JP2754009B2 - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents

放射線画像情報読取装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は放射線画像変換パネルの表面に付着した塵
埃の除去機能を備えた放射線画像情報読取装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕 従来、放射線画像(情報)を得るためにX線写真法が
用いられてきた。この方法は容易に被写体内部の透視画
像が得られ、特に、医療における診断分野において、極
めて有利な方法として多く用いられてきた。しかし、こ
の方法は人体中の各組織のX線透過率の差が小さく、ま
た、X線が被写体内で散乱されるために、得られる画像
のコントラストが小さいこと、X線が人体にとって有害
であること、ラチチュードが狭く撮影条件が厳しいこと
等の欠点があった。これらの欠点を補うために感度が高
くラチチュードの広いX線検出器を用いてX線画像を電
気信号に変換し、画像処理をすることによって人体に対
する影響が少なく、なおかつ高画質の画像を得る方法が
探求されてきた。
このような放射線写真法の一例として、被写体を透過
した放射線をある種の蛍光体に吸収蓄積させ、しかる
後、該蛍光体をある種のエネルギーで励起し、蓄積して
いる放射線エネルギーを輝尽発光せしめ、これを検出し
て画像化する方法が考えられている。具体的方法とし
て、例えば米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144
号には蛍光体として輝尽性蛍光体を用い、励起エネルギ
ーとして可視光線又は赤外線を用いる放射線画像変換方
法がある。しかして、この放射線画像変換方法は支持体
上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線画像変換パネルを
用い、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被
写体を透過した放射線を吸収させて放射線の強弱に対応
した放射線エネルギーを蓄積させた後、この輝尽性蛍光
体層を輝尽励起光で走査することによって蓄積された放
射線エネルギーを光の信号として取り出し、この光の強
弱によって画像を得るものである。この最終的な画像は
ハードコピーとして再生してもよいし,CRT等の受像管上
に再生してもよい。
ここで輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル
とは輝尽性蛍光体層を有する板状(パネル状)、ドラム
状或いは柔軟性のあるフィルム状をなすもの等を総称し
ている。
このような放射線画像変換方法では放射線画像変換パ
ネルの輝尽性蛍光体層に一旦端蓄積された放射線エネル
ギーは、通常の読取りの際の輝尽励起光によって全てが
放出されず、放射線エネルギーが残像として残る。従っ
て、この放射線画像変換パネルの残像を光等の照射又は
加熱によって全て放出させることにより繰り返し使用で
きるようになる。ところが、このようにして繰り返し使
用すると、パネルの輝尽性蛍光体表面に静電気が発生
し、空気中に浮遊する塵埃やパネル或いは読取手段等か
ら発生した微細な塵埃を吸着するようになるため、放射
線画像情報の読取りに際し、塵埃吸着部分での輝尽発光
が妨げられ、読取画像の画質低下を起こすという問題が
あったばかりでなく、その部分が白抜けとなる虞があっ
た。
このようなパネルの輝尽性蛍光体表面に付着する塵埃
をクリーニングする装置としては、ブラシ、ブレード、
吸引機、粘着ローラ及びこれらを組み合わせたものが知
られている。例えば、特開昭63−34531号には、パネル
の搬送経路にフェルトロールからなるクリーニングロー
ルを有し、このクリーニングロール内にプレートに非接
触でイオンを発生する除電装置を設け、静電気を除去
し、パネルに付着した塵埃を除去する装置が開示されて
いる。また、特開昭63−213835号には、パネルの搬送経
路に除電装置を設け、除電されたパネルをクリーニング
用のロールでクリーニングし、その際除去された塵埃を
吸引するクリーニング装置が開示されている。
〔発明が解決しようとしている課題〕
しかしながら、従来のクリーニング装置は、独立して
設けられており、クリーニング機構が大型化したり、励
起・読み取りに際して、タイミングよくクリーニングを
行うのが難しい等ノ問題があった。
この発明は上記の問題点を解消するためのもので、パ
ネルの表面に発生した静電気を除去して吸着した塵埃を
完全に除去することのできる放射線画像情報読取装置を
提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明は放射線画像変
換パネルを励起光で走査して、該放射線画像変換パネル
に蓄積記録されている放射線画像を光電的に読み取る励
起読取手段を備えた放射線画像情報読取装置において、
前記放射線画像変換パネルの静電気を除去する手段を有
し、該静電気除去手段により前記放射線画像変換パネル
の静電気除去を行った後に前記励起読取手段により読み
取りを行うように構成したものである。
前記放射線画像変換パネルに使用する「輝尽性蛍光
体」とは、最初の光もしくは高エネルギー放射線が照射
された後に、光的、熱的、機械的、化学的又は電気的等
の刺激(輝尽励起)により、最初の光若しくは高エネル
ギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体を
言うが、実用的な面から好ましくは500nm以上の輝尽励
起光によって輝尽発光を示す蛍光体である。
具体的には、例えば、特開昭48−80487号に記載され
ているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80488号
記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号
に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51
−29889号に記載されているNa2SO4,CaSO4及びBaSO4等に
Mn,Dy及びTbのうちの少なくとも1種を添加した蛍光
体、特開昭52−30487号に記載されているBeO,LiF,MgSO4
及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号に記載されて
いるLi2B4O7:Cu,Agの蛍光体、特開昭54−47883号に記載
されているLi2O・(B2O2)x:Cu及びLi2O・(B2O2)x:C
u,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号に記載されて
いるSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La2O2S:Eu,Sm及び(Zn,C
d)S:Mn,X(Xはハロゲン)で表される蛍光体が挙げら
れる。また、特開昭55−12142号に記載されているZnS:C
u,Pb蛍光体、一般式がBaO・xA l2O3:Euで表されるアル
ミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がMIIO・xSiO2:A
で表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体が挙げられ
る。
また、特開昭55−12143号に記載されている一般式がB
a(1-x-y) Mgx Ca y FX:eEu2+で表されるアルカリ土類弗
化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号に記載され
ている一般式がLnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55−1
2145号に記載されている一般式がBa(1-x) MII x FX:yA
で表される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されてい
る一般式がBaFX:xCe,yAで表される蛍光体、特開昭55−1
60078号に記載されている一般式がMII FX・xA:yLnで表
される希土類元素付活2価金属フルオロハライド蛍光
体、一般式がZnS:A CdS:A、(Zn,Cd)S:A,X及びCdS:A,X
で表される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されてい
る下記いずれかの一般式 xM3(PO4・NX2:yA M3(PO42:yA で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されてい
る下記いずれかの一般式 nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で表される蛍光体、特開昭61−72087号に記載されてい
る下記一般式 MIX・aMIIX′・bMIII X″3:cA で表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−22
8400号に記載されている一般式MI X :xBiで表されるビ
スマス賦活アルカリハライド蛍光体等が挙げられる。
特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸着、スパッタリ
ング等の方法で輝尽性蛍光体層を形成させ易く好まし
い。
しかし、この発明の放射線画像変換パネルに用いられ
る輝尽性蛍光体は、前述の蛍光体に限られるものではな
く、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に
輝尽発光を示す蛍光体であればいかなる蛍光体であって
もよい。また、放射線画像変換パネルは、前述の輝尽性
蛍光体の少なくとも一種類を含む一つ若しくは二つ以上
の輝尽性蛍光体層からなる輝尽性蛍光体層群であっても
よい。また、それぞれの輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽
性蛍光体は同一であってもよいが、異なっていてもよ
い。
輝尽性蛍光体パネルに用いられる支持体としては、各
種の高分子材料、ガラス、セラミックス、金属等が用い
られ、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフ
ィルム、ポリカーボネイトフィルム等のプラスチックフ
ィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の
金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シ
ートが好ましい。また、アルミナプレート、ガラスセラ
ミックスプレート、耐熱ガラスプレート、化学強化ガラ
スプレート等のセラミックスプレート或いは少なくとも
1層の金属酸化物の被覆層を有するセラミックスプレー
トは、特に好ましい。これら支持体の表面は、滑面であ
ってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる
目的でマット面としてもよい。
これらの支持体は輝尽性蛍光体板との接着性を向上さ
せる目的で輝尽性蛍光体板が設けられる面に下引層を設
けてもよい。支持体層厚は用いる支持体の材質等によっ
て異なるが、一般的には80μm〜2000μmであり、取扱
い上の点からさらに好ましくは80μm〜1000μmであ
る。セラミックスプレートでは機械的強度の点から500
μm〜2000μmが好ましい。
輝尽性蛍光体パネルに用いられる保護層としては、透
光性が良くシート状に形成できるものを用いることがで
きる。例えば石英、硼珪酸ガラス、化学的強化ガラスな
どの板ガラスや結晶化ガラス(ガラスセラミックス)
板、あるいはPET,OPP,ポリ塩化ビニルなどの有機高分子
が挙げられる。
保護層として板ガラスや結晶化ガラス板を用いた場合
には保護層表面が耐磨擦損傷性にすぐれており特に好ま
しい。
〔実施例〕
次に、この発明を添付図面に示す実施例に基づいて説
明する。
第1図は胸部X線撮影に適用した場合の構成図であ
り、1は装置本体で、該装置本体1は放射線画像を記録
できる放射線画像変換パネル2を固定的に配置するとと
もに、該放射線画像変換パネル2の背面に沿って往復運
動(上下動)を行う移動体3を備えている。この放射線
画像変換パネル2はX線発生源(図示せず)からの放射
線(矢印で示す)が被写体Mを透過して照射されること
で該被写体Mの放射線画像を潜像として記録する。
前記移動体3上にはその往路(下降時)及び復路(上
昇時)で前記放射線画像変換パネル2に記録された放射
線画像を読取る励起読取手段30が搭載されている。この
励起読取手段30は輝尽励起光源(図示せず)からの光ビ
ームを走査ビームとして扇形状に振る回転多面鏡等から
なる偏向器4、該走査ビームのピントを調整するfθレ
ンズ等の集光レンズ5、反射ミラー6,7,8及び半透鏡9
を備える。
しかして、半透鏡9を透過した光ビームは放射線画像
変換パネル2の励起光となる一方、半透鏡9で一部分離
された光ビームは集光レンズ10等を通して受光素子11に
取込まれ、走査ビームに同期した読取信号処理に供され
る。
前記輝尽励起光源としては可視領域及び又は赤外領域
にバンドスペクトル分布をもった光を放射する光源の
他、He−Ne レーザ(633nm)、YAG レーザ(1064nm)、
YAG レーザの第二高調波(532nm)、ルビーレーザ(694
nm)、Ar+レーザ、半導体レーザ等の単一波長の光を放
射する光源が使用されるが、特に、レーザを用いる場合
は高い輝尽励起エネルギーを得ることができる。
12は集光体で、該集光体12は放射線画像変換パネル2
が励起される走査ビームの照射位置に面して平行に配さ
れた光ファイバー集光端12′を有し、該走査ビームで励
起された放射線画像変換パネル2から発する輝尽発光を
受光する。この集光体12から導入された光は輝尽発光波
長領域に通過帯域を持つフィルタ等を経て光検出器13の
光電面に入射され、この入射した光量に比例した電流信
号として光検出器13から取出される。この電気信号はコ
ンピューター等を制御中枢部とする画像情報処理装置
(図示せず)によってデジタル信号による処理がされ
る。
14は前記移動体3に搭載されたパネル2の残像を消去
する消去ランプで、該消去ランプ14は移動体3が上位位
置から下位位置への移動中、即ち、励起読取手段30の読
取作動中は消灯制御されており、移動体3が下位位置か
ら上位位置への移動中においては点灯制御され、前記パ
ネル2の輝尽性蛍光体表面の残像を消去する。この消去
ランプ14は背面に反射フード14′を備え、反射効率を高
め、消去時間を短縮できるようにしている。
前記消去ランプ14の消去光の光量は、放射線画像変換
パネルの種類や用いる輝尽励起光及び要求される残像レ
ベル等によって異なるが、100lux.sec以上、500万lux.s
ec未満の光量である。好ましくは3000lux.sec〜50万lu
x.secの範囲である。即ち、100lux.sec以下の消去光量
だと消去が不充分となる一方、500万lux.sec以上である
とエネルギーが無駄であって装置も大型化して経済的に
不利である。
15は放射線画像変換パネル2の輝尽性蛍光体表面の静
電気除去手段で、該静電気除去手段15は励起読取手段
(移動体3を含む)30と一体に設けられている。この静
電気除去手段15は図示の例では金属等の導電材料又はそ
れを含む材料により形成したブラシ体やブレード体等で
構成し、パネル面に摺接させている。勿論、非摺接状態
に設けてもよい。
また、第2図示の如く前記励起読取手段30にパネル2
面に近接して吸引口16′を有する塵埃吸引器16を搭載し
た場合において、その吸引口16′の口端に静電気除去手
段(ブラシ体)15を設けるようにしてもよい。
次に、上記実施例の作用を第3図のタイムチャートに
従って説明する。
まず、励起読取手段30を搭載した移動体3の駆動部が
撮影信号を受領(時刻t1)し、その上位位置より下降を
開始し、移動速度が安定したとき(時刻t2)に、励起光
源、偏向器4及び光検出器13等がオン制御される。この
読取時、パネル表面は励起読取手段30と一体に設けた静
電気除去手段15により静電気が除去され、塵埃の付着が
防止されることとなる。
この読取は必要な時間(TR)だけ行われて終了(時刻
t3)する。しかして、移動体3が下位位置から上昇制御
されるとき(時刻t4)に消去ランプ14が点灯し、上位に
至るまでパネル2に残る残像を消去する。
なお、上記実施例では励起読取手段30は移動体の往路
(下降時)に読取制御され、復路(上昇時)で残像を消
去するようしているが、往路で読取と同時に残像消去を
行い、復路でも同様に読取と同時に残像消去が行えるよ
うにすることも可能である。この場合には前記静電気除
去手段15は励起読取手段30の集光体12の上下部に設ける
ことにより、静電気除去手段15で静電気を除去した面を
励起読取できるようにすると良い。
また、上記実施例では励起読取手段30を搭載した移動
体3に上下方向にのみ移動させる場合を示したが、水平
方向或いは斜め方向に移動させる方式の装置に適用でき
ること勿論である。
〔発明の効果〕
以上の如く、この発明は放射線画像変換パネルを励起
光で走査して、該放射線画像変換パネルに蓄積記録され
ている放射線画像を光電的に読み取る励起読取手段を備
えた放射線画像情報読取装置において、前記放射線画像
変換パネルの静電気を除去する手段を有し、該静電気除
去手段により前記放射線画像変換パネルの静電気除去を
行った後に前記励起読取手段により読み取りを行うよう
に構成しているから、パネル表面に生じた静電気ととも
に塵埃が除去できるとともに、空気中に浮遊する塵埃
や、パネル或いは読取手段等から発生した微細な塵埃を
吸着させることもなくなり、情報の読取りに際し、塵埃
吸着部分での輝尽発光が妨げられたり、読取画像の画質
低下を起こすという問題を完全に払拭することが可能で
ある。静電気を除去する手段を励起読取装置と一体化す
る構成としたので、除去手段の駆動装置を励起読取装置
と共用することで装置全体を簡易化でき、さらに、読み
取り直前にクリーニングを行えるので確実な読み取りが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す装置の概略図、第2
図は他の例を示す要部の概略図、第3図は撮影、読取及
び消去の制御タイムチャートである。 1……装置本体 2……輝尽性蛍光体パネル 3……移動体 14……消去ランプ 15……静電気除去手段 30……励起読取手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線画像変換パネルを励起光で走査し
    て、該放射線画像変換パネルに蓄積記録されている放射
    線画像を光電的に読み取る励起読取手段を備えた放射線
    画像情報読取装置において、前記放射線画像変換パネル
    の静電気を除去する手段を有し、該静電気除去手段によ
    り前記放射線画像変換パネルの静電気除去を行った後に
    前記励起読取手段により読み取りを行うことを特徴とす
    る放射線画像情報読取装置。
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