JP2751691B2 - 車両の自動運転装置 - Google Patents

車両の自動運転装置

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JP2751691B2
JP2751691B2 JP3275794A JP27579491A JP2751691B2 JP 2751691 B2 JP2751691 B2 JP 2751691B2 JP 3275794 A JP3275794 A JP 3275794A JP 27579491 A JP27579491 A JP 27579491A JP 2751691 B2 JP2751691 B2 JP 2751691B2
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功 村瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シャシダイナモメー
タ上の車両を自動運転する装置、特にアクセルアクチュ
エータの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】試験車両がしばしば変わる排気・燃費評
価実験のため、エアシリンダを用い小型・軽量・着脱容
易な自動運転装置が開発されている(昭和61年10月
自動車技術会発行、学術講演会前刷集862)。
【0003】これを説明すると、この装置は、図14に
示すように、試験車両41のアクセルペダル42,ブレ
ーキペダル43,クラッチペダル44およびシフトレバ
ー45を指令ストロークに応じて駆動する複動式の各エ
アシリンダ46からなるアクチュエータと、電磁弁ユニ
ット48,前記エアシリンダ46の数と同数だけ設けら
れる電磁弁駆動回路49、8ビット1チップマイクロコ
ンピュータ50からなるアクチュエータ制御部と、汎用
16ビットパーソナルコンピュータ55からなる主制御
部とから構成される。
【0004】エンジンの回転数Ne,車速,エアシリンダ
46の現在位置(ポテンショメータ47にて検出される)
のほか外部指令の入力されるパーソナルコンピュータ5
5では、そのキーボードにより図15に示した「ティー
チング(自動計測のこと)」、「自動走行」、「手動走行」、
「終了」の各操作を選択することができ、選択された動作
をコンピュータ内のCPUが実行する。
【0005】このうち、「ティーチング」には、変速機の
ギアチェンジ位置と各ペダル位置の2つのティーチング
があり、前者では、試験者が手動で変速機のシフトレバ
ー45を操作してギアチェンジを行うことにより各ギア
位置がティーチングデータとしてコンピュータ内のメモ
リに記憶される。後者では装置がプログラムに基づいて
自動的に各ペダル42〜44を踏み込むことにより、ア
クセルペダル42の遊び代、ブレーキペダル43の効き
始め位置、クラッチのつながり位置などを記憶する。
【0006】「自動走行」が選択されると、シャシダイナ
モメータからの実車速とメモリから要求される指令車速
をつき合わせ、実車速が指令車速と一致するように、ア
クセルペダル42とブレーキペダル43のいずれを操作
すべきかを判別するとともに、各エアシリンダ46に指
令するタイミングと位置を決定する。エアシリンダ46
の指令位置Lsはその現在位置Liとともに、マイクロコ
ンピュータ50に出力される。
【0007】エアシリンダ46の現在位置Liが指令位
置Lsと一致するように制御を行うマイクロコンピュー
タ50では、指令位置Lsと現在位置Liの差ΔLを求
め、このΔLに応じた開弁時間をテーブルデータを参照
して決定する。かつΔLに付される正負の符号に応じ
て、エアシリンダ46を駆動させるための電磁弁(図1
6でA,A’あるいはB,B’)を選択して開かせる。
【0008】たとえば、図16において、アクセルペダ
ル42を踏み増すためにエアシリンダ46のピストン4
6Aを現在位置Liより指令位置Lsに移動させるには、
電磁弁A,A’の側を選択し、これら電磁弁A,A’をΔ
Lに応じた開弁時間だけ開く。電磁弁B,B’の側は閉
じている。
【0009】なお、電磁弁A,A’,B,B’は実際には
1個ずつではなく、図17で示すように、5kgf/cm2
空気圧が導入される入口58Aと大気圧に解放される出
口58Bを設けたエアギャラリ58に、2つの電磁弁が
並列に接続されたものである。これは、エアシリンダ4
6のピストン46Aに作用する負荷と空気流量が同じな
らば、電磁弁の数が増すほどピストン速度が速くなるか
らである。クラッチペダル用のエアシリンダには、変速
時間を短縮するため3つの電磁弁を対で用いている。
【0010】上記電磁弁A,A’の開弁により、5kgf/
cm2の空気圧が電磁弁Aを経てエアシリンダ46の右室
46Bに加わる一方、左室46Cの空気が電磁弁A’を
経て大気に放出されると、ピストン46Aが指令位置L
sまで移動する。このピストン46Aの移動により、ワ
イヤ56とリンク機構57を介してアクセルペダル42
が踏み増しされる。
【0011】こうしたエアシリンダ46の位置制御に
て、各ペダル42〜44とシフトレバー45が動作し自
動走行が行なわれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
装置では、実車速と指令車速を比較し、実車速が指令車
速と一致するように、エアシリンダ46の位置制御を行
う構成であったため、試験車両に最適な制御ゲイン(指
令車速と実車速の偏差をエアシリンダの操作量(以下「ス
トローク」という)に変換する際の定数)を設定する必要
がある。
【0013】この場合、車両が変わると、最適な制御ゲ
インの値も変わるので、試験車両ごとに制御ゲインを変
更しなければならない。このことは、シャシダイナモメ
ータの負荷条件が変更されたときも同様である。つま
り、最適な制御ゲインは車両ごとおよびメモリに記憶さ
せる指令車速のデータに応じて異なるため、その調整が
煩雑でありかつ大変な時間がかかるのである。
【0014】そこで、自動走行に先立って、ティーチン
グによりアクセルペダル用エアシリンダ(アクセルアク
チュエータ)に指令するストロークとエンジン出力トル
クの関係やエンジン摩擦馬力とエンジン回転数の関係を
数表にしておき、自動走行に入ると、加速時や定常時に
前記ストローク−トルクの数表を用いてアクセルアクチ
ュエータに指令するストロークを決定することにより、
車両のセッティングに要する調整時間を短くすることが
でき、また減速時には上記の前記摩擦馬力−回転数の数
表を用いエンジンブレーキにて減速可能かどうかを判定
させることにより、無用なブレーキングを防止すること
ができる。
【0015】しかしながら、アクセルペダルのリンク系
に生じる摩擦等によって無負荷時のエンジンとアクセル
アクチュエータストロークの特性に図9で示したヒステ
リシスがあると、モード運転を正確に行わせられない場
合が生じる。
【0016】図9の例では、破線で示す戻し側の特性を
用いて所定のテーブルを作成しているときに、このテー
ブル値をアクセルペダルを踏み込ませるために使ったの
では、同じ指令ストロークを与えても無負荷時のエンジ
ン回転数が低くなってしまうし、実線で示す踏み込み側
の特性を用いて所定のテーブルを作成しているのに、こ
のテーブル値をアクセルペダルを戻すために使うと、こ
んどは同じ指令ストロークで無負荷時のエンジン回転数
が高くなってしまうからである。
【0017】そこでこの発明は、車両のセッティングに
要する調整時間の短縮化を図るとともに、無用なブレー
キングを防止するほか、アクセルペダルの踏み込み側と
もどし側の両方で無負荷時のエンジン回転数とアクセル
アクチュエータストロークの関係をティーチングし、こ
の2つのデータを使い分けることにより、その関係にヒ
ステリシスのあるときでも、自動運転を正確に行わせる
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、第1図で
示すように、自動変速機を備える車両において、アクセ
ルペダル1を指令ストロークに応じて駆動するアクセル
アクチュエータ2と、車速を検出するセンサ3と、この
車速の変化速度を計算する手段4と、エンジンの回転数
Neを検出するセンサ5と、ティーチングにより前記車
速,その変化速度およびそのときのエンジン回転数Neを
用いてエンジンの出力トルクとこのトルクを発生させる
前記アクセルアクチュエータストロークの関係を数表に
する手段6と、前記アクセルアクチュエータ2の実スト
ロークを検出するセンサ15と、アクセルペダル1の踏
み込み側で前記実ストロークと無負荷時の回転数との関
係をティーチングによりサンプリングする手段16と、
このサンプリングデータにもとづき前記ストローク−ト
ルクの数表の値を移動・補正して自動変速機を備えると
きのストローク−トルクの数表を求める手段17と、こ
の移動・補正されたストローク−トルクの数表を記憶す
る手段7と、指令車速のデータをあらかじめ記憶する手
段8と、この指令車速の変化速度を計算する手段9と、
これら指令車速およびその変化速度で車両が走行するに
必要な馬力を演算する手段10と、この必要馬力PSか
ら加速をすべきかまたは定常でよいかどうかを判定する
手段11と、この判定結果より加速をすべきかまたは定
常でよいとき前記必要馬力PSをそのときのエンジン回
転数Neでエンジン出力トルクTに換算する手段12
と、この判定結果より換算トルクTを発生させるアクセ
ルアクチュエータストロークを前記移動・補正されたス
トローク−トルクの数表を用いて演算する手段13と、
このストロークを前記アクセルアクチュエータ2に指令
する手段14とを備える。
【0019】第2の発明では、第2図に示すように、ア
クセルペダル1を指令ストロークに応じて駆動するアク
セルアクチュエータ2と、ブレーキペダル21を指令ス
トロークに応じて駆動するブレーキアクチュエータ22
と、車速を検出するセンサ3と、この車速の変化速度を
計算する手段4と、エンジンの回転数Neを検出するセ
ンサ5と、ティーチングにより前記車速,その変化速度
およびそのときのエンジン回転数Neを用いてエンジン
の摩擦馬力Fとエンジン回転数Neの関係を数表にする
手段23と、この馬力−回転数の数表を記憶する手段2
4と、そのときのエンジン回転数Neに対する摩擦馬力
Fを前記馬力−回転数の数表を用いて演算する手段25
と、前記アクセルアクチュエータ2の実ストロークを検
出するセンサ15と、アクセルペダル1の戻し側で前記
実ストロークと無負荷時の回転数との関係をティーチン
グによりサンプリングする手段19と、指令車速のデー
タをあらかじめ記憶する手段8と、この指令車速の変化
速度を計算する手段9と、これら指令車速およびその変
化速度で車両が走行するのに必要な馬力PSを演算する
手段10と、この必要馬力PSから減速をすべきかどう
かを判定する手段26と、減速をすべき場合にこの必要
馬力PSと前記摩擦馬力Fの和PS+Fを計算する手段
27と、この和PS+Fの値よりエンジンブレーキだけ
で減速できる場合であるかまたはエンジンブレーキだけ
では減速できない場合であるかを判定する手段28と、
この判定結果よりエンジンブレーキだけで減速できる場
合に前記アクセルアクチュエータ2に対する所定のスト
ロークを前記サンプリングデータにもとづいて演算する
手段29と、このストロークを前記アクセルアクチュエ
ータ2に指令する手段14と、エンジンブレーキでは減
速できない場合に前記ブレーキアクチュエータ22に対
する所定のストロークを演算する手段30と、このスト
ロークを前記ブレーキアクチュエータ22に指令する手
段31とを備える。
【0020】
【作用】第1の発明では、シャシダイナモメータ上での
試験車両を自動走行させるのに先立って、ティーチング
により車速,その変化速度およびそのときのエンジン回
転数を用いて、試験車両ごとにエンジン出力トルクとそ
のトルクを発生させるアクセルアクチュエータストロー
クの関係が数表にされ、これが自動変速機を備える車両
に対してはさらにアクセルペダル1の踏み込み側で実ス
トロークと無負荷時の回転数との関係をサンプリングし
たデータにより移動・補正されて記憶される。
【0021】走行モードなどの指令車速データにしたが
う自動走行に入ると、そのデータにより指定されている
指令車速とその変化速度にて車両が走行するのに必要な
馬力PSが求められ、この馬力PSから加速すべきかま
たは定常でよいかが判定される。
【0022】加速すべきかまたは定常でよい場合は前記
必要馬力がそのときのエンジン回転数にてエンジン出力
トルクTに換算され、このトルクTを発生させるアクセ
ルアクチュエータストロークが前記ストローク−トルク
のテーブルを用いて演算される。
【0023】このストロークがアクセルアクチュエータ
2に指令され、その指令ストロークに応じてアクセルペ
ダル1が踏み増しされると、加速しなければならないと
か定常でよいとかいった、要求に応じたトルクが発生す
る。
【0024】また、アクセルペダルの踏み込み側のデー
タで移動・補正して自動変速機を備えるときのストロー
ク−トルクの数表を記憶してあると、ブレーキによる減
速域から定常にいたるモードでアクセルペダルを踏み込
ませる方向への指令ストロークにヒステリシスの影響が
はいってこず、低車速域でも規定の車速へと精度よく落
ち着く。
【0025】第2の発明では、減速しなければならない
場合において、エンジンブレーキだけで減速可能か、そ
れでは不足でブレーキペダル21により制動しなければ
ならないかが区別され、エンジンブレーキだけで減速で
きる場合はアクセルペダル1がもどされ、エンジンブレ
ーキだけでは減速できない場合はブレーキペダル21に
よる制動が行われる。
【0026】また、アクセルペダル1の戻し側のデータ
に基づいていると、加速から定常へのモードでアクセル
ペダルを戻す方向への指令ストロークについてもヒステ
リシスの影響を除くことができ、加速状態から定常にか
けての車速のオーバーシュートを減少させることができ
る。
【0027】
【実施例】実施例の機構的な構成はほぼ図14と同じで
あり、パーソナルコンピュータ55には、エンジン回転
数Ne(点火信号パルスの入力またはそのパルスの電圧変
換入力より得られる)とフィードバック信号としての実
車速(タコジェネレータの電圧入力またはパルスジェネ
レータによるパルス入力から得られる)が入力されるほ
か、パーソナルコンピュータ55のメモリには指令車速
のデータ(たとえば10モード走行に必要となる経過時
間と指令車速の関係を表すテーブル)があらかじめ記憶
されている。
【0028】パーソナルコンピュータ55では、従来と
相違して、次の(1)〜(3)の動作を実行する。この場
合、(1)と(2)が自動走行に先立って実行する事項、
(3)が自動走行で実行する事項である。以下この順に説
明する。
【0029】(1)動力性能のティーチングによるテーブ
ルの作成 所定の車速またはエンジン回転数(たとえば、低速、中
速、高速の3種)にある定常走行または定常状態からア
クセルアクチュエータ(アクセルペダル用のエアシリン
ダ)に異なるストロークを順次与え、その各ストローク
ごとに車速の変化速度を測定し、その変化速度と車速か
らエンジン出力トルクTを算出する。
【0030】たとえば、パーソナルコンピュータ55か
らの指令により、図4で示すように、ストロークをB点
よりA点へと所定量だけ大きくすると、車速はV1より
若干の遅れをもってΔt秒後にΔVだけ上昇する。
【0031】このときのエンジン出力馬力PSは、次式
で計算される。 PS=K1μrWV+K2μc{ρ/(2g×3.62)}AV3 +K3{(W+We)/g}Vα …
【0032】ただし、式の符号の意味は下記の通りで
あり、車速およびその変化速度α(=ΔV/Δt)以外の
値は車両ごとにパーソナルコンピュータ55のメモリに
入力しておく。 PS;必要馬力[Ps] K1,K2,K3;定数 μr;タイヤのころがり抵抗係数 W;車重[kgf] V;車速[km/h] μc;空気抵抗係数 A;車両の前面投影面積[m2] ρ;空気密度[kg/m3] g;重力の加速度[m/s2] We;回転部分の慣性相当重量[kgf] α;加速度[m/s2]
【0033】式のPSは車速Vと加速度αで車両が走
行するのに必要な馬力であり、右辺の第1項はころがり
抵抗馬力、第2項は風損抵抗馬力、第3項は加速抵抗馬
力と呼ばれている。
【0034】一方、シャシダイナモメータ上で車両を走
行させるとき、ころがり抵抗馬力と風損抵抗馬力の合計
が定常走行馬力と呼ばれ、シャシダイナモメータの動力
吸収馬力に等しい。このため、シャシダイナモメータを
使用する場合には、式を用いなくとも、動力吸収馬力
を車速ごとに測定して求めたほうがより現実的である。
【0035】動力吸収馬力を測定するには、シャシダイ
ナモメータ上で車両を所定の車速まで上昇させた後、ギ
ヤをニュートラルにし、図5で示すように、アクセルア
クチュエータに指令するストロークを所定量小さくした
場合の減速度を測定する。この減速度と車速を式の第
3項でWe=0とした式に入れると、動力吸収馬力が計
算される。ここで求められる動力吸収馬力には、機械損
失やタイヤ損失等の損失馬力が含まれているため、この
動力吸収馬力は定常走行馬力そのものである。こうして
求めた動力吸収馬力(定常走行馬力)と車速の関係を図6
に示す。
【0036】なお、シャシダイナモメータの動力吸収特
性が式にしたがわない場合の定常走行馬力は、図6を
内容とするテーブルを参照して補間計算により求め、こ
の値と式の第3項のみを計算した加速損失馬力との和
をこの場合の必要馬力PSとして計算すればよい。
【0037】こうして得られた定常走行時または加速走
行時の必要馬力PS[Ps]はそのときのエンジン回転数
Ne[rpm]を用いて次式 T=(716.2/Ne)PS… によりエンジン出力トルクT[kgf]に換算し、この出力
トルクTとこのトルクを発生させるアクセルアクチュエ
ータストロークの関係を数表(テーブル)にする。
【0038】図7にこのテーブルの内容を示す。エンジ
ン回転数が相違すると同一ストロークでもエンジン出力
トルクが変化するため、この例では、3種類のエンジン
回転数(低回転数,中回転数および高回転数)に対してテ
ーブルを作成している。ただし、車速が相違してもエン
ジン回転数が大きく変化しない場合は、1つのエンジン
回転数に対するテーブルだけでたりる。
【0039】また、自動変速機のように、エンジンと駆
動軸とが剛体でつながっていない場合は、キックダウン
が発生するので、複数の一定エンジン回転数に対して測
定できない場合がある。この場合には、測定可能なエン
ジン回転数(一般に高回転側)により求めたストローク
−トルクの特性を、無負荷時のエンジン回転数に対する
ストロークにより移動・補正して、低中回転数でのスト
ローク−トルクの特性を作成する。図8にその例を示
す。
【0040】上記の無負荷時のエンジン回転数とストロ
ークの関係は、ストロークをゆっくり増していきつつ、
そのときのエンジン回転数を読み込むことで容易に得ら
れる。得られた結果はテーブルにする。このテーブルの
内容を図9の実線で示す。
【0041】(2)摩擦馬力のティーチングによるテー
ブル作成 これは減速時の制動力を決定するためのものであり、上
記の(1)と同様に所定のプログラムにしたがって実行
する。
【0042】所定の車速からアクセルアクチュエータを
アイドリング位置まで戻して、所定のギヤ位置のまま放
置し、そのときの減速度と車速から式の右辺第3項で
We=0とした式を用いて減速馬力PSG[Ps]を計算す
る。この減速馬力PSGには定常走行馬力PSR/L[Ps]
(式の第1項と第2項の和)が含まれるため、次式 F=PSG−PSR/L… によりこれを差し引いた値をエンジン摩擦馬力F[Ps]
とする。そして、この摩擦馬力Fとエンジン回転数Ne
の関係をテーブルにする。ただし、この場合の減速馬力
PSGは、減速度の符号(−)を正に置き換え、正の値と
して計算する。
【0043】こうして求めた摩擦馬力−回転数のテーブ
ルの内容を図10に示す。なお、エンジン回転がアイド
リングまで達するとアイドル走行になり、この場合の馬
力が最小の値となる。この値はエンジン摩擦馬力とは符
号が反対のアイドル走行馬力でもある。式で摩擦馬力
Fを計算する場合、右辺の第2項は前述した図6の特性
から読み取ることもできる。
【0044】(3)ティーチングにより得られたテーブル
を用いてのストロークの指令方法一般に各種のモード走
行(たとえば10モード走行とか11モード走行)では、
指令車速Vと経過時間の関係が数値化されているので、
そのとおり運転すればよい。
【0045】このため、ここでは与えられた指令車速と
その変化速度である加速度よりその指令車速とその変化
速度で車両が走行するに必要な馬力PSを式を用いて
計算し、得られた必要馬力PSをそのときのエンジン回
転数Neから式によりエンジン出力トルクTに換算す
る。この換算トルクTから、すでにティーチングで得て
いる3種のエンジン回転数ごとのストローク−トルクの
テーブルを参照して補間計算によりストロークを求め、
このストロークをアクセルアクチュエータに指令するこ
とを基本とする。モード走行は加速,定常および減速の
各運転モードからなっており、定常および加速のモード
ではこの基本どおりアクセルアクチュエータに指令スト
ロークを与える。
【0046】このようにしてストロークが指令される
と、シャシダイナモメータの同一条件で大幅な負荷変動
がない限り、アクセルアクチュエータに対して指令され
たストロークに誤差の発生することはない。わずかに発
生するとすれば、補間計算の際(3種のエンジン回転数
に対するテーブル間で補間計算する場合)に発生する誤
差だけである。
【0047】ところで、減速しなければならないとき
は、加速時と異なりアクセルペダルの操作だけで減速で
きるとはかぎらず、さらにブレーキペダルを踏み込まな
いと所定の減速ができないことがある。このため、減速
しなければならない場合にはアクセルペダルだけの操作
でたりるか、あるいはブレーキペダルの操作をも必要と
するかを次のようにして判断しなければならない。
【0048】すなわち、減速しなければならない場合の
必要馬力PSは負の値となり、かつ減速走行では摩擦馬
力Fがエンジンブレーキとして作用するので、この摩擦
馬力F(正の値として計算する)を必要馬力PSに加算し
た結果が正または零となる場合は、エンジンブレーキだ
けで指令車速へと減速できることを意味する。この逆に
結果が負となる場合は、アクセルペダルを戻すだけでは
減速することができず、ブレーキペダルを踏み込んで制
動しなければならない。つまり、アクセルペダルを戻す
だけで減速可能かどうかを判断するために、上記(2)で
ティーチングにより摩擦馬力Fをテーブル化したのであ
る。
【0049】しかも、エンジンブレーキで減速できる領
域ではエンジン出力トルクは負であり、負のトルクをテ
ィーチングにより得るのは煩雑であるため、次の方法を
用いて、この領域でのアクセルアクチュエータへの指令
ストロークを決定する。
【0050】まず、そのときのエンジン回転数Neにお
ける摩擦馬力F[Ps]を、図10を内容とするテーブル
から、またそのときのエンジン回転数Neを得る無負荷
時のストロークSN[mm]を、図9の実線を内容とするテ
ーブルからそれぞれ補間計算で求める。
【0051】いま、指令車速とその変化速度である減速
度から計算される必要馬力PS[Ps]が負で、かつその
絶対値(|PS|)が摩擦馬力Fより小さい場合、F−|P
S|に相当する馬力分だけアクセルペダルを戻さなけれ
ばならないので、PS=0のときストローク(このスト
ロークをSNとする)が最大となる。これに対して、F=
|PS|のときはアイドリング状態(ただし、アクセルペ
ダルとアクセルアクチュエータ間の遊び代を含まない)
つまり摩擦馬力Fが必要馬力PSとバランスしている状
態であるから、最小のストロークである。
【0052】したがって、この最大と最小のストローク
間を直線近似し、その間にあるF−|PS|に対するスト
ロークSX[mm]を補間計算により求めるとすれば、F−|
PS|:F=SX:SNより次式でSXが計算されることにな
る。 SX=SN・(F−|PS|)/F…
【0053】図11はこの式を図解したものである。
図中の点Aが最大ストローク、点Bが最小ストロークを
与える。なお、アクセルアクチュエータを設置する際に
変化するアクセルペダル〜アクセルアクチュエータ間の
遊び代Siは、全体を通して差し引いて考え、アクセル
アクチュエータに指令するときに加算する方式をとって
いる。この遊び代Siは、ティーチングによりエンジン
をアイドリング状態としてストロークを徐々に増した場
合に、エンジン回転数が上昇を開始する直前のストロー
クの値に相当する。この値は遊び代Siとして記憶して
おく。
【0054】図12はあらかじめ定められた走行モード
にしたがって自動走行させる場合の制御動作を示すルー
チンで、パーソナルコンピュータ55のCPUに与える
ものである。
【0055】まずエンジン回転数Ne、フィードバック
データとしての実車速のほか、メモリに入っている指令
車速のデータを参照して、モード走行に入ってからの経
過時間に応じた指令車速Vを読み込み、この指令車速V
からその変化速度(加速度または減速度)αを計算する
(ステップ1,2)。
【0056】指令車速VからはこのVに対する定常走行
馬力を図6を内容とする車速−定常走行馬力のテーブル
を参照して補間計算により求め、この定常走行馬力と
式の第3項から計算した加速損失馬力との和から必要馬
力PSを求める(ステップ3,4)。また、そのときの
エンジン回転数Neに対する摩擦馬力Fを図10を内容
とする馬力−回転数のテーブルを参照して補間計算によ
り求め、この摩擦馬力Fと必要馬力PSの和PS+Fを
計算する(ステップ5,6)。
【0057】このPS+FとPSの値をみてPS+F≧
0かつPS≧0なら加速しなければならないか定常のま
までよいと判断し、そのときの回転数Neから式を用
いて、必要馬力PSをエンジン出力トルクTに換算する
(ステップ7〜9)。同じくそのときの回転数Neと換
算トルクTから図7(または図8)を内容とするストロー
ク−トルクのテーブルを参照して補間計算により、この
換算トルクを発生させるアクセルアクチュエータストロ
ークを求め、この指令ストロークをアクセルアクチュエ
ータに出力する(ステップ10,11)。
【0058】また、PS+F≧0かつPS<0ならアク
セルペダルをもどすだけで減速できると判断し、無負荷
時のエンジン回転数に対するストロークSNを、図9の
実線を内容とする回転数−ストロークのテーブルを参照
して補間計算により求め、式を用いて、減速しなけれ
ばならない場合の指令ストロークSXを直線近似の補間
計算により求める(ステップ12,13)。なお、指令
ストロークSXを指令車速Vと実車速とのずれΔVで補
正すると、SXに直線近似に基づく若干のずれを補償す
ることができる(ステップ14)。
【0059】いっぽう、PS+F<0ならエンジンブレ
ーキだけでは不足でブレーキペダルをも踏み込んで制動
しなけば減速できないと判断し、ブレーキアクチュエー
タ(ブレーキペダル用のエアシリンダ)に所定のストロー
クを与えることにより減速させる(ステップ7,1
5)。この場合、同時にアクセルペダルを所定量だけ戻
すようにすることもできる。
【0060】ここで、この例の作用を説明する。
【0061】この例では、シャシダイナモメータ上での
試験車両を自動走行させるのに先立って、ティーチング
により実車速,その変化速度およびそのときのエンジン
回転数を用いて、その車速およびその変化速度で車両が
走行するのに必要なエンジン出力トルクとこのトルクを
発生させるアクセルアクチュエータストロークの関係
が、試験車両ごとにテーブルにされてメモリに記憶され
る。
【0062】「自動走行」に入ると、走行モードにより指
定されている指令車速とその変化速度より、加速しなけ
ればならないかまたは定常走行に必要とされるエンジン
出力トルクTが求められ、その出力トルクTを発生させ
るアクセルアクチュエータストロークが前記ストローク
−トルクのテーブルを参照して求められる。
【0063】このストロークがアクセルアクチュエータ
に指令され、その指令ストロークに応じてアクセルペダ
ルが踏み増しされると、加速しなければならないとか定
常でよいといった、要求に応じたトルクが発生する。
【0064】この場合の車速制御はテーブルデータに基
づくオープンループ制御であり、実車速に基づくフィー
ドバック制御ではない。このため、試験車両ごとに、制
御ゲインを合わせる作業は不要となる。モード走行の違
いに伴うシャシダイナモメータの条件(慣性相当重量等)
の変更についても、この条件をパーソナルコンピュータ
のキーボードで打ち込めるようにしておくことにより、
各種のモード走行に合わせてシャシダイナモメータの条
件を打ち込むだけで対応することができる。
【0065】いいかえると、試験車両と各種のモード走
行ごとに試験者が制御ゲインを調整しなければならない
作業を、ティーチングによるテーブル作成作業に置き換
え、このテーブル作成作業をパーソナルコンピュータに
行わせることにより、試験走行を行う際の工数を大幅に
低減したのである。
【0066】なお、始動時の暖機システムが装備されて
いるエンジンでは、暖機中はアクセルペダルが同じアイ
ドリング位置にあっても、回転数が所定値(たとえば1
500rpm)までアップするように出力が増加されるの
で、このシステムの作動中は、暖機後にティーチングに
より得たストローク−トルクのテーブルを用いて指令ス
トロークを求めたのでは、指令車速への追随性が悪くな
る。
【0067】しかしながら、こうした場合でも次のよう
にすればきわめて容易に暖機補正を行うことができる。
すなわち、暖機中のエンジン状態で走行し、そのときの
車速から図6を内容とするテーブルを用いて補間計算に
より発生馬力PSD[Ps]を求め、この発生馬力PSD
を、始動からの経過時間tとともにテーブルにする。こ
のPSDを時間tの関数としてPSD(t)とおけば、次
式により始動からt秒後の馬力のずれ分PSH[Ps]が
計算される。 PSH=PS−PSD(t)…
【0068】したがって、エンジンの始動から始まる走
行モードの場合には、このずれ分PSHを図12のステ
ップ9において必要馬力PSに加算することで暖機補正
を行えばよいのである。ただ、式のPSD(t)は走行
条件によっても変わるため、個々のモードで変化させる
ほうが実用的ではある。
【0069】一方、減速の走行モードでは、エンジンブ
レーキだけで減速可能か、それでは不足でさらにブレー
キペダルにより制動しなければならないかが区別され、
エンジンブレーキだけでは減速できない場合にかぎっ
て、ブレーキペダルによる制動が行なわれる。これによ
り、無駄なブレーキングを防いで、制動機構を摩耗させ
る機会が少なくされる。
【0070】また、エンジンブレーキだけで減速可能で
あるといっても、負の値を有する必要馬力から面倒な計
算をして負のエンジン出力トルクを求めることは応答性
を悪くしたり装置を複雑化してしまうことになるが、こ
の例のように式を用いた近似計算にて減速時の指令ス
トロークが求められると、面倒な計算が不要となり、こ
れにより装置の応答性を良好に保つとともに装置を簡素
にすることができる。
【0071】ここではモード走行の場合で説明したが、
モード走行以外にも、車載状態での車両の各種動力性能
を比較することなども、これに合わせて指令車速データ
を変更することにより容易に行うことができる。
【0072】ところで、アクセルペダルの踏み込む側と
もどす側の一方向だけでストローク−無負荷エンジン回
転数の特性をティーチングするのでは、アクセルペダル
のリンク系に生じる摩擦等により図9のようにヒステリ
シスがあるとき、モード走行を正確に行わせられないこ
とがある。
【0073】たとえば、図9のように、アクセルペダル
の戻し側のほう(破線)が同じストロークでも踏み込み
側(実線)より無負荷エンジン回転数が高い、つまり大
きなトルクが出るとする。
【0074】いま10モードのうち、加速したあと定常
走行にはいるモードを考えると、このモードでは、加速
中に要求されるトルクより定常になって要求されるトル
クのほうが小さいので、加速中に踏み込んだアクセルペ
ダルを戻すことによってトルクを小さくしなけばならな
い。
【0075】このとき、図9の実線の特性から求められ
る最大ストロークSNより指令ストロークSXを定めたの
では、アクセルペダルの戻しかたがたりず、加速状態か
ら定常にかけて車速が規定車速を大きく越える、いわゆ
るオーバーシュートを生じてしまう。図9で示したよう
に、同じ無負荷回転数に対してアクセルペダルの戻し側
のほうがよりストロークを小さくしなければならないか
らである。
【0076】一方、ブレーキによる減速から定常走行に
いたるモードでは、アクセルペダルを踏み込ませること
によってトルクを大きくしなければならない。
【0077】このとき、アクセルペダルの戻し側でティ
ーチングし、このティーチングデータより、自動変速機
を備える車両に対して図8のストローク−トルクのテー
ブルを作成してあると、アクセルペダルの踏み込みがた
りなくて規定の車速に達しない。同じ指令ストロークで
も、アクセルペダルの踏み込み側のほうが無負荷回転数
が低い、つまり同じ加速を得るためにはアクセルペダル
の踏み込み側のほうがより指令ストロークを大きくしな
いとトルクがでないのである。この結果、図8でトルク
がゼロ付近での指令ストロークに影響がでて、低速定常
走行などの低トルク域でモード追随精度が大きく落ちて
しまうのである。
【0078】このように、加速→定常のモードを考える
なら、図9の特性はアクセルペダルの戻し側でティーチ
ングしておかなければならないし、減速→定常のモード
では逆に図9の特性をアクセルペダルの踏み込み側でテ
ィーチングしなければならない。つまり、図9に示した
ヒステリシスがある場合には、アクセルペダルの踏み込
み側と戻し側の両方でティーチングを行い、これで得た
データを別々に整理してテーブルにしておく必要がある
のである。
【0079】たとえば、図3で示したように、アクセル
アクチュエータ(複動式のエアシリンダ46)のロッド
46dをアクセルペダル42とのあいだに所定の距離だ
け離して設置する。なお、61は電磁弁ユニットと電磁
弁駆動回路とからなる位置制御装置、50はロッド46
dを任意の位置に制御するマイクロコンピュータ、47
はロッド46dの現在位置を検出するストロークセンサ
(あるいは回転角センサ)で、これらは図16のものと
同様である。
【0080】ティーチングに際しては、まずロッド46
dを伸び出させてアクセルペダル42を踏み込ませ、エ
ンジン回転数が上昇し始める位置(ストローク)を記憶
する。この位置はアクセルペダル42とアクチュエータ
ロッド46dの遊び代Siがなくなった位置で、アクセ
ルタッチ点といい、エンジンはアイドル回転数である。
【0081】このアクセルタッチ点より所定の時間間隔
でさらにアクセルペダル42を踏み増しさせると(つま
りストロークを大きくしていくと)、図13のように段
階的にエンジン回転数が上昇していくので、その回転数
に対応させてアクチュエータストロークを記憶させる。
所定のエンジン回転数に達した後、こんどはアクセルタ
ッチ点に戻るまでロッド46dを所定の時間間隔で縮ま
せていき、エンジン回転数に対応させてストロークを記
憶させる。こうして記憶させた2つのデータ群をグラフ
化したのが図9の例で、実線がアクセルペダルの踏み込
み側、破線がアクセルペダルの戻し側である。
【0082】このうち、アクセルペダルの戻し側のティ
ーチングデータからはそのデータを用いてストローク−
無負荷エンジン回転数のテーブルを作成する。つまり、
加速→定常のモードではアクセルペダルを戻さなければ
ならないのであるから、この操作に必要となるテーブル
をアクセルペダルの戻し側のデータから得るのである。
【0083】また、アクセルペダルの踏み込み側のティ
ーチングデータを用いて自動変速機を備える車両に対す
るストローク−トルクのテーブルを図8のように作成す
る。アクセルペダルを踏み込む操作に必要となるテーブ
ルはアクセルペダルの踏み込み側のデータを用いて作成
するのである。
【0084】なお、アクセルペダルを踏み込ませるにつ
いては、もどし側とのトルク差に応じた所定の時間だけ
付加して与えることもできる。ただし、このときは戻し
側のティーチングデータを用いて図8のストローク−ト
ルクのテーブルを作成しておかなければならない。
【0085】このようにして、ヒステリシスにあわせて
テーブルを作成していると、上記の加速→定常のモード
では、アクセルペダルの戻し側のデータから作成したス
トローク−無負荷エンジン回転数のテーブルを使うこと
で、加速状態から定常にいたるオーバーシュートを減少
させることができる。また、ブレーキによる減速域から
定常にいたるモードでは、アクセルペダルの踏み込み側
のデータから作成したストローク−トルクのテーブルを
使うことで、低車速でも規定の車速へと精度よく落ち着
かせるのである。
【0086】いいかえると、アクセルペダルの踏み込み
側と戻し側のティーチングデータを使い分けることで、
アクセルペダルのリンク系に生じる摩擦などにより無負
荷時のエンジン回転数とアクセルアクチュエータストロ
ークの特性にヒステリシスがあるときでも、モード走行
を正確に行わせることができ、モード追随精度が向上す
る。
【0087】
【発明の効果】第1の発明ではティーチングによりエン
ジン出力トルクとこのトルクを発生させるアクセルアク
チュエータストロークの関係を数表にし、これを自動変
速機を備える車両に対してはさらにアクセルペダルの踏
み込み側で実ストロークと無負荷時の回転数との関係を
サンプリングしたデータにより移動・補正して記憶して
おき、指令車速のデータにしたがう自動走行に入ると、
加速すべきか定常でよいとき前記移動・補正されたスト
ローク−トルクの数表を用いて指令ストロークを決定す
るため、自動変速機を備える車両に対して試験走行を行
う際の工数が大幅に低減されるとともに、ブレーキによ
る減速域から定常にいたるモードでアクセルペダルを踏
み込ませる方向への指令ストロークからヒステリシスの
影響を除くことができ、低車速域で規定の車速へと精度
よく落ち着かせることができる。
【0088】第2の発明では、ティーチングによりエン
ジンの摩擦馬力とエンジン回転数の関係を数表にしてお
き、減速すべき場合にこの数表を用いてエンジンブレー
キだけで減速可能かどうかを判定させることにより、エ
ンジンブレーキだけでは減速できない場合に限って、ブ
レーキペダルにより制動するため、不要なブレーキング
を防ぐことができるとともに、アクセルペダルの戻し側
のデータに基づいて換算トルクを発生させるアクセアク
チュエータストロークを演算するため、加速から定常へ
のモードでアクセルペダルを戻す方向への指令ストロー
クからヒステリシスの影響を除いて、加速状態から定常
にかけての車速のオーバーシュートを減少させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】第2の発明のクレーム対応図である。
【図3】一実施例のアクセルアクチュエータまわりの機
構的な構成図である。
【図4】アクセルアクチュエータストロークを増加変化
させた場合の車速変化を示す波形図である。
【図5】アクセルアクチュエータストロークを減少変化
させた場合の車速変化を示す波形図である。
【図6】車速に対する動力吸収馬力のテーブル内容を示
す特性図である。
【図7】アクセルアクチュエータストロークに対するエ
ンジン出力トルクのテーブル内容を示す特性図である。
【図8】自動変速機を備えるときのアクセルアクチュエ
ータストロークに対するエンジン出力トルクのテーブル
内容を示す特性図である。
【図9】無負荷時のエンジン回転数に対するアクセルア
クチュエータストロークの関係にヒステリシスのあると
きの特性図である。
【図10】エンジン回転数に対する摩擦馬力のテーブル
内容を示す特性図である。
【図11】減速しなければならない場合のアクセルアク
チュエータストロークを求める方法を説明するための特
性図である。
【図12】制御動作を説明するための流れ図である。
【図13】アクセルアクチュエータストロークを徐々に
大きくした後小さくしたときの無負荷時のエンジン回転
数の変化を示す波形図である。
【図14】従来例の全体構成図である。
【図15】従来例の主制御部の流れ図である。
【図16】従来例のエアシリンダの位置制御を説明する
ための模式図である。
【図17】従来例の電磁弁ユニットの詳細図である。
【符号の説明】
1 アクセルペダル 2 アクセルアクチュエータ 3 車速センサ 4 変化速度計算手段 5 エンジン回転数センサ 6 ストローク−トルク数表化手段 7 ストローク−トルク数表記憶手段 8 指令車速データ記憶手段 9 変化速度計算手段 10 必要馬力演算手段 11 加速・定常判定手段 12 トルク換算手段 13 ストローク演算手段 14 ストローク指令手段 15 ストロークセンサ 16 データサンプリング手段 17 移動・補正手段 19 データサンプリング手段 21 ブレーキペダル 22 ブレーキアクチュエータ 23 馬力−回転数数表化手段 24 馬力−回転数数表記憶手段 25 摩擦馬力演算手段 26 減速判定手段 27 和計算手段 28 判定手段 29 ストローク演算手段 30 ストローク演算手段 31 ストローク指令手段 42 アクセルペダル 43 ブレーキペダル 46 エアシリンダ 48 電磁弁ユニット 49 電磁弁駆動回路 50 マイクロコンピュータ 55 パーソナルコンピュータ 61 位置制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を備える車両において、アク
    セルペダルを指令ストロークに応じて駆動するアクセル
    アクチュエータと、車速を検出するセンサと、この車速
    の変化速度を計算する手段と、エンジンの回転数を検出
    するセンサと、ティーチングにより前記車速,その変化
    速度およびそのときのエンジン回転数Neを用いてエン
    ジンの出力トルクとこのトルクを発生させる前記アクセ
    ルアクチュエータストロークの関係を数表にする手段
    と、前記アクセルアクチュエータの実ストロークを検出
    するセンサと、アクセルペダルの踏み込み側で前記実ス
    トロークと無負荷時の回転数との関係をティーチングに
    よりサンプリングする手段と、このサンプリングデータ
    にもとづき前記ストローク−トルクの数表の値を移動・
    補正して自動変速機を備えるときのストローク−トルク
    の数表を求める手段と、この移動・補正されたストロー
    ク−トルクの数表を記憶する手段と、指令車速のデータ
    をあらかじめ記憶する手段と、この指令車速の変化速度
    を計算する手段と、これら指令車速およびその変化速度
    で車両が走行するに必要な馬力を演算する手段と、この
    必要馬力から加速をすべきかまたは定常でよいかどうか
    を判定する手段と、この判定結果より加速をすべきかま
    たは定常でよいとき前記必要馬力をそのときのエンジン
    回転数でエンジン出力トルクに換算する手段と、この判
    定結果より換算トルクを発生させるアクセルアクチュエ
    ータストロークを前記移動・補正されたストローク−ト
    ルクの数表を用いて演算する手段と、このストロークを
    前記アクセルアクチュエータに指令する手段とを備える
    ことを特徴とする車両の自動運転装置。
  2. 【請求項2】 アクセルペダルを指令ストロークに応じ
    て駆動するアクセルアクチュエータと、ブレーキペダル
    を指令ストロークに応じて駆動するブレーキアクチュエ
    ータと、車速を検出するセンサと、この車速の変化速度
    を計算する手段と、エンジンの回転数を検出するセンサ
    と、ティーチングにより前記車速,その変化速度および
    そのときのエンジン回転数を用いてエンジンの摩擦馬力
    とエンジン回転数の関係を数表にする手段と、この馬力
    −回転数の数表を記憶する手段と、そのときのエンジン
    回転数に対する摩擦馬力を前記馬力−回転数の数表を用
    いて演算する手段と、前記アクセルアクチュエータの実
    ストロークを検出するセンサと、アクセルペダルの戻し
    側で前記実ストロークと無負荷時の回転数との関係をテ
    ィーチングによりサンプリングする手段と、指令車速の
    データをあらかじめ記憶する手段と、この指令車速の変
    化速度を計算する手段と、これら指令車速およびその変
    化速度で車両が走行するのに必要な馬力を演算する手段
    と、この必要馬力から減速をすべきかどうかを判定する
    手段と、減速をすべき場合にこの必要馬力と前記摩擦馬
    力の和を計算する手段と、この和の値よりエンジンブレ
    ーキだけで減速できる場合であるかまたはエンジンブレ
    ーキだけでは減速できない場合であるかを判定する手段
    と、この判定結果よりエンジンブレーキだけで減速でき
    る場合に前記アクセルアクチュエータに対する所定のス
    トロークを前記サンプリングデータにもとづいて演算す
    る手段と、このストロークを前記アクセルアクチュエー
    タに指令する手段と、エンジンブレーキでは減速できな
    い場合に前記ブレーキアクチュエータに対する所定のス
    トロークを演算する手段と、このストロークを前記ブレ
    ーキアクチュエータに指令する手段とを備えることを特
    徴とする車両の自動運転装置。
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