JP2756930B2 - 既設ドア枠への耐震性能付与構造 - Google Patents

既設ドア枠への耐震性能付与構造

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JP2756930B2
JP2756930B2 JP7094491A JP9449195A JP2756930B2 JP 2756930 B2 JP2756930 B2 JP 2756930B2 JP 7094491 A JP7094491 A JP 7094491A JP 9449195 A JP9449195 A JP 9449195A JP 2756930 B2 JP2756930 B2 JP 2756930B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶接やモルタル作業
等が施されて、既に躯体に建込まれてなる玄関ドアや
用ドア等の既設ドアに適用され、通常のドア枠に耐震
性能を付与する「既設ドア枠への耐震性能付与構造」に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9と図10はドアの戸先部を示す横断
面図であり、図9は通常のドア及びドア枠を示し、図1
0は耐震専用のドア及びドア枠を示している。図9に示
すように、通常のドア枠(ここでは、戸先側縦枠)40
の場合は、ドア50Aの戸先側端面54と、その戸先側
端面54と対向する戸先側縦枠40の対向面41との間
のクリアランスを示すX1の寸法が3mmとされると共
に、ドア50Aの戸先側端面54と、戸先側縦枠40の
最も吊元側(内側)に位置する吊元側面42との間の寸
法を示すY1の寸法が12mmとされてなる。これに対
して、耐震用ドアの場合は、図10に示すように、X2
の寸法が13mmで、Y2の寸法が12mmとされてお
り、Xの寸法を通常のドア枠の場合よりも広くすること
によって耐震性能を確保している。このように、ドア5
0Aに耐震性能を付与するには、ドア50Aの戸先側端
面54と戸先側縦枠40との間等に所要のクリアランス
を確保する必要があり、このためには、従来、図10に
示すような耐震専用のドア枠40Aを設置するしかなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、耐震専用ではない一般的なドア枠40がすで
に建込まれている場合には、既設のドア枠を躯体から取
り外して、耐震専用のドア枠に交換する必要があった。
この交換作業は、ドア枠を躯体に強固に接合しているモ
ルタルやアンカー等を削って既設ドア枠を取り外す作業
を必要とするだけでなく、既設ドア枠を除去した後に耐
震ドア枠を設置する作業をも必要とするため、コストが
非常に高くなってしまうだけでなく、工事期間も長くな
ってしまうという問題があった。ところで、図11に示
すように、単にクリアランスXを大きくして、通常のド
ア枠40に耐震性能を付与した場合には、Y3の寸法が
小さくなり、ドア50Bと気密パッキン80とが接触せ
ずに、結果として矢符で示すように、室内外が貫通して
しまうという問題があった。この発明は、これらの課題
を解決するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る既設ドア枠への耐震性能付与構造
は、戸先側縦枠40、吊元側縦枠30、上枠10、及び
下枠20が躯体に建込まれてなる既設ドア枠に適用さ
れ、前記既設の戸先側縦枠40は、閉塞状態のドア50
の戸先側端面54に対向する対向面41と、この対向面
41に平行してやや吊元側に形成された吊元側面42
と、ドア50の開放方向(OUT)で前記対向面41と
垂直に形成された外側面44とを備えており、ドア50
の開放方向(OUT)に開口する断面コ字形状溝73を
備える耐震補助枠70が、前記吊元側面42に取り付け
られ、前記コ字形状溝73には、弾性材料からなる気密
パッキン80が装着され、前記吊元側縦枠30に回動自
在に取り付けられるドア50は、前記対向面41から所
要のクリアランスX2が空けられ、且つ、閉塞状態で前
記気密パッキン80に当接されるよう設置され、前記ド
ア50の戸先側端部55に、閉塞状態で前記戸先側縦枠
40の外側面44と重合される戸当り片58が、ドア5
0の開放側の外面56から戸先側に突出形成されてなる
ことを特徴としている。また、請求項2に係る発明は、
上記構成に加えて、前記耐震補助枠70は、板材が断面
略矩形状に屈曲して形成されてなると共に、ドア50の
開放方向(OUT)に突出して折り返される突出折返部
72を有しており、この突出折返部72と前記吊元側面
42とで前記コ字形状溝73を形成してなることを特徴
としている。
【0005】さらに、請求項3に係る発明は、上記請求
項1又は請求項2に記載の構成に加えて、前記既設の吊
元側縦枠30は、閉塞状態のドア50の吊元側端面53
に対向する対向面31と、この対向面31に平行してや
や戸先側に形成された戸先側面32とを備えており、前
記既設の上枠10は、閉塞状態のドア50の上端面51
に対向する対向面11と、この対向面11に平行してや
や下側に形成された下側面12とを備えており、前記既
設の下枠20は、閉塞状態のドア50の下端面52に対
向する対向面21と、この対向面21に平行してやや上
側に形成された上側面22とを備えており、前記吊元側
縦枠30の戸先側面32、前記上枠10の下側面12、
前記下枠20の上側面22に、それぞれ、ドア50の開
放方向に開口する断面コ字形状溝73を形成するよう耐
震補助枠70が取り付けられ、これら吊元側縦枠30、
上枠10及び下枠20に設けられた各耐震補助枠70の
各コ字形状溝73には、弾性材料からなる気密パッキン
80が装着され、前記吊元側縦枠30に回動自在に取り
付けられるドア50は、閉塞状態で前記吊元側縦枠3
0、上枠10及び下枠20に設けられた各耐震補助枠7
0の各気密パッキン80に当接されるよう設置されてな
ことを特徴とする既設ドア枠への耐震性能付与構造で
ある。
【0006】請求項4に係る発明は、上記請求項1から
請求項3までのいずれか一つに記載の構成に加えて、前
記ドア50の戸先側端面54に、戸先側に突出するラッ
チ又はデッドボルト等からなる突出片59が設けられ、
前記戸先側縦枠40の対向面41に、前記突出片59が
突入される係合穴134を形成された錠受金130が設
けられ、この錠受金130は、前記係合穴134を形成
された中央部131が吊元側に起曲して形成されると共
に、上下両端部133に形成された上下方向に長い取付
用長穴135に挿通される取付ネジ150によってドア
枠40に保持されてなることを特徴とする既設ドア枠へ
の耐震性能付与構造である。請求項5に係る発明は、上
記請求項4に記載の構成に加えて、前記戸先側縦枠40
の対向面41に形成された略矩形状の錠受穴46に、こ
の錠受穴46よりやや小さい矩形穴111を形成された
板状の錠受板110が設けられ、この錠受板110の矩
形穴111に、吊元側が縦断面台形状に形成され、且つ
吊元側に開口した箱形状の受穴部材120が装着され、
前記錠受金130は、前記受穴部材120の台形部12
1と適合する大きさの台形状に起曲されてなると共に、
係合穴134の左右両縁部に屈曲片136を戸先側に屈
曲形成されてなり、この屈曲片136が前記受穴部材1
20の開口端縁に係合されると共に、前記取付ネジ15
0が前記錠受板110を介して戸先側縦枠40の対向面
41に螺合されてなることを特徴とする既設ドア枠への
耐震性能付与構造である。
【0007】なお、上記各構成において、所要のクリア
ランスとは、ドア50が閉められた状態でドア50の側
端面51.52,53,54と対向するドア枠10,2
0,30,40の対向面11,21,31,41と、前
記ドア50の側端面51.52,53,54との間に、
耐震性能を確保することが出来る程度の空間が空けられ
ていることを示し、例えばドア50の戸先側端面54と
戸先側縦枠40の対向面41との間では、図3において
X2で示すような13mm程度を空けられてなる。
【0008】
【作用】この発明の耐震性能付与構造は、図9に示すよ
うな耐震専用ではない通常のドア枠10,20,30,
40が既に建込まれている場合に、この既設ドア枠1
0,20,30,40に耐震性能を付与する際に使用さ
れる。既設ドア枠10,20,30,40への耐震性能
の付与は、ドア枠10,20,30,40の内、少なく
とも戸先側縦枠40の内側に断面コ字形状溝73を形成
し、このコ字形状溝73に弾性材料からなる気密パッキ
ン80を装着することにより行われる。よって、既に建
込まれているドア枠10,20,30,40を躯体から
取り外して耐震専用のドア枠に付け替える必要がなく、
既設のドア枠10,20,30,40に容易に耐震性能
を付与することができる。
【0009】また、吊元側縦枠30に回動自在に設けら
れるドア50が、戸先側縦枠40の対向面41から所要
のクリアランスX2を空けて設けられることにより、耐
震性能が確保される。さらに、このドア50は、気密パ
ッキン80に当接して閉められるように設けられてなる
ので、ドア50を閉めた状態において室内外を空気が貫
通してしまうおそれがなく、気密性を確保することがで
きる。また、戸先側縦枠40のみならず、吊元側縦枠3
0、上枠10、下枠20にもそれらの内側に耐震補助枠
70を設けて、そのコ字形状溝73に気密パッキン80
を装着する構成とすれば、非気密枠を気密枠とすること
ができる。
【0010】戸先側縦枠40の対向面41に錠受金13
0を設けた場合には、通常の使用時には、その係合穴1
34にラッチやデッドボルト等の突出片59が突入され
ることによって、ドア50を施錠したりすることができ
る。しかも、この錠受金130は、その上下両端部13
3に形成された上下方向に長い取付用長穴135に取付
ネジ150が挿通されることによって戸先側縦枠40に
設けられてなるので、地震が発生してドア枠40とドア
50との隙間が狭まった場合には、錠受金130の起曲
された中央部131がドア50の戸先側端面54と接触
して、錠受金130が取付用長穴135にそって上下に
スライドしながら吊元側に押し潰されることとなり、ド
ア50の開放を容易に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の「既設ドア枠への耐震性能
付与構造」について、さらに詳細に説明する。図1と図
2は、この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用さ
れたドア50及びドア枠10,20,30,40を示す
縦断面図と横断面図である。これらの図に示すように、
この実施例の耐震性能付与構造は、既設のドア枠10,
20,30,40の戸先側縦枠40に耐震補助枠70が
設けられてなる。既設ドア枠10,20,30,40
は、ドア50の上下を受容する上枠10と下枠20、及
びドア50の左右を受容する吊元側縦枠30と戸先側縦
枠40とからなる。そして、図2に示すように、吊元側
縦枠30に、ドア50が蝶番60を介して回動可能に設
けられている。なお、この実施例のドア50は、室外側
(OUT)に開く外開ドアとされている。この実施例の
既設ドア枠10,20,30,40は、それぞれ、ほぼ
同一断面形状に屈曲形成されてなるが、下枠20のみ、
上下方向寸法が上枠10等に比べてやや小さく形成され
てなる。
【0012】上枠10はドア50の上部に平行に設けら
れ、室外側(OUT)の下部に、ドア50が閉められた
状態においてドア50の上端面51と対向する対向面1
1を形成されてなると共に、室内側(IN)の下部に、
前記対向面11よりもやや下方で前記対向面11と平行
する下側面12が形成されてなり、この下側面12と対
向面11との間に室外側(OUT)に開口した断面コ字
形状の気密パッキン装着溝13が形成されてなる。下枠
20はドア50の下部に平行に設けられ、室外側(OU
T)の上部に、ドア50が閉められた状態においてドア
50の下端面52と対向する対向面21を形成されてな
ると共に、室内側(IN)の上部に、前記対向面21よ
りもやや上方で前記対向面21と平行する上側面22が
形成されてなり、この上側面22と対向面21との間に
室外側(OUT)に開口した断面コ字形状の気密パッキ
ン装着溝23が形成されてなる。
【0013】吊元側縦枠30はドア50の吊元部で垂直
方向に設けられ、室外側(OUT)の戸先側に、ドア5
0が閉められた状態においてドア50の吊元側端面53
と対向する対向面31を形成されてなると共に、室内側
(IN)の戸先側に、前記対向面31よりもやや戸先側
で前記対向面31と平行する戸先側面32が形成されて
なり、この戸先側面32と対向面31との間に室外側
(OUT)に開口した断面コ字形状の気密パッキン装着
溝33が形成されてなる。戸先側縦枠40はドア50の
戸先側で垂直方向に設けられ、室外側(OUT)の吊元
側に、ドア50が閉められた状態においてドア50の戸
先側端面54と対向する対向面41を形成されてなると
共に、室内側(IN)の吊元側に、前記対向面41より
もやや吊元側で前記対向面41と平行する吊元側面42
が形成されてなり、この吊元側面42と対向面41との
間に室外側(OUT)に開口した断面コ字形状の気密パ
ッキン装着溝43が形成されてなる。
【0014】各枠の気密パッキン装着溝13,23,3
3,43には、それぞれ、クロロプレンゴム等からなる
気密パッキン80が装着されており、ドア50が閉めら
れた状態において、ドア50の室内側(IN)の裏面板
57に当接することによって気密性を保っている。そし
て、戸先側縦枠40の吊元側面42に、上下方向に延在
する耐震補助枠70が設けられて、この発明の耐震性能
付与構造が適用されている。
【0015】図3は、図2における戸先側を示した横断
面図であり、図4は、ドア枠の戸先側を示す横断面斜視
図である。この実施例の耐震補助枠70は、金属板が略
矩形状に屈曲形成されてなり、その開放両端部が互いに
近接する方向に屈曲されて戸先側縦枠40の吊元側面4
2への当接部74を形成されてなる。また、耐震補助枠
70の吊元側端面71の室外側(OUT)の屈曲部は、
室外側(OUT)に突出された後、室内側(IN)に折
り返されて板状の突出折返部72が形成されている。こ
の耐震補助枠70は、その当接部74を戸先側縦枠40
の吊元側面42に当接した状態で、止めネジ90又は溶
接によって戸先側縦枠40に設けられる。耐震補助枠7
0を止めネジ90で戸先側縦枠40に設けるには、図2
等に示すように、上下方向の数カ所において、止めネジ
90を耐震補助枠70の吊元側面71から当接部74間
の隙間を通して戸先側縦枠40の吊元側面42にネジ込
むことによって行われる。
【0016】耐震補助枠70が戸先側縦枠40に固定さ
れた状態では、その突出折返部72が戸先側縦枠40の
気密パッキン装着溝43を形成する吊元側面42の突出
折返部45の突出寸法に等しい長さだけ室外側(OU
T)に突出されており、耐震補助枠70の突出折返部7
2と戸先側縦枠40の吊元側面42との間に、戸先側縦
枠40の気密パッキン装着溝43と等しい大きさのコ字
形状溝73が形成されることとなる。そして、このコ字
形状溝73には、気密パッキン80が装着されて使用さ
れる。なお、戸先側縦枠40の気密パッキン装着溝43
に装着されていた気密パッキン80は、図2等に示すよ
うに取り外してもよいし、装着したままでもよい。この
ようにして、既設ドア枠10,20,30,40に耐震
補助枠70を設置した後、既設のドアよりもやや小さい
ドア50を吊元側縦枠30に蝶番60によって回動自在
に設置する。
【0017】この実施例のドア50は、図2に示すよう
に、その幅寸法Wが、通常のドアでは823mmである
ところ、813mmとされてなる。そして、ドア50の
戸先側端面54とその戸先側端面54と対向する対向面
41との間のクリアランスX2は、通常3mmであると
ころ、13mmとされてなり、耐震性能を確保してい
る。また、ドア50の戸先側端面54と耐震補助枠70
の吊元側面71との間の寸法Y4を17mmとすること
により、ドア50を閉めた状態では、ドア50の室内側
(IN)の裏面板57とコ字形状溝73に装着された気
密パッキン80とが確実に当接されて気密性や遮音性を
確保している。
【0018】さらに、ドア50の上端面51と上枠10
の対向面11との間の空間は、通常のドア50Aの場合
には図12のZ1で示すように3mmとされているが、
この実施例のドア50は、やや上下方向寸法を小さくし
て、図5のZ2で示すように6mmとして耐震性能を確
保している。なお、これと同様に、ドア50の下部や吊
元側部にも、通常のドアより若干隙間を広くしてもよ
い。このように隙間を若干広くした場合でも、図5に示
すように、ドア50の室内側の裏面板57と気密パッキ
ン80が当接されるので、気密性が損なわれることはな
い。また、ドア50の戸先側端部55の室外側(OU
T)には、戸先側に突出する戸当り片58が形成されて
なり、この戸当り片58は、ドア50を閉めた際には戸
先側縦枠40の室外側(OUT)の外側面44に重合さ
れる長さ寸法を有し、これによって、ドア50が不必要
に閉まる方向に回転することが防止される。しかも、ド
ア50を閉めた際には、ドア50の錠前部等を隠す役目
もする。
【0019】なお、上記したドア50には、錠前を内蔵
することが可能である。この場合、ドア50の戸先側端
面54に、ラッチやデッドボルト等の突出片59を戸先
側に突出して設ける。これらの突出片59は、ドア50
の戸先側に設けられたノブやレバーハンドルや錠前等を
操作することによって吊元側に押し込むことが可能なも
のである。そして、突出片59を設けた場合には、既設
の錠受に変えて、戸先側縦枠40に、図7に示すような
錠受100を設置することが好適である。図7は、図6
に示す戸先側縦枠40の対向面41に錠受100を設置
した状態を示す斜視分解図であり、室外側(OUT)か
ら見た状態を示している。また、図8は、この錠受10
0を戸先側縦枠40に取り付けた状態を示す縦断面図で
ある。この図に示すように、錠受100は、突出片59
が設けられた高さに対応して、戸先側縦枠40の対向面
41に形成された矩形状の錠受穴46に設けられ、錠受
穴46をカバーする錠受板110と、この錠受板110
に装着される受穴部材120と、この受穴部材120を
カバーする錠受金130とからなる。
【0020】錠受板110は、金属板からなり、中央部
に戸先側縦枠40の錠受穴46よりもやや小さい矩形穴
111を形成されてなり、上下両端部にネジ挿通穴11
2が形成されてなる。また、錠受板110の中央部の室
外側は、戸先側に垂直に屈曲された屈曲部113を形成
されており、剛性を強化している。受穴部材120は、
プラスチック材料等からなり、錠受板110の矩形穴1
11に適合する大きさに形成され、吊元側が上下方向に
突出形成されると共に、その左右両側面が台形状に形成
された台形部121を有している。また、受穴部材12
0には、吊元側に開口した矩形穴122を形成されてな
る。錠受金130は、金属板からなり、中央部131が
受穴部材120の台形部121と適合する大きさの台形
状に、吊元側に起曲されてなると共に、その中央部13
1に矩形状の係合穴134を形成されてなる。また、中
央部131に傾斜面132を介して連続する上下両端部
133には、上下方向に長い取付用長穴135が形成さ
れてなる。
【0021】そして、この錠受100を戸先側縦枠40
に取り付けるには、戸先側縦枠40の錠受穴46に錠受
板110をその矩形穴111に対応させて位置させ、錠
受板110の矩形穴111に受穴部材120の箱状の基
端部123を挿入して装着し、その受穴部材120の開
口部122に、錠受金130の係合穴134の左右両縁
部が戸先側に屈曲形成されてなる屈曲片136を係合し
た状態で、取付ネジ150を錠受金130の取付用長穴
135から錠受板110のネジ挿通穴112を挿通させ
て戸先側縦枠40の対向面41に形成されたネジ穴47
にネジ込むことにより設置される。この際、錠受金13
0の上下両端部に形成された取付用長穴135は上下方
向に長く形成されてなるので、位置決めを容易に行うこ
とができる。なお、図7において、140は、取付ネジ
150に挿通される座金である。ドア50に突出片59
を設けた場合に、このような錠受100を戸先側縦枠4
0に設置しておけば、ドア50の戸先側端面54と戸先
側縦枠40の対向面41との間のクリアランスが大きい
場合でも、錠受金130の中央部131が吊元側に起曲
されてなることにより、ドア50の突出片59を錠受金
130の係合穴134を介して受穴部材120の開口部
122に突入させることによりドア50を施錠すること
ができる。
【0022】そして、ドア50の施錠状態において、地
震の発生等により、ドア50とドア枠40とのクリアラ
ンスが小さくなった場合には、ドア50の戸先側端面5
4が錠受金130の中央面131と接触することによっ
て、錠受金130の上下両端部133を上下にスライド
させることによって中央部131を戸先側に押し潰し、
これによってドア50の開放が困難になるという不都合
が回避される。中央部131が戸先側に押し潰される場
合には、錠受金130を固定している取付ネジ150が
上下両端部133に形成された上下方向に長い取付用長
穴135に挿通されていることによって、取付用長穴1
35と取付ネジ150との間の相対移動によって、錠受
金130が対向面41に重なり合うように潰れることと
なる。なお、受穴部材130は、薄肉のプラスチックに
よって形成されており、且つ、その開放部122に錠受
金130の係合穴134に形成された屈曲片136と係
合されて設けられているので、中央部131を押し潰す
付勢力が作用した場合には、破損されることになる。
【0023】なお、この発明の耐震性能付与構造は、上
記実施例の構成に限らず各種変更可能である。例えば、
上記実施例においては、耐震補助枠70を戸先側縦枠4
0にのみ取り付けた場合を示したが、耐震補助枠70を
戸先側縦枠40のみならず、吊元側縦枠30や上下の枠
10,20にも設置してもよく、非気密枠を気密枠とす
ることができる。この場合には、耐震補助枠70を戸先
側縦枠40に設置した場合と同様、耐震補助枠70をド
アの内周部に沿って設けるだけでよい。また、この発明
の耐震性能付与構造が適用される既設のドア枠10,2
0,30,40の断面形状や、耐震補助枠70の断面形
状は、上記実施例の構成に限らず適宜設計変更可能であ
り、例えば図6に示すように、既設の戸先側縦枠40の
断面形状が、対向面41と吊元側面42との間に室外側
に開口した気密パッキン装着溝43が形成されていない
ものであっても適用することができる。さらに、戸先側
縦枠40に設置する錠受100は、錠受板110と受穴
部材120と錠受金130との3つの部材からなる構成
に限らず、錠受板110と受穴部材120とを省略して
錠受金130のみからなる構成としてもよい。
【0024】
【発明の効果】このように、この発明の耐震性能付与構
造によれば、耐震専用ではない一般的なドア枠10,2
0,30,40を取り外さずに、耐震ドアとすることが
できる。すなわち、既設のドア枠10,20,30,4
0を躯体から取り外して、耐震専用のドア枠に交換する
必要がなく、コストを低減することができるだけでな
く、工事期間も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用
されたドアの縦断面図である。
【図2】この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用
されたドアの横断面図である。
【図3】この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用
されたドアの戸先側を示す横断面図である。
【図4】この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用
されたドアの戸先側を示す横断面斜視図である。
【図5】この発明の耐震性能付与構造の一実施例が適用
されたドアの上部を示す縦断面図である。
【図6】この発明の耐震性能付与構造の他の実施例が適
用されたドアの戸先側を示す横断面斜視図である。
【図7】この発明の耐震性能付与構造の他の実施例が適
用されたドアの戸先側を示す斜視分解図であり、錠受を
示している。
【図8】この発明の耐震性能付与構造の他の実施例が適
用されたドアの戸先側を示す縦断面図であり、錠受を示
している。
【図9】従来の耐震専用ではない一般的なドアの戸先側
を示す横断面図である。
【図10】従来の耐震専用ドアの戸先側を示す横断面図
である。
【図11】従来の耐震専用ではない一般的なドア枠に、
クリアランスを空けて耐震性能を付与した状態を示す横
断面図である。
【図12】従来の耐震専用ではない一般的なドアの上部
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 上枠(既設ドア枠) 11 対向面 12 下側面 13 気密パッキン装着溝 20 下枠(既設ドア枠) 21 対向面 22 上側面 23 気密パッキン装着溝 30 吊元側縦枠(既設ドア枠) 31 対向面 32 戸先側面 33 気密パッキン装着溝 40 戸先側縦枠(既設ドア枠) 41 対向面 42 吊元側面 43 気密パッキン装着溝 44 外側面 45 突出折返部 46 錠受穴 50 ドア 51 上端面 52 下端面 53 吊元側端面 54 戸先側端面 55 戸先側端部 56 表面板 57 裏面板 58 戸当り片 59 突出片(ラッチ,デッドボルト等) 60 蝶番 70 耐震補助枠 71 吊元側面 72 突出折返部 73 コ字形状溝 74 当接部 80 気密パッキン 90 止めネジ 100 錠受 110 錠受板 111 矩形穴 120 受穴部材 121 台形部 122 開口 130 錠受金 131 中央部 133 上下両端部 134 係合穴 135 取付用長穴 136 屈曲片 150 取付ネジ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 戸先側縦枠、吊元側縦枠、上枠、及び下
    枠が躯体に建込まれてなる既設ドア枠に適用され、 前記既設の戸先側縦枠は、閉塞状態のドアの戸先側端面
    に対向する対向面と、この対向面に平行してやや吊元側
    に形成された吊元側面と、ドアの開放方向で前記対向面
    と垂直に形成された外側面とを備えており、 ドアの開放方向に開口する断面コ字形状溝を備える耐震
    補助枠が、前記吊元側面に取り付けられ、 前記コ字形状溝には、弾性材料からなる気密パッキンが
    装着され、 前記吊元側縦枠に回動自在に取り付けられるドアは、前
    記対向面から所要のクリアランスが空けられ、且つ、閉
    塞状態で前記気密パッキンに当接されるよう設置され、 前記ドアの戸先側端部に、閉塞状態で前記戸先側縦枠の
    外側面と重合される戸当り片が、ドアの開放側の外面か
    ら戸先側に突出形成されてなることを特徴とする既設ド
    ア枠への耐震性能付与構造。
  2. 【請求項2】 前記耐震補助枠は、板材が断面略矩形状
    に屈曲して形成されてなると共に、ドアの開放方向に突
    出して折り返される突出折返部を有しており、 この突出折返部と前記吊元側面とで前記コ字形状溝を形
    成してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ドア
    枠への耐震性能付与構造。
  3. 【請求項3】 前記既設の吊元側縦枠は、閉塞状態のド
    アの吊元側端面に対向する対向面と、この対向面に平行
    してやや戸先側に形成された戸先側面とを備えており、 前記既設の上枠は、閉塞状態のドアの上端面に対向する
    対向面と、この対向面に平行してやや下側に形成された
    下側面とを備えており、 前記既設の下枠は、閉塞状態のドアの下端面に対向する
    対向面と、この対向面に平行してやや上側に形成された
    上側面とを備えており、 前記吊元側縦枠の戸先側面、前記上枠の下側面、前記下
    枠の上側面に、それぞれ、ドアの開放方向に開口する断
    面コ字形状溝を形成するよう耐震補助枠が取り 付けら
    れ、 これら吊元側縦枠、上枠及び下枠に設けられた各耐震補
    助枠の各コ字形状溝には、弾性材料からなる気密パッキ
    ンが装着され、 前記吊元側縦枠に回動自在に取り付けられるドアは、閉
    塞状態で前記吊元側縦枠、上枠及び下枠に設けられた各
    耐震補助枠の各気密パッキンに当接されるよう設置され
    てなる ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    既設ドア枠への耐震性能付与構造。
  4. 【請求項4】 前記ドアの戸先側端面に、戸先側に突出
    するラッチ又はデッドボルト等からなる突出片が設けら
    れ、 前記戸先側縦枠の対向面に、前記突出片が突入される係
    合穴を形成された錠受金が設けられ、 この錠受金は、前記係合穴を形成された中央部が吊元側
    に起曲して形成されると共に、上下両端部に形成された
    上下方向に長い取付用長穴に挿通される取付ネジによっ
    てドア枠に保持されてなることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3までのいずれか一つに記載の既設ドア枠への
    耐震性能付与構造。
  5. 【請求項5】 前記戸先側縦枠の対向面に形成された略
    矩形状の錠受穴に、この錠受穴よりやや小さい矩形穴を
    形成された板状の錠受板が設けられ、 この錠受板の矩形穴に、吊元側が縦断面台形状に形成さ
    れ、且つ吊元側に開口した箱形状の受穴部材が装着さ
    れ、 前記錠受金は、前記受穴部材の台形部と適合する大きさ
    の台形状に起曲されてなると共に、係合穴の左右両縁部
    に屈曲片を戸先側に屈曲形成されてなり、 この屈曲片が前記受穴部材の開口端縁に係合されると共
    に、前記取付ネジが前記錠受板を介して戸先側縦枠の対
    向面に螺合されてなることを特徴とする請求項4に記載
    の既設ドア枠への耐震性能付与構造。
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