JP2750719B2 - 低周波治療器等の電極材 - Google Patents

低周波治療器等の電極材

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JP2750719B2
JP2750719B2 JP63331791A JP33179188A JP2750719B2 JP 2750719 B2 JP2750719 B2 JP 2750719B2 JP 63331791 A JP63331791 A JP 63331791A JP 33179188 A JP33179188 A JP 33179188A JP 2750719 B2 JP2750719 B2 JP 2750719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低周波治療器等の人体に貼布して使用される
電極材に関する。
〔従来の技術〕
人体に直接貼布して使用される所謂生体用電極材には
種々のものがある。例えば、従来からよく使用されてい
る粘着剤に金属微粉末、炭素繊維、金属繊維、炭素粉末
や種々の金属塩等を混合したものを導電性粘着剤として
使用し、その支持基材にポリエステルフィルムなどのプ
ラスチックコートに導電性インクで回路をプリントして
使用するものや、アルミニウム等の金属薄板をそのまま
支持基材にしたもの、また、ゴム中に導電性のカーボン
粉や金属粉を多量に充填して導電性ゴムシートとしたも
のが用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の粘着剤に帯電防止剤、カーボン繊維や粉、金属
粉などを混合したものを、導電性粘着剤として使用した
場合、導電材の多量に入っている部分はよく導電し、少
量の部分は導電しにくいものとなり、ムラの起こりやす
いものしかできなかった。又、全体によく通電させるた
めには、きわめて多量の導電材を混入させれば導電性能
は向上するが、一方粘着剤としての基本的な機能である
粘着性が失われるという問題があった。一方、導電性ゴ
ムを粘着剤の支持基材として用いる場合、導電材を多量
に入れなければ、導電性が発揮されない。しかし、多量
に混入させるとゴム本来の柔らかさや可撓性が失われ、
その結果、生体用電極材として性能上不可欠な体面への
密着性が悪くなるという問題があった。又、導電性イン
クでプリント回路を設けたポリエステルフィルムなどの
プラスチックシート基材は人体に貼ったときその切断端
面が肌をちくちく刺激するという問題もあった。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題を解決するため、本発明の電極材は、カーボ
ン不織布の表面にイオン導電性粘着剤を密着し、裏面に
軟質発泡体を接着剤を介して貼着したものである。
本発明に使用されるカーボン不織布は、目付10g/m2
200g/m2のものが使用でき、あまり目の粗いものは導電
性が悪く、逆に目の過密な剛性の強いものは適当でな
い。
又、軟質発泡体は軟質ポリ塩化ビニル発泡体、1,2−
ポリブタジエン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重合発
泡体などが好適に使用できる。本発明における発泡体は
軟質のものであればゴム系、プラスチック系を問わず使
用できるものである。
次に、本発明に用いられるイオン導電性粘着剤につい
て説明する。本発明の該粘着剤は長期間安定に良好な粘
着性、導電性を有するものを使用する。その詳細は次の
ようなものである。
すなわち、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレ
タンポリオールプレポリマー又は/及びアルキレンオキ
サイド鎖を有するポリオールとアルキレンオキサイド鎖
を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマー
とを反応させて成るアルキレンオキサイドセグメントポ
リウレタンにイオン化合物を含有させてなるものであ
る。
上記ポリウレタンポリオールプレポリマーは、例えば
下記の構造式(I)、ポリオールは例えば下記の構造式
(II)〜(IV)で表され、これを単独又は混合して使用
する。
またポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーは
例えば下記の構造式(V)〜(VIII)を単独又は混合し
て使用する。
これら各々のプレポリマーは−OH基又は−NCO基の官
能基を有しており、この官能基が反応して粘着性を有す
る貫入型(Interpenetrated Network)のセグメントポ
リウレタンが形成される。
個々で構造式(I)〜(IV)のポリオールとしてのプ
レポリマーについて記述する。
構造式(I)はポリエーテルポリオールとジイソシア
ネートの反応物であるポリウレタンポリオールプレポリ
マーである。両末端成分がポリエーテルポリオールから
なり、両末端は−OH基である。ここで使用されるジイソ
シアネート化合物は後に記載のポリウレタンポリイソシ
アネートのプレポリマーの中のそれと同じものである。
例えばフェニレンジイソシアネート、2,4−トルイレン
ジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、テト
ラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添
加TDI、水素化MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタンp,
p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが
任意に使用できる。
構造式(II)はグリセロール(l=1)またはソルビ
トール(l=4)にポリエーテルポリオールを付加(ad
duct)したものである。(III)はトリメチロールプロ
パンにポリエーテルを付加したものである。同様に1,2,
6−ヘキサントリオール トリメチロールエタン ペンタエリスリットC(CH2OH)4やポリグリセリン n=2〜30の正の整数〕やその部分エステルなどの多価
アルコールとポリエーテルポリオールの付加物も使用で
きる。
この場合(AO)はホモポリマーであってもブロックコ
ポリマーあるいはランダムコポリマーであってもよい。
構造式(IV)はアルキレンオキサイド鎖を有するポリエ
ーテルポリオールであり、両末端が−OH基の場合と、片
末端がアルキル基、芳香族基などで封鎖されている場合
があり、市販品として容易に入手できる。
(但し、R1,R2はアルキル化合物、脂環式化合物、芳香
族化合物のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサ
イド鎖である。) 構造式(IV) RO−(AO)−H (但し、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rは
水素原子もしくは、アルキル化合物、脂環式化合物、芳
香族化合物のいずれか、lは1〜4の整数である。) (但し、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物
のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサイド鎖、
lは1〜4の整数である) ポリイソシアネートプレポリマーは(V)〜(VIII)
の式で表される。(V)−1,(V)−2はトリメチロー
ルプロパン、グリセロールにジイソシアネートと反応し
て得られるトリイソシアネートの2分子を(AO)の1分
子で2量化したもので4官能であるテトライソシアネー
トである。トリメチロールプロパンの代わりにグリセロ
ールを用いたものが(V)−2である。この種のテトラ
イソシアネートは(AO)の2分子又は3分子でトリイソ
シアネートが2量化され易いので反応を微妙に調節する
必要がある。そのため未反応のトリイソシアネートが混
在するが、ポリオールと反応した場合にセグメントポリ
ウレタン分子の大きさのバラツキが生じ粘着性をコント
ロールするのに都合のよい方に作用することもある。
(VI)はポリオールである(II)にジイソシアネートを
反応させたものである。(VII)は同様に(III)にジイ
ソシアネートを反応したものであり、3官能である。
(VIII)はポリエーテルポリオールとジイソシアネート
の反応物で2官能である。
構造式中(AO)で表記されるアルキレンオキサイド鎖
について記述する。
アルキレンオキサイド鎖はセグメントポリウレタンが
常温にて粘着性物質であること、粘着力、保持力、タッ
クなどの粘着特性に優れたものであること、及びイオン
化合物とセグメントとのハイブリッドが高いイオン伝導
率を有するゴム状態の無定形相を形成するという目的か
ら、そのほとんど乃至全てが常温で液体状態の化合物で
あるのが良い。
アルキレンオキサイド鎖を構成する化合物は、例えば
ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
ングリコール、ポリヘプタメチレングリコールなどが挙
げられる。しかしエーテル酸素のメチレン基の炭素数に
対する比率が比較的大きくて、イオン化合物と錯体を形
成する機会の大きいこと、および常温で液状物質として
入手する機会の多いことなどを考慮すればポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールが好ましい。またこれらの共重合体例
えば (但し、l,m,nは1以上の整数) で表されるポリマーも使用できる。これらの共重合体は
ブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれであ
ってもよい。この場合、一つのプレポリマー中のセグメ
ントが異なった種類のアルキレンオキサイド鎖で構成さ
れていてもよい。
アルキレンオキサイド鎖のそのほとんど乃至全てが常
温で液体状態の物質であることから、分子量の上限が規
制される。ポリエチレングリコールはMW:150〜1000、好
ましくは300〜800であり、ポリプロピレングリコールは
分子量が数万でも依然として液体であり、使用できる範
囲は広いが、末端基の比率が小さいと反応確率が低くな
り、またあまり長鎖である場合は粘着剤が流動性に富
み、保型性が乏しくなるので望ましくはない。好ましく
は大略200〜数1000の範囲が使用できる。ポリテトラメ
チレングリコールは重合度が大きいと固体となるために
大略MW300〜3000の範囲が使用できる。また、これらの
共重合体はポリプロピレングリコールと同様に分子量が
数100〜数1000の範囲が使用できる。
さて、前述のポリオール又はポリイソシアネートの各
々のプレポリマーはそれを構成するセグメントであるア
ルキレンオキサイド鎖が常温で固体であれば、それ自身
が固体であり、液体であればそれ自身が液体であると大
略言えるものである。この事実はセグメントの直鎖分子
が分子量の大半を閉めるものについて、更に確かであ
る。ポリオールとポリイソシアネートの両方のプレポリ
マーが、ともに常温で粘稠な液状であれば反応によって
得られるセグメントポリウレタンは粘着性のある樹脂と
なる。しかし、その一方が固体であるか、両方がすこぶ
る粘稠な液体乃至半固体であれば反応により得られるセ
グメントポリウレタンは常温で粘着性の無い固体状の樹
脂となるので、本発明には適さない。但し、セグメント
が全て液体である場合には、これとは別に半固体乃至は
固体状のプレポリマーを粘着性の調整のために一部混合
してもよい。
一方、これとは逆に常温で液体のセグメントであって
も、低分子量のセグメントのみで構成されたプレポリマ
ーの反応物であるセグメントポリウレタンの場合は、粘
性の高い粘着剤とはならない。というのは、セグメント
長の短いものばかりで構成されたものは、液状セグメン
トの分子がウレタン結合の分子の交錯点、つまり結び目
の点により、拘束されて自由に運動することを束縛され
るためである。換言すれば、網目鎖濃度の高い状態では
セグメントが液状であっても弾性の優位な粘弾性体とな
り、比較的粘着力、保持力の乏しい粘着剤となる。その
ためセグメントの一部乃至その多くが適度の分子長を有
していることが充分な粘着性を発言するために不可欠で
あり、その長さが先述の値であると言える。そしてこの
充分に長い鎖長のアルキレンオキサイド鎖はそのエーテ
ル酸素が種々のイオン化合物と錯体を形成する「場」と
して有効であり、これによってイオン伝導性が発現され
る。
さて、ポリオールとポリイソシアネートの反応比につ
いて以下に記述する。経験的に言えば、粘着物質の分子
集合体は比較的嵩高い構造の分子が適当な分子量を有
し、且つ自由に運動可能であるセグメント長、または直
鎖(linear)の末端分子を多く有していることが必要で
ある。従って、ポリオールとポリイソシアネートは各々
が単一化合物であれば一方が2官能で、他の一方が3官
能以上の化合物の組み合わせである必要がある。どちら
かが1官能であれば連鎖しない。2官能同士では直鎖分
子となり、プレポリマーにはじめから分岐がなければ嵩
高い分子の集合とならず、適当でない。つまりどちらか
一方が2官能で他が3官能以上の多官能であるか、互い
に3官能以上の組み合わせが良い。但し、いずれもあま
り官能数が大きすぎるものの反応物の場合は網目鎖濃度
が高すぎるので、余程長いセグメントが存在しないと、
弾性が粘性を上回って好ましい粘着性は得られ難い。良
好な粘着性が得やすい官能数は大略2〜4のそれぞれの
組み合わせであると言える。この場合であれば、粘着性
の微調整のために官能基が一つのものを嵩高さを増すた
めに混合して使用できる。また、ポリオール、ポリイソ
シアネートプレポリマーの(AO)鎖がかなり長いものば
かりの場合は、多官能の多価アルコール、又は多価イソ
シアネート〔いずれも(AO)セグメントをもたない〕を
混用してもよい。
ポリオールとポリイソシアネートの各々のプレポリマ
ーの反応比は末端の官能基の比率すなわちOH/NCOの価に
よって規制できる。未反応の−NCOが残ると後反応が生
じるのでOH/NCOは1以上でなければならない。経験的に
は、1≦OH/NCO≦5で良好な粘着剤が得られる。OH/NCO
が1以上5以下の状態では嵩高い分子の集まりにおいて
末端にOH基を有する直鎖セグメントが尾(tail)を出し
て自由に運動している状態であると想像できる。5に近
い程freeの尾が長くて多い状態である。そしてこのポリ
マー分子は粘着性を発現するに適した大きさとなって集
合している。粘着剤の粘着物質を構成するポリオールと
ポリイソシアネートの分子量の範囲は(AO)、イソシア
ネートの種類、分子形状および(AO)がホモポリマーで
あるか、コポリマーであるかによって広い範囲で変わる
が、ポリウレタンポリオールプレポリマーで大略1400〜
1000、ポリオールで大略150〜6000、ポリウレタンポリ
イソシアネートプレポリマーは大略500〜10000である
が、好ましくは各々大略1000〜6000、300〜3000、大略1
000〜6000の範囲で選択できる。
次にアルキレンオキサイド鎖を形成するポリエーテル
ポリオールのエーテル酸素と錯体を形成してイオン伝導
性を発現する解離可能なイオン化合物について記述す
る。アルキレンオキサイドのエーテル酸素はカルボン酸
のH+とコンプレックスを形成することはよく知られてい
る。同様にLi+などの金属イオンとコンプレックスを形
成してイオン伝導体となることはよく知られている。こ
れらの金属塩を列挙すれば、次のようなものがある。例
えば、NaCl、KCl、LiCl、LiClO4、NH4Cl、KClO4、AlC
l3、CuCl2、CuCl、FeCl2、FeCl3、NH4SO4、KNO3、NaN
O3、NaCO3、LiBF4、BaBF4、KBF4、NaSCN、KSCN、LiSC
N、NH4SCN、RbSCN、CsSCN、LiSO3CF3、,NaI、KI、LiI、
NaBr、KBr、LiBr、CH3COOLi、CF3COOLi、CF3CF2CF2COOL
i、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダなど多数
のものがある。これらのうち(AO)のエーテル酸素と錯
体を形成しやすいアルカリ金属塩が好適に使用される。
またアルカリ金属塩のうちリチウム化合物は良いイオン
伝導性を示す。例えば、LiCl、LiClO4、LiBF4、LiSO3CF
3などである。このうち、LiClO4は(AO)や可塑剤に溶
解しやすくまた入手が容易であるので、特に実用的であ
る。但し、生体電極材など人体の皮膚表面に貼付する用
途の場合は安全性を考慮して選択される。また錯体を形
成して分子分散されるためにプレポリマー(主としてア
ルキレンオキサイド)に溶解することも選択の一つの条
件である。かかる種々のイオン化合物はポリオールプレ
ポリマーにあらかじめ混合、溶解しておき、それをポリ
イソシアネートと混合して反応してもよい。また反応後
に粘着剤をこれらイオン化合物の水溶液または有機溶媒
中に浸漬して、その後水溶液または溶媒を乾燥、除去す
る方法をとってもよい。これらイオン化合物の配合量は
セグメントのアルキレンオキサイドの種類と比率によっ
て変わるが、経験的にはエーテル酸素が大略5〜30に対
して錯体を形成するイオン数が1個の割合で配合すれば
よい。これより多い場合は錯体形成によりセグメントの
運動が抑制され難くなるため粘着性が低下する。一方少
ない場合は導電性が低下する。また、必要に応じてジメ
トキシポリエーテルグリコール(例えはジメトキシテト
ラメチレングリコール)などの可塑剤をタック付与を目
的として添加してもよい。かかる物質を配合すると、ア
ルキレンオキサイド鎖の部分の分子間力が阻害され、ゴ
ム状態になりやすく、イオン伝導性の向上につながる。
尚、ポリオールとポリイソシアネートの反応の触媒と
して、例えばジブチル錫ジラウリレートやトリアルキル
アミン、トリエチレンジアミンなどの第3級アミンを適
量(およそ0.01〜0.5%)加えることで反応速度を調節
しても良い。
以上のような粘着剤はアルキレンオキサイドをセグメ
ントに有する貫入型(Interpenetrated Network Polyme
r)のセグメントポリウレタンである。そのセグメント
のほとんどは常温で液体であり、粘着性の発現のために
適度の長さを有している。また網目状(Network)分子
の外側には末端基に−OHを有するアルキレンオキサイド
直鎖がかなり自由に分子運動している。このNetwork Po
lymerは嵩高い構造であるが分子量としては強度の高い
固体状の樹脂となるほどまで大きくはない。このような
分子の集合体が粘着性を発現している形態であると考え
られる。そしてアルキレンオキサイドのエーテル酸素は
上記のイオン化合物のカチオン分子と相互作用(錯体形
成)してイオンを分子分散(溶解)する。このような錯
体を形成した粘着剤に電位を与えるとポリマーと錯体を
形成しているイオンが移動して電流が流れる。つまりイ
オンの伝導により粘着剤が導電性を発現する。この場合
の導電率は大略10-3〜-7Ω-1cm-1(抵抗値が103〜7Ωc
m)であり、他の導電性プラスチックと言われるものに
比しても、かなり良い導電性を示す。本粘着剤の原料で
あるポリオール、ポリイソシアネートは低分子のモノマ
ーとは異なり、分子量の比較的高いプレポリマーであ
り、粘性の高い液状物質である。取り扱い時の粘度調
整、イオン化合物の溶解のために溶剤を使用してもよい
が、無溶媒の状態で使用できる。従って、アクリル系粘
着剤のような残留モノマーや残留溶剤による安全性のト
ラブルを回避できる。このことは人体の体表に貼付する
用途にとって殊に有効である。粘着剤の構成分子である
アルキレンオキサイド、つまりポリエーテルポリオール
は一般的にいって人体への安全性が高いことが確認され
ている。同様にこれをセグメントに有するポリウレタン
もまた安全性が高く、医療用高分子材料として実用され
ている。またポリエーテルポリオールの種類を選択する
ことにより、セグメントの親水性、疏水性のバランスを
調節でき、ウレタン結合による分子のフレキシビリティ
が加わり、透明度が高く皮膚に対して密着性がよく、柔
軟で馴染みが良く、低刺激性の粘着剤となる。従つて、
人体に貼付する用途に適しており、イオン導電体として
は、生体電極材として好適である。この場合、粘着性、
導電性、安全性、材料としての安定性、経済性など全て
を充足した新規材料となり得るものである。
〔作用〕
本発明の構成によれば、カーボン不織布の表面にイオ
ン導電性粘着剤が密着されているので、まず低周波治療
器からの電気エネルギーが、導電性の優れたカーボン不
織布を通り体面にピッタリ貼り付けられたイオン導電性
粘着剤に伝わるもので、従来の粘着剤に導電材を混した
電極材のようて導電性能のムラがなく、しかも粘着性能
を全く低下させることがない。又、粘着材と不織布との
柔軟性をそのまま保持しつつ、しかも適度な保型性を持
たせるため、不織布の裏面には接着材を介して軟質発泡
体が貼着してあるものである。
従って、電極材として全体的が柔軟性を保持しつつ、
導電性の優れたものとなるのである。
〔実施例1〕 本発明の電極材の一実施例を図面に沿って説明する。
第1図において、1は電極材、2はイオン導電性粘着剤
である。該粘着剤の製法は後述する。3はカーボン不織
布である。カーボン不織布3の表面に上記粘着剤が貼り
付けられている。該カーボン不織布3は東レ製(商品名
トレカマップ)で目付け50g/m2、厚さ約0.4mmのものを
大きさ4cmの正方形に打ち抜いたものである。該不織布
の一辺には突出部6が設けられており、ここにSUS製の
端子用スナップ7が取付けられ、これにリード線8が接
続され、リード線8の他の端は低周波治療器(不図示)
に取付けられている。
該不織布3の裏面には軟質発泡体4として1,2−ポリ
ブタジエン発泡体がゴム系の接着剤を介して接着されて
いる。該発泡体4は密度0.125g/cm3、厚さ約1mmで、大
きさは不織布3と略同じである。更に、該発泡体4の外
側には表皮材5が接着されている。該表皮材5はナイロ
ントリコット起毛布であり、厚さ0.45mmで上記発泡体4
と同じ大きさにカッティングされている。
次に粘着材2の製法について詳述する。
下記構造式(1)のポリウレタンポリオールプレポリ
マーおよび下記構造式(2)のポリオールと下記構造式
(3)のポリウレタンポリイソシアネートプレポリマー
とイオン化合物として過塩素酸リチウム及び触媒(ジブ
チル錫ラウレート)とを下記表−1に示す配合割合で混
合し、常温で反応させてイオン導電製粘着剤を得た。こ
れを基板上に厚さ約1.5mmの薄板状に塗布し、室温乃至7
0℃程度に加熱して反応硬化させた後、カーボン不織布
と密着させた。
構造式(2) HO−(AO)−H (但し、上記構造式中R1、R2、R3はアルキル化合物、脂
環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、(AO)は
アルキレンオキサイド鎖である。) 〔実施例2〕 第2図は本発明の電極材の他の実施例を示す斜視図で
ある。10は径45mm、厚さ約10mmの小型低周波治療器であ
って、小型電源からの電気エネルギーを昇圧パルスとし
て発生させるものである。2,2′はイオン導電性粘着剤
であり、実施例1で説明したものと同様のものである。
3,3′はカーボン不織布で目付30g/m2、厚さ0.3mm(東レ
製、商品名トレカマット)であり、4は軟質発泡体、す
なわちエチレン酢酸ビニル共重合発泡体で密度0.1g/c
m3、厚さ1.2mmである。上記イオン導電製粘着剤をカー
ボン不織布に貼り付けたものを第2図の如く略半月状に
打ち抜き、又、上記軟質発泡体4を45mmに打ち抜き、該
発泡体4の一方の面に上記カーボン不織布の面をゴム系
接着剤で貼着し、他方の面に軟質ポリ塩化ビニルのフィ
ルム5を接着剤を介して貼着する。
小型低周波治療器10の上には、次のような積層体があ
る。すなわち軟質ポリ塩化ビニルフィルム5、軟質発泡
体4、その上に略半月状の2つのカーボン不織布3,3′
に同型のイオン導電性粘着剤2,2′を貼り付けたものが
間隔を保ってのせてある。該治療基10と該積層体とはSU
S製のスナップ7,7′で取付けられており、該スナップは
端子の役目もしている。従って、電流は該スナップ7,
7′を通してカーボン不織布に流れ、カーボン不織布に
貼着されているイオン導電性粘着剤に伝わってゆくもの
である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の電極材は柔軟製を有している
ので体の凹凸部や折曲部などにも無理なく追従し、しか
も粘着材にカーボン粉や金属粉などを混入していないた
め、粘着性能の低下がなく、しかもイオン導電性粘着材
の裏面にはカーボン不織布が存在するため、導電性能に
も優れているものである。従って、本発明の電極材を低
周波治療器などに使用した場合、体の首や肩などの曲面
部位であってもよく付着し、体を動かしてもすぐ剥がれ
たり、又電気エネルギーが人体に伝わりにくくなるなど
の問題が起こらないものである。また電極材全体が柔ら
かい材料のみで構成されているので、体を刺激するなど
ないので、すこぶる快適に低周波治療器を使用すること
ができるなど多くの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す電極材の斜視図、第2
図は小型低周波治療器に本発明の電極材を取付けた状態
を示す斜視図、第3図は第2図のX−X線断面図(但
し、小型低周波治療器の内部は不図示)である。 1…電極材、2,2′…イオン導電性粘着材、3,3′…カー
ボン不織布、4…軟質発泡体、7,7′…端子用スナッ
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−123591(JP,A) 特開 昭62−139628(JP,A) 実開 昭62−192708(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボン不織布の表面にイオン導電性粘着
    剤を密着し、裏面に軟質発泡体を接着剤を介して貼着し
    たことを特徴とする低周波治療器等の電極材。
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