JP2748178B2 - 静電荷像現像用負帯電性磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用負帯電性磁性トナー

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JP2748178B2
JP2748178B2 JP2155113A JP15511390A JP2748178B2 JP 2748178 B2 JP2748178 B2 JP 2748178B2 JP 2155113 A JP2155113 A JP 2155113A JP 15511390 A JP15511390 A JP 15511390A JP 2748178 B2 JP2748178 B2 JP 2748178B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷の如き画像形
成法に於ける静電荷像を現像するためのトナーに関す
る。さらに詳しくは、本発明は、直接、または間接電子
写真現像方法に於いて均一に負に帯電し、正静電荷像を
可視化してまたは負静電荷像を反転現像により可視化し
て、高品質な画像を与える負帯電性磁性トナーに関す
る。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号、
特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に
記載されている如く多数の方法が知られているが、一般
には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上
に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて
現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写
した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などによ
り定着し、複写物を得るものであり、そして感光体上に
転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングさ
れ、上述の工程が繰り返される。
近年このような複写装置は、単なる一般にいうオリジ
ナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけ
でなく、ファクシミリやコンピューターの出力としての
プリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという
分野で使われ始め、その利用方法も多岐にわたってい
る。
そのため、より小型、より軽量そしてより高速、より
高信頼性が厳しく追求されてきており、機械は種々な点
でよりシンプルな要素で構成されるようになってきてい
る。その結果、現像器構成を簡素化、小型化することの
できる一成分系現像剤のトナーに要求される性能はより
高度になり、該現像剤のトナーの性能向上が達成できな
ければよりすぐれた機械が成り立たなくなってきてい
る。
特に一成分磁性トナーにおいては、トナー自体が磁力
を有することを利用して、トナー担持体上へのトナーの
送り込みやトナー担持体上での現像部位までのトナーの
搬送に対しても攪拌棒の如き機械的手段や磁性キャリア
の如き物理的手段を排除し、その力をトナー自体の磁力
とトナー担持体上或いは内部に設置した磁石の磁力によ
る引斥力で代用することにより、極限的な装置の簡素化
を行なっている例が多々ある。
しかしながら一成分系現像剤は一般的には摩擦による
帯電の機会も少なく、又、現像剤のトナー粒子中に磁性
粉を含んでいるため電荷の保持性が弱い。
そのために、上記の如き、機械的或いは物理的なトナ
ー搬送手段を排除した系においては、トナーが均一に帯
電しにくい、或いは、トナー担持体上に均一に塗布され
にくいことによる不均一な画像の発生、等の問題点を有
していた。
特に、一般的に知られている円筒形回転型のトナー担
持体を用いる現像装置においては、その回転軸と平行方
向において、トナー搬送力がほとんど発生しないため、
トナーの均一な帯電や、トナー担持体上の均一な塗布が
極めて難しい状況にあり、従来より、トナーに添加する
べき磁性粒子や荷電制御剤等の探索が続けられている
が、充分満足するところまでは至っていない。
特に、連続的に大量に複写物を作製する際に不均一な
複画像ができてしまうことは問題である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記の様な欠点に鑑みなされたものであっ
て、トナーの磁力・静電気力以外の機械的或いは物理的
な搬送手段を排除した現像装置においても均一な現像性
を発揮しうる静電荷像現像用負帯電性磁性トナーの提供
にある。
さらに詳しくは、円筒形回転型のトナー担持体を用
い、トナーの磁力,静電気力以外の機械的或いは物理的
な搬送手段を排除した現像装置を用いて連続的に画像を
形成する場合においても、トナー担持体の回転軸と平行
方向の均一な現像性を発揮しうる静電荷像現像用負帯電
性磁性トナーの提供にある。
さらに、他の目的は、温度、湿度の変動によっても、
上記の如き、均一な現像性を損なわない静電荷像現像用
負帯電性磁性トナーの提供にある。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明は、 A.少なくともカルボキシル基あるいはその酸無水物か
ら成る酸基を含む重合性モノマー単位を、結着樹脂100
重量部中に2〜30重量部有し、かつ酸価が1〜70である
結着樹脂と、親水基を有する金属錯塩型モノアゾ染料
と、嵩密度が0.35g/cm3以上である磁性粒子とから形
成された磁性トナー粒子に対して、 B.表面をシリコーンオイルまたはシリコーンワニスで
処理した無機微粉体と、 C.トリメチルシロキシル基を有し、且つpHが7以上の
無機微粉体とを、外添したことを特徴とする静電荷像現
像用負帯電性磁性トナーに関する。
本発明者らは、極限的に簡素化された現像装置におい
て連続した画像形成時にも均一な現像性を発揮するため
には、トナーとしてどのような構成が好ましいかを鋭意
検討した結果、完全な要因解明には至っていないもの
の、次のような推定に達した。即ち、均一現像性を達成
するためには、トナーのすべり性、流動性、高現像力、
摩擦帯電の速さ・容易さといったものが重要な要素とな
りそうなこと、また現像力がある程度あってすべり性、
流動性も良いトナーを得るためには、磁性粒子として嵩
密度の高いものを荷電制御剤として金属錯塩型モノアゾ
染料を、各々用いることが好ましいようであり、さらに
ポリアルキレンを若干加えることがより好ましいこと、
及びそれらを結着する樹脂として、酸基を含むものを用
いることで、接触帯電の速さ・容易さを発揮できそうな
こと、を見い出したのである。
さらに、トナーの外部添加剤として、次のような特性
を損なわず、かつ、温度・湿度の変動に影響されないた
めには表面をシリコーンオイル又はシリコーンワニスで
処理した無機微粉体と、トリメチルシロキシル基を有
し、pHが7以上の無機微粉体とを併用して用いることが
好ましいことも併せて見い出したのである。
<結着樹脂> 本発明に係る酸基を有する結着樹脂としては様々な樹
脂を用いることができるが、THF可溶分のGPCによる分子
量分布が重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧5
であり、分子量2000以上で15000未満の領域にピークを
有し且つ分子量15000〜100000の領域にピーク又は肩を
有している樹脂が好ましい。これはTHF可溶分の分子量1
5,000未満の成分が主にブロッキング性,感光体への融
着性,フィルミング性に影響を与え、さらにTHF可溶分
の分子量15,000以上の成分が主に定着性を左右している
ことに基づくものである。
また、カルボキシル基あるいはその酸無水物基から成
る酸基を含む共重合体はいずれの、あるいは両方の分子
量分布領域に含まれても良い。
本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピーク又は/およ
びショルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF(テ
トラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度
として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を
50〜200μ注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリ
スチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカ
ウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポ
リスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical
Co.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1
×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,
8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも1
0点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお、カラムとしては、103〜4×106の分子量領域を
適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−st
yragel 500,103,104,105の組合せや、昭和電工社製のSh
odex KF−80Mや、KF−802,803,804,805の組合せ、ある
いは東洋曹達製のTSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000
H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHの組合せが好まし
い。
本発明の分子量10,000以下のバインダー樹脂に対する
重量%はGPCによるクロマトグラムの分子量15,000未満
を切りぬき、分子量15,000以上の切りぬきとの重量比を
計算し、前記のTHF不溶分の重量%を使い、全体のバイ
ンダー樹脂に対する重量%を算出する。
本発明に用いることのできる、酸基を含有する重合性
モノマーとしては以下のものが挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸のようなα,β−不飽和カ
ルボン酸類;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン
酸オクチル、フマル酸、フマル酸ブチルのようなα,β
−不飽和ジカルボン酸類、又はそのハーフエステル類;n
−ブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ブ
テニルコハク酸ブチル、n−ブテニルマロン酸、n−ブ
テニルアジピン酸などのようなアルケニルジカルボン酸
類またはそのハーフエステル類等が挙げられる。好まし
くは無水化可能なジカルボン酸類およびその誘導体がよ
い。
この場合、結着樹脂全体量に対し、酸基を含む重合性
モノマー量は、2〜30重量部が好ましく、結着樹脂全体
の酸価としては1〜70、さらに好ましくは5〜50が良
い。
酸基の含有量がそれを下回る場合、本発明に係る磁性
粒子や荷電制御剤の特徴を充分発揮できないことがあ
る。又、酸基の含有量がそれを上回る場合、酸基の荷電
制御性が強く出すぎるため、逆に磁性粒子や荷電制御剤
の特徴を殺してしまうことがある。
本発明に用いた酸価の測定方法を以下に示す。
酸価はJIS K−0670に準じて測定する。
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量
し、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50ml加え
て樹脂を溶解する。溶解性がわるいようであれば少量の
アセトンを加えてもよい。フェノールフタレイン指示薬
を用い、あらかじめ標定されたN/10カ性カリ〜エタノー
ル溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量からつぎの
計算式(3)で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 …(3) (ただしNはN/10 KOHのファクター) 本発明に用いるバインダー樹脂を得る為のコモノマー
としては次のようなものが挙げられる。
例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、
p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレンお
よびその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イ
ソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;ブ
タジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビニ
ル類;酸酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビ
ニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニル
ナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸誘導体;のビニル系モノマーが単独もしくは2つ以
上で用いられる。
これらの中でもスチレン系共重合体、スチレンアクリ
ル系共重合体となるようなモノマーの組合せが好まし
い。
また架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合
可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。
本発明に用いられるビニル系共重合体は、以下に例示
する様な架橋性モノマーで架橋された重合体であること
が好ましい。
芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4
−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以
上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えた
もの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアク
リレート化合物類、例えば、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリ
コール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメ
タクリレートに代えたもの;芳香族基及びエーテル結合
を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチ
レン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレ
ートをメタアクリレートに代えたもの;更には、ポリエ
ステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品名MAND
A(日本化薬)が掲げられる。多官能の架橋剤として
は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチ
ロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラア
クリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の
化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたも
の;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100部に対し
て、0.01〜5部程度(更には0.03〜3部程度)用いるこ
とが好ましい。
これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に、定
着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものと
して、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類が挙げられる。
本発明に用いるバインダー樹脂の合成方法は、基本的
に2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
すなわち、THFに可溶で且つ重合モノマーに可溶な第
1の重合体を重合モノマー中に溶解し、モノマーを重合
して樹脂組成物を得る方法である。この場合、前者と後
者の重合体が均一に混合している組成物が形成される。
THFに可溶な第1の重合体は、溶液重合もしくはイオ
ン重合などが好ましく、THFに不溶な成分を生成するた
めの第2の重合体は、第1の重合体を溶解している条件
下で架橋性モノマー存在下で懸濁重合もしくは塊状重合
で合成することが好ましい。第1の重合体は第2の重合
体を生成するための重合性単量体100重量部に対して10
〜120(好ましくは、20〜100重量部)重量部使用するの
が好ましい。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエ
ン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコー
ル、ベンゼン等が用いられる、スチレンモノマーの場合
はキシレン、トルエンまたはクメンが好ましい。重合生
成するポリマーによって適宜選択される。また開始剤
は、ジ−tertブチルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4ジメチルバレロニトリル)等がモノマー100重量部
に対して0.1重量部以上(好ましくは0.4〜15重量部)の
濃度で用いられる。反応温度としては、使用する溶媒、
開始剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜18
0℃でおこなうのが良い。溶液重合においては溶媒100重
量部に対してモノマー30重量部〜400重量部で行うのが
好ましい。
なお、α,β−不飽和ジカルボン酸類、又はそのハー
フエステル類を用いて溶液重合を行なった場合、反応終
了後昇温して反応溶媒を蒸発させる際ある程度無水化に
よる環化が起こることがわかっており、本発明において
もIRにより確認された。
この酸無水物基を含有する共重合体を第1の重合体と
して用い水溶液中で懸濁重合を行なった場合、酸無水物
基が開環しジカルボン酸となる。
本発明に於いては、上述の如き酸基を含む樹脂のみに
よりバインダー樹脂を構成せしめてもよいが、他の樹脂
との混合体をバインダー樹脂としてもよい。その具体例
としては、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。但し、この場合、本発明の主
旨を全うするためには、酸基を含む樹脂は全結着樹脂中
の50重量%以上含有するのが好ましい。
<磁性粒子> 本発明に用いる樹脂粒子としては、その嵩密度が0.35
g/cm3以上であることが好ましい。
本発明者等は、本発明に係るトナーが上記の如き効果
を発揮する理由として、トナー中の磁性粒子の均一な分
散によるものと考えている。均一分散が実現されていな
いと、トナー1粒子1粒子が不均一な比重分布、電荷分
布をもつことになり、それがすべり性、流動性の悪さ、
ひいては現像性の低下、不均一化を招くことになると推
定される。
磁性体の嵩密度は、磁性粒子の凝集体の存在量、すな
わち分散性を間接的に示していると解することができ
る。磁性体の嵩密度が0.35g/cm3未満の場合には、磁性
体中に凝集体が多数存在していて、現像剤結着樹脂に対
して十分な分散性が得られない。この為、磁性体の偏在
を起こしてしまうと考えられる。磁性体のトナー中での
良好な分散を得る為には、嵩密度が0.35g/cm3以上の磁
性粒子を用いることが必須であり、好ましくは0.5g/cm3
以上を有する磁性体である。
本発明に於いて、磁性体の嵩密度とは、JIS(日本工
業規格)K−5101で測定される値を言う。
本発明に係るトナーに含有される磁性体は、10000 Oe
の磁界下に於いて、100 Oe以下の保磁力(Hc)を有して
いることが好ましく、さらに好ましくは80Oe以下であ
る。磁性粒子に於いてその保磁力は結晶磁気異方性及び
形状異方性が支配的で、その表面形状を間接的に規定し
ていると解することができる。すなわち、磁性体が結晶
性を帯びてくると保磁力は大きくなり、磁性粒子表面に
先鋭なエッジ部を持つようになる。このようなエッジ部
を表面に有する磁性粒子を含有するトナーを本発明に用
いた場合、そのエッジ部に局在的な電荷が集中したり、
トナー自体の形状がいびつになりやすかったりして、ト
ナーのすべり性・流動性等を阻害する恐れがあるため、
磁性体としては、保磁力を小さくし、その表面を実質的
に曲面に近づけることが好ましいのである。但し、保磁
力は、磁性粒子が凝集体を形成している場合にも100 Oe
以下の値を示すことがあるので、この場合でも、嵩密度
は0.35g/cm3以上である必要がある。
さらに本発明に係るトナーに含有される磁性体は、10
000 Oeの磁界下に於いて、10emu/g以下、好ましくは7em
u/g以下の残留磁化(σr)を有する磁性粒子を用いる
ことが好ましい。磁性体の残留磁化が10emu/gより大き
くなると、磁性粒子の磁気凝集が大きくなり、トナー中
で凝集体として存在しやすくなり、この磁性体の偏在が
上述した様にトナーの不均一化を発生させるので好まし
くない。
磁性体の磁気的特性は、例えば東映工業株式会社製の
VSMP−1によって測定された値をいう。
本発明に係る磁性トナーは、摩擦電荷を有するために
実質的に電気絶縁性である。具体的には、3.0Kg/cm2
加圧下において、100Vの電圧を印加したときの抵抗値が
1014Ω・cm以上を有していることが好ましい。本発明に
係る磁性体は、結着樹脂100重量部に対して30〜150重量
部(好ましくは45〜100重量部)含有されている。30重
量部未満では、スリーブの如きトナー担持体上における
磁性トナーの搬送性が不足する。150重量部を越える場
合では、磁性トナーの絶縁性及び熱定着性が低下する。
本発明に用いる磁性体は、硫酸第一鉄を原料とする湿
式法によって生成されることが好ましく、マンガンまた
は亜鉛の如き2価金属化合物を0.1〜10重量%含有して
いるマグネタイトまたはフェライトから形成されている
ことが好ましい。
本発明に係るトナーに含有される磁性体は、必要に応
じて解砕処理を施したものを用いた方が好ましい。磁性
体を解砕処理するために使用される手段として、粉体を
解砕するための高速回転子を具備している機械式粉砕
機、及び粉体を分散または解砕するための加重ローラを
具備している加圧分散機が例示される。
機械式粉砕機を使用して磁性粒子の凝集体を解砕処理
する場合には、回転子による衝撃力が磁性粒子の1次粒
子にも過度に加わりやすく、1次粒子そのものが破壊さ
れて、磁性粒子の微粉体が生成しやすい。そのため、機
械式粉砕機で解砕処理された磁性体をトナーの原料とし
た場合、磁性粒子の微粉体が多量に存在すると、磁性粒
子微粉体が、現像剤表面に露出する割合が多くなり、そ
の為、現像剤自体のもつ研磨効果が高められ、当初求め
ていた特性から外れてきてしまう。
これに対し、フレッドミルの如き加重ローラを具備し
ている加圧分散機が磁性粒子の凝集体の解砕処理の効率
及び微粉状磁性粒子の生成の抑制という点で好ましい。
<モノアゾ染料> 本発明に用いる親水基を有する金属錯塩型モノアゾ染
料としては、ネガトナー用帯電制御剤として知られてい
る金属錯塩型モノアゾ染料を適宜使用することができ
る。
このモノアゾ染料としては、下記の構造式(I)また
は(II)を有する、フェノールないしナフトール誘導体
のカップリング生成物を配位子とする金属錯塩型モノア
ゾ染料が好ましく用いられる。
I,II式において Me:Cr,Ni,Co,Cu,Zn,Fe等の金属 A+:H+,K+,Na+,NH4 +,Li+等の対イオン X,Y,Z:そのうち少なくとも1つは親水基であり、その他
は水素又はC10以下の炭化水素基、を示す。
ここで言う親水基とは、水との相互作用の強い有極性
の原子団をいう。主たる親水基としては、−SO3H,−SO3
M,−COOM,−NR3X,−COOH,−NH2,−CN,−OH,−NHCONH2,
−X,−NO2などがある(ここにR:アルキル基、M:アルカ
リ金属または−NH4,X:ハロゲン)。本発明においては、
親水基として、ハロゲン(−X)、カルボキシル(−CO
OH)、ヒドロキシル(−OH)、ニトロ(−NO2)、スル
ホン(−SO3H)、スルホンアミノ(−SO3NH4)基が好ま
しく用いられる。
このような親水基を有するモノアゾ染料(B)は、配
位子中にベンゼン核ないしナフタレン核を有することが
好ましく、また、0,0′−ジオキシアゾ形の構造を有す
ることが好ましい。
上述した親水基は、構造式中の単環ないし多環炭化水
素基(例えばベンゼン核、ナフタレン核)に直接結合し
ていることが好ましい。
さらに、上記金属錯体化合物のトナーへの添加効果を
充分発揮させるためには、金属錯体中の金属原子は、Cr
であることがトナーの帯電性を高めるために好まし
く、、又、粒度は、樹脂への分散性向上のため小さい方
が好ましく、具体的な数値として体積平均粒径(v)
9.0μm以下、個数平均粒径(n)5.0μm以下が望ま
しい。
この金属錯体化合物として、より具体的には、下記の
構造を有する錯体化合物が特に好ましく用いられる。
上述した金属錯体化合物の添加量は、結着樹脂100重
量部に対して0.5〜10.0重量部が好ましく、1.0〜6.0重
量部がより好ましい。それを下回る添加量では、本発明
の目的であるトナーのすべり性・流動性に欠けるきらい
がある。又、それを上回る添加量だと、金属錯体化合物
同士の接触機会が増加して互いの帯電を妨げるためか、
却ってトナーとしての摩擦帯電力が低下する傾向にあ
る。
<無機微粉体> 本発明のトナーは、シリコンオイル又はシリコンワニ
スで処理された微粉体と、トリメチルシロキシル基を有
し、かつpH7以上である微粉体とを含有するものであ
り、その形態としては、該微粉体がトナー表面に分散さ
れた形態が好ましい。
本発明者らは、前記の酸基を含有する樹脂、嵩密度0.
35g/cm3以上の磁性粒子、親水基を有する金属錯塩型モ
ノアゾ染料等からなるトナーにより達成された連続した
画像形成時の均一現像性を、温度・湿度の変動によって
も損なわず、かつ、一層向上させるべく、外部添加剤に
ついて検討した結果、上記の如き、シリコンオイル又は
シリコンワニスで処理された微粉体とトリメチルシロキ
シル基を有し、かつpH7以上である微粉体とを併用する
ことが最も適していることを見い出したのである。
本発明者らは、その理由としてトナー表面に存在する
微粒子がトナーと周辺装置部材との潤滑剤の役目を果た
すことは知られているが、特に微粒子をシリコンオイル
又はシリコンワニスで処理することにより、微粒子と装
置部材との接触の衝撃も軟らげ、不要な帯電や凝集を起
こさせないためではないかと推定している。さらには、
トリメチルシロキシル基を有し、かつpH7以上である微
粉体が、連続した画像形成時にトナーが現像装置から消
費されていく速度に負けない程度にトナーを現像部位に
送り込むべき、すべり性を付与しているのではないかと
推定している。
本発明に用いられる微粉体の粒径は、0.001〜2μm
の範囲である事が好ましく、特に0.005〜0.2μmが好ま
しい。本発明に用いる微粉体の材質は無機化合物が好ま
しい。例えばケイ酸、アルミナ、酸化チタン等、第3
族,第4族の金属酸化物等が好ましい。
特にケイ酸微粉体が好ましく、ケイ酸微粉体として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式
シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シ
リカの両方が使用可能であるが表面及びケイ酸微粉体の
内部にあるシラノール基が少なく、又Na2O,SO3 2-等の製
造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
また、乾式シリカにおいては製造工程において例え
ば、塩化アルミニウム又は、塩化チタンなど他の金属ハ
ロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる事に
よってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る事も
可能であり、それらも包含する。
本発明に用いられる微粉体のシリコンオイル処理にお
いては、シリコンオイルが微粉体の表面に塗布されるこ
とにより、シラノール基を完全に覆いかくすことがで
き、耐湿性が飛躍的に向上する。
本発明に使用されるシリコンオイル又はシリコンワニ
ス固形分は、一般に次の式で示されるものであり、 R :C1〜C3のアルキル基 R′:アルキル,ハロゲン変性アルキル,フェニル,変
性フェニル等のシリコンオイル変性基 R″ :C1〜C3のアルキル基又はアルコオキシ基 例えば、ジメチルシリコンオイル、アルキル変性シリ
コンオイル、α−メチルスチレン変性シリコンオイル、
クロルフェニルシリコンオイル、フッ素変性シリコンオ
イル等が挙げられる。また、上記シリコンオイルは好ま
しくは25℃における粘度がおよそ50〜1000センチストー
クスのものが用いられる。分子量が低すぎるシリコンオ
イルは加熱処理等により、揮発分が発生することがあ
り、また、分子量が高すぎると粘度が高くなりすぎ処理
操作がしにくくなる。
シリコンオイル処理の方法は公知の技術が用いられ、
例えば微粉体とシリコンオイルとをヘンシェルミキサー
等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベース微粉
体へシリコンオイルを噴霧する方法によっても良い。あ
るいはワニス状にしてベースの微粉体とを混合した後、
溶剤を除去して作成しても良い。
また、本発明に用いられる微粉体を、まずシランカッ
プリング剤で処理し、しかる後にシリコンオイル又はシ
リコンワニスで処理することがより好ましい。
一般にシリコンオイル処理のみでは、微粉体表面を覆
うためのシリコンオイル量が多く、処理中に微粉体の凝
集体ができやすく、トナーに適用した場合トナーの流動
性が悪くなる場合も考えられ、シリコンオイルの処理工
程を充分注意する必要がある。そこで良好な耐湿性を保
持しつつ、微粉体の凝集体を除くためには、微粉体をシ
ランカップリング剤で処理した後、シリコンオイルで処
理する方が、シリコンオイルの処理効果を充分発揮でき
るということである。
本発明に用いられるシランカップリング剤は一般式 RmSiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 n:3〜1の整数 で表わされるもので、例えば代表的にはジメチルジクロ
ルシラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルク
ロルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニル
ジクロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニ
ルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジ
ビニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等を
あげることができる。
上記微粉体のシランカップリング剤処理は、微粉体を
攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカ
ップリング剤を反応させる乾式処理又は、微粉体を溶媒
中に分散させシランカップリング剤を滴下反応させる湿
式法等一般に知られた方法で処理することができる。
シランカップリング剤は、微粉体100重量部に対し、
1〜50重量部、さらに好ましくは5〜40重量部処理する
ことが良い。
本発明におけるシリコンオイル又はシリコンワニス固
形分の処理量は、微粉体100重量部に対し1〜35重量
部、より好ましくは2〜30重量部が良い。上記処理量を
限定した理由は、シリコンオイル処理量が少なすぎる
と、シランカップリング剤処理のみと同一の結果となり
耐湿性が向上せず高湿下では微粉体が吸湿してしまい高
品位のコピー画像が得られなくなる。また、シリコンオ
イル処理量が多すぎると、前述の微粉体の凝集体ができ
やすくなり、また、はなはだしくは遊離のシリコンオイ
ルができてしまうため、トナーに適用した場合、流動性
を向上することができない等の欠点が生じる。
又、本発明に用いられるトリメチルシロキシル基を有
し、かつpHが7以上の無機微粉体についても、トリメチ
ルシロキシル基を前述したように、トリメチルクロルシ
ラン、ヘキサメチルジシラザン等によりシランカップリ
ング処理することで得られる。またpHは7以上好ましく
は7.5以上が良く、例えばタルコ社製のタラノックス500
が好ましく用いられる。ここでのpHの測定は試料4重量
部を水とアセトンの混合溶媒(1:1)96重量部に懸濁
し、pHメーターで測定する。
またトナー中の処理微粉体の含有量は、トナー100重
量部に対し、総量で0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2
重量部が良い。又、シリコンオイル又はシリコンワニス
で処理された微粉体とトリメチルシロキシル基を有し、
かつpHが7以上の微粉体との配合比率は95:9〜30:70,好
ましくは90:10〜40:60が良い。
本発明のトナーには上記のほかに、必要に応じて顔料
又は染料よりなる着色剤、さらには滑剤又は定着助剤と
いった添加剤が分散含有せしめられる。
特に、一般に耐オフセット性向上のために添加されて
いる離型剤等は、適宜選定することにより、現像力の低
下・帯電のしやすさの阻害等を起こすことなく、本発明
のトナーの特徴であるすべり性・流動性等を向上させう
ることがわかった。
即ち、本発明で用いる離型剤としては、低分子量ポリ
アルキレンが適しており、特に分子量分布が複数ピーク
をもつもの、具体的にはゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにおけるクロマトグラムが少なくとも2つ以
上の極大値を有しており、その主たる極大値に対応する
分子量が2,000〜8,000の範囲にあり、かつ主たる極大値
より低分子量側に少なくとも1つの他の極大値を有して
いるのが良い。好ましくは主たる極大値の分子量の1/30
〜1/5さらに好ましくは1/20〜1/10の位置に他の極大値
があるのが良い。
また本発明に用いる低分子量ポリアルキレンはプロピ
レン−エチレン共重合体が好ましくさらに好ましくはエ
チレン単位が低分子量ポリアルキレンの1〜10重量%含
まれていることが好ましい。
上記のような構成をとることでトナー中での分散を向
上せしめ、トナーの均一現像性をより向上させる、或い
は損なわないものと推定される。
本発明のトナーは、通常の方法によって製造すること
ができる。即ち、上述のバインダー樹脂に磁性体微粉
体、帯電制御剤、或いは他の添加剤を混合して例えばヘ
ンシェルミキサーにより分散処理した後、二軸押出機の
様な熱溶融混練装置で熱溶融混練し、冷却後得られる塊
状体を粉砕し、所望粒子径範囲のトナー粒子を風力分級
により取り出して本発明のトナーを得る。
[実施例] 以下に具体的実施例を示す。尚、部数はすべて重量部
を意味する。
合成例1 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。これにスチレンモノマー90部、マレイン酸n−ブチ
ルハーフエステルモノマー10部及びジ−tert−ブチルパ
ーオキサイド8.5部混合した。さらにクメン還流下(146
℃〜156℃)で溶液重合を完了し、昇温してクメンを除
去した。得られたスチレン−アクリル酸共重合体はTHF
に可溶であり、Mw=4,200、Mw/Mn=2.72、GPCのメイン
ピークの位置する分子量は5,000,Tg=54℃であった。
上記共重合体30部を下記単量体混合物に溶解し、混合
溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。水15部
を入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、
反応温度70〜95℃で6時間懸濁重合反応させた。反応終
了後に別し、脱水、乾燥し、共重合体の組成物を得
た。該組成物はスチレン−マレイン酸n−ブチルハーフ
エステル共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル−
マレイン酸n−ブチルハーフエステル共重合体が均一に
混合していた。得られた樹脂組成物のTHF可溶分の分子
量分布を測定したところGPCのチャートにおいて、約0.4
8万,約4.6万の位置にピークを有し、Mn=0.56万、Mw=
12.2万、Mw/Mn=21.8、分子量1万以下が25wt%であっ
た。さらに樹脂のTgは、65℃であり、GPCにより分取さ
れた1万以下の成分のガラス転移点Tg1は56℃であっ
た。またこの共重合体の酸価は25.7であった。
合成例2 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で溶液重合し、反応終了
後昇温して クメンを除去した。得られたスチレン−アクリル酸n−
ブチル共重合体は、Mw=7,300、Mw/Mn=2.26、分子量8,
500の位置にメインピークを有し、Tg=67℃であった。
上記スチレン−マレイン酸n−ブチルハーフエステル
共重合体30部を下記単量体混合物に溶解し、混合物と
し、合成例1と同様にして行ない スチレン−アクリル酸共重合体とスチレン−アクリル酸
n−ブチル−アクリル酸共重合体との均一混合組成物を
得た。
この共重合体の酸価は13.1であった。
合成例3 スチレン−アクリル酸n−ブチル−マレイン酸n−ブ
チルハーフエステル共重合体のスチレンモノマーと、ア
クリル酸n−ブチルモノマーと、マレイン酸n−ブチル
ハーフエステルモノマーとの配合比を、43.5部:15部:1
1.5部とした以外は合成例1と同等に合成を行い、酸価3
5.2の共重合体を得た。
比較合成例1 反応器にクメン200部を入れ還流温度まで昇温した。
これにスチレンモノマー84部、アクリル酸n−ブチルモ
ノマー16部、ジビニルベンゼン0.3部、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド1.0部の混合物をクメン還流下で4時
間かけて滴下し、さらに4時間重合反応を行ないその
後、通常の減圧蒸留により溶媒を除去し共重合物を得
た。得られた共重合体の酸価は0.3であった。
実施例1 上記材料を混合した後、150℃に熱した2本ロールミ
ルで20分間混練した。混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェ
ット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力
分級機を用いて分級し、体積平均粒径12.0μmの黒色の
磁性トナー粒子を得た。
次に比表面積200m2/gのケイ酸微粉体アエロジル#200
(日本アエロジル社製)100部にヘキサメチルジシラザ
ン(HMDS)20部で処理を行った後、ジメチルシリコンオ
イルKF−96 100cs(信越化学製)10部を溶剤で希釈した
もので処理を行い、乾燥後約250℃で加熱処理を行い、
ヘキサメチルジシラザン処理後ジメチルシリコンオイル
で処理されたケイ酸微粉体を得た。又、比表面積300m2/
gのケイ酸微粉体100部をヘキサメチルジシラザン20部で
処理し、pHを測定したところ、pH8.0の処理シリカを得
た。
さらに、前述の黒色の磁性トナー粒子100部に対し、
前者の処理微粉体0.4部、後者の処理微粉体0.2部を外添
して黒色の負帯電性磁性トナー粒子を得た。
上記トナーの評価を行なうため、画像出し用の装置と
して市販の電子写真複写機「FC−5」(キヤノン製)を
改造して用いた。即ち、使用した複写機に於いては、第
1図に示すように、負帯電性の有機感光ドラム4を使用
し、有機感光体の帯電時に於ける表面電位(最高電位)
は−700V、現像空間における感光体と現像スリーブ3と
の間隔(Dsd)は270μm、規制ブレード2の先端と現像
スリーブ3との間隔(Dsb)は240μm、磁石体5は固定
型で現像スリーブ3の表面における磁束密度は800ガウ
スにし、スリーブ3上の現像剤層厚を80μmにし、バイ
アス印加手段6により、交流バイアス1800Vpp、1400Hz
及び直流バイアス−450Vをスリーブに印加し、反転現像
により複写画像を形成できるようにした。
トナーの評価としては、上記改造機に該トナーを投入
した後、連続した実写テストを行ない、得られた画像の
現像スリーブ回転軸と平行方向の画像反射濃度のばらつ
き(不均一性)を「マクベス反射濃度計」(マクベス社
製)を用いて測定した。
上記テストを5,000枚実写まで繰り返したところ、画
像反射濃度のばらつきは、せいぜい0.1程度であり、見
た目にも気にならない程度であった。
又、上記テストを、32.5℃,85%RHの高温高湿下や15
℃,10%RHの低温低湿下で行なっても同様に良好な結果
が得られた。
実施例2 上記材料を用い、実施例1と同様にして体積平均粒径
11.5μmの黒色の磁性トナー粒子を得た。
次にケイ酸微粉体アエロジル#200 100部を、ジメチ
ルシリコンオイルKF−96 20部を溶剤で希釈したもので
処理を行ない、乾燥後約280℃で加熱処理して処理シリ
カを得た。
又、比表面積300m2/gのケイ酸微粉体100部をヘキサメ
チルジシラザン15部で処理し、pH7.5の処理シリカを得
た。
2種の処理シリカを実施例1と同様に黒色の磁性トナ
ー粒子100部に前者:後者=0.3:0.1部で添加して負帯電
性磁性トナー粒子とし、実施例1と同様の画像出しテス
トを行なったところ、2,000枚まで、すべての環境条件
下で画像反射濃度のばらつき0.2以内という良好な結果
が得られた。
実施例3 上記材料を用い、実施例1と同様にして体積平均粒径
12.5μmの黒色の磁性トナー粒子を得た。
比表面積130m2/gのケイ酸微粉体アエロジル#130(日
本アエロジル社)100部をジメチルシリコンオイルKF−9
6 3部で実施例2と同様に処理し、処理シリカを得た。
該処理シリカ0.4部と実施例1で用いたpH8.0の処理シリ
カ0.1部とを同様に黒色の磁性トナー粒子100部に添加し
て負帯電性磁性トナーとした。
該トナーを実施例1と同様に画出しテストを行なった
ところ、3,000枚まですべての環境条件下で画像反射濃
度のばらつき0.15以内という良好な結果が得られた。
比較例1 上記材料を用いて実施例1と同様に体積平均粒子11.8
μmの黒色の磁性トナー粒子を得た。
次に、比表面積200m2/gのケイ酸微粉体100部にトリメ
チルクロルシラン20部で処理を行なったケイ酸微粉体
(pH3.5)を得、前述の黒色の磁性トナー粒子100部に対
し、0.6部外添してトナーを得た。
上記トナーを用い、実施例1と同様の実写テストを行
なったところ、実写開始後数10枚の時点で画像のムラが
ひどくなり、画像反射濃度のばらつきは0.5にも及ん
だ。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の構成に係るトナーを用
いることにより、特にトナー搬送手段を設けていない簡
素な画像装置を用いた連続した画像出しにおいても均一
な現像性を発揮することができ、それにより均一な画像
を得ることが可能となった。又、上記特徴が温湿度の変
動に対しても維持されることが可能となったため、現像
装置の設計が容易化され、一層のコンパクト化の可能性
を示すことができた。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図は実施例に於いて実写テストに用い
た一成分系磁性トナーによる現像装置の概略的な断面図
を示す説明図である。 1……一成分磁性トナー、2……ブレード 3……スリーブ、4……感光ドラム 5……固定磁石、6……バイアス印加手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.少なくともカルボキシル基あるいはそ
    の酸無水物から成る酸基を含む重合性モノマー単位を、
    結着樹脂100重量部中に2〜30重量部有し、かつ酸価が
    1〜70である結着樹脂と、親水基を有する金属錯塩型
    モノアゾ染料と、嵩密度が0.35g/cm3以上である磁性
    粒子とから形成された磁性トナー粒子に対して、 B.表面をシリコーンオイルまたはシリコーンワニスで
    処理した無機微粉体と、 C.トリメチルシロキシル基を有し、且つpHが7以上の
    無機微粉体とを、外添したことを特徴とする静電荷像現
    像用負帯電性磁性トナー。
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