JP2750656B2 - 包装麺の製造方法 - Google Patents

包装麺の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麺類の製造において、
酢酸を添加して密封包装した後、イソチオシアン酸アリ
ルガスを包装材料を通して麺に吸脱着させることによ
り、保存性と色調を向上させ苦味とニンニク様の臭いの
ない包装麺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生麺類の保存性を向上させる方法
として、(1)加熱殺菌、(2)過酸化水素水溶液の添
加、(3)エチルアルコール及びその水溶液の添加、及
び(4)過酸化水素水溶液の添加またはエチルアルコー
ル及びその水溶液の添加と加熱殺菌との組み合わせ等が
知られている。前記(1)の加熱殺菌には耐熱性包材に
充填密封した後加圧加熱処理、いわゆるレトルト殺菌を
施す方法と、麺を酸性化処理し耐熱性微生物が増殖でき
ない環境下で100℃以下の簡易殺菌を施す方法とがあ
る。前者の方法で殺菌された包装麺は微生物の栄養細胞
も胞子もともに死滅しており、室温で長期間の保存に耐
え得るが、高温加熱による小麦たんぱく質の変性により
麺の食味は大きく低下してしまう。後者の場合には、小
麦たんぱく質の変性により麺の食味低下は起こりにく
い。しかし、栄養細胞は死滅するものの基本的に胞子は
生き残る確率が高い。また、麺の中心部が十分に高温に
達しなかったり、加熱時間が不十分な場合には、耐熱性
の栄養細胞を持つ微生物が生き残ることがある。いずれ
の場合も、生育条件が整えば再び増殖してくる恐れがあ
るため、安全性を考慮して増殖を抑える工夫が行われて
いる。そのための工夫としては、エチルアルコールやソ
ルビン酸カリウム、あるいはポリリジン等の生育抑制効
果を示す物質を添加する等の方法が知られている。とこ
ろで、かんすいが使われる中華めんにおいては、pHを
下げるための酸性化処理が原因となり、中華めん特有の
しなやかで強い弾力を示す食感が失われ、腰のない弾力
性の劣る麺になってしまう。現在、いわゆるロングライ
フのゆで麺として販売されている包装麺は、前記の方法
で作られており、pHを下げて微生物の生育抑制効果を
もたらすうどんが主流である。前記(2)の過酸化水素
水溶液を添加する方法においては、過酸化水素が熱等に
よって発生期の酸素と水に分解され、この発生期の酸素
により微生物の細胞が変性したり、酵素活性が低下した
りして殺菌効果を示す。しかし、過酸化水素が麺の中に
残存することがあり、食品衛生上好ましくないため現在
この方法は行われていない。この方法については、特公
昭39−6752号、特開昭53−50351号に開示
され公知である。前記(3)のエチルアルコール及びそ
の水溶液を添加する方法においては、エチルアルコール
の殺菌作用が70W/V%の時に最高で、10〜20%
以下の濃度では殺菌作用は弱く、制菌効果に期待してい
るものであって室温下での長期保存には適さないため、
現在は低温流通による短期間保存の商品に使われてい
る。この方法については特公昭45−14102号が公
知である。以上のように、従来技術では麺本来の食感を
犠牲にすることなく、しかも衛生上問題のない方法で包
装麺の保存性を向上させるには技術的な問題点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は包装麺類の製
造において、イソチオシアン酸アリル(以下、AITと
称する。)の殺菌作用を利用し、保存性と食味を向上さ
せた包装麺の製造技術に関するものである。従来より、
寿司だねにわさびを添えて腐敗を防止したり、糠床の腐
敗防止に辛子を混ぜたりする等、わさびや辛子に抗菌効
果のあることは昔から経験的に知られていた。この抗菌
成分は、わさびや辛子に多く含まれている配糖体成分の
シニグリンが、細胞内に存在するミロシナーゼという酵
素の作用によって加水分解されて生成したアリルイソチ
オシアネート(AIT)であることが判明している。各
種微生物に対するAITの生育抑制効果や殺菌効果につ
いては、金丸・宮本:日本食品工業学会誌、第37巻第
10号第823頁(1990年)、金丸・宮本:日本食
品工業学会誌、第38巻第10号第926頁(1991
年)、徳岡・森・一色:日本食品工業学会誌、第39巻
第1号第68頁(1992年)等の報文に認められる。
発明者は、以上のように、長い間食生活の中で使われ続
けてきたわさびや辛子の成分であるAITの殺菌効果を
麺類に応用することによって、保存性と食味の良い包装
麺を製造することに着想した。しかし、AITは反応性
が高く、特に多量の水を含む食品の場合は化学反応を起
こして変化し、ジチオカルバマート(dithioca
rbamate)やジアリルポリサルファイド(dia
llylpolysulfide)を生成しニンニク様
の臭いが発現したり、ロダン酸塩等の苦味物質を生成す
る等安定性が悪い。また、AIT自体も高濃度の気体は
激しい刺激臭を有しており、調理時や喫食時に妨げとな
る等その抗菌性能を活用する上で、阻害する種々の問題
点が存在した。AITの反応性については、川岸:日本
食品工業学会誌、第32巻第11号第836頁(198
5年)に述べられている。前記着想を実現するには、実
際問題として、蒸し麺、ゆで麺、生麺には、乾麺に比べ
蒸し麺やゆで麺の60〜70%程度から生麺の35%程
度まで、組織内に多くの自由水が存在するため、以上に
述べた問題点がAITを包装麺類の殺菌に使用する場合
に、解決しなければならない課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決して、蒸し麺、ゆで麺、生麺に対してAITを安定的
に作用させ、保存性と食味を向上させた包装麺類を製造
するために鋭意研究の結果、本発明の包装麺の製造方法
が得られたものであり、具体的には、蒸し麺、ゆで麺、
生麺等の麺類に酢酸を添加した後、微生物非透過性であ
り、かつイソチオシアン酸アリル透過性の材質からなる
袋に麺を収納密封し、該袋ごとのまま前記イソチオシア
ン酸アリルガス雰囲気下に保持して麺にイソチオシアン
酸アリルを吸着させた後、前記袋を開封することなく、
麺に吸着された前記イソチオシアン酸アリルを揮発させ
除去することにより、保存性と食味を向上させることに
あり、また前記袋に麺を収納密封後に、蒸煮を行うこと
も好ましいことである。以下に本発明が完成するに至る
までの経緯を述べる。
【0005】本発明者は、先ず、麺に吸着されたAIT
を安定な状態で保持しておくために水分散系のAITの
安定性を向上させる方法について検討を進めた。第1
に、AITは自然の食品中ではシニグリンという配糖体
の形で安定的に存在していることから、糖類の存在下で
安定性が向上するのではないかとの仮説に基づき種々原
料について検討した。第2に、包接機能によって香気成
分の保持に利用されている包接化合物について、AIT
に対しても同様の効果を持ち得るかどうかを検討した。
第3に、発酵食品であるわさび漬けの辛味が比較的長持
ちすることを考えあわせて、種々の有機酸及びエチルア
ルコールを検討した。以下に、主な検討結果を表1、表
2に示す。
【0006】
【表1】
【0007】
【表2】
【0008】上記検討の結果、酢酸を含む水溶液がAI
Tを特異的に安定化させる効果のあることを見いだし
た。酢酸を含む水溶液を麺に添加する方法は、蒸し麺、
ゆで麺の製造においては、蒸し工程またはゆで工程の
後、麺に酢酸を含む水溶液を直接スプレーするか当該水
溶液中に浸漬することができる。生麺の製造においては
小麦粉、そば粉その他の原料粉とこね水を混練する際に
添加混合することができる。酢酸の添加量は、麺重量に
対して0.1〜0.3%程度で十分なAIT安定化効果
を示す。この程度の濃度では麺を食べても酸味を感じさ
せず、麺のpHもほとんど変化しないので食味の低下は
全く起こらない。また微生物に対する酢酸自体の抗菌作
用は期待できない。AITで麺を処理し殺菌する方法
は、AITを水に分散させて直接麺に練り込んで用い
た。しかし、その殺菌効果は著しく低いものであった。
次に、効果的な殺菌を行うため、AITを気体の状態で
麺に接触させる方法を試みた結果、著しく殺菌効果があ
ることを見いだした。
【0009】そこで、種々のAITガス濃度の気相中に
麺を保持してその殺菌効果を調べた。低濃度においては
保存性を向上させる程度の静菌効果はあるものの、栄養
細胞を死滅させる効果は認められなかった。栄養細胞と
胞子に対する殺菌効果については、少なくとも麺100
g当たりAIT30mg以上を気相処理によって麺に吸
着させる必要があることを見いだした。このような高濃
度のAITガスを麺に吸着させて殺菌した後、無菌的に
袋詰めして密封包装することは、危険かつ極めて困難で
あった。そこで、AITまたは植物油等で希釈したAI
T製剤を、包装時に直接麺にスプレーしたり、コットン
綿等に含浸させて封入する方法を試みた。この方法は簡
便であるが、包装内のガス濃度が均一にならないため、
麺線各部分の殺菌効果に差が生じるだけでなく、高濃度
のAITを吸着した部分の麺線が褐変して商品価値を低
下させてしまうことが判明した。さらに、このようにし
て密封包装された包装麺は、その喫食に際してはAIT
の刺激臭や辛味が強すぎてとても食用に耐えるものとは
ならない。本発明者は、高濃度のAITガスを麺に対し
て均一に吸着させることができて、しかも喫食時には包
装麺中にAITが残存していないという相反する条件を
満たす方法について鋭意研究の結果、微生物非透過性で
かつAITガス透過性の包装材料によって密封包装した
麺類を、包装状態のままAITガス雰囲気下に暴露させ
ることで、AITガスを包装材料を通して麺に対して周
囲から均一に吸着させることができ、これによって効果
的な殺菌が行えるだけでなく、殺菌後に麺が二次汚染す
る心配が全くないことを知見した。
【0010】次に、麺からAITを除去するに当たって
は、包装材料を介して内側と外側のAITガス濃度に勾
配をつけることにより、AITガス分圧の高い包装麺の
内側から外側に向かってAITガスを透過させ、麺に吸
着されたAITガスを脱着させて除去することで、喫食
時にAITの刺激臭の残らない、保存性と食味の良い蒸
し麺、ゆで麺、生麺を得るという極めて画期的な発想に
よる包装麺の製造方法を完成するに至った。微生物非透
過性でありかつAIT透過性の包装材料としては、実用
的にはポリエチレンと無延伸ポルプロピレンを使用する
ことができ、研究の結果、厚みによってAIT透過性の
変わることが認められた。上記の場合、同じ厚みであれ
ばポリエチレンは無延伸ポリプロピレンの3倍近くの透
過性を有する。延伸ポリプロピレン、ポリエチレンフタ
レートは、いずれもAIT難透過性であり、本発明の包
装材料としては好ましくない。AIT透過性を考えると
ポリエチレンが最良の材質であるが、包装後に蒸熱処理
や熱湯殺菌を行う蒸し麺やゆで麺の包装には、耐熱性が
低いため不向きである。この場合の包装材料としては無
延伸ポリプロピレンを用いることができる。各種包装用
材料についてAITガス透過性試験を行った結果を表3
に示す。
【0011】
【表3】
【0012】AITを麺に吸着させる時の雰囲気温度は
20℃以上が必要である。10℃以下の温度では、殺菌
効果を示すために十分なAITガス濃度に達しない。ま
た、AITを麺に吸着させておく時間は24時間以上、
好ましくは48時間が必要である。麺に吸着させたAI
Tは20℃以上の温度であれば、包装したまま単に室温
下に長期間自然放置するだけでも除去することができ
る。しかし、喫食する際にAITの刺激臭や辛味等が残
存しても差し支えないのは、包装麺の包材内気相中のA
ITガス濃度が500μg/l程度である。特に、長期
に保存する場合は保存中におけるAITの変質を考慮し
て、麺へのAITの残存量は包装麺の包材内気相中のA
ITガス濃度で100μg/l以下にすることが好まし
い。自然放置によって500μg/l以下とするために
は、少なくとも室温下では2週間以上の保管が必要であ
る。しかし、実際の製造においては製造コストや保管ス
ペースの問題も考慮して数時間から2日以内が限度であ
る。そのため、AITガスを麺から脱着除去する方法と
しては、(1)加温された雰囲気の室内に置く、(2)
蒸熱、マイクロ波加熱、遠赤外線加熱等によって包装麺
を加熱してAIT脱着速度を早める、(3)減圧下に置
くことによりAITの脱着速度を早める、等必要に応じ
て種々の方法で行うことができるし、また組み合わせた
条件で行うこともできる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に基づき具体的
に説明する。まず、実施例として、本発明を蒸し焼きそ
ば及びゆでそばの製造に使用した例を説明する。 実施例1 準強力小麦粉1kgに対して、かんすい5g、食塩15
g、クチナシ黄色素4gを水360gに溶解したこね水
を加え、ミキサーで15分間混練した後常法により麺線
を切り出して2分間蒸煮した。蒸煮後の麺線を150g
づつに計量し、0.8%酢酸水溶液中に30秒間浸漬
後、厚さ40μの無延伸ポリプロピレン製袋に収納密封
し、麺の食感向上のため袋ごと95℃で20分間蒸煮し
て170gの蒸し焼きそばの包装麺を得た。包装麺のp
Hは7.8であった。当該包装麺をAITの気化と循環
機能を備えた殺菌庫に収納し、33℃の雰囲気内で48
時間AIT気相処理を施し、包装麺100g当たり15
0mgに相当するAITを麺に吸着させた。次の工程で
包装麺を蒸熱庫に収納し、90℃で30分間加熱してA
ITの脱着除去を行った。このものは全く褐変のない好
ましい色調であり、良好な食味と保存性を示した。 実施例2 0.8%酢酸水溶液中にショ糖脂肪酸エステル(商品
名:リョートーシュガーエステルp−1570)を 1.
25%添加した溶液に30秒間浸漬した以外は実施例1
と同様の処理を行い蒸し焼きそばの包装麺を得た。この
ものは全く褐変のない好ましい色調であり、良好な食味
と保存性を示した。 実施例3 そば粉300g準強力小麦粉700gに対して、食塩3
0gを水320gに溶解したこね水を加え、ミキサーで
10分間混練した後常法により麺線に切り出して100
gづつに計量し、2分間熱湯でゆでて160gの麺を得
た。次に、0.8%酢酸を含む十分に冷却された穀物酢
水溶液中に30秒間浸漬後、厚さ40μの無延伸ポリプ
ロピレン製袋に収納密封し180gのゆでそば包装麺を
得た。包装麺のpHは6.5であった。当該包装麺を実
施例1と同様のAIT気相処理及び脱着除去を行った。
このものは良好な色調と食味と保存性を示した。
【0014】比較例1 0.8%酢酸水溶液の代わりに蒸留水に30秒間浸漬し
た以外は実施例1と同様の処理を行い、蒸し焼きそばの
包装麺を得た。包装麺のpHは8.0であった。このも
のは麺が褐変しており、強い苦味とはっきりしたニンニ
ク様の臭いがしたため、商品としての価値はなかった。
また、室温で4週間の保存性であった。 比較例2 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は実施例1
と同様の処理を行い、蒸し焼きそばの包装麺を得た。こ
のものは室温で4日間の保存性であった。 比較例3 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は比較例1
と同様の処理を行い、蒸し焼きそばの包装麺を得た。こ
のものは室温3日間の保存性であった。各包装麺の官能
評価、麺収納袋内の気相のAITガス濃度測定結果を表
4に示す。また、室温での保存試験の結果を表5に示
す。
【0015】
【表4】
【0016】
【表5】
【0017】次に実施例として、本発明を生麺の製造に
使用した例を説明する。 実施例4 そば粉300g準強力小麦粉700gに対して、4.2
%酢酸を含む穀物酢35gと食塩30gを水285gに
溶解したこね水を加え、ミキサーで10分間混練した
後、常法により麺線に切り出して120gづつに計量
し、厚さ40μのポリエチレン製袋に収納密封して生そ
ば包装麺を得た。包装麺のpHは6.4であった。当該
包装麺をAITの気化と循環機能を備えた殺菌庫に収納
し、33℃の雰囲気内で48時間AIT気相処理を施し
包装麺100g当たり150mgに相当するAITを麺
に吸着させた。次の工程で、包装麺を60℃恒温室中に
2時間置き、その後包装麺の包材内面に凝結水を生じな
いように、そのままの状態で4時間かけて恒温室内温度
を徐々に下げながら、包装麺を室温まで冷却してAIT
の脱着除去を行った。このものは良好な色調と食味と保
存性とを示した。
【0018】比較例4 食塩30gを水320gに溶解した、穀物酢を含まない
こね水を加えた以外は実施例4と同様の処理を行い、生
そば包装麺を得た。包装麺のpHは6.6であった。こ
のものは強い苦味とはっきりしたニンニク様の臭いがし
たため、商品としての価値はなかった。また、室温で1
週間の保存性であった。 比較例5 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は実施例4
と同様の処理を行い、生そば包装麺を得た。このものは
室温2日間の保存性であった。 比較例6 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は比較例4
と同様の処理を行い、生そば包装麺を得た。このものは
室温2日間の保存性であった。
【0019】実施例5 準強力小麦粉1kgに対して、4.2%酢酸を含む穀物
酢100gと、かんすい7g、食塩10g、クチナシ黄
色素2gを水220gに溶解したこね水を加え、ミキサ
ーで20分間混練した後、常法により麺線に切り出して
120gづつに計量し、厚さ40μのポリエチレン製袋
に収納密封して生中華包装麺を得た。包装麺のpHは
7.8であった。当該包装麺をAITの気化と循環機能
を備えた殺菌庫に収納し、33℃の雰囲気内で48時間
AIT気相処理を施し包装麺100g当たり150mg
に相当するAITを麺に吸着させた。次の工程で、包装
麺を60℃恒温室中に2時間置き、その後包装麺の包材
内面に凝結水を生じないようにそのままの状態で4時間
かけて恒温室内温度を徐々に下げながら包装麺を室温ま
で冷却してAITの脱着除去を行った。このものは全く
褐変のない良好な色調であり、良好な食味と保存性とを
示した。
【0020】比較例7 かんすい7g、食塩10g、クチナシ黄色素2gを水3
20gに溶解した、穀物酢を含まないこね水を加えた以
外は実施例5と同様の処理を行い、生中華包装麺を得
た。包装麺のpHは6.2であった。このものは麺が褐
変しており、強い苦味とはっきりしたニンニク様の臭い
がしたため、商品としての価値はなかった。また、室温
で2週間の保存性であった。 比較例8 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は実施例5
と同様の処理を行い、生中華包装麺を得た。このものは
4日間の保存性であった。 比較例9 AIT気相処理及び脱着除去を行わない以外は比較例7
と同様の処理を行い、生中華包装麺を得た。このものは
3日間の保存性であった。各包装麺の官能評価、包装麺
内気相中のAITガス濃度測定結果を表6に示す。ま
た、室温での保存試験の結果を表7に示す。
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】
【発明の効果】本発明の効果は包装麺類を製造するに当
たり、第1に微生物非透過性でかつAIT透過性の性質
を持つ袋に麺を収納密封し、必要に応じて蒸煮を行った
後当該袋ごと麺にAITを気体の状態で吸着させ、その
後揮発させて除去するという画期的な方法により保存性
と食感の良い包装麺を製造できたことにあり、第2に上
記包装麺の製造に当たり、麺のpHを変化させることな
く、かつ食味を損なうことのない少量の酢酸を存在させ
ることで、極めて反応性の高いAITの変性による殺菌
効力の低下を防ぐとともに、AITの吸着、脱着工程で
の苦味物質とニンニク様の臭いの生成と麺の褐変をも極
めて効果的にあわせて防止できることを見いだしたこと
にある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸し麺、ゆで麺、生麺等の麺類に酢酸を
    添加した後、微生物非透過性であり、かつイソチオシア
    ン酸アリル透過性の材質からなる袋に麺を収納密封し、
    該袋ごとのまま前記イソチオシアン酸アリルガス雰囲気
    下に保持して麺にイソチオシアン酸アリルを吸着させた
    後、前記袋を開封することなく、麺に吸着された前記イ
    ソチオシアン酸アリルを揮発させ除去することにより、
    保存性と食味を向上させることを特徴とする包装麺の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の袋に麺を収納密封後に蒸
    煮を行うことを特徴とする包装麺の製造方法。
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