JP2934778B2 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、グリベンクラミドを特定分子構造のセグメ
ント化ポリウレタン粘着剤に含有せしめた経皮吸収製剤
に関する。
〔従来の技術〕
グリベンクラミド(C23H28ClN3O5S)は糖尿病に対す
る薬理効果の大きい薬物であり、これまでは経口や注射
により投与されていた。しかし、経口や注射の場合は、
薬物放出量のコントロールが困難であり、最初の肝臓通
過により薬物の崩壊が起こり、有効率が低いという欠点
があった。そこで、本発明者らは、患部に近い体表に貼
付けることによりグリベンクラミドを経皮吸収させて局
部投与する経皮吸収製剤の研究開発に着手した。
一般に経皮吸収製剤は、その基材が薬物を少なくとも
薬理学的有効量に放出率を乗じた量だけ含有できるこ
と、薬物放出量のコントロールの観点から薬物を均一に
溶解して含有できること、皮膚に対する密着性が良く皮
膚との界面が本質的に連続してスムーズに薬物が溶解し
た状態で皮膚側に移行できること、基材の人体に対する
安全性が高いこと等の諸条件を満たす必要がある。従っ
て、薬物を含有させる基材の選択、説明が極めて重要と
なる。
ところで、従来の経皮吸収製剤は、その基材としてゴ
ム系やアクリル系の粘着剤を使用したものが一般的であ
り、特殊な例としてシリコーン系の基材を使用したもの
もある。上記のゴム系粘着剤はゴム成分(例えばNR,IR,
SBR)に粘着付与剤であるロジン系,クマロン−インデ
ン系、テルペン系などの樹脂と、軟化剤であるポリブテ
ン、ポリイソブチレン、ナフテン系オイルなどの液状の
低分子量のポリマーを添加したものであり、上記のアク
リル系粘着剤は、同様に粘着剤として要求される粘着成
分、凝集成分、改質成分の基本的三成分を各々(メタ)
アクリル酸のアルキルエステルの構成により調整したも
のである。
けれども、グリベンクラミドを含有させる基材として
上記の粘着剤を使用して経皮吸収製剤を作製する場合
は、次のような問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
即ち、上記のゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤に、グ
リベンクラミドのような常温で固体の薬物を単に混合し
て含有させる場合は、薬物が固体状態ではうまく放出さ
れないので、満足な経皮吸収製剤を得ることはできな
い。従って、常温で固体の薬物は液状成分である粘着付
与剤や軟化剤に溶解させるか、或いは予め薬物を溶剤に
溶解したものを混合することによって、粘着剤中に含有
させる必要がある。
しかし、グリベンクラミドは例えばジメチルホルムア
ミド等には溶解するが、それ以外の溶剤には溶けにく
く、水、粘着付与剤、軟化剤等には殆ど溶けないため、
薬理学的有効量のグリベンクラミドを上記の粘着剤に含
有させるには、予めグリベンクラミドをジメチルホルム
アミドに溶解して粘着剤に混合せざるを得ない。けれど
も、このようにして作製される経皮吸収製剤は、粘着剤
に含まれるジメチルホルムアミドが貼付時に皮膚から吸
収されるという問題がある。また、ゴム系接着剤を使用
した経皮吸収製剤では、液状の粘着付与剤や軟化剤も皮
膚から吸収される危惧があり、アクリル系接着剤を使用
した経皮吸収製剤では、残留モノマーの人体への毒性が
問題となる。
本発明は上記問題に鑑みてされたもので、その目的と
するところは、人体への安全性が高く、柔軟で皮膚に対
する密着性に優れ、貼付したときの触感や馴染感が良
く、充分な粘着力を有し、しかも充分量のグリベンクラ
ミドを単独で均一に溶解して含有させることができ、そ
の放出のコントロールと効率が良い、グリベンクラミド
含有経皮吸収製剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、セグメント化ポリウレタン粘着剤が、エチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合
体よりなる液状のセグメントである場合には、グリベン
クラミドを単独で容易に溶解させることができ、放出の
コントロールや効率も良好であるという新たな事実を見
出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の経皮吸収製剤は、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドのランダム共重合体よりなる液
状のセグメントを有するセグメント化ポリウレタン粘着
剤に、グリベンクラミドを溶解させて含有せしめたこと
を要旨とするものであって、このようにセグメント化ポ
リウレタンの特定の液状セグメントにグリベンクラミド
の溶解を委ねたところに本発明の本質が存在する。
本発明においてグリベンクラミドを含有させるセグメ
ント化ポリウレタン粘着剤は、例えば下記の構造式
(I)〜(IV)で示されるポリオール成分の一種又は二
種以上と、構造式(V)〜(VIII)で示されるポリイソ
シアネート成分の一種又は二種以上とを反応させて得ら
れる、粘着性を備えた貫入形(Interpenetrated Networ
k)のセグメント化ポリウレタンである。なお、構造式
の但し書き中、EOはエチレンオキサイド、POはポリプロ
ピレンオキサイドである。
(但し、R1,R2はアルキル化合物、脂環式化合物、芳香
族化合物のいずれかであり、(AO)はEO,POからなるラ
ンダム共重合体のアルキレンオキサイド鎖である。) (但し、(AO)はEO,POからなるランダム共重合体のア
ルキレンオキサイド鎖であり、lは1又は4の整数であ
る。) 構造式(IV) RO−(AO)−H (但し、(AO)はEO,POからなるランダム共重合体のア
ルキレンオキサイド鎖であり、Rは水素原子、アルキル
化合物、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであ
る。) (但し、構造式(V)〜(VIII)中、Rはアルキル基、
脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、(AO)
はEO,POからなるランダム共重合体のアルキレンオキサ
イド鎖、lは1又は4の整数である。) まず、構造式(I)〜(IV)のポリオール成分から説
明すると、構造式(I)−1、(I)−2はポリエーテ
ルポリオールとジイソシアネートの連鎖の反応物である
ポリウレタンポリオールプレポリマーであって、その両
末端成分がポリエーテルポリオールからなり、両末端は
−OH基である。そして、その分子量は常温ないし体温付
近で液状を示す程度の大きさである。ここに使用される
ジイソシアネート化合物は、後述するポリウレタンポリ
イソシアネートプレポリマーの中のそれと同じものであ
り、例えばフェニレンジイソシアネート、2,4−トルイ
レンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
水添加TDI、水添加MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタ
ンp,p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等
が任意に使用される。
構造式(II)はグリセロール(l=1)又はソルビト
ール(l=4)にポリエーテルポリオールを付加(addu
ct)したものであり、構造式(III)はトリメチロール
プロパンにポリエーテルを付加したものである。同様
に、 ペンタエリスリットC(CH2OH)(但し、nは2〜30の整数)やその部分エステルなどの
多価アルコールとポリエーテルポリオールの付加物も使
用できる。
構造式(IV)はアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
エーテルポリオールであって、このうち両末端が−OH基
であるジオールは、セグメント化ポリウレタン粘着剤の
主鎖を形成するため用いられる場合にはランダム共重合
体である。しかし、その片末端が例えばメチル基で封鎖
されたモノオールの場合は分岐鎖成分として使用され、
後述するようにタック付与剤として作用するものであ
る。
更にイソシアネート成分について説明すると、構造式
(V)−1はトリメチロールプロパンにジイソシアネー
トを反応して得られるトリイソシアネートの2分子を
(AO)の1分子で2量化した4官能のテトライソシアネ
ートである。また、構造式(V)−2はトリメチロール
プロパンの代わりにグリセロールを用いて得られるテト
ライソシアネートである。この種のテトライソシアネー
トは、(AO)の2分子又は3分子でトリイソシアネート
が2量化され易いので反応を微妙に調節する必要があ
る。そのため未反応のトリイソシアネートが混在する
が、ポリオールと反応した場合にセグメント化ポリウレ
タン分子の大きさのバラツキが生じ、粘着性をコントロ
ールするのに都合のよい方に作用することもある。
構造式(IV)は構造式(II)のポリオールにジイソシ
アネートを反応したもの、構造式(VII)は構造式(II
I)のポリオールにジイソシアネートを反応したもので
あり、共に3官能である。また、構造式(VIII)はポリ
エーテルポリオールとジイソシアネートの反応物で2官
能である。
構造式(I)〜(IV)のポリオール及び構造式(V)
〜(VIII)のイソシアネートにおいて(AO)で表記され
るアルキレンオキサイド鎖は、セグメント化ポリウレタ
ン粘着剤の主鎖となるものであって、グリベンクラミド
の溶解性や放出性、粘着特性や柔軟性などに優れたセグ
メント化ポリウレタン粘着剤を得るためには、この(A
O)がエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイ
ド(PO)のランダム共重合体よりなる液状のセグメント
であることが必要となる。アルキレンオキサイド鎖が全
てEOやPOのホモポリマーであったり、これらのブロック
共重合体であれば、たとえ液状であってもグリベンクラ
ミドが溶解しにくいため満足な経皮吸収製剤を得ること
ができない。
EOのホモポリマー(ポリエチレングリコール)は分子
量が大略1000以下で常温ないし体温付近において液状を
呈し、POのホモポリマー(ポリプロピレングリコール)
は分子量が数万でも依然として液状である。EOとPOのラ
ンダム共重合体は分子量が高くても液状であるが、ラン
ダム共重合体としての(AO)の分子量があまり高すぎる
と、末端基の比率が小さくなるため反応確率が低くな
り、また長鎖になるためセグメント化ポリウレタンが流
動性に富み保型性に劣るものとなるので望ましくない。
一方、液状でも分子量があまり低すぎると、アルキレン
オキサイド鎖(AO)がウレタン結合の分子の交錯点、つ
まり結び目の点により拘束されて自由に運動することを
束縛されるため、粘着力や柔軟性に優れたセグメント化
ポリウレタンを得ることはできない。従って、アルキレ
ンオキサイド鎖を構成するEOとPOのランダム共重合体の
分子量は、大略150〜数千以下、望ましくは大略200〜20
00の範囲に設定するのがよい。
アルキレンオキサイド鎖(AO)を形成するランダム共
重合体には、例えば−(PO−EO−EO−PO)−、−(PO
−PO−EO)−、−(EO−EO−PO)−、−(EO−PO−
EO−PO)−(交互共重合体)〔但し、mは1以上の整
数〕等で示されるようなものがある。また、ランダム共
重合体は、その鎖中に架橋に関与しないウレタン結合を
介在したものであってもよい。これらのランダム共重合
体からなる液状のセグメントは、後の作用のところで詳
述するようにグリベンクラミドの溶解性が極めて良好で
あり、特にウレタン結合を介在したものは溶解性がより
一層良好である。
前記の構造式(I)〜(III)で示されるポリオール
や、構造式(VI)〜(VII)で示されるイソシアネート
のように、複数のアルキレンオキサイド鎖(AO)を有す
る場合であっても、本質的に全ての(AO)はランダム共
重合体であることが望ましいが、しかし薬物の溶解性を
阻害しない範囲でブロック共重合体やホモポリマーを一
部に含むことも本発明の技術思想を逸脱するものではな
い。その場合、他のアルキレンオキサイドポリマーは例
えば常温で液状物質として入手しやすいポリエチレング
リコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、
ポリブチレングリコール(PBG)などのホモポリマー
や、これらのブロック共重合体で構成すればよい。しか
し、グリベンクラミドの溶解性や放出性の観点からは、
全ての(AO)やランダム共重合体であることが最も望ま
しい。
次に、ポリオールとポリイソシアネートの反応比につ
いて説明する。経験的に言えば、セグメント化ポリウレ
タン粘着剤は、嵩高い分子構造をもち、且つ自由に運動
可能であるセグメント長、または直鎖(linear)の末端
分子を多く有していることが必要である。従って、ポリ
オールとポリイソシアネートは各々が単一化合物であれ
ば一方が2官能で、他の一方が3官能以上の化合物の組
合わせとする必要がある。どちらかが1官能であれば連
鎖しないし、2官能同士では直鎖分子となり、プレポリ
マーに初めから分岐がなければ嵩高い分子の集合となら
ず、適当でない。つまりどちらか一方が2官能で他が3
官能以上の多官能であるか、互いに3官能以上の組合わ
せが良い。但し、いずれもあまり官能数が大きすぎる反
応物の場合は網目鎖濃度が高すぎるので、余程長いセグ
メントが存在しないと、弾性が粘性を上回って好ましい
粘着性は得られ難い。良好な粘着性が得やすい官能数は
大略2〜4のそれぞれの組合わせであると言える。その
場合、粘着性を調整するために官能基が一つのものを混
合して嵩高さを増すことができる。そのために混合する
のが、前記の構造式(IV)で示されるポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル(M−PEG)であり、このも
のはタック付与剤として作用する。このM−PEGは液状
で粘着性を発現するに適した鎖長を有する必要があるの
で、その分子量が大略150〜1000、望ましくは大略200〜
600の範囲にあるものが使用される。
ポリオールとポリイソシアネートの各々のプレポリマ
ーの反応比は、末端の官能基の比率、即ちON/HCOの価に
よって規制できる。未反応の−NCOが残ると後反応が生
じるので、OH/NCOは1以上でなければならない。経験的
には、1≦ON/NCO≦3で良好な粘着性を有するセグメン
ト化ポリウレタン粘着剤が得られる。OH/NCOが1以上3
以下の状態では嵩高い分子の集まりにおいて末端にOH基
を有する直鎖セグメントが尾(tail)を出して自由に運
動している状態であると想像でき、3に近い程freeの尾
が長くて多い状態となる。そしてこのポリマー分子は粘
着性を発現するのに的した大きさとなって集合してい
る。
同様に、分岐鎖のM−PEGも自由に運動している状態
にあり、粘着性を発現するに適した鎖長を有している。
従って、この分岐度〔P−OH/M−PEG〕を増減すれば粘
着性を調節することができる。分岐度が小さ過ぎると粘
着性の向上に殆ど寄与せず、あまり大きすぎると未反応
が残り却って粘着性の低下を招く傾向があるので、分岐
度の範囲は直鎖状のポリオールに対してP−OH/M−PEG
(mol比)が約2/1〜2/5となるように調節することが望
ましい。
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分の分子量
の範囲は、(AO)やイソシアネートの種類、分子形状な
どによって広い範囲で変わるが、ポリウレタンポリオー
ルプレポリマーで大略1400〜10000、ポリオールで大略1
50〜6000、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマ
ーで大略500〜10000であり、好ましくは各々大略1000〜
6000、300〜3000、1000〜6000の範囲で選択できる。な
お、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの分子
量は、既述したように大略150〜1000、望ましくは大略2
00〜600の範囲で選択できる。
本発明の経皮吸収製剤は、既述のごときジオール以上
の多官能のポリオール、又は該ポリオールとポリエチレ
ングリコールモノメチルエーテルにグリベンクラミドを
溶解させ、これにイソシアネートと必要に応じて触媒
(ジブチル錫ジラウレート等)を加えて撹拌混合し、こ
の混合液をポリエステルフィルム等の基材フィルム上に
流延してポリオールとポリイソシアネートを反応させる
ことにより製造されるものである。従って、この経皮吸
収製剤は、EOとPOのランダム共重合体よりなる液状のセ
グメントを主鎖としてウレタン結合により結束した貫入
型セグメント化ポリウレタン粘着剤の上記液状セグメン
トに、グリベンクラミドが溶解状態で均一に含有された
構造をしており、ポリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルを含む場合はウレタン結合部分から延びる分岐鎖
が形成されている。
グリベンクラミドの含有量は、薬理学的有効量に放出
率を乗じた量以上であればよいが、一応の目安としては
経皮吸収製剤の単位面積(cm2)当たり0.01〜1.0mg程度
の力価に調整することが望ましい。
〔作 用〕
以上のような構成の本発明の経皮吸収製剤は、グリベ
ンクラミドを含有させるセグメント化ポリウレタン粘着
剤が、既述したような人体に無毒のポリオール成分とイ
ソシアネート成分を反応させた基本的に一成分系の粘着
剤であり、ブリードアウトする遊離成分がないので、人
体に対する安全性が極めて高いものである。このこと
は、セグメント化ポリウレタンが人工心臓に使用されて
おり、また生態適合性材料として盛んに研究されている
物質であることからも明らかである。
しかも、グリベンクラミドの溶解性が良好で、セグメ
ント化ポリウレタン粘着剤の液状セグメントの親和性の
高い部分、つまりSP値(Solubility Paramater)の近い
部分に均一に溶解される。即ち、グリベンクラミドは、
液状セグメントを構成するランダム共重合体(交互共重
合体を含む)の互いに隣接するEOやPOのモノマーユニッ
トのミクロな単位で会合し、あたかも低分子化合物の溶
剤に会合して溶解した様相を呈する。そして、これらの
連鎖の効果によるポリマー効果によって低分子化合物の
溶剤以上の溶解効果を示すことは驚くべき事実である。
特にランダム共重合体は、セグメント分子間の分子間力
が作用するのを妨げ、分子鎖のモノマーユニットでミク
ロな自由回転運動をするため凝集力が小さく、そのため
微細な濃度分布を生じた状態でグリベンクラミドを溶解
させるのに極めて好都合であり、また、ランダム共重合
体が鎖中に架橋と無関係なウレタン結合を有する場合
は、極性の強いグリベンクラミドが該ウレタン結合部分
に引き寄せられるので、溶解にはより一層好都合であ
る。従って、充分量のグリベンクラミドを溶剤を用いな
いで容易に直接溶解できるので、溶剤が皮膚から吸収さ
れるという問題は完全に解決される。
このように溶解したグリベンクラミドは、ランダム共
重合体よりなる液状セグメントが上記のようにミクロな
単位で活発に分子運動しているため移動し易い状態にあ
り、溶解度のバランスによって濃度の低い皮膚と粘着剤
の界面から皮膚内へ効率よく徐放される。特にEOとPOの
ランダム共重合体はEOが親水性、POが疎水性であるた
め、この親水性・疎水性のバランスによりグリベンクラ
ミドがセグメント化ポリウレタン粘着剤の表面へスムー
ズに移行し、放出性が極めて良好である。
また、本発明の経皮吸収製剤は、セグメント化ポリウ
レタン粘着剤の主鎖が液状で自由に運動し得るEOとPOの
ランダム共重合体であるため、ホモポリマーやブロック
コポリマーからなる粘着剤よりも粘着特性、柔軟性、皮
膚に対する密着性等に優れており、タック付与剤を用い
なくても充分使用に値するものが得られる。タック付与
剤として作用する液状のM−PEGよりなる分岐鎖を有す
る場合は、これらの特性が更に向上し、貼付したときの
触感や馴染み感が頗る良好である。そして、本発明のよ
うに主鎖がEOとPOのランダム共重合体であると、粘着力
が適度で剥離の際に皮膚の角質を剥がす心配が殆どな
く、長期に連続使用してもカブレの原因となることは少
ない。
〔実施例〕
次に本発明経皮吸収製剤の実施例を挙げる。
(実施例1) プロピレングリコールとエチレングリコールのランダ
ム共重合体(分子量:400)100部(重量部、以下同様)
とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子
量:400)60部に対して、グリベンクラミドを1.8%(重
量%、以下同様)溶解させた後、プロピレングリコール
とエチレングリコールのランダム共重合体をグリセリン
に付加した化合物にヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)を反応させて得られたトリイソシアネート(分
子量:1900)210部を加え、よく撹拌して混合した。
次いで、これを減圧下に脱泡した後、ポリエステルフ
ィルム上に流延し、60度で一昼夜放置することにより、
グリベンクラミドを含有する厚み100μのセグメント化
ポリウレタン粘着剤を得た。そして、この表面に離型紙
を貼合わせた後、50cm2の大きさに打ち抜き、約4mgのグ
リベンクラミドを含有する経皮吸収製剤を作製した。
この経皮吸収製剤の離型紙を取り去り、ラットの腹部
に貼付して、製剤からのグリベンクラミドの放出を調べ
たところ良好な放出特性を示した。
(実施例2) プロピレングリコールとエチレングリコールのランダ
ム共重合体(分子量:1800)100部に対して、グリベンク
ラミドを1.0%溶解させた後、プロピレングリコールと
エチレングリコールのランダム共重合体をグリセリンに
付加した化合物にキシリレンジイソシアネート(XDI)
を反応させて得られたトリイソシアネート(分子量:185
0)40部と、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.1部
を加え、よく撹拌して混合した。
次いで、これを減圧下に脱泡した後、ポリエステルフ
ィルム上に流延し、60℃で一昼夜放置することにより、
グリベンクラミドを含有する厚み120μのセグメント化
ポリウレタン粘着剤を得た。そして、この表面に離型紙
を貼合わせた後、65cm2の大きさに打ち抜き、約5.5mgの
グリベンクラミドを含有する経皮吸収製剤を作製した。
この経皮吸収製剤の離型紙を取り去り、ラットの腹部
に貼付して、製剤からのグリベンクラミドの放出を調べ
たところ良好な放出特性を示した。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明の経皮吸収製
剤は、人体への安全性が高く、柔軟で皮膚に対する密着
性に優れ、貼付したときの触感や馴染感が良く、剥離の
際に皮膚の角質を剥がさない程度の充分な粘着力を有
し、しかも薬理学的有効量に放出率を乗じた量以上のグ
リベンクラミドを単独で容易に溶解させることができ、
貼付時にはほぼ一定の割合で効率よくグリベンクラミド
を放出して経皮吸収させることができるといった顕著な
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−181207(JP,A) 特開 昭61−167615(JP,A) 特開 昭62−86076(JP,A) Diabetes Res Cli n.Pract.,5(2), (1988),p.159 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/64 A61K 9/70 A61K 31/34 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンオキサイドとプロピレンオキサイ
    ドのランダム共重合体よりなる液状のセグメントを有す
    るセグメント化ポリウレタン粘着剤に、グリベンクラミ
    ドを含有せしめたことを特徴とする経皮吸収製剤。
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