JP2755962B2 - 低膨張非磁性合金および電子管の管内部品 - Google Patents
低膨張非磁性合金および電子管の管内部品Info
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- JP2755962B2 JP2755962B2 JP63256621A JP25662188A JP2755962B2 JP 2755962 B2 JP2755962 B2 JP 2755962B2 JP 63256621 A JP63256621 A JP 63256621A JP 25662188 A JP25662188 A JP 25662188A JP 2755962 B2 JP2755962 B2 JP 2755962B2
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J29/00—Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
- H01J29/46—Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
- H01J29/48—Electron guns
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は主としてTV受像管等の電子管の管内部品とし
て使用される低膨張非磁性合金に関する。
て使用される低膨張非磁性合金に関する。
例えばTV受像管の電子銃用部材等は、電子ビームへの
磁気的攪乱を避けるため非磁性の金属材料が多く使用さ
れており、その代表的合金としては16%Cr−14%Ni−残
Feのいわゆる非磁性ステンレスが挙げられる。この合金
は透磁率が1.005以下の非磁性で、しかも深絞りやバー
リング加工等の冷間加工性にも優れているため各種電子
管の管内部品として広く用いられている。
磁気的攪乱を避けるため非磁性の金属材料が多く使用さ
れており、その代表的合金としては16%Cr−14%Ni−残
Feのいわゆる非磁性ステンレスが挙げられる。この合金
は透磁率が1.005以下の非磁性で、しかも深絞りやバー
リング加工等の冷間加工性にも優れているため各種電子
管の管内部品として広く用いられている。
しかしながら、この合金は熱膨張係数が18〜19×10-6
/℃と一般の金属材料の中でも大きい部類に属するた
め、電子管動作中の温度上昇に伴う熱膨張により部材に
位置ズレが生じ易く、このことが電子ビームの走査特性
に悪影響を及ぼすという大きな問題点を有していた。特
に近年、TV受像管あるいはOA機器のディスプレイ管等の
高精細化が急速に進み、また画面の輝度を上げるため、
電子銃の高出力化が図られるなど、この管内部材の位置
ズレに対する要求度はますます厳しくなってきている。
/℃と一般の金属材料の中でも大きい部類に属するた
め、電子管動作中の温度上昇に伴う熱膨張により部材に
位置ズレが生じ易く、このことが電子ビームの走査特性
に悪影響を及ぼすという大きな問題点を有していた。特
に近年、TV受像管あるいはOA機器のディスプレイ管等の
高精細化が急速に進み、また画面の輝度を上げるため、
電子銃の高出力化が図られるなど、この管内部材の位置
ズレに対する要求度はますます厳しくなってきている。
以上のような要求に対し一部では20Cr−80Niのいわゆ
るニクロム合金が検討されているが、この合金は80%も
のNiを含有しているため、非常に高価格であり、コスト
の点からどうしても使用対象機種は限定されざるを得な
い現状である。
るニクロム合金が検討されているが、この合金は80%も
のNiを含有しているため、非常に高価格であり、コスト
の点からどうしても使用対象機種は限定されざるを得な
い現状である。
本発明は、このような技術的背景をもとになされたも
のであり、その目的とするところは低膨張でしかもニク
ロム合金よりも安価な非磁性合金を提供することにあ
る。〔課題を解決するための手段〕 本発明合金の化学組成は、Ni 35〜45%、Cr 16〜28
%、残部実質的にFeよりなるものであり、それぞれの成
分範囲限定理由は以下の通りである。
のであり、その目的とするところは低膨張でしかもニク
ロム合金よりも安価な非磁性合金を提供することにあ
る。〔課題を解決するための手段〕 本発明合金の化学組成は、Ni 35〜45%、Cr 16〜28
%、残部実質的にFeよりなるものであり、それぞれの成
分範囲限定理由は以下の通りである。
まずNi含有量であるが、これは合金の熱膨張係数(30
℃〜200℃の平均熱膨張係数)を16×10-6/℃以下に抑
えるため35〜45%に限定した。Ni含有量がこの範囲より
高くても低くても熱膨張係数は、16×10-6/℃よりも大
きくなり、目的の特性が得られない。
℃〜200℃の平均熱膨張係数)を16×10-6/℃以下に抑
えるため35〜45%に限定した。Ni含有量がこの範囲より
高くても低くても熱膨張係数は、16×10-6/℃よりも大
きくなり、目的の特性が得られない。
次にCr含有量であるが、Crが16%を下回ると合金の透
磁率が1.2を越えるようになり電子管管内部品として必
要な非磁性レベルが得られなくなり、逆に28%を上回る
と、非磁性レベルは非常に良好となるが、熱膨張係数が
16×10-6/℃を越えるようになり、さらに合金の加工性
も悪くなるため、Cr 16〜28%に限定した。
磁率が1.2を越えるようになり電子管管内部品として必
要な非磁性レベルが得られなくなり、逆に28%を上回る
と、非磁性レベルは非常に良好となるが、熱膨張係数が
16×10-6/℃を越えるようになり、さらに合金の加工性
も悪くなるため、Cr 16〜28%に限定した。
なお、Ni、Cr以外の元素に関して言えば、合金の工業
的生産性の点から若干量の脱酸元素(例えばSi、Mn、Al
等)が含有されることはやむを得ない。また、深絞り、
バーリング加工等の冷間加工性の点からは、C、P、
S、N、O等の不純物元素はできるだけ少ない方が望ま
しい。前述したように本発明の合金は、電子管の管内部
品として使用可能である。
的生産性の点から若干量の脱酸元素(例えばSi、Mn、Al
等)が含有されることはやむを得ない。また、深絞り、
バーリング加工等の冷間加工性の点からは、C、P、
S、N、O等の不純物元素はできるだけ少ない方が望ま
しい。前述したように本発明の合金は、電子管の管内部
品として使用可能である。
以下、本発明を実施例により説明する。
第1表に示す化学組成の合金を真空誘導溶解炉により
造塊し、熱間圧延、冷間圧延で板厚0.5mmの帯材に仕上
げたのち水素中で800℃の軟化焼鈍を行ない、熱膨張係
数、透磁率、機械的性質等の特性評価を実施した。その
結果を第2表に示す。
造塊し、熱間圧延、冷間圧延で板厚0.5mmの帯材に仕上
げたのち水素中で800℃の軟化焼鈍を行ない、熱膨張係
数、透磁率、機械的性質等の特性評価を実施した。その
結果を第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、Ni 35〜45%、Cr
16〜28%、残部Feの組成範囲内で30〜200℃間の平均熱
膨張係数が16×10-6/℃以下、透磁率が1.2以下、焼鈍
状態での伸びが30%以上という低膨張、非磁性および良
好な冷間加工性の3つの特性を満たす合金が得られるこ
とがわかる。また、この合金はNi含有量がニクロム合金
の約半分であり、価格的にも大変有利である。
16〜28%、残部Feの組成範囲内で30〜200℃間の平均熱
膨張係数が16×10-6/℃以下、透磁率が1.2以下、焼鈍
状態での伸びが30%以上という低膨張、非磁性および良
好な冷間加工性の3つの特性を満たす合金が得られるこ
とがわかる。また、この合金はNi含有量がニクロム合金
の約半分であり、価格的にも大変有利である。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、高精細あるい
は高輝度のTV受像管の管内部品材として対応可能な安価
な低膨張非磁性材を得ることができ、工業上の効果は極
めて大きい。
は高輝度のTV受像管の管内部品材として対応可能な安価
な低膨張非磁性材を得ることができ、工業上の効果は極
めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%にてNi 35〜45%、Cr 16〜28%、残
部実質的にFeよりなる低膨張非磁性合金。 - 【請求項2】重量%にてNi 35〜45%、Cr 16〜28%、残
部実質的にFeよりなる低膨張非磁性合金で構成される電
子管の管内部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63256621A JP2755962B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 低膨張非磁性合金および電子管の管内部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63256621A JP2755962B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 低膨張非磁性合金および電子管の管内部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02104638A JPH02104638A (ja) | 1990-04-17 |
JP2755962B2 true JP2755962B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=17295160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63256621A Expired - Fee Related JP2755962B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 低膨張非磁性合金および電子管の管内部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2755962B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2815169B2 (ja) * | 1989-03-18 | 1998-10-27 | 株式会社日立製作所 | インライン型電子銃 |
US5010271A (en) * | 1989-10-24 | 1991-04-23 | Rca Licensing Corporation | Color picture tube having an electron gun with reduced convergence drift |
JPH09245663A (ja) * | 1996-03-04 | 1997-09-19 | Hitachi Ltd | 陰極線管 |
CN108130469A (zh) * | 2017-12-20 | 2018-06-08 | 吴方立 | 抗冲刷、耐腐蚀合金材料及其熔炼工艺 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5959861A (ja) * | 1982-09-29 | 1984-04-05 | Toshiba Corp | 管内部品 |
-
1988
- 1988-10-12 JP JP63256621A patent/JP2755962B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02104638A (ja) | 1990-04-17 |
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