JP2749993B2 - 帯状物の破断検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は例えばプラスチックフィルム製造装置に於い
て、フィルムの破断を検出する装置に適用される帯状物
の破断検出装置に関する。

［従来の技術］ フィルム製造装置の横延伸機でのフィルム破断を検出
する場合、従来では第５図に示すように反射式光電管21
を横延伸機オーブン23の出口部に、クリップ22にはさま
れ走行していくフィルム４に垂直に設置し、フィルム４
からの反射光を検出してフィルム４の有無を判別してい
る。この反射式光電管21からのフィルム無信号を破断信
号として使い、破断が生じた時は、警報を出すと同時
に、機械速度の自動減速、又は機械の自動停止をさせて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ 上述した従来のフィルム破断検出手段は、フィルムの
光の反射特性を利用して、フィルムの破断があるか否か
の判断をしているため、光電管の角度をスキャニングし
て全幅での破断が検出できず、又、破断位置も検出でき
ないという問題があった。

又、フィルム以外の物体からの反射により、光電管が
誤動作することがあるという問題があった。

又、検出器をフィルムに近づけて設置する必要があ
り、機械的な制約を受けるという問題があった。

上記の問題点から、検出器の角度により誤動作する可
能性があり、機械的な取付上の制約を受ける従来の反射
光方式に変わる新たな検出器が必要となってきた。

［課題を解決するための手段］ 本発明による破断検出装置は、フィルムの温度を赤外
線温度計で計測する。そして、フィルムからでる赤外線
の量及び破断箇所を通して他の物体からの赤外線の量を
比較することにより破断を検出する。

フィルム周辺の機械部が同一温度である場合は、黒色
にしたりして輻射率を変えることによりフィルム破断箇
所を通ってくる赤外線をフィルムのものから区別して判
別できる。

［作 用］ 本発明の装置を例えばフィルムの延伸部等に設置する
ことにより、フィルムの破断を遅れなく検出し、警報を
出すとともに、破断位置を出力することができる。

［実施例］ 以下図面を参照して本発明の一実施例を説明する。

第１図は本発明の一実施例による破断検出装置の構成
を示すブロック図である。

第１図に於いて、フィルム４から出る赤外線は、フィ
ルム幅方向を走査するために回転する反射鏡（回転ミラ
ー）２により反射され、赤外線温度検出器１に入光す
る。赤外線温度検出器１は、アナログ量のフィルム温度
信号５を出力し、同信号を破断判別回路10に供給する。

反射鏡２は、位置検出器付駆動装置６によって回転
し、シンクロモータによって構成される位置検出器より
角度信号７を出力し、同信号７をフィルム幅方向位置検
出回路８に供給する。フィルム幅方向位置検出回路８
は、位置検出器付駆動装置６より入力された角度信号７
に従いフィルム位置信号９を出力する。破断判別回路10
は反射鏡２がフィルム４を走査しているときに、フィル
ム温度信号５が破断レベル（第３図のレベル20）を超え
ると、破断と認識して、破断警報信号11と、破断箇所の
位置信号（ディジタル信号）12を出力する。

第４図に示すように、温度調節装置24により温風ダク
ト３を介して一定温度の温風が循環している横延伸機オ
ーブン23内に、赤外線温度検出器１を設置し、更に温風
ダクト３の表面を黒色塗装して、赤外線放射率を高くす
る。フィルム破断がない場合は、赤外線温度検出器１は
フィルム４から発生する赤外線を検出し、第２図のよう
なフィルム幅方向に一定の温度となるような信号を出力
する。フィルム破断が生じると、フィルム破断部を通し
て検出する赤外線は、温風ダクト３から発生するもので
あり、この放射量は放射率の高い黒色のため、当然フィ
ルム４からの赤外線より多くなり、フィルム幅方向の温
度分布は第３図のようになる。

このとき破断位置での温度が第３図に示す閾値20を超
えたことがフィルム破断判別回路10で判断され、第３図
に示す破断警報信号11が出力される。

［発明の効果］ 上記したように本発明の帯状物の破断検出装置によれ
ば、検出対象となるフィルム等の帯状物の温度を検出す
るために、同帯状物例えばフィルムのバタツキ（振れ）
による誤動作がなく、又、フィルムから検出器を離して
設置することができるので、高温部のフィルム破断が検
出できる。

このことは、破断が最も生じやすい横延伸部でのフィ
ルム破断検出ができ、破断を時間遅れなく検出し、後工
程のロール等へのフィルム巻き付け防止の動作を行なう
ことができる。

又、破断とフィルム温度は因果関係があり、温度、破
断位置を同時に検出できることは、破断検出予知技術に
利用でき、フィルムの生産性向上に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る破断検出装置の構成を
示すブロック図、第２図は上記実施例における赤外線温
度検出器による破断なし時のフィルム温度分布図、第３
図は上記実施例に於ける赤外線温度検出器による破断時
のフィルム温度分布図、第４図は上記実施例に於ける横
延伸機内での赤外線温度検出器の設置図、第５図は従来
の破断検出装置の構成を示すブロック図である。 １……赤外線温度検出器、２……反射鏡（回転ミラ
ー）、３……温風ダクト、４……フィルム、５……フィ
ルム温度信号、６……位置検出器付駆動装置、７……角
度信号、８……フィルム幅方向位置検出回路、９……フ
ィルム位置信号、10……破断判別回路、11……破断警報
信号、12……破断箇所位置信号。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雅有 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道１番 地 三菱重工業株式会社名古屋機器製作 所内 (56)参考文献 特開 昭47−34450（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−30585（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−278146（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱可塑性のプラスチックフィルムまたはシ
   ート等の帯状物を成形する製造ライン内に検出手段を配
   設し、上記帯状物の破断を検出する帯状物の破断検出装
   置に於いて、上記検出手段として、上記帯状物の輻射熱
   を反射鏡を介して検出する赤外線温度検出器と、同赤外
   線温度検出器を上記帯状物の全幅に亘り走査させるため
   の反射鏡の位置検出器付駆動装置と、同位置検出器付駆
   動装置からの位置信号と上記赤外線温度検出器からの温
   度信号とを入力し、帯状物からの赤外線放射量と周囲構
   造物からの赤外線放射量との差から上記帯状物の破断及
   びその位置を判別する制御装置とを具備してなることを
   特徴とする帯状物の破断検出装置。