JP2756039B2 - ナイロン6および/またはナイロン6,6のアジピン酸への転換 - Google Patents

ナイロン6および/またはナイロン6,6のアジピン酸への転換

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JP2756039B2 JP8511843A JP51184396A JP2756039B2 JP 2756039 B2 JP2756039 B2 JP 2756039B2 JP 8511843 A JP8511843 A JP 8511843A JP 51184396 A JP51184396 A JP 51184396A JP 2756039 B2 JP2756039 B2 JP 2756039B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の属する技術分野 本発明は、ナイロン6、ナイロン6,6、またはこれら
の混合物を単一モノマー種のアジピン酸に転換する方法
に関している。特に、本発明は、ナイロン6および/ま
たはナイロン66を式、H3C−(CH2−C(=O)−OH
(ここで、nは0から4である)で表される脂肪族モノ
カルボン酸と反応させ、アルキルアミドモノマー種を形
成する工程と、アルキルアミドモノマー種を酸化してア
ジピン酸にする工程と、を含む方法に関する。
関連文献の詳細 人造製品の製造およびその製品が実用生活に供給され
た後のその処分に関連した無駄がある。経済および環境
を考えるという両方の目的から、材料の価値をできる限
り回収することが好ましい。焼却が燃料として価値を回
収するために用いられてもよいが、再使用できるよう
に、もともと製品を作り出している原材料の回収が、価
値ある目的である。
ナイロン6及びナイロン6,6は、商業的使用で世界的
に知られているポリアミドの大部分を形成する。これら
二つのポリアミドを区別することは、精巧な試験方法を
必要とする。新規のナイロンを製造するのに再利用され
る中間体を得るためにそれぞれを分離することなく両ポ
リマーを処理する方法に対して大きな必要性がある。
ナイロンの多くの解重合法が知られている。ナイロン
6は、ナイロン6生産者によって再利用のため蒸気の影
響下でごく普通にカプロラクタムに解重合される。Kowo
likらの公開された英国特許出願GB790,503号に記載され
ているように、ナイロン6の水酸化バリウム水溶液中に
おけるアミノカプロン酸への加水分解のような、他の方
法が報告されている。再利用するためにナイロン6,6を
解重合する方法も知られている。Monetによる米国特許
第3,069,465号には、硫酸水を用いてナイロン6,6を解重
合し、アジピン酸を回収し、そして中和後、ヘキサメチ
レンジアミンを回収する方法が記載されている。Haberm
annらの公開された独国特許出願DE4,219,757号に、塩基
水溶液によってナイロン6,6を解重合し、抽出によって
ジアミンを分離し、電気分解によって二酸塩を対応する
二酸に転換する方法が説明されている。
ナイロン6およびナイロン6,6の混合物からの有用な
モノマーの回収は、当業界でそれほど知られていない。
Moranの米国特許第5,266,694号には、塩基触媒の存在
下、蒸気の影響下でナイロン6/6,6混合物からカプロラ
クタムおよびヘキサメチレンジアミンの回収が開示され
ている。Mckinneyの米国特許第5,302,756号には、ヘキ
サメチレンジアミンへの転換に適切なモノマーの混合物
を製造するために、混合されたナイロンのアンモノリシ
スが説明されている。
ナイロン6,6またはナイロン6とナイロン6,6の混合物
の解重合は、一般に、多岐にわたるモノマー生成物を作
りだし、これらは互いに分離されなければならないし、
あるいは再利用する前にさらに変性されなければならな
い。廃棄物のナイロンからのモノマー種の効果的製造に
対する他の障害は、カーペットのような、複合材料から
のナイロン留分の分離である。これは、通常、機械的に
達成されるが費用かかる。
関係のない材料から両方のナイロンを分離出来る、ナ
イロンを解重合できる、および解重合されたナイロンを
新しいナイロンの製造に再利用するのに適している単一
モノマー製造物に転換することができる試薬の溶液を用
いて混合されたナイロンを含有する複合材料を処理する
ことのできるプロセスは大きな価値をもっている。
発明の要旨 本発明は、アジピン酸としてポリカプロラクタムから
カプロラクタム価値の回収方法を提供しており、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とポリカプロラクタ
ムを、ポリマーの繰り返し単位のモル毎に少なくとも酸
1モルの量で、オートクレーブに供給する工程と、ポリ
マーを解重合し、6−アルキルアミドヘキサン酸を形成
するのに十分な時間にわたって、自己圧力またはそれよ
り大きい圧力で、少なくとも150℃の温度で混合物を加
熱する工程と、6−アルキルアミドヘキサン酸をアジピ
ン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化する工程と、
この混合物からアジピン酸を分離する工程と、を具備す
る。
また、ポリヘキサメチレンアジパミドをアジピン酸に
転換する方法を提供しており、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とポリヘキサメチレ
ンアジパミドを、ポリマーの繰り返し単位のモル毎に少
なくとも酸2モルの量で、オートクレーブに供給する工
程と、ポリマーを解重合し、アジピン酸およびN,N′−
ヘキサメチレンビスアルキルアミドの混合物を形成する
のに十分な時間にわたって、自己圧力またはそれより大
きい圧力で、少なくとも150℃温度で混合物を加熱する
工程と、N,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミドを
アジピン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化する工
程と、この混合物からアジピン酸を分離する工程と、を
具備する。
さらに、ポリカプロラクタムおよびポリヘキサメチレ
ンアジパミドの混合物をアジピン酸に転換する方法を提
供しており、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とこのポリマーの混
合物を、ポリカプロラクタムの繰り返し単位のモル毎に
少なくとも酸1モルで、およびポリヘキサメチレンアジ
パミドの繰り返し単位のモル毎に少なくとも酸2モルの
量で、オートクレーブに供給する工程と、両方のポリマ
ーを解重合し、6−アルキルアミドヘキサン酸、アジピ
ン酸およびN,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミド
の混合物を形成するのに十分な時間にわたって、自己圧
力またはそれより大きい圧力で、少なくとも150℃の温
度で混合物を加熱する工程と、6−アルキルアミドヘキ
サン酸およびN,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミ
ドをアジピン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化す
る工程と、この混合物からアジピン酸を分離する工程
と、を具備する。
発明の詳細 本発明の方法は、ナイロン6またはナイロン6,6、も
しくはこれらの混合物を処理するのに用いられる。本発
明の方法は、生活用と産業用との混合されたナイロン廃
棄物が処理される時に予期される種々の供給物に適合す
る。さらなる利点として、ナイロン6およびナイロン6,
6の混合物は、単一モノマー生成物のアジピン酸に転換
される。
脂肪族モノカルボン酸を用いるナイロン6および/ま
たはナイロン6,6の解重合は、Moranによる米国特許第5,
310,905号に記載されており、これを参照することによ
って、当該米国特許出願の明細書の内容が本明細書の一
部を構成するものとする。
ナイロン6に適用されるときは、本発明の方法は、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4の整数である]の脂肪族モノカルボン酸を
用いて、オートクレーブ内でナイロン6(ポリカプロラ
クタム)を処理する工程と、少なくとも150℃で混合物
を加熱して6−アルキルアミドヘキサン酸を形成する工
程と、を含む。150℃の温度が通常であるが、好ましい
温度は約200℃を超えた範囲であり、約250℃を超えるこ
とが好ましい。基本的に、処理は、自己圧力で行われる
が、しかしそのことによって得られる利点はなく、望む
ならより大きな圧力を用いてもよい。アルキル基は、ナ
イロンポリマーを処理するのに用いられるカルボン酸の
アルキル鎖に対応する。適切な脂肪酸は、酢酸およびプ
ロピオン酸を含む。酸は、ポリマーの繰り返し単位のモ
ル毎に少なくとも1モルの量で酸で存在する。酸および
ポリカプロラクタムは、別々にオートクレーブに充填さ
れるか、もし酸がカーペットのような複合製造物に結合
した他の材料とナイロンを別にするための溶剤として用
いられるのなら、得られる酸のなかのポリマー溶液とし
てオートクレーブに充填される。過剰な酸が、溶剤を提
供し、ナイロン6の完全な解重合を促進するために一般
に用いられる。
アジピン酸を生じるための、解重合生成物の6−アル
キルアミドヘキサン酸の酸化は、種々の酸化技術によっ
て行われる。例えば、酸触媒および酸素源をオートクレ
ーブに供給し、酸化は解重合と同時に実施される。適切
な酸素源は、空気、酸素ガス、または過酸化水素を含
む。他に、酸化は、解重合が完了した後に、引き続きの
工程で同様の方法で行われてもよい。
酸化は、また電気化学的に行われてもよい。解重合生
成物は、解重合反応混合物から単離され、電気分解の前
に、電解質を含む適切な溶剤中に再溶解される。他に、
電解質が、解重合生成物を単離する必要性を避けるた
め、解重合反応混合物に直接加えられてもよい。必要に
応じて、酸化触媒は、溶液に加えられてもよい。酸化さ
れている混合物は、定期的にチェックされ、この工程
は、かなりの量のアジピン酸が生成されるまで続けられ
る。他に、酸化は、理論クーロン数を過ぎるまで続けら
れる。この時点で、溶剤は取り除かれ、アジピン酸は結
晶化または他の手段によって他の反応生成物であるアル
キルアミドを含む混合物から回収される。
ナイロン6,6に適用される方法は、2つの例外を除い
てナイロン6の方法と同様である。まず一つめは、少な
くとも2モルの脂肪族カルボン酸が、ナイロンポリマー
の繰り返し単位のモル毎に必要とされることである。第
二の違いは、解重合生成物が、アジピン酸およびN,N′
−ヘキサメチレンビスアルキルアミドの混合物であるこ
とである。アルキル基は、ナイロンポリマーを処理する
のに用いられたカルボン酸のアルキル鎖に対応する。
解重合されたナイロン6,6の酸化は、ナイロン6を解
重合したカルボン酸の反応生成物を酸化するという上に
記載した方法を用いて行われる。ナイロン6,6の解重合
から得られるアジピン酸の存在は、酸化工程に影響を及
ぼさない。その理由は、N,N′−ヘキサメチレンビスア
ルキルアミドの酸化から得られる生成物は、アジピン酸
およびアルキルアミドだからである。N,N′−ヘキサメ
チレンビスアルキルアミドの不完全な酸化は、ナイロン
6の解重合生成物である6−アルキルアミドヘキサン酸
の形成という結果を生じる。さらなる酸化は、6−アル
キルアミドヘキサン酸をアジピン酸に転換する。
本発明の方法は、特にナイロン6およびナイロン6,6
ポリマーの両方の混合物を処理するのに利点がある。単
一生成物を得るための以前の分離をする必要なく一工程
で両方を処理する能力が非常に有利である。上で説明し
たように、この方法ではナイロン6およびナインロン6,
6のそれぞれの回収工程を互いに類似した方法で行う。
脂肪酸は、ポリマー混合物中に存在するポリカプロラク
タムの繰り返し単位のモル毎に少なくとも1モル加えら
れ、ポリマー混合物中に存在するポリヘキサメチレンア
ジパミドの繰り返し単位のモル毎に少なくとも2モルの
酸を加えられる。得られる生成物は、6−アルキルアミ
ドヘキサン酸およびN,N′−ヘキサメチレンビスアルキ
ルアミドを含む混合物中にアジピン酸を含み、これらの
6−アルキルアミドヘキサン酸とN,N′−ヘキサメチレ
ンビスアルキルアミドは上で記載したように引き続き酸
化されてアジピン酸とアルキルアミドになる。
カーペットのような複合材料が処理されている場合
は、ナイロンは加熱によって脂肪酸カルボン酸に溶解さ
れ、不溶物は濾過によって取り除かれる。例えば、廃棄
物ナイロンカーペットの処理において、廃棄物カーペッ
トは、脂肪族モノカルボン酸溶剤中で大気圧で約100〜1
10℃の温度に加熱される。ナイロン表面繊維の溶解にお
いて、ラテックスゴムおよび充填剤を含む第一および第
二のバッキング成分およびバインダー材料のような不溶
性材料を取り除くために熱いうちに溶液は濾過される。
そして濾液は、溶解したナイロンを解重合するために本
発明にしたがって処理される。
本発明は、以下の実施例でさらに説明されるが、これ
らの説明は、本発明の範囲を限定するものとして解釈さ
れるべきではない。断りのない限り、部およびパーセン
トは、重量によるものである。
実施例 実施例1 この実施例は、酸化触媒の存在下で、ナイロン6の第
一次アセチル化生成物である6−アセトアミドヘキサン
酸の酸化を説明している。6−アセトアミドヘキサン酸
は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、Wisconsi
n)より入手された。
6−アセトアミドヘキサン酸14.4グラム(83.4mmo
l)、酢酸コバルト(ous)、マンガンアセテートテトラ
ハイドレートおよび48%HBr溶液からなる酸化触媒1.24
グラム、および酢酸150グラムを、フラスコに充填し
た。
混合物は、全てが溶解するまで撹拌された。フラスコ
は、電気マントルヒーターを用いて加熱し、遅い空気流
がガス分散チューブを通して導入された。混合物は、93
〜104℃の間で24時間にわたって加熱され、その間、空
気流が保たれた。加熱時間の終わりで、GC/MSによって
試験された試料により、主成分が未反応の6−アセトア
ミドヘキサン酸、アセトアミド、およびアジピン酸であ
ることが判明した。全体の反応混合物は検量された液体
クロマトグラフィーによって分析され、アジピン酸1.39
gおよび6−アセトアミドヘキサン酸6.76gを含むという
ことがわかった。このことは、6−アセトアミドヘキサ
ン酸の53モル%が転換して、アジピン酸21.5モル%を生
じたことを表している。
実施例A(比較例) この実施例は、6−アセトアミドヘキサン酸が酸化触
媒のない状態で加熱された時に酸化が生じないことを表
している。
実施例1と同様に設定したフラスコに、6−アセトア
ミドヘキサン酸14.4グラム(83.4mmol)および酢酸150
グラムを充填し、全てが溶液中に溶けるまで撹拌した。
フラスコは、電気マントルヒーターで加熱され、遅い空
気流が、ガス拡散チューブを通して導入された。混合物
は、105〜108℃の間で24時間にわたって加熱され、その
間、空気流が保たれた。加熱時間の終わりで、GCのみに
よって試験された試料により、未反応の6−アセトアミ
ドヘキサン酸およびカプロラクタムのみが検出され、ア
ジピン酸またはアセトアミドは検出されなかった。全体
の反応混合物は検量された液体クロマトグラフィーによ
って分析され、充填された6−アセトアミドヘキサン酸
14.4グラムに等価のカプロラクタムを加えた6−アセト
アミドヘキサン酸のほぼ予定された量の回収物を含むこ
とがわかった。
実施例2 この実施例は、ポリカプロラクタムの同時の解重合お
よび酸化を説明する。
実施例1と同様に設定されたフラスコに、酢酸コバル
ト(ous)、マンガンアセテートテトラハイドレートお
よび48HBr溶液からなる酸化触媒4.96グラムおよび酢酸6
00グラムを溶液として充填した。
切り取られたナイロン6カーペット繊維37.6グラム
が、この溶液に加えられた。フラスコ内容物は、115℃
に加熱され、この点で、全てのナイロンは溶解され、空
気散布が開始された。混合物は、105〜115℃の間で10日
間にわたって加熱され、その間空気を流し続けた。加熱
時間の終わりで、全体の反応混合物は、分析のために水
で1000mLに希釈された。ナイロンの不完全な解重合を示
す固体沈殿物が起こった。液体フラクションは、検量さ
れた液体クロマトグラフィーによって分析され、アジピ
ン酸0.16gおよび6−アセトアミドヘキサン酸0.45gを含
むことがわかった。このことは、もともとのナイロン6
カーペット繊維から、アジピン酸0.33モル%および6−
アセトアミドヘキサン酸0.78モル%が生じたことを表し
ている。
実施例3 この実施例は、酢酸中でのナイロン6,6のアセチル化
生成物であるN,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド
の酸化を説明する。N,N′−ヘキサメチレンビスアセト
アミドは、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、Wis
consin)より入手された。
N,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド14.6グラム
(73mmol)、酢酸コバルト(ous)1グラム、50%過酸
化水素溶液50グラム、および酢酸100グラムを、フラス
コに充填し、撹拌した。それから、フラスコ内容物は、
反応熱のため104℃まで加熱された。約3分間にわたっ
て104℃で環流した後、反応混合物は、徐々に冷却され
た。そして、ガス拡散チューブを通してゆっくりと空気
を送りながら、24時間にわたって54〜60℃に加熱され
た。加熱時間の終わりで、GCによって試験された試料に
より、未反応のN,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミ
ドおよびアセトアミドの存在が判明した。全体の反応混
合物は検量された液体クロマトグラフィーによって分析
され、アジピン酸1.49g、6−アセトアミドヘキサン酸
1.46g、およびN,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド
5.91gを含むということがわかった。このことは、N,N′
−ヘキサメチレンビスアセトアミドの59.5モル%が転換
して、アジピン酸23.5モル%および6−アセトアミドヘ
キサン酸19.4モル%を生じたことを表している。
実施例4 この実施例は、ポリヘキサメチレンアジパミドの同時
の解重合と酸化を説明する。
酢酸コバルト(ous)4グラム、酢酸ナトリウム24.0
グラム、酢酸400グラム、および無水酢酸200グラムを溶
液としてフラスコに充填した。これに切り取られたナイ
ロン6,6−カーペット繊維66gを加えた。このフラスコ内
容物は125℃に加熱された。この時点では全てのナイロ
ンが溶解されていないが、空気分散が開始された。混合
物は、99〜125℃に10日間にわたって加熱され、その間
空気を流し続けた。二日後、ナイロンは完全に溶解され
た。全体の反応混合物は検量された液体クロマトグラフ
ィーによって分析され、アジピン酸30.8g、N,N′−ヘキ
サメチレンビスアセトアミド14.8g、および6−アセト
アミドヘキサン酸1.80gを含むということがわかった。
このことは、アジピン酸36.2モル%、N,N−ヘキサメチ
レンビスアセトアミド25.4モル%、および6−アセトア
ミドヘキサン酸3.6モル%を、もともとのナイロン6,6カ
ーペット繊維から生じたことを表している。
実施例5 この実施例は、ナイロン6の第一次アセチル化生成物
である6−アセトアミドヘキサン酸の電気化学的酸化を
説明する。6−アセトアミドヘキサン酸は、Aldrich Ch
emical Company(Milwaukee、Wisconsin)より入手され
た。
1インチ離した1インチ角の平行に置かれたプラチナ
箔電極をもつ単一区画の電解セルに、6−アセトアミド
ヘキサン酸7.2グラム(41.7mmol)、酢酸コバルト(ou
s)0.09g、および0.75モルの硫酸溶液75mlを充填した。
セルの内容物は、電気分解の間、電磁撹拌棒で撹拌され
た。電解質は、適切な直流電源、電流計、および電量計
を含む電気回路に接続された。電気分解は、電流480ミ
リアンペア、セル電圧2.9ボルトで、8074クーロンに蓄
積されるのに十分な時間実施した。この実施のおわり
で、GC/MSによって試験された試料により、主成分が6
−アセトアミドヘキサン酸、アジピン酸および5−ホル
ミルバレリアン酸であることが判明した。生成混合物に
は、検量された液体クロマトグラフィーによる定量分析
によってアジピン酸2.18グラム、および6−アセトアミ
ドヘキサン酸3.56グラムが含まれていることがわかっ
た。このことは、電流効率71.3%で、6−アセトアミド
ヘキサン酸の50.6モル%が転換して、アジピン酸70.7モ
ル%を生じたことを表している。
実施例6 この実施例は、ナイロン6,6のアセチル化生成物であ
るN,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミドの電気化学
的酸化を説明する。N,N′−ヘキサメチレンビスアセト
アミドは、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、Wis
consin)より入手された。
実施例5と同じ電気分解装置が用いられた。セルに、
N,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド4.17グラム(2
0.85mmol)、酢酸コバルト(ous)0.09g、および0.75モ
ルの硫酸溶液75mlを充填した。電気分解は、電流480ミ
リアンペア、セル電圧3.1ボルトで、8050クーロンに蓄
積されるのに十分な時間実施した。この実施のおわり
で、GC/MSによって試験された試料により、主成分がN,
N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド、6−アセトア
ミドヘキサン酸、アジピン酸、5−ホルミルバレリアン
酸、および6−アセトアミドカプロアルデヒドであるこ
とを表す。生成混合物には、検量された液体クロマトグ
ラフィーによる定量分析によってアジピン酸0.34グラ
ム、6−アセトアミドヘキサン酸0.28グラム、およびN,
N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド1.65グラムが含
まれていることがわかった。このことは、N,N′−ヘキ
サメチレンビスアセトアミドの60.4モル%が転換して、
6−アセトアミドヘキサン酸13.1モル%、およびアジピ
ン酸18.2モル%を生じたことを表している。
実施例7 この実施例は、追加の電解質を有する酢酸溶媒中で
の、ナイロン6,6のアセチル化生成物であるN,N′−ヘキ
サメチレンビスアセトアミドの電気化学的酸化を説明す
る。N,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミドは、Aldri
ch Chemical Company(Milwaukee、Wisconsin)より入
手された。
実施例5と同じ電気分解装置が用いられた。セルに、
N,N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド4.17グラム(2
0.85mmol)、酢酸コバルト(ous)0.09g、および90%の
酢酸水溶液中の0.75モルの硫酸溶液75mlを充填した。安
定した空気流を、ガス分散チューブを通して溶液中に通
した。電気分解は、電流480ミリアンペア、セル電圧9.5
ボルトで、16,100クーロンに蓄積されるのに十分な時間
実施した。生成混合物には、検量された液体クロマトグ
ラフィーによる定量分析によってアジピン酸0.67グラ
ム、6−アセトアミドヘキサン酸0.36グラム、およびN,
N′−ヘキサメチレンビスアセトアミド1.81グラムが含
まれていることがわかった。このことは、N,N′−ヘキ
サメチレンビスアセトアミドの56.6%が転換して、6−
アセトアミドヘキサン酸17.9モル%、およびアジピン酸
39.0モル%を生じたことを表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マッキネイ,ロナルド,ジェイムズ アメリカ合衆国 19803 デラウェア州 ウィルミントン レイクウッド ドラ イブ 1243 (56)参考文献 米国特許5310905(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 55/14 C07C 51/21 C07C 51/42

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカプロラクタムをアジピン酸へ転換す
    る方法であって、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とポリカプロラクタ
    ムを、ポリマーの繰り返し単位のモル毎に少なくとも酸
    1モルの量で、オートクレーブに供給する工程と、ポリ
    マーを解重合し、6−アルキルアミドヘキサン酸を形成
    するのに十分な時間にわたって、自己圧力またはそれよ
    り大きい圧力で、少なくとも150℃の温度で混合物を加
    熱する工程と、6−アルキルアミドヘキサン酸をアジピ
    ン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化する工程と、
    この混合物からアジピン酸を分離する工程と、 を備えることを特徴とする転換方法。
  2. 【請求項2】ポリカプロラクタムが廃棄材料から生じた
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の転換方
    法。
  3. 【請求項3】廃棄材料がカーペットのパイル繊維である
    ことを特徴とする請求項2に記載の転換方法。
  4. 【請求項4】6−アルキルアミドヘキサン酸が酸化触媒
    の存在下で酸化されることを特徴とする請求項1に記載
    の転換方法。
  5. 【請求項5】6−アルキルアミドヘキサン酸が電気化学
    的に酸化されることを特徴とする請求項1に記載の転換
    方法。
  6. 【請求項6】ポリヘキサメチレンアジパミドをアジピン
    酸へ転換する方法であって、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とポリヘキサメチレ
    ンアジパミドを、ポリマーの繰り返し単位のモル毎に少
    なくとも酸2モルの量で、オートクレーブに供給する工
    程と、ポリマーを解重合し、アジピン酸およびN,N′−
    ヘキサメチレンビスアルキルアミドの混合物を形成する
    のに十分な時間にわたって、自己圧力またはそれより大
    きい圧力で、少なくとも150℃温度で混合物を加熱する
    工程と、N,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミドを
    アジピン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化する工
    程と、この混合物からアジピン酸を分離する工程と、を
    備えることを特徴とする転換方法。
  7. 【請求項7】ポリヘキサメチレンアジパミドが廃棄材料
    から生じたものであることを特徴とする請求項6に記載
    の転換方法。
  8. 【請求項8】廃棄材料がカーペットのパイル繊維である
    ことを特徴とする請求項7に記載の転換方法。
  9. 【請求項9】N,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミ
    ドが酸化触媒の存在下で酸化されることを特徴とする請
    求項6に記載の転換方法。
  10. 【請求項10】N,N′−ヘキサメチレンビスアルキルア
    ミドのが電気化学的に酸化されることを特徴とする請求
    項6に記載の転換方法。
  11. 【請求項11】ポリカプロラクタムおよびポリヘキサメ
    チレンアジパミドの混合物をアジピン酸へ転換する方法
    であって、式 H3C−(CH2−C(=O)−OH [nは0〜4である]で表される酸とこのポリマーの混
    合物を、ポリカプロラクタムの繰り返し単位のモル毎に
    少なくとも酸1モルで、およびポリヘキサメチレンアジ
    パミドの繰り返し単位のモル毎に少なくとも酸2モルの
    量で、オートクレーブに供給する工程と、両方のポリマ
    ーを解重合し、6−アルキルアミドヘキサン酸、アジピ
    ン酸およびN,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミド
    の混合物を形成するのに十分な時間にわたって、自己圧
    力またはそれより大きい圧力で、少なくとも150℃の温
    度で混合物を加熱する工程と、6−アルキルアミドヘキ
    サン酸およびN,N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミ
    ドをアジピン酸およびアルキルアミドの混合物に酸化す
    る工程と、この混合物からアジピン酸を分離する工程
    と、 を備えることを特徴とする転換方法。
  12. 【請求項12】ポリマーの混合物が廃棄材料から生じた
    ものであることを特徴とする請求項11に記載の転換方
    法。
  13. 【請求項13】廃棄材料がカーペットのパイル繊維であ
    ることを特徴とする請求項12に記載の転換方法。
  14. 【請求項14】6−アルキルアミドヘキサン酸およびN,
    N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミドが酸化触媒の
    存在下で酸化されることを特徴とする請求項11に記載の
    転換方法。
  15. 【請求項15】6−アルキルアミドヘキサン酸およびN,
    N′−ヘキサメチレンビスアルキルアミドが電気化学的
    に酸化されることを特徴とする請求項11に記載の転換方
    法。
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