JP2758061B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP2758061B2 JP9137590A JP9137590A JP2758061B2 JP 2758061 B2 JP2758061 B2 JP 2758061B2 JP 9137590 A JP9137590 A JP 9137590A JP 9137590 A JP9137590 A JP 9137590A JP 2758061 B2 JP2758061 B2 JP 2758061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリンダに対する流体の給排制御によりサ
スペンション特性が変更可能な車両のサスペンション装
置に関し、特に、流体給排制御系の故障時のフェイルセ
イフ対策に係わるものである。
(従来の技術) 従来より、車両のサスペンション装置として、例えば
特開昭63-130418号公報に開示されるように、各車輪毎
にバネ上とバネ下との間に設けられた複数のシリンダ
と、該各シリンダにそれぞれ接続された複数のガスばね
とを備え、上記各シリンダに対して流体を独立的に給排
制御することにより、サスペンション特性を変更可能と
するいわゆるアクティブコントロールサスペンション装
置(ACS装置)は知られている。
そして、このようなACS装置において、シリンダに対
して流体を給排制御する制御系の切換弁や検出センサ等
の機器が故障したときには、各シリンダ内の流体を排出
して各車輪の車高が全て等しくなるよう全車高を最低位
置にまで低下させ、その状態で制御を中止するのが一般
的である。
(発明が解決しようとする課題) しかし、機器の故障時に一律に全車高を低下させるこ
とには問題がある。すなわち、シリンダ内の流体を排出
する排出弁が開いたままで固着した場合、その排出弁が
前輪側のものであれば車体側の横傾斜によりハンドル操
作が重くなるので、直ちに全車高を低下させる必要があ
るが、排出弁が後輪側のものであれば全車高を直ちに低
下させる必要性はないばかりでなく、車高を急激に低下
させることにより走行安定性を却って損なうおそれがあ
る。特に、車両が不安定な状態に陥り易い旋回中または
制動中に車高を低下させることは問題である。
本発明にかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、特に、故障した排出弁の使用箇所
に応じて適切にフェイルセイフ対策を講じ得る車両のサ
スペンション装置を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)記載の発明の
解決手段は、各車輪毎にバネ上とバネ下との間に設けれ
た複数のシリンダに対して、流体を独立的に給排制御す
ることでサスペンション特性を変更可能とする車両のサ
スペンション装置において、流体給排制御系の各機器の
故障を検出する故障検出手段と、該検出手段により故障
が検出されたとき各シリンダ内の流体を排出して全車高
を低下させる制御手段と、該制御手段による全車高を低
下させる制御を、前輪側のシリンダに対応する排出弁が
開いたままで固着したときには許容し、後輪側のシリン
ダに対応する排出弁が開いたままで固着したときには保
留する制御補正手段とを備える構成とするものである。
ここで、上記制御補正手段において、後輪側のシリン
ダに対応する排出弁が開いたままで固着したときに制御
手段による全車高を低下させる制御を保留する期間は、
請求項(2)記載の発明の場合は少なくとも旋回中であ
り、請求項(3)記載の発明の場合は少なくとも制動中
である。
(作用) 上記の構成により、本発明では、排出弁が開いたまま
で固着した場合、該排出弁が前輪側のものであるときに
は、制御手段の制御の下に各シリンダ内の流体が排出さ
れ、全車高が低下し、これにより、車体側の横傾斜によ
りハンドル操作が重くなるのを防止することができる。
一方、故障した排出弁が後輪側のものであるときには、
制御補正手段によって、上記制御手段による全車高を低
下させる制御が保留され、これにより、車高の急激な変
化による走行安定性の低下を防止できることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、1は車体、2Fは前輪、2Rは後輪であ
って、バネ上たる車体1とバネ下たる前輪2F及び後輪2R
との間には、各々流体シリンダ3が配置されている。該
各流体シリンダ3は、シリンダ本体3a内に嵌挿したピス
トン3bにより液圧室3cが区画形成されている。上記ピス
トン3bに連結したロッド3dの上端部は車体1に連結さ
れ、シリンダ本体3aは各々車輪2F,2Rに連結されてい
る。
上記各流体シリンダ3の液圧室3cには、各々、連結路
4を介してガスばね5が連通接続されている。該各ガス
ばね5は、ダイヤフラム5eによりガス室5fと液圧室5gと
に区画され、該液圧室5gが流体シリンダ3の液圧室3cに
連通している。
また、8は油圧ポンプ、9,9は該油圧ポンプ8と各流
体シリンダ3とを連通する高圧ラインとしての液圧通路
10に介設された流量制御弁であって、該流量制御弁9は
各流体シリンダ3への流体(油)の供給・排出を行って
内圧(液圧室3cの圧力)を調整する機能を有する。
さらに、12は油圧ポンプ8の油吐出圧(詳しくは後述
するアキュムレータ22a,22bでの蓄油の圧力)を検出す
るメイン圧センサ、13は各流体シリンダ3の液圧室3cの
液圧を検出するシリンダ圧センサ、14は対応する車輪2
F,2Rの車高(シリンダストローク量)を検出する車高セ
ンサ、15は車両の上下加速度(車輪2F,2Rのばね上加速
度)を検出する上下加速度センサ、16車両の横加速度を
検出する横加速度センサ、17は操舵輪たる前輪2Fの操舵
角を検出する舵角センサ、18は車速を検出する車速セン
サであり、これらのセンサの検出信号は各々内部にCPU
等を有するコントローラ19に入力されて、サスペンショ
ン特性の可変制御に供される。
次に、流体シリンダ3への流体の給排制御用の油圧回
路を第2図に示す。同図において、油圧ポンプ8は可変
容量形の斜板ピストンポンプからなり、駆動源20により
駆動されるパワーステアリング装置用の油圧ポンプ21と
二連に連続されている。この油圧ポンプ8に接続された
液圧通路10には3つのアキュムレータ22a,22a,22aが同
一箇所で連通接続されているとともに、その接続箇所で
液圧通路10は前輪側通路10Fと後輪側通路10Rとの分岐さ
れている。さらに、前輪側通路10Fは左前輪側通路10FL
と右前輪側通路10FRとに分岐され、該各通路10FL,10FR
には対応する車輪の流体シリンダ3FL,3FRの液圧室3cが
連通されている。一方、後輪側通路10Rには1つのアキ
ュムレータ22bが連通接続されているとともに、その下
流側で左後輪側通路10RLと右後輪側通路10RRとに分岐さ
れ、該各通路10RL,10RRには対応する車輪の流体シリン
ダ3RL,3RRの液圧室3cが連通されている。
上記各流体シリンダ3FL,3FR,3RL,3RRに接続するガス
ばね5FL,5FR,5RL,5RRは、各々、具体的には複数個(図
では4個)ずつ備えられ、これらのガスばね5a,5b,5c,5
dは、対応する流体シリンダ3の液圧室3cに連通路4を
介して互いに並列に接続されている。また、上記ガスば
ね5a〜5dは、各々連通路4の分岐部に介設したオリフィ
ス25を備えていて、その各オリフィス25での減衰作用
と、ガス室5fに封入されたガスの緩衝作用との双方を発
揮するようになっている。上記第1のガスばね5aと第2
のガスばね5bとの間の連通路4には該連通路4の通路面
積を調整する減衰力切換バルブ26が介設されており、該
切換バルブ26は、連通路4を開く開位置と、その通路面
積を顕著に絞る絞位置との二位置を有する。
また、上記液圧通路10にはアキュムレータ22aの上流
側にアンロード弁27と流量制御弁28とが接続されてい
る。上記アンロード弁27は、油圧ポンプ8から吐出され
る圧油を油圧ポンプ8の斜板操作用シリンダ8aに導入し
て油圧ポンプ8の油吐出量を減少させる導入位置と、上
記シリンダ8a内の圧油を排出する排出位置とを有し、油
圧ポンプ8の油吐出圧が所定の上限油吐出圧(160±10k
gf/cm2)以上になったときに排出位置から導入位置に切
り替わり、この状態を所定の加減油吐出圧(120±10kgf
/cm2)以下になるまで維持するように設けられていて、
油圧ポンプ8の油吐出圧を所定の範囲内(120〜160kgf/
cm2)に保持制御する機能を有している。上記流量制御
弁28は、油圧ポンプ8からの圧油を上記アンロード弁27
を介して油圧ポンプ8の斜板操作用シリンダ8aに導入す
る導入位置と、上記シリンダ8a内の圧油をアンロード弁
27からリザーブタンク29に排出する排出位置とを有し、
アンロード弁27により油圧ポンプ8の油吐出圧が所定の
範囲内に保持されているときに液圧通路10の絞り30配設
部の上・下流間の差圧を一定に保持し油圧ポンプ8の油
吐出量を一定に保持制御する機能を有している。しかし
て、各流体シリンダ3への油の供給はアキュムレータ22
a,22bの蓄油(この油圧をメイン圧という)でもって行
われる。
一方、液圧通路10のアキュムレータ22a下流側には車
両の4輪に対応して4つの流量制御弁9,9,…が設けられ
ている。以下、各車輪対応した部分の構成は同一である
ので、左前輪側のみについて説明し、他はその説明を省
略する。すなわち、流量制御弁9は、液圧通路10の左前
輪側通路10FLに介設された流入弁35と、左前輪側通路10
FLから油をリザーブタンク29に排出する低圧ライン36に
介設された排出弁37とからなる。上記流入弁35及び排出
弁37は、共に開位置と閉位置の二位置を有し、かつ開位
置での液圧を所定値に保持する差圧弁を内蔵するもので
ある。
また、上記流入弁35と流体シリンダ3FLとの間の左前
輪側通路10FLにはパイロット圧応動形のチェック弁38が
介設されている。該チェック弁38は、パイロットライン
39によって流量制御弁9の流入弁35の上流側の液圧通路
10における油圧(つまりメイン圧)がパイロット圧とし
て導入され、このパイロット圧が40kgf/cm2以下のとき
に閉じるように設けられている。つまり、メイン圧が40
kgf/cm2以下のときにのみ流体シリンダ3への圧油の供
給と共に流体シリンダ3内の油の排出が可能となる。
尚、第2図中、41は液圧通路10のアキュムレータ22a
下流側と低圧ライン36とを連通する連通路42に介設され
たフェイルセイフ弁であって、故障時に開位置に切換え
られてアキュムレータ22a,22bの蓄油をリザーブタンク2
9に戻し、高圧状態を解除する機能を有する。また、43
はパイロットライン39に設けられた絞りであって、上記
フェイルセイフ弁41の開作動時にチェック弁38が閉じる
のを遅延させる機能を有する。44は前輪側の各流体シリ
ンダ3FL,3FRの液圧室3cの油圧が異常に上昇した時に開
作動してその油を低圧ライン36に戻すリリーフ弁であ
る。45は低圧ライン36に接続されたリターンアキュムレ
ータであって、流体シリンダ3からの油の排出時に蓄圧
作用を行うものである。
次に、コントローラ19によるサスペンション特性の可
変制御、つまり各流体シリンダ3に対する流体給排制御
を第3図に基づいて説明する。
同図では、基本的に、各車輪の車高センサ14の検出信
号に基づいて車高を目標車高に(シリンダストローク量
を目標量に)制御する制御系Aと、3個の上下加速度セ
ンサ15の検出信号に基づいて車両の上下振動の低減を図
る制御系Bと、各車輪の液圧センサ13の検出信号に基づ
いて前輪側及び後輪側で各々左右の車輪間の支持荷重の
均一化を図る制御系Cとを有する。
そして、制御系Aにおいて、40は車高センサ14のう
ち、左右の前輪2F側の出力XFR,XFLを合計すると共に左
右の後輪2R側の出力XRR,XRLを合計して、車両のバウン
ス成分を演算するバウンス成分演算部である。また、41
は左右の前輪2F側の出力XFR,XFLの合計値から、左右の
後輪2R側の出力XRR,XRLの合計値を減算して、車両のピ
ッチ成分を演算するピッチ成分演算部、42は左右の前輪
2F側の出力の差分XFR−XFLと、左右の後輪2R側の出力
の差分XRR−XRLとを加算して、車両のロール成分を演
算するロール成分演算部である。
また、43は上記バウンス成分演算部40で演算した車両
のバウンス成分を入力して下記のPD制御(比例−微分制
御)式 KB1+{KB2・S/(1+TB2・S)}・KB2 に基づいてバウンス制御での各車輪の流量制御弁9に対
する制御量を演算するバウンス制御部である。また、44
はピッチ成分演算部41で演算した車両のピッチ成分を入
力して上記と同様の比例−微分制御式に基づいてピッチ
制御での各流量制御弁9の制御量を演算するピッチ制御
部、同様に45はロール成分演算部42で演算した車両のロ
ール成分、及び車両の目標ロール角TROLLを入力して上
記と同様の比例−微分制御式に基づいて、目標ロール角
TROLLに傾斜した車高にするよう、ロール制御での各流
量制御弁9の制御量を演算するロール制御部である。
そして、車高を目標車高に制御すべく、上記各制御部
43〜45で演算した各制御量を各車輪毎で反転(車高セン
サ14の信号入力の正負方向とは逆方向に反転)させた
後、各車輪に対するバウンス、ピッチ、ロールの各制御
量を加算して対応する流量制御弁9の制御量QFR,QFL,Q
RR,QRLとする。
また、制御系Bにおいて、50は3個の上下加速度セン
サ15の出力GFR,GFL,GRを合計して車両のバウンス成分
を演算するバウンス成分演算部、51は3個の上下加速度
センサ15のうち、左右の前輪2F側の出力GFR,GFLの各半
分値の合計値から後輪2R側の出力GRを減算して、車両の
ピッチ成分を演算するピッチ成分演算部、52は右側前輪
2F側の出力GFRから、左側前輪2F側の出力GFLを減算し
て、車両のロール成分を演算するロール成分演算部であ
る。
加えて、53は上記バウンス成分演算部50で演算した車
両のバウンス成分を入力して下記のIPD制御(積分−比
例−微分制御)式 {TB3/(1+TB3・S)}・KB3 +KB4+{TB5・S/(1+TB5・S)}・KB5 に基づいてバウンス制御での各車輪の流量制御弁9に対
する制御量を演算するバウンス制御部である。また、54
はピッチ成分演算部51で演算した車両のピッチ成分を入
力して上記と同様の積分−比例−微分制御式に基づいて
ピッチ制御での各流量制御弁9の制御量を演算するピッ
チ制御部、同様に55はロール成分演算部52で演算した車
両のロール成分を入力して上記と同様の積分−比例−微
分制御式に基づいてロール制御での各流量制御弁9の制
御量を演算するロール制御部である。
そして、車両の上下振動をバウンス成分、ピッチ成
分、ロール成分で抑えるべく、上記各制御部53〜55で演
算した各制御量を各車輪毎で上記と同様に反転させた
後、各車輪に対するバウンス、ピッチ、ロールの各制御
量を加算して、対応する流量制御弁9の制御量QFR,QF
L,QRR,QRLとする。尚、各制御部53〜55で演算した車輪
毎の制御量は、前後輪の分担荷重が異なる関係上、前輪
側の制御量を重み付け係数k(k=1.08)で大値に補正
している。
さらに、制御系Cにおいて、60はウォープ制御部であ
って、該ウォープ制御部60は、前輪側の2個の液圧セン
サ13の液圧PFR,PFL信号を入力し、前輪側の合計液圧に
対する左右輪の液圧差(PFR‐PFL)の比(荷重移動
比)を演算する前輪側の荷重移動比演算部60aと、後輪
側で同様の荷重移動比を演算する後輪側の荷重移動比演
算部60bとからなる。そして、後輪側の荷重移動比を係
数Wrで所定倍した後、前輪側の荷重移動比からこれを減
算し、その結果を係数WAで所定倍すると共に前輪側で重
み付けし、その後、各車輪に対する制御量を左右輪間で
均一化すべく反転して、対応する流量制御弁9の制御量
QFR,QFL,QRR,QRLとする。
加えて、第3図においては、車両の旋回時で各流体シ
リンダ3に対する流体給排制御の応答性を高めるべく、
制御系Dで各種の切換制御が行われる。
つまり、制御系Dでは、ステアリングの舵角速度H
と車速Vとを乗算し、その結果H・Vから基準値G1
減算した値S1を旋回判定部65に入力する。また、車両の
現在の横加速度GSから基準値G2を減算した値S2を旋回判
定部65に入力する。そして、旋回判定部65にて、入力S1
又はS2≧0の場合には、車両の旋回時と判断して、サス
ペンション特性のハード化信号Saを出力して、各流体シ
リンダ3に対する流体給排制御の追随性を向上すべく、
減衰力切換バルブ26を絞り位置に切換えると共に、上記
各比例定数Ki(i=B1B5P1P5R1R5)を各々大
値KHardに設定し、また目標ロール角TROLLを予め記憶
するマップGmap(Gs)(横加速度Gsの増大に応じて大
値になり、所定値Gs1でTROLL=0、Gs1未満で負値、Gs
1を越える領域で正値のマップ)から、その時の横加速
度Gsに対応する値に設定する。
一方、旋回判定部65で入力S1及びS2<0の場合には、
直進時と判断して、サスペンション特性のソフト化信号
Sbを出力して、減衰力切換バルブ26を開位置に切換える
と共に、比例定数Kiを各々通常値KSoftに設定し、また
目標ロール角TROLL=0に設定する。
尚、以上のような制御系A〜Cでは、いずれもその制
御が必要以上に頻繁に行われるのを防止するために、流
量制御弁9の制御量QFR,QFL,QRR,QRLが所定値以下のと
きは制御を行わない不感帯領域が設けられている。
上記コントローラ19は、サスペンション特性の可変制
御する制御系A〜Dとは別に、流体給排制御系の各機器
の故障に対応するためのフェイルセイフ制御系を有して
おり、このフェイルセイフ制御系は、第1図に示すよう
に、各種センサ12〜18からの検出信号に基づいて流体給
排制御系の各機器の故障を検出する故障検出手段81と、
該検出手段81により検出された故障の程度に応じて、各
流体シリンダ3内の流体を排出して全車高を低下させる
第1の故障モード、現在の車高を維持し制御を中止する
第2の故障モードまたはワーニング(警報ランプや警報
ブザー等の警報器の作動)のみをし制御を続行する第3
の故障モードのいずれかを実行するフェイル制御手段82
とを有する。
ここで、流体給排制御系の各機器の故障のうち、流量
制御弁9の流入弁35または排出弁37が開いたままで固着
したこと、すなわち対応する流体シリンダ3に対して流
体(作動液)が供給されっぱなし、あるいは流体シリン
ダ3内の流体が排出されっぱなしになる故障の検出は、
次のようにして行われる。
先ず、各車輪のリバウンド及びバンプの各全ストロー
ク量は、それぞれ80mmとされ、中立位置を基準にして、
リバウンド側を「+」の値で、バンプ側を「−」の値で
示すこととする。すなわち、車高センサ14がこのリバウ
ンド・バンプを検出するセンサとなるが、車高センサ14
の出力値は、車輪ストローク量で−80mmから+80mmの範
囲に相当するものとなる。
このことを前提として、次の三つの条件〜を全て
満足したときに、流入弁35の故障(開状態の固着)と判
定される。すなわち、 リバウンド量が所定値(例えば60mm)以上であるこ
と、 シリンダ圧センサ13により検出される流体シリンダ
3内の圧力が所定値(例えば100kgf/cm2)以上であるこ
と、 上記の圧力状態が所定時間(例えば300msec)以
上継続していること、 である。このように、流入弁35の故障が検出されたとき
には、ワーニングをするだけでなく、フェイルセイフ弁
41を開いてアキュムレータ22a,22b側の圧力を解放する
とともに、全ての流量制御弁9(流入弁35及び排出弁3
7)を全開し、各流体シリンダ3内の流体を排出して全
車高を最低位置にまで(バンプストッパに当たるまで)
低下させる故障モードが実行される。
また、流量制御弁9の排出弁37が開いたままで固着し
たときの検出は、上述の流入弁35の場合とは逆に、バン
プしたときに流体シリンダ3内の圧力が高まるはずであ
るという点を基本的な着眼点として行われる。すなわ
ち、排出弁37の故障であると判定される条件は、次の三
つの条件〜を全て満足したときである。
バンプ量が所定値(例えば30mm)以上であること、 流体シリンダ3内の圧力が所定値(例えば30kgf/cm
2)以下であること、 上記の圧力状態が所定時間(例えば300msec)継
続したこと、 である。この排出弁37が故障したときの対応も、流入弁
35が故障したときの対応(フェイル時の制御)と同じ
く、ワーニングをするとともに、各流体シリンダ3内の
流体を排出して全車高を最低位置にまで低下させる。
上記流入弁35及び排出弁37の故障判定の制御を、第4
図に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1でフラグAまたはフラグBが「1」
であるか否かを判定する。フラグAは流入弁35の故障が
検出れたときに「1」とするものであり、フラグBは排
出弁37の故障が検出されたときに「1」とするものであ
る。このステップS1の判定がYESのときは、アクティブ
制御を禁止すべく制御は終了となる。
ステップS1の判定がNOのときは、ステップS2でシステ
ムのイニシャライズをする。このときフェイルセイフ弁
41は閉じられる。続いて、ステップS3で各種センサ12〜
18からの検出信号を読み込む。
しかる後、ステップS4〜S6の判定により、流入弁35の
故障(開状態での固着)の判定を行う(上述した判定条
件〜の確認)。そして、故障判定条件が全て満足さ
れたとき(ステップS4〜S6の判定が全てYESのとき)
は、ステップS7でフラグAを「1」にセットした後、ス
テップS8で上述したフェイル時の制御(ワーニングをす
るとともに、各流体シリンダ3内の流体を排出して全車
高を最低位置にまで低下させる制御)を行い、この状態
で制御を終了する。
一方、流入弁35が故障でないとき(ステップS4〜S6の
いずれかの判定がNOのとき)は、ステップS9〜S11の判
定によって、排出弁37の故障判定を行う(上述した判定
条件〜の確認)。そして、故障判定条件を全て満た
しているとき(ステップS9〜S11の判定が全てYESのと
き)は、ステップS12で故障した流入弁35が後輪用のも
のか否かを判定し、その判定がYESのときは、ステップS
13で車両の旋回中であるか否か、つまり横加速度(横
G)が所定値G0以上であるか否かを判定する。ステップ
S13の判定がNOのときは、更にステップS14では車両の制
動中であるか否か、つまりブレーキスイッチがONである
か否かを判定する。ステップS13及びS14のいずれかの判
定がYESのとき、つまり車両の旋回中または制動中のと
きには、ステップS12に戻る。ステップS12またはS14の
判定がNOのとき、つまり故障弁が後輪用のものではなく
前輪用のものであるとき、あるいは車両の旋回中及び制
動中のいずれでもないときには、ステップS15でフラグ
Bを「1」にセットした後、一連のステップS12〜S16に
よって、後輪側の排出弁37が開いたままで固着する故障
が生じたとき、車両の旋回中または制動中は全車高を低
下させる制御を保留する制御補正手段83が構成されてい
る。
一方、排出弁37が故障でないとき(ステップS9〜S11
のいずれかの判定がNOのとき)は、ステップS17へ移行
し、第3図に示す前述のアクティブ制御を行い、しかる
後、リターンする。
したがって、このような制御においては、排出弁37が
開状態で固着したまま故障した場合、その故障した排出
弁37が前輪用のものであるときには、フェイル時の制御
が行われること、つまり流体シリンダ3内の流体(作動
液)が排出され、全車高が低下することにより、車体側
の横傾斜に起因してハンドル操作が重くなるのを防止す
ることができる。
一方、故障した排出弁が後輪側のものであるときに
は、上記フェイル時の制御が車両の旋回中または制動中
は保留されるので、車両の旋回中または制動中に車高の
急激な低下によって走行状態が不安定になるのを未然に
防止することができ、走行安定性の向上を図ることがで
きる。
第5図は流入弁35及び排出弁37の故障判定の制御の変
形例を示すフローチャートである。この変形例は、流入
弁35及び排出弁37の故障(開状態での固着)の判定だけ
が実施例の場合と異なる。
すなわち、流入弁35の故障判定(ステップS24〜S27)
は、次の四つの条件〜を全て満足するときに故障と
判定される。但し、H0はバンプもリバウンドもしていな
い基準車高、H(t)及びH(t−Δt)は現在及び直
前の車高、P(t)及び(P(t−Δt)は現在及び直
前の流体シリンダ3内の圧力をそれぞれ示す。
リバウンド時であること、すなわち H(t)‐H0>0 であること、 上記の状態から更にリバウンドしたこと、すなわ
ち、 H(t)‐H(t−Δt)>0 であること、 流体シリンダ3内の圧力が上昇していること、すな
わち、 P(t)‐P(t−Δt)>0 であること、 上記の圧力上昇状態が所定時間(例えば300mse
c)以上継続していること、 である。
また、排出弁37の故障は、流入弁35の場合とは逆に、
バンプしたときに流体シリンダ3内の圧力が高まるはず
であるという点を基本的な着眼点として行われ、その故
障判定(ステップS30〜S33)の条件は、次の四つの条件
〜を全て満足したときである。
バンプ時であること、すなわち H(t)‐H0<0 であること、 上記の状態から更にリバウンドしたこと、すなわ
ち、 H(t)‐H(t−Δt)<0 であること、 流体シリンダ3内の圧力が低下していること、すな
わち、 P(t)‐P(t−Δt)<0 であること、 上記の圧力低下状態が所定時間(例えば300mse
c)以上継続していること、 である。
(発明の効果) 以上の如く、本発明における車両のサスペンション装
置によれば、開状態に固着した排出弁が前輪側のもので
あるときには、各シリンダ内の流体を排出して全車高を
低下させる制御を行い、横傾斜によりハンドル操作が重
くなるのを防止することができ、また、後輪側のもので
あるときには全車高を低下させる制御を保留して、車高
の急激な変化による走行安定性の低下を防止することが
できる。よって、故障した排出弁の種類に応じてフェイ
ルセイフ対策を適切に講じることができる。特に、後輪
側の排出弁が故障したときの制御の保留を、車両が不安
定な状態に陥り易い旋回中及び制動中に行えば効果的で
ある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は全体概略構成
図、第2図は油圧回路図、第3図はサスペンション特性
の可変制御を示す制御ブロック図、第4図は流入弁及び
排出弁の故障判定の制御を示すフローチャート図であ
る。第5図は変形例を示す第4図相当図である。 3(3FL,3FR,3RL,3RR)……流体シリンダ 37……排出弁 81……故障検出手段 82……フェイル制御手段 83……制御補正手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪毎にバネ上とバネ下との間に設けら
    れた複数のシリンダに対して、流体を独立的に給排制御
    することでサスペンション特性を変更可能とする車両の
    サスペンション装置において、 流体給排制御系の各機器の故障を検出する故障検出手段
    と、 該検出手段により故障が検出されたとき各シリンダ内の
    流体を排出して全車高を低下させる制御手段と、 該制御手段により全車高を低下させる制御を、前輪側の
    シリンダに対応する排出弁が開いたままで固着したとき
    には許容し、後輪側のシリンダに対応する排出弁が開い
    たままで固着したときには保留する制御補正手段とを備
    えたことを特徴とする車両のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】制御補正手段は、後輪側のシリンダに対応
    する排出弁が開いたままで固着したとき、少なくとも旋
    回中は制御手段による全車高を低下させる制御を保留す
    るものである請求項(1)記載の車両のサスペンション
    装置。
  3. 【請求項3】制御補正手段は、後輪側のシリンダに対応
    する排出弁が開いたままで固着したとき、少なくとも制
    動中は制御手段による全車高を低下させる制御を保留す
    るものである請求項(1)記載の車両のサスペンション
    装置。
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