JP2750718B2 - 摺動部材の組合せ - Google Patents

摺動部材の組合せ

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JP2750718B2 JP63331756A JP33175688A JP2750718B2 JP 2750718 B2 JP2750718 B2 JP 2750718B2 JP 63331756 A JP63331756 A JP 63331756A JP 33175688 A JP33175688 A JP 33175688A JP 2750718 B2 JP2750718 B2 JP 2750718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ. 産業上の利用分野 本発明は、摺動部材の組合せに関し、例えば、油圧装
置の回転部分に使用して好適な、摺動部材の組合せに関
する。
ロ.従来技術 自動車のオートマチックトランスミッションは、油圧
クラッチ部や軸受け部に作動油を供給する油圧回路部を
有し、この油圧回路部は回転軸部を主要部としている。
油圧回路部のハウジングの材料としては、軽量化のため
にアルミニウム合金が使用され、特にダイカスト用アル
ミニウム合金ADC12が多用されている。
回転軸とハウジングとの間のシールには、従来から合
い口を第6図に示すような鉤段付き合い口8aとした鋳鉄
製シールリング8や単純な直角合い口を持つ4弗化エチ
レン樹脂(PTFE)のシールリングが使用されている。
鋳鉄は、ADC12との摺動相性が良好で、互いに摺動さ
せても両者共に摩耗が少なく、また鉤段付きシールリン
グとすることにより、シールリングを回転軸に装着した
とき、合い口の両鉤部が互いに掛り合うことによってシ
ールリングの拡張する外形が制約され、ハウジング内へ
の回転軸挿入が容易になる。その結果、装着に熟練要し
ない、或いは特殊な治工具も不要であるという利点があ
る。然し、ADC12のハウジング内周面への追従性が劣る
ことから、オートマチックトランスミッション内の油温
上昇に伴って油の粘度が低下すると、シール性が悪くな
り、油漏れがPTFEシールリングの役100倍に達するよう
になる。
PTFEシールリングは、ハウジング内周面への追従性は
良好であるが、軟質のADC12のハウジングに対して摺動
相性が悪く、短時間の運転でハウジングに異常摩耗が起
こることが多いという欠点がある。更に、小さな外力に
よって容易に変形するので、ハウジングへの挿入に際
し、変形や破損を起こすことがある。
ハ. 発明の目的 本発明は、ハウジングへの追従性及び組付け性が良好
で、且つ、互いに摺動しても両部材共に摩耗が少ない、
シールリングとハウジングの組合せを提供することを目
的としている。
ニ. 発明の構成 本発明は、充填剤としてチタン酸カリウム繊維10〜35
重量%、黒鉛粉末5〜25重量%を含有するポリエーテル
・エーテルケトン樹脂でなるシールリングとアルミニウ
ム合金でなるハウジングとの組合せとすることによっ
て、目的を達成する。
ホ. 発明の作用効果 この発明のシールリングの主要材料は、エンジニアプ
ラスチックのうちで特に曲げ弾性率が高く(13500kg/cm
2でPTFEの約10倍)、自己張力を有するポリエーテル・
エーテルケトン樹脂(PEEK)とした。ポリエーテル・エ
ーテルケトン樹脂のシールリングは、上記性質により、
組付け性が良好である。更に、シールリングの機械的強
度を改善するため、チタン酸カリウム(K2TiO2O13)繊
維を、個体潤滑剤として黒鉛粉末を含有させる。
チタン酸カリウム繊維は、径0.3〜2μm、長さ5〜2
0μmのものを10〜35重量%(以下、重量%を単に
「%」で表す。)含有させるのが良く、黒鉛粉末は平均
粒径1〜30μmのものを5〜25%含有させるのがよい。
主要材料のポリエーテル・エーテルケトン樹脂は60〜80
%とするのが良い。
ポリエーテル・エーテルケトン樹脂は60%未満では成
形性が悪くなり、これが80%を越えると充填剤の含有量
が少なくなって後述する充填剤の効果が顕著でなくな
る。
チタン酸カリウム繊維の含有量が10%未満では機械的
強度の改善の効果が顕著でなく、これらが35%を越える
と成形性が悪くなる。
黒鉛粉末含有量が5%未満では、潤滑性が不足して充
分には耐摩耗性が改善されず、これらが25%を越えると
摺動面からの黒鉛粉末の脱落が多くなって機械的強度も
低下する。
本願発明のシールリングは、ポリエーテル・エーテル
ケトン樹脂を主要材料としているので、ハウジングへの
追従性が良好で、前述のPTFEの摺動部材と同等の優れた
シール性を示し、液体のシールを行うシールリングとし
て好適である。また、充填剤としてのチタン酸カリウム
繊維によって機械的強度が改善され外力によって容易に
変形することがなくて組付け時の取扱が容易であり、耐
摩耗性も良好となる。更に黒鉛粉末の含有により、これ
が潤滑材として作用し、シールリング、ハウジング共に
摩耗が少なくなる。
ヘ. 実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 ポリエーテル・エーテルケトン樹脂粉末に、平均粒径
約1μm、長さ5〜20μmのチタン酸カリウム繊維を20
%、粒径1〜30μmの黒鉛粉末を10%配合して混合し、
この混合粉を、射出成形が容易になるように、粒子の短
径約1mm、長径約1.5mmの造粒粉とした。この造粒粉を、
射出圧力1600kg/cm2、射出時間10秒、スクリュー回転数
55rpm、ノズル温度390℃、冷却時間30秒の条件でシール
リング素材を成形した。
この素材に仕上げ加工を施して表面粗さを6sにし、第
1図に示すような、呼び径Dが50mm、幅Bが、2.2mm、
厚さTが2.2mmのシールリングとした。第1図はシール
リングの使用状態での拡大斜視図で、合い口3a(4a)は
直角合い口とし、合い口隙間Cは0.2mmとしてある。
このシールリングを第2図の要部概略断面図で示す試
験器に組付け、摩耗試験及びシール試験を行った。図
中、2は構造用炭素鋼S45C製の回転軸で、壁面を表面粗
さ6sに切削仕上げされたリング溝2a、2bが設けられ、リ
ング溝2a、2b間にはオイル通過のための円弧状環状溝2c
が設けられている。リング溝2a、2bに夫々第1図のシー
ルリング3、4を装着し、これらを、ダイカスト用アル
ミニウム合金ADC12からなり、表面粗さ6sに仕上げられ
た内径50mmのシリンダ1内に嵌入させた。シールリング
3,4は、適度の剛性を有していて、上記組付けは容易に
なされた。シリンダ1には、回転軸2の環状溝2cに対向
して、オイル導入孔1aとオイル吐出口1bとが対称に180
度の位置に設けられている。
回転軸2を6000rpmの回転数で回転させ、流動点−40
℃、粘度計数150のオートマチックトランスミッション
用オイルを図示しないオイルバスにて120℃に加熱し、
このオイル5を図示しないオイルポンプによって10kg/c
m2の油圧でオイル導入口1aからシリンダ1内のシールリ
ング3,4間の空間へ導入し、オイル吐出口1bから吐出さ
せた。この運転を50時間連続して行い、シールリング3,
4の摩耗量、回転軸2のリング溝2a、2bの壁面(シール
リング3,4と接触する面)の摩耗量及びシリンダ1の摺
動面の摩耗量を測定すると共に、漏れたオイルを漏斗6
を経由してメスシリンダ7に捕集させ、オイル漏れを経
時的に測定した。
比較のために、シールリング3,4に鋳鉄(ピストンリ
ング用ねずみ鋳鉄)製のシールリング又は充填材として
ポリイミド粉末を含有させたPTFE製のシールリングを使
用し、同様の試験を行った。
摩耗量は、触針走査方式の表面粗さ計を使用して求め
た。第3図に、シリンダ1の内周面摩耗を例に挙げて、
上記表面粗さ計によって記録された表面凹凸を示すプロ
フィールチャートを示す。
第4図は摩耗量測定結果を示すグラフである。第4図
から次のことが解る。
ポリイミド粉末含有PTFEのシールリングを使用した比
較例では、シールリング摩耗、シリンダ摩耗ともに大き
く、特にシールリング4に対するシリンダの摺動面は異
常摩耗を起こし、第3図のチャートでスケールアウトを
起こして測定不能であった。これに対し、実施例では、
鋳鉄製シールリングを使用した比較例よりも若干摩耗が
少なく、良好な耐摩耗性を示している。
第5図はオイル漏れ測定結果を経時的に示すグラフで
ある。鋳鉄製シールリングを使用した比較例では、前述
のように摩耗量は少ないのであるがオイル漏れは非常に
大きい。これは鋳鉄製シールリングはシリンダ内周面へ
の追従性が悪いことによるものである。これに対して、
実施例では、シールリングのシリンダ内周面への追従性
が良好で、ポリイミド粉末含有PTFE製シールリングを使
用した比較例と同程度の良好なシール製を有している。
以上のように、比較例は耐摩耗性シール性のいずれか
が悪いのに対し、本実施例では、耐摩耗性、シール性の
双方に共に優れていて、油圧回路部の摺動部材の組合せ
として頗る好適である。
また、実施例の、第2図の回転軸2の材料をダイカス
ト用アルミニウム合金ADC12とした場合も、前記実施例
と同様の良好な耐摩耗性を、シール性を示した。また、
これにより一層の軽量化が実現する。
以上の例は、オートマチックトランスミッションの油
圧回路部についての実験であるが、本発明は、その他、
例えばメカニカルシールや圧縮装置、減圧装置内の摺動
部品の組合せに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明の実施例を示すものであって、 第1図はシールリングの使用状態での拡大斜視図、 第2図は摩耗試験及びシール試験に供した実験装置の要
部概略断面図 第3図は表面粗さ計による摺動表面の凹凸プロフィール
の一例を示すチャー 第4図は摩耗量測定結果を示すグラフ 第5図はオイル漏れ量を経時的に示すグラフ 第6図は従来の鋳鉄製シールリングの拡大部分正面図で
ある。 なお、図面に示された符号において、 1……シリンダ 1a……オイル導入口 1b……回転軸 2a,2b……リング軸 2c……オイル通過用環状溝 3,4……シールリング 3a,3b……合い口 5……オイル 6……漏斗 7……メスシリンダ である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 103:06 107:32) C10N 10:02 10:06 10:08 20:06 40:02 40:04 50:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充填材としてチタン酸カリウム繊維10〜35
    重量%、黒鉛粉末5〜25重量%を含有するポリエーテル
    ・エーテルケトン樹脂からなるシールリングとアルミニ
    ウム合金製ハウジングでなる摺動部材との組み合わせ。
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