JPS6261826B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6261826B2
JPS6261826B2 JP56147244A JP14724481A JPS6261826B2 JP S6261826 B2 JPS6261826 B2 JP S6261826B2 JP 56147244 A JP56147244 A JP 56147244A JP 14724481 A JP14724481 A JP 14724481A JP S6261826 B2 JPS6261826 B2 JP S6261826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piece
sliding surface
fixed piece
contact sliding
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56147244A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5850363A (ja
Inventor
Akira Takenaka
Keiichi Shimazaki
Yasumitsu Kuwatsuru
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd, Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP56147244A priority Critical patent/JPS5850363A/ja
Priority to US06/419,575 priority patent/US4416458A/en
Publication of JPS5850363A publication Critical patent/JPS5850363A/ja
Publication of JPS6261826B2 publication Critical patent/JPS6261826B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/34Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member
    • F16J15/3404Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal
    • F16J15/3408Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal at least one ring having an uneven slipping surface
    • F16J15/3412Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member and characterised by parts or details relating to lubrication, cooling or venting of the seal at least one ring having an uneven slipping surface with cavities

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は固定部と該固定部に関して回転自在の
回転軸間に形成するメカニカルシール、さらに詳
しくはコンプレツサの回転軸の軸封部に形成する
メカニカルシール、特にカークーラ用斜板式コン
プレツサの回転軸の軸封部に形成するメカニカル
シールに適するものである。
かかる固定部と回転軸間に形成するメカニカル
シールは、一般に固定部側に気密に固定され、回
転軸との間に若干の間隙を設けて配設した固定片
と、回転軸側に気密に連結され、回転軸とともに
回転せしめられる回転片とを有し、回転片を固定
片に圧接摺動せしめることにより、気体または液
体の洩れを防止する構成を採用している。また前
記固定片は固定部材に固定される環状のもの(シ
ートリング)に形成され回転軸は固定片の中心孔
中に配設され、回転片は回転軸に気密に装着され
る気密部材を介して回転軸にその中心孔を緩装し
て装着される環状のもの(従動リングまたは回転
リング)に形成され、回転軸に装着されるスプリ
ングの弾力によつて該回転片の一表面に畝状に突
出せしめた環状のシール面が前記固定片の一表面
に圧接摺動せしめられるように構成されるのが一
般的な構成である。
上記構成のメカニカルシールは、固定片および
回転片(従動リング)に耐摩耗性と強度が要求さ
れるため、回転片には焼成カーボン、合成樹脂と
カーボンの複合材料等が使用され、一方固定片
(シートリング)にはステライト、ステンレス、
高珪素鋳鉄などが使用されるのが一般的である。
斜板式コンプレツサ、回転式コンプレツサ、レ
シプロ式コンプレツサ等のカークーラ用コンプレ
ツサにおいては、ガス状の冷媒を圧縮して吐出
し、コンデンサで凝縮させ、エバポレータにおい
て気化膨張したガス状の冷媒を再び吸入口からシ
リンダ内に吸入する閉回路内で圧縮作用を行うも
のである。さらに詳細について斜板式コンプレツ
サで説明すると、潤滑油はコンプレツサハウジン
グ内で霧化されて、冷媒とともに、ピストンとシ
リンダ間、斜板とピストンシユー間等の潤滑を必
要とする部分に送られる。しかしながら潤滑油の
量が多いと圧縮された冷媒とともにコンデンサお
よびエバポレータ等を含む閉回路を循環してクー
ラの冷却効率を損うため、冷媒から潤滑油を完全
に分離することは至難であるが潤滑油を冷媒から
分離するか潤滑油量を減らす要請があり、しかも
コンプレツサ自体を車載の都合上小型化軽量化す
る要請があるために、オイルポンプを省略したコ
ンプレツサも存在する。
さらにカークーラ用コンプレツサは内燃機関に
より駆動されるものであるから、内燃機関のアイ
ドリング時の毎分500回転から高速走行時または
急加速時の毎分6500回転までの広範な回転数範囲
で非定常的に運転駆動されるばかりでなく、その
作動条件は変動が多い。これに加えてコンプレツ
サ回転軸の軸封部分に装着される軸封装置(メカ
ニカルシール)の摺動部への潤滑油供給は、潤滑
油量を減らすことにより極めて困難となり、該軸
封部のメカニカルシール作動条件は苛酷となり、
メカニカルシールの摺動部材はコンプレツサを含
む冷凍回路内に封入した潤滑油と冷媒のガスのミ
スト状混合物よる潤滑によるも潤滑不十分であつ
て、潤滑油が摺動面に介在しない固体接触の回転
摺動も発生する作動条件となる。
本発明は上記の点に鑑み、極めて小量の潤滑油
をメカニカルシールの固定片と回転片の間の摺動
面に保有させて固体接触の危険をなくし、かつガ
スおよび油の洩れを極めて大幅に減少せしめるこ
とを目的とするものであつて、前記メカニカルシ
ールの固定片および回転片の何れか一方を、その
接触摺動面がビツカース硬さにして350Hv以上の
硬度を有し、その表面に最大長径が30μm以下の
微細な孔を形成した金属材料のものとし、かつ前
記孔は、前記接触摺動面を先端部に半径2μmの
丸みを付した接触針を有する表面粗さ測定器によ
り走査してその粗さを縦倍率20000倍横倍率100倍
に拡大表示させた粗さ表示曲線上において、その
表示曲線の平均線に平行で±0.25mm離れたレベル
のピークカウントレベル線を引き、その低レベル
のレベル線を前記表示曲線が交叉する2点間にお
いてその高いレベルのレベル線を前記表示曲線が
交叉する点が1回以上存在したときを1つの孔と
して、前記接触摺動面上における2.5mmの測定長
につき100個ないし270個形成されていることを特
徴とするものである。
第1図は本発明を実施するに適したメカニカル
シールの一部欠截側面図、第2図は第1図−
線に沿う断面正面図であつて、コンプレツサのシ
リンダヘツド等の支承体1に形成された軸受孔2
にはコンプレツサ等の回転軸3がメカニカルシー
ル4によつて回転自在に支承されているところを
示す。
メカニカルシール4の固定片(シートリング)
5は円環状の板状材により形成され、その周面に
形成した環状の凹溝6に嵌着せしめたOリング7
により前記軸受孔2に嵌装され、該軸受孔2の周
面と固定片5との間を密にシールする。回転軸3
に形成した段部にはプレス成形された支体8がそ
の中心孔9により回転軸3にほぼ垂直の面内に係
合せしめられるとともに、前記支体8には複数本
の脚片10を回転軸3にほぼ平行せしめて一体に
形成し、該脚片10の自由端に形成した突起11
を前記回転軸3に遊嵌せしめた環状の回転片(回
転リング)12の外周に形成した凹所13に係合
せしめている。
回転片12は、前記回転軸3に遊嵌される中心
孔14を有する環状体に形成され、その軸方向の
一側面には前記固定片5の接触摺動面15に接触
する環状の接触摺動面16が、他側面は環状の座
面17および中心孔14より大径の凹所18がそ
れぞれ形成され、前記座面17にゴム等の環状パ
ツキング19を介して環状の座板20が軸方向に
当接せしめられ、該座板20と支体8との間に螺
旋スプリング21が介装せしめられてその弾力で
回転片12の接触摺動面16を固定片5の接触摺
動面15に圧接せしめている。なお回転片12の
凹所18には回転片12と回転軸3との間をシー
ルするOリング22が嵌着せしめられており、固
定片5は軸受孔2の周壁に刻設した環状凹溝に嵌
着せしめた止め輪23によつてスプリング21の
弾力により支承体1に関しその位置を定められ
る。また回転片12の接触摺動面16には、一端
を中心孔14に開口し他端を接触摺動面16の半
径方向のほぼ1/2の位置に達せしめた放射状溝2
4が多数刻設せしめられている。
上記のメカニカルシールは、回転軸3が回転す
ると回転片12は支片8との係合により回転軸3
に従動回転し、スプリング21の弾力によりその
接触摺動面16を固定片5の接触摺動面15に摺
動せしめつつ回転せしめられ、軸受孔2の気密は
両接触摺動面15,16およびOリング7,22
によつて保たれる。
本発明はかかるメカニカルシールにおいて固定
片および回転片何れか一方を、その接触摺動面
が、ビツカース硬さにして350Hv以上の硬度を有
し、その表面に最長径が30μm以下の微細な孔を
測定長2.5mmにつき100ないし270個形成した金属
材料のものとするものであつて、上記メカニカル
シールにおいては固定片を前記金属材料のものと
する。
金属材料としてはJIS規格によるSUJ−2、FC
−20、S55C材等の焼入れ材および前記材料(焼
入れ前)に硬質クロムメツキ層を施したものが接
触摺動面に適する。また前記材料の表面に最長径
が30μm以下の微細な孔を多数形成する方法とし
て、表面をラツピング加工を施した後にポリシン
グ加工する方法、シヨツトプラスト加工を施した
後にポリシング加工する方法、電解研磨(エツチ
ング)加工を施した後にポリシング加工する方
法、腐食加工(エツチング)加工を施した後にポ
リシング加工する方法などが適切である。
本発明において固定片または回転片の接触摺動
面に形成した孔の数の計数法は次の方法によるも
のとする。即ち先端に半径2μmの球状面を形成
した接触針を有する表面粗さ測定器(例えば株式
会社小坂研究所製SE−3C)を用い、前記接触針
の先端で接触摺動面を走査し、その出力を縦倍率
20000倍、横倍率100倍の倍率で粗さ解析器(例え
ば前記の小坂研究所製AY−22)により記録用紙
に粗さをあらわす表示曲線を画かせる。記録用紙
に画かれた粗さ表示曲線上において、その表示曲
線の平均線に平行に出力レベルにおいて記録紙上
の寸法で±0.25mm離れたレベルのピークカウント
レベル線を平均線の上下に1本づつ画き、出力レ
ベルの低い方のピークカウントレベル線を前記粗
さをあらわす表示曲線が交叉する点の2点間にお
いて、出力レベルの高い方のピークカウントレベ
ル線を前記粗さ表示曲線が交叉する点が1つ以上
存在したときを1つの孔として計数する。即ち第
3図にさらに拡大して示すように記録用紙に画か
れた粗さ表示曲線50の平均線51の上下に、記
録用紙上の寸法で0.25mm離れた平行線52,53
を引き、粗さ表示曲線50が低いレベルのピーク
カウントレベル線52に交叉した点54,55,
56,57間において、前記粗さ表示曲線50が
高いレベルのピークカウントレベル線53と1回
以上交叉しているので、点54,55間、点5
5,56間および点56,57間にそれぞれ1個
の孔が存在したとして計数するものとする。上記
操作は記録紙上で行う必要はなく、粗さ解析器に
前記高低のピークカウントレベルを設定すれば粗
さ解析器に粗さ表示曲線50の計数を行わせるこ
とができる。
本発明の特徴を説明するために、第1図および
第2図に示すメカニカルシールの回転片として、
重量%にして、粒子の大きさ100μm以下の黒鉛
粉末を60%、粒子の大きさ50μm以下の二酸化珪
素の粉末を8%、残部フエノール樹脂の混合物を
混練し、環状に成形し、170℃において350Kg/cm2
の圧力下に3分間金型による加圧加熱を行い、つ
いで300℃で12時間加熱して合成樹脂をキユア
(縮合)せしめて図示の形状に成形せしめたもの
(表示粗さは測定長0.25mmで0.4μmRz)を使用
し、固定片としてJIS規格軸受鋼SUJ−2材を使
用し、その接触摺動面の加工方法を変えたものを
2種製作してそれぞれ前記回転片に組合せ比較試
験を行い、第4図に試験結果を示した。
即ち一方の固定片はSUJ−2材により成形し、
これに焼入れ処理を施した後、その接触摺動面を
研削加工し、次いで粒径0.3μmのアルミナ砥粒
を用いてポリシング加工し、他方の固定片はSUJ
−2材により成形し、これに焼入れ処理を施した
後に粒径20μmのアルミナ砥粒を用いてラツピン
グ加工を施し、次いで粒径0.3μmアルミナ砥粒
を用いてポリシング加工を施した。すべての固定
片の接触摺動面は表面粗さ0.2〜0.4μmRz(測定
長0.25mm)に仕上げられた。予めこれら固定片の
接触摺動面の表面の孔の数を前記方法により計数
したところ、孔の数は130−250/2.5mmであつ
た。
比較試験は排気量148c.c.のアキシアルプランジ
ヤ型コンプレツサを用い、該コンプレツサの回転
軸にメカニカルシールを組込み、冷凍油を148c.c.
封入し、回転速度2000rpm、内圧Kg/cm2、ばね荷
重4Kgで100時間運転し、メカニカルシールより
の油洩れ量(g)を測定した。以下コンプレツサ
油洩れ試験と称するは上記の方法による油洩れ試
験をいう。
第4図は研削加工を施した固定片とラツピング
加工を施した固定片のコンプレツサ油洩れ試験結
果を、接触摺動面の孔の数と油洩れ量によつて整
理した図である。研削加工を施した固定片は四角
□印であらわされ、ラツピング加工を施した固定
片は丸〇印であらわされている。第4図により明
らかなように、ラツピング加工を施した固定片を
用いたメカニカルシールの油洩れは0.05g/
100hr以下であるのに対し、研削加工を施した固
定片を用いたメカニカルシールの油洩れは表面粗
さにおいて前者と変らないにも拘らず0.28〜0.62
g/100hrと極めて大きい。
そこで第4図中にAで示した研削加工を施した
固定片と、同じくBで示したラツピング加工を施
した固定片とを採り上げ、その接触摺動面の走査
電子顕微鏡写真を第5図および第6図にそれぞれ
示す(以下写真はこれを模写した図面を用いて示
す)。研削加工を施した接触摺動面(第5図)は
工具による研削痕が直線状にほぼ平行に残つてお
り、ポリシング加工でその表面が平滑化されたと
しても、接触摺動面は長さ200μmないし4mmの
孔が多数(186個/2.5mm)形成されているが、油
洩れは大(0.315g/100hr)である。これに対し
ラツピング加工を施した接触摺動面(第6図)は
表面の孔が最大長径で30μm以下であつて、孔の
数(214個/2.5mm)とその数は第5図にほぼ等し
いが油洩れは極めて小(0.0016/100hr)であつ
て、接触摺動面に形成される孔はその形状が油の
保有に極めて大なる影響を与え、最大長径が30μ
m以下の孔であると油洩れが極めて少いことが証
明される。
そこで固定片をSUJ−2材で成形し、これに焼
入れ処理(ビツカース硬さ700〜800Hv)を施
し、その接触摺動面に前記と同様のラツピング加
工を施した後、同様のポリシング加工を施したも
のを前記と同一の回転片と組合せ、コンプレツサ
油洩れ試験を行い、その結果を孔の数と油洩れ量
で整理したのが第7図である。第7図から明らか
なように、孔の数が100〜270個/2.5mmの固定片
を使用したメカニカルシールにあつては油洩れが
0.05g/100hrであるのに対し、孔の数が100より
少いものおよび270を超えたものを使用したメカ
ニカルシールの油洩れ量は急激に増大する傾向を
示している。
第7図中に示されるB,C,D,E,Fの固定
片の接触摺動面の走査電子顕微鏡写真を第6図お
よび第8図ないし第11図に示す。Bの固定片は
第4図に示すBと同一の固定片である。各固定片
の接触摺動面は、Cの固定片は孔の数156個/2.2
mm、油洩れ量0.0017g/100hrを、Dの固定片
(第9図)は孔の数242個/2.5mm、油洩れ量
0.0052g/100hrをそれぞれ示すのに比し、Eの
固定片は孔の数82個/2.5mm、油洩れ量0.0842
g/100hr、Fの固定片は孔の数294個/2.5mm、
油洩れ量0.1033g/100hrと何れも油洩れが大で
ある。これら各固定片の接触摺動面の性状を比較
検討すると、その表面に形成され油を保有せしめ
るための孔の形状が最大長径30μm以下の寸法で
あれば、孔の数は100〜270個/2.5mmの範囲であ
る場合に油洩れ量を極度に低下せしめ得られ、ま
たその範囲外においては油洩れが著るしく増大す
ることがわかる。また第6図、第8〜11図によ
ると油洩れの少い接触摺動面における孔の形状は
そのほとんどが最大長径10μm以下のものである
ことがわかる。
次にメカニカルシールの回転片と固定片の接触
摺動面は耐摩耗性が良好でないと長期使用中に摩
耗してシシール性能が不安定になることは明らか
である。特に接触摺動面を金属材料で構成した場
合は金属材料の硬さが耐摩耗性の大なる要因とな
る。そこでJIS規格によるSUJ−2、FC−20、
S55Cの材料により固定片を成形するとともに、
SUJ−2に焼入れ処理を行つたもの(第12図中
白丸「〇」印であらわす、以下同じ)、SUJ−2
で焼入れ前のもの(黒丸「●」印)、FC−20に焼
入れ処理を施したもの(白三角「△」印)、FC−
20で焼入れ前のもの(黒三角「▲」印)、S55Cに
焼入れ処理を施したもの(白四角「□」印)、
S55Cで焼入れ前のもの(黒四角「■」印)およ
びS55Cの焼入れ処理を施さない固定片の接触摺
動面に硬質クロムメツキを施したもの(白菱形
「◇」印)を製作し、前記回転片と組合せたメカ
ニカルシールについてコンプレツサ油洩れ試験を
行つた。これら固定片の接触摺動面は前記ラツピ
ング加工とポリシング加工が施され、表面粗さは
0.2〜0.4μmRz(測定長さ0.25mm)に調整されて
おり、表面の孔の数は150〜220個/2.5mmであつ
た。
上記試験結果を第12図に、固定片のビツカー
ス硬さを横軸に、油洩れ量を縦軸にして示すと、
焼入れ処理を施さない固定片は硬さ300Hv以下で
あつて油洩れは極めて不安定であるが、FC−20
材を焼入れした固定片は硬さ360〜400Hvで油洩
れは0.055g/100hr以下とかなり低い値を示し、
SUJ−2材、S55C材の焼入れ処理した固定片お
よび硬質クロムメツキを施した固定片は、硬さも
550Hv以上で油洩れは0.02g/100hr以下という
極めて優れた効果を示した。第12図からわかる
ように、孔の数が150〜220個/2.5mmであるとき
は、金属材料の接触摺動面は焼入れ材の硬度以上
即ちビツカース硬さにして350Hv以上であれば油
洩れを著るしく減少させることができ、特に
550Hv以上のものを使用すると油洩れを激減させ
ることがわかる。
以上の事実から判明するように、メカニカルシ
ールの固定片と回転片との接触摺動面における油
洩れは、該接触摺動面を可能な限り平滑に加工す
ることにより低く押えることができるとするのが
通常の概念であるが、第4図からわかるように、
同一材料を用いほぼ同一の表面粗さ(0.2〜0.4μ
mRz)に仕上げ、かつ接触摺動面において油を
保有して潤滑せしめる孔の数がほぼ同一数(130
〜250個/2.5mm)である接触摺動面であつても、
該面の加工の差異による孔の形状が最大長径200
μm以上という長いものである場合には油洩れ量
が0.28g/100hrと大であり、孔の形状を最大長
径が30μm以下のものとすることによつて油洩れ
量を0.05g/100hr以下という優れた性能を保有
させることが可能である。
また同一材料の固定片の接触摺動面を同一方法
により加工する場合であつても、第7図からわか
るように、その表面の孔の数が100個/2.5mmより
少い場合または270個/2.5mmを超える場合には、
100〜270個/2.5mmの孔を有する接触摺動面を形
成した場合に比し著るしく油洩れが増大するこ
と、また固定片の接触摺動面を同一方法により加
工する場合においても第12図からわかるように
金属材料の硬度が350Hvより下回る場合には摩耗
による油洩れが増大するところから、ビツカース
硬さにして350Hv以上の金属材料に、その表面に
100〜270個/2.5mmの数の孔を形成せしめると優
れた油洩れ防止を行わせることができる。
ここに接触摺動面の加工方法を異らせた本発明
の実施例を説明する。
第1実施例 SUJ−2材により固定片を成形し、ビツカース
硬さで700〜800Hvとなるように焼入れ処理す
る。
焼入れされた固定片の接触摺動面に、粒径20μ
mのアルミナ(Al2O3)砥粒を用いてラツピング
加工を施し、次いで粒径0.3μmのアルミナ砥粒
を用いてポリシング加工した。その表面の走査電
子顕微鏡写真は第6図に示すとおりであつて、孔
の数は214個/2.5mmであつた。
この固定片を、重量%にして、粒子の大きさ
100μm以下の黒鉛粉末を60%、粒子の大きさ50
μm以下の二酸化珪素粉末を10%、残部フエノー
ル樹脂の混合物を混練し、成形し、170℃におい
て350Kg/cm2の圧力下において3分間加圧加熱
し、次いで190℃で12時間加熱してキユアせしめ
た回転片と組み合せた。
コンプレツサ洩漏れ試験結果は、油洩れ量は
0.0021g/100hrであつた。
またラツピング加工に用いる砥粒の粒径、種類
およびラツピング加工の条件を変えることによ
り、接触摺動面の孔の形状、数を制御することが
可能である。
第2実施例 第1実施例と同一の焼入れされた固定片の接触
摺動面に、粒径30μmのアルミナ砥粒を用いてシ
ヨツトブラスト加工を施し、さらに粒径0.3μm
のアルミナ砥粒を用いてポリシング加工した。そ
の表面の走査電子顕微鏡写真は第13図に示すと
おりであつて、孔の数は142個/2.5mmであつた。
この固定片を第1実施例と同一の回転片と組合
せ、コンプレツサ油洩れ試験を行い、油洩れ量は
0.008g/100hrであつた。
またシヨツトプラストに用いる砥粒の粒径、種
類、またはシヨツトプラスト加工の条件を変える
ことにより、接触摺動面の表面性状を制御し得
る。
第3実施例 第1実施例と同一の焼入れされた固定片の接触
摺動面に、硝酸5%水溶液を用い、5アンペアの
電流により2.5分エツチングする電解研磨加工を
行い、その後粒径0.3μmのアルミナ砥粒を用い
てポリシング加工した。その表面の走査電子顕微
鏡写真は第14図に示すとおりであつて、孔の数
は188個/2.5mmであつた。
この固定片を第1実施例と同一の回転片と組合
せ、コンプレツサ油洩れ試験を行つたところ、油
洩れ量は0.0045g/100hrであつた。
また電解条件によつて接触摺動面の表面性状を
制御することが可能である。
第4実施例 第1実施例と同一の焼入れされた固定片の接触
摺動面に、塩酸30%、硫酸40%、四塩化炭素5.5
%、硝酸0.5%、残部水の腐食液を用いてエツチ
ングする腐食加工を施し、その後粒径0.3μmの
アルミナ砥粒を用いてポリシング加工した。その
表面の走査電子顕微鏡写真は第15図に示すとお
りであつて、孔の数は101個/2.5mmであつた。
この固定片を第1実施例と同一の回転片と組合
せ、コンプレツサ油洩れ試験を行つたところ、油
洩れ量0.0105g/100hrであつた。
また腐食加工条件を変えることによつて接触摺
動面の性状を制御することができる。
さらに金属材料による接触摺動面を固定片に設
けるか可動片に設けるかは単に相対的な関係のみ
のことであるので、固定片を金属材料で作りその
接触摺動面を前記硬さ、孔の形状、孔の数とし、
回転片を黒鉛を主材とするものとするに代えて、
固定片を黒鉛を主材とする材料で成形し、回転片
をビツカース硬さ350Hv以上の硬度を有し、最大
長径が30μm以下の微細な孔を表面に100〜270
個/2.5mm形成したものとしても同様の優れた油
洩れ防止効果が得られる。
ここに黒鉛を主材とする材料とは、重量%にし
て、粒子の大きさ100μm以下の黒鉛粉末を40〜
70%、粒子の大きさ50μm以下の二酸化珪素、シ
リケート、窒化ボロンの一種または二種以上の添
加剤を2〜15%、残部をフエノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂またはフラン樹脂の樹脂
成分とし、その混合物を成形し、加圧加熱して樹
脂成分をキユアせしめたものである。樹脂成分は
フエノール樹脂が最も適しており、前記成形工程
は、金型中においてほぼ170℃の温度で350Kg/cm2
の圧力下において3分間加圧加熱し、その後300
℃前後の温度で12時間前後加熱して樹脂成分をキ
ユアするとよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するに適するメカニカル
シールの一例の一部欠截側面図、第2図は第1図
−線に沿う断面正面図、第3図は本発明に基
く孔の数の計数方式を示す線図、第4図は接触摺
動面の孔の形状の差異による孔の数を油洩れとの
関係を示す線図、第5図および第6図は第4図中
AおよびBに示すものの接触摺動面の走査電子顕
微鏡写真を模写した図、第7図は接触摺動面の孔
の数と油洩れとの関係を示す線図、第8図ないし
第11図は第7図中にC,D,E,Fに示すもの
の接触摺動面の走査電子顕微鏡写真を模写した
図、第12図は接触摺動面を形成する基材の硬さ
と油洩れとの関係を示す線図、第13図ないし第
15図は接触摺動面を形成する方法を異らせた実
施例における接触摺動面の走査電子顕微鏡写真を
模写した図である。 なお図中、2は軸受孔、4はメカニカルシー
ル、5は固定片、15はその接触摺動面、12は
固転片、16はその接触摺動面、をそれぞれ示す
ものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 固定部に取りつけられる固定片と、前記固定
    部に関し回転自在の回転軸に取りつけられ、該回
    転軸とともに回転せしめられて前記固定片の一面
    に摺動自在に圧接せしめられる回転片とを有し、
    前記固定片と回転片との摺動回転により摺動部の
    気密を保持すべくなしたメカニカルシールにおい
    て、 前記固定片および回転片の何れか一方を、その
    接触摺動面がビツカース硬さにして350Hv以上の
    硬度を有し、その表面に最大長径が30μm以下の
    微細な孔を形成した金属材料のものとし、かつ前
    記孔は、前記接触摺動面を先端部に半径2μmの
    丸みを付した接触針を有する表面粗さ測定器によ
    り走査してその粗さを縦倍率20000倍横倍率100倍
    に拡大表示させた粗さ表示曲線上において、その
    表示曲線の平均線に平行で±0.25mm離れたレベル
    のピークカウントレベル線を引き、その低レベル
    のレベル線を前記表示曲線が交叉する2点間にお
    いてその高いレベルのレベル線を前記表示曲線が
    交叉する点が1回以上存在したときを1つの孔と
    して計数したとき、前記接触摺動面上における
    2.5mmの測定長につき100個ないし270個形成され
    ていることを特徴とするメカニカルシール。
JP56147244A 1981-09-18 1981-09-18 メカニカルシ−ル Granted JPS5850363A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56147244A JPS5850363A (ja) 1981-09-18 1981-09-18 メカニカルシ−ル
US06/419,575 US4416458A (en) 1981-09-18 1982-09-17 Mechanical face seal with minute pores in sliding surface

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56147244A JPS5850363A (ja) 1981-09-18 1981-09-18 メカニカルシ−ル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5850363A JPS5850363A (ja) 1983-03-24
JPS6261826B2 true JPS6261826B2 (ja) 1987-12-23

Family

ID=15425835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56147244A Granted JPS5850363A (ja) 1981-09-18 1981-09-18 メカニカルシ−ル

Country Status (2)

Country Link
US (1) US4416458A (ja)
JP (1) JPS5850363A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210135599A (ko) * 2019-05-30 2021-11-15 가부시키가이샤 아쿠아솔루션 재배 지원 장치, 및 재배 지원 방법
KR102620376B1 (ko) * 2022-12-29 2024-01-03 코리아디지탈 주식회사 멘토-멘티 기반의 재배 데이터 관리 시스템 및 방법

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6176797A (ja) * 1984-09-25 1986-04-19 Taiho Kogyo Co Ltd ウオ−タポンプ用メカニカルシ−ル
US4705277A (en) * 1984-11-08 1987-11-10 Microdot Inc. Hydrodynamic seal
DE3512751A1 (de) * 1985-04-10 1986-10-16 Goetze Ag, 5093 Burscheid Dichtungsring
US4824259A (en) * 1986-04-25 1989-04-25 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Dust seal assembly for use in a closed type mixer and its control mechanism
US4836561A (en) * 1987-02-17 1989-06-06 University Of New Mexico Wavy-tilt-dam seal ring
JPH0788909B2 (ja) * 1987-12-28 1995-09-27 日本タングステン株式会社 ポア分散材を用いたメカニカルシール並びにポア分散超硬合金及びその製造方法
JPH0255273A (ja) * 1988-08-18 1990-02-23 Showa Denko Kk メカニカルシール用炭化珪素焼結体およびそれを用いたメカニカルシール
US4961260A (en) * 1989-02-13 1990-10-09 Dresser-Rand Company Compressor cartridge seal and insertion method
US5087172A (en) * 1989-02-13 1992-02-11 Dresser-Rand Company, A General Partnership Compressor cartridge seal method
FR2668145B1 (fr) * 1990-10-17 1993-01-22 Ceramiques Composites Corps fritte en carbure de silicium notamment pour garniture mecanique et garniture comportant un tel corps fritte.
US5174583A (en) * 1991-08-08 1992-12-29 Orlowski David C Unitary bearing seal
CA2096759A1 (en) * 1992-08-06 1994-02-07 Mark G. Pospisil Mechanical end face seal system
US5388843A (en) * 1993-02-16 1995-02-14 Durametallic Corporation Fluid film seal
US5704461A (en) * 1995-07-17 1998-01-06 Horton, Inc. Rotational control apparatus
US5834094A (en) * 1996-09-30 1998-11-10 Surface Technologies Ltd. Bearing having micropores and design method thereof
DE19646527B4 (de) * 1996-10-29 2006-07-27 Siemens Ag Vorrichtung zur Abdichtung von zwei Räumen unterschiedlichen Druckes
JPH10292868A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Honda Motor Co Ltd 液体ポンプの軸封機構
JP3650954B2 (ja) 1998-09-18 2005-05-25 イーグル工業株式会社 高速用非接触型メカニカルシール
DE10056102A1 (de) * 2000-11-13 2002-06-06 Freudenberg Carl Kg Gleitringdichtung
US20050242528A1 (en) * 2004-04-30 2005-11-03 Nikonchuk Vincent A Seal assembly with dual density powder metal seat member
WO2006115118A1 (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Eagle Industry Co., Ltd. メカニカルシール装置、摺動部品およびその製造方法
DE102006011620B3 (de) * 2006-03-14 2007-09-06 Federal-Mogul Burscheid Gmbh Gleitringdichtung
DE102007025773A1 (de) 2007-05-22 2008-11-27 Kaco Gmbh + Co. Kg Gleitringdichtung
DE102007050349B4 (de) * 2007-10-11 2018-06-07 Kaco Gmbh + Co. Kg Dichtungsanordnung für den Hochdruckbereich
RU2563330C2 (ru) * 2013-12-30 2015-09-20 Открытое акционерное общество "Волжский завод асбестовых технических изделий" Набивка
CN106537005B (zh) * 2014-09-20 2019-01-04 伊格尔工业股份有限公司 滑动部件
WO2017002691A1 (ja) * 2015-06-27 2017-01-05 イーグル工業株式会社 摺動部品
CN109844382B (zh) * 2016-11-14 2021-01-12 伊格尔工业股份有限公司 滑动部件
US11346449B2 (en) * 2020-01-23 2022-05-31 Kaydon Ring & Seal, Inc. Self-centering seal component for high speed shaft assemblies

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2860896A (en) * 1953-07-07 1958-11-18 Daimler Benz Ag Means for sealing the gap between a wall and rotary shaft extending therethrough
US3822066A (en) * 1969-03-07 1974-07-02 Caterpillar Tractor Co Seal
US3572730A (en) * 1969-06-13 1971-03-30 Timken Co Wear surface for facilitating lubrication of elements in engagement therewith
SU754148A1 (ru) * 1972-05-19 1980-08-07 Ленинградский Институт Точной Механики И Оптики Торцовое контактное уплотнение

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210135599A (ko) * 2019-05-30 2021-11-15 가부시키가이샤 아쿠아솔루션 재배 지원 장치, 및 재배 지원 방법
KR102620376B1 (ko) * 2022-12-29 2024-01-03 코리아디지탈 주식회사 멘토-멘티 기반의 재배 데이터 관리 시스템 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US4416458A (en) 1983-11-22
JPS5850363A (ja) 1983-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6261826B2 (ja)
JP2003184883A (ja) 軸受摺動部材
JP2006275269A (ja) 組合せ摺動部材
JPS6244144B2 (ja)
KR100781824B1 (ko) 엔진보조기 풀리용 베어링
JPS6358287B2 (ja)
JP2007046660A (ja) 摺動受部材
US4225294A (en) Oil seal means for rotary piston engines including a nitrided and ground surface
JPS60153456A (ja) 鋼製ピストンリング
US7510195B2 (en) High temperature and high pressure compressor piston ring
JPH11153059A (ja) シリンダライナ及びその製造方法
US4758139A (en) Side housing for a rotary piston engine and a method for manufacturing the same
CN1038526C (zh) 旋转式压缩机
JPH08177772A (ja) ポンプ
JPS6116867B2 (ja)
JP2006090402A (ja) ターボチャージャ用回転支持装置
JP2004340128A (ja) 内燃機関の動弁装置
JPS601384A (ja) 斜板式コンプレツサ−
JPS5950465B2 (ja) シリンダライナ オヨビ ソノホ−ニングホウホウ
JPH01224481A (ja) 斜板式圧縮機用シユー
JP2002202073A (ja) 揺動ピストン型圧縮機およびこれを用いた冷媒圧縮機並びに空気調和機
JPH1122677A (ja) ロータリ圧縮機
JPH02130289A (ja) ベーン型圧縮機
JP2649835B2 (ja) ピストンリング
CN209145796U (zh) 一种用于制冷压缩机的机械密封装置