前において
は、図１乃至図３のように一方の側面板１の複数の芯部
形成片２を、側面板１の開口６内に収め、位置決め片１
２も図４の（Ａ）、（Ｂ）のように側面板１とほぼ平行
にして、２枚の側面板を重ね合わせておくことにより折
り畳み時は嵩ばらない状態となる。

【００２２】そして、使用に際しては、図４（Ｂ）のよ
うに両側面板１を各位置合わせ片１２が伸び切るまで引
き離すと共に、図３（Ｂ）のように各側面板１の各芯部
形成片２を垂直に折曲げ、図５のように各芯部形成片２
の先端の係止片３を相手の側面板１の複数の係止部４に
係止させることにより、両側面板１からの各芯部形成片
２と各舌片１２により、図７のような円筒状の芯部１８
が形成されると共に、両側面板１が一定間隔に保たれ圧
縮や引張りに対する強度を保持したリールが構成され
る。

【００２３】次に図５により組立時の説明をする。

【００２４】図５（Ａ）の如く左側の側面板１の芯部形
成片２を図５（Ｂ）、（Ｃ）の如く順次折り曲げると、
右側の側面板１の舌状部９は芯部形成片２により自動的
に外側に押されて曲り、芯部形成片２の係止片３が側面
板１の係止部４に係合し、この係合時に舌状部９は元に
戻るので芯部形成片２のストッパー的役目をする。

【００２５】この様に図５（Ｄ）の如く組立後は、芯部
形成片２の側面部が両側面板１、１と密着するため、リ
ールに対する圧縮力が芯部形成片２の側面全体で受ける
ため強度が上るのである。

【００２６】次に折り畳む場合は、図５（Ｄ）に示す舌
状部９の丸孔１７に指を入れて（Ｃ）の如く舌状部９を
外側に引張り、芯部形成片２の係止片３のストッパーの
役目を取り、形成片２の丸孔１６に指を入れて芯部形成
片２を元に戻し、次に図５（Ｂ）、図５（Ａ）の如くに
して折り畳む事が出来る。

【００２７】尚、この実施例の各側面板１は係止片３や
係止部４の形成のためプラスチックのような材料で造る
と何度も使用出来る強度とリサイクルが出来る。

【００２８】

【発明の効果】この発明は上記のように使用前において
は、２枚の側面板を重ねるだけでよいから、嵩ばらず、
格納や輸送の場合に便利であり、輸送や格納に要するコ
ストを低下させることができる。また、リールとして組
み立てる場合には、両側面板を引き離すと共に、一方の
側面板の各芯部形成片を垂直に折曲げて、その先端の係
止片を他方の側面板の複数の係止部に係止させるだけの
極めて簡単な作業によりリールが形成されるので、接着
剤や組み立て用の工具などが不要となるなどの効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】リール構成前の側面板の平面図。

【図２】（Ａ）折り畳み時の側面図、（Ｂ）組立時の側
面図（Ｃ）は組立時の斜視図。

【図３】（Ａ）同上の芯部形成片の折曲げ前。 （Ｂ）芯部形成片の折曲げ後の拡大斜視図。

【図４】（Ａ）位置合わせ片の折り畳み状態。 （Ｂ）位置合わせ片の引き伸ばし状態の拡大断面図。

【図５】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）は、芯部形成片の係
止片と側面板の係止部の係合状態を順次説明する工程
図。

【図６】（Ａ）は芯部形成片の拡大斜視図。（Ｂ）は芯
部形成片と側面板の係合部の拡大斜視図。

【図７】芯部形成片の拡大正面図。

【符号の説明】

１ 側面板 ２ 芯部形成片 ３ 係止片 ４ 係止部 ５ スリット ６ 開口 ７ 溝 ８ スリット ９ 舌状部 １０ 軸孔 １１ 切欠 １２ 位置合わせ片 １３ 溝 １４ 端部 １５ スリート溝 １６ 丸孔 １７ 丸孔 １８ 芯部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の側面板と、この両側面板を接続す
   る芯部からなるリールであって、該各側面板に、同側面
   板と同一平面から他方の側面板へ向けて垂直に折曲げ可
   能な複数の芯部形成片と、該各芯部形成片の先端の係止
   片に係脱する係止部を有する複数のスリットとを交互に
   設け、更に、該各芯部形成片とスリットの間に、起伏自
   在の位置合わせ片を設けて、対向するこの位置合わせ片
   の端部を接合して、組み立て時に該芯部形成片の係止片
   と該スリットの係止部の係合により、芯部が形成される
   ようにしたリールにおいて、上記芯部形成片に折り畳み
   時に指を挿入するための孔を設けたことを特徴とする電
   子部品などの包装用リール。
2. 【請求項２】 ２枚の側面板と、この両側面板を接続す
   る芯部からなるリールであって、該各側面板に、同側面
   板と同一平面から他方の側面板へ向けて垂直に折曲げ可
   能な複数の芯部形成片と、該各芯部形成片の先端の係止
   片に係脱する係止部を有する複数のスリットとを交互に
   設け、更に、該各芯部形成片とスリットの間に、起伏自
   在の位置合わせ片を設けて、対向するこの位置合わせ片
   の端部を接合して、組み立て時に該芯部形成片の係止片
   と該スリットの係止部の係合により、芯部が形成される
   ようにしたリールにおいて、上記芯部形成片の先端の係
   止部が係合する係止部を有するスリットの外側を、内外
   方向の弾性を有する舌状部として、該係止片が係止部に
   係合する際に該舌状部が内外に揺動するようにしたこと
   を特徴とする電子部品などの包装用リール。
3. 【請求項３】 上記芯部形成片に折り畳み時に指を挿入
   するための孔を設けたことを特徴とする請求項２記載の
   電子部品などの包装用リール。