JP2750406B2 - 改質ポリシラザン及びその製造法 - Google Patents

改質ポリシラザン及びその製造法

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JP2750406B2 JP63028296A JP2829688A JP2750406B2 JP 2750406 B2 JP2750406 B2 JP 2750406B2 JP 63028296 A JP63028296 A JP 63028296A JP 2829688 A JP2829688 A JP 2829688A JP 2750406 B2 JP2750406 B2 JP 2750406B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は改質ポリシラザンおよびその製造法に関し、
更に詳しくは窒化珪素および窒化珪素含有セラミックス
の前駆体として使用することのできる改質ポリシラザン
およびその製造法に関する。
〔従来技術〕
窒化珪素焼結体は、高温強度、耐熱衝撃性、耐酸化性
に優れているため、ガスタービン、ディーゼルエンジン
等の高温構造材料として、或いは切削用バイト等、省エ
ネルギー、省資源の多大の寄与をし得る高性能材料の一
つとして重要である。
従来、窒化珪素の製造方法としては、金属シリコン
粉末を窒素又はアンモニア気流中で、1300℃〜1500℃で
加熱して直接窒化するシリコン直接窒化法、シリカ又
は含シリカ物質を炭素と共に窒素雰囲気下で加熱し、尿
素でシリカを還元して、生成するケイ素と窒素とを反応
させるシリカ還元法、四塩化珪素とアンモニアとを高
温で直接反応せしめる気相合成法、四塩化珪素をアン
モノリシスして得られるシリコンジイミドを非酸化性雰
囲気中で加熱して窒化珪素を得るイミド熱分解法等が採
用されている。
しかしながら、上記の方法の場合には、反応時間が
長く、加熱工程が煩雑である上、得られる窒化珪素は粗
大で不純物を多く含むβ型窒化珪素が主体であり、の
方法の場合には、原料の精製が困難なばかりでなく、反
応時間が長く、得られる生成物はα型窒化珪素とβ型窒
化珪素の混合系であり、の方法の場合には、生成した
窒化珪素は一般に非晶質であり、の方法の場合には、
高純度のα型窒化珪素を収率よく製造し得るという利点
が有るものの、窒化珪素前駆体であるシリコンジイミド
〔Si(NH)〕xは溶媒に溶けないために実質的に用途
が限定されざるを得ない等の欠点があった。
更に、最近、有機ポリシラザンを熱分解して得られる
ポリシラザンを800〜2000℃で加熱して窒化珪素を合成
する方法も提案されている(斎藤肇、繊維学会誌、Vol3
8 No.1頁65〜72〔1982年〕)が、この方法では窒化珪素
と同時に炭化珪素や遊離の炭素が生成するという欠点が
有った。
一方、溶媒に可溶である無機ポリシラザンは、1921年
にStock(Ber.54.(1921).p740)等によって合成され
ており、1983年にはSeyferth〔Comm.Am.Ceram.Soc.C−1
3/14,(83)〕等によって、これが窒化珪素前駆体とし
て有用であることが証明されている。本発明者等は、か
かる観点に注目し無機ポリシラザンを加熱処理すること
により、高純度のα型窒化珪素を得る方法を提案した
(特開昭59−207812号)。
しかしながら、従来の無機ポリシラザンの製造方法に
おいては、何れの場合も気化性の高いジクロロシランを
原料として用いるために、反応装置のガス配管又は反
応器壁に生成したポリシラザンが固着してガス流路を閉
塞する恐れがある、上記弊害を防止するためには反応
温度を低温に維持してジクロロシランの飛散を防止する
必要が有る、ジクロロシランは毒性及び引火性が強い
ので低温密閉容器に入れて利用せねばならないなど取扱
が煩雑である等の欠点があった。更に、合成されたポリ
シラザンはStock等の場合には、−(SiH2NH)n−の構
造を有するn=7〜8のオリゴマーにすぎず常温では粘
性のある液体であり、Seyferth等の場合には、Stock等
の場合より複雑な構造を有し、Si−H/N−Hのプロトン
比が約3.3のオイル状液体であるが、約200℃で加熱する
から室温で3〜5日放置することにより固化するもので
あり、いずれのポリシラザンの場合であっても、常温で
賦形化した窒化珪素焼結体のための前駆体とした十分な
性質を有していると言えるものではなかった。
したがってより高い分子量と曳糸性を有する窒化珪素
の前駆体として有用なポリシラザンをより収率よくかつ
より容易に合成できる方法の開発が望まれていた。
〔目的〕
本発明の目的は、ポリシラザンの新規な高分子量化技
術を提供するとともに、窒化珪素前駆体として好適な新
規な改質されたポリシラザンを提供することにある。
〔構成〕
本発明によれば、下記一般式(I)〜(IV)で表わさ
れる少なくとも1種の架橋結合を有し、数平均分子量20
0〜500,000である改質ポリシラザンが提供される。
一般式(I) (式中、 第1級アミン残基を、R3は置換基を有してもよいアルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又
はアルアルキル基を示す。) 一般式(II) (式中、 1−置換ヒドラジン残基を、R3は置換基を有してもよい
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
ル基又はアルアルキル基を示す。) 一般式(III) (式中、 1,2−置換ヒドラジン残基を、R3及びR4は置換基を有し
てもよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基又はアルアルキル基を示す。) 一般式(IV) (式中、 1,1−置換ヒドラジン残基を、R3及びR4は置換基を有し
てもよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基又はアルアルキル基を示す。) 本発明の改質ポリシラザンの出発原料として用いられ
る原料ポリシラザンは、珪素原子に少なくとも1個の水
素原子を有するもので、次の一般式で表わされる骨格を
有するものである。
前記式中R1及びR2は、水素原子、又は置換基を有して
いてもよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アルキルアミノ基、アリール基、アルアルキル基も
しくはアルキルシリル基を示す。場合、アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、
デシル等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル、
アリル、ブテニル、オクテニル、デセニル等が挙げら
れ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、メチ
ルシクロヘキシル等が挙げられ、アルキルアミノ基とし
ては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられ、
アリール基としてはフェニル、トリル、キシリル、ナフ
チル等が挙げられ、アルアルキル基としては、ベンジル
基が挙げられ、アルキルシリル基としては、メチルシリ
ル、エチルシリル、プロピルシリル、ブチルシリル、オ
クチルシリル、デシルシリル等が挙げられる。また、前
記置換基としては、珪素原子に結合する水素原子に反応
性を示さないものであればよく、アルキル基やアリール
基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が挙げら
れる。
本発明の原料ポリシラザンは、100〜50,000の数平均
分子量を有するもので、環状ポリシラザン、鎖状ポリシ
ラザンあるいはそれらの混合物から構成される。本発明
において好ましく用いられる原料ポリシラザンは、数平
均分子量300〜2000好ましくは600〜1,000の鎖状ポリシ
ラザンである。
前記で示したポリシラザンは、下記に示す如き従来公
知の方法で合成することができる。
本発明においては、前記出発原料であるポリシラザン
を塩基性条件下で第1級アミン又は置換ヒドラジンと脱
水素重縮合反応(以下、単に重縮合反応とも言う)させ
る。
本発明における第1級アミンとしては、芳香族系及び
脂肪族系のものを用いることができ、次の一般式で表わ
すことができる。
R3−NH2 (VI) この式中、R3は前記R1及びR2の場合と同様に置換基を
有していてもよいアルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基又はアルアルキル基を表わす。
この第1級アミンの具体例としては、例えば、メチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピル
アミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、アミルアミ
ン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、アリルアミン、クロチルアミン、シクロプロピルア
ミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シ
クロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミ
ン、2−アミノ−1−シクロペンチルプロパン、アニリ
ン、トルイジン、ベンジルアミン、ナフチルアミン等を
挙げることができる。
本発明における1−置換ヒドラジンとしては、次の一
般式で表わされるものを用いることができる。
この式中、R3は前記R1及びR2の場合と同様に置換基を
有していてもよいアルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アルアルキル基又は複素環基を
表わす。
この1−置換ヒドラジンの具体例としては、例えば、
メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、イソプロピルヒ
ドラジン、プロピルヒドラジン、フェニルヒドラジン、
ベンジルヒドラジン、2−メチルフェニルヒドラジン、
3−メチルフェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒ
ドラジン、4−エチルフェニルヒドラジン、1−フェニ
ルエチルヒドラジン、2−フェニルエチルヒドラジン、
1−ナフチルヒドラジン、2−ナフチルヒドラジン、2
−ヒドラジノビフェニル、3−ヒドラジノビフェニル、
4−ヒドラジノビフェニル、1−ヒドラジノフタラジ
ン、2−ヒドラジノキノリン、3−ヒドラジノキノリ
ン、4−ヒドラジノキノリン、8−ヒドラジノキノリン
等を挙げることができる。
本発明における1,2−置換ヒドラジンとしては、次の
一般式で表わされるものを用いることができる。
この式中、R3及びR4は前記R1及びR2の場合と同様に置
換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルアルキル基又は複素環基を表わ
す。
この1,2−置換ヒドラジンの具体例としては、例え
ば、1,2−ジメチルヒドラジン、1,2−ジエチルヒドラジ
ン、N1−イソプロピル−N2−メチルヒドラジン、1−メ
チル−2−フェニルヒドラジン、1−エチル−2−フェ
ニルヒドラジン、1,2−ジベンジルヒドラジン、2,2′−
ヒドラゾビフェニル、4,4′−ヒドラゾビフェニル、2,
2′−ジメチルヒドラゾベンゼン、2,4−ジメチルヒドラ
ゾベンゼン、3,3′−ジメチルヒドラゾベンゼン、3,4′
−ジメチルヒドラゾベンゼン、3,5−ジメチルヒドラゾ
ベンゼン、4,4′−ジメチルヒドラゾベンゼン、2−ア
ミノヒドラゾベンゼン、3−アミノヒドラゾベンゼン、
4−アミノヒドラゾベンゼン、1,2−ジ(1−ナフチ
ル)ヒドラジン、1,2−ジ(2−ナフチル)ヒドラジ
ン、2,2′,3,3′−テトラメチルヒドラゾベンゼン、2,
2′,4,4′−テトラメチルヒドラゾベンゼン、2,2′,5,
5′−テトラメチルヒドラゾベンゼン、3,3′,4,4′−テ
トラメチルヒドラゾベンゼン、3,3′,5,5′−テトラヒ
ドラゾベンゼン等を挙げることができる。
本発明における1,1−置換ヒドラジンとしては、次の
一般式で表わされるものを用いることができる。
この式中、R3及びR4は前記一般式(VIII)で示したも
のと同じである。
この1,1−置換ヒドラジンとしては、例えば、1,1−ジ
メチルヒドラジン、1,1−ジエチルヒドラジン、1−メ
チル−1−フェニルヒドラジン、1−エチル−1−フェ
ニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,1−ジ
ベンジルヒドラジン、11−ジ(1−ナフチル)ヒドラジ
ン、1,1−ジ(2−ナフチル)ヒドラジン等が挙げられ
る。
本発明における反応に関する前記塩基性条件として
は、反応系に塩基性化合物、例えば、第3級アミン類
や、立体障害性の基を有する2級アミン類、フォスフィ
ン等を共存させることを意味する。このような塩基性条
件は、反応溶媒中に塩基性化合物を添加することによっ
て形成し得る他、反応溶媒として塩基性溶媒又は塩基性
溶媒と非塩基性溶媒との混合物を用いることによって形
成することができる。塩基性化合物の添加量は、反応溶
媒100重量部に対し少なくとも5重量部、好ましくは20
重量部以上である。塩基性化合物の添加量がこれより少
なくなると、重縮合反応が円滑に促進されない。
前記塩基性溶媒としては、出発原料であるポリシラザ
ンを分解しないものであれば任意のものが使用できる。
このようなものとしては、例えば、トリメチルアミン、
ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン及びトリ
エチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、ピコ
リン、ジメチルアニリン、ピラジン、ピリミジン、ピリ
ダジン及びこれらの誘導体等の第3級アミン類の他、ピ
ロール、3−ピロリン、ピラゾール、2−ピラゾリン、
及びそれらの混合物等を挙げることができる。また、非
塩基性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式
炭化水素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン化
メタン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等
のエーテル類が使用できる。好ましい溶媒は、塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化
エチレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブ
チルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジ
メチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ
ピラン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、イソヘキ
サン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オク
タン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水
素等である。
本発明の重縮合反応は、前記した如き溶媒中で好まし
くは実施されるが、この場合、原料ポリシラザンの溶媒
中濃度は0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%で
ある。ポリシラザンの濃度がこれより低いと分子間重縮
合反応が十分進行せず、またそれより高いと分子間重縮
合反応が進みすぎてゲルを生成するようになる。反応温
度は、−78〜300℃、好ましくは−40〜180℃であり、そ
れより低い温度では重縮合反応が十分進行せず、それよ
り高い温度では重縮合反応が進みすぎてゲルを生成す
る。また、重縮合反応剤として用いる第1級アミン又は
置換ヒドラジンの使用量は、ポリシラザン1モル(平均
モル)に対するモル比で、0.01〜5000、好ましくは0.5
〜1000の範囲であり、それより低いと重縮合反応が十分
進行せず、それより高いと重縮合反応が進みすぎてゲル
を生成する。反応雰囲気としては、大気の使用が可能で
あるが、好ましくは、第1級アミン、置換ヒドラジン又
はその他のアミンやヒドラジン等からなる塩基性雰囲気
や、乾燥窒素、乾燥アルゴン等の不活性ガス雰囲気ある
いはそれらの混合雰囲気が使用される。本発明における
重縮合反応においては、原料の第1級アミン又は置換ヒ
ドラジンや、副生物の水素によって反応の際圧力がかか
るが、必ずしも加圧は必要でなく、常圧を採用すること
ができる。なお、反応時間は、出発原料のポリシラザン
の種類、濃度および塩基性溶媒の種類、濃度、添加する
第1級アミンまたは置換ヒドラジンの添加量あるいは重
縮合反応温度など諸条件により異なるが、一般的に0.5
〜20時間の範囲とすれば充分である。
重縮合反応の最適条件は出発原料のポリシラザンの平
均分子量、分子量分布及び改質ポリシラザンの分子構造
によって、また、第1級アミン又は置換ヒドラジンのい
ずれを選ぶかによって異なる。条件設定の一般的な考慮
は、出発原料のポリシラザンの平均分子量が低い程より
きびしい条件(温度、反応時間)が必要とされるという
ことである。
本発明において、塩基性溶媒を用いて重縮合反応を行
う場合、得られる改質ポリシラザンを含む塩基性溶媒溶
液は、その溶液組成調整して、塩基性溶媒含量を、全溶
媒中30重量%以下、好ましくは5重量%以下にするのが
好ましい。塩基性溶媒は、改質ポリシラザンの分子間重
縮合反応触媒として作用するため、その溶媒に対する割
合が余りにも多くなると、室温で長時間保存している間
にゲルを生成する。この溶媒組成の調整は、例えば、前
記重縮合反応工程で得られた塩基性化合物を含む改質ポ
リシラザン溶液を蒸発処理して、それに含まれる塩基性
化合物を蒸発除去した後、非塩基性(非反応性)溶媒を
添加することによって行うことができる。溶液中の塩基
性化合物の含量が高い場合や、反応溶媒として塩基性の
ものを用いる場合は、前記した塩基性化合物の蒸発除去
と非塩基性溶媒添加とからなる溶液組成調整工程を繰返
し行うことによって安定性の良い溶液組成とすることが
できる。本発明において改質ポリシラザンの安定溶液を
形成するための非塩基性溶媒としては、前記で示した如
き脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル
等を用いることができる。
本発明におけるポリシラザンと第1級アミン又は置換
ヒドラジンとの重縮合反応は、次の如き素反応を含んで
いるものと考えられる。
(1)ポリシラザンと第1級アミンとの反応 (i)前記一般式(V)におけるR1及びR2が共に有機基
の場合 (ii)前記一般式(V)におけるR1,R2の一方が水素原
子で他方が有機基の場合 (a)R1が水素の場合 (b)R2が水素原子の場合 (c)R1、R2が共に水素原子の場合 (2)ポリシラザンと1−置換ヒドラジンとの反応 (i)前記一般式におけるR1及びR2が共に有機基の場合 (ii)R1、R2の一方が水素原子で他方が有機基の場合 (a)R1が水素原子の場合 (b)R2が水素原子の場合 (c)R1,R2が共に水素原子の場合 (3)ポリシラザンと1,2−置換ヒドラジンとの反応 (i)一般式(V)におけるR1、R2が共に有機基の場合 (ii)一般式(V)におけるR1,R2の一方が水素原子で
他方が有機基の場合 (a)R1が水素原子の場合 (b)R2が水素原子の場合 (c)R1,R2が共に水素原子の場合 (4)ポリシラザンと1,1−置換ヒドラジンとの反応 (i)一般式(V)におけるR1,R2が共に有機基の場合 (ii)R1、R2の一方の水素原子で他方が有機基の場合 (a)R1が水素原子の場合 (b)R2が水素原子の場合 (c)R1,R2が共に水素原子の場合 本発明の改質ポリシラザンは、前記のように原料ポリ
シラザンと第1級アミン又は置換ヒドラジンとを重縮合
反応させることによって生成された重合体であり、ポリ
シラザン分子中に前記一般式(I)〜(IV)で示された
如き新しい架橋結合が導入され、高分子量化されたもの
である。本発明の改質ポリシラザンは、原料ポリシラザ
ンに対して、分子構造的には次の点を特徴とする。
(1)珪素原子に結合する窒素原子の割合が増加する。
本発明の改質ポリシラザンは、前記のように、新しい架
橋基を含むものであり、この架橋基に基づく窒素原子の
割合が増加する。改質ポリシラザン中の珪素原子に結合
する窒素原子と珪素原子との比(N/Si)の上限は、改質
ポリシラザンのゲル化が起らない範囲、換言すれば、溶
媒可溶性を示す範囲内に規定されるが、通常は2.5以
下、好ましくは2.0以下である。
(2)数平均分子量範囲は、200〜500,000である。本発
明の改質ポリシラザンは、前記のように数平均分子量10
0〜50,000のポリシラザンを原料として用い、これを第
1級アミン又は置換ヒドラジンを架橋剤として用いて架
橋高分子化することによって形成されることから、その
分子量は、当然のことながら、原料ポリシラザンの分子
量よりも増加されたものとなる。一般的には、本発明の
目的とする改質ポリシラザンは、数平均分子量200〜50
0,000、好ましくは、1500〜10000を有する。
本発明の改質ポリシラザンは、分子構造的には前記の
如き特徴を有し、原料ポリシラザンと区別されるもので
あるが、その他、多くの枝分れ構造を有する点もその特
徴の1つである。この枝分れ構造のために、本発明の改
質ポリシラザンは、原料ポリシラザンに比して高分子量
化されたものでありながら、むしろ溶媒可溶性において
改善された結果を与える。Seyferth等が提案した無機シ
ラザンは、Si−H/N−Hのプロトン比が約3.3のオイル状
液体であり、約200℃で加熱するか、室温で3〜5日放
置することにより固化するものである。これに対し、本
発明の改質ポリシラザンは、200〜500000の分子量を持
ち、前記した如き新しい架橋基を含み、窒素原子と珪素
原子との比(N/Si)は原料ポリシラザンよりも高く、し
かも溶媒再可溶性を有する。本発明の改質ポリシラザン
が原料ポリシラザンに比してより多くの枝分れ構造を有
する理由は、本発明における量縮合反応では、量縮合反
応以外に、ポリシラザンの不均化反応等が起ることによ
るものと考えられる。
本発明の改質ポリシラザンは、前記の如き分子構造的
特徴を有するとともに、物性的には、新しい架橋結合を
有しながら、多くの場合有機溶媒に可溶であり、特に改
質ポリシラザン溶液から溶媒を除去した固体重合体は、
溶媒に対して再可溶性を有するという大きな特徴を示
す。従来のポリシラザンの場合、安定性が悪く、その溶
液から溶媒を除去すると樹脂状固体を生成し、このもの
は溶媒に不溶であったが、本発明の改質ポリシラザンは
このような傾向を示さない。従って、従来のポリシラザ
ンの場合、固体重合体としての取扱いが不可能ないし著
しく困難であったのに対し、本発明の改質ポリシラザン
は固体重合体として容易に取扱うことができる。
〔効 果〕
本発明の改質ポリシラザンは、前記の如き分子構造的及
び物性的特徴を有するもので、種々の分野に利用するこ
とができる。次に、本発明の改質ポリシラザンの用途的
及び製法的特徴を示す。
改質ポリシラザンは、有機溶媒に可溶であり、焼成
して窒化ケイ素あるいは窒化ケイ素含有セラミックスに
変換できるため、高性能のセラミックス成形体すなわ
ち、高温機械強度が高く、耐熱性、耐食性、耐酸化性、
耐熱衝撃性に優れた連続繊維、フィルム、被覆膜を容易
に得ることができる。また、セラミックス収率が高いの
で、焼結用結合剤、含浸剤等としての利用も可能であ
る。
改質ポリシラザンは、その重合体中に分解を促進す
る残留触媒等の不純物の混入がないため、安定性が向上
し、取扱いが容易になり、その上高温焼成後のセラミッ
クスの純度が向上する。
改質ポリシラザンは、原料ポリシラザンに比べて架
橋構造、分子量が増加するため、凝固性が向上し、常温
ですみやかに賦形化が可能となる。
遷移金属等の触媒を用いないため、生成物と触媒と
の分離工程を必要としない。
改質ポリシラザン中に触媒が残存しないため、安定
性が向上し、溶媒を除き、単離後も長期保存が可能であ
る。
高価で危険な触媒を使用しないため、低コストで安
全である。
高分子量のため、高温焼成時の蒸発損失が小さいの
で、セラミックス収率が向上する。
不純物の混入がないため、高温焼成後のセラミック
スの純度が向上する。
改質ポリシラザンを紡糸する場合、紡糸助剤を添加
せずに連続紡糸が可能となる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
参考例 1 内容積1の四つ口フラスコにガス吹きこみ管、メカ
ニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装置した。
反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口
フラスコに脱気した乾燥ピリジン490mlを入れ、これを
氷冷した。次にジクロロシラン51.6gを加えると白色固
体状のアダクト(SiH2Cl2・2C5H5N)が生成した。反応
混合物を氷冷し、撹拌しながら、水酸化ナトリウム管及
び活性炭管を通して精製したアンモニア51.0gを吹き込
んだ。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジン
を用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下でろ過して、ろ
液850mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧留去すると樹脂
固体ペルヒドロポリシラザン0.102gが得られた。
得られたポリマーの数平均分子量はGPCにより測定し
たところ、980であった。また、このポリマーのIR(赤
外吸収)スペクトル(溶媒:乾燥o−キシレン;ペルヒ
ドロポリシラザンの濃度:10.2g/)を検討すると、波
数(cm-1)3350(見かけの吸光係数ε=0.557g′1cm
-1)及び1175のNHに基づく吸収;2170(ε=3.14)のSiH
に基づく吸収;1020〜820のSiH及びSiNSiに基づく吸収を
示すことが確認された。またこのポリマーの1HNMR(プ
ロトン核磁気共鳴)スペクトル(60MHz,溶媒CDCl3/基準
物質TMS)を検討すると、いずれも幅広い吸収を示して
いることが確認された。即ちδ4.8及び4.4(br,SiH);
1.5(br,NH)の吸収が確認された。
参考例 2 参考例1と同一の装置を用いて反応を行った。即ち、
参考例1で示した四つ口フラスコに脱気した乾燥ジクロ
ロメタン500mlを入れ、これを氷冷した。次にジクロロ
シラン48.6gを加えた。この溶液を氷冷し、撹拌しなが
ら、水酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製した
アンモニア42.5gを窒素との混合ガスとして吹き込ん
だ。反応中ガス流路に粉霧が生成したので、ガス流路を
時々たたいて閉塞を防いだ。
反応混合物を参考例1と同様処理すると粘性油状ペル
ヒドロポリシラザンが9.6g得られた。得られたポリマー
の数平均分子量はGPCにより測定したところ640であっ
た。
参考例 3 参考例1と同一の装置を用いて反応を行った。即ち、
参考例1で示した四つ口フラスコに脱気した乾燥テトラ
ヒドロフラン450mlを入れ、これをドライアイス−メタ
ノール浴で冷却した。次にジクロロシラン46.2gを加え
た。この溶液を冷却し、撹拌しながら無水メチルアミン
44.2gを窒素との混合ガスとして吹き込んだ。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥テトラヒ
ドロフランを用いて洗浄した後、さらに窒素雰囲気下で
ろ過してろ液820mlを得た。溶媒を減圧留去すると粘性
油状N−メチルシラザンが8.4g得られた。得られたポリ
マーの数平均分子量は、GPCにより測定したところ1100
であった。
参考例 4 内容積1の四つ口フラスコにガス吹きこみ管,メカ
ニカルスターラー,ジュワーコンデンサーを装置した。
反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口
フラスコに乾燥ジクロロメタン300mlおよびメチルジク
ロロシラン24.3g(0.211mol)を入れ、氷冷した。撹拌
しながら水酸化ナトリウム管および活性炭管を通して精
製したアンモニア18.1g(1.06mol)を吹き込んだ。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ジクロロ
メタンを用いて洗浄後、窒素雰囲気下でろ過した。ろ液
から溶媒を減圧留去すると、無色透明の液体を8.81g得
た。この生成物の数平均分子量はGPCにより測定したと
ころ、380であった。
参考例 5 参考例1と同一の装置を用いて反応を行ナった。すな
わち参考例1で示した四つ口フラスコに脱気した乾燥ベ
ンゼン450mlを入れ、これを水冷した。次にジクロロシ
ラン40.6gを加えた。この溶液を水冷し、撹拌しなが
ら、水酸化ナトリウム管および活性炭管を通して精製し
たアンモニア42.0gを窒素との混合ガスとして吹き込ん
だ。反応中ガス流路に粉霧が生成したので、ガス流路を
時々たたいて閉塞を防いた。
反応混合物を参考例1と同様に処理すると粘性油状ペ
ルヒドロポリシラザンが5.2g得られた。得られたポリマ
ーの数平均分子量はGPCにより測定したところ320であっ
た。
参考例 6 内容積1の四つ口フラスコに滴下ろうと、メカニカ
ルスターラー,ジュワーコンデンサーと装置した。反応
器内部の脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フラ
スコに脱気した乾燥ベンゼン400mlと公知の方法(J.Am.
Chem.Soc,.Vol.67,1813(1945))により得た。アリル
ジクロロシラン64.5gを入れ、撹拌した。滴下ろうと
に、公知の方法(J.Am.Chem.Soc.vol 70,435(1948))
により得たトリエチルアミノシラン42.5gと乾燥ベンゼ
ン50mlを入れた。トリエチルアミノシランのベンゼン溶
液をアリルジクロロシランのベンゼン溶液に滴下した。
滴下終了後、撹拌しながらオイルバスで加熱環流して反
応を行なった。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ベンゼン
を用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下で濾過して、濾
液680mlを得た。濾液より溶媒を除くと液体状のN−
(トリエチルシリル)アリルシラザンが19.2g得られ
た。得られたポリマーの数平均分子量はGPCにより測定
したところ360であった。
参考例 7 シクロヘキシルブロマイドより合成したグリニャール
試薬62.0gをトリクロロシラン110gにゆっくりと添加し
た。減圧蒸留したところ、シクロヘキシルジクロロシラ
ンが16.4g得られた。参考例6と同様の装置を用いた。
四つ口フラスコにシクロヘキシルジクロロシラン12.0g
と乾燥ベンゼン420mlを入れ撹拌した。滴下ろうとに1,1
−ジメチルヒドラジン15.6gと乾燥ベンゼン40mlを入れ
た。1,1−ジメチルヒドラジンのベンゼン溶液をシクロ
ヘキシルジクロロシランのベンゼン溶液に滴下した。滴
下終了後、室温で撹拌しながら反応を行った。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ベンゼン
を用して洗浄した後、更に窒素雰囲気下で濾過して、濾
液730mlを得た。濾液より溶媒を除くと油状のN−(ジ
メチルアミノ)シクロヘキシルシラザンが3.2g得られ
た。得られたポリマーの数平均分子量はGPCにより測定
したところ390であった。
参考例 8 参考例1と同一の装置を用いて反応を行った。すなわ
ち、参考例1で示した四つ口フラスコに脱気した乾燥ト
ルエン500mlを入れ、、これを氷冷した。次に、フェニ
ルジクロロシラン52.1gを加えた。この溶液を氷冷し、
撹拌しながら、水酸化ナトリウム管および活性炭管を通
して精製したアンモニア30.0gを窒素との混合ガスとし
て吹き込んだ。
反応混合物を参考例1と同様に処理すると油状フェニ
ルポリシラザンが6.8g得られた。得られたポリマーの数
平均分子量はGPCにより測定したところ380であった。
実施例1 参考例1で得られたペルヒドロポリシラザンのピリジ
ン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃度、5.26%)100m
lを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、脱水したn−ブ
チルアミン2ml(20.2mmol)を加えて密閉系で120℃で3
時間撹拌しながら反応を行なった。この間大量の気体が
発生した。反応前後で圧力は2.0kg/cm2上昇した。室温
に冷却後、乾燥o−キシレン200mlを加え、圧力3〜5mm
Hg,温度50〜70℃で溶媒を除いたところ、5.1gの白色粉
末が得られた。この粉末は、トルエン,テトラヒドロフ
ラン,クロロホルムおよびその他の有機溶媒に可溶であ
った。
前記重合体粉末の数平均分子量は、GPCにより測定し
たところ3820であった。また、そのIRスペクトル(溶
媒:トルエン)の分析の結果、波数(cm-1)3350および
1175のNHに基づく吸収;2170のSiHに基づく吸収;1020〜8
20のSiHおよびSiNSiに基づく吸収;2690、2930、2880、1
460、1380のCHに基づく吸収;1090のCNに基づく吸収を示
すことが確認された。さらに、前記重合体粉末の1HNMR
スペクトル(CDCl3,TMS)を分析した結果、δ4.8(br,S
iH2)、δ4.4(br,SiH3)、δ2.7(br,CH2)、δ1.4(b
r,NH)、δ0.9(br,CH3)の吸収が観測された。また、
前記重合体粉末の元素分析結果は、Si:57.4%(重
量)、N:26.8%、C:9.30%、O:3.63%であった。
実施例2 参考例1で得られたペルヒドロポリシラザンのピリジ
ン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃度,5.12重量%)1
00mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、減圧蒸留し
たアニリン15mlを加え、密閉系で120℃で3時間撹拌を
しながら反応を行なった。この間大量の気体が発生した
が、ガスクロマトグラフィー(GC)測定により、この気
体は水素であった。反応前後における圧力上昇は1.7kg/
cm2であった。実施例1と同様に溶媒を減圧留去する
と、白色粉末が4.9g得られ、この粉末は有機溶媒に可溶
であった。
前記重合体粉末の数平均分子量は、GPCにより測定し
たところ1720であった。また、そのIRスペクトル(溶
媒:o−キシレン)の分析の結果、波数(cm-1)3350およ
び1175のNHrに基づく吸収、2170のSiHに基づく吸収;102
0〜820のSiHおよびSiNSiに基づく吸収、3050、755およ
び695にCHに基づく吸収、1610、1495に基づく吸収:1290
にCNに基づく吸収を示すことが確認された。さらに、前
記重合体粉末の1HNMRスペクトル(CDCl3、TMS)を分析
した結果、δ7.2(br,CH)、δ6.7(br,CH)、δ4.8(b
r,SiH2)、δ4.4(br,SiH3)、δ1.5(br,NH)の吸収が
観測された。
実施例3 参考例1で得られたペルヒドロポリシラザンのピリジ
ン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃度,5.26重量%、5
0mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、メチルヒドラ
ジン15mlを加え、密閉系で25℃で1時間撹拌しながら反
応を行なった。この間大量の気体が発生した。反応前後
における圧力上昇は1.2kg/cm2であった。実施例1と同
様に溶媒を減圧留去したところ、改質ポリシラザンの白
色粉末が2.4g得られた。この改質ポリシラザン粉末は有
機溶媒に可溶であった。
前記重合体粉末の数平均分子は、GPCにより測定した
ところ、2250であった。また、そのIRスペクトル(溶
媒:o−キシレン)の分析の結果、波数(cm-1)3350およ
び1175のNHに基づく吸収;2170のSiHに基づく吸収;1020
〜820のSiHおよびSiNSiに基づく吸収;2950、2850、2800
および1440のCHに基づく吸収が確認された。さらに前記
重合体粉末の1HNMRスペクトル(CDCl3、TMS)を分析し
た結果、δ4.8(br,SiH2)、δ4.4(br,SiH3)、δ3.3
(br,CH3)、δ1.5(br,NH)の吸収が観測された。
実施例4〜7 表−1に示されたアミン又は置換ヒドラジン、アミン
量又は置換ヒドラジン量、ペルヒドロポリシラザンの濃
度および反応温度を用いた以外は実施例1と同様にして
反応を行なって、改質ポリシラザンを得た。このものの
性状を表1に示す。
なお、表−1に示したアミン量及び置換ヒドラジン量
は、ペルヒドロポリシラザンに対するモル比である。
実施例8 参考例2で得られたペルヒドロポリシラザンのピリジ
ン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃度,5.83重量%)1
00mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、P−トルイ
ジン5.5gを加えて密閉系で120℃で3時間撹拌しながら
反応を行なった。この間大量の気体が発生した。反応前
後における圧力上昇は0.8kg/cm2であった。実施例1と
同様に溶媒を減圧留去すると、改質ポリシラザンの淡黄
色粉末が5.5g得られ、この粉末は有機溶媒に可溶であっ
た。その数平均分子量はGPCにより測定をしたところ、2
480であった。
実施例9 参考例3により得た、N−メチルシラザンのピリジン
溶液(N−メチルシラザンの濃度,9.56重量%)100mlを
内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、ベンジルヒドラジ
ン10.0mlを加え、密閉系で80℃で3時間撹拌しながら反
応させた。この間大量の気体が発生した。反応前後で圧
力は0.7kg/cm2上昇した。実施例1と同様に溶媒を減圧
留去して、改質ポリシラザンが淡黄色ゴム状固体として
得られた。その数平均分子量はGPCにより測定したとこ
ろ、1890であった。
実施例10 参考例4により得た、ポリメチルシラザンのγ−ピコ
リン溶液(ポリメチルシラザンの濃度、10.4重量%)80
mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、アニリン30ml
を加え、密閉系で150℃で6時間撹拌しながら反応を行
った。この間気体の発生がみとめられ、反応前後で圧力
は、0.5kg/cm2上昇した。実施例1と同様に溶媒を減圧
留去すると、改質ポリシラザンが黄色ゴム状固体として
得られた。その数平均分子量はGPCにより測定したとこ
ろ1680であった。
実施例11 参考例5により得た、ペルヒドロポリシラザンのピリ
ジン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃度、8.53重量
%)100mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、フェニ
ルヒドラジン15mlを加え密閉系で80℃で3時間撹拌しな
がら反応を行った。この間気体の発生がみとめられ、反
応前後で圧力は0.6kg/cm2上昇した。実施例1と同様に
溶媒を減圧留去すると、改質ポリシラザンが淡かっ色固
体として得られた。その数平均分子量はGPCにより測定
したところ、2770であった。
実施例12 参考例6により得たN−(トリエチルシリル)アリル
シラザンのピリジン溶液(N−(トリエチルシリル)ア
リルシラザンの濃度、7.27重量%)100mlを内容積300ml
の耐圧反応容器に入れ、イソプロピルアミン20.0mlを加
え、密閉系で100℃で5時間撹拌しながら反応させた。
この間大量の気体が発生した。反応前後で圧力は0.5kg/
cm2上昇した。実施例1と同様に溶媒を減圧留去して、
改質ポリシラザンの淡黄色ゴム状固体を得た。その数平
均分子量はGPCにより測定したところ、1650であった。
実施例13 参考例7により得た、N−(ジメチルアミノ)シクロ
ヘキシルシラザンのピリジン溶液(N−(ジメチルアミ
ノ)シクロヘキシルシラザンの濃度、5.53重量%)50ml
を内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、1,2−ジメチルヒ
ドラジン15.0ml加え、密閉系で120℃で6時間撹拌しな
がら反応させた。この間大量の気体が発生した。反応前
後で圧力は0.3kg/cm2上昇した。実施例1と同様に溶媒
を減圧留去して、改質ポリシラザンの淡黄色ゴム状固体
を得た。その数平均分子量はGPCにより測定したとこ
ろ、1530であった。
実施例14 参考例8により得た、フェニルポリシラザンのピリジ
ン溶液(フェニルポリシラザンの濃度、5.15重量%)10
0mlを内容積300mlの耐圧反応容器に入れ、N′−イソプ
ロピル−N2−メチルヒドラジン10.0mlを加え、密閉系で
100℃で3時間撹拌しながら反応させた。この間大量の
気体が発生した。反応前後で圧力は1.0kg/cm2上昇し
た。実施例1と同様に溶媒を減圧留去して、改質ポリシ
ラザンが白色粉末として得られた。その数平均分子量は
GPCにより測定したところ、2210であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)〜(IV)で表わされる少
    なくとも1種の架橋結合を有し、数平均分子量が200〜5
    00,000である改質ポリシラザン。 一般式(I) (式中、 第1級アミン残基と、R3は置換基を有してもよいアルキ
    ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又
    はアルアルキル基を示す。) 一般式(II) (式中、 1−置換ヒドラジン残基と、R3は置換基を有してもよい
    アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基又はアルアルキル基を示す。) 一般式(III) (式中、 1,2−置換ヒドラジン残基を、R3及びR4は置換基を有し
    てもよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
    基、アリール基又はアルアルキル基を示す。) 一般式(IV) (式中 1,1−置換ヒドラジン残基を、R3及びR4は置換基を有し
    てもよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
    基、アリール基又はアルアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】珪素原子に、少なくとも1個の水素原子を
    有する数平均分子量が100〜50,000のポリシラザンに、
    塩基性条件下で、第1級アミン、1−置換ヒドラジン、
    1,2−置換ヒドラジン及び1,1−置換ヒドラジンの中から
    選ばれる少なくとも1種を反応させることを特徴とする
    請求項1の改質ポリシラザンの製造法。
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