JP2748572B2 - 内燃機関のピストン成型方法 - Google Patents

内燃機関のピストン成型方法

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JP2748572B2 JP1175723A JP17572389A JP2748572B2 JP 2748572 B2 JP2748572 B2 JP 2748572B2 JP 1175723 A JP1175723 A JP 1175723A JP 17572389 A JP17572389 A JP 17572389A JP 2748572 B2 JP2748572 B2 JP 2748572B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関に用いられるピストンの成型方法に
係り、特に、所定径のピストンピン挿入孔を確実且つ容
易に再溶融組織により形成することができるピストン成
型方法に関するものである。
[従来の技術] 一般に、内燃機関に用いられるピストンにおいては、
中央部が連接棒に連結されるピストンピンの両端部が、
それぞれボス部に形成されたピストンピン挿入孔に支持
されて、燃焼室内で逃す爆発圧力を連接棒に伝達し得る
ようになっている。
そのため、上述のような爆発などの際には、上記ピス
トンピンが各ボス部及び連接棒間で曲げ応力を受けるこ
とになり、上記ボス部のヘッド側内面がピストンピンか
ら大きな反力を受け、そのボス部内面が損傷するおそれ
がある。
従って、近年、ピストンにおいては、その製造に際し
て上記ボス部のヘッド側内面に再溶融処理が施されて、
上記ボス部内面の機械的性質が改質されている。すなわ
ち、従来、ピストンは第5図及び第6図に示すように、
粗形材状にピストン本体1が成形された後(第5図及び
第6図(a))、そのピストン本体1のピストンピン挿
入孔2,2を区画形成するボス部3,3のヘッド側内面(第5
図のA領域)に、直接、電子ビームやレーザビームなど
の高エネルギービームが照射されて再溶融組織4が形成
され(第6図(b))、次いで、ピストン本体1に熱処
理及び機械加工が施されて(第6図(c))、所定の寸
法・形状に成形されていた。
[発明が解決しようとする課題] ところで、従来よりピストンの成型方法にあっては、
上記機械加工によって所定径のピストンピン挿入孔2を
得るためにピストン本体1のボス部3内面には所定の仕
上げ代(第6図寸法B)が付設されている。しかしなが
ら、従来の成型方法にあっては、その仕上げ代が小さい
ため、上記ボス部3内面に直接高エネルギービームを照
射すると、第6図(b)、(c)に示すように、特にエ
ネルギーが集中しやすいボス部3内端部が上記仕上代以
上に垂れ込むことになり、その後機械加工を施しても、
このボス部3内端部の再溶融組織4が不足してしまい、
所定径のピストン挿入孔2を形成することができなくな
る問題を生じていた。
殊に、この再溶融組織4は所定深さが必要とされるた
め、上記垂れ込みを生じないように高エネルギービーム
をボス部3内面に照射することは極めて困難となってお
り、問題はより深刻となっていた。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、再溶融処理時にボス部端部に垂
れ込みが生じても、再溶融組織により確実且つ容易に所
定径のピストンピン挿入孔を形成することができる新規
なピストン成型方法を提供することになる。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、第1の発明は、
ピストン本体を成型した後、このピストン本体のピスト
ンピン挿入孔を区画形成するボス部内に、略筒状の金属
ブッシュをそのボス部端面より突出させて圧入した後、
そのボス部内を上記金属ブッシュと共に再溶融処理して
再溶融組織を形成し、その後、余分な金属ブッシュ及び
再溶融組織を除去すべくこのボス部内を面一に加工する
ようにしたものである。
また、第二の発明は、ピストンピンを成型した後、こ
のピストン本体のピストンピン挿入孔を区画形成するボ
ス部内に、一端部に鍔部を備えた略円筒状の鍔付金属ブ
ッシュをその鍔部がボス部端面に当接するように突出さ
せて圧入した後、そのボス部内を上記鍔付金属ブッシュ
と共に再溶融処理して再溶融組織を形成し、その後、余
分な鍔付金属ブッシュ及び再溶融組織を除去すべくこの
ボス部内を面一に加工するようにしたものである。
[作用] 第一の発明によれば、金属ブッシュと共にボス部を再
溶融処理すると、金属ブッシュ及びボス部内面が溶融・
凝固されて充分な量の際溶融組織がボス部内面に確保さ
れる。しかも、この金属ブッシュをそのボス部内に圧入
するに際して、そのボス部端面より突出させて配置する
ことにより、再溶融処理に際して突出している分だけボ
ス部端面に多くの金属が補給されるため、ボス部端部の
溶融金属の垂れ込みを減少させることが可能となる。こ
れによって、ボス部内面の仕上代が極めて小さい場合で
も再溶融組織により確実且つ容易に所定径のピストンピ
ン挿入孔を形成することができる。
また、第二の発明によれば、第一の発明の効果に加え
て、鍔部を備えることにより金属ブッシュを圧入した際
に、この鍔部がストッパーの働きをなし、その軸方向位
置決めが容易となる。
[実施例] 以下に本発明の一実施例を添付図面に従って説明す
る。
本実施例にかかるピストンは第2図及び第3図に示す
ように、先ず鋳造によりピストン本体5が成形された
後、そのピストン本体5のボス部6,6内面に再溶融処理
が施される。そして、そのピストン本体5に熱処理を経
て機械的加工が施されて、外周面7,頂面8,ピストンピン
挿入孔9,9及びリング溝10等が所定の形状・寸法に形成
される。
ピストン5は第3図に示すように、その質量により慣
性力を低減すべく、アルミ合金(A1−Si系合金)により
略筒形ピストン形状に一体成形されている。
本発明で特徴とするところは、ピストン本体5の径方
向内方に突設形成され且つピストン挿入孔9,9を区画形
成するボス部6,6内に、それぞれ金属ブッシュ11を配置
し、その金属ブッシュ11と共に各ボス部6内面を再溶融
処理したことにある。
具体的には、第1図(a)に示すように、ボス部6内
面の内側端部に、略筒状の金属ブッシュ11を圧入によ
り、その端面から所定寸法Eだけ突出させて嵌合した
後、この金属ブッシュ11内面側から電子ビームやレーザ
ビームなどの高エネルギービームをヘッド側つまり頂面
8方向に照射して、金属ブッシュ11及びボス部6のヘッ
ド内面を再溶融している。
ここに、金属ブッシュ11は、ボス部6と同材質である
アルミ合金(Al−Si系合金)により形成されている。そ
のため、金属ブッシュ11及びボス部6内面を再溶融する
と、先ず金属ブッシュ11が溶融され、次いでボス部6内
面が溶融されることになる。そして、このようにして再
溶融された溶融金属は、ボス部6内面に保持されつつ、
その熱がまわりの金属により指向性をもって奪われるこ
とによって急冷凝固され、第1図(b)に示すように微
細な組織を有し且つ構造欠陥の少ない再溶融組織12がボ
ス部6内面上に形成されることになる。上記溶融金属は
溶融されたボス部6の体積と溶融された金属ブッシュ11
の体積との和に相当する体積を有しているため、つまり
金属ブッシュ11により、補給された充分な体積を有して
いるため、溶融状態が比較的長時間に亘って維持される
ことにより溶融金属の表面が垂れ込みを生じても、再溶
融組織12の表面が上記垂れ込みによってボス部6内面の
仕上げ位置以下になることはない。
しかも、このボス部6の溶融はその端面付近が最も大
きくなるが、上述したように、この金属ブッシュ11はそ
のボス部6端面から所定寸法Eだけ突出させた状態で溶
融されるため、再溶融処理に際して溶融金属の垂れ込み
量Fを減少させることができる。従って、ボス部6内面
の仕上げ代Bが極めて小さい場合でも、ボス部6の端面
に充分な溶融金属が補給されるため、垂れ込みによる不
都合をより効果的に防止することができる。
そして、最後に、機械加工によって余分な金属ブッシ
ュ11を取り除くと共に再溶融組織12を面一にすべくボス
部6内面を仕上げると、第1図(c)に示すように再溶
融組織12が確実にボス部6内面に性されると共に所定径
のピストンピン挿入孔9が形成されることになる。
従って本実施例によれば、微細組織を有し且つ構造欠
陥の少ない再溶融組織12により確実且つ容易に所定径の
ピストンピン挿入孔9を形成できる。そして、この再溶
融組織12はボス部6のヘッド側内面に形成されるため、
強度及び靭性などの機械的物性が改善された再溶融組織
12を介して燃焼室内のガス爆発圧力などがピストンピン
に伝達され得ることになり、ボス部6を強いてはピスト
ン本体5の耐久性が向上して高速及び高出力化を図るこ
とができる。
また、上記再溶融処理は、従来と同等の形状に鋳造形
成されたピストン本体5を利用して行うことができるた
め、容易に既存のピストン成型方法に適用できる。
なお、上記実施例においては、金属ブッシュ11をボス
部6と同等の材質でアルミ合金により形成したが、この
金属ブッシュ11はボス部6とは異質の材質により形成さ
れるものであってもよい。要は、再溶融処理の際にボス
6内面と共に溶融・凝固され且つ組織の機械的性質が改
善されるものであればよい。そして、この条件が確保さ
れれば、ピストン本体5は鋳鉄などの鉄系材質により形
成したものであってもよい。
また、上記実施例においては、略筒状の金属ブッシュ
11をボス部6内面に圧入して配置したが、ボス部6のヘ
ッド側内面に接して配置できるものであれば金属ブッシ
ュ11の形状や配置方法は種々変更できる。
さらに、上記実施例においては、ボス部6内面の内方
端部にのみ再溶融処理を施したが、長寸の金属ブッシュ
11を利用してボス部6のヘッド側内面全体に亘って施す
ようにしてもよい。
次に、第4図は第二の発明方法に係る一実施例を示し
たものである。
本実施例は、第4図(a)に示すように、上述した単
なる筒状をした金属ブッシュ11に代わり、一端部に鍔部
13を備えた鍔付金属ブッシュ14を用い、この鍔付金属ブ
ッシュ14の鍔部13をボス部6内方端面に当接するように
ボス部6内面に圧入した後、上記と同様な再溶融処理を
施したものである。
従って、本実施例によれば、溶融量の多いボス部6端
部に鍔部13が位置し、このボス部6端部は、より多くの
金属が配置されることとなるため、第4図(b)に示す
ように再溶融時に溶融金属の垂れ込みが機械加工前のボ
ス部6の内面位置まで達することがなくなる。そして、
上述したような機械加工後には確実にボス部6内面端部
に至るまで、所定径のピストンピン挿入孔9を形成でき
且つその表面には再溶融組織12を形成することができる
(第4図(c))。さらに、このような鍔部13を備える
ことにより、ボス部6内に圧入した際にこの鍔部13がス
トッパーの働きをなすため、軸方向位置決めを確実,且
つ容易に行うことができる。
[発明の効果] 従って、本発明によれば以下に示す如く優れた効果を
発揮することができる。
(1)再溶融処理に際してボス部内面、特に溶融量が大
きいボス部端部に、上記のように圧入される金属ブッシ
ュによって多くの溶融金属が補給されるため、再溶融処
理に際してこのボス部端部が上記仕上げ代以上に垂れ込
むことがなくなり、確実且つ容易に再溶融組織により所
定径のピストンピン挿入孔を形成することができる。
(2)もって、ボス部内面に加わる力を確実に再溶融組
織を介して受けることができ、大きな耐久性を有するピ
ストンを成形でき、高速及び高出力化を図ることができ
る。
(3)また、鍔付金属ブッシュを用いることにより、上
記効果に加えてこの鍔部がボス部への圧入の際にストッ
パーの働きをなるため、軸方向位置決めを確実且つ容易
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第一の発明方法の一実施例を示すボス部の拡大
断面図であり、(a)は金属ブッシュを所定量だけ突出
させて嵌合した状態、(b)は再溶融処理後の状態、
(c)は機械加工後の状態、第2図は本発明方法の概略
成型方法を示す工程図、第3図はピストン本体に金属ブ
ッシュを嵌合した状態を示す正面断面図、第4図は第二
の発明方法の一実施例を示すボス部の拡大断面図、第5
図は再溶融処理が施される領域を示す従来のピストン本
体の正面断面図、第6図は従来例が適用されたボス部の
拡大断面図である。 図中、5はピストン本体,6はボス部,9はピストンピン挿
入孔,11は金属ブッシュ,12は再溶融組織,14は鍔付金属
ブッシュである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 26/00 C23C 26/00 E

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン本体を成型した後、このピストン
    本体のピストンピン挿入孔を区画形成するボス部内に、
    略筒状の金属ブッシュをそのボス部端面より突出させて
    圧入した後、そのボス部内を上記金属ブッシュと共に再
    溶融処理して再溶融組織を形成し、その後、余分な金属
    ブッシュ及び再溶融組織を除去すべくこのボス部内を面
    一に加工するようにしたことを特徴とする内燃機関のピ
    ストン成型方法。
  2. 【請求項2】ピストンピンを成型した後、このピストン
    本体のピストンピン挿入孔を区画形成するボス部内に、
    一端部に鍔部を備えた略円筒状の鍔付金属ブッシュをそ
    の鍔部がボス部端面に当接するように突出させて圧入し
    た後、そのボス部内を上記鍔付金属ブッシュと共に再溶
    融処理して再溶融組織を形成し、その後、余分な鍔付金
    属ブッシュ及び再溶融組織を除去すべくこのボス部内を
    面一に加工するようにしたことを特徴とする内燃機関の
    ピストン成型方法。
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