JP2749619B2 - 活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬 - Google Patents
活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬Info
- Publication number
- JP2749619B2 JP2749619B2 JP1058123A JP5812389A JP2749619B2 JP 2749619 B2 JP2749619 B2 JP 2749619B2 JP 1058123 A JP1058123 A JP 1058123A JP 5812389 A JP5812389 A JP 5812389A JP 2749619 B2 JP2749619 B2 JP 2749619B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antibody
- human protein
- pci
- complex
- reagent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は活性化ヒトプロテインCとヒトプロテインC
インヒビターの複合体(以下APC−PCI ComplexまたはCI
Cと略記する)の測定方法および測定試薬に関する。さ
らに詳しくは、APC−PCI Complex(CIC)を二抗体サン
ドイッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定する
測定方法および測定試薬に関する。
インヒビターの複合体(以下APC−PCI ComplexまたはCI
Cと略記する)の測定方法および測定試薬に関する。さ
らに詳しくは、APC−PCI Complex(CIC)を二抗体サン
ドイッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定する
測定方法および測定試薬に関する。
ヒトプロテインC(以下PCと略記する)はビタミンK
依存性血漿蛋白質の一つで、糖含量23%の二本鎖から成
る分子量約62000の蛋白質であり、血液凝固の生理的制
御因子として、非常に重要な役割を果たしている。PCは
循環血液中では通常、不活性型の前駆酵素として存在す
る。なんらかの原因により凝固系が作動しトロンビンが
生成されると、トロンビンは速やかに血管内皮細胞表層
に存在するトロンボモジュリンと結合し、トロンビン−
トロンボモジュリン複合体を形成する。PCは、このトロ
ンビン−トロンボモジュリン複合体により活性化され、
活性化ヒトプロテインC(以下APCと略記する)とな
る。APCは凝固反応の補酵素である活性化第VIII因子と
活性化第V因子を分解し凝固反応を制御する。
依存性血漿蛋白質の一つで、糖含量23%の二本鎖から成
る分子量約62000の蛋白質であり、血液凝固の生理的制
御因子として、非常に重要な役割を果たしている。PCは
循環血液中では通常、不活性型の前駆酵素として存在す
る。なんらかの原因により凝固系が作動しトロンビンが
生成されると、トロンビンは速やかに血管内皮細胞表層
に存在するトロンボモジュリンと結合し、トロンビン−
トロンボモジュリン複合体を形成する。PCは、このトロ
ンビン−トロンボモジュリン複合体により活性化され、
活性化ヒトプロテインC(以下APCと略記する)とな
る。APCは凝固反応の補酵素である活性化第VIII因子と
活性化第V因子を分解し凝固反応を制御する。
血液中にはAPCに対するインヒビターとしてプロテイ
ンCインヒビター(以下PCIと略記する)が存在する。P
CIは分子量57000の一本鎖糖蛋白質で、APCと等モルのア
シル結合による複合体を形成し、APCを阻害する。
ンCインヒビター(以下PCIと略記する)が存在する。P
CIは分子量57000の一本鎖糖蛋白質で、APCと等モルのア
シル結合による複合体を形成し、APCを阻害する。
ヒトの血中PCの測定法には、生物活性測定法と免疫学
的測定法とが報告されている。また、PCIについても生
物活性測定法と免疫学的測定法とが確立されている。し
かし、APC−PCI Complex(CIC)の測定については未だ
有用かつ実用的な方法ならびに試薬が提供されていな
い。なお、PCおよびPCIの精製および測定法について参
考のために下記文献1)〜3)を列挙する。
的測定法とが報告されている。また、PCIについても生
物活性測定法と免疫学的測定法とが確立されている。し
かし、APC−PCI Complex(CIC)の測定については未だ
有用かつ実用的な方法ならびに試薬が提供されていな
い。なお、PCおよびPCIの精製および測定法について参
考のために下記文献1)〜3)を列挙する。
1) Suzuki K.Nishioka J.Hashimoto S.,Protein C I
nhibitor,Purification from Human Plasma and Charac
terization,J.Biol.Chem.,1983;258:163 2) Suzuki K.Stenflo J.Dahlback B.Teodorsson B.,
Inactivation of Human Coagulation Focto V by Activ
ated Protein C,J.Biol.Chem.,1983;258:1918 3) 鈴木 宏治,プロテインC,臨床検査,1984;28:25 さて、播種性血管内凝固症候群(Disseminated intra
vascular coagulation:DICと略す)とは、全身の主とし
て細小血管内に血栓が多発し、止血障害、血栓による諸
臓器障害・ショック・末梢循環不全を呈する病態であ
る。DIC発症の基礎疾患としては、悪性腫瘍が45.2%と
最も多く、次いで感染症、白血病、肝疾患の順となって
おり、これらの疾患において早期にDICを発見し、早期
に治療することがDICに対する最善の対策である。
nhibitor,Purification from Human Plasma and Charac
terization,J.Biol.Chem.,1983;258:163 2) Suzuki K.Stenflo J.Dahlback B.Teodorsson B.,
Inactivation of Human Coagulation Focto V by Activ
ated Protein C,J.Biol.Chem.,1983;258:1918 3) 鈴木 宏治,プロテインC,臨床検査,1984;28:25 さて、播種性血管内凝固症候群(Disseminated intra
vascular coagulation:DICと略す)とは、全身の主とし
て細小血管内に血栓が多発し、止血障害、血栓による諸
臓器障害・ショック・末梢循環不全を呈する病態であ
る。DIC発症の基礎疾患としては、悪性腫瘍が45.2%と
最も多く、次いで感染症、白血病、肝疾患の順となって
おり、これらの疾患において早期にDICを発見し、早期
に治療することがDICに対する最善の対策である。
現在、DICのスクリーニング方法としては、血小板
数、プロトロンビン時間、血漿フィブリノゲン・血清FD
P(フィブリン−フィブリノゲン分解物)が測定されて
いる。その他補助診断として、血漿アンチトロンビンII
I、血漿α2−プラスミンインヒビターが測定されてい
る。また、DICにおいては、PCおよびPCIが正常人に比較
して低下している。
数、プロトロンビン時間、血漿フィブリノゲン・血清FD
P(フィブリン−フィブリノゲン分解物)が測定されて
いる。その他補助診断として、血漿アンチトロンビンII
I、血漿α2−プラスミンインヒビターが測定されてい
る。また、DICにおいては、PCおよびPCIが正常人に比較
して低下している。
しかしながら、これらのスクリーニング方法により早
期にDICを診断することは困難であり、より早期に診断
を可能とする臨床検査方法が求められていた。
期にDICを診断することは困難であり、より早期に診断
を可能とする臨床検査方法が求められていた。
かかる実情に鑑み本発明者は、APC−PCI Complex(CI
C)を簡便に測定することができ、とりわけ臨床検査の
場において多数の検体を同時に処理することのできる実
用的な方法を求めて検討を行った。その結果、抗ヒトプ
ロテインCモノクローナル抗体(以下抗PC抗体と略記す
る)および抗ヒトプロテインCインヒビターモノクロー
ナル抗体(以下抗PCI抗体と略記する)を使用する二抗
体サンドイッチ酵素免疫測定法を実施することにより課
題が解決されることを見出し、また、本発明試薬は、DI
Cの早期診断を可能とすることも知るに至り、本発明を
完成した。
C)を簡便に測定することができ、とりわけ臨床検査の
場において多数の検体を同時に処理することのできる実
用的な方法を求めて検討を行った。その結果、抗ヒトプ
ロテインCモノクローナル抗体(以下抗PC抗体と略記す
る)および抗ヒトプロテインCインヒビターモノクロー
ナル抗体(以下抗PCI抗体と略記する)を使用する二抗
体サンドイッチ酵素免疫測定法を実施することにより課
題が解決されることを見出し、また、本発明試薬は、DI
Cの早期診断を可能とすることも知るに至り、本発明を
完成した。
即ち、本発明は、APC−PCI Complex(CIC)を二抗体
サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定
するにあたり、検体として、血清または血漿にバリウム
塩を添加することにより該複合体を沈澱として分離した
後、この沈澱を溶解したものを用い、当該測定に係わる
固相化用抗体として抗PCI抗体を使用し、酵素標識抗体
用として抗PC抗体を使用することを特徴とする測定方
法、及びAPC−PCI Complex(CIC)を二抗体サンドイッ
チ法を利用する酵素免疫測定法によって測定し、かつ検
体として、血清または血漿にバリウム塩を添加すること
により該複合体を沈澱として分離した後、この沈澱を溶
解したものを用いて測定する試薬において、当該測定に
係わる固相化用抗体として抗PCI抗体が含まれ、酵素標
識抗体用として抗PC抗体が含まれることを特徴とする測
定試薬を提供するものである。
サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定法によって測定
するにあたり、検体として、血清または血漿にバリウム
塩を添加することにより該複合体を沈澱として分離した
後、この沈澱を溶解したものを用い、当該測定に係わる
固相化用抗体として抗PCI抗体を使用し、酵素標識抗体
用として抗PC抗体を使用することを特徴とする測定方
法、及びAPC−PCI Complex(CIC)を二抗体サンドイッ
チ法を利用する酵素免疫測定法によって測定し、かつ検
体として、血清または血漿にバリウム塩を添加すること
により該複合体を沈澱として分離した後、この沈澱を溶
解したものを用いて測定する試薬において、当該測定に
係わる固相化用抗体として抗PCI抗体が含まれ、酵素標
識抗体用として抗PC抗体が含まれることを特徴とする測
定試薬を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
APC−PCI Complex(CIC)を二抗体サンドイッチ酵素
免疫測定法で測定するためには、APCと反応する抗APC抗
体と、PCIと反応する抗PCI抗体が必要である。APCとPC
は共通抗原性を持つので抗PC抗体の使用が可能である。
免疫測定法で測定するためには、APCと反応する抗APC抗
体と、PCIと反応する抗PCI抗体が必要である。APCとPC
は共通抗原性を持つので抗PC抗体の使用が可能である。
本発明に係わる抗PC抗体は例えば次のように製造され
るが、市販の抗PC抗体を使用することもできる。
るが、市販の抗PC抗体を使用することもできる。
まずPCを用意する。このためにはヒト血漿にバリウム
塩を加えて沈澱後、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)
溶出し、DEAE−Sephacel、Heparin−Sepharoseにより精
製する。精製方法は前記文献2)に詳細に述べられてい
る。
塩を加えて沈澱後、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)
溶出し、DEAE−Sephacel、Heparin−Sepharoseにより精
製する。精製方法は前記文献2)に詳細に述べられてい
る。
用意したPC50μgを同容量のフロイント完全アジュバ
ントと共にBALB/cマウスの腹腔内に投与し、さらに15μ
gを2週間後に尾静脈内へ投与し、3日後に脾臓細胞を
採取し、Khler and Milsteinの方法(下記文献4)
参照)によりミエローマ細胞株P3U1と細胞融合し、限界
希釈法により3回クローニングを行い、抗PC抗体産生セ
ルラインとして確立される。
ントと共にBALB/cマウスの腹腔内に投与し、さらに15μ
gを2週間後に尾静脈内へ投与し、3日後に脾臓細胞を
採取し、Khler and Milsteinの方法(下記文献4)
参照)によりミエローマ細胞株P3U1と細胞融合し、限界
希釈法により3回クローニングを行い、抗PC抗体産生セ
ルラインとして確立される。
本発明に係わるモノクローナル抗PCI抗体は次のよう
に製造される。
に製造される。
まずPCIを用意する。このためにはヒト血漿にバリウ
ム塩を加え、PCなどのビタミンK依存生蛋白質を除き、
その上清にPEG−6000を加え、その沈澱を集め、溶出
し、DEAE−Sepharose、硫酸アンモニウム分画、Dextran
Sulfate−Agarose Chromatography、Ultrogel AcA44、
DEAE−Sephacel Chromatographyにより精製する。精製
方法は前記文献1)に詳細に述べられている。
ム塩を加え、PCなどのビタミンK依存生蛋白質を除き、
その上清にPEG−6000を加え、その沈澱を集め、溶出
し、DEAE−Sepharose、硫酸アンモニウム分画、Dextran
Sulfate−Agarose Chromatography、Ultrogel AcA44、
DEAE−Sephacel Chromatographyにより精製する。精製
方法は前記文献1)に詳細に述べられている。
用意したPCI50μgを同容量のフロイント完全アジュ
バントと共にBALB/cマウスの腹腔内に投与し、さらに15
μgを2週間後に尾静脈内へ投与し、3日後に脾臓細胞
を採取し、Khler and Milsteinの方法(下記文献
4)参照)によりミエローマ細胞株P3U1と細胞融合し、
限界希釈法により3回クローニングを行い、抗PCI抗体
産生セルラインとして確立される。
バントと共にBALB/cマウスの腹腔内に投与し、さらに15
μgを2週間後に尾静脈内へ投与し、3日後に脾臓細胞
を採取し、Khler and Milsteinの方法(下記文献
4)参照)によりミエローマ細胞株P3U1と細胞融合し、
限界希釈法により3回クローニングを行い、抗PCI抗体
産生セルラインとして確立される。
4) Khler G.Milstein C.,Deviation of specific
antibody−producing culture and tumor lines by ce
ll fusion,Eur.J.Immunol.,1976;6:511 次に本発明における二抗体サンドイッチ法を利用する
API−PCI Complex(CIC)の酵素免疫測定法は次のよう
に実施される。
antibody−producing culture and tumor lines by ce
ll fusion,Eur.J.Immunol.,1976;6:511 次に本発明における二抗体サンドイッチ法を利用する
API−PCI Complex(CIC)の酵素免疫測定法は次のよう
に実施される。
測定系全体の構成要素は固相、固相コート用の抗PCI
抗体(第一抗体)、標準抗原、標識用抗PC抗体(第二抗
体)、酵素および基質である。固相としては、例えばエ
ンザイムイムノアッセイ用マイクロタイタープレートの
ウエルあるいはポリスチレン等のプラスチックビーズを
用いればよい。測定に先立ち抗PCIモノクローナル抗体
を炭酸緩衝液に溶解し、4℃で一夜放置すれば固相表面
はコートされる。しかし、モノクローナル抗体によって
コートされていない表面部分もあるので、この部分に対
しては牛血清アルブミンをリン酸緩衝液に溶解してウエ
ルに加え、二時間室温に放置して牛血清アルブミンによ
ってコートする。
抗体(第一抗体)、標準抗原、標識用抗PC抗体(第二抗
体)、酵素および基質である。固相としては、例えばエ
ンザイムイムノアッセイ用マイクロタイタープレートの
ウエルあるいはポリスチレン等のプラスチックビーズを
用いればよい。測定に先立ち抗PCIモノクローナル抗体
を炭酸緩衝液に溶解し、4℃で一夜放置すれば固相表面
はコートされる。しかし、モノクローナル抗体によって
コートされていない表面部分もあるので、この部分に対
しては牛血清アルブミンをリン酸緩衝液に溶解してウエ
ルに加え、二時間室温に放置して牛血清アルブミンによ
ってコートする。
酵素標識抗PC抗体(抗PC抗体は『抗ヒトプロテイン
C』としてバイオスコット社−コスモ・バイオ株式会社
販売より入手することもできる)は次のように製造すれ
ば良い。酵素としてはアルカリホスファターゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシ
ダーゼ等を使用することができる。測定に先立ち、酵素
を抗PC抗体にグルタールアルデヒド、あるいはマレイミ
ド化合物により結合せしめてコンジュゲートとし、本発
明の測定方法の実施のための試薬の一部として予め準備
しておくことができる。結合方法は、例えば下記文献
5)のマレイミド法により標識すれば良い。
C』としてバイオスコット社−コスモ・バイオ株式会社
販売より入手することもできる)は次のように製造すれ
ば良い。酵素としてはアルカリホスファターゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシ
ダーゼ等を使用することができる。測定に先立ち、酵素
を抗PC抗体にグルタールアルデヒド、あるいはマレイミ
ド化合物により結合せしめてコンジュゲートとし、本発
明の測定方法の実施のための試薬の一部として予め準備
しておくことができる。結合方法は、例えば下記文献
5)のマレイミド法により標識すれば良い。
5) Yoshitake S.Imagawa M.Ishikawa E.et al.,Mild
and Efficient Conjugation of Rabbit Fab′ and Hor
seradish Peroxidase Using a Maleimide Compound and
Its Use for Enzyme Immunoassay,J.Biochem.,1982;9
2:1413 基質は選択した酵素に応じて適宜使用すれば良い。例
えば酵素としてアルカリフォスファターゼを選択した場
合においてp−ニトロフェニルフォスフェートを、また
ペルオキシダーゼを選択した場合においてはo−フェニ
レンジアミン、あるいはABTS(2,2′−アジノ−ビス
(3′−エチルベンゾチアゾリンスルホン酸))を発色
剤として使用し、過酸化水素を基質として使用すれば良
い。
and Efficient Conjugation of Rabbit Fab′ and Hor
seradish Peroxidase Using a Maleimide Compound and
Its Use for Enzyme Immunoassay,J.Biochem.,1982;9
2:1413 基質は選択した酵素に応じて適宜使用すれば良い。例
えば酵素としてアルカリフォスファターゼを選択した場
合においてp−ニトロフェニルフォスフェートを、また
ペルオキシダーゼを選択した場合においてはo−フェニ
レンジアミン、あるいはABTS(2,2′−アジノ−ビス
(3′−エチルベンゾチアゾリンスルホン酸))を発色
剤として使用し、過酸化水素を基質として使用すれば良
い。
測定は二抗体サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定
法における手順に従って行う。測定に先立って血清、血
漿等の検体の前処理としてバリウム塩を添加する。添加
後1時間撹拌し遠心分離して沈澱を得る。この操作によ
りγ−カルボキシグルタミン酸を有するPC,APC,APC−PC
I Complex(CIC)はバリウム塩と結合して沈澱し、検体
中の大部分の未反応のPCIは上清に残り、APC−PCI Comp
lex(CIC)と分離される。この操作を行わない場合に
は、大部分の未反応のPCIが固相の抗PCI抗体と反応する
ためにAPC−PCI Complex(CIC)の測定は不可能であ
る。沈澱にEDTA含有トリス緩衝液を加えて溶解し検体と
する。検体の測定は後記実施例に示されるごとく抗PCI
抗体をコートした固相に液体を加えてイキュベートす
る。固相を洗浄後、酵素標識抗PC抗体を加えて再びイン
キュベートし、洗浄し、最後に基質を加えてインキュベ
ートする。反応を停止せしめてから、基質の分解量を分
光光度計を用いて測定する。
法における手順に従って行う。測定に先立って血清、血
漿等の検体の前処理としてバリウム塩を添加する。添加
後1時間撹拌し遠心分離して沈澱を得る。この操作によ
りγ−カルボキシグルタミン酸を有するPC,APC,APC−PC
I Complex(CIC)はバリウム塩と結合して沈澱し、検体
中の大部分の未反応のPCIは上清に残り、APC−PCI Comp
lex(CIC)と分離される。この操作を行わない場合に
は、大部分の未反応のPCIが固相の抗PCI抗体と反応する
ためにAPC−PCI Complex(CIC)の測定は不可能であ
る。沈澱にEDTA含有トリス緩衝液を加えて溶解し検体と
する。検体の測定は後記実施例に示されるごとく抗PCI
抗体をコートした固相に液体を加えてイキュベートす
る。固相を洗浄後、酵素標識抗PC抗体を加えて再びイン
キュベートし、洗浄し、最後に基質を加えてインキュベ
ートする。反応を停止せしめてから、基質の分解量を分
光光度計を用いて測定する。
次に、本発明の測定試薬は本発明の測定方法の実施に
直接使用する試薬であり、測定方法におけると同一の目
的を達成するものである。従って本発明測定試薬の具体
的態様を示せば次のごとくなる。
直接使用する試薬であり、測定方法におけると同一の目
的を達成するものである。従って本発明測定試薬の具体
的態様を示せば次のごとくなる。
即ち、本発明測定試薬は固相化反応PCI抗体、酵素標
識抗PC抗体を必須の構成要素として含み、また測定の実
施の便益のために適当なる標準抗原、前処理剤、抗原希
釈液、反応溶液、基質、基質溶解後、反応停止液等がセ
ット中に添付されることは自由であり、これらは本発明
を限定するものではない。
識抗PC抗体を必須の構成要素として含み、また測定の実
施の便益のために適当なる標準抗原、前処理剤、抗原希
釈液、反応溶液、基質、基質溶解後、反応停止液等がセ
ット中に添付されることは自由であり、これらは本発明
を限定するものではない。
後記実験例によって示されるごとく、本発明測定試薬
によってDICの早期診断が可能であり、本発明測定試薬
はDICの診断試薬として使用することができる。
によってDICの早期診断が可能であり、本発明測定試薬
はDICの診断試薬として使用することができる。
本発明の効果は次のごとく要約される。
まず本発明は従来測定が不可能であったAPC−PCI Com
plex(CIC)を、二抗体サンドイッチ法を利用する酵素
免疫測定法により測定するものであり、操作が単純簡明
であり、臨床検査の場に対して実用性が高い。また、DI
Cないし深部静脈血栓の早期診断を可能とする。
plex(CIC)を、二抗体サンドイッチ法を利用する酵素
免疫測定法により測定するものであり、操作が単純簡明
であり、臨床検査の場に対して実用性が高い。また、DI
Cないし深部静脈血栓の早期診断を可能とする。
以下に記載する実施例をもって本発明を更に具体的に
説明する。
説明する。
実施例1 1) 新鮮血漿4に塩酸ベンザミジン(10mM)、フル
オロリン酸ジイソプロピル(DFP)(1mM)、フッ化フェ
ニルメチルスルホニル(PMSF)(1mM)およびダイズト
リプシンインヒビター(50mg/)を加え、1M BaCl2を3
20ml滴下した。以下の精製操作は、すべて4℃で行っ
た。1時間撹拌後、5000回転で30分間遠心し、上清を採
取し固形PEG−6000を60g/加えた。1時間撹拌後、500
0回転で15分間遠心し、沈澱を廃棄した。更に上清に固
形PEG−6000を60g/加え、1時間撹拌後、5000回転で3
0分間遠心し沈澱を採取した。沈澱に0.05Mトリス−塩酸
緩衝液pH7.5(0.1M NH4Cl、塩酸ベンザミジン(10m
M)、DFP(1mM)、PMSF(1mM))を500ml加えて溶解し
た。溶解に使用した緩衝液と同一の緩衝液で平衡化した
DEAE−Sepharose CL−6Bカラムにかけ、素通り画分を採
取した。採取液に硫酸アンモニウム粉末を加えて50%飽
和とし、1時間撹拌後、8000回転で15分間遠心し、上清
を採取した。更に硫酸アンモニウム粉末を加えて70%飽
和とし、1時間撹拌後、8000回転で30分間遠心し、沈澱
を採取した。沈澱に0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.0(0.
1M NaCl、酸ベンザミジン(1mM)、DFP(0.1mM)、PMSF
(0.1mM))を加えて溶解し、同一緩衝液に対して透析
した。Dextran Sulfate−Agaroseカラムにかけ、PCI画
分に硫酸アンモニウム粉末を加えて80%飽和とした。10
000回転で15分間遠心し沈澱を採取し、溶解可能な最小
液量の0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.15M NaCl)に
溶解した後、AcA−44 Ultrogelカラムにかけ、PCI画分
を集め0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH9.0に透析した。透析
後、DEAE−Sephacelにかけ、精製PCIを得た。その最終
回収率は9%であった。
オロリン酸ジイソプロピル(DFP)(1mM)、フッ化フェ
ニルメチルスルホニル(PMSF)(1mM)およびダイズト
リプシンインヒビター(50mg/)を加え、1M BaCl2を3
20ml滴下した。以下の精製操作は、すべて4℃で行っ
た。1時間撹拌後、5000回転で30分間遠心し、上清を採
取し固形PEG−6000を60g/加えた。1時間撹拌後、500
0回転で15分間遠心し、沈澱を廃棄した。更に上清に固
形PEG−6000を60g/加え、1時間撹拌後、5000回転で3
0分間遠心し沈澱を採取した。沈澱に0.05Mトリス−塩酸
緩衝液pH7.5(0.1M NH4Cl、塩酸ベンザミジン(10m
M)、DFP(1mM)、PMSF(1mM))を500ml加えて溶解し
た。溶解に使用した緩衝液と同一の緩衝液で平衡化した
DEAE−Sepharose CL−6Bカラムにかけ、素通り画分を採
取した。採取液に硫酸アンモニウム粉末を加えて50%飽
和とし、1時間撹拌後、8000回転で15分間遠心し、上清
を採取した。更に硫酸アンモニウム粉末を加えて70%飽
和とし、1時間撹拌後、8000回転で30分間遠心し、沈澱
を採取した。沈澱に0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.0(0.
1M NaCl、酸ベンザミジン(1mM)、DFP(0.1mM)、PMSF
(0.1mM))を加えて溶解し、同一緩衝液に対して透析
した。Dextran Sulfate−Agaroseカラムにかけ、PCI画
分に硫酸アンモニウム粉末を加えて80%飽和とした。10
000回転で15分間遠心し沈澱を採取し、溶解可能な最小
液量の0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.15M NaCl)に
溶解した後、AcA−44 Ultrogelカラムにかけ、PCI画分
を集め0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH9.0に透析した。透析
後、DEAE−Sephacelにかけ、精製PCIを得た。その最終
回収率は9%であった。
2) 精製したPCI50μgを同容量のフロイント完全ア
ジュバントと共にBELB/cマウス(メス、8週齢)の腹腔
内に投与し、更に15μgを2週間後に尾静脈内へ投与
し、3日後に脾臓細胞を摘出し、ミエローマ細胞株P3U1
と細胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール40
00を用いてKhler and Milsteinの方法(文献4))
で行った。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界
希釈法によりPCIと反応するハイブリドーマを3回クロ
ーニングし、抗PCI抗体産生セルラインとして確立し
た。セルラインの保存培地としては牛胎児血清を10%に
含むRPMI1640培地を使用した。セルラインよりモノクロ
ーナル抗PCI抗体を常法により得た。
ジュバントと共にBELB/cマウス(メス、8週齢)の腹腔
内に投与し、更に15μgを2週間後に尾静脈内へ投与
し、3日後に脾臓細胞を摘出し、ミエローマ細胞株P3U1
と細胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール40
00を用いてKhler and Milsteinの方法(文献4))
で行った。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界
希釈法によりPCIと反応するハイブリドーマを3回クロ
ーニングし、抗PCI抗体産生セルラインとして確立し
た。セルラインの保存培地としては牛胎児血清を10%に
含むRPMI1640培地を使用した。セルラインよりモノクロ
ーナル抗PCI抗体を常法により得た。
3) 得られた抗体PCI抗体を0.1M炭酸緩衝液pH9.3で3
μg/mlに希釈し、96ウエルマイクロプレートに1ウエル
につき100μずつ注入し、4℃で一夜放置した。0.05M
トリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M NaCl、0.5%牛血清ア
ルブミン、0.05%Tween−20、0.05mM EDTA、0.02%チメ
ロサル)で三回洗浄後、5%牛血清アルブミン(0.5%
ゼラチン、リン酸緩衝液pH7.5)150μを注入して2時
間放置し、前記緩衝液で三回洗浄して、抗体コート固相
を用意した。
μg/mlに希釈し、96ウエルマイクロプレートに1ウエル
につき100μずつ注入し、4℃で一夜放置した。0.05M
トリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M NaCl、0.5%牛血清ア
ルブミン、0.05%Tween−20、0.05mM EDTA、0.02%チメ
ロサル)で三回洗浄後、5%牛血清アルブミン(0.5%
ゼラチン、リン酸緩衝液pH7.5)150μを注入して2時
間放置し、前記緩衝液で三回洗浄して、抗体コート固相
を用意した。
実施例2 1) 新鮮血漿4.4に塩酸ベンザミジン(10mM)、DFP
(1mM)、PMSF(1mM)およびダイズトリプシンインヒビ
ター(50mg/)を加え、1M BaCl2を350ml滴下した。以
下の精製操作はすべて4℃で行った。1時間撹拌後、50
00回転で30分間遠心し、沈澱を採取した。沈澱に0.15M
NaCl(5mM塩酸ベンザミジン)pH7.4を700ml加えて二回
洗浄した。バリウム塩に吸着した蛋白質は、0.2M EDTA
pH7.4(5mM塩酸ベンザミジン、0.1mM DFP)を660ml添加
することにより溶出した。懸濁液を1時間撹拌後、5000
回転で30分間遠心し、沈澱を除去した。上清を0.1Mリン
酸緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベンザミジン)に透析したの
ち、透析に使用した緩衝液と同一の緩衝液で平衡化した
DEAE−Sephacelカラムにかけ、0.1Mから0.7M NaClまで
の直線的濃度勾配(0.1Mリン酸緩衝液pH6.0、1mM塩酸ベ
ンザミジン)で溶出し、PC画分を採取した。採取液を0.
05Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0(1mM塩酸ベンザミジン)
に対して透析した。透析後、DFPを1mMになるように、PM
SFを0.1mMになるように添加した。0.05Mトリス−塩酸緩
衝液pH8.0(1mM塩酸ベンザミジ)で平衡化したDEAE−Se
phacelカラムにかけ、0Mから0.5M NaClまで直線的濃度
勾配(0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0、1mM塩酸ベンザ
ミジン、2mM CaCl2)で溶出し、PC画分を採取した。採
取液を50mMイミダゾール緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベンザミ
ジン)に透析した。透析により生じた沈澱を20000回転
で10分間遠心して除去した。上清にCaCl2を2mMになるよ
うに加え、50mMイミダゾール緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベン
ザミジン、2mM CaCl2)で平衡化したHeparin−Sepharos
eカラムにかけ、0Mから0.8M NaClまで直線的濃度勾配
(50mMイミダゾール緩衝液pH6.0、1mM塩酸ベンザミジ
ン)で溶出し、精製PCを採取した。その最終回収率は25
%であった。
(1mM)、PMSF(1mM)およびダイズトリプシンインヒビ
ター(50mg/)を加え、1M BaCl2を350ml滴下した。以
下の精製操作はすべて4℃で行った。1時間撹拌後、50
00回転で30分間遠心し、沈澱を採取した。沈澱に0.15M
NaCl(5mM塩酸ベンザミジン)pH7.4を700ml加えて二回
洗浄した。バリウム塩に吸着した蛋白質は、0.2M EDTA
pH7.4(5mM塩酸ベンザミジン、0.1mM DFP)を660ml添加
することにより溶出した。懸濁液を1時間撹拌後、5000
回転で30分間遠心し、沈澱を除去した。上清を0.1Mリン
酸緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベンザミジン)に透析したの
ち、透析に使用した緩衝液と同一の緩衝液で平衡化した
DEAE−Sephacelカラムにかけ、0.1Mから0.7M NaClまで
の直線的濃度勾配(0.1Mリン酸緩衝液pH6.0、1mM塩酸ベ
ンザミジン)で溶出し、PC画分を採取した。採取液を0.
05Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0(1mM塩酸ベンザミジン)
に対して透析した。透析後、DFPを1mMになるように、PM
SFを0.1mMになるように添加した。0.05Mトリス−塩酸緩
衝液pH8.0(1mM塩酸ベンザミジ)で平衡化したDEAE−Se
phacelカラムにかけ、0Mから0.5M NaClまで直線的濃度
勾配(0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0、1mM塩酸ベンザ
ミジン、2mM CaCl2)で溶出し、PC画分を採取した。採
取液を50mMイミダゾール緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベンザミ
ジン)に透析した。透析により生じた沈澱を20000回転
で10分間遠心して除去した。上清にCaCl2を2mMになるよ
うに加え、50mMイミダゾール緩衝液pH6.0(1mM塩酸ベン
ザミジン、2mM CaCl2)で平衡化したHeparin−Sepharos
eカラムにかけ、0Mから0.8M NaClまで直線的濃度勾配
(50mMイミダゾール緩衝液pH6.0、1mM塩酸ベンザミジ
ン)で溶出し、精製PCを採取した。その最終回収率は25
%であった。
2) 精製したPC50μgを同容量のフロイント完全アジ
ュバンドと共にBELB/cマウス(メス、8週齢)の腹腔内
に投与し、更に15μgを2週間後に尾静脈内へ投与し、
3日後に脾臓細胞を摘出し、エミローマ細胞株P3U1と細
胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール4000を
用いてKhler and Milsteinの方法(文献4))で行
った。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界希釈
法によりPCと反応するハイブリドーマを3回クローニン
グし、抗PC抗体産生セルラインとして確立した。セルラ
インの保存培地としては牛胎児血清を10%に含むRPMI16
40培地を使用した。セルラインよりモノクローナル抗PC
抗体を常法により得た。
ュバンドと共にBELB/cマウス(メス、8週齢)の腹腔内
に投与し、更に15μgを2週間後に尾静脈内へ投与し、
3日後に脾臓細胞を摘出し、エミローマ細胞株P3U1と細
胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール4000を
用いてKhler and Milsteinの方法(文献4))で行
った。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界希釈
法によりPCと反応するハイブリドーマを3回クローニン
グし、抗PC抗体産生セルラインとして確立した。セルラ
インの保存培地としては牛胎児血清を10%に含むRPMI16
40培地を使用した。セルラインよりモノクローナル抗PC
抗体を常法により得た。
3) 抗PC抗体5mgを0.1M酢酸緩衝液pH4.2で透析した
後、ブタ胃・ペプシン0.2mgを加え37℃で24時間インキ
ュベートした。pHを7.0に合わせた後、Ultrogel AcA44
カラムにかけて0.1Mリン酸緩衝液pH7.0でゲル濾過を行
い、F(ab′)2を得る。F(ab′)2を0.1Mリン酸緩
衝液pH6.0に透析した後、0.1Mメルカプトエチルアミン
(0.1Mリン酸緩衝液pH6.0、5mM EDTA)50μを添加し3
7℃で90分間インキュベートした。0.1Mリン酸緩衝液pH
6.0(5mM EDTA)で平衡化したSephadex G25カラムに通
して透析を行い、Fab−SHを得た。一方、酵素として西
洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRPと略す)2mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液pH7.0に溶解し、N−スクシンイミゾル−4
−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カ
ルボキシレート0.7mg(N,N−ジメチルホルムアミドに溶
解する)を添加し30℃で60分間インキュベートした。0.
1Mリン酸緩衝液pH6.0で平衡化したSephadex G25カラム
に通して透析を行い、マレイミド化HRPを得た。Fab−SH
とマレイミド化HRPとを混合して4℃で一夜間インキュ
ベートし、0.1Mリン酸緩衝液pH6.5で平衡化したUltroge
l AcA44カラムでゲル濾過を行いHRP標識抗PC抗体を得
た。
後、ブタ胃・ペプシン0.2mgを加え37℃で24時間インキ
ュベートした。pHを7.0に合わせた後、Ultrogel AcA44
カラムにかけて0.1Mリン酸緩衝液pH7.0でゲル濾過を行
い、F(ab′)2を得る。F(ab′)2を0.1Mリン酸緩
衝液pH6.0に透析した後、0.1Mメルカプトエチルアミン
(0.1Mリン酸緩衝液pH6.0、5mM EDTA)50μを添加し3
7℃で90分間インキュベートした。0.1Mリン酸緩衝液pH
6.0(5mM EDTA)で平衡化したSephadex G25カラムに通
して透析を行い、Fab−SHを得た。一方、酵素として西
洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRPと略す)2mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液pH7.0に溶解し、N−スクシンイミゾル−4
−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カ
ルボキシレート0.7mg(N,N−ジメチルホルムアミドに溶
解する)を添加し30℃で60分間インキュベートした。0.
1Mリン酸緩衝液pH6.0で平衡化したSephadex G25カラム
に通して透析を行い、マレイミド化HRPを得た。Fab−SH
とマレイミド化HRPとを混合して4℃で一夜間インキュ
ベートし、0.1Mリン酸緩衝液pH6.5で平衡化したUltroge
l AcA44カラムでゲル濾過を行いHRP標識抗PC抗体を得
た。
実施例1で得られた抗体コート固相および実施例2で
得られた酵素標識抗体を組み合わせてセットとし、本発
明測定試薬とした。
得られた酵素標識抗体を組み合わせてセットとし、本発
明測定試薬とした。
実施例3 被検血漿あるいは血清の前処理は、次のように行っ
た。血漿あるいは血清検体150μに0.38%クエン酸ナ
トリウム(0.1Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5、0.15M NaC
l)600μを加えた後、1M BaCl2を60μ滴下し、1時
間氷冷下で撹拌後、15000回転で5分間遠心し沈澱を得
た。沈澱に0.2M EDTA(0.1Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5、
0.15M NaCl)50μを加えて溶解し、アッセイ緩衝液と
して、0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M NaCl、0.5
%牛血清アルブミン、0.05%Tween−20、0.05mM EDTA、
0.02%チメロサール)を250μ加え、そのうちの100μ
を被検検体として使用した。
た。血漿あるいは血清検体150μに0.38%クエン酸ナ
トリウム(0.1Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5、0.15M NaC
l)600μを加えた後、1M BaCl2を60μ滴下し、1時
間氷冷下で撹拌後、15000回転で5分間遠心し沈澱を得
た。沈澱に0.2M EDTA(0.1Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5、
0.15M NaCl)50μを加えて溶解し、アッセイ緩衝液と
して、0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M NaCl、0.5
%牛血清アルブミン、0.05%Tween−20、0.05mM EDTA、
0.02%チメロサール)を250μ加え、そのうちの100μ
を被検検体として使用した。
実施例4 実施例1における抗体コート固相に1ウエル当たり実
施例3の被検検体100μを注入し、室温で一夜間イン
キュベートする。0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M
NaCl、0.5%牛血清アルブミン、0.05%Tween−20、0.0
5mM EDTA、0.02%チメロサール)で三回洗浄後、実施例
2における酵素標識抗体100μを加えて室温で60分間
インキューベートする。0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5
(0.2M NaCl、0.5%牛血清アルブミン、0.05%Tween−2
0、0.05mM EDTA、0.02%チメロサール)で三回洗浄後、
2mg/ml濃度のo−フェニレンジアミン(クエン酸緩衝液
pH4.65、0.03%過酸化水素)100μを加えて室温に30
分間放置し、分光光度計により波長490nmの吸光度を測
定する。
施例3の被検検体100μを注入し、室温で一夜間イン
キュベートする。0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5(0.2M
NaCl、0.5%牛血清アルブミン、0.05%Tween−20、0.0
5mM EDTA、0.02%チメロサール)で三回洗浄後、実施例
2における酵素標識抗体100μを加えて室温で60分間
インキューベートする。0.05Mトリス−塩酸緩衝液pH7.5
(0.2M NaCl、0.5%牛血清アルブミン、0.05%Tween−2
0、0.05mM EDTA、0.02%チメロサール)で三回洗浄後、
2mg/ml濃度のo−フェニレンジアミン(クエン酸緩衝液
pH4.65、0.03%過酸化水素)100μを加えて室温に30
分間放置し、分光光度計により波長490nmの吸光度を測
定する。
以下に記載する実験例をもって本発明の効果を説明す
る。
る。
実験例1 試料および方法 正常ヒト血漿1ml当たり1M BaCl20.4mlを加えて氷冷下
60分間撹拌し、APC−PCI Complex(CIC)を吸着除去し
た血漿(試料a)を用意した。次に試料aに、前記実施
例2で得られたPCを活性化したAPCと実施例1で得られ
たPCIを反応させて調製したAPC−PCI Complex(CIC)の
標準品を160ng/mlになるように加え、標準抗原溶液とし
た。前記実施例3および4におけると同じ手順に従って
測定を行った。
60分間撹拌し、APC−PCI Complex(CIC)を吸着除去し
た血漿(試料a)を用意した。次に試料aに、前記実施
例2で得られたPCを活性化したAPCと実施例1で得られ
たPCIを反応させて調製したAPC−PCI Complex(CIC)の
標準品を160ng/mlになるように加え、標準抗原溶液とし
た。前記実施例3および4におけると同じ手順に従って
測定を行った。
結 果 結果を図1に示す。図1の横軸は、被検検体中のAPC
−PCI Complex(CIC)の濃度を表し、縦軸は波長490nm
の吸光度値を表す。図1より本発明はAPC−PCI Complex
(CIC)に対して特異性が高く、かつ検量性が良いこと
が判明した。
−PCI Complex(CIC)の濃度を表し、縦軸は波長490nm
の吸光度値を表す。図1より本発明はAPC−PCI Complex
(CIC)に対して特異性が高く、かつ検量性が良いこと
が判明した。
実験例2 試料および方法 DIC患者血漿50例、ワーファリン服用患者血漿19例、
肝臓疾患患者血漿10例および健康成人血漿20例について
前記実施例3および5におけると同じ手順に従って測定
を行った。
肝臓疾患患者血漿10例および健康成人血漿20例について
前記実施例3および5におけると同じ手順に従って測定
を行った。
結 果 結果を図2に示す。図2の左欄は健康成人血漿につい
てであり、APC−PCI Complex(CIC)の測定値の平均は
0.57ng/mlであった。また、ワーファリン服用患者血漿
および肝臓疾患患者血漿のAPC−PCI Complex(CIC)の
測定値の平均は、それぞれ0.37ng/ml、1.64ng/mlであっ
た。それに対して、DIC患者血漿のAPC−PCI Complex(C
IC)の測定値の平均は3.23ng/mlであり、高い値を示
し、DICの診断に有用であることが判明した。
てであり、APC−PCI Complex(CIC)の測定値の平均は
0.57ng/mlであった。また、ワーファリン服用患者血漿
および肝臓疾患患者血漿のAPC−PCI Complex(CIC)の
測定値の平均は、それぞれ0.37ng/ml、1.64ng/mlであっ
た。それに対して、DIC患者血漿のAPC−PCI Complex(C
IC)の測定値の平均は3.23ng/mlであり、高い値を示
し、DICの診断に有用であることが判明した。
実験例3 試料および方法 急性前骨髄球性白血病患者1例の経過観察を40日にわ
たる長期間行い、FDP、PCI、PCの測定と同時に、前記実
施例3および4におけると同じ手順に従ってAPC−PCI C
omplex(CIC)の測定を行った。
たる長期間行い、FDP、PCI、PCの測定と同時に、前記実
施例3および4におけると同じ手順に従ってAPC−PCI C
omplex(CIC)の測定を行った。
結 果 結果を図3に示す。APC−PCI Complex(CIC)の測定
値は、他の凝固検査の測定値に比較して早期に高値を示
し、DICの早期診断が可能となることが判明した。
値は、他の凝固検査の測定値に比較して早期に高値を示
し、DICの早期診断が可能となることが判明した。
図1は実験例1の結果を示すグラフであり、本発明測定
方法によるAPC−PCI Complex(CIC)と波長490nmの吸光
度値との間の関係を表すグラフである。 図2は実験例2の結果を示すグラフであり、健康成人お
よび各種疾患患者のAPC−PCI Complex(CIC)の測定値
を表すものである。 図3は実験例3の結果を示すグラフであり、一人の急性
前骨髄球性白血病患者のFDP、PCI、PC、APC−PCI Compl
ex(CIC)の測定値を経時的に追跡した結果である。
方法によるAPC−PCI Complex(CIC)と波長490nmの吸光
度値との間の関係を表すグラフである。 図2は実験例2の結果を示すグラフであり、健康成人お
よび各種疾患患者のAPC−PCI Complex(CIC)の測定値
を表すものである。 図3は実験例3の結果を示すグラフであり、一人の急性
前骨髄球性白血病患者のFDP、PCI、PC、APC−PCI Compl
ex(CIC)の測定値を経時的に追跡した結果である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 15/06 (56)参考文献 Thrombosis and Ha emostasis 60[2](1988) P.334−339 Fed.Proc.46[3](1987) P.716 2337 Blood 66[1](1985)P.59 −63 J.Biol.Chem.,1983 [258]P.163 J.Biol.Chem.,1983 [258]P.1918
Claims (3)
- 【請求項1】活性化ヒトプロテインCとヒトプロテイン
Cインヒビターの複合体を二抗体サンドイッチ法を利用
する酵素免疫測定法によって測定するにあたり、検体と
して、血清または血漿にバリウム塩を添加することによ
り該複合体を沈澱として分離した後、この沈澱を溶解し
たものを用い、当該測定に係わる固相化用抗体として抗
ヒトプロテインCインヒビターモノクローナル抗体を使
用し、酵素標識抗体用として抗ヒトプロテインCモノク
ローナル抗体を使用することを特徴とする測定方法。 - 【請求項2】活性化ヒトプロテインCとヒトプロテイン
Cインヒビターの複合体を二抗体サンドイッチ法を利用
する酵素免疫測定法によって測定し、かつ検体として、
血清または血漿にバリウム塩を添加することにより該複
合体を沈澱として分離した後、この沈澱を溶解したもの
を用いて測定する試薬において、当該測定に係わる固相
化用抗体として抗ヒトプロテインCインヒビターモノク
ローナル抗体が含まれ、酵素標識抗体用として抗ヒトプ
ロテインCモノクローナル抗体が含まれることを特徴と
する測定試薬。 - 【請求項3】測定試薬が播種性血管内凝固症候群の診断
試薬である請求項2記載の測定試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1058123A JP2749619B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1058123A JP2749619B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02236452A JPH02236452A (ja) | 1990-09-19 |
JP2749619B2 true JP2749619B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=13075203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1058123A Expired - Fee Related JP2749619B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2749619B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE9900431D0 (sv) * | 1999-02-09 | 1999-02-09 | Johan Stenflo | Monoklonal antikropp |
TW200407335A (en) | 2002-07-22 | 2004-05-16 | Chugai Pharmaceutical Co Ltd | Non-neutralizing antibody to inhibit the inactivation of activated protein C |
JP2007101362A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Hamamatsu Univ School Of Medicine | Eiaプレート及びその利用方法 |
CA2670516A1 (en) * | 2006-12-20 | 2008-06-26 | Antibodyshop A/S | Assessment of patients with sepsis to determine a requirement for therapeutic intervention with an antiinflammatory and/or anticoagulatory agent |
-
1989
- 1989-03-10 JP JP1058123A patent/JP2749619B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
Blood 66[1](1985)P.59−63 |
Fed.Proc.46[3](1987)P.716 2337 |
J.Biol.Chem.,1983[258]P.163 |
J.Biol.Chem.,1983[258]P.1918 |
Thrombosis and Haemostasis 60[2](1988)P.334−339 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02236452A (ja) | 1990-09-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Marusich et al. | Expression of mtDNA and nDNA encoded respiratory chain proteins in chemically and genetically-derived Rho0 human fibroblasts: a comparison of subunit proteins in normal fibroblasts treated with ethidium bromide and fibroblasts from a patient with mtDNA depletion syndrome | |
KR100202773B1 (ko) | 프로트롬빈 활성화 펩타이드 및 그것의 분해생성물에 대한 모노클론 항체 및 면역 분석법 | |
KR101154550B1 (ko) | 폰 빌레브란트 인자 특이적 절단 효소에 대한 항체 및그것을 이용한 분석계 | |
JP2749619B2 (ja) | 活性化ヒトプロテインcとヒトプロテインcインヒビターの複合体の測定方法および測定試薬 | |
McBane et al. | Tissue prothrombin: universal distribution in smooth muscle | |
KR20020010512A (ko) | 인자 ⅶ-활성화 프로테아제의 돌연변이체 및 특이적항체를 사용하는 검출방법 | |
JP3307422B2 (ja) | ヒトpivka−iiの免疫学的測定方法 | |
YAMAGATA et al. | Levels of vitamin K, immunoreactive prothrombin, des‐γ‐carboxy prothrombin and γ‐glutamyl carboxylase activity in hepatocellular carcinoma tissue | |
EP0339302B1 (en) | Reagent system for immunologically assaying complex of human plasminogen activator inhibitor and human tissue plasminogen activator, and assay kit therefor | |
JPWO2002041000A1 (ja) | 膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼの免疫学的測定法 | |
JP3345507B2 (ja) | アシアログリコプロテインレセプターの測定法及びこれに用いる測定試薬 | |
US5827673A (en) | Method of detecting myocardial infarction | |
JPH06205692A (ja) | 新規な抗ヒトトロンボモジュリンモノクロ−ナル抗体およびその抗体を用いたヒトトロンボモジュリンの高感度測定方法 | |
RU2262939C2 (ru) | Антитело против митохондриального изофермента аденилаткиназы человека, диагностическая композиция и диагностический набор для диагностики болезней сердца | |
JPH08226918A (ja) | 遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法 | |
JP2561753B2 (ja) | ヒト組織プラスミノーゲンアクチベーター・ヒトプラスミノーゲンアクチベーター複合体の免疫学的測定キツト及び測定方法 | |
JP2603822B2 (ja) | ヒトi型プロコラーゲンc末端ペプチドの定量用キツト | |
JPH03200066A (ja) | 活性化ヒトプロテインcの測定方法 | |
JP2610808B2 (ja) | 人正常細胞由来の組織型プラスミノーゲンアクチベーターに対するモノクロナル抗体を用いる免疫学的測定試薬 | |
JPH0875737A (ja) | ヒト前立腺特異抗原とヒトプロテインcインヒビターとの複合体の測定方法および同測定用キット | |
JPH03215747A (ja) | エラスターゼ1の酵素免疫学的測定方法および測定用試薬 | |
JP2003227837A (ja) | 血液中の低比重リポ蛋白(ldl)もしくは変性低比重リポ蛋白の検出方法 | |
JP2981754B2 (ja) | 血液凝固第▲x▼▲iii▼因子に対するモノクロナール抗体 | |
JPH0682446A (ja) | 腎疾患の診断法 | |
JP2958510B2 (ja) | 血栓症の検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |