JP3609176B2 - 前処理機構を具えた畦形成機 - Google Patents

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金作 来田
美津子 武田
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美津子 武田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旧畦を修復して新たな畦を形成するに際し、旧畦の上部分を削り取ってそこに土盛りをし、この盛土を整畦機により締め固めて新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旧畦を修復して新たな畦を形成するに際し、風化等によって崩れた旧畦の上部分等を削り取ってそこに土盛りをし、この盛土を整畦機により締め固めて新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機としては、特開昭60−98903号公報が開示するものが提案されている。
【0003】
この畦形成機は、図10に示すように、トラクタに連結した機枠aに、旧畦b上に土盛りする回転ロータcを設け、該回転ロータの進行方向の前方位置に、旧畦の上部分を削り取る回転削出刃dを配設してなる。そして前記回転ロータcは、旧畦の畦際e及び旧畦の内側部分fに、田面側から旧畦側に向けて切り入るようにその回転方向gが設定されていた。このように回転方向を設定していたのは、削出された旧畦上への土の掻き上げを短距離で直接的に行いうるようにするためであったと思われる。又前記回転削出刃は、畦の上面と該削出刃との相対位置を調節して削出深さを適宜選択できるように、調節装置hにより上下調節自在jに構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記構成の畦形成機によるときには、次のような問題があった。
(1) 回転ロータの回転方向を、それが田面側から旧畦側に向けて切り入るように設定していたため、該回転ロータは、硬く締まった旧畦の裾部から上に向けて土を掻き上げることとなる。その為に、回転ロータによる土の掻き上げに大きな負荷がかかることとなり、駆動装置を大馬力のものに構成する必要があった。
【0005】
(2) 又、回転ロータの回転方向がこのように設定されていたことから、主として、乾いて硬い状態にあることが多い畦側の土が旧畦上に供給されることとなる。しかも、旧畦の土を裾部から上に向けて掻き上げるために、土が大きい固まり状態で掻き上げられ易い。このようなことから、整畦時に盛土を締め固めにくく、木目の荒い強度的に不安定な畦が形成され易い問題があった。
【0006】
(3) 前記畦形成機は、回転削出刃を上下動可能に構成しているため、旧畦の上面高さが低い場合には、回転削出刃を下げて旧畦の上部分を削り取ることができる長所を有している。しかし、このように回転削出刃を下げて削出を行った場合には、その部分への土盛り量を、下げた分だけ多くする必要がある。ところが従来の畦形成機によるときは、回転削出刃を下げても、土の掻き上げ量を多くするために回転ロータが自動的に下がるといった仕組みにはなっていない。そのため、盛土量に不足を来し易く、均一に締め固められた強度のある畦を形成し難い問題があった。
【0007】
この場合、整畦装置の全体を下げて、回転ロータの切り込み深さを深くすることはできようが、このようにすると、同時に回転削出刃も必要以上に下がるため、回転削出刃の上下位置を調節し直すことを要し、整畦の作業性を著しく悪化させることになる。又、回転ロータが下がることによって畦際部分が異常に深く削り取られてしまうため、その部分の埋め戻し修復が必要となる不都合も生ずる。
【0008】
(4) 又回転ロータの回転方向を、それが、田面側から旧畦の内側部に向けて切り入るように設定していたため、そのままでは、その回転時に、掻き上げられた土が隣りの田にまで飛散してしまい、掻き上げ土を整畦のために有効に活用できないこととなる。そこで図9に示すような、土の飛散を防止する土受け板kを特別に配設する必要があった。
【0009】
(5) さらに、回転ロータの回転方向をこのように設定していたことから、トラクタのタイヤが旧畦裾部に近接した部分を走行する場合、該回転ロータは、タイヤに踏まれた田面部分の土を掻き上げることになる。特に湿田の整畦の場合は、図10に一点鎖線で示すように、タイヤの走行した部分が20cm〜30cmも深く窪んだ状態mとなることが往々にしてある。このようになると、回転ロータcを如何に下げたとしても、その刃先が窪み部の底面nに接するのさえ困難となり、回転ロータによる土の掻き上げが事実上不可能となって整畦できない事態を招いた。
このように従来の畦形成機によるときは、乾田の整畦には対処できても湿田(乾田も、耕した後に降雨がある等によって容易に湿田状態になってしまう)の整畦には全く対処できなかったのである。
【0010】
本発明は、以上のような従来の畦形成機の問題点を一挙に解決しうる前処理機構を具えた畦形成機の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る前処理機構を具えた畦形成機(以下畦形成機という)は、走行機に付設されてその進行方向に、旧畦を修復しつつ新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機である。そして、前記走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又該可動保持部材には、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなる。そして該第1の作業軸には、旧畦の上部分を削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、少なくとも田面部分の土を掻き上げる(旧畦の内側部の土を削らないで、田面部分の土だけを掻き上げる場合がある)土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の裾部側から田面に切り入るように回転し、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るように回転する如くなし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る畦形成機のより好ましい態様は、走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又該可動保持部材には、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように前記可動挾持部材に配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなる。そして該第1の作業軸には、旧畦の上部分と旧畦の内側部の上部分を一連に削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、旧畦の内側部及び畦際に切り込んで土を掻き上げる土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の内側部からその裾部を経て田面に切り入るように回転する如くなし、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るようになし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る畦形成機の更に好ましい態様は、走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又該可動保持部材には、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなる。そして該第1の作業軸には、旧畦の上部分と旧畦の内側部の上部分を一連に削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、旧畦の内側部及び畦際に切り込んで土を掻き上げる土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の内側部からその裾部を経て田面に切り入るように回転する如くなし、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るようになし、又、該土盛りロータの上方及び畦上方に亘って案内カバーを配置し、前記土盛りロータによって掻き上げられた土が該案内カバーに案内されて旧畦上に盛土される如くなし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とするものである。
【0014】
前記各畦形成機において、その伝導要素を、駆動軸に固設されたスプロケットと、第1の作業軸に固設されたスプロケットと、第2の作業軸に固設されたスプロケットと、これらのスプロケットに巻装されたチェーンとから構成するのがよい。該伝導要素は、ギヤ装置等の他の公知手段で構成されることもある。又、可動保持部材の、畦と対向する側の面を、旧畦上に盛られた土との接触を防止するために凹ませるのがよい。
【0015】
前記各畦形成機において、畦の上面と土盛りロータとの相対位置をより容易に調節できるようにするため、固定保持部材を上下調節自在に構成するのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜2において本発明に係る前処理機構を具えた畦形成機1は、トラクタとしての走行機に付設されてその進行方向に、旧畦3を修復しつつ新たな畦5を形成する、前処理機構6を具えている。
【0017】
該前処理機構6は、図1〜3に示すように、前記走行機の取り付け部7に固定された固定保持部材9に、該走行機の進行方向前方に向けて突出する駆動軸10を設け、該固定保持部材9に、可動保持部材11を、前記駆動軸10の軸線回りに回動可能に枢着してなるものである。
【0018】
前記固定保持部材9は、例えば立方体状のボックスとして形成され、前記駆動軸10が、該固定保持部材9の前後面部に設けた軸受12,13に支持されている。そして図2、図4に示すように、該駆動軸10には、固定保持部材9内において傘歯車15が固設されている。又固定保持部材9の左右には、前記駆動軸10と直交するように入力軸16と整畦駆動軸17をその軸線を合致させて配置し、夫々軸受19,20に支持させてなる。又、入力軸16と整畦駆動軸17に固設した傘歯車21,22を、前記駆動軸の傘歯車15に夫々噛合させ、入力軸16の回転に伴いこの駆動軸10と整畦駆動軸17が回転するように構成されている。
【0019】
前記可動保持部材11は、表裏側から見て略正三角形状の偏平なボックス状をなし、その上部頂点部位の裏面側に設けた回動用筒部23において、駆動軸の軸受12に回転自在に嵌合せしめられ、前記駆動軸10は、該頂点部位の表面側で軸受26に支持されており、該可動保持部材11は、該駆動軸10の軸線回りに回動可能とされている。なおこの可動保持部材11の回動操作は、例えば、図示しない油圧装置によって行うことができる。又、該可動保持部材11の底辺の両端側をなす頂点部位には、第1の作業軸27と第2の作業軸29とが、該可動保持部材11の表裏面部の軸受30,31、32,33に支持されて、前記駆動軸10と平行して前方に突出せしめられている。そして可動保持部材11内において、前記駆動軸10及び第1の作業軸27、第2の作業軸29に、同径のスプロケット35,35,35が固設されており、これら3つのスプロケットにチエーン36が巻装されている(図4)。なお符号37は、チエーン張り用スプロケットである。又本実施例においては、図3、図5に示すように、可動保持部材11の、畦と対向する側の面39を凹ませ、可動保持部材11と旧畦上に盛られた土との接触を防止している。
【0020】
これら駆動軸10、第1の作業軸27及び第2の作業軸29の回転方向F1,F2は、共に同一方向(図5においては反時計回り)とされている。そして、前面側から見て駆動軸の左側に位置し且つ前方に比較的長く突出する前記第1の作業軸27の先端側部分には、図1、図5に示すように、旧畦3の上部分40の全体と旧畦の内側部の上部分41を一連に削り取るなた爪状の削出刃42を周方向に複数個具える、回転削出刃43を固設してなる。この回転削出刃43は、該第1の作業軸27の回転に伴い、図5に示すように、旧畦3をその外側から内側(田面側)に向けて円弧状に削り取る(符号45,46)ように回転F1する。
【0021】
又、駆動軸の右側に位置し且つ比較的短く突出する前記第2の作業軸29の先端側部分には、旧畦上に土を供給するために、旧畦の内側部及び畦際を削り取るなた爪状の複数個の掻上げ刃47を具える、土盛りロータ49を固設してなる。この土盛りロータ49は、駆動軸10の回転に伴い、図5に示すように、旧畦の内側部50からその裾部51を経て田面52に切り入るように回転F2する。この土盛りロータ49の回転によって掻き上げられた土は、土盛りロータの上方及び旧畦上方に亘って配置された案内カバー53に案内され、旧畦の削出凹部55に供給される。
【0022】
又図1〜3において符号56は、走行機の進行方向後方に向けて延びる、表裏側から見て卵形をなす整畦用ケーシングであり、その小径の基端側部分57が前記固定保持部材9に回動可能に取り付けられると共に、整畦駆動軸17の軸受20に回動自在に嵌合せしめられており、該ケーシング56内の先端側部分には、前記整畦駆動軸17と平行して整畦作業軸59が、軸受60,61に支持されて配置されている。そして該ケーシング56内で、この整畦駆動軸17と整畦作業軸59に夫々スプロケット62,62が固設され、両スプロケットにチエーン65が巻装され、前記入力軸16の回転に伴い、スプロケット62,62とチエーン65を介して整畦作業軸59が回転する。そして該整畦作業軸59には、図1〜2、図7に示すように、旧畦上に供給された盛土66を練り上げ状態に固く締め固める回転式の整畦機67が固設されている。該整畦機67は、円柱部69の内外端部に、円錐面を有する内側回転板70と外側回転板71を、軸心を共通にして固定してなる。なお前記整畦用ケーシング56は、図示しないネジ式回転操作具の回転操作により、形成すべき畦高さに応じて適宜回動操作され、その状態で保持される。
【0023】
かかる構成を有する畦形成機によって湿田の整畦を行う要領を次に説明する。図5は、旧畦の上面の高さに応じて、可動保持部材11が所要の回動状態に設定され、その状態で固定されて、回転削出刃43と土盛りロータ49が反時計回りに回転している様子を示す。この図においては、トラクタ(走行機)のタイヤが旧畦裾部に近接した部分を走行して、畦際に窪み72が生じている。該回転削出刃43の回転によって、旧畦の上部分40の全体と旧畦の内側部の上部分41が一連に削り取られる。又土盛りロータ49の回転によって、その左側回転部分49aで、旧畦の内側部から畦際に向けて旧畦の土が細かく砕かれながら削り取られ(符号73,74)、細かく砕かれた湿り気のある田面の土が、その右側回転部分49bで掻き上げられ、前記案内カバー53に案内されて旧畦の削出部分に盛土66(図1、図7)されている。
【0024】
図6は、湿田状態がより強く、トラクタ(走行機)のタイヤの走行によって、畦際に、より深い窪み72が生じている場合を示す。図5に示す場合は、窪みが比較的浅いために、土盛りロータの回転によって、窪み部の底部分72aの土を掻き上げることができるが、このように深い窪みが形成されると、該窪み部分では、土盛りロータ49による土の掻き上げは行えないことになる。そのため、この窪み72をできるだけ避けて土の掻き上げをより効率的に行いうるように、可動保持部材11を、図5に示す状態から反時計回りに所要角度回動させ、その状態で可動保持部材11を位置固定している。なお、このように可動保持部材11を回動させた場合の土盛りロータの軌跡と、図5に示す土盛りロータ49の軌跡との違いを明確にするために、図6において、図5の場合の軌跡を一点鎖線で示している。
これにより、回転削出刃43による削出量は多くなるが、反時計回りに回動した土盛りロータの前記右側回転部分49bによる掻き上げ量を多くできる(実線と一点鎖線で囲まれた部分の土量が増える)ため、所要量の掻き上げ量を確保できることとなる。
因みにこの場合、可動保持部材11を回動させないとすると、図7に示す状態となって、土盛りロータの前記右側回転部分49bが空を切る状態が生じ、所要量の掻き上げ量を確保できないこととなる。
【0025】
本実施の形態において、畦の上面と土盛りロータとの相対位置をより容易に調節できるようにするため、固定保持部材を上下調節自在に構成するのがよい。
【0026】
旧畦上に、このようにして盛り上げ状態に土が供給された後、図8に示すように、前記整畦機67の回転により盛土が練り上げ状態に締め固められ、図1に示す畦5が形成されることになる。
【0027】
図9は、旧畦3の上部分を回転削出刃で削り取るに際して、該旧畦3の外側部分を残して(符号75で示す)削り取った場合(符号76)を示すものである。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明は、可動保持部材を、固定保持部材に対し駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着しているため、乾田の整畦は勿論のこと湿田の整畦であっても、次の理由により、確実且つ容易に行いうる利点が顕著である。
即ち、走行機のタイヤが旧畦の裾部に近接した部分を走行する場合、湿田においては、タイヤの走行した部分に20cm〜30cmもの深さの窪みが生ずることが往々にしてあるが、可動保持部材を所要角度回動させて土盛りロータを畦裾部から離すことにより、窪んだ田面部分をできるだけ避けて、その内方側の部分の土を掻き上げることが可能となり、従って、整畦に必要な土量を旧畦上に供給できることとなるからである。
【0029】
(2) 本発明においては、土盛りロータの回転方向を、それが、旧畦の裾部から離れる方向に田面に切り入るように設定しているため、該土盛りロータが、旧畦の内側部を削りながら土を掻き上げるときも、比較的硬度の低い内側部から無理なく切り入ることとなる。それ故、その掻き上げを、それ程負荷のかからない状態で行うことができる。従って、前記した従来の畦形成機における如く、駆動装置を大馬力のものに構成する必要がない。
【0030】
(3) 又本発明においては、土盛りロータの回転方向を、それが、旧畦の裾部から離れる方向に田面に切り入るように設定しているため、主として、湿り気のある柔らかい田面の土を、細かく砕かれた状態で旧畦上に供給できる。従って、整畦機による締め固めによって、締まりの良い強度的に安定した畦を形成できることとなる。
回転ロータを、これとは逆方向に回転させる従来の畦形成機によるときは、前記のように、旧畦の土を裾部から上に向けて掻き上げるために、乾いて硬い旧畦の土が大きい固まり状態で掻き上げられ易く、整畦時に盛土を締め固めにくく、木目の荒い強度的に不安定な畦が形成され易い問題があったのであるが、本発明はこれを解決できる大きな利点を有している。
【0031】
(4) 又本発明においては、土盛りロータの回転方向を、それが、旧畦の裾部から離れる方向に田面に切り入るように設定しており、且つ回転削出刃の回転方向を、それが、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るように設定している。そのため、その回転時に、掻き上げられた土が隣りの田にまで飛散する不都合がなく、従来の畦形成機におけるような特別な土受け板を要さずして、掻き上げた土を整畦のために有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】畦形成機を説明する斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】固定保持部材と可動保持部材と整畦用ケーシングとの位置関係を説明する斜視図である。
【図4】畦形成機の伝導機構を説明する斜視図である。
【図5】回転削出刃と土盛りロータの作用を説明する側面図である。
【図6】回転削出刃と土盛りロータの作用を説明する側面図である。
【図7】可動保持部材を回動させない場合の問題点を説明する断面図である。
【図8】整畦機による整畦作用を説明する説明図である。
【図9】旧畦の他の削り取り状態を示す断面図である。
【図10】従来の畦形成機を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 畦形成機
3 旧畦
5 畦
6 前処理機構
9 固定保持部材
10 駆動軸
11 可動保持部材
27 第1の作業軸
29 第2の作業軸
43 回転削出刃
49 土盛りロータ
53 案内カバー
67 整畦機

Claims (6)

  1. 走行機に付設されてその進行方向に、旧畦を修復しつつ新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機であって、
    前記走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又該可動保持部材には、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなり、該第1の作業軸には、旧畦の上部分を削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、少なくとも田面部分の土を掻き上げる土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、前記伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の裾部側から田面に切り入るように回転し、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るように回転する如くなし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とする前処理機構を具えた畦形成機。
  2. 走行機に付設されてその進行方向に、旧畦を修復しつつ新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機であって、
    前記走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように前記可動保持部材に配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなり、該第1の作業軸には、旧畦の上部分と旧畦の内側部の上部分を一連に削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、旧畦の内側部及び畦際に切り込んで土を掻き上げる土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、前記伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の内側部からその裾部を経て田面に切り入るように回転する如くなし、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るようになし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とする前処理機構を具えた畦形成機。
  3. 走行機に付設されてその進行方向に、旧畦を修復しつつ新たな畦を形成する、前処理機構を具えた畦形成機であって、
    前記走行機の取り付け部に固定された固定保持部材に、該走行機の進行方向前方或いは後方に向けて突出する駆動軸を設けると共に、該固定保持部材に、可動保持部材を、前記駆動軸の軸線回りに回動可能に枢着し、又該可動保持部材には、前記駆動軸と平行する第1の作業軸と第2の作業軸を、これらの軸が三角形の各頂点を形成するように配設し、該第1の作業軸と第2の作業軸を伝導要素を介して前記駆動軸に連結してなり、該第1の作業軸には、旧畦の上部分と旧畦の内側部の上部分を一連に削り取る回転削出刃を固設する一方、第2の作業軸には、旧畦上に土を供給するために、旧畦の内側部及び畦際に切り込んで土を掻き上げる土盛りロータを固設してなり、前記駆動軸の回転に伴う、前記伝導要素を介しての前記第1の作業軸及び第2の作業軸の回転により、前記土盛りロータが、旧畦の内側部からその裾部を経て田面に切り入るように回転する如くなし、且つ前記回転削出刃が、旧畦の外側から内側(田面側)に向けて旧畦を削り取るようになし、又、該土盛りロータの上方及び畦上方に亘って案内カバーを配置し、前記土盛りロータによって掻き上げられた土が該案内カバーに案内されて旧畦上に盛土される如くなし、又、旧畦上の盛土を整畦機により締め固めて畦を形成することを特徴とする前処理機構を具えた畦形成機。
  4. 伝導要素が、駆動軸に固設されたスプロケットと、第1の作業軸に固設されたスプロケットと、第2の作業軸に固設されたスプロケットと、これらのスプロケットに巻装されたチェーンとからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の前処理機構を具えた畦形成機。
  5. 可動保持部材の、畦と対向する側の面を、旧畦上に盛られた土との接触を防止するために凹ませたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の前処理機構を具えた畦形成機。
  6. 固定保持部材を上下調節自在としたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の前処理機構を具えた畦形成機。
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