JP2749199B2 - 緻密化SiCセラミック物品 - Google Patents

緻密化SiCセラミック物品

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、緻密なSiC物品の製造に関する。
従来技術 多結晶質SiCからなる成形物品は知られている。それ
らは、大きな強度及び熱伝導度と共に、熱衝撃、摩耗及
び酸化に対する大きな抵抗性の如き優れた物理的性質を
特徴とする。SiC材料を工学的用途の第一候補にしてい
るのは、これらの性質を併合している所にある。しか
し、これらの性質の組合せは、高密度材料の場合にしか
同時には得られない。
予め必要な粉末圧搾物を高温熱処理する間に、その系
の表面エネルギーの低下が起きる。表面エネルギーの低
下は、粒子界面拡散及びそれに続く緻密化か、又は実質
的な巨視的緻密化を伴わない表面拡散機構による粒子成
長により、原子が拡散することによる。SiC粉末圧搾物
を焼結するのに必要な高温では、表面拡散が粒子界面拡
散よりも優勢に行われるのが典型的である。その結果、
巨視的緻密化が殆ど行われず、粉末圧搾物のSiC粒子が
粗粒化することになる。
SiCの緻密な物品を製造する最も古い方法は、SiC粉末
及びCとの圧搾物体中に珪素の液体又は蒸気を浸透させ
る反応焼結法である。そのSiはCと反応してその場でSi
Cを形成し、それが粉末粒子を結合する。しかし、この
方法は、8〜12体積%の有利Siを残し、そのため、得ら
れる緻密化物品の最大操作温度が約1300〜1400℃に設定
されることになる。
最近、SiCの非加圧(pressureless)焼結のために表
面拡散を通して粒子界面拡散を促進する或る添加物を使
用することに関心が払われている。しかし、粒子界面拡
散を増大するのに有効であることが判明しているB又は
その或る化合物を別として、少なくとも商業的に有用な
程に成功した提案はまだ無いように見える。更に、B又
はB化合物を使用しても、問題が依然として存在する。
プロチャスカ(Prochazka)による米国特許第4,004,9
34号、第4,041,117号、及び第4,108,929号及びコポラ
(Coppola)その他による米国特許第4,124,667号明細書
に記載されているように、B又はB化合物を使用する場
合、通常Cが添加されている。CはSiC粉末の表面のSiO
2層を還元してSiCとCOにすることが示されている。米国
特許第4,041,117号明細書で、プロチャスカはSiO2がSiC
圧搾物の緻密化を停止し、そのため収縮が殆ど又は全く
起きなくなることを示唆している。プロチャスカは、C
を添加すると緻密化中の粒子成長が過度になるのを押さ
えることができることも示唆している。しかし、彼は粒
子成長が温度及び圧力を狭い範囲内で厳密に制御するこ
とによってのみ阻止できることを示している。また最終
生成物は、生成物の機械的性質を劣化させことがあるC
粒子を微細構造中に通常含んでいる。
B又はB化合物以外のSiC粉末のための有効な焼結助
剤についての文献は、アリーグロ(Alliegro)その他に
よるJ.Amer.Ceram.Soc.,39[11]386−89(1056)に始
まるものとして記録されている。この文献には、α−又
はβ−SiCに1%のAlを添加すると、ホットプレスによ
り理論密度の約98%まで緻密化することができることが
記載されている。β−SiC粉末はSi/C混合物から合成さ
れ、その場合Alは通常合成中に還元される酸化物として
その混合物へ添加される。α−SiC粉末を使用した場
合、Alは明らかに金属粉末として添加されている。アリ
ーグロその他は、Fe、Li、Ca及びCrも緻密化を助ける
が、Mg、Ta、Co、Ba、Mo、W、Sr及びCuは単独又はAlと
一緒に使用しても有効ではないことを報告している。
アルテモバ(Artemova)その他は、Neorganicheskie
Materialy,Vol.10,No.12,pp.2228−9.Dec.(1974)に、
爆発充填を用いた衝撃圧搾により緻密化物品を製造する
ことについて報告している。10モル%ずつ増大させて10
/90〜90/10モル%の範囲の粉末SiC/Al2O3混合物を用い
て、それら混合物の理論密度の98%を越えるものを得て
いる。この緻密化方法はホットプレスに似た点を有する
が、一層慣用的な方法によってSiC緻密化に添加物とし
てAl2O3が適していることを示唆している。しかし、ア
ルテモバその他は、通常の方法によってSiC/Al2O3混合
物を緻密化することができるかどうかについては未だ全
く証明されていないことを報告している。
ランゲ(Lange)は、J.Mater.Sci.,10,314−320(197
5)に、緻密化助剤としてAl2O3を使用してα−及びβ−
SiC粉末の両方をホットプレスすることについて報告し
ている。0.01〜0.15体積分率の範囲内の極めて僅かな量
のAl2O3しか添加されていないが、理論密度の99%まで
及びそれより大きい密度が達成されている。緻密化は高
温で形成される液相に起因する。しかし、Al2O3を使用
すると、そのような僅かな量でも、通常10〜15μmの幅
で数mmの長さまでのAl2O3の大きな第二相筋(streaks)
を生ずる結果になることが報告されている。セラミック
スのような脆い材料の場合、亀裂、気孔又は含有物の如
き欠陥が存在すると、破壊に至るような応力集中を起こ
すことがある。ランゲによって報告されているような筋
は、それらが材料中の欠陥の大きを著しく増大するの
で、緻密化SiCの物理的性質に対して必然的に有害にな
るであろう。
Al2O3のそれらの筋は冷間プレス物品中に存在する層
状空隙の結果であるとランゲは推測している。そのよう
な筋の発生を防止するか又は減少させるための可能な解
決方法は、圧搾した時一層厚い物体を形成する複数の薄
い物体の層を用いた「サンドイッチ」法を用いることで
あった。この方法はホットプレスの如き方法に限定され
るであろう。提案されている別の方法は、SiC粒子の粒
子成長である。工業的な条件下ではそのような空腔の存
在は常に可能であり、それらの起きる可能性は部品の厚
みが増大すると共に増大する。そのような筋を除くのに
役立つSiCの粒子成長は、実際には制御するのが困難で
あることが判明している。過度の粒子成長は、SiCの非
加圧焼結で用いられている幾つかの方法に伴われる問題
である。これは緻密化助剤としてAl2O3を用いることの
欠点であると考えられている。Al2O3がSiCの非加圧焼結
の有効な助剤になるかどうかに関しては、ランゲはなに
も指示を与えていない。
大森その他によるJ.Am.Ceram.Soc.,65,C−92(1982)
には、β−SiC複数の非加圧焼結で酸化物添加物、即ちA
l2O3及びY2O3を使用することが記載されている。それら
酸化物は別々に10重量%で用いられ、組合せて4:1、3:
2、1:1、2:3、及び1:4の比率で合計10重量%まで用いら
れている。緻密化は10%のAl2O3で達成されているが、
僅か4%の収縮で、相対的見掛け密度は約75%である。
Al2O3含有量を減少すると、1:1の酸化物比で緻密化は理
論密度の約97%まで向上するが、焼成嵩密度の大きさは
その後減少し、Y2O3単独で10重量%では、β−SiC単独
の場合よりもよい効果は得られない。大森その他は、Al
2O3は昇華による部分的損失にも拘わらず非加圧焼結を
促進するが、Y2O3はそうならないことを合理的に結論し
ている。しかし、それらの結果は、或る程度までY2O3
Al2O3の有利な効果を改善することを示唆している。大
森その他は、焼結でAl2O3が失われ、その酸化物の残留
物は化学分析によって決定されるが、X線回折では決定
されないことを報告している。
ネギタ(Negita)による一層最近の研究では、SiCの
焼結に適した緻密化助剤を選択することについて報告さ
れている〔J.Am.Ceram.Soc.,69,[12]C−308−C310
(1986)〕。熱力学的議論を用いてネギタはB、Al、F
e、Ni及びMgの如き金属添加物はSiCの焼結助剤として有
効であり、このことは実験的に正しいことが見出された
ことを報告している。B、Al及びFeに関連して、このこ
とは上で詳細に述べたような他の研究と一致している。
同じ議論に基づいて、ネギタはAl2O3、BeO、Y2O3、HfO
及び稀土類酸化物を含めた金属酸化物が有効な緻密化助
剤であり、このことは少なくともAl2O3、BeO、Y2O3、La
2O3、Ce2O3、及びThO2については実験的に生み出された
ものであることを報告している。
前のパラグラフで列挙した酸化物とは対照的に、ネギ
タはCaO、MgO及びZrO2を含めた金属酸化物は、それらが
SiCを分解する傾向があるので不適切なものとして示さ
れることを報告している。更に、ネギタは金属酸化物と
共にCを使用することは、Al2O3、BeO、Y2O3、CaO、ZrO
2、HfO2及び稀土類酸化物の場合には有利であるとして
示されることを示唆している。
SiC粉末の非加圧焼結で緻密化助剤としてAl2O3を使用
することは、鈴木その他による米国特許第4,354,991号
明細書に記載されている。この文献の提案は、非酸化性
雰囲気中で加熱されると0.5〜35重量%のAl2O3の比率で
Al酸化物へ転化することができる酸素含有Al化合物と、
残りの実質的にSiCであるセラミック材料との混合物を
成形することである。そのような成形混合物を1900℃〜
2300℃で非酸化性雰囲気中で非加圧焼結に掛ける。酸素
含有化合物はAl酸化物へ転化することができるものであ
ると言う要件には拘わらず、その化合物がAl酸化物でも
よいことを意図していることは明らかである。しかし、
多くの欠点が米国特許第4,354,991号明細書から明らか
になっており、その幾つはSiCとAl2O3との混合物の非加
圧焼結についての我々の研究によって確かめられてい
る。
米国特許第4,354,991号の教示により得られる焼成嵩
密度は比較的低く、焼成条件によって実質的にな変化を
受ける。また焼成時間は比較的長く、2時間の好ましい
最小時間から24時間までの範囲で、比較的小さな試料の
場合でも3〜5時間が典型的である。SiC粉末の連続的
緻密化法では、そのような反応時間は低い生産速度を与
えることになるであろう。更に焼成炉雰囲気中でAl物質
を焼結に必要な長い時間維持し制御する方が高く評価さ
れることに別の問題が存在する。
米国特許第4,354,991号明細書には、ランゲによる上
述の文献に報告されているようなAl2O3の筋の形成につ
いては何も言及されていないが、そのような欠陥はAl2O
3を単独で使用した場合に特徴的なものであると思われ
る。ランゲによって示唆されているように、そのような
筋を生じないようにするためには長い処理時間が必要で
あり、このことは恐らく米国特許第4,354,991号で教示
されている比較的長い焼結時間を説明するものであろ
う。しかし、ここで示すように、そのような焼結時間を
用いることは不利である。
我々は、SiC粉末の焼結助剤としてAl2O3を単独で使用
することによる更に別の明白な特徴は、特に比較的大き
な物品を製造する場合に、帯状分布を起こす傾向を持つ
ことであることを見出している。即ち、Al2O3を単独で
使用すると、実質的に緻密化に示しにくい、内部芯を取
り巻く充分緻密化した外側層を生ずる顕著な傾向を有す
ることが見出されている。帯状構造(zoning)が生じた
場合、その物品は少なくとも最適なものとは言えない。
また帯状構造による内部応力は亀裂を示す物品をもたら
し、極端な場合には、その物品は外側層が剥離して完全
に駄目になることがある。
米国特許第4,354,911号明細書により教示されている
ように、SiC粉末のための焼結助剤としてAl2O3を単独で
使用することによる帯状構造を形成する傾向は、適当な
温度で充分な体積%の液相を生ずることが困難なことに
よると考えられる。この困難は、ランゲにより報告され
ている筋を形成する傾向を説明することにもなり、或は
筋の形成は充分な体積の液相を一層得にくくしているの
かも知れない。効果的な液相焼結は適切な温度で液相が
形成される必要があるのみならず、適切な温度範囲に亙
って充分な体積でその相が存在していることを必要とす
ることは知られている通りである。
米国特許第4,354,911号明細書の提案では、適当な液
相の形成は、極度に高い温度の場合を除き、Al2O3の単
なる溶融によっては不可能である。Al2O3の融点は約201
5℃であるが、その分解及び分解生成物の揮発による損
失は、鈴木その他によって認識され、また大森その他に
よる上記文献により教示されているように、その温度よ
り低いところで始まる。焼結助剤としてAl2O3を単独で
添加しても、微粒SiC粉末には約2重量%まで不純物層
としてSiO2も存在し(前に除去されていない限り)、そ
のSiO2がAl2O3の融点より低い温度で液相の形成を促進
することがある。
SiO2・Al2O3の状態図を参照すると、約1595℃の融点
を有する約93%SiO2・7%Al2O3の共融組成物が示され
ている。従って、1900〜2300℃の焼結温度範囲まで加熱
する速度が過度でないと仮定すると、別々のAl2O3とSiO
2との間の固相間拡散により、1595℃より高い温度で僅
かな体積の初期液相を生ずることができる。また、SiO2
は約1730℃で溶融するので、SiO2が起こし易い揮発或は
分解を未だ起こしていないと仮定すると、1730℃より高
い温度で僅かな体積のSiO2含有液相が形成され、それが
液相・固相拡散によりAl2O3を取り込むことによって体
積が増大することも可能である。
米国特許第4,354,911号明細書で鈴木その他により教
示されている方法では、SiO2・Al2O3二成分系の共融点
よりAl2O3に富む側のSiO2対Al2O3比に相当して低い方の
Al2O3添加量は0.5重量%である。即ち、許容誤差を、2.
0重量%SiO2を高く、0.5重量%Al2O3を最低として認め
ると、可能な最良の比は約80%SiO2:20%Al2O3になるこ
とは明らかである。SiO2含有量を低くするか、又はAl2O
3含有量を高くすると、その比は共融混合物からAl2O3
有量が増大し、富む方向へ急速に進行する。僅か2.0重
量%のAl2O3、その比はSiO2・Al2O3状態図の少なくとも
中点の所にある。4.0重量%のAl2O3では、その比は、も
しあったとしても前に形成された液体が殆ど残っていな
いようなものであり、約1840℃の温度になるまで更に液
体が形成されることはない。即ち、少なくとも4.0重量
%のAl2O3のAl2O3含有量では、約1840℃の融点を有する
コランダム又はムライト固相の析出により、最初に形成
された液体は実質的に失われているであろう。しかし、
僅か0.5重量%のAl2O3添加が依然として共融混合物より
Al2O3い富む側にあるとすると、4.0%より少ないAl2O3
添加で最初に形成された液体の少なくとも一部分は、同
様にコランダム又はムライトの析出のため失われるであ
ろう。これらの問題は、SiO2及びAl2O3が分解し、1840
℃に近い温度でそれらの分解生成物が揮発することによ
り失われる傾向により更に大きくなり、かなりの体積の
液相を生成、又は生成維持することを非常に困難にす
る。また4.0重量%をかなり越えた水準で存在するAl2O3
は、少なくとも約1840℃より低い温度では完全に溶液中
に取り込まれることは不可能であり、これが可能な温度
はAl2O3添加量と共に約2015℃まで急速に上昇するであ
ろう。更に、もしアルミナだけしか存在しないと、液相
はAl2O3の融点より低い温度、即ち約2015℃より低い温
度では形成できなくなり、その時には、その温度に達す
るまで幾らかのAl2O3が維持された場合にだけ液体が形
成されるであろう。
最初に形成された液体からコランダム又はムライトが
析出することは、ランゲによる上記文献に報告されてい
るAl2O3の筋を説明できるのであろう。それらの筋はラ
ンゲにより「凍結(frozen)液体」を示唆するものとし
て言及されている。これは、最初に形成された液体から
析出し、約1840℃に加熱されて部分稀にだけ再溶融した
コランダム又はムライトから生じたものである可能性は
充分である。
米国特許第4,354,911号明細書で鈴木その他により教
示されている1900℃〜2300℃の温度範囲、及びSiCの焼
結助剤として0.5〜35%のAl2O3単独添加については、液
相を得ることは極めて困難であり、ましてや効果的な液
相緻密化に充分な体積の液相を得ることは全く困難であ
る。Al2O3量が0.5%より高く増大すると、完全に液体の
SiO2及びAl2O3が存在する温度は上昇し、1840℃の固相
線より下で生ずることができる液体の体積は減少する。
特にAl2O3が約4%より多いと、かなりの量の液体を得
るためには、実質的に1900℃より高い温度を用いること
が必要である。
米国特許第4,354,991号明細書の提案の別の欠点は、
α−SiC粉末ではなくβ−SiC粉末を使用することを強く
求めていることから起きている。β−SiCは、SiC粒子を
製造する慣用的アチソン(Acheson)法により生成する
α−SiC程容易には入手できない。その方法は世界的なS
iC製造の大部分を与えており、α−SiCは容易に入手で
き、世界的市場で日常的に取引されている。
国際特許明細書PCT/US88/00040(WO88/05032)で、フ
エンテス(Fuentes)はAl2O3とCaOとの組合せを焼結助
剤として用いたSiC粉末の非加圧焼結を記述している。
フエンテスは、SiCの焼結助剤としてAl2O3単独を使用い
たのでは、焼結に必要な液相の体積は不充分であるか又
はその形成が余りにも遅すぎることを認めている。従っ
て、彼は、1815〜1855℃で液相を生じ、Al4O4C及びAl2O
Cからなる焼結助剤混合物を使用することを教示してい
る。しかし、初めからAl4O4C及びAl2OCを用いて生成さ
せることもできるこの液相自体の形成温度は、最適の緻
密化のためには高過ぎる。更に、フォスター(Fosute
r)その他により報告されているように〔J.Am.Ceram.So
c.,39,1−11(1956)〕、Al4O4C、Al2OC、及びAl4C3
湿分及び酸素の両方に対して非常に不安定である。フエ
ンテスにより教示されている方法で得られた生成物中に
これらの物質が存在することは非常に望ましくなく、性
能を著しく低下し、生成物の用途を著しく制約するもの
と予想される。従って、フエンテスにより開示されてい
るような方法及び生成物は、大きな欠点を与えるもので
ある。
理論密度に近い大きな密度の物体を製造するためにSi
Cを緻密化することに関して上で論じた従来法とは対照
的に、耐火物を形成するためにSiCグリット(grit)を
結合するために酸化物を用いることも考えられている。
例えば、ベナー(Benner)その他による米国特許第2,04
0,236号明細書では、耐火物を製造する際のSiCグリット
を結合するために、CaO、MgO、又はCaOとMgOとの混合物
と一緒にAl2O3の結合用材料を使用するこが考えられて
いる。ベナーその他はSiCグリットとそのような結合用
材料との加圧混合物を非酸化性雰囲気中で加熱すること
を教示している。その加熱は結合用材料が軟化して最初
の溶融を受ける比較的高い温度まで行われる。しかし、
その温度への加熱速度は、約35分のように速い。また、
温度時間を短くし、結合用材料を軟化させるのに充分で
はあるが、SiCの再結晶化は回避できるようにすること
が強調されている。更に、温度時間は、結合用材料分解
したり或はSiCと反応しないように短くしなければなら
ない。
ベナーその他により提案されている適切なSiCグリッ
トは、14メッシュから80メッシュ未満の範囲であるが、
粗い部分、中間的部分及び微粒部分を有する。例えば、
40%が−40メッシュ+36メッシュ(約1170μm未満から
約410μmまでの範囲):10%が−40メッシュ+70メッシ
ュ(約370μm未満から約190μmまでの範囲);及び50
%が−80メッシュ(約180μm未満)である。微粒部分
のうちの僅かなサブミクロン部分だけが、上で論じた従
来技術によって要求されているような緻密化に適切であ
ろうが、ベナーその他は、同じような内容で他の結合材
料を使用した場合と比較して、有用な耐火物を製造でき
ることを報告している。かれらの耐火物は非常に緻密
で、その意味で一層低い透過率を有すると言われてい
る。顕微鏡検査(1932年に適用可能なものとして)で
は、生成物は結合材料で部分的にしか満たされていない
気孔を有する生成物を示していると言われているが、そ
の耐火物はガスに対し透過性である。これに関し、ベナ
ーその他の記載には、その物体の巨視的緻密化が起きて
いることを示すものが欠けている。またグリット中のSi
C粒子は、それを充填剤として言及していることから確
認できるように、本質的に結合用材料のマトリックス中
に結合されており、その材料は明らかに、それが混合物
に添加された例えば5〜10%の割合で本質的に残留して
いる。
前の二つのパラグラフで詳細に述べたベナーの教示は
SiCグリットの結合に適切であるが、液相緻密化SiC粉末
に関連した指針は与えていない。即ち、彼らはマトリッ
クス中にSiCグリット粒子を結合することにより耐火物
を製造することを求めている。そのマトリックスは、そ
れら粒子のSiCを分解又はそれと反応することなく、SiC
グリット粒子を包み分離するセメント又は接着剤(これ
らの用語の一般的意味で)としての効果を果たす働きを
している。それに反し、液相焼結は、液中に取り込ま
れ、次に大きなSiC粒子上などに析出する、緻密化され
る圧搾物の一層細かいSiC粉末を必要としており、最終
生成物はSiC粒子と何等かの第二相との間に明確に定め
られた粒子界面を有する。実際ベナーその他は、軟化し
てマトリックスを形成する受動的結合用材料を使用する
ことを教示しているのに対し、液相焼結では、焼結助剤
の補助により形成される活性液相の存在を必要としてい
る。
ベナーその他により提案されている非酸化性雰囲気
は、SiC及び結合材料の両方に対し不活性であることが
必要である。Al2O3、MgO、CaO及びそれらの混合物に対
し満足できるものとして一酸化炭素が示されている。し
かし、SiO2が結合材料の主成分である場合には、窒素又
はヘリウムの如き一層不活性な雰囲気が好ましい。
更に、クトラー(Cutler)その他による米国特許第4,
829,027号明細書には、稀土類酸化物及びAl2O3を使用し
たSiCの液相焼結が記載されており、その例示されてい
る稀土類酸化物は、上で考えた大森その他の文献の場合
のように、原則的にY2O3である。この文献の記載は、Si
Cの非加圧液相焼結にょり緻密化を達成するのに比較的
低い温度で液相を得ることの重要性を強調しており、Al
2O3を用いることに基づく異なった系に関する我々の発
見を証明している。
最後に、株式会社黒崎窯業による特開昭64−230472号
公報(特開平01−230472号)には、焼結助剤としてアル
ミナ・マグネシア スピネル(即ち、MgAl2O4)を用い
てSiC焼結生成物を製造することが提案されている。黒
崎は、焼結助剤としてスピネル単独を用いると、スピネ
ル粉末粒子の表面からマグネシアが優先的に蒸発し、Al
2O3の層で覆われた粒子表面が残ることを教示してい
る。焼結中、液相は1900℃以上の温度で形成されると言
われている。このことは、SiCに固有の優れた高温特性
を劣化する可能性を殆ど無くす結果になる有利なものと
思われる。これに関して黒崎の教示は、かなり低い温度
で液相が形成されないようにすることであり、その点
で、フエンテウ、クトラーその他による明確な教示及び
我々の研究と相違している。
黒崎の提案で教えていることの欠点は、焼結助剤とし
て比較的高価なスピネルに依存していることであり、特
に最適結果を得るためには5重量%を越えるスピネルが
必要なことである。このことについてはクトラーその他
の提案でも高価な稀土類酸化物に彼らが依存している点
で同じ欠点が存在する。しかし、黒崎の提案には更に別
の大きな欠点が存在する。第一に、彼らが言及している
MgOの損失から起きてくる欠点である。なぜなら、スピ
ネルの量を増大すると、それに伴って重量損失が増大す
るからである。35重量%のスピネルでこの因子だけによ
り可能な最大損失は約9.9重量%になる。しかし、上で
考案した他の人の研究により明らかにされ、また我々の
発見により実証されているように、これらの重量損失は
SiO2、Al2O3及びSiCの付加的損失により一層ひどくなる
と思われる。更に重要な欠点は、スピネル粒子がAl2O3
で被覆されるようになるため、最初に形成される傾向が
ある液相がゆっくりした固相・固相拡散を必要とし、次
にAl2O3とスピネルとの溶解が起きることを必要として
おり、このことは、約1900℃より実質的に高い温度での
み合理的な時間内で意味ある程度に起きることである。
このことは、鈴木その他の教示に関連して上で論じたよ
うに、効果的な液相緻密化に必要な充分な体積の液相を
得ることについて、本質的に同じ問題に至るであろう。
本発明の要約 本発明は、SiC粉末から製造された改良された形態の
緻密な物品を与えること、及びそのような物品を製造す
る改良された方法を与えることにある。特に本発明は、
Al2O3を用いてそのような物品を与えることに関する。
しかし、本発明では、Al2O3の単独使用で起きる従来技
術により例証され、また我々の発見で確認されている問
題を解決する条件下でAl2O3は使用される。
上で詳細に述べたように、SiC粉末の緻密化で添加物
としてAl2O3を単独で使用すると、比較的高い焼結温度
及び比較的長い焼結時間を用いる必要がある。しかし、
そのような条件を使ったとしても、満足な生成物を得る
ことは困難であることを我々は見出している。実際、米
国特許第4,354,911号明細書で鈴木その他により教示さ
れているように、粉末床又は被覆を用いるような他の条
件を満足させない限り、得られる生成物は、もしあった
としても最低の緻密化及び低い強度しか示さず、生成物
は容易に砕けることがある。また、有用な水準の緻密化
が達成される場合でも、それは外側表面層に限定されて
おり、生成物内部の緻密化は充分ではなく、切断生成物
は巨視的に見ることができる有芯構造を示している。そ
のような構造を示す生成物の内部は、表面層の緻密化度
に匹敵する比較的高度に緻密化されていることがある。
しかし、表面層と芯との間の緻密化、及び組成状の差、
又はそれらの両方が亀裂を示す生成物をもたらし、それ
が生成物の機械的性質を低下させることを我々は見出し
ている。これらの差は、例えば、緻密化温度から冷却さ
れた時に生成物に生ずる応力により亀裂の伝播又は芯か
らの表面層の剥離により、形成されたままの生成物が駄
目になる程のものである。更に、ランゲによる上記文献
で報告されているようなAl2O3の筋が生成物の微視的構
造内に存在することがあり、そのような筋が亀裂の形成
或は伝播を促進するものと思われる。SiC粉末の緻密化
のための添加物としてAl2O3単独を使用することによる
欠点は、比較的高い焼結温度を使用することにより、も
っと重要なことには、その焼結温度で少なくとも約2時
間、典型的には少なくとも3時間の比較的長い時間を使
用することにより、少なくともある程度まで改善するこ
とはできる。しかし、そのような対策は実質的に生産速
度を低下し、それによって生産コストを増大する。それ
らは分解によるAl2O3の損失を増大する結果になり、そ
のような損失を防止又は相殺することを目的として焼結
実施雰囲気中にそれら物質を維持及び制御する必要性を
実質的に増大することになる。
SiC粉末緻密化のための添加物としてAl2O3を単独で使
用した場合に起きる上記問題は、Al2O3及びAl2O3のため
の前駆物質(ここではAl源として総合的に言及する)の
少なくとも一種類を、MgO及びMgOの前駆物質(ここでは
Mg源として総合的に言及する)の少なくとも一種類と組
合せて使用することにより解決することができることを
我々は見出した。しかし、最初に、本発明は、黒崎の教
示にあるような、スピネルの如き材料の切り離せない成
分として認識することができるものではなく、Al源とは
明確に異なったMg源を用いることに関するものであるこ
とを理解すべきである。
本発明の重要な種々の態様があることも理解すべきで
ある。第一の態様として、Al源とMg源との組合せは、焼
結するための粉末圧搾物を形成するために製造されたSi
C粉末との粉末混合物中の添加物として与えられる。第
二の態様として、必要なAl源の一部分だけを圧搾物形成
用粉末混合物中に与え、必要なAl源の残りは、加熱が行
われる雰囲気中に与えられたAl物質(Al−species)か
らその圧搾物中に、焼結温度へ加熱する間に形成される
ようにする。第三の態様として、必要なMg源の一部分以
下を圧搾物のための粉末混合物中に与え、必要なMg源の
残り又は全てが同様に前記雰囲気中に与えられたMg物質
(Mg−species)から圧搾物中に、加熱中に形成される
ようにする。第二及び第三の態様は組合せて用いること
ができ、必要なAl源の一部と必要なMg源の一部又は全て
が雰囲気中に与えられたAl物質とMg物質とから圧搾物中
に形成されるようにすることができる。また、Al物質及
び(又は)Mg物質を第一態様で雰囲気中に与えるのが有
利である。なぜなら、それらの物質は少なくとも一層高
い温度で圧搾物からAl及び又はMg源が失われるのを相殺
する働きをするからである。
圧搾物を加熱する雰囲気中に与えることができるAl物
質及びMg物質は、ガス状で雰囲気中に存在することがで
きる物質からなる。しかし、それら物質は、圧搾物中に
浸透し、その圧搾物の成分と反応してAl2O3及びMgOを形
成するようなものである必要もある。一般に、それら物
質は単体Al、Al2O及び単体Mgからなる。それら物質は、
後に詳細に記述するように、圧搾物を加熱する炉中で発
生させてもよく、或はそれらは、炉外部の適当な源、又
は夫々の源からガス状で炉中へ導入してもよい。
次に一層詳細に記述するように、Al源をMg源と組合せ
て使用することによる有利な効果は、上で考察した従来
技術を考慮すると驚くべきものである。例えば、ネギタ
による上記論文ではSiC粉末緻密化のための適当な添加
物としてAl2O3を使用することについて報告している
が、MgOは適切な添加物ではないものとして報告されて
いる。更に、ネギタは上記論文で殆どの状況でMgOと化
学的に同等であるCaOも不適切であることは、認められ
ている通りであることを報告している。上記国際特許出
願PCT/US88/00040(WO88/05032)明細書中でフェンテス
は、SiCの非加圧焼結の添加物としてAl2O3とCaOを組合
せて使用することができるが、この組合せは望ましくな
いAl4O4C及びAl2OCの二次相をもたらすことを報告して
いる。我々は、SiCの非加圧焼結で添加物としてAl2O3
MgOを組合せて使用すると、そのようなオキシ炭化物二
次相を生ずることにはならず、然もそれは黒崎の方法で
は得ることのできない実際的利点の重要な差を与えるこ
とを見出している。
更に、米国特許第2,040,236号明細書でベナーその他
は、Al2O3とMgOとの組合せはSiCグリットを結合するの
に有用であることを教示しているが、それらの教示は、
そのような組合せが非加圧焼結によるSiC粉末の緻密化
には不適切であろうことを強く示している。例えば、ベ
ナーその他により教示されているSiCグリット結合用温
度はSiC粉末のそのような焼結に適した高さになってい
ると予想されるが、そのような温度への急激な加熱速度
及びその温度での短い加熱時間はSiC粉末の焼結には不
適切である。Al2O3、MgO、又はそれらの両方とSiCとの
反応及びAl2O3及び(又は)MgOの実質的な分解で、SiC
の実質的な再結晶化をもたらす条件を回避することにつ
いての彼らの教示は、結合用材料のマトリックスでSiC
グリット粒子を結合するのに適しているだけで、SiC粉
末を焼結するための条件とは一致しない条件であること
を示している。ベナーその他の教示はSiCグリットに関
係しており、SiCの再結晶化及びそのような混合物とSiC
との反応についての問題は、SiC粉末が実に遥かに微細
なもので、実質的に一層大きな表面積を持つもであるこ
とを考慮すると、SiC粉末の焼結では実質的に一層厳し
いものになると予想されるであろう。それとは全く対照
的に、本発明では実質的な緻密化が液相焼結の機構によ
って促進されることが明確に示されている。この機構で
は重要な特徴は、一層細かいSiC粒子の溶解及び再析出
(再結晶化)であり、それはベナーその他の教示とは正
反対のものである。焼結に必要なSiC粉末は典型的には1
0μより小さな粒径を持つものであり、例えば、平均し
てサブミクロンの粒径を持つものである。即ち、ベナー
その他のグリットと比較して、焼結用SiC粉末の遥かに
細かな粒径、従って遥かに大きな表面積は、SiCの過度
の再結晶化及び反応によるSiCの損失をもたらし、巨視
的な緻密化が得られることが判明している場合でも、物
理的性質の劣化をもたらすものと予想されるであろう。
また、Al2O3及びMgOを組合せて添加物として用いた。Si
C粉末の非加圧焼結のための条件下では、ベナーその他
の教示によればそれらの添加物は分解によって失われる
ことになるであろう。
本発明の詳細な記述 本発明は、少なくとも65重量%のSiC粉末及び少なく
とも1重量%のAl源からなる粉末を含む粉末混合物をプ
レスし、その圧搾物を非酸化性雰囲気中で1500〜2300℃
の焼結温度へ加熱し、前記圧搾物をMg源及びMg物質の少
なくとも一種類の存在下で、前記焼結温度での時間が液
相焼結による必要な水準の緻密化を達成するのに充分に
なる時間、加熱することからなる緻密なSiC生成物の製
造方法を与える。
従って、本発明によれば、炭化珪素の液相焼結のため
の方法で、 − 結合剤を考慮せずに、炭化珪素少なくとも70重量
%、及びアルミナ、アルミナ前駆物質、及びそれらの混
合物から選択されたアルミニウム源からなる粉末1〜25
重量%(Al2O3として計算して)を含有する粉末混合物
からなる、成形し、固化した粉末物体を形成し、そして − 前記粉末物体を非酸化性雰囲気中で1500℃〜2300
℃の焼結温度に加熱して液相を形成し、液相焼結物体を
得る、 諸工程からなり、然も、前記加熱工程中の前記物体は、
前記アルミニウム源とは異なった、マグネシア、マグネ
シア前駆物質、マグネシウム蒸気、及びそれらの組合せ
からの少なくとも一つからなるマグネシウム源の存在下
で加熱され、それによって前記液相が第二酸化物成分を
生ずる、炭化珪素液相焼結法が与えられる。
本発明の方法は、物理的性質の良好な均一度を有する
焼結物体の製造を可能にする。また、その物体は、典型
的にはSiC粒子が、用いられたSiC粉末よりも粒径均一性
が大きく、実質的に同軸的である微細構造を示す。その
微細構造は、粉末の微粒子、及び大きな粒子の鋭い角が
溶解してしまっていることと一致して、粉末に対する微
細SiC粒子の割合が減少していることを示している。微
細構造中のSiCの粒子は、同軸的であることの外に、大
きな粒子上及びそれらの間に溶解SiCが析出したことに
一致した或る程度の丸み及びSiC粒子界面でのくびれた
領域の形成を示している。これに関して、SiC粒子の形
態は、黒崎の教示によって得られる交錯した平板状又は
交差した板状結晶の微細構造とは全く異なっていること
が分かる。
焼結物体中の二次酸化物成分の量に依存して、本発明
の微細構造は二相(uplex)形態になることがある。即
ち、二次酸化物がSiCの焼結粒子全体に亙って相互に連
結した網状組織として存在し、隣接したSiC粒子の実質
的部分が明確なSiC対SiC粒子境界を示していることがあ
る。二次酸化物はAlに富み、実質的にAl2O3からなって
いてもよい。二次酸化物は、Mgを含むことができ、典型
的にはMgを含んでいる。しかし、形成されたままの圧搾
物中のMg対Al比は1:2位の高いものでもよいが、二次酸
化物は少なくとも1:3のような低い比率(即ち、Alに富
む)を有する。また、圧搾物中のMg対Al比は1:2(Alに
富む)より低くくてもよいが、典型的には、得られた生
成物中のMg対Al比は一層低いものである。
我々の研究から、Al源とMg源との化学量論的添加でそ
の場での反応により生ずるAlに富む二次酸化物成分は、
特に比較的厚い断面を有する物品のための有用な物体を
もたらすとは必ずしも限らないことが見出されている。
実際、低いAl源含有量で1:3より低く、高いAl源添加量
で1:6である、焼結物体中の希望のMg対Al比を得ること
により有用な物体が製造されることが示されている。本
発明の方法は、形成されたままの圧搾物中に許容出来る
Al源とMg源との比率に実質的な融通性を与える。黒崎の
場合の如く、スピネルの分解で形成されたアルミナとス
ピネルとの反応により液相を形成させ、そして次にSiC
の緻密化を開始させるために、上昇させた温度でmgを失
わせる必要はない。粉末床を用いることにより最終物体
中のAlの量を増大する結果を与えることができることも
見出されている。これにより、最初Alをが少ない物体の
緻密化を、Alをその物体中へ移行させ、Mg対Al比を緻密
化が進行できるような一層好ましい水準へ変化させた結
果として進行させることができる。このことから、下限
のAl源を用いた時でも、その物体を通る充分な拡散及び
取り込みを起し、均一な緻密化を進行させることができ
ることが分かる。厚い物体の場合、そのような拡散及び
充実な取り込みを行わせるのに適切な時間を与えること
が、必ずしも可能で実際的であるとは限らない。最終的
結果は、多孔質芯を有する物体を生成することになる。
このことはそれ自体としては有用であるかもしれない
が、必ずしもそうであるとは限らず、従って、高密度物
体の製造を可能にするためには、厚さの上限が存在する
ことがある。黒崎の方法では、液相は上昇させた温度で
のみ現れると報告されている。不純物としてSiCに必然
的に存在するSiO2は、その系ら本質的に失われ、効果的
に利用されることは無いのが殆どであろう。それに対し
本発明の方法は、MgO及びAl2O3と存在するSiO2との反応
を可能にする低温維持の利点を示している。考慮されて
いる温度範囲の中程まで温度を上昇させると、この相は
量が増大していく液体を与え、その液体の存在下でSiC
粒子の粒子再配列を含むよく知られた液相焼結過程と、
二番目にSiCの溶体析出により緻密化が行われる。更
に、研究によれば、緻密化操作中、特に厚い断面を有す
る試料、或は炉中へ入れた量が多い場合には、圧搾物か
らMgを失わせることが困難であることが示されている。
系中でのMgの分解及び付着は炉の作動を妨害することが
あることも見出されている。これらの因子は、黒崎によ
って提案されているようなスピネルの使用に本来伴われ
る問題を明らかにしており、ここに記載するような方法
の利点を明確にするものである。
SiC粉末は10μmより大きなSiC粒子を実質的に含ま
ず、平均粒径が実質的に10μmより小さいのが好まし
い。一層好ましくは、SiC粉末は2μmより小さな平均
粒径を有する。SiC粉末はどのような多結晶型のα−Si
C、β−SiC、無定形SiC、又はそれらの混合物からなっ
ていてもよい。
必要な量のAl源の少なくとも一部分、好ましくは大部
分が、形成されたままの固化物体(今後「圧搾物」と呼
ぶ。)中に存在する。形成されたままの圧搾物中のAl源
は、最も好ましくは、α−及びγ−アルミナを含めたど
のような入手できる形態のAl2O3からなっていてもよい
が、加熱でAl2O3を生ずる前駆物質をその代わりに用い
ることができる。Al2O3の適切な前駆物質には、Al(O
H)3、Al(NO3)3、3Al2O3・2SiO2、Al2O3・SiO2、AlO(O
H)、脂肪酸塩を含めたAlの有機金属塩、加熱で分解し
てAl2O3を生ずる他のAl化合物、及びAl2O3と一緒になっ
た又はそれを除いた他の化合物の混合物が含まれる。
形成されたままの圧搾物が必要な量のAl源の少なくと
も一部分を含むことが必要であるが、それが必要なMg源
の少なくとも一部分を含むことは必要ではない。形成さ
れたままの圧搾物が必要な量のMg源の少なくとも一部分
を含むことは好ましいが、そのような場合の程度まで、
Mg源がMgOからなるのが最も好ましい。しかし、圧搾物
中のMg源は、加熱でMgOを生ずる前駆物質からなるか、
又はそれを含んでいてもよい。MgOのための適切な前駆
物質には、MgCO3、Mg(OH)2、Mg(NO3)2、脂肪酸塩を含め
たMgの有機金属塩、及びMgOと一緒にした、又はそれを
除いたそれら化合物の混合物が含まれる。
形成されたままの圧搾物中に存在するAl源及びMg源
は、粉末からなる場合、10μmより小さいのが好まし
い。しかし、Al源、Mg源、又はそれらの両方の少なくと
も一部分は、有機前駆物質材料からなる場合のように、
粉末からなる必要はない。有機材料からなるMg源は有利
であり、特に圧搾物を形成する時に潤滑剤として働くこ
とができるステアリン酸塩の如き脂肪酸塩の場合には有
利である。そのような有機材料は、粉末それ自体として
よりも、圧搾物の粉末粒子を覆う膜として圧搾物中に存
在していてもよい。
必要な量のAl源の一部分、好ましくはわずかな部分、
又は付加的Al源は、圧搾物が加熱される炉中に存在して
いてもよい。Mg源又は付加的Mg源の必要な量の一部又は
全てが炉中に存在していてもよい。これらの条件は別々
に又は組合せて適用することができる。そのようにして
炉中に与えられたAl源、Mg源又はそれらの両方は粒状床
(その上又は中で圧搾物が加熱される)中に存在してい
ても、或はそれを構成していてもよく、或はそれは圧搾
物の上又は周囲に形成された被覆中に存在していても、
或はそれを形成していてもよい。床又は被覆中に存在す
るAl源、Mg源、又はそれらの両者は、SiCと同じ粒径条
件に当て嵌まる粉末からなっていてもよい。しかし、床
又は被覆のそのような源は、圧搾物中に存在させること
ができる量よりも多くの量として一層容易に与えること
ができ、希望に応じて2mmまでのグリットの形態のよう
な一層大きな粒径の源を床又は被覆に用いることができ
る。
Al源及びMg源の実質的に全てが圧搾物中に与えられて
いてもいなくても、圧搾物の焼結を焼結雰囲気中にAl物
質及びMg物質の少なくとも一種類を存在させて行うのが
最も好ましい。そのような物質は、外部供給源からそれ
ら物質を含む適当な雰囲気を炉に通すことにより、又は
上述の如き適当な床又は被覆を加熱することにより焼結
炉中でそれら物質を発生させることにより、又は圧搾物
質対炉体積の適当な比率を与えることにより発生させる
ことができる。床又は被覆を用いるのが好ましく、床を
用いるのが最も好ましい。被覆を用いる場合、それは圧
搾物が配置される容器の上又は圧搾物上に形成された被
覆からなっていてもよい。被覆は、適当なAl源、Mg源、
又はそれらの両方を含むスラリーから形成し、然る後、
その源層を低湿加熱により乾燥して被覆を形成すること
により形成するのが最も好ましい。
前述から明らかなように、Mg源の少なくとも一部分
が、形成されたままの圧搾物中に存在していてもよく、
その方が好ましい。実際、必要なMg源の少なくとも大部
分が、形成されたままの圧搾物中に存在しているのが好
ましい。圧搾物がAl源とMg源の全てを含む場合、30重量
%まのAl源+Mg源(夫々、Al2O3及びMgOとして計算し
て)を含み、残余が実質的にSiC粉末からなる粉末混合
物から圧搾物が形成される。Al源+Mg源によって与えら
れる30重量%までの量は、Mg対Al比が、Al源(Al2O3
して)が1重量%〜5重量%の水準として1:2〜1:25の
範囲にあり、Al源(Al2O3として)が5重量%〜25重量
%の水準として1:5〜1:100の範囲にあるような量のMg源
(MgOとして)及びAl源(Al2O3として)を有し、5重量
%〜25重量%のその範囲でアルミニウム源含有量を増大
すると、Mg対Alの比は、Al源(Al2O3として)が5重量
%の時の1:2から25重量%の時の1:5まで実質的に直線的
に減少する。
圧搾物中に存在するAl源又はMg源が夫々Al2O3又はMgO
以外のものである場合、それは焼結温度まで加熱される
間に分解し、Al2O3又はMgO及びガス状分解生成物を与え
る。そのようなガス状生成物は、緻密化工程の少なくと
も初期段階で圧搾物からその初期多孔質のため逃げるこ
とができる。Al源、Mg源、又は各々の源が粉末床、又は
被覆として与えられている場合、それはその温度に加熱
される間に分解し、その源が夫々Al2O3又はMgO以外の場
合、Al2O3、MgO又はその両方を最初に与え、焼結が行わ
れる雰囲気中にAl2O、Mg又はその両方の如き蒸気を発生
する。Al2O又はMg蒸気は蒸気拡散により比較的多孔質の
初期圧搾物中に容易に浸透することができ、その中でAl
又はMgの適切な源を生成することができることが見出さ
れている。
床又は被覆中に存在する場合の如く、炉中で与えられ
るAl源及びMg源の主たる役割は、圧搾物中に浸透し、取
り込まれて希望の量のAl2O3及びMgOを圧搾物中に与える
Al物質及びMg物質を生成させることである。しかし、そ
のような物質を発生させた場合、炉中に与えられた源は
炉中に実質的な分圧を生ずる第二の有用な役割を果た
す。炉中の源の方が、一層緻密な圧搾物が加熱されるよ
りも一層速く加熱されるため、炉中の源は圧搾物中の源
粉末の実質的な分解に先立って分解してそれら物質を与
えることは明らかである。その結果、得られたそれら物
質の分圧は、圧搾物中の対応する源の分解を少なくとも
部分的に抑制することができるものと思われる。これら
の役割の各々に関し、外部源から必要なAl物質、Mg物質
又はそれらの両方を含む雰囲気が炉中に導入され、維持
されることによって同じ結果を達成することができる。
その雰囲気は、例えば、必要なAl源、Mg源、又はそれら
の両方を加熱し、それらの物質の凝縮を防ぐのに充分な
温度でその雰囲気を維持し、その雰囲気を炉に通すよう
にするなどして、炉の外部で生成させる。特にAl物質と
Mg物質の両方が別々に形成される場合、炉へ送られる時
のその雰囲気中に存在するそれらの比率は選択すること
ができる。また、炉の構造により、炉から排出されるそ
れら物質の比率を検査することができ、もし適切ならば
その比率を調節することができる。
必要なAl源及びMg源が両方共圧搾物中に与えられてい
る場合、床又は被覆を用いるか、又は炉の外部で発生さ
せた雰囲気中に入れて炉に導入することによりAl物質及
びMg物質を発生させることは依然として望ましいが、そ
の必要はない。この場合、Al2O3及びMgOは分解する傾向
があり、圧搾物から失われるであろう。その消失が起き
ても良いように、圧搾物中に過剰のAl源及びMg源を入れ
ることにより、それをある程度相殺することができる。
しかし、床、被覆、或は外部から供給される雰囲気を使
用することに対する一層実際的な別法として、決められ
た焼成で、炉中で緻密化される圧搾物の量を炉の体積に
対し好ましい比率になるようにすることが有利である。
即ち、この比が、分解による消失で発生するAl物質及び
Mg物質がその消失を許容可能な水準に抑制する蒸気圧を
確実に与えるような比率になっていることが望ましい。
必要な圧搾物の量に関し、これは圧搾物の質量対表面積
比に依存し、加熱速度及び炉の設計が更に関係のある因
子になることが認められるであろう。
特定の反応機構によって拘束されたくはないが、MgO
は本発明の方法によって与える有利な結果を達成するの
に重要な役割を果たすことが明確に示されている。Mg源
が形成されたままの圧搾物中に存在する場合、MgOはそ
の源としてMgOを使用することにより存在するか、又はM
gOのための前駆物質の分解によりその場で形成される。
いずれの場合でも、SiC粉末の表面層酸化により最初に
存在するSiO2の如き、比較的低い温度でのSiO2及びAl2O
3と共にMgOは一時的な液体を形成することが我々の発見
により示されている。我々の研究により、そのような一
時的液体は1300〜1400℃で形成されることが示されてい
る。比較的小さな体積で最初存在しているが、その液体
はAl2O3の如き存在する他の酸化物の溶解をもたらし、
液体体積の実質的増加を起こすものと考えられる。ま
た、その液体は最初比較的低い温度で形成されるが、効
果的な液相緻密化のため液体が存在している必要がある
一層高い温度で維持される程安定であるように見える。
我々の研究から、一時的液体は焼結温度まで加熱され
る過程中、及びその温度に保持される間に組成が変動す
ることが示されている。液体は最初SiO2、MgO、及びAl2
O3からなる実質的に擬三成分系組成物であることは明ら
かであるように見える。約1300℃より高く温度を上昇さ
せると、液体は更にMgO及びAl2O3を取り込む。更に高い
温度では、時間又は両方が増大するに従って、SiO2は明
らかに分解によって次第に失われ、少なくとも幾らかの
MgOの損失も起きる可能性があり、少なくとも残留MgOを
含むこともあるAl2O3に富む液体を与える結果になる。
最終的な結果は、γ−又はα−Al2O3の如きAlに富む二
次酸化物成分になるのが典型的である。その場で生成す
る二次成分はAlを含むことがあり、典型的にはそれを含
んでいるが、Mg対Al比は少なくとも1:3である。しか
し、酸化物成分は、二成分系液相から得られるにも拘わ
らず、検出可能なMgを含有しないAl酸化物に容易になる
ことができる。更に、形成されたままの圧搾物中に最初
に存在するAl源及びMg源の量、及びここに詳細に記述す
る炉雰囲気中のAl物質及びMg物質に対する制御の程度に
より、焼結の温度及び時間は、実質的に全てのMgO、次
に実質的に全てのAl2O3が失われ、もしあったとしても
極めて僅かな検出可能な酸化物成分しか含まない焼結生
成物を与える結果になるようにすることができる。この
後者の可能性にも拘わらず、本発明の方法は、検出可能
な量のMgが存在しても存在しなくても、二次酸化物成分
が維持されるように行われ、そのような成分が生成物の
破壊靱性を増大する。Al2O3が失われると、少量のAl金
属が本体中に検出される結果になることがある。しか
し、MgOの消失及びAl2O3の分解にも拘わらず、良好な緻
密化が依然として達成され、このこと及び一時的液体の
一層高いAl対Mg比への漸進的変化は、緻密化の原因にな
る活性Al物質及びMg物質が一時的液相中に、緻密化が実
質的に完了するまで、又は他の機構によって高密度物体
を得ることができるようになる水準に緻密化が到達する
まで、維持されることを示している。
床又は被覆中にMg源が少なくとも部分的に存在する場
合、Mg蒸気が発生し、拡散によって圧搾物中に浸透す
る。更に、酸素含有物質も炉雰囲気中に存在することは
明らかである。Mg蒸気は圧搾物中に含まれている酸化物
と反応し、その場でMgOを生成し、恐らくSiOを放出する
ものと考えられる。同様な機構が、外部供給源から炉へ
送られた雰囲気中のMg蒸気からなるMg物質でも起きると
考えられる。このようにして形成されたMgOはSiO2及びA
l2O3と共に低融点の一時的液体をもたらし、その液体は
Al2O3を引き続き溶解し、形成されたままの圧搾物中にM
g源を与えることに関連して前に説明したような体積の
増大を起こすことになる。更に、圧搾物中に最初に存在
していたSiO2の一部分が分解してSiOガス及び1/2のO2
形成し、その酸素は圧搾物中でMg物質と反応しMgOを形
成するか、又はそのSiOが圧搾物中でそれらの物質と反
応して他の酸素含有物質の存在下でMgOを形成するもの
と思われる。
形成されたままの圧搾物中か又は粉末床、被覆、又は
外部雰囲気源から誘導されたMg源を与えることにより、
圧搾物中に得られたMgOを融剤として働くことが見出さ
れている。即ち、MgOはAl2O3及びSiO2の融解性を実質的
に増大し、低い温度で充分な体積の一時的液体を形成
し、それは一層高い温度でも維持される。SiO2は液相を
形成することができるが、MgOが存在しないと、SiO2
分解によって失われる傾向がある。
本発明は、少なくとも65重量%のSiCと、約30重量%
以下の二次酸化物成分を含む二次成分と、少量以下の単
体Al、単体Si、及びガラス相を有する焼結物体からなる
焼結セラミック生成物も与える。存在する二次酸化物成
分はAlに富み、実質的にAl酸化物からなっていてもよ
い。しかし、その成分はMgを含んでいてもよく、Mg対Al
比は1:3以下である。上で詳述した黒崎の教示とは対照
的に、Mgを含有する酸化物成分が、スピネルからのもの
とは異なって、Al2O3それ自体又はその前駆物質を使用
することによりその場で形成され、その結果焼結に必要
な温度よりも低い比較的低温で生成する一時的液相から
得られる液相焼結によって焼結物体が生成する。
本発明の生成物は、好ましくは少なくとも80重量%の
SiC、最も好ましくは少なくとも85重量%のSiCを含む。
しかし、SiC含有量は98%を越えてもよい。少なくとも9
5重量%のSiC含有量では、生成物は単一相しか示さない
微細構造を有するか、実質的に単一相だけからなり、Si
C以外の残留成分はその相と固溶体になっていると思わ
れる。
本発明の生成物は、2.95g・cc-1を越える焼成嵩密度
を有するのが典型的である。3.00g・cc-1を越える焼成
嵩密度は、3.10g・cc-1を越えるように、容易に達成す
ることができる。実際、我々は、少なくとも3.15のその
ような密度、例えば3.25g・cc-1まで及びそれを越える
ような密度も可能であることを見出している。更に、本
発明による焼結物体中に焼成嵩密度の良好な均一性を達
成することができるが、形成されたままの最初の圧搾物
中に存在する焼結助剤の量、焼結雰囲気、焼結温度計及
び時間を制御することにより、実質的に必要に応じた低
い残留気孔率を得ることができる。
本発明の生成物は、ここに詳述したように高水準の破
壊靱性(fracture toughness)を示すことができる。破
壊靱性は二次酸化物成分の量を増大すると共に増大し、
屡々それに対応して硬度の減少を伴うが、必ずしもそう
でない。しかし、硬度は約18.5GPaを越えるのが典型的
であり、かなりの量のその成分を存在させることにより
約26GPaまでの範囲にすることができる。一層高い水準
の硬度も可能であり、特に二次酸化物成分の量を約5%
より低く減少させる。残留気孔密度の水準を一層低くす
ることにより可能である。また、残留気孔率に関連して
上で同様に詳細に述べたように、焼結助剤量、焼結雰囲
気、及び焼結温度及び時間について制御することにより
破壊靱性と硬度との間の必要な釣り合いを達成すること
ができる。
本発明の生成物は、約1〜25重量%のAl源(Al2O3
して計算して)を含む圧搾物から形成してもよい。しか
し、Al源(Al2O3として)は2.5〜20重量%の範囲内にあ
るのが好ましい。1重量%より少ないと、有用な緻密化
を達成することはできない。1〜2.5重量%のAl2O3でも
有用な緻密化は達成することができるが、これには、中
間温度保持(mid−temperaure hold)に関連して後に詳
細に述べるように、加熱条件についての一層精密な制御
を用い、且つ(又は)焼結雰囲気中に適切なAl物質を発
生させる粉末床を使用することを必要とすることがあ
る。最低限度が2.5重量%であるのが好ましいのは、主
にこれらの後者の理由によるものである。
Mg源の全てが圧搾物中に与えられている場合、その添
加量(MgOとして計算して)は約0.3〜4重量%の範囲に
することができる。好ましい範囲(MgOとして)は約0.5
〜2重量%であり、例えば、約0.5〜1.5重量%である。
全てのMg源を形成されたままの圧搾物中に与える場合、
約0.3重量%より少ない添加量(MgOとして)であるMg源
は、効果的な液相緻密化を達成するのに充分な量の液相
を低温で発生する結果にはならないようであり、Al2O3
単独を使用した場合に達成される緻密化と比較して劣っ
た緻密化水準が得られる。4重量%より多いと(MgOと
して)、最終焼結生成物中にそのような量のMgを維持す
ることは困難であり、仮え維持されたとしても、そのMg
源は焼結成分中に余りにも高すぎる水準の二次酸化物含
有量をもたらす傾向があり、物理的性質に悪影響を与え
る。二次酸化物成分中のMgの量、実際には二次成分の量
は、焼結温度で一層長い時間保持することにより減少さ
せることがき、そのような成分を分解により消失させる
ことができる。しかし、一層長い保持時間は、製造コス
トに悪影響を与え、SiCの不適切な損失をもたらす傾向
もある。
前述より、Mg源含有量に関する出発組成物はAl源含有
量に関連していることは認められるであろう。別法とし
て、全出発組成物は前記Al源含有量に関して表すことも
できる。例えば、Mg対Al比は、1〜5重量%のAl源(Al
2O3として)量では1:2〜1:25の範囲であり、25重量%の
Al源(Al2O3として)量では1:5〜1:100の範囲にある。
これらの点を結んだ線は境界を定め、その境界内では有
用な出発組成物の領域が見出される。
上で示した圧搾物中のAl源、Mg源、又はその両方の量
は、床又は被覆中にその源を与え、雰囲気中にAl物質、
Mg物質又はその両方を発生させることにより、部分的に
減少させることができ、或はMg源の場合には完全に減少
させることができる。それが行われる程度まで、床又は
被覆中に与えるAl源、Mg源又はそれらの両方の量を定量
化することは困難である。床又は被覆中に必要なAl源、
Mg源、又はその両方の最低量、及びMg物質による圧搾物
に得られる透過は、焼結温度及びその温度への加熱速度
と共に変化する。他の変数は、圧搾物の厚さ、床又は被
覆の体積、中間温度保持が用いられるか否か、圧搾物が
焼結される炉の体積、物質の凝縮が起きる炉の有効表面
積である。しかし、床又は被覆に必要なAl源、Mg源又は
夫々の量は、それらがない時に圧搾物中に必要になる量
を実質的に越えることができ、例えば、10倍まで、或は
20倍までにさえすることができる。また、与えられた炉
で得られた試料生成物の日常的な分析、それと、各源を
その圧搾物中に入れて匹敵する焼結条件で生成させた試
料生成物との比較により、床又は被覆中の各源の使用量
を最適にするようにその量を決定することができる。床
又は被覆中に与えられた各源は、それらの物質が圧搾物
に浸透するのに充分な分圧で炉雰囲気中に存在するよう
に各物質を発生させるものでなければならないことは、
認められるであろう。形成されたままの圧搾物が少なく
とも0.3重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%のMgO
を含まず、必要な量のAl2O3を含まないならば、MgO及び
(又は)Al2O3の量は浸透により圧搾物中に得られるべ
きである。しかし、特にMgOの量のみならずAl2O3の量
も、焼結温度での保持と共に減少すことがある。
粉末床又は被覆を用いる代わりに、外部から炉への雰
囲気供給源を用いて、炉雰囲気中にAl物質、Mg物質又は
それらの両方を与えることができる。更に別の方法は、
焼成が行われる炉の容積に対する圧搾物(単数又は複
数)の質量の好ましい比率を維持し、個々の圧搾物の
間、及び圧搾物と雰囲気との間に充分な相互作用が起き
るようにすることである。その容積に対し存在する圧搾
物の量は、合理的な時間内で緻密化工程が完了し、高水
準の残留気孔率を有する生成物を生じないような程度に
緻密化助剤の損失が限定されような量であるべきであ
る。即ち、緻密化助剤は、それらが失われた程度の相当
して、緻密化助剤の分解生成物の充分な蒸気圧を発生さ
せることにより、緻密化が行われる適切な雰囲気を与え
る。圧搾物からの緻密化助剤の相対的損失(従って、雰
囲気を安定化させるのに必要な量と比較した、圧搾物中
に維持されたそれら助剤の量)は、圧搾物の質量、従っ
て最初に存在する緻密化助剤の質量により減少する。有
効炉容積対圧搾物体積の比率は5:1以下であるのが好ま
しい。しかし、他の因子により、それは10:1位に高くて
もよく、或は20:1程の高さになってもよい。最適化は、
圧搾物質量対圧搾物表面積の比、加熱速度、及び全炉設
計を含めた幾つかの因子に依存するであろう。
一般に、Al源、及びもしそこに与えられていたならば
Mg源についての許容量を除いた圧搾物の残りは、実質的
にSiCからなる。典型的に用いられる商業的SiCは、約2
重量%までのSiO2表面層を有する。SiCを緻密化する或
る従来技術の方法とは対照的に、そのような量のSiO2
減少或は実質的に除去する必要はない。実際、Al2O3とM
gOを用い、低温で安定な一時的液体を形成させる必要が
ある点で、そのSiO2は有利であることが示されている。
不充分な量のSiO2を有するSiC源を用いた場合、圧搾物
が形成される粉末混合物に少量のSiO2を含ませる必要が
あることがある。また、少なくとも約10重量%より高い
Al2O3の水準では、SiO2を添加して、2重量%を越える
その水準、例えば約4重量%までの水準を達成するよう
にすることが有利である。しかし、一層高水準のSiO2
僅かな割合のガラス相しか焼結生成物中に許容出来ない
ことを前提としているか、又はSiO2の分解によりガラス
相が形成されなくなるような焼結条件になることを前提
としている。
本発明の生成物は、0.01重量%を越える水準のような
ものとしてMgを含んでいてもよい。しかし、Mgの量は典
型的には僅かであるが、それは0.1重量%以上を越える
水準になっていてもよく、例えば、少なくとも1.5重量
%〜約3.5重量%の水準になっていてもよい。Mg対Al比
が約1:8より大きくなるような水準でMgが存在する場
合、一般に、Alに富む二次酸化物成分としてのAl酸化物
と一緒にMgが酸化物として存在するようにすることがで
きる。別法として、本発明の生成物は、Mg対Al比の条件
で規定することができる。即ち、Mg対Al比は、Al源(Al
2O3として)が5重量%の水準では1:3までであり、Al源
(Al2O3として)が30重量%の水準では1:6までである。
これらの点を結ぶ線は、最終的組成物の境界で、その内
部の領域では有用な生成物が見出されるような境界を定
める。
本発明の生成物は、実質的に単体Siを含まないのが好
ましい。それはまたガラス相を実質的に含まないのが好
ましい。本発明の方法は、好ましくはこれらの要件の一
方、最も好ましくは両方に従った生成物を与えるように
行われる。元素状Si及びガラス相に関して、その上限は
夫々約2重量%を越えないのが好ましい。
単体Si及びガラス相が実質的に無いのが好ましいが、
本発明の生成物は上で詳述したように二次酸化物成分を
含んでいてもよい。実際、そのような成分の存在は好ま
しく、特に破壊靱性の大きな生成物が必要な場合には好
ましい。従来技術の非加圧焼結により製造される焼結Si
Cは、2.5〜4.0MPa・m0.5の破壊靱性を有するのが典型的
であるのに対し、Si浸透又はホットプレスSiCは4〜5MP
a・m0.5の破壊靱性を有する。本発明は、焼結生成物、
即ち、Si浸透又はホットプレスによるのではなく非加圧
焼結により形成されたもので、従来の焼結SiCについて
の4MPa・m0.5の上限を越える破壊靱性を有する焼結生成
物を製造することができる。即ち、本発明は、Si浸透又
はホットプレスSiCに匹敵するか或はそれより多角、固
相焼結Siよりかなりよい破壊靱性水準を得ることができ
る。本発明による生成物は、好ましくは4MPa・m0.5を越
え、最も好ましくは4.5MPa・m0.5を越え、例えば、5.0M
Pa・m0.5を越える破壊靱性を有する。
本発明による生成物の破壊靱性は、存在する二次酸化
物成分の量と共に増大する。一般に、4MPa・m0.5を越え
る破壊靱性を達成するためには少なくとも約4〜5重量
%の酸化物成分が必要である。その水準より酸化物成分
が多いと、破壊靱性は、約8重量%及び15重量%の酸化
物成分の水準で、夫々約4.5MPa・m0.5及び5.5MPa・m0.5
に増大することがある。本発明の一つの利点は、そのよ
うな水準の酸化物成分を得ることを可能にし、上述及び
以下に述べる理由から、増大した破壊靱性を得られるよ
うにしていることである。
本発明による上で示した破壊靱性値は、アンチスその
他による式〔J.Amer.Ceram.Soc.,64,[9]533−538(1
981)〕を用い、ビッカース硬度ダイヤモンド インデ
ンター(indentor)及び49Nの荷重を用いて押込法によ
り決定された。しかし、幾つかの実施例に関連してここ
で示したように、パームキスト(Palmquist)及びメジ
アンクラック(median crack)についてのニイハラ(Mi
ihara)その他による式〔J.Mater.Sci.Letters,1,13−1
6(1982)〕を用いて306.6Nの標準荷重を用いた決定
は、少なくとも5.6MPa・m0.5までの範囲の数値的に一層
高い値を与えている。
本発明の方法に含まれると考えられる機構について上
で詳述した説明で、指示したMgO含有について説明され
ている。その中心になるものは、低温でのMgO・SiO2・A
l2O3液相の形成であり、その液相はさらにAl2O3を溶解
することにより体積が増大し、一層高い温度まで維持さ
れる。それにも拘わらず、また雰囲気中で発生した又は
雰囲気に供給されたMg物質からMgOをその場で形成する
ことができるにも拘わらず、MgOは次第に分解し、温度
が高くなると共に、またその温度での時間と共に焼結雰
囲気中へ失われることが見出されている。この機構によ
るMgOの損失が実質的に完了して本発明の生成物中に低
水準のMgをもたらすことができるが、そのMgOは、それ
が失われる前に良好な緻密化を達成している点でその機
能を完全に果たしていることが分かる。
分解によるMgOの消失の外に、Al2O3も同様に分解によ
って失われることが判明しているが、Al2O3が単独で用
いられた場合の従来法でもそのようになる。しかし、Mg
Oから得られる一時的液相により、Al2O3の損失は、Al2O
3を単独で使用した場合よりも実質的に少ない。即ち、
液相中に溶解したAlの活性度は低下し、そのため原則的
に、もしあった場合、液相中に溶け込まない部分と共
に、Al2O3の分解が起きる傾向がある。もしあったとし
ても溶け込まないAl2O3の割合は、Al2O3単独を用いた場
合と比較して、MgOを用いた場合の方が実質的に少な
い。
Al2O3の消失及びMgOの消失により、本発明の生成物
は、それが形成される前の圧搾物の重量に比較して重量
損失を示すことがある。SiCの分解からも幾らかの重量
損失が起きることがあり、焼結生成物は典型的には検出
可能な単体Si又はガラス相を示さないので、重量損失は
SiO2の分解によって起きるものと思われる。もしSiCを
含むならば、床又は被覆も、粉末圧搾物中のSiCの分解
を阻止するSiOの如き揮発性物質を供給する目的に役立
つと思われる。Al2O3の損失は、圧搾物が焼結される雰
囲気中にAl物質を発生させることにより、又はそのよう
な物質を含む雰囲気を与えることにより調節することが
でき、これは有利であることが判明している。従って、
本発明の一つの好ましい態様として、圧搾物中のAl2O3
の分解によって形成されるものと同様にAl物質の蒸気を
発生するAl含有材料の床又は被覆の存在下で圧搾物を焼
結温度へ加熱する。床又は被覆を加熱した時、その中に
与えられた又は形成されたAl2O3は分解し、その分解生
成物が必要なAl物質を与える。床又は被覆から分解した
Al2O3の量は、炉中高い分圧でAl分圧が存在し、圧搾物
に含まれるAl2O3の分解を妨げるように働くような量で
ある。関連のある主たるAl物質はAl2Oであると考えられ
る。
焼結中の雰囲気中にAl物質が発生することにより圧搾
物中のAl2O3の分解が制御され、少なくともその分解速
度を低下する程度まで制御するように見える。しかし、
これについては推測できるだけである。なぜなら、雰囲
気中に発生したAl物質が無い状態では圧搾物の重量損失
が高水準で起きるが、雰囲気中にAl物質が生成すると、
圧搾物(そこからその生成物が形成される)中に存在し
ていた量よりも、SiC含有量に対し増大した重量%のAl
を有する焼結生成物をもたらすことができるからであ
る。従って、MgO及びSiCの昇華又は分解による消失があ
ったとしても、それによる重量損失を認めても、アルミ
ニウムに関して重量増加が起きていることがある。関連
するAl物質がAl2Oであると仮定すると、それが完全緻密
化以前に圧搾物中へ浸透することは明らかであり、その
中で液相のSiO2と反応してその中でAl2O3へ転化してい
ることは明らかである。
Alに関してAl物質が重量増加をもたらす機構は、Mg源
が少なくとも部分的に床又は被覆中に与えられている場
合、圧搾物へのMg物質の移動に含まれる機構とは全く異
なっているように見える。即ち、Mg物質は単体Mg蒸気か
らなるのは明らかであるように見えるのに対し、Al2O3
の分解が単独で単体Al蒸気を発生することになることは
熱力学的に全くありそうもないことである。Al2Oの発生
は、熱力学的考察から予想できるので、実質的に一層起
こり得るものと思われる。
Al物質の発生、またMg源が圧搾物中にだけ与えられて
いるのではない場合のMg物質の発生についての条件とは
別に、圧搾物を焼結する雰囲気は不活性であるのが好ま
しい。雰囲気の他の成分は、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、又は一酸化炭素からなっていてもよい。雰囲気は、
例えば、粉末床又は被覆中の炭素又は黒鉛炉により生ず
るような低い酸素分圧を有する。
炉容積に対する圧搾物質量の好ましい比率に関して上
で詳細に述べたように、圧搾物自身緻密化に貢献する安
定した雰囲気を与える。これは焼結温度での圧搾物中の
緻密化助剤の量が、緻密化が合理的な時間内に起きなく
なる最低限度を越えているようにすることにより達成さ
れる。安定な環境を与えるように炉雰囲気中へ失われる
緻密化助剤は、圧搾物を緻密化するのに充分な量が圧搾
物中に残留しているような失われ方であるべきである。
これは炉室内に入れた圧搾物の量及び反応領域から活性
緻密化助剤が実際に除去される速度に依存する。
本発明の方法は1500〜2300℃の温度範囲に亙って緻密
化を可能にする。しかし、約1700℃までのその範囲の下
方部分では、実質的に完全な緻密化には圧力の適用又は
その温度での時間の増加、又はその両方を使用すること
を必要とすることである。非加圧焼結が好ましく、この
ような条件では少なくとも好ましい組成物の緻密化は約
1700℃で開始される。その温度で約0.25〜3時間の焼結
時間を可能にする急速な緻密化は、約1900℃で始まる。
焼結温度の好ましい範囲は約1900〜2100℃である。約21
00℃より高い焼結温度は分解によるAl2O3、MgO、及びSi
O2の損失度を増大する傾向があり、Al2O3の損失は雰囲
気中のAl物質により相殺することができない。しかし、
約2100〜2300℃の焼結温度は、その温度で必要な時間を
約1時間未満へ短縮することができる。また、最終生成
物に必要な性質に依存して、Al2O3、MgO及びSiO2が実質
的に完全に失われている方が有利なこともある。
比較的低い温度で一時的液相を形成する際の指摘した
MgOの役割は、中間温度保持により得られることが判明
している利点によって確認されている。上で述べた如
く、液相は約1300〜1400℃で最初に形成され、安定で、
その範囲より高い温度で維持されることが分かる。その
範囲内で、好ましくはその上端で、又はその範囲より僅
かに上で保持すると、緻密化水準を向上させることが見
出されている。そのような中間温度範囲での持続は、形
成された液体を、恐らくその液体に溶解するAl2O3を増
大させて、得られる液体の体積を増大させることにより
平衡状態にさせると思われる。典型的には、20〜180分
以上、例えば、約60分間の保持で、緻密化を向上させる
目的にとって充分である。しかし、圧搾物が約1200〜15
50℃の温度範囲で約30〜120分の時間留まるような比較
的低い速度で焼結温度へ加熱することにより同様な向上
を達成することができる。
緻密化を向上させるのに中間温度持続が有利であるこ
とは、Al2O3の溶解を促進する融剤としてMgOが働くこと
を確認することにもなるであろう。これに関してそのよ
うな持続が、MgOが存在しないでAl2O3が用いられた場合
には向上した緻密化を与えないことが見出されている。
実際、Al2O3単独を使用したのでは、Al2O3とMgOを組合
せて使用した場合よりも、その組合せでそのような中間
温度持続を用いなくても、少なくとも与えられた時間で
与えられた焼結温度で達成される緻密化度は低いことが
判明している。上で考察したAl2O3・SiO2二成分系状態
図によって示唆されているように、Al2O3単独による緻
密化では、少なくとも比較的高い焼結温度に達するま
で、液相焼結による緻密化に必要な液体としては不充分
なものしか得られない。更に、これらの比較的高い温度
では、SiO2が分解する傾向が増大し、そのため形成する
ことができる液相の可能な体積が限定される。また、恐
らく液体形成と競合するAl2O3の分解により、そのよう
な高い温度で一層長い焼結時間が必要になる。
炉中の床又は被覆によろうと、或は炉雰囲気中へ外部
供給源から与えられたものであろうと、Al物質、Mg物
質、又はそれらの両方は、Al2O3、MgO、又はそれらの両
方を加熱することによって発生させたものであるのが最
も好ましい。しかし、これら又は他の源を用いて、それ
らの物質の源はグリット又は粉末の如き粒状であるのが
好ましい。最も好ましくは粒状源には粒状SiCが含まれ
る。なぜなら、この分解及び炉に送られた雰囲気中での
Si物質の発生又は炉中で発生したものは、圧搾物中のSi
Cの分解を最小にするのに役立つことが判明しているか
らである。また、粒状源中の粒状Cも有利であることが
見出されており、Cは二つの利点を有する。第一に、C
は、単体Siが形成される傾向を減少することにより、粒
状源が溶融して結合物体中へ入る傾向を最小にする働き
をするからである。第二に、Cは、粒状源の成分の分解
を助け、従って、Al−、Mg−、及びSi−物質の発生を助
けることである。粒状Cを用いる代わりとして、粒状源
を炭素箱又は他の形の容器中で加熱してもよい。しか
し、粒状Cを用いるのが好ましい。
粒状源がMg物質ではなくAl物質を発生させるものであ
る場合、適切な源は10〜85重量%のSiC、1〜90重量%
のC、及び1〜50重量%のAl源(Al2O3として計算し
て)からなる。粒状源がMg物質を発生させるためのもの
である場合、同様な源であるが、Mg源(MgOとして計算
して)がAl源と置き換えられたものを用いることができ
る。Al物質とMg物質との両方を発生させたい場合、適当
な粒状源は10〜85重量%のSiC、1〜90重量%のC、及
び1〜30重量%のAl源及びMg源の各々(夫々Al2O3又はM
gOとして計算されるが、必ずしも同じ添加量である必要
はない)からなる。
我々の研究では、圧搾物から及びその中へのAl物質及
びMg物質の拡散は液相を通して行われることが示唆され
ている。これは迅速な拡散路として腹楽。拡散は、同じ
化学組成の対応する結晶形態を通るよりも、液体又は無
定形の相を通った方が大きな速度で行われることは認め
られるであろう。微細構造の研究によると、本発明の方
法中に含まれているAlに富む二次酸化物成分は相互結合
して二相型構造をもたらすことがあることを示してい
る。焼成嵩密度は大きいが、残留Mg量が少ない観察され
た異常な例は、微細構造に関して説明されている。即
ち、MgO及びAl2O3の消失は、それら物質が圧搾物質の表
面へ拡散し、次に揮発して消なわれることにより進行す
る。この機構は緻密な物体中でも働くことができる。唯
一の条件は、緻密化助剤の量が、緻密化をその完了まで
進行させるのに充分なことである。これによって観察さ
れた挙動が説明される。二次酸化物成分が固溶体として
Alに富む組成範囲上に存在することも認められるべきで
あろう。この相のMg対Alの比の融通性は、Mgの損失を伴
うことができることを意味している。この機構は、物体
の緻密化後の二次酸化物成分の量の減少に適用すること
もできるであろう。
圧搾物を構成する粉末は、圧搾物を必要な形に形成す
ることができるように、慣用的手順によって調製するこ
とができる。粉末は湿式又は環式ボールミルの如き方法
により混合することができる。湿式ミル掛けは、イソプ
ロパノールの如き適当な有機流体又は水中で行うことが
できる。従来のように必要な結合剤を含む得られたスラ
リーを、次に必要な場合にはスプレー乾燥によるなどし
て乾燥する。次に粉末混合物を、一軸プレス、アイソス
タティック プレス、一軸プレスとアイソスタティック
プレスとの組合せ、射出成形、又は押出しの如き慣用
的セラミック形成法により必要な形へ形成或は圧搾す
る。それらの方法はもし必要ならば、生のものの機械加
工、スリップ注型、加圧スリップ注型、又はテープ成形
によって補足する。
結合剤を用いた場合、生の状態の圧搾物を焼結炉中又
は別の操作として比較的低い温度へゆっくり加熱するの
が最も好ましい。これは緻密化工程の前に、結合剤を除
去するために燃焼させるのに望ましい。そのような加熱
は300℃〜55℃まで、或は700℃までの温度で、30〜90
分、或はそれ以上の時間、例えば、300分までの時間行
われるのが好ましい。しかし、圧搾物の大きさ及び選択
した結合剤による温度及び時間は変えることができる。
加熱は空気の如き酸素含有雰囲気中、或はアルゴン又は
窒素の如き実質的に酸素を含まない雰囲気中で行うこと
ができ、それについての選択は一つには結合剤の種類に
よる。残渣を残さずに燃焼除去されるか又は分解によっ
て除去される結合剤は、どちらの種類の雰囲気でも使用
することができる。しかし、典型的には、炭素の残渣を
残す結合剤のような或る結合剤は、好ましくはその残渣
も燃焼除去されるように酸素含有雰囲気を使用する必要
がある。
圧搾物がAl源、Mg源又はその両方の有機前駆物質を含
む場合、それは典型的には結合剤燃焼後圧搾物中に残渣
を生ずるであろう。しかし、粉末圧搾物中潤滑剤として
働くようなそのような前駆物質の利点は、そのような残
渣によって相殺されることはないであろう。即ち、残渣
は、少なくとも必要な焼結助剤の一部分を占めることが
できるAl2O3、MgO、又はその両方を含むであろう。ま
た、そのような残渣は、燃焼除去後の圧搾物のヤング率
を増大し、その強度も増大することができ、圧搾物の取
り扱い及び未焼成の機械加工を容易に行えるようにする
ことができる。
本発明を更に実施例により例示するが、それに限定さ
れるものではない。各々の例で、示されている大きさ
は、圧搾物(成形又はプレス後で、適用可能な場合の冷
間アイソスタティック プレスに掛ける前の未焼成の物
体である)に関係しているが、密度の値は焼成物体につ
いてのものである。また、全ての例で有機結合剤は、特
に指示しない限り2重量%の水準で用いられた。更に、
焼結物体の分析では、C、Al、及びMgの決定は夫々Si
C、Al2O3、及びMgOに起因するという仮定に基づいてい
る。合計して100%から僅かに異なる結果になることも
ある。
用いられた原料を表1に示す。
表2ボールミル操作の使用条件 時間 16時間 粉末 300g ボール 1500g 流体 イソプロパノール600ml 結合剤 2重量% 粉砕後、ボールを除去し、次にスラリーをスプレー乾
燥した。得られた粉末混合物を一軸プレスして直径38m
m、高さ33mmの円柱状にし、次に約150MPaの圧力で冷間
アイソスタティック プレスに掛けた。次に試料を空気
中で30℃/時で400℃へ加熱し、そこで60分間保持し、
結合剤を除去した。
黒鉛作用箱中、粉末床によって試料を覆った。粉末床
の組成は76重量%SiCグリット、19重量%Al2O3粉末、及
び5重量%Cであった。次にその作用箱を黒鉛抵抗炉中
でアルゴン雰囲気中で加熱した。用いられた焼成過程を
表3に示す。
表3焼成過程 20℃/分の温度勾配で1400℃へ加熱、 60分間保持、 5℃/分の温度勾配で2030℃へ加熱、 60分間保持 10℃/分で冷却。
得られた結果を表4に示す。そこに与えられた詳細な
点の外に、XRD法による分析は、初期アルミニウム含有
量が増大すると共に、Alに富む二次酸化物成分の量が増
大することを示していたが、α−Al2O3(コランダム)
は検出されなかった。最終物体中のSiC含有量は、全て
のCがSiCによるものであると仮定して、その物体のC
含有量を燃焼分析決定することにより確かめられた。Al
及びMgの分析は、焼成物体に原子吸収法を適用すること
により行われた。元素分析は対応する酸化物の量に換算
された。ビッカース硬度数は5kg力の荷重を用いて決定
された。
モル比2:1の高水準のアルミニウム及びマグネシウム
の添加では、これらの実施例の厚い物体に対しては良好
な性質は得られなかった。実施例2と実施例4とを比較
されたい。更に、それらの性質は、MgOの量が一層多い
そのような比率では改良されなかった。実施例4の物体
は炉から出すと亀裂を生じた。マグネシアの添加量が更
に高いと(実施例6)、その物体は亀裂を生じ、その内
部の硬度数は低かった。マグネシアを多量に添加する
と、優れた性質を得るためにはその実質的な枯渇が必要
であることが推定される。更に、厚い物体の特に内部の
性質が低下しているのは、厚い物体がマグネシアの量を
実質的に枯渇させて物体中に好ましいアルミニウム対マ
グネシウム比を達成することができない結果であると推
定される。それとは対照的に、焼成後亀裂が検出される
ことなく優れた物理的性質を維持する高いアルミニウム
対マグネシウム比を有する物体を生成させることができ
る(実施例2と3を比較されたい)。亀裂は、表面と内
部の焼結差、又は出発圧搾物中の好ましくないMg対Al比
によって起こされる焼結過程中の組成変化の結果とし
て、それら物体の内部と外側層との熱膨張挙動の差によ
って起こされるものと推定される。
実施例7、8、及び8A 実施例7及び8Aについて示したものを除き、実施例1
〜6の手順を用いて直径75mm及び厚さが夫々7mm及び13m
mの円板を作った。結果を表5に示す。
実施例7の場合、SiCと少量のSiだけがXRDにより検出
された。実施例8の場合、少量のα−Al2O3(コランダ
ム)が検出された。
表5は、本発明の焼結SiC生成物の焼成物体で得られ
る高水準の破壊靱性、及びAlに富む二次酸化物成分の量
と共に増大する破壊靱性の一般的傾向を例示している。
それとは対照的に、市販のヘキソロイ(HEXOLOY)(B
又はB化合物を用いて緻密化されたSiC)は、実施例7
及び8で用いたビッカース押込法により決定して約3.1M
Pa・m0.5の破壊靱性を有することが見出されており、そ
れはヘキソロイについて刊行されたデーターと一致して
いる。
実施例8Aの焼結物体の微細構造を示す顕微鏡写真を第
1図〜第3図に示す。図中、 第1図は研磨された未食刻断面の2500倍の顕微鏡写真
である。
第2図は研磨及び食刻した断面の2000倍の顕微鏡写真
である。
第3図は第2図と同様であるが5000倍の顕微鏡写真で
ある。
第1図は、本発明で得られる二相微細構造の形態を例
示している。僅かに着色した成分は、焼結SiC全体に亙
って樹枝状構造体を形成する。Mgも含むAlに富む二次酸
化物からなる。二次酸化物成分は、食刻のため第2図及
び第3図では見られないが、焼結SiCの丸い等軸粒子は
容易に見える。また、用いられたSiC粉末の一層細かい
粒径のものに相当する非常に細かな粒子はないことも明
らかであり、それらが焼結中に液相に溶解し、大きな粒
子上及びそれらの間に析出してしまっていることを示し
ている。そのような析出も、SiC粒子の丸い形態及び鋭
い縁がないことから明らかである。
比較例1及び2 これらの比較例では住友からのAl2O3(AKPHP)が唯一
の焼結助剤であった。試料を黒鉛作用箱中の粉末床によ
り覆った。その粉末床は80重量%のSiCグリットと20重
量%のAl2O3粉末との混合物であった。その作用箱をア
ルゴン雰囲気中黒鉛抵抗炉中で加熱した。用いられた焼
成過程を表6に示し、結果を表7に示す。
表6焼成過程 20℃/分の温度勾配で1400℃へ加熱、 5℃/分の温度勾配で2030℃へ加熱、 60分間保持 10℃/分で冷却。
比較例1及び2は、MgOを使用して同じ条件で得るこ
とができるものと比較して、劣った密度を示している。
また、比較例1と例2とを比較すると、断面の厚さ及び
Al2O3の量と共に均一性が低下する傾向を示している。
実施例9〜11 粉末床及び焼成工程に関し異なった条件で、7mm厚の
円板試料を調製した。詳細な点及び結果を表8に列挙す
る。
表8に示されているように、緻密化は床中にCを使用
することにより、又中間温度保持を用いることによって
も促進される。
実施例12及び13 試料中にMgOを入れずに試料を調製し、粉末床にMgOを
添加した。粉末床(組成「A」は、75.5重量%のSiC、1
2重量%のAl2O3、5重量%のC及び0.5重量%のMgOから
なる。条件は比較例1及び2の場合と同じであり、結果
を表9に列挙する。
MgOが物体中に最初に存在していない場合、粉末床にM
gOを使用することは、実施例12及び13による緻密な物体
を製造するのに有用であることが示されている。結果か
ら、粉末床にMgOを使用することは、高密度の均一な物
体を形成するのに緻密化及びそれらの結果に有利な影響
を与えることが分かる。このことは、反応領域中にMgO
が存在していない場合の比較例1及び2と対照的であ
る。更に、MgOが、焼成工程後厚い物体中に効果的に維
持される(実施例12)が、薄い物体では失われる(実施
例13)ことが分かる。この損失は緻密化が開始された後
に起きると思われる。どの場合でも、反応領域にMgOを
使用することにより、焼成嵩密度及び硬度測定によって
証明されるように、それが存在しない場合と比較して、
緻密で均一な厚さの物体を製造することができることが
示されている。
実施例14〜19 更に実施例12及び13の手順により、試料中のAl2O3
量を変え、MgOを入れないか、又は1.4重量%のMgOを用
いて実施例14〜19を製造した。粉末床は、組成「A」
か、又は76重量%のSiC、19重量%のAl2O3、5重量%の
Cからなり、MgOを含まない組成「B」からなってい
た。他の条件は表10に示す通りである。
表10の結果は、反応領域中にMgOが存在すると、良好
な緻密化が可能であることを明確に示している。焼成物
体中のMgOは僅かであってもよいが、(MgOが存在しない
場合の実験を考慮に入れると)最初にその物体によって
取り込まれたMgOは一層高い水準にあったことが示され
ている。例えば、実施例16ではMgOは検出されておら
ず、比較的薄い物体では、その緻密化が開始された後、
全てのMgOが失われたことを示している。特に実施例17
〜19の厚い試料の場合には、Al2O3の量が増大するに従
って、密度が増大することが明らかである。また、ここ
で詳細に示すように、二次酸化物成分の含有量が増大す
ると、例えばその成分が少なくとも15重量%までになる
と破壊靱性も増大する。
実施例20〜23 約130mm2、厚さ19mm、重さ約0.5kgの生の物体を、10.
7重量%、1.4重量%のMgO、2重量%の結合剤(前の例
と同じ)、及びSiCからなる残余を含む粉末混合物から
製造した。粉末混合物は表2に詳細に示すように、ミル
掛けし、次に得られたスラリーをスプレー乾燥した。60
tプレスで、35MPaの一端封鎖一軸圧搾により、生の物体
を製造した。次にそれらを空気流中30℃/時で400℃ま
で加熱し、その温度に4時間保持し、然る後200℃/時
で室温へ冷却した。
夫々の焼成で5個ずつの試料を用い、外部源から炉へ
供給され、炉に通過させたアルゴン又は一酸化炭素の雰
囲気中でそれら未焼成物体を加熱することにより焼結
し、タイルを製造した。夫々の雰囲気で、一方の焼成は
炉中で粉末床を用いて行い、他方はそのような床を用い
なかった。用いた床は実施例1〜6に記載したものと同
じであった。各場合の焼成工程は表11に記載した通りで
ある。
表11焼成過程の要約 10℃/分で300℃へ加熱、 真空(<200μ)まで保持、 Ar又はCOを充填 10℃/分で300℃から1400℃へ加熱、 1400℃で60分間保持 5℃/分で1400℃から1900℃へ加熱、 2.5℃/分で1900℃から2030℃へ加熱、 2030℃で60分間保持 10℃/分で冷却、自然冷却に継続。
焼成するため、未焼成物体の長方形の黒鉛作用箱中に
立てて平行に並べて入れた。タイルとタイルの間は、約
1cmで、タイルと箱の側壁との間隔は1.5cmであった。粉
末床を用いた場合、カーボンブラックの薄い層を箱の底
に与え、その層の上に約2cmの床を形成した。箱の残り
の容積を粉末床で満たし、物体が約2cmの深さまで覆わ
れるようにした。各焼成で約3kgの粉末床を用いた。
実施例20〜23で得られた結果を表12に記載する。
実施例20〜23は、アルゴン又は一酸化炭素の雰囲気を
用い、粉末床(又はそれに匹敵するAl物質又はMg物質の
外部源)を用い、又は用いずに得られた良好な緻密化を
示している。
実施例20〜23の各焼成で選択されたタイルから垂直断
面スライスを取り、そのスライスの上、中間、及び下部
分を分析することにより化学分析を行った。結果を表13
に詳細に示す。
表13の結果は、アルゴン又は一酸化炭素の雰囲気を用
いて得ることができる結果は、全て良好であることを示
している。タイルは、粉末床の使用により、各タイルの
中心からその上及び下の方へAlの量が増大し、程度は少
ないが、Mgの量が増大することを示している(夫々二次
酸化物成分中のAl2O3及びMgOであるとしてとった)。こ
の組成の変化は、タイルの物理的性質に悪影響を与える
ものではないことが見出されている。それは各焼成で有
効炉容積に対するタイルの質量が比較的大きいこと及び
作用箱内に試料が密に閉じ込められていることに起因す
るものであるが、粉末床の量を減少させるか、又はその
組成、焼結助剤の量、又はそれら因子の組合せにより最
小にすることができる。前の例で証明されているよう
に、粉末床は有利であるが、表13は床を使用しなくても
よいことを示している。
実施例24〜27 前の例と同様に、α−SiC粉末及びβ−SiC粉末(ex−
Stark)、又はそれらα−及びβ−SiC粉末混合物を用い
て、直径75mm及び厚さ7mmの円板を更に製造した。それ
らタイルのための生の物体は、10.7重量%のAl2O3、1.4
重量%のMgO、2重量%の結合剤、及び残余のSiCからな
る粉末混合物から調製された。実施例1〜6に記載した
ように、その粉末をミル掛けし、スプレー乾燥し、圧搾
した。但し実施例26の混合物は別々のα−スプレー乾燥
粉末混合物及びβ−スプレー乾燥粉末混合物を混合する
ことにより調製された。得られた生の圧搾物体を次に、
実施例1〜6で特定化したように粉末床及び焼成工程を
用いて焼結した。得られた結果を表14に要約する。
生の密度は、用いたα−SiC粉末の低い充填密度に一
致して、β成分が増大すると共に増大した。50:50α−
及びβ−SiCを使用することにより、優れた焼成嵩密度
が得られた。β−SiC単独及びスプレー乾燥したα−SiC
及びβ−SiCの25:75機械的混合物を使用すると、比較的
低い焼成密度を生じた。しかし、β−SiCの使用は完璧
にされておらず、それらの低い密度はβ−SiCの固有の
性質ではなく、このことに起因するものである。円板の
化学的分析に基づいて、α−SiCを用いることとβ−SiC
を用いることとの間には重要な差は認められないが、2
5:75α−及びβ−SiC及びβ−SiC単独を用いた場合の低
い密度は、円板の最終組成の差に起因するものではな
い。
実施例28〜32 10.7重量%のAl2O3、1.4の重量%のMgO、2重量%の
結合剤、及び残余のSiCからなる粉末混合物から、直径
約75mm及び厚さ約7mmの円板を製造した。粉末混合物は
ミル掛けし、乾燥し、圧搾し、得られた未焼成圧搾物を
次に実施例1〜6で特定化したように焼結した。但し、
ここに詳細に述べる点は異なる。ある例では、ミル掛け
はイソプロパノールではなく、水で行われた。また、水
を用いたミル掛けの一つの例では、ミル掛けしたスラリ
ーをスプレー乾燥ではなく皿容器で乾燥した。ある場合
には乾燥した粉末を篩い分け、然る後圧搾した。粉末調
製条件は表15に詳細に示してあるが、焼結結果は表16に
示してある。
全ての円板の焼成嵩密度は高かった。実施例28〜32に
異なった製造経路に起因する顕著な差はなかった。即
ち、水を使ったミル掛けは、イソプロパノールを使った
場合に本質的に匹敵することが分かった。比較的大きな
重量損失は温度測定問題に起因する。水を用いたミル掛
けでは、一層高い乾燥温度を必要とし、凝集物の形成を
増大する傾向があった。従って、イソプロパノールを用
いたミル掛けでは、篩い分けは不必要であることが判明
したが、水でミル掛けした粉末の乾燥後、篩分けは望ま
しいものとして示されている。
実施例33〜37 これらの別の例では、実施例8のものに匹敵する円板
を、全体的にその例の手順により製造した。実施例33〜
37の各々が実施例8と同じになるか又は異なる程度は、
表17に記載されている。
実施例33〜37によって製造され、得られたタイルの密
度、硬度、及び破壊靱性を表18に要約する。破壊靱性
(KICについて表18に詳細に示した結果は、前に言及し
たニイハラその他による押込法により306.6Nの標準荷重
を用いて決定された。1/a値は特別の亀裂の型に関連さ
せるものではなく、KIC値はパームキスト型(括弧内)
とメジアン(median)型の両方について計算されてい
る。メジアン型は用いられた荷重及び得られた破壊靱性
値について一層真実に近いものである。
SiC純度97%以上のブラックSiCのための焼結助剤とし
てB及びCを用いると、その等級のSiCのAl含有量が高
いと過度の粒子成長を起こすことが見出されている。実
際、これを避けるために、焼結工程を制御することは非
常に困難である。しかし、夫々そのような市販のSiCを
用いた実施例34〜37で製造されたタイルは、5mμより小
さい一軸粒子の微細構造を示すことが見出されている。
また表18に示されているように、その材料を用いて製造
されたタイルは、実施例33のタイルで用いられた純度98
%以上の一層高価な未焼成SiCを用いて得られたのと同
様な焼成嵩密度、硬度、及び大きな破壊靱性特性を有す
ることが見出されている。本発明を特徴付ける全く異な
った焼結機構に起因するこれらの発見は、一層安価で一
層容易に入手できる低純度級のSiCが与えられた場合に
は重要である。
実施例33〜37は、更に本発明で得られる優れた緻密化
度及び硬度水準及び破壊靱性の水準を示している。これ
らの例は、更に水性及び非水性媒体の両方による粉末ミ
ル掛け及び圧搾法に関し、異なった圧搾製造法に本方法
が順応できることを例示している。実施例36及び37は潤
滑剤として有機塩を用いることができることも例示して
おり、Al又はMg脂肪酸塩の場合には、それらは、燃焼
後、緻密化助剤のAl又はMg源の必要な量の少なくとも一
部分を与える第二の役割を果たすことができる。
実施例38〜47 これらの例で、別に示されない限り、圧搾物は、実施
例1〜6に詳細に示したように2重量%の有機結合剤を
用い、結合剤の除去を行なって製造された。従って、一
般に結合剤の除去は圧搾物を空気流中で400℃で60分間
加熱することにより行われた。本例は更にこれと、不活
性雰囲気として選択されたアルゴンのように、空気では
なく、不活性雰囲気を用いた場合との比較も与えてい
る。
夫々の場合で10.7重量%のAl2O3、1.4重量%のMgO、
有機結合剤、及び残余のSiCを用いて直径75mm、厚さ7mm
又は13mmの円板を製造した。実施例38〜42及び47では、
純度98以上の未焼成アチソンSiCを2重量%の結合剤と
共に用いたが、実施例43〜46では、純度97%以上のブラ
ックアチソンSiCを約7.5重量%の有機結合剤及び約1重
量%のステアリン酸マグネシウムと共に用いた。実施例
38〜42及び47の場合、実施例1〜6の場合と同様に粉末
をミル掛けし、スプレー乾燥したが、実施例43〜46の場
合には粉末は凝集した。
実施例39を実施例1及び6の手順に従って空気中で結
合剤除去に掛け、比較のための基準を与えた。他の実施
例38〜47は表19に詳細に示したように、アルゴン中での
結合剤除去に掛けた。
表19アルゴン中での結合剤除去 30℃/時で160℃へ加熱、 160℃で60分間保持、 30℃/時で160℃から250℃へ加熱、 12℃/時で250℃から450℃へ加熱、 30℃/時で450℃から600℃へ加熱、 600℃で3時間保持 200℃/時で冷却、自然冷却に継続 結合剤除去後の実施例38〜47の円板の各々を、表11に
詳細に示したように、アルゴンを供給して加熱工程中で
焼結した。この場合、円板を5つの円板ずつの2つのバ
ッチにし、各バッチについて黒鉛作用箱を用い、実施例
20〜23で詳細に示したように粉末床を用いた。
結合剤を除去する前、結合剤含有量の高い生の物体は
比較的弱く、注意深い取り扱いを必要とした。それらの
強度は結合剤除去後に改良されたが、結合剤除去は全て
の例で満足すべきものであり、この操作で不活性雰囲気
を使用することができることを示していた。しかし、実
施例43〜46では、この操作中結合剤含有量が高いため一
層大きな重量損失が沖田。実施例43〜46の重量損失は約
8.4%であったのに対し、実施例39(空気中での結合剤
除去)では1.8%、アルゴン中で除去された結合剤含有
量の低い例では約2.3%であった。
焼成円板で得られた結果を表20に記載する。
実施例41の円板は作用箱から取り出した時破壊し、こ
の異状性の原因は分かっていない。しかし、それを別に
すれば、全ての結果は満足すべきものであり、同様な密
度が結合剤除去雰囲気及び結合剤含有量の差に拘わらず
得られている。密度は殆どの他の例の場合より平均して
低いが、これは作用箱の大きさ及び円板の形状と一緒に
粉末床の量によるものと推定される。
比較例(文献による) 表21には、鈴木その他(米国特許第4,354,991号)か
ら選択された特別の比較例の詳細な点及び大森その他に
よる上記文献に詳細に示された結果が記載されている。
鈴木その他からの詳細な点は、β−SiCを使用した彼ら
の実施例1〜3及びα−SiCを基にした実施例6からの
ものである。どの場合でも唯一の焼結助剤はAl2O3であ
る。大森その他からの詳細な点は、焼結助剤としてAl2O
3単独か又はY2O3と組合せて使用した場合に関する。
本発明で得られる焼成嵩密度は、表4、5、8、9、
12、14、16、18、及び20に示されている。それらの結果
は、酸化物の添加を増大すると、焼成嵩密度が増大する
ことを示している。このことは予想できなかったことで
あり、反対の傾向が観察されている鈴木その他の発見
(表21)とは明確な対照をなすものである。更に、著し
く高い焼成嵩密度を達成するのに報告されている時間は
遥かに長い(表21参照)。大森その他の研究では、Al2O
3単独の添加は高い焼成密度の物体を得るには、非効果
的である。大森その他による結果と鈴木その他による結
果の差は、鈴木その他の研究では粉末床を用いているこ
とによるものと思われる。更に、ここに記載するMgOの
使用によって、非常に安定な液体を与え、それが活性緻
密化助剤を維持することができ、それが今後は特に高水
準のAl2O3が用いられた場合、生成物の観察された焼成
嵩密度を著しく増大する。
酸化物添加量が低いと実施例1参照、試料の中心部の
気孔率が一層高くなる。このことは、縁に比較して中心
で得られる硬度水準が低いことによって例示されてい
る。気孔率が大きいことは顕微鏡によって確認された。
同様な観察はマグネシウム添加量が大きい場合にも得ら
れている(実施例6参照)。
断面が薄い場合、酸化物添加量の低い試料を緻密化す
ることは可能であった(実施例7参照)。硬度決定か
ら、縁の硬度と中心部の硬度には大きな差がないことか
ら試料は気孔率に関して均一であることを示しているこ
とがわかる。このことは実施例1とは対照的である。
物体のアルミニウム含有量が緻密化中増大することが
あり、これが緻密化を著しく促進することが、観察され
た特徴である。アルミニウムと酸素の両方が粉末床又は
外部源からその物体へ供給されたものと予測される。
両方の酸化物添加物が高い水準で用いられた場合、そ
れら添加物は本質的に維持される。このことは、緻密化
助剤が本質的に失われる大森その他の研究とは対照的な
ものである。このことは、ここに記載した手順の一層大
きな安定性及び緻密化助剤に起因する。
緻密化助剤としてアルミナ単独を用いた場合、アルミ
ナAl2O3とMgOとを組合せて用いた場合より劣った結果に
なる(比較例1及び2参照)。最高温度で60分後に得ら
れた焼成嵩密度は、MgOも用いた場合より著しく低い。
これらの例の硬度値は、夫々実施例7及び2と比較して
著しく低い。このことは、緻密化工程に対するAl2O3
びMgO両方を使用することの深遠な有利な効果を示して
いる。
粉末床にCを添加する効果は実施例9及び10で示され
ている。床にCを添加すると、焼成嵩密度を著しく増大
する結果になる。実施例10及び11を比較すると、温度滞
留時間が短い有利な効果も示されている。改良された密
度は、高温で焼結助剤を維持することを可能にし、それ
によって緻密化を促進するこれらの温度での安定な相の
形成の結果であることが示唆されている。
物体中にMgOが最初に存在しない場合、粉末床にMgOを
使用すると(又は外部で発生させた雰囲気を炉に導入す
ると)、物体を製造するのに有用であることが示されて
いる(実施例12参照)。それらの結果から、粉末床にMg
Oを使用すると緻密化に有利な影響を与え、高い密度の
均一な物体を形成する結果になることが分かる。このこ
とは、焼結炉の反応領域中にMgOが存在しない場合の実
施例2とは対照的である。
緻密化物体は、試料対炉反応領域比、炉の型、雰囲気
及び加熱速度についてある条件が満足されれば、粉末
床、被覆、又は外部雰囲気供給源を用いずに製造するこ
とに成功することができる。このことは、一層簡単な方
法の付加的利点であり、物体の製造に対し改良された表
面仕上げを与える。この方法は、最終生成物に関し、粉
末床の場合とは本質的に変わらない。
前述したことから明らかなように、本発明は緻密なSi
C生成物を与え、その製造方法で、B、B化合物、+C
を使用する必要のない方法を与える。本発明は、そのよ
うな従来法の提案に伴われる制御できない粒子成長、又
は生成物中に残留Cがあることから起きる物理的性質の
劣化の問題を特徴とするものではない。実際、大きな粒
子成長は本発明の方法の特徴ではない。本発明の方法中
SiC粒子上で溶解析出が起きる充分な証拠があるが、本
発明の方法で得られる一時的液相中へのSiCの溶解度は
低く、界面エネルギーの釣り合いが適切であることは明
らかである。本発明の方法では、圧搾物の非常に細かい
SiC粒子はその液相に溶解し、然る後溶解したSiCが大き
なSiC粒子上に析出し、典型的には平均して粒径が5μ
mより小さい細かい均一な等軸SiC粒子を有する緻密化
生成物を与える。
本発明はSiCの液相非加圧焼結を可能にする。従っ
て、それは緻密化物体を得るための温度及び圧力を使用
することに伴う本来の技術的及び経済的欠点を解決す
る。液相焼結は、遥かに大きな距離に亙って物質の遥か
に大きな移動を促進する。本発明は、粉末混合工程で添
加物の均一な分散を行わせる問題を解決し、欠陥、特に
出発粉末に特徴的な粒径よりも大きなものを除くのに役
立つことができる。
また、SiCの表面層としてSiO2が存在することは、本
発明では問題を与えない。即ち、反応によりSiO2を除去
するためCを添加したり、又はHFで洗浄するようなSiC
を前処理する必要はない。これに関して、SiCはSiO2
対して熱力学的に不安定であることに注意することは重
要である。即ち、空気に曝すと(特に水分の存在下で)
SiCはSiO2へ酸化される。酸化の機構は、保護性酸化物
層が形成される点で、受動的なものである。この結果と
して、粉末の如き高度に粉砕された形のSiCは、表面に
認め得る程の量の酸素を含むことがある。酸素の量は、
10m2/gの比表面積をもつ粉末で0.6重量%になるのが典
型的である。一層小さな粒径を有する粉末は一層大きな
酸素含有量を有し、極めて細かな粉末を使用する実際的
限界はSiO2汚染に依存する。従来の非加圧焼結経路で
は、許容できるSiO2の量に限界がある。一般にこれらの
材料中にCを使用することは、炭化珪素粉末から表面シ
リカを除去するために必要であると考えられている。コ
ポラその他による米国特許第4,123,286号明細書によれ
ば、最大SiO2含有量は2.0重量%(酸素1.1重量%に相当
する)であり、好ましい最大のSiO2量は0.5重量%(0.3
重量%の酸素に相当する)である。この量は市販のSiC
粉末に見られる典型的な量よりも少ない。酸化物層は除
去するか又は量を減少させることができるが、これは別
の処理工程を導入し、緻密な製造物体を製造する工程中
或は雰囲気に曝すことにより、酸素に関して再び汚染さ
せることになる。
更に、非加圧焼結法によりSiCを緻密化するのに酸化
物を使用することは前から記述されてきたが、それらを
使用することには幾つかの欠点が伴われていた。例え
ば、最終製品中Al4O4C及びAl2OCの存在は、それらの意
図的添加又は形成により、或は緻密化中CaO及びAl2O3
加物を使用することにより起きるが、そのようなオキシ
炭化物は特に水及び水分と高度に反応するので、ないほ
うが良い。又、Al2O3(又はAl2O3前駆物質)単独を使用
した場合に比較して、本発明は与えられた炉容積で遥か
に大きな生成速度及び低いエネルギーコストをもって一
層短い反応時間及び一層大きな焼成嵩密度物体を与え
る。更に、緻密化助剤としてAl2O3(又はその前駆物
質)単独を使用した場合、Al2O3の量を増大すると、報
告されている焼成嵩密度では減少する結果を与えるが、
本発明ではそのような減少は観察されていない。このこ
とは、高価なSiC粉末の幾らかを低いコストの酸化物添
加物で置き換え、それによって焼成嵩密度を損なうこと
なく生成物を生成させるコストを減少させると共に、酸
化物二次相を配合することにより破壊靱性を増大するこ
とができることを意味している。
Al2O3単独を使用した場合に好ましいβ−SiC粉末を使用
することは、本発明では回避されている。また本発明
は、最も高い純度水準のSiCを使用する必要はない。な
ぜなら、純度95%以上の商業的SiCを用いることができ
るからである。
本発明により可能にされるSiCの液相焼結は、他の非
酸化物及び耐火性酸化物成分を配合することができるよ
うなものであると考えられる。例えば、TiC、TiB2、又
はTaCの如き遷移金属の炭化物又は硼化物或はB4Cを、粒
子、小板、又はウィスカーの形で配合することができる
と推定されている。また、二つの極大部分をもつ(bimo
dal)粒径分布から得られるような10μmより大きな粒
子、或は小板又はウィスカーのようなSiCを配合しても
よいと推定されている。同様に、部分的又は完全に安定
化された、又は非安定化ZrO2を配合することができると
推定されている。どの場合でも、本発明による焼結SiC
のマトリックス中にそのような成分を配合することも考
えられている。
最後に、本発明の本質又は範囲から離れることなく前
に記述した部分の構造及び配列に、種々の変更、修正及
び(又は)追加を加えることができることは分かるであ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディエトリッチ,レイナー オーストラリア国 3193 ビクトリア, ビューマリス,ハルデーン ストリート 76 (72)発明者 ドレナン ジョン オーストラリア国 3150 ビクトリア ウイラーズ ヒル,カムブリアン クレ セント 3 (72)発明者 ヘイ,デビッド,ギルバート オーストラリア国 3088,ビクトリア, グリーンスボロウ,デブロナイ クレセ ント 3 (72)発明者 オウ,チュル,ヒー オーストラリア国 3180 ビクトリア, ノックスフィールド,リンドフィールド コート 9 (56)参考文献 特開 昭63−8261(JP,A) 特開 昭57−22171(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素の非加圧液相焼結を行う方法にお
    いて、 結合剤を考慮せずに、炭化珪素少なくとも75重量%と、
    アルミナ、アルミナ前駆物質及びそれらの混合物から選
    択されたアルミニウム源からなる粉末1〜25重量%(Al
    2O3として計算して)とを含有する粉末混合物からな
    る、成形し固化した粉末物体を形成し、但し、前記混合
    物の炭化珪素の粉末は二酸化珪素の表面層を有し、次い
    で 前記粉末物体を1500℃〜2300℃の焼結温度まで、その焼
    結温度では非酸化性である雰囲気で、加熱することによ
    って、前記粉末物体に非加圧液相焼結を行い、前記加熱
    工程で液相を形成し、液相焼結済み物体を得る、諸工程
    から成り、しかも、前記加熱工程で、前記粉末物体を、
    前記アルミニウム源とは異なり、かつマグネシア、マグ
    ネシア前駆物質、マグネシウム蒸気及びそれらの組合わ
    せの少なくとも一つから成るマグネシウム源の存在下で
    加熱し、そうすることによって、前記液相は、二酸化珪
    素、マグネシア及びアルミナを含有する一時的な3成分
    組成物を達成して二次酸化物成分を生じ、前記液相は、
    前記焼結済み物体が、実質的にオキシ炭化物を有さず、
    かつ、付随的不純物は別として、いかなる希土類元素も
    含まないものであり、しかも、前記焼結済み物体は、2.
    95g/ccを越える焼成かさ密度を有し、しかも、前記焼結
    済み物体中の前記炭化珪素は、丸みのある同軸炭化珪素
    粒子から成る、上記方法。
  2. 【請求項2】炭化珪素粉末が、10μmより大きな粒子を
    含まず、10μmより小さい平均粒径を有する請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】炭化珪素粉末が、α−相炭化珪素、β−相
    炭化珪素、無定形炭化珪素、及びそれらの混合物の少な
    くとも一つから成る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】アルミニウム源が、アルミニウム酸化物、
    水酸化アルミニウム、一水和アルミニウム、硝酸アルミ
    ニウム、珪酸アルミニウム、アルミニウム酸化物のため
    の前駆物質になるアルミニウムの有機金属塩、及びそれ
    らの混合物から選択される請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】マグネシウム源が、酸化マグネシウム、水
    酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
    ム、酸化マグネシウムの前駆物質になるマグネシウムの
    有機金属塩、及びそれらの混合物から選択される、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】形成されたままの物体が、必要な量のマグ
    ネシウム源の少なくとも一部分を含有する請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】マグネシウム源がマグネシウムの有機金属
    塩から成る請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】物体は、1:2〜1:100の範囲のMg対Al源(Al
    2O3として)の比を与えるための、アルミニウム源及び
    マグネシウム源の合計25重量%以下(それぞれ、Al2O3
    及びMgOとして計算して)と、結合剤は別として実質的
    に炭化珪素から成る残部とを含有する、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】物体は、アルミニウム源(Al2O3として計
    算して)2.5〜20重量%を含む請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】物体は、マグネシウム源(MgOとして計
    算して)0.3〜4重量%を含み、前記マグネシウム源
    は、マグネシア、マグネシア前駆物質、及びそれらの混
    合物から選択される請求項1〜9のいずれか1項に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】加熱工程中、アルミニウム含有蒸気物質
    及びマグネシウム蒸気の少なくとも一方を含む雰囲気の
    存在下、かつ、二次酸化物成分からのアルミナ及びマグ
    ネシアの放出が蒸気圧によって抑制される結果、二次酸
    化物成分がアルミナ、マグネシア各々の所要含有量を有
    するような蒸気圧下で、物体を加熱する請求項1〜10の
    いずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】アルミニウム蒸気物質及びマグネシウム
    蒸気の少なくとも一方を、加熱工程中の加熱の間、アル
    ミニウム源及びマグネシウム源の部分的な損失並びに分
    解によりそれぞれ発生させ、しかも、物体の質量対加熱
    工程を行う炉の有効容積の比が、前記分解によって前記
    蒸気圧が生じるような比であり、かつ、前記損失の程度
    を前記比によって限定し、液相の形成を損なわず、液相
    焼結生成物を得るようにする比である請求項11に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】焼結温度まで加熱する間、物体を1200℃
    〜1550℃の温度範囲に30〜120分間維持し、それによっ
    て液相の形成を促進させる請求項1〜12のいずれか1項
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】加熱工程は、焼結温度で、かつ、その温
    度でマグネシウムを二次酸化物成分から放出し得る時間
    の間行う、但し、そうすることによって、前記酸化物成
    分中のマグネシウムは枯渇し、焼結物体はマグネシウム
    を実質的に含有しない、請求項1〜13のいずれか1項に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】焼結済みセラミック物品において、非加
    圧液相焼結によって製造される物体から成り、炭化珪素
    少なくとも65重量%と、アルミニウム酸化物含有の二次
    酸化物成分5重量%〜30重量%と、単体珪素2重量%以
    下と、ガラス相2重量%以下とを含有し、しかも、前記
    物品の炭化珪素は丸みのある同軸炭化珪素粒子から実質
    的に成り、前記焼結済み物体はオキシ炭化物を実質的に
    有さず、かつ、付随的不純物は別としていかなる希土類
    元素をも有さず、かつ、2.95g/ccを越える焼成済みかさ
    密度を有する、上記セラミック物品。
  16. 【請求項16】酸化物成分が酸化アルミニウムから実質
    的になる請求項15に記載の物品。
  17. 【請求項17】酸化物成分が、1:3以下のマグネシウム
    対アルミニウム比でマグネシウムを含む酸化アルミニウ
    ムから成る請求項15に記載の物品。
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