JP2751034B2 - 前処理機構を具えた畦形成機 - Google Patents

前処理機構を具えた畦形成機

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JP2751034B2
JP2751034B2 JP7350561A JP35056195A JP2751034B2 JP 2751034 B2 JP2751034 B2 JP 2751034B2 JP 7350561 A JP7350561 A JP 7350561A JP 35056195 A JP35056195 A JP 35056195A JP 2751034 B2 JP2751034 B2 JP 2751034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旧畦を修復して新
たな畦を形成するに際し、旧畦を所要に削り取ってそこ
に土盛りをし、この盛土を整畦機により締め固めて新た
な畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】旧畦を修復して新たな畦を形成するに際
し、風化等によって崩れた旧畦の上部分等を削り取って
そこに土盛りをし、この盛土を整畦機により締め固めて
新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機とし
ては、特開昭60−98903号公報が開示するものが
提案されている。
【0003】この畦形成機は、図12に示すように、ト
ラクタに連結した機枠aに、旧畦b上に土盛りする回転
ロータcを設け、該回転ロータの進行方向の前方位置
に、旧畦の上部分を削り取る回転削出刃dを配設してな
る。そして前記回転ロータcは、旧畦の畦際e及び旧畦
の内側部分fに、田面側から旧畦側に向けて切り入るよ
うにその回転方向gが設定されていた。このように回転
方向を設定していたのは、削出された旧畦上への土の掻
き上げを短距離で直接的に行いうるようにするためであ
ったと思われる。又前記回転削出刃は、畦の上面と該削
出刃との相対位置を調節して削出深さを適宜選択できる
ようにするために、調節装置hにより上下位置を調節可
能jとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記構成
の畦形成機によるときには、次のような問題があった。 回転ロータの回転方向を、それが田面側から旧畦側
に向けて切り入るように設定していたため、該回転ロー
タは、硬く締まった旧畦の裾部から上に向けて土を掻き
上げることとなる。その為に、回転ロータによる土の掻
き上げに大きな負荷がかかることとなり、駆動装置を大
馬力のものに構成する必要があった。
【0005】 又、回転ロータの回転方向がこのよう
に設定されていたことから、乾いて硬い状態にあること
が多い畦側の土が旧畦上に供給されることとなる。しか
も、旧畦の土を裾部から上に向けて掻き上げるために、
土が大きい固まり状態で掻き上げられ易い。このような
ことから、整畦時に盛土を締め固めにくく、木目の荒い
強度的に不安定な畦が形成され易い問題があった。
【0006】 前記畦形成機は、回転削出刃を上下動
可能に構成していたため、旧畦の上面高さが低い場合に
は、回転削出刃を下げて旧畦の上部分を削り取ることが
できる長所を有している。しかし、このように回転削出
刃を下げて削出を行った場合には、その部分への土盛り
量を、下げた分だけ多くする必要がある。ところが従来
の畦形成機によるときは、回転削出刃を下げても、土の
掻き上げ量を多くするために回転ロータが自動的に下が
るといった仕組みにはなっていない。そのため、盛土量
に不足を来し易く、均一に締め固められた強度のある畦
を形成し難い問題があった。
【0007】 さらに、回転ロータの回転方向を前記
のように設定していたことから、トラクタのタイヤが旧
畦裾部に近接した部分を走行する場合、該回転ロータ
は、タイヤに踏まれた田面部分の土を掻き上げることに
なる。特に湿田の整畦の場合は、図12に一点鎖線で示
すように、タイヤの走行した部分が20cm〜30cm
も深く窪んだ状態mとなることが往々にしてある。この
ようになると、回転ロータcを如何に下げたとしても、
その刃先が窪み部の底面nに接するのさえ困難となり、
回転ロータによる土の掻き上げが事実上不可能となって
整畦できない事態を招いた。このように従来の畦形成機
によるときは、乾田の整畦には対処できても湿田(乾田
も、耕した後に降雨がある等によって容易に湿田状態に
なってしまう)の整畦には全く対処できなかったのであ
る。
【0008】本発明は、以上のような従来の畦形成機の
問題点を一挙に解決しうる、前処理機構を具えた畦形成
機の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち、本発明に係
る前処理機構を具えた畦形成機(以下畦形成機という)
は、走行機に付設されてその進行方向に、旧畦を修復し
つつ新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機
である。前記走行機の取付け部に固定される固定部材に
該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆
動軸を設けると共に、該駆動軸の長さ方向前後に位置さ
せて、第1の可動部材と第2の可動部材を、前記駆動軸
の軸線回りに独立して回動可能となるように設け、且つ
該第1の可動部材と第2の可動部材を、夫々所要の回動
状態で固定可能としてなり、又前記第1の可動部材に
は、前記駆動軸と所要距離を隔てて平行する第1の作業
軸を配設すると共に、該第1の作業軸を、伝導要素を介
して前記駆動軸に連結する一方、前記第2の可動部材に
も、前記駆動軸と平行する第2の作業軸を配設すると共
に、該第2の作業軸を、伝導要素を介して前記駆動軸に
連結してなる。又前記第1の作業軸には、旧畦を所要に
削り取る回転削出刃を固設する一方、前記第2の作業軸
には、該回転削出刃によって削り取られた旧畦上に土を
供給するために、少なくとも田面部分の土を掻き上げる
(旧畦の内側部分の土を削り取ることがある)土盛りロ
ータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、前記伝
導要素を介しての第1の作業軸及び第2の作業軸の回転
により、前記回転削出刃が、旧畦の外側の部分から内側
(田面側)に向けて旧畦を削り取るように回転し、且つ
前記土盛りロータが、旧畦から離れる方向に田面に切り
入るように回転する如く構成してなる。そして、旧畦上
の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特
徴とするものである。
【0010】前記畦形成機において、第1の作業軸及び
第2の作業軸にスプロケットを個別に固設すると共に、
それらの各スプロケットに対応させて2個のスプロケッ
トを所要間隔をおいて駆動軸に固設し、第1の作業軸に
固設されたスプロケットとそれに対応する駆動軸側のス
プロケットとにチェーンを巻装すると共に、第2の作業
軸に固設されたスプロケットとそれに対応する駆動軸側
のスプロケットとにチェーンを巻装するのがよい。
【0011】前記各畦形成機において、土盛りロータの
上方及び旧畦上方に亘って案内カバーを配置し、土盛り
ロータの回転によって掻き上げられた土がこの案内カバ
ーに案内されて旧畦上に供給されるように構成するのが
よい。
【0012】前記案内カバー内の旧畦上方部分に、走行
機の進行方向後方に向けて凹に湾曲する土誘導板を、回
転削出刃と衝合しないように設け、土盛りロータによっ
て掻き上げられた土がこの土誘導板に誘導されて、走行
機の進行方向後方に向けて排出され、旧畦上に落下する
ように構成するのがよい。
【0013】又前記案内カバーは、第2の可動部材の回
動状態が変わった場合や土質が変わった場合にも、土を
旧畦上に正しく供給できるようにするため、案内カバー
の取り付け状態を変更可能に構成するのがよい。
【0014】又本発明に係る畦形成機において、固定部
材の上下位置を調節可能とするのがよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1において本発明に係る前処理
機構を具えた畦形成機1は、トラクタとしての走行機2
に付設されてその進行方向に、旧畦3を修復しつつ新た
な畦5を形成する、前処理機構6を具えている。
【0016】該前処理機構6は、図1〜3に示すよう
に、前記走行機2に設けられた、動力軸7(図2)を内
蔵する筒状体9の端部の取付け部10に固定された固定
部材11に、該走行機2の進行方向前方に向けて突出す
る駆動軸12を設けると共に、該駆動軸12の長さ方向
の前後に位置させて、旧畦の削り取りに関わる第1の可
動部材13と、削出された旧畦上への土の供給に関わる
第2の可動部材15とを、該駆動軸12の軸線回りに独
立して回動可能(図3に矢印で示す)となるように設
け、該第1の可動部材13と第2の可動部材15を、夫
々所要の回動状態で前記固定部材11に固定可能として
なるものである。
【0017】前記固定部材11は、例えば立方体状のボ
ックスとして形成され、前記駆動軸12が、該固定部材
11の前後面部に設けた軸受16,17に支持されて、
走行機の進行方向前方に向け比較的長く突出せしめられ
ている。そして図2、図4に示すように、該駆動軸12
には、固定部材11内において傘歯車19が固設されて
いる。又固定部材11の左右には、前記駆動軸12と直
交するように、入力軸20と整畦駆動軸21をその軸線
を合致させて配置し、夫々軸受22,23に支持させて
なる。又、入力軸20と整畦駆動軸21に固設した傘歯
車25,26を、前記駆動軸の傘歯車19に夫々噛合さ
せ、入力軸20の回転に伴いこの駆動軸12と整畦駆動
軸21が回転するように構成されている。
【0018】前記第1の可動部材13は、表裏側から見
て、両端側の縁部27,29が半円形をなす横長の偏平
なボックス状をなし、その基端側には、前記円弧縁部2
7に沿って同心に且つ等角度ピッチでボルト孔30(図
5)の多数(例えば24個)が、ボックスの厚さ方向に
貫設されている。又該可動部材13の先端側の部分に
は、図2〜4に示すように、前記駆動軸12と平行する
第1の作業軸31が、該可動部材13の表裏側において
軸受32,33に支持されて配置されている。そして該
可動部材13内において、前記駆動軸12と第1の作業
軸31に同径のスプロケット35,36が固設されてお
り、この両スプロケット35,36にチエーン37が巻
装されている。
【0019】前記第2の可動部材15も、前記第1の可
動部材13と略同様の構成を有し、表裏側から見て、両
端側の縁部39,40が半円形をなす横長の偏平なボッ
クス状をなし、その基端側には、前記円弧縁部39に沿
って同心に且つ等角度ピッチでボルト孔42(図5)の
多数(例えば24個)が、ボックスの厚さ方向に貫設さ
れている。又該可動部材15の先端側の部分には、図2
〜4に示すように、前記駆動軸12と平行する第2の作
業軸43が、該可動部材15の表裏側において軸受4
5,46に支持されて配置されている。そして該可動部
材15内において、前記駆動軸12と第2の作業軸43
に同径のスプロケット47,49が固設されており、こ
の両スプロケット47,49にチエーン50が巻装され
ている。
【0020】前記構成を有する第2の可動部材15は、
図3、図5に示すように、前記固定部材11に固設され
た内側の固定鍔(前記軸受16を保持する)51と中間
の固定鍔(軸受52に支持されている)53との間に密
接状態に介装されると共に、第1の可動部材13は、該
中間の固定鍔53と外側の固定鍔(軸受55に支持され
ている)56との間に密接状態に介装されている。そし
て、内側の固定鍔51にはネジ孔54(図5)の多数
(例えば24個)が同心且つ等角度ピッチで設けられる
と共に、中間の固定鍔53には、ボルト孔57の多数
(ネジ孔54と同数)が同心且つ等角度ピッチで設けら
れている。又外側の固定鍔56には、ボルト孔58の6
個が同心且つ等角度ピッチで設けられている。
【0021】然して、第1の可動部材13と第2の可動
部材15の回動状態を所要に設定して、例えば図5に示
すように、外側の固定鍔56のボルト孔58と第1の可
動部材13のボルト孔30と中間の固定鍔53のボルト
孔57を挿通する固定ボルト59を内側の固定鍔51の
前記ネジ孔54に螺締すると、該固定ボルト59の6本
によって、第1の可動部材13と第2の可動部材15は
所要の回動状態で前記固定部材11に固定されることと
なる。
【0022】又、前記第1の作業軸31及び第2の作業
軸43の回転方向F1,F2は、図6に示すように、共
に同一方向(図6においては反時計回り)とされてい
る。そして、前記第1の作業軸31の突出部分63に
は、図1〜2、図6に示すように、旧畦3を削り取る例
えばなた爪状の削出刃65を周方向に複数個具える回転
削出刃66を固設してなる。この回転削出刃66は、該
第1の作業軸31の回転に伴い、図6に示すように、旧
畦3をその外側から内側(田面側)に向けて円弧状に削
り取るように回転F1する。又前記第2の作業軸43の
突出部分67には、図1〜2、図6に示すように旧畦上
に土を供給するため、田面部分の土を掻き上げる複数個
の掻き上げ刃69を具える土盛りロータ70を固設して
なる。この土盛りロータ70は、前記駆動軸12の回転
に伴い、図6に示すように、旧畦3から離れる方向に田
面68に切り入るように回転F2する。
【0023】本実施の形態においては、前記土盛りロー
タ70と回転削出刃66を、図2に示すように、畦の長
さ方向と略直交する同一直線上に略位置する如く配置し
ている。そのために、土盛りロータ70のボス71(図
2〜3)を比較的長く形成している。そして、回転削出
刃66力硝1り取った旧畦上に、整畦に必要な量の盛土
がなされるように土の掻き上げが行なわれる如く、土盛
りロータ70の回転速度を設定している。
【0024】又、該土盛りロータ70と回転削出刃66
の上方及び旧畦3の上方に亘って案内カバー72を配置
している。該案内カバー72は、下方開放の箱形をな
し、その後面部64の基端側には取付け面部64aが形
成され、先端には土受け用の垂下板64bが設けられて
いる。そして、該案内カバー72内の旧畦上方部分に
は、トラクタ2の進行方向後方に向けて凹に湾曲する土
誘導板73を、回転削出刃66と衝合しないように設け
てなり、前記後面部64には、図8に示すように、土誘
導板73に誘導された土を排出するための開口74を設
けている。然して、土盛りロータ70の回転によって掻
き上げられた土は、該案内カバー72に案内されて移動
し、その多くのものが土誘導板73に誘導されて、走行
機の進行方向後方に向けて排出され、旧畦の削出凹部7
5に供給されるようになされている。又本実施の形態に
おいては、回転削出刃66による旧畦3の削り取りと土
盛りロータ70による田面の土の掻き上げをより効果的
に行いうるようにするため、固定部材11の上下位置を
調節可能とされ、所要の高さでトラクタに保持されるよ
うになされている。
【0025】なお前記案内カバー72は、本実施の形態
においては、その基端側の前記取付面部64aが、該2
の可動部材15の前記ボス71端面に固定された円板状
固定板77にボルト固定されると共に、その上面の中央
部分が、図7に示すように、トラクタに固定された吊下
棒78の下端79にビス固定されている。その固定構造
は、前記取付面部64aに、第2の作業軸43の軸線回
りに同心に6個のボルト孔を等角度ピッチで設け、且つ
前記固定板77に、15度の角度ピッチでボルト孔81
を24個設けてなり、固定板77側の選択されたボルト
孔81を案内カバー72側のボルト孔と位置合わせし
て、該案内カバー72の取り付け向きを所望のものに調
節可能としてなる。そして、その状態で前記吊下棒78
でも支持する。案内カバーのこの調節は、該2の可動部
材15の回動状態が変わった場合にも土が旧畦上に正し
く供給されるようにするために、或いは、乾田、湿田の
土質に応じて、土を旧畦上に正しく供給できるようにす
るために行われるものである。その調節の一の態様は、
図6に実線と一点鎖線で示す通りである。
【0026】又図1〜3において符号82は、走行機の
進行方向後方に向けて延びる、表裏側から見て卵形をな
す整畦用ケーシングであり、その小径の基端側部分83
が前記整畦駆動軸21に回動自在に枢着せしめられてお
り、該ケーシング82内の先端側部分には、前記整畦駆
動軸21と平行して整畦作業軸85が、軸受86,87
に支持されて配置されている。そして該ケーシング82
内で、この整畦駆動軸21と整畦作業軸85に夫々スプ
ロケット89,90が固設され、両スプロケットにチエ
ーン91が巻装され、前記入力軸20の回転に伴い、ス
プロケット89,90とチエーン91を介して整畦作業
軸85が回転する。そして該整畦作業軸85には、例え
ば図1〜2、図9に示すように、旧畦上に供給された盛
土92を練り上げ状態に固く締め固める回転式の整畦機
93が固設されている。該整畦機93は、円柱部95の
内外端部に、円錐面を有する内側回転板96と外側回転
板97を、軸心を共通にして固定してなる。なお前記整
畦用ケーシング82は、例えば図3に示す回動支持装置
94により、形成すべき畦高さに応じて適宜回動操作さ
れ、その状態で保持される。
【0027】かかる構成の畦形成機1によって整畦を行
う要領を次に説明する。図1、図6は、横断面台形状を
なす旧畦3を修復しつつ新たな畦を形成する場合を示
す。第1の可動部材13の回動状態は、旧畦3の上面高
さに応じて所要のものに、例えば、旧畦の外縁98から
内側(田面側)の裾部下側99をなす耕盤近傍迄の約2
/3の部分を回転削出刃66が円弧を描いて削るように
設定され、その状態で固定されている。又第2の可動部
材15の回動状態は、削り取られた旧畦上への盛土量に
応じて、田面に対する土盛りロータ70の切り込み深さ
を適当にして所要の回動状態に、例えば、トラクタのタ
イヤTの走行跡(畦際走行によって形成された窪みであ
り、タイヤ幅によってその溝幅が変化する。又その深さ
は、乾田であるか湿田であるかによって変化する。)1
00(図1、図6)を極力避けるように、土盛りロータ
70が旧畦から離れる方向に田面68に切り入る回動状
態に設定され、その状態で固定されている。
【0028】この第1の可動部材13と第2の可動部材
15の固定部材11への固定は、前記したように、6本
の固定ボルト59を用いて行う。
【0029】この状態で、トラクタを走行させつつ畦形
成機1を稼働させると、回転削出刃66が、旧畦3を外
側から内側(田面側)に向けて削り取る。それに伴い、
図6に矢印Fで示すように、削り取られた土が飛ばされ
て、例えば図6に一点鎖線で示すように、畦近傍部分に
堆積する。同時に、土盛りロータ70が、旧畦3から離
れる方向に田面68に切り入り、田面の土を砕きながら
削り取る。その際、前記堆積土102が田面の土とミッ
クスされる。このようにミックスされた土が土盛りロー
タ70の右側回転部分103で掻き上げられる。この掻
き上げられた土は、遠心力の作用によって前記案内カバ
ー72の頂部に案内され、前記土誘導板73に誘導され
て、案内カバーの後側面部64に設けた開口74を通し
て、図8に矢印で示すように、トラクタの進行方向後方
に向けて畦上に供給され、旧畦の前記削出部分75に盛
土92(図1、図9)される。
【0030】本実施の形態においては、前記のように、
土盛りロータ70と回転削出刃66を、畦の長さ方向と
略直交する同一直線上に略位置する如く配置しているこ
とから、前記のように、旧畦の削り取りによって生じた
堆積土102(図6)が田面の土とミックスされて掻き
上げられると言う特別の作用が得られている。従って、
土盛りロータ70の切り入り深さを堆積土102の量に
応じて浅く設定でき、その分、土盛りロータの削り取り
によって生ずる削り跡を浅くできる。なお、土盛りロー
タ70のこの切り入り深さは、第2の可動部材15の回
動状態を適宜に設定することによって容易に調節でき
る。
【0031】本発明に係る畦形成機は、前記した横断面
台形状をなすものの他、三角形状をなすもの等、従来の
各種形態の畦に応じられる。その場合も、第1の可動部
材13の回動状態や、トラクタのタイヤ走行位置、又固
定部材11の上下位置を所要に設定することによって、
旧畦の外縁から内側(田面側)に向けて旧畦の削り取り
を行うことができる。そして土盛りロータ70が、前記
と同様にして所要の土の掻き上げを行う。
【0032】旧畦上に、このようにして盛り上げ状態に
土が供給された後、図9に示すように、前記整畦機93
の回転により盛土92が練り上げ状態に締め固められ、
図1に示す畦5が形成されることになる。
【0033】なお本実施の形態においては、図10に示
すように、トラクタの、畦形成機1が付設される側の部
分に、所要重量の重り107を着脱可能としてなる。こ
の重り107は、湿田の整畦を行う場合は取り外すが、
乾田の整畦を行う際には、整畦機93による盛土の締め
固めをより緻密にするために、所要重量分が取り付けら
れて整畦される。このようにすると、畦形成機の重量を
極力軽くしながら、必要時においては重りの装着により
整畦作業の安定を確保して、整畦の品質を向上させるこ
とが可能となる。これにより、畦形成機のコンパクト化
が図られることとなる。
【0034】(その他の実施の態様) 本発明に係る畦形成機は、図2に一点鎖線で示すよ
うに、回転削出刃66を土盛りロータ70よりも、走行
機の進行方向前方に位置させることがある。
【0035】 第1の可動部材13及び第2の可動部
材15は、ボックス状のものが好ましいが、必ずしもこ
れに限定されるものではない。
【0036】 第1の可動部材13及び第2の可動部
材15を所要回動状態で固定させる手段としては、前記
したボルト固定手段の他、各種の公知の固定手段を採用
できる。この中には、支持杆等を介して走行機に固定す
る手段も含まれる。
【0037】 本発明において、回転削出刃による旧
畦の削り取り(符号109で示す)の態様には、図11
に示すように、該旧畦の外側部分110を残す場合があ
る。又、同図に示すように、土盛りロータが、田面部分
112と共に旧畦の内側部分113を削り取る場合があ
る。
【0038】 本発明における整畦機は、前記した回
転式のものの他、盛土部分をその上面及び側面からを叩
く方式のもの等、盛土部分を所要の畦に仕上げる各種タ
イプのものを採用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏す
る。 本発明は、第1の可動部材及び第2の可動部材を、
駆動軸の軸線回りに独立して回動可能となるように設け
ている。従って、修復すべき旧畦の高さに応じて該第1
の可動部材の回動状態を所要に設定することにより、旧
畦の削り取りを所定に行うことができる。又、第2の可
動部材の回動によって土盛りロータを畦から所要に離す
ことにより、タイヤ走行で形成された窪みの幅や深さが
異なる場合であっても、該窪みを極力避けて、所定量の
土の掻き上げを行うことができる。このように本発明に
よるときは、タイヤの幅が異なる場合であっても確実に
整畦でき、又乾田の整畦は勿論のこと、タイヤ走行によ
る窪みが深くなる湿田の整畦であっても、確実且つ容易
に行いうる。
【0040】本発明に係る畦形成機において、固定部材
の上下位置が調節自在とされているときは、その上下位
置を所要に設定することにより、旧畦の高さや旧畦の横
断面形態、旧畦の削り取り量、土質の違い(乾田か湿田
か等による)、走行機のタイヤ幅等の整畦時の諸条件に
一層適合させて、より的確な旧畦の削り取りと土の掻き
上げを行うことができる。
【0041】 本発明においては、土盛りロータの回
転方向を、それが、旧畦から離れる方向に田面に切り入
るように設定しているため、該土盛りロータが、旧畦の
内側部を削りながら土を掻き上げるときも、比較的硬度
の低い内側部から無理なく切り入ることとなる。それ
故、その掻き上げを、それ程負荷のかからない状態で行
うことができる。従って、前記した従来の畦形成機にお
ける如く、駆動装置を大馬力のものに構成する必要がな
い。
【0042】 又本発明においては、土盛りロータの
回転方向を、それが、旧畦から離れる方向に田面に切り
入るように設定しているため、湿り気のある柔らかい田
面の土を主体として、砕かれた状態で掻き上げ、これを
旧畦上に供給できる。従って、整畦機による締め固めに
よって、締まりの良い強度的に安定した畦を形成できる
こととなる。回転ロータを、これとは逆方向に回転させ
る従来の畦形成機によるときは、前記のように、旧畦の
土を裾部から上に向けて掻き上げるために、乾いて硬い
旧畦の土が大きい固まり状態で掻き上げられ易く、整畦
時に盛土を締め固めにくく、木目の荒い強度的に不安定
な畦が形成され易い問題があったのであるが、本発明は
これを解決できる利点を有している。
【0043】 土盛りロータの回転によって掻き上げ
られた土を案内する案内カバーの内部の旧畦上方部分
に、回転削出刃と衝合しないように土誘導板を設ける構
成としたときは、掻き上げられた土を、この土誘導板に
誘導させ、走行機の進行方向後方に向けて旧畦上に排出
させうることになる。
【0044】 案内カバーの取り付け状態を変更可能
とすることにより、該2の可動部材の回動状態が変わっ
た場合や土質が変わった場合にも、案内カバーに案内さ
れた土を旧畦上に正しく供給できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】畦形成機を説明する斜視図である。
【図2】その一部を断面した平面図である。
【図3】固定部材と第1、第2の可動部材と整畦用ケー
シングとの位置関係を説明する斜視図である。
【図4】畦形成機の伝導機構を説明する斜視図である。
【図5】第1と第2の可動部材に関し、駆動軸に対する
枢着部の構造を説明する断面図である。
【図6】回転削出刃と土盛りロータの作用を説明する側
面図である。
【図7】案内カバーの上部支持機構を説明する説明図で
ある。
【図8】案内カバーに設けた土誘導板の付設状態を説明
する斜視図である。
【図9】畦形成機による整畦作用を説明する説明図であ
る。
【図10】トラクタの畦形成機側に重りを着脱する構成
を説明する斜視図である。
【図11】旧畦の他の削り状態を説明する断面図であ
る。
【図12】従来の畦形成機の問題点を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 畦形成機 2 走行機 3 旧畦 5 畦 6 前処理機構 11 固定部材 12 駆動軸 13 第1の可動部材 15 第2の可動部材 31 第1の作業軸 43 第2の作業軸 66 回転削出刃 70 土盛りロータ 72 案内カバー 73 土誘導板 93 整畦機

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機に付設されてその進行方向に、旧
    畦を修復しつつ新たな畦を形成する、前処理機構を具え
    た畦形成機であって、 前記走行機の取付け部に固定される固定部材に該走行機
    の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設
    けると共に、該駆動軸の長さ方向前後に位置させて、第
    1の可動部材と第2の可動部材を、前記駆動軸の軸線回
    りに独立して回動可能となるように設け、且つ該第1の
    可動部材と第2の可動部材を、夫々所要の回動状態で固
    定可能としてなり、又前記第1の可動部材には、前記駆
    動軸と所要距離を隔てて平行する第1の作業軸を配設す
    ると共に、該第1の作業軸を、伝導要素を介して前記駆
    動軸に連結する一方、前記第2の可動部材にも、前記駆
    動軸と平行する第2の作業軸を配設すると共に、該第2
    の作業軸を、伝導要素を介して前記駆動軸に連結してな
    り、 又前記第1の作業軸には、旧畦を所要に削り取る回転削
    出刃を固設する一方、前記第2の作業軸には、該回転削
    出刃によって削り取られた旧畦上に土を供給するため
    に、少なくとも田面部分の土を掻き上げる土盛りロータ
    を固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、前記伝導要
    素を介しての第1の作業軸及び第2の作業軸の回転によ
    り、前記回転削出刃が、旧畦の外側の部分から内側(田
    面側)に向けて旧畦を削り取るように回転し、且つ前記
    土盛りロータが、旧畦から離れる方向に田面に切り入る
    ように回転する如くなし、 又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成す
    ることを特徴とする前処理機構を具えた畦形成機。
  2. 【請求項2】 第1の作業軸及び第2の作業軸にスプロ
    ケットを個別に固設すると共に、それらの各スプロケッ
    トに対応させて2個のスプロケットを所要間隔をおいて
    駆動軸に固設し、第1の作業軸に固設されたスプロケッ
    トとそれに対応する駆動軸側のスプロケットとにチェー
    ンを巻装すると共に、第2の作業軸に固設されたスプロ
    ケットとそれに対応する駆動軸側のスプロケットとにチ
    ェーンを巻装したことを特徴とする請求項1記載の前処
    理機構を具えた畦形成機。
  3. 【請求項3】 土盛りロータの回転によって掻き上げら
    れた土が、該土盛りロータの上方及び旧畦上方に亘って
    配置された案内カバーに案内されて旧畦上に供給される
    ように構成したことを特徴とする請求項1記載の前処理
    機構を具えた畦形成機。
  4. 【請求項4】 案内カバー内の旧畦上方部分に、走行機
    の進行方向後方に向けて凹に湾曲する土誘導板を、回転
    削出刃と衝合しないように設け、土盛りロータによって
    掻き上げられた土がこの土誘導板に誘導されて、走行機
    の進行方向後方に向けて排出され、旧畦上に落下するよ
    うにしたことを特徴とする請求項3記載の前処理機構を
    具えた畦形成機。
  5. 【請求項5】 第2の可動部材の回動状態が変わった場
    合や土質が変わった場合にも、案内カバーに案内された
    土が旧畦上に正しく供給されるようにするために、案内
    カバーの取り付け状態を変更可能に構成されていること
    を特徴とする請求項3又は4記載の前処理機構を具えた
    畦形成機。
  6. 【請求項6】 固定部材の上下位置を調節可能としたこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何ずれかに記載の前処理
    機構を具えた畦形成機。
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