JP2758062B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリンダに対する流体の給排制御によりサ
スペンション特性が変更可能な車両のサスペンション装
置に関し、特に、流体給排制御系の故障時のフェイルセ
イフ対策に係わるものである。
(従来の技術) 従来より、車両のサスペンション装置として、例えば
特開昭63-130418号公報に開示されるように、各車輪毎
にバネ上とバネ下との間に設けられた複数のシリンダ
と、該各シリンダにそれぞれ接続された複数のガスばね
とを備え、上記各シリンダに対して流体を独立的に給排
制御することにより、サスペンション特性を変更可能と
するいわゆるアクティブコントロールサスペンション装
置(ACS装置)は知られている。
そして、このようなACS装置において、シリンダに対
して流体を給排制御する制御系の切換弁や検出センサ等
の機器が故障したときには、各シリンダ内の流体を排出
して各車輪の車高が全て等しくなるよう全車高を最低位
置にまで低下させ、その状態で制御を中止するのが一般
的である。
(発明が解決しようとする課題) しかし、機器の故障時に一律に全車高を低下させるこ
とは問題がある。すなわち、前輪側のシリンダに対して
流体を供給する切換弁つまり流入弁が開いた状態のまま
に故障したときには、前輪側の車高が高くなり、ロール
センター及び重心が高くなるため、ステアリング特性は
安全サイドのアンダステア特性となる。しかるに、この
ような状態から全車高を低下させることは走行安定性を
却って損なうことになり、特に、車両が不安定な状態に
陥り易い旋回時または制動時には問題である。尚、後輪
側の車高が高くなると、ステアリング特性はオーバース
テア特性となるので、全車高を低下されることが望まし
い。
本発明にかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、前輪側のシリンダに対して流体を
供給する流入弁が開状態で故障したときには全車高を低
下させるのを保留するようになし、故障に応じて適切な
フェイルセイフ対策を講じ得る車両のサスペンション装
置を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)記載の発明
は、各車輪毎にバネ上にバネ下との間に設けれた複数の
シリンダに対して、流体を独立的に給排制御することで
サスペンション特性を変更可能とする車両のサスペンシ
ョン装置において、流体給排制御系の各機器の故障を検
出する故障検出手段と、該検出手段により故障が検出さ
れたとき各シリンダ内の流体を排出して全車高を低下さ
せる制御手段と、機器の故障のうち、前輪側のシリンダ
に対して流体を供給する流入弁が開いたままで固着した
ときには、上記制御手段による全車高を低下させる制御
を保留する制御補正手段とを備えた構成とするものであ
る。
ここで、上記制御補正手段において、流入弁が開いた
ままで固着したときに制御手段による全車高を低下させ
る制御を保留する期間は、請求高(2)記載の発明の場
合は少なくとも旋回中であり、請求項(3)記載の発明
の場合は少なくとも制動中である。
また、請求項(4)記載の発明の場合、旋回中に前輪
のうちの旋回内輪側の車高のみが高くなると前方視界に
悪くなることから、制御補正手段は、旋回中でかつ前輪
の旋回内輪側のシリンダに対して液体を供給する流入弁
が開いたままで固着したときには制御手段による全車高
を低下させる制御を保留しないように構成するものであ
る。
(作用) 上記の構成により、本発明では、機器の故障時には、
通常、制御手段の制御の下に各シリンダ内の流体が排出
され、全車高が低下するが、機器の故障のうち、特に、
前輪側のシリンダに対して流体を供給する流入弁が開位
置に故障したときには、制御補正手段によって、上記制
御手段による全車高を低下させる制御が保留される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、1は車体、2Fは前輪、2Rは後輪であ
って、バネ上たる車体1とバネ下たる前輪2Fまたは後輪
2Rとの間には、各々流体シリンダ3が配置されている。
該各流体シリンダ3は、シリンダ本体3a内に嵌挿したピ
ストン3bにより液圧室3cが画成されている。上記ピスト
ン3bに連結したロッド3dの上端部は車体1に連結され、
シリンダ本体3aは各々車輪2F,2Rに連結されている。
上記各流体シリンダ3の液圧室3cには、各々、連結路
4を介してガスばね5が連通接続されている。該各ガス
ばね5は、ダイヤフラム5eによりガス室5fと液圧室5gと
に区画され、該液圧室5gが流体シリンダ3の液圧室3cに
連通している。
また、8は油圧ポンプ、9,9は該油圧ポンプ8と各流
体シリンダ3とを連通する高圧ラインとしての液圧通路
10に介設された流量制御弁であって、該流量制御弁9は
各流体シリンダ3への流体(油)の供給・排出を行って
内圧(液圧室3cの圧力)を調整する機能を有する。
さらに、12は油圧ポンプ8の油吐出圧(詳しくは後述
するアキュムレータ22a,22bでの蓄油の圧力)を検出す
るメイン圧センサ、13は各流体シリンダ3の液圧室3cの
液圧を検出するシリンダ圧センサ、14は対応する車輪2
F,2Rの車高(シリンダストローク量)を検出する車高セ
ンサ、15は車両の上下加速度(車輪2F,2Rのばね上加速
度)を検出する上下加速度センサ、16は車両の横加速度
を検出する横加速度センサ、17は操舵輪たる前輪2Fの操
舵角を検出する舵角センサ、18は車速を検出する車速セ
ンサであり、これらのセンサの検出信号は各々内部にCP
U等を有するコントローラ19に入力されて、サスペンシ
ョン特性の可変制御に供される。
次に、流体シリンダ3への流体の給排制御用の油圧回
路を第2図に示す。同図において、油圧ポンプ8は可変
容量形の斜板ピストンポンプからなり、駆動源20により
駆動されるパワーステアリング装置内の油圧ポンプ21と
二連に連続されている。この油圧ポンプ8に接続された
液圧通路10には3つのアキュムレータ22a,22a,22aが同
一箇所で連通接続されているとともに、その接続箇所で
液圧通路10は前輪側通路10Fと後輪側通路10Rとに分岐さ
れている。さらに、前輪側通路10Fは左前輪側通路10FL
と右前輪側通路10FRとに分岐され、該各通路10FL,10FR
には対応する車輪の流体シリンダ3FL,3FRの液圧室3cが
連通されている。一方、後輪側通路10Rには1つのアキ
ュムレータ22bが連通接続されているとともに、その下
流側で左後輪側通路10RLと右後輪側通路10RRとに分岐さ
れ、該各通路10RL,10RRには対応する車輪の流体シリン
ダ3RL,3RRの液圧室3cが連通されている。
上記各流体シリンダ3FL,3FR,3RL,3RRに接続するガス
ばね5FL,5FR,5RL,5RRは、各々、具体的には複数個(図
では4個)ずつ備えられ、これらのガスばね5a,5b,5c,5
dは、対応する流体シリンダ3の液圧室3cに連通路4を
介して互いに並列に接続されている。また、上記ガスば
ね5a〜5dは、各々連通路4の分岐部に介設したオリフィ
ス25を備えていて、その各オリフィス25での減衰作用
と、ガス室5fに封入されたガスの緩衝作用との双方を発
揮するようになっている。上記第1のガスばね5aと第2
のガスばね5bとの間の連通路4には該連通路4の通路面
積を調整する減衰力切換バルブ26が介設されており、該
切換バルブ26は、連通路4を開く開位置と、その通路面
積を顕著に絞る絞位置との二位置を有する。
また、上記液圧通路10にはアキュムレータ22aの上流
側にアンロード弁27と流量制御弁28とが接続されてい
る。上記アンロード弁27は、油圧ポンプ8から吐出され
る圧油を油圧ポンプ8の斜板操作用シリンダ8aに導入し
て油圧ポンプ8の油吐出量を減少させる導入位置と、上
記シリンダ8a内の圧油を排出する排出位置とを有し、油
圧ポンプ8の油吐出圧が所定の上限油吐出圧(160±10k
gf/cm2)以上になったときに排出位置から導入位置に切
り替わり、この状態を所定の下限吐出圧(120±10kgf/c
m2)以下になるまで維持するように設けられていて、油
圧ポンプ8の油吐出圧を所定の範囲内(120〜160kgf/cm
2)に保持制御する機能を有している。上記流量制御弁2
8は、油圧ポンプ8からの圧油を上記アンロード弁27を
介して油圧ポンプ8の斜板操作用シリンダ8aに導入する
導入位置と、上記シリンダ8a内の圧油をアンロード弁27
からリザーブタンク29に排出する排出位置とを有し、ア
ンロード弁27により油圧ポンプ8の油吐出圧が所定の範
囲内に保持されているときに液圧通路10の絞り30配設部
の上・下流間の差圧を一定に保持し油圧ポンプ8の油吐
出量を一定に保持制御する機能を有している。しかし
て、各流体シリンダ3への油の供給はアキュムレータ22
a,22bの蓄油(この油圧をメイン圧という)でもって行
われる。
一方、液圧通路10のアキュムレータ22a下流側には車
両の4輪に対応して4つの流量制御弁9,9,…が設けられ
ている。以下、各車輪対応した部分の構成は同一である
ので、左前輪側のみについて説明し、他はその説明を省
略する。すなわち、流量制御弁9は、液圧通路10の左前
輪側通路10FLに介設された流入弁35と、左前輪側通路10
FLから油をリザーブタンク29に排出する低圧ライン36に
介設された排出弁37とからなる。上記流入弁35及び排出
弁37は、共に開位置と閉位置の二位置を有し、かつ開位
置での液圧を所定値に保持する差圧弁を内蔵するもので
ある。
また、上記流入弁35と流体シリンダ3FLとの間の左前
輪側通路10FLにはパイロット圧応動形のチェック弁38が
介設されている。該チェック弁38は、パイロットライン
39によって流量制御弁9の流入弁35の上流側の液圧通路
10における油圧(つまりメイン圧)がパイロット圧とし
て導入され、このパイロット圧が40kgf/cm2以下のとき
に閉じるように設けられている。つまり、メイン圧が40
kgf/cm2以上のときにのみ流体シリンダ3への圧油の供
給と共に流体シリンダ3内の油の排出が可能となる。
尚、第2図中、41は液圧通路10のアキュムレータ22a
下流側と低圧ライン36とを連通する連通路42に介設され
たフェイルセイフ弁であって、故障時に開位置に切換え
られてアキュムレータ22a,22bの蓄油をリザーブタンク2
9に戻し、高圧状態を解除する機能を有する。また、43
はパイロットライン39に設けられた絞りであって、上記
フェイルセイフ弁41の開作動時にチェック弁38が閉じる
のを遅延させる機能を有する。44は前輪側の各流体シリ
ンダ3FL,3FRの液圧室3cの油圧が異常に上昇した時に開
作動してその油を低圧ライン36に戻すリリーフ弁であ
る。45は低圧ライン36に接続されたリターンアキュムレ
ータであって、流体シリンダ3からの油の排出時に蓄圧
作用を行うものである。
次に、コントローラ19によるサスペンション特性の可
変制御、つまり各流体シリンダ3に対する流体給排制御
を第3図に基づいて説明する。
同図では、基本的に、各車輪の車高センサ14の検出信
号に基づいて車高を目標車高に(シリンダストローク量
を目標量に)制御する制御系Aと、3個の上下加速度セ
ンサ15の検出信号に基いて車両の上下振動の低減を図る
制御系Bと、各車輪の液圧センサ13の検出信号に基いて
前輪側及び後輪側で各々左右の車輪間の支持荷重の均一
化を図る制御系Cとを有する。
そして、制御系Aにおいて、40は車高センサ14のう
ち、左右の前輪2F側の出力XFR,XFLを合計すると共に左
右の後輪2R側の出力XRR,XRLを合計して、車両のバウン
ス成分を演算するバウンス成分演算部である。また、41
は左右の前輪2F側の出力XFR,XFLの合計値から、左右の
後輪2R側の出力XRR,XRLの合計値を減算して、車両のピ
ッチ成分を演算するピッチ成分演算部、42は左右の前輪
2F側の出力の差分XFR‐XFLと、左右の後輪2R側の出力
の差分XRR‐XRLとを加算して、車両のロール成分を演
算するロール成分演算部である。
また、43は上記バウンス成分演算部40で演算した車両
のバウンス成分を入力して下記のPD制御(比例−微分制
御)式 KB1+ {KB2・S/(1+TB2・S)}・KB2 に基づいてバウンス制御での各車輪の流量制御弁9に対
する制御量を演算するバウンス制御部である。また、44
はピッチ成分演算部41で演算した車両のピッチ成分を入
力して上記と同様の比例−微分制御式に基づいてピッチ
制御での各流量制御弁9の制御量を演算するピッチ制御
部、同様に45はロール成分演算部42で演算した車両のロ
ール成分、及び車両の目標ロール角TROLLを入力して上
記と同様の比例−微分制御式に基づいて、目標ロール角
TROLLに傾斜した車高にするよう、ロール制御での各流
量制御弁9の制御量を演算するロール制御部である。
そして、車高を目標車高に制御すべく、上記各制御部
43〜45で演算した各制御量を各車輪毎で反転(車高セン
サ14の信号入力の正負方向とは逆方向に反転)させた
後、各車輪に対するバウンス、ピッチ、ロールの各制御
量を加算して対応する比例流量制御弁9の制御量QFR,Q
FL,QRR,QRLとする。
また、制御系Bにおいて、50は3個の上下加速度セン
サ15の出力GFR,GFL,GRを合計して車両のバウンス成分
を演算するバウンス成分演算部、51は3個の上下加速度
センサ15のうち、左右の前輪2F側の出力GFR,GFLの各半
分値の合計値から後輪2R側の出力GRを減算して、車両の
ピッチ成分を演算するピッチ成分演算部、52は右側前輪
2F側の出力GFRから、左側前輪2F側の出力GFLを減算し
て、車両のロール成分を演算するロール成分演算部であ
る。
加えて、53は上記バウンス成分演算部50で演算した車
両のバウンス成分を入力して下記のIPD制御(積分−比
例−微分制御)式 {TB3/(1+TB3・S)}・KB3 +KB4+ {TB5・S/(1+TB5・S)}・KB5 に基づいてバウンス制御での各車輪の流量制御弁9に対
する制御量を演算するバウンス制御部である。また、54
はピッチ成分演算部51で演算した車両のピッチ成分を入
力して上記と同様の積分−比例−微分制御式に基づいて
ピッチ制御での各流量制御弁9の制御量を演算するピッ
チ制御部、同様に55はロール成分演算部52で演算した車
両のロール成分を入力して上記と同様の積分−比例−微
分制御式に基づいてロール制御での各流量制御弁9の制
御量を演算するロール制御部である。
そして、車両の上下振動をバウンス成分、ピッチ成
分、ロール成分で抑えるべく、上記各制御部53〜55で演
算した各制御量を各車輪毎で上記と同様に反転させた
後、各車輪に対するバウンス、ピッチ、ロールの各制御
量を加算して、対応する流量制御弁9の制御量QFR,QF
L,QRR,QRLとする。尚、各制御部53〜55で演算した車輪
毎の制御量は、前後輪の分担荷重が異なる関係上、前輪
側の制御量を重み付け係数k(k=1.08)で大値に補正
している。
さらに、制御系Cにおいて、60はウォープ制御部であ
って、該ウォープ制御部60は、前輪側の2個の液圧セン
サ13の液圧PFR,PFL信号を入力し、前輪側の合計液圧に
対する左右輪の液圧差(PFR‐PFL)の比(荷重移動
比)を演算する前輪側の荷重移動比演算部60aと、後輪
側で同様の荷重移動比を演算する後輪側の荷重移動比演
算部60bとからなる。そして、後輪側の荷重移動比を係
数Wrで所定倍した後、前輪側の荷重移動比からこれを減
算し、その結果を係数WAで所定倍すると共に前輪側で重
み付けし、その後、各車輪に対する制御量を左右輪間で
均一化すべく反転して、対応する流量制御弁9の制御量
QFR,QFL,QRR,QRLとする。
加えて、第3図においては、車両の旋回時で各流体シ
リンダ3に対する流体給排制御の応答性を高めるべく、
制御系Dで各種の切換制御が行われる。
つまり、制御系Dでは、ステアリングの舵角速度H
と車速Vとを乗算し、その結果H・Vから基準値G1
減算した値S1を旋回判定部65に入力する。また、車両の
現在の横加速度GSから基準値G2を減算した値S2を旋回判
定部65に入力する。そして、旋回判定部65にて、入力S1
又はS2≧0の場合には、車両の旋回時と判断して、サス
ペンション特性のハード化信号Saを出力して、各流体シ
リンダ3に対する流体給排制御の追随性を向上すべく、
減衰力切換バルブ26を絞り位置に切換えると共に、上記
各比例定数Ki(i=B1B5P1P5R1R5)を各々大
値KHardに設定し、また目標ロール各TROllを予め記憶
するマップGmap(Gs)(横加速度Gsの増大に応じて大
値になり、所定値Gs1でTROll=0、Gs未満で負値、Gs1
を越える領域で正値のマップ)から、その時の横加速度
Gsに対応する値に設定する。
一方、旋回判定部65で入力S1及びS2<0の場合には、
直進時と判断して、サスペンション特性のソフト化信号
Sbを出力して、減衰力切換バルブ26を開位置に切換える
と共に、比例定数Kiを各々通常値KSoftに設定し、また
目標ロール角TROll=0に設定する。
尚、以上のような制御系A〜Cでは、いずれもその制
御が必要以上に頻繁に行われるのを防止するために、比
例流量制御弁9の制御量QFR,QFL,QRR,QRLが所定値以下
のときは制御を行わない不感帯領域が設けられている。
上記コントローラ19は、サスペンション特性の可変制
御する制御系A〜Dとは別に、流体給排制御系の各機器
の故障に対応するためのフェイルセイフ制御系を有して
おり、このフェイルセイフ制御系は、第1図に示すよう
に、各種センサ12〜18からの検出信号に基づいて流体給
排制御系の各機器の故障を検出する故障検出手段81と、
該検出手段81により検出された故障の程度に応じて、各
流体シリンダ3内の流体を排出して全車高を低下させる
第1の故障モード、現在の車高を維持し制御中止する第
2の故障モードまたはワーニング(警報ランプや警報ブ
ザー等の警報器の作動)のみをし制御を続行する第3の
故障モードのいずれかを実行するフェイル制御手段82と
を有する。
ここで、流体給排制御系の各機器の故障のうち、流量
制御弁9の流入弁35または排出弁37が開いたままで固着
したこと、すなわち対応する流体シリンダ3に対して流
体(作動液)が供給されっぱなし、あるいは流体シリン
ダ3内の流体が排出されっぱなしになる故障の検出は、
次のようにして行われる。
先ず、各車輪のリバウンド及びバンプの各全ストロー
ク量は、それぞれ80mmとされ、中立位置を基準にして、
リバウンド側を「+」の値で、バンプ側を「−」の値で
示すこととする。すなわち、車高センサ14がこのリバウ
ンド・バンプを検出するセンサとなるが、車高センサ14
の出力値は、車輪ストローク量で−80mmから+80mmの範
囲に相当するものとなる。
このことを前提として、次の三つの条件〜を全て
満足したときに、流入弁35の故障(開状態の固着)と判
定される。すなわち、 リバウンド量が所定値(例えば60mm)以上であるこ
と、 シリンダ圧センサ13により検出される流体シリンダ
3内の圧力が所定値(例えば100kgf/cm2)以上であるこ
と、 上記の圧力状態が所定時間(例えば300msec)以
上継続していること、 である。このように、流入弁35の故障が検出されたとき
には、ワーニングをするだけでなく、フェイルセイフ弁
41を開いてアキュムレータ22a,22b側の圧力を解放する
とともに、全ての流量制御弁9(流入弁35及び排出弁3
7)を全開し、各流体シリンダ3内の流体を排出して全
車高を最低位置にまで(バンプストッパに当たるまで)
低下させる故障モードが実行される。
また、流量制御弁9の排出弁37が開いたままで固着し
たときの検出は、上述の流入弁35の場合とは逆に、バン
プしたときに流体シリンダ3内の圧力が高まるはずであ
るという点を基本的な着眼点として行われる。すなわ
ち、排出弁37の故障であると判定される条件は、次の三
つの条件〜を全て満足したときである。
バンプ量が所定値(例えば30mm)以上であること、 流体シリンダ3内の圧力が所定値(例えば30kgf/cm
2)以下であること、 上記の圧力状態が所定時間(例えば30msec)継続
したこと、 である。この排出弁37が故障したときの対応も、流入弁
35が故障したときの対応(フェイル時の制御)と同じよ
うにすればよい。
上記流入弁35及び排出弁37の故障判定の制御を、第4
図に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1でフラグAまたはフラグBが「1」
であるか否かを判定する。フラグAは流入弁35の故障が
検出されたときに「1」とするものであり、フラグBは
排出弁37の故障が検出されたときに「1」とするもので
ある。このステップS1の判定がYESのときは、アクティ
ブ制御を禁止すべく制御は終了となる。
ステップS1の判定がNOのときは、ステップS2でシステ
ムのイニシャライズをする。このときフェイルセイフ弁
41は閉じられる。続いて、ステップS3で各種センサ12〜
18からの検出信号を読み込む。
しかる後、ステップS4〜S6の判定により、流入弁35の
故障(開状態での固着)の判定を行う(上述した判定条
件〜の確認)。そして、故障判定条件が全て満足さ
れたとき(ステップS4〜S6の判定が全てYESのとき)
は、ステップS7で故障した流入弁35が前輪用のものか否
かを判定し、その判定がYESのときは、ステップS8で車
両の旋回中であるか否か、つまり横加速度(横G)が所
定値G0以上であるか否かを判定する。ステップS8の判定
がNOのときは、更にステップS9では車両の制動中である
か否か、つまりブレーキスイッチがONであるか否かを判
定する。ステップS8及びS9のいずれかの判定がYESのと
き、つまり車両の旋回中または制動中のときには、ステ
ップS7に戻る。ステップS7またはS9の判定がNOのとき、
つまり故障弁が前輪用のものではなく後輪用のものであ
るとき、あるいは車両の旋回中及び制動中のいずれでも
ないときには、ステップS10でフラグAを「1」にセッ
トした後、ステップS11で上述したフェイル時の制御
(ワーニングをするとともに、各流体シリンダ3内の流
体を提出して全車高を最低位置にまで低下させる制御)
を行い、この状態で制御を終了する。以上の一連のステ
ップS7〜S11によって、前輪側の流入弁35が開いたまま
で固着する故障が生じたとき、車両の旋回中または制動
中は全車高を低下させる制御を保留する制御補正手段83
が構成されている。
一方、流入弁35が故障でないとき(ステップS4〜S6の
いずれかの判定がNOのとき)は、ステップS12〜S14の判
定によって、排出弁37の故障判定を行う(上述した判定
条件〜の確認)。そして、故障判定条件を全て満た
しているとき(ステップS12〜S14の判定が全てYESのと
き)は、ステップS15でフラグBを「1」にセットした
後、ステップS16でフェイル時の制御を行い、しかる
後、制御を終了する。ステップ12〜S14のいずれかの判
定がNOのときは、ステップS17へ移行し、第3図に示す
前述のアクティブ制御を行い、しかる後、リターンす
る。
したがって、このような制御においては、流入弁35が
開状態で固着したまま故障した場合でも、その故障流入
弁35が前輪用のものであるときには、フェイル時の制
御、つまり各流体シリンダ3内の流体を排出し全車高を
最低位置にまで低下させるという制御が車両の旋回中ま
たは制動中は保留されるので、車両の旋回中または制動
中に車高の急激な低下によって走行状態が不安定になる
のを未然に防止することができ、走行安定性の向上を図
ることができる。ここで、故障流入弁35が前輪用のもの
であるときにフェイル時の制御を保留したのは、前輪側
の車高が高くなったときは車両のステアリング特性が安
全サイドのアンダスタ特性となるからである。
第5図は流入弁35及び排出弁37の故障判定の制御の変
形例を示すフローチャートである。
この変形例の場合、流入弁35の故障(開状態での固
着)の判定(ステップS24〜S27)は、次の四つの条件
〜を全て満足するときに故障と判定される。但し、H0
はバンプもリバウンドもしていない基準車高、H(t)
及びH(t−Δt)は現在及び直前の車高、P(t)及
び(P(t−Δt)は現在及び直前の流体シリンダ3内
の圧力をそれぞれ示す。
リバウンド時であること、すなわち H(t)‐H0>0 であること、 上記の状態から更にリバウンドしたこと、すなわ
ち、 H(t)‐H(t−Δt)>0 であること、 流体シリンダ3内の圧力が上昇していること、すな
わち、 P(t)‐P(t−Δt)>0 であること、 上記の圧力上昇状態が所定時間(例えば300mse
c)以上継続していること、 である。
そして、故障判定条件を全て満足し故障と判定された
ときには、ステップS28で故障した流入弁35が前輪用の
ものか否かを判定し、その判定がYESのときは、ステッ
プS29で操舵角θHを入力した後、ステップ30で車両の
制動中であるか否かを判定し、ステップS31で車両の旋
回中であるか否かを判定し、ステップS31で車両の旋回
中であるか否かを判定する。ステップS31の判定がYESの
ときは、更にステップS32において、故障した流入弁が
旋回内輪側のものであるか否か先に入力した操舵角θH
に基づいて判定する。ステップS30の判定がYESのとき
(車両の制動中のとき)、またはステップS32の判定がY
ESのとき(車両の旋回中でかつ故障した流入弁35が前輪
の旋回外輪側のものであるとき)は、ステップS28に戻
る。ステップS28もしくはS31の判定がNOのとき(車両の
制動中及び旋回中のいずれでもないとき)、またはステ
ップS32での判定がYESのとき(車両の旋回中でかつ故障
した流入弁35が前輪の旋回内輪側のものであるとき)に
は、ステップS33でフラグを「1」にセットした後、ス
テップS34でフェイル時の制御を行い、この状態で制御
を終了する。以上の一連のステップS28〜S34によって、
前輪側の流入弁35が開いたままで固着したとき、車両の
旋回中(故障流入弁35が旋回内輪であるときは除く)ま
たは制動中は全車高を低下させる制御を保留する制御補
正手段85が構成されている。
また、変形例の場合、排出弁37の故障(開状態での固
着)は、流入弁35の場合とは逆に、バンプしたときに流
体シリンダ3内の圧力が高まるはずであるという点を基
本的な着眼点として行われ、その故障判定(ステップS3
5〜S38)の条件は、次の四つの条件〜を全て満足し
たときである。
バンプ時であること、すなわち H(t)‐H0<0 であること、 上記の状態から更にリバウンドしたこと、すなわ
ち、 H(t)‐H(t−Δt)<0 であること、 流体シリンダ3内の圧力が低下していること、すな
わち、 P(t)‐P(t−Δt)<0 であること、 上記の圧力低下状態が所定時間(例えば300mse
c)以上継続していること、 である。
そして、故障判定条件を全て満たしているとき(ステ
ップS35〜S38の判定が全てYESのとき)は、ステップS39
でフラグBを「1」にセットした後、ステップS40でフ
ェイル時の制御を行い、しかる後制御を終了する。ステ
ップ35〜S38のいずれかの判定がNOのときは、ステップS
41へ移行し、アクティブ制御を行い、しかる後リターン
する。
このような変形例の場合にも、前輪側の流入弁35が開
いたままで固着したときには、車両の旋回中または制動
中は各流体シリンダ3内の流体を排出し全車高を最低位
置にまで低下させるフェイル制御が保留されるので、車
両の旋回中または制動中に車高の急激な低下によって走
行状態が不安定になるのを未然に防止することができ
る。
しかも、車両の旋回中でかつ故障した流入弁35が左右
の前輪のうち旋回内輪側のときには、フェイル制御の保
留は行なわれず、4輪全ての車高が低下するので、前輪
の旋回内輪側の車高のみが高くなることによる前方視界
の悪化を防止することができる。
(発明の効果) 以上の如く、本発明における車両のサスペンション装
置によれば、機器の故障のうち、前輪側の流入弁が開い
たままで固着したとき、各シリンダの流体を排出して全
車高を低下させる制御を保留するので、アンダステア特
性の状態から車高の急激な低下によって走行状態が不安
定になるのを防止することができ、走行安定性の向上を
図ることができる。特に、この制御の保留は、車両が不
安定な状態に陥り易い旋回中及び制動中に行えば効果的
である。
その上、請求項(4)記載の発明は、前輪側の流入弁
が開いたままで固着したときでも、その流入弁が旋回内
輪側で前方視界に支障を来すことになるときには、制御
の留保を行わないので、故障に応じてフェイルセイフ対
策をより適切に講じることができるものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は全体概略構成
図、第2図は油圧回路図、第3図はサスペンション特性
の可変制御を示す制御ブロック図、第4図は流入弁及び
排出弁の故障判定の制御を示すフローチャート図であ
る。第5図は変形例を示す第4図相当図である。 3(3FL,3FR,3RL,3RR)……流体シリンダ 35……流入弁 81……故障検出手段 82……フェイル制御手段 83,85……制御補正手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪毎にバネ上とバネ下との間に設けら
    れた複数のシリンダに対して、流体を独立的に給排制御
    することでサスペンション特性を変更可能とする車両の
    サスペンション装置において、 流体給排制御系の各機器の故障を検出する故障検出手段
    と、 該検出手段により故障が検出されたとき各シリンダ内の
    流体を排出して全車高を低下させる制御手段と、 機器の故障のうち、前輪側のシリンダに対して流体を供
    給する流入弁が開いたままで固着したときには、上記制
    御手段による全車高を低下させる制御を保留する制御補
    正手段とを備えたことを特徴とする車両のサスペンショ
    ン装置。
  2. 【請求項2】制御補正手段は、前輪側のシリンダに対し
    て流体を供給する流入弁が開いたままで固着したとき、
    少なくとも旋回中は制御手段による全車高を低下させる
    制御を保留するものである請求項(1)記載の車両のサ
    スペンション装置。
  3. 【請求項3】制御補正手段は、前輪側のシリンダに対し
    て流体を供給する流入弁が開いたままで固着したとき、
    少なくとも制動中は制御手段による全車高を低下させる
    制御を保留するものである請求項(1)記載の車両のサ
    スペンション装置。
  4. 【請求項4】制御補正手段は、旋回中でかつ前輪の旋回
    内輪側のシリンダに対して流体を供給する流入弁が開い
    たままで固着したときには制御手段による全車高を低下
    させる制御を保留しないものである請求項(1)記載の
    車両のサスペンション装置。
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