JP2751164B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JP2751164B2
JP2751164B2 JP62251036A JP25103687A JP2751164B2 JP 2751164 B2 JP2751164 B2 JP 2751164B2 JP 62251036 A JP62251036 A JP 62251036A JP 25103687 A JP25103687 A JP 25103687A JP 2751164 B2 JP2751164 B2 JP 2751164B2
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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、薄膜トランジスタに関し、特にゲート絶
縁膜中の電子トラップに起因する薄膜トランジスタ特性
の不安定性を改良した薄膜トランジスタに関する。 従来の技術 薄膜トランジスタは、ソース・ドレイン電極間の半導
体の電気電導波を半導体と接する絶縁膜を介して設けら
れた第三の電極(ゲート電極)に印加する電圧によって
制御するいわゆる電界効果型トランジスタとして知られ
ている。従来薄膜トランジスタは、大面積に渡ってスイ
ッチングアレーを形成し易い点、あるいは材料が安価な
ため低コストになり得るなどの点でイメージセンサある
いは液晶やEL表示装置等の駆動回路やスイッチングアレ
ーを目的に研究が続けられている。このような薄膜トラ
ンジスタにおいて、最も重要な点は、素子特性の変動が
なく長時間にわたって安定に動作することである。 薄膜トランジスタ特性の経時変化の原因としては、半
導体膜中あるいは半導体膜とゲート絶縁膜との界面ある
いはゲート絶縁膜中にあって電子を捕獲することのでき
る電荷トラップによるものと考えられている。この内、
ゲート絶縁膜中に存在する電荷トラップは他の電荷トラ
ップに比べてその数が多く、また、絶縁膜中と伝導度が
低いため通常長い緩和時間を必要とすることから、薄膜
トランジスタ特性の長期的な経時変化の主たる原因であ
ると考られている。絶縁膜中に電荷トラップが多く存在
したり、絶縁膜のリーク電流が大きいと、半導体膜と絶
縁膜との界面に形成されたチャネル中を移動する電子が
絶縁膜に引き込まれ、電荷トラップに捕獲され、実効的
なゲート電圧が変化してドレイン電流が変動したりす
る。以上の点から安定なトランジスタ特性を有する素子
を実現するには、電荷トラップが少なくリーク電流の少
ない絶縁膜をゲート絶縁膜として用いることが望まし
い。 従来、上記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として
は、スパッタ方により形成したAl2O3、Ta2O5、SiO2、Si
3N4等の薄膜が用いられていた。 発明が解決しようとする問題点 薄膜トランジスタのゲート絶縁膜としてAl2O3やTa2O5
あるいはそれらの複合絶縁膜等をスパッタ法により形成
する場合、一般にスパッタ中にプラズマ粒子が膜に衝突
して欠陥を生成して、これが電荷トラップとなり経時変
化が大きくなるという問題があった。 また、スパッタ時の雰囲気ガスの圧力やパワー密度等
の各種パラメータと電荷トラップとの相関は今までに明
らかにされておらず、上記した理由や、組成比が化学量
論的組成からずれて酸素欠陥ができて、それが電荷トラ
ップとなるばかりでなくリーク電流が増加する原因とな
っていた。 以上のような理由から、従来のスパッタ法により形成
したゲート絶縁膜を用いた薄膜トランジスタでは経時変
化が大きく、ゲートリーク電流が大きく、再現性に乏し
いものしか得られなかった。 そこで、本発明は、以上のような問題点を解決して、
長期にわたり安定した特性を有し、再現性よく製造でき
る薄膜トランジスタを提供することを目的としている。 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、絶縁性基板上に
設けた、少なくともドレイン電極、ゲート電極、ソース
電極、半導体膜及びゲート絶縁膜から構成された薄膜ト
ランジスタの製造方法であって、ゲート絶縁膜をスパッ
タにより形成する際の雰囲気ガスを0.8Pa以上2.0Pa以下
とするものである。 作用 本発明によれば、スパッタ時の雰囲気ガスの圧力を限
定したスパッタ法により形成された絶縁物薄膜が用いら
れており、これらの膜はプラズマ粒子の衝突による欠陥
が少なく、かつ化学量論的組成からのずれも少ないため
電荷トラップが少なく、また、ゲートリーク電流も非常
に小さい。 これにより本発明の薄膜トランジスタはゲート絶縁膜
中の電荷トラップが少なく、リーク電流を少なくしてい
るので、経時変化の小さいものとなる。 実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとずいて説明す
る。 第1図は本発明の薄膜トランジスタの一実施例を示す
断面図である。 ガラス等の絶縁性基板1上の100nm程度の膜厚を有す
るAlからなるゲート電極2、さらにそのゲート電極2を
含む絶縁性基板1上に300nm程度の膜厚を有し、高周波
マグネトロンスパッタ法により形成されたAl2O3からな
るゲート絶縁膜3、この上に50nm程度の膜厚を有し、抵
抗加熱法により形成されたCdSeからなる半導体膜4、さ
らにその上に、数〜数十ミクロンの所定の間隔を隔てて
100nm程度の膜厚を有するAlからなるソース電極5及び
ドレイン電極6から構成されている。 第2図はゲート絶縁膜3をスパッタするさいの雰囲気
ガスの圧力を変化させたときの実効トラップ密度を示し
ている。実効トラップ密度の測定方法は、たとえば、T.
H.Ning et al:J.Appl.phys.,45(1974)5373に示され
ている方法を用いた。 また、第3図は同様にゲート絶縁膜3をスパッタする
さいの雰囲気ガスの圧力とゲートリーク電流との関係を
示している。ゲートリーク電流は、第一図に示す薄膜ト
ランジスタにおいてソース電極5とドレイン電極6とを
ショートして、それらの電極とゲート電極との間に10V
の電圧を印加したときの電流を示している。 第2図から明らかなように、ゲート絶縁膜3をスパッ
タするさいの雰囲気ガスの圧力を0.8Pa以上とすること
により実効トラップ密度が十分に小さくなり、薄膜トラ
ンジスタの経時変化を小さくすることができる。また、
第3図からは雰囲気ガスの圧力を2.0Pa以下とすること
により、ゲートリーク電流を十分に小さくすることがで
きることがわかる。これは、雰囲気ガスの圧力を0.8Pa
以上とすれば、スパッタ時にプラズマ粒子同士が衝突す
る確率が増え、直接ゲート絶縁膜の表面にプラズマ粒子
が衝突して欠陥を生成する確率が減少するためであり、
また、2.0Pa以上では、プラズマの活性度が低くなり酸
素ガスとの反応性が悪くなり、組成比が化学量論的組成
からずれることによりゲートリーク電流が増えるためと
考えられる。 以上で示したように、本発明の薄膜トランジスタは、
ゲート絶縁膜として雰囲気ガスの圧力を0.8Pa以上、2.0
Pa以下でのスパッタ絶縁膜としているので、経時変化が
非常に小さく、ゲートリーク電流も少ない。 第4図はゲート絶縁膜のスパッタ時のパワー密度を変
化させたときの実効トラップ密度を調べた結果である。
図から明らかなように、パワー密度が4.0W/cm2以下では
十分に実効トラップ密度が小さく、経時変化の小さい薄
膜トランジスタが得られることがわかる。 また、スパッタ時の基板温度が200℃以上では、上記
した効果が特に顕著であり、さらに実効トラップ密度が
減少することが確認された。 スパッタ時の雰囲気ガスとしては、アルゴンガスと酸
素ガスとの混合ガス雰囲気が望ましい。 また、ゲート絶縁膜の材料をAlとTaとの複合絶縁膜と
すれば誘電率が大きいことから、薄膜トランジスタの相
互コンダクタンスを大きくでき、ゲート電圧を小さくで
きることから、ゲート絶縁膜中へのトンネル効果による
電子の注入そのものを小さくできるため、さらに経時変
化を小さくすることができる。 本実施例では、半導体膜としてCdSeを用いた場合につ
いて述べたが、CdS、CdTeあるいはそれらの固溶体の場
合にも本発明の効果が大であることがわかった。 発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の薄膜トラン
ジスタでは、ゲート絶縁膜中の電荷トラップが少なく、
また、リーク電流が少ないことから電荷トラップへの電
子の注入そのものが起こりにくいため、薄膜トランジス
タの電気特性や安定性を大きく改善することができ、各
種表示装置やイメージセンサ等の駆動回路等に広く利用
できるものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の薄膜トランジスタの一実施例を示す断
面図、第2図はスパッタ時の雰囲気ガスの圧力とゲート
絶縁膜中の実効トラップ密度との関係を示す図、第3図
はスパッタ時の雰囲気ガスの圧力とゲートリーク電流と
の関係を示す図、第4図はスパッタ時のパワー密度とゲ
ート絶縁膜中の実効トラップ密度との関係を示す図であ
る。 1……絶縁性基板、2……ゲート電極、3……ゲート絶
縁膜、4……半導体膜、5……ソース電極、6……ドレ
イン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 洋一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 由上 登 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−104224(JP,A) 特開 昭57−109341(JP,A) 特開 昭60−27132(JP,A) 特開 昭61−77329(JP,A) 特開 昭61−189669(JP,A) 特開 昭62−42564(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくともドレイン電極、ゲート電極、ソース電
    極、半導体膜及びゲート絶縁膜が絶縁性基板上に形成さ
    れた薄膜トランジスタの製造方法であって、かつ、前記
    ゲート絶縁膜をスパッタにより形成する際の雰囲気ガス
    が0.8Pa以上2.0Pa以下であることを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。 2.ゲート絶縁膜が、少なくともAlとTaとを主成分とす
    る複合絶縁膜であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。 3.ゲート絶縁膜をスパッタにより形成する際のパワー
    密度が、4.0W/cm2以下であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。 4.ゲート絶縁膜をスパッタにより形成する際の基板温
    度が、200℃以上であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。 5.ゲート絶縁膜をスパッタにより形成する際の雰囲気
    が、少なくとも酸素ガスとアルゴンガスとの混合雰囲気
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。 6.半導体膜が、CdS、CdSe、CdTeまたはそれらの固溶
    体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    薄膜トランジスタの製造方法。
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