JP2755352B2 - 管結合用のカップリング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は管結合用のカップリングに関し、特に、該カ
ップリングは迅速に管を結合するものである。

従来の技術 従来より、２本の管あるいはパイプを迅速に連結し、
さらに、可能であれば容易に取り外しするために利用さ
れる手段を設けることが、特に、自動車の構造体、より
一般的には、大量生産構造体において必要とされてい
る。

例えば、自動車の組み立ての場合、エンジンのために
ガソリン、冷却液を流通する導管を構成する種々の管が
連結される。

管は、一般に、例えば、クランプ等の適宜の手段によ
って密封状態で固定されるカップリングに嵌合され得る
可撓性あるいは半剛性のパイプからなる。従来、２つの
管が同一のカップリングに嵌合され、クランプによって
カップリングに固定される場合、連結に比較的長い時間
がかかると共に費用が高くつき、さらに、取り外す時
に、少なくとも１つのクランプを壊す必要があった。

他方、自動車のような複雑なアセンブリを組み付ける
種々の工程を、可能なかぎり自動化するために有益な技
術が知られている。しかしながら、管の連結に関して
は、操作者による例えば移転などの単純な移動を制限す
ること、および、軸回り、特に、移転する軸回りの特定
の方向付けを必要とすることを避けることが、不可欠な
ことである。

FR−Ａ−1 535 163および同1 403 312、US−Ａ−2360
732の特許には、２本のパイプあるいはチューブの部分
を迅速に連結するための取り外し可能な装置が開示され
ている。これらは、チューブを内嵌するのに適した一端
と、チューブの外径に実質的に等しい径の孔を備えたカ
ップリングを設けている。上記孔にはチューブの壁の一
部と接触可能な少なくとも１つの可撓性を有するシール
手段が設けられている。他方、カップリングは、孔の流
入口とシール手段の間に、チューブを停止するために、
軸方向に移動不可とされた引き込み部材を支持するため
のハウジングを備えている。

上記した連結装置は多くの利点を有し、特に、容易に
位置決めでき、かつ、それから容易に取り外せる利点を
有する。さらに、カップリングがチューブを停止するた
めの部材と互いに連係される２あるいは２以上の孔を設
けた場合、２つのチューブはカップリングの各孔に同様
な態様で連結される。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、近代の技術要求は、特に、圧力下にお
いて、および可能ならば高温下で流通される流体の場合
に対して与えられるシール条件は、前記した公知の装置
を実際上、使用出来なくしている。これは、特に、可撓
性を有するシール手段がカップリングの物質的な特性と
相違していることに起因し、それによって、機密性を有
する連結の保持にとって妨げとなる相違した膨張現象を
引き起こす。

本発明は、上記した問題を容易に解決すると共に、さ
らに、それ自体、利点を有する種々の信頼性のある実施
例を提供するものである。

課題を解決するための手段 本発明では、カップリングとその穴のシール部とが、
一体成形で、同一の材料より形成されている。

実際上、この材料としてはプラスチック材料が好適で
あり、成形可能で、かつ連結される管内に流通されるの
と同様な種々の化学的薬品に適宜な抵抗を与える多数の
プラスチック材料が存在していることが知られている。

本発明の実施例では、可撓性を有するシール部がカッ
プリングの穴の内部に突出している。また、本発明の特
に利点を有する変形例では、管状の延長部分がカップリ
ングの孔の内部に配置されており、かつ、その外径は連
結される管の内径と実質的に等しい。この管状の延長部
分は、カップリングと一体成形され、連結される管の端
部を嵌合するための管状の溝を構成し、かつ、その外壁
上の少なくとも１つのシール部を備えている。

実施例 以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図から第４図において、管結合用のカップリング
１の後端部1a（第１図では右側に位置する）は可撓性を
有する管２にクランプ３により固定されるようになって
いる。

第１図でカップリング１の左側の部分は剛性のあるい
は半剛性の管４を取付ることができるようになってい
る。カップリング１は好適には成形されるプラスティッ
ク材料により形成され、上記管４の外径に非常に近い大
きさで、少なくとも該外径と等しい大きさの径を有する
孔５が設けられている。該孔５の内端には、管４に対す
る軸方向の係止手段を構成する係止部６が設けられると
共に、カップリング１の後部1aに設けられた導管部1bと
連通している。

上記係止部６から第１図の左側の孔５の入口までの間
には、第一に少なくとも一つのシール部７が設けられて
おり、該シール部７はカップリングに内嵌される管４の
外径とほぼ等しく、好ましくは僅かに小さい内径を有す
る。図示の本実施例では、カップリング１はシール部７
を好適には二つ備えており、該シール部７はカップリン
グの薄肉部分7aの好ましくはその中央部分に一体に形成
されている。

カップリング１の機械的強度はシール部７の領域で低
下しているため、第２図に示すように、長手方向に延在
して、カップリング１の厚肉部分を連結するような補強
部８を設ける必要がある。

孔５の流入口９と、該流入口９に最も近いシール部７
との間には、管４を止めるためのストッパ11を配置する
ためのハウジング10が設けられている。

ストッパ11は、管４と接触し且つ外嵌することができ
るような、本質的に引き作動可能（retractable）部材
からなり、適切な手段によりハウジング10に部分的に移
動不可に取り付けられている。

例えば、本実施例では、ハウジング10はくさび形状で
あり、好適には、一方の上記流入口９と対向する平坦面
10aが孔５の軸線に対して垂直であるのに対して、他方
の平坦面10bは上記軸線に対して傾斜している。第３図
に示すように、ストッパ11は、好適には、例えば金属等
からなる薄く変形可能な弾性を有するリング12からな
り、該リング12は半径方向に互いに対向して位置する半
径方向の突起部12a、12bを備えている。上記リング12の
内径はカップリング１に内嵌される管４の外径と可能な
限り等しい内径を有する。

第１図に示すように、上記ストッパ11の突起部12a及
び該突起部12aに隣接する部分12cは、くさび形のハウジ
ング10の最も狭い領域に位置しており、そのため、実質
上軸線方向に動くことができない。一方、上記突起部12
bと半径方向に反対側に位置する領域12dは、突起部12b
と同様に、ハウジング10の広い領域に位置しており、そ
のため、ハウジング10の平坦面10aと10bの間を動くこと
が可能である。突起部12bはかなりの面積を有し、カッ
プリング１の外側表面に突出する径方向の舌状部分を構
成している。上記のような構成とした理由は、下記の説
明より明らかになるものである。

ハウジング10の最も狭い領域、及び／或いは、ストッ
パ11の形状は、非作動位置であり、管４が存在しないと
きには、ストッパ11が第１図の実線で示す位置、あるい
は、更にハウジング10の平坦面10bに隣接するところま
で来るように設定されている。例えば、ストッパ11は、
突起部12aが直径方向の平面に有るときに、少し反りか
えるようにしても良い。

ハウジング10を容易に形成して、その中に引き作動可
能なストッパ11を配置するためには、孔５の流入口９
を、第４図で示すような形状のプラグ13で構成するとよ
い。該プラグ13は、当然、孔５の流入口９を備えると共
に、内側面は、配置された後にハウジング10の平坦面10
bとなるように、平坦でかつ流入口９の軸に対して傾斜
している。第３図の断面図に示すように、カップリング
１は、ハウジング10の平坦面10aを越えて、プラグ13を
接着等の適宜な手段により固定する為の円筒状の延長部
分14を備えている。該延長部分14には第３図に示す如く
ストッパ11の突起部12a、12bが挿通する溝を設けてい
る。

第５図は本発明に係わるカップリングの変形例を示
し、一対の管４、4aを第５図に示す位置に結合するもの
で、該カップリングは上述したストッパ11を備えた部分
と同一構成の２つの部分から形成している。これらの２
つの部分は、図示のように、互いに対向して設けられ、
該カップリングの各自由端に管４および4aを取り付ける
ようにしており、これら管４、4aの連続的な位置決め
に、クランプによる連結を不要としている。

第６図に示す他の変形例では、カップリングは21で示
されている。該カップリング21の後部（第６図では右側
に位置する）は可撓性を有する管22を適切な手段で固定
するようになっている。第６図に示す実施例では、可撓
性を有する管22は、可撓性を有する管用のカップリング
及びその取付過程に関する1989年２月27日出願されたフ
ランス特許出願番号8902525号に開示された方法で固定
される。

カップリング21の左側は剛性あるいは半剛性を有する
の管23を取付るようになっている。カップリング21自体
は、成形されるプラスティック材料により形成され、管
23の外径と近似した径、少なくとも同径の大きさの径の
孔24を備えている。上記孔24の内側端には管23を軸方向
に係止するための係止部25を備え、もちろん、孔24はカ
ップリング21の後部に設けられた導管部21aと連通して
いる。

上記係止部25から第６図で左側に位置する孔24の入口
に向かって、上記導管部21aに近い内径を有する管状の
延長部分26を設けている。しかしながら、該延長部分26
の外径は、管23の内径程度とし、その結果、管23の端部
を挿入可能とする管状の溝からなるハウジング27を構成
している。

上記管23とカップリング21との気密は、上記管状の延
長部分26の外壁に、カップリング製造時に成形された少
なくとも一つ設けられたシール部28により為される。当
然のことながら、シール部28の外径は管23の内径より僅
かばかり大きい。

孔24の流入口29に最も近いシール部28と該流入口29と
の間には、管23を係止するためのストッパ31が配置され
たハウジング30が設けられており、該ストッパ31は第１
図から第４図を参照として説明した上記のストッパと同
様のものである。

以下に、第１図を参照して、管４の位置決めについて
説明する。

カップリング１の孔５と対応する直径を有する管４
は、孔５の流入口９から挿入され、停止部を構成する係
止部６に達して止まるまで、差し込まれる。操作者が挿
入動作を視覚で確認できるように、管４が係止部６に達
した時に見えなくなる、例えば着色した帯等のマーク4b
を、管４に付けることが好ましい。

管４は差し込まれている間、最初、ストッパ11を構成
するリング12の中心孔を横切り、必要ならば、該リング
12はくさび形のハウジング10の平坦面10aに接触するま
で上記管４に押される。第１図の破線で示す位置で、リ
ング12の中心孔は孔５と同心であり、ストッパ11は管４
の挿入を妨げない。

管４がストッパ11を通過すると、ストッパ11は、その
弾性力により原状位置、即ち、第１図の実線で示すよう
な、平面内あるいは、それに近接した位置へ復帰する。
それによって、リング12の領域12dの内端が管４の外側
表面と接触する。

係止部６の方に移動していくと、管４は二つのシール
部７と当接する。薄肉部分7aは柔軟性を有するため、シ
ール部７の環状部分を管４が通過することができ一方、
該シール部分と管４はシール性のある接触が確保され
る。

管４が係止部６に到達すれば、該管４の位置決めは完
了し、上記の如く、管４を孔５に挿入すること以外に、
管４の位置決めのためにその他の操作をする必要がな
い。

上記したように、シール部７と管４の外側表面の接触
により気密性が保持される一方、孔５内の管４の保持は
ストッパ11によって確保される。実際、もし管４に引抜
く力が働くと、ストッパ11の領域12d（第３図参照）は
直ちに管４の外側表面に食込み、リング12の突起部12
a、12bは軸線方向に動かないため、実際には、管４は孔
５から引抜かれる方向へのいかなる変位も発生させな
い。さらに、管４を引抜く力が強くなればなるほど、ス
トッパ11がいっそう管４の外側表面に食込むこととな
る。

上記のように、管４のストッパ11は管４のいかなる外
側へ抜けようとする動きも妨げ、引抜き力が係った場合
の突発的な抜けを防止しており、特に、管４内を流れる
流体の圧力の作用による影響を妨げている。

しかし、管４をカップリング１から除去する必要があ
る場合がある。そのためには、操作者は、突起部12bに
より、ストッパ11を第１図の破線に示すように、ハウジ
ング10の面10aに接触させた状態で保持する。このよう
に、ストッパ11を引き操作して非作用位置にすることに
より、管４の引き抜きが何等の困難がなく容易になすこ
とが可能となる。

第６図に示す変形例の場合、管23は第１図の実施例と
同様の方法により、取付けられている。

カップリングの孔24と対応する径を有すると共にフラ
ンジ23aを備えた管23は、フランジ23aが流入口29に接す
るまで、流入口29に挿入され孔24を進んで行く。もちろ
ん、管23の端部から上記フランジ23aの長さは、管23が
ハウジング27の底部に達するように設定されている。し
かしながら、もし管23がフランジ23aを備えていないと
すると、管23は係止部25に達するまで進んで行く。管23
にマークを付けておくと挿入動作を視覚的に確認するこ
とができるので有用である。

挿入動作の間に、管23はまず最初にストッパ31の中心
孔を通過する。さらに、管23はハウジング27の方に進ん
で行くと二つのシール部28と接する。管状の延長部分26
は可撓性を有するので、シール部28を管23を通過させる
と共に、それらの間に密接に接触を確保する。

前記第１図から第４図に示す実施例について記載した
作用は、第６図に示す変形例にも適合するものであり、
信頼性のある連結と容易な取り外しが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る管結合用のカップリングで管が結
合されている状態を示す断面図、第２図は第１図のII−
II線に沿った断面図、第３図はストッパが非作用位置の
時の第１図のIII−IIIに沿った断面図、第４図はカップ
リングの端部を構成するプラグの斜視図、第５図乃至第
６図は本発明に係る管結合用のカップリングの第１及び
第２変形例で第１図と同様な断面図である。 １、21……カップリング、２、４、22、23……管、５、
24……孔、６、25……係止部、７、28……シール部、1
0、30……ハウジング、11、31……ストッパ、12……リ
ング、13……プラグ。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】金属等の剛性材料あるいはプラスチック材
   料等の半剛性材料からなる管（４）を迅速に連結するた
   めのカップリング（１）であつて、上記管を内嵌するに
   適した一端を有する孔（５）を備え、該孔の直径は実質
   的に管の外径と等しく、上記管の壁面のうちの一方と接
   触可能な少なくとも一つのシール部と、カップリングの
   軸方向への変位が部分的に不可とされた管を係止するた
   めのストッパ（11）とを備え、上記シール部を軸線方向
   の上記ストッパ（11）と上記孔（５）の係止部（６）と
   の間に設けたものであって、 上記カップリング（１）と孔（５）のシール部（７）は
   同一材料より一体成形で形成されていることを特徴とす
   る管結合用のカップリング。
2. 【請求項２】可撓性を有するシール部（７）が孔（５）
   の内部に突出していることを特徴とする請求項１記載の
   カップリング。
3. 【請求項３】管（23）の外径に実質的に等しい内径を有
   する孔（24）内に管状の延長部分（26）が配置され、該
   管状の延長部分は上記管（23）の端部が嵌合する管状溝
   （27）の形状をしたハウジングを構成し、かつ、少なく
   とも一つのシール部（28）が上記管状の延長部分の外側
   表面に設けられていることを特徴とする請求項１記載の
   カップリング。
4. 【請求項４】上記ストッパ（11）を取付けるために、夫
   々、孔（５）の軸線に対して垂直及び傾斜している二つ
   の互いに対向する平坦面（10a,10b）により規定される
   くさび形状のハウジング（10）を備えていることを特徴
   とする請求項１、２または３のいずれかに記載のカップ
   リング。
5. 【請求項５】自由端にプラグ（13）が固定され、該プラ
   グ（13）の内側の平坦面は上記孔（５）の軸線に対して
   傾斜し、くさび形状のハウジング（10）の一方の平坦面
   （10b）を構成していることを特徴とする請求項４記載
   のカップリング。
6. 【請求項６】管を停止するためのストッパ（11）は、弾
   性を有する薄く変形可能なリング（12）からなり、該リ
   ングの少なくとも一つの領域（12d）は、ハウジング（1
   0）の中で可動である一方、他の領域（12c）が上記ハウ
   ジングの二つの平坦面（10a,10b）の間で軸方向に不動
   とされており、上記二つの領域（12c,12d）の距離は実
   質的に孔（５）の直径と等しいことを特徴とする請求項
   ４記載のカップリング。
7. 【請求項７】上記ストッパ（11）は、弾性を有する薄い
   変形可能なリング（12）によって形成され、該リングの
   内径は孔（５）と実質的に等しく、かつ、その外周部の
   １つの領域（12a）は軸方向に移動不可とされているこ
   とを特徴とする請求項６記載のカップリング。