JP2745941B2 - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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JP2745941B2
JP2745941B2 JP4278792A JP4278792A JP2745941B2 JP 2745941 B2 JP2745941 B2 JP 2745941B2 JP 4278792 A JP4278792 A JP 4278792A JP 4278792 A JP4278792 A JP 4278792A JP 2745941 B2 JP2745941 B2 JP 2745941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械などを制御
する数値制御装置に関し、さらに詳しくは、位置決め時
間が短縮できる数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は、従来の数値制御装置の一例の
要部ブロック図である。この数値制御装置101では、
加工プログラム2にプログラムされた位置決め指令が解
析部3で解析され、補間部4で補間データが作成され
る。加減速部5は、その補間データに加減速フィルタを
掛けて加減速データを作成する。例えば、図21に示す
ように、ワークWに対して2つの位置決め指令[位置決
め開始点P1→位置決め終了点P2],[位置決め開始
点P2→位置決め終了点P3]が連続しているときは、
図22に示すような加減速データを作成する。その加減
速データによって駆動部KがモータMを駆動する。図2
1中の線分S1,S2が前記2つの位置決め指令の位置
決め軌跡である。減速チェック部108は、減速チェッ
クやインポジションチェックにより1つの位置決め指令
が終了したことをチェックしてから次の位置決め指令を
起動させるように制御している。
【0003】一方、特開平2−219106号公報に
は、連続する位置決め指令があるとき、前ブロックでの
減速開始時から指定された時間後、または、前ブロック
移動量の残量が指定された量になった時に、次ブロック
の処理を早目に開始する数値制御装置が開示されてい
る。
【0004】他の従来技術としては、特開昭61−14
7307号公報に開示された「干渉回避機能を備えたロ
ボット制御装置」が挙げられる。この「干渉回避機能を
備えたロボット制御装置」では、図23に示すように、
位置決め指令[位置決め開始点P8→位置決め終了点P
9]による位置決め軌跡S7がワークWbなどの通れな
い領域を通ると判別したときに、前記領域から一定量L
だけ外側を通る迂回部分軌跡S8,S9,S10を演算
し、前記位置決め軌跡S7に代えて迂回軌跡{S7a,
S8,S9,S10,S7b}となるように制御するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に位置決め指令に
よる位置決め時間は、図22に示すように位置決め開始
点,位置決め終了点の近傍で多くを費やされてしまう。
上記従来の数値制御装置101では、位置決め指令が連
続していても、1つの位置決め指令が終了したことをチ
ェックしてから次の位置決め指令を起動させるように制
御するため、位置決め時間の短縮が図れない問題点があ
る。一方、特開平2−219106号公報に開示の数値
制御装置では、位置決め指令が連続しているとき、次の
位置決め指令を早目に起動させるため、位置決め時間を
短縮することが出来る。しかし、指定された時間や指定
された残量に相当する一定量だけ次の位置決め指令を早
目に起動させるものであるため、前ブロックと次ブロッ
クの連結角度が大きいときは次の位置決め指令を起動さ
せるタイミングが遅過ぎて十分な短縮効果を得られず、
前ブロックと次ブロックの連結角度が小さいときは次の
位置決め指令を起動させるタイミングが早過ぎて工具が
ワークに干渉しかねない問題点がある。
【0006】また、上記「干渉回避機能を備えたロボッ
ト制御装置」では、位置決め軌跡S7に代えて迂回軌跡
{S7a,S8,S9,S10,S7b}となるように
制御する。ところが、前記迂回軌跡に対応する新たな位
置決め指令では、位置決め指令が数多く連続するため位
置決め時間が長くなる問題点がある。
【0007】そこで、この発明の第1の目的は、連続す
る位置決め指令による位置決め時間を、前ブロックと次
ブロックの連結角度にかかわらず、好適に短縮できる数
値制御装置を提供することにある。また、この発明の第
2の目的は、位置決め軌跡に代えて通れない領域を迂回
すると共に、位置決め時間が少なくて済む迂回軌跡とな
るように制御する数値制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、連続する2つの位置決め指令による位置決め軌跡
が前記連続する2つの位置決め指令の連結部分でワーク
側に近接許容な距離に相当する軌跡許容誤差と連結角度
とに基づいて前記連続する2つの位置決め指令のうちの
後段の位置決め指令の起動タイミングを判断するための
減速チェック量を演算する減速チェック量演算手段と、
その減速チェック量に応じて前記後段の位置決め指令の
起動タイミングを制御する減速チェック手段とを具備し
たことを構成上の特徴とする数値制御装置を提供する。
【0009】第2の観点では、この発明は、 ワークの
領域を示すワーク領域データと位置決め軌跡がワークに
近接できない範囲を示す逃げ量とからなる不可通領域に
基づいて、位置決め指令による位置決め軌跡が前記不可
通領域を通るかを確認して前記位置決め軌跡に代わる迂
回軌跡の要・不要を判定する迂回要・不要判定手段と、
その迂回要・不要判定手段による要の判定により前記不
可通領域を通ることなく且つ前記位置決め指令の位置決
め開始点,終了点を起点,終点とする迂回軌跡を演算す
る迂回軌跡演算手段と、その迂回軌跡に対応する新たな
位置決め指令のプログラムを作成・解析する迂回プログ
ラム作成・解析手段とを具備したことを構成上の特徴と
する数値制御装置を提供する。
【0010】第3の観点では、この発明は、ワークの領
域を示すワーク領域データと位置決め軌跡がワークに近
接できない範囲を示す逃げ量とからなる不可通領域に基
づいて、位置決め指令による位置決め軌跡が前記不可通
領域を通るかを確認して前記位置決め軌跡に代わる迂回
軌跡の要・不要を判定する迂回要・不要判定手段と、そ
の迂回要・不要判定手段による要の判定により前記不可
通領域を通ることなく且つ前記位置決め指令の位置決め
開始点,終了点を起点,終点とする複数の仮想迂回軌跡
を演算する仮想迂回軌跡演算手段と、前記複数の仮想迂
回軌跡のうち最短距離のものを迂回軌跡と決定する迂回
軌跡決定手段と、その迂回軌跡に対応する新たな位置決
め指令のプログラムを作成・解析する迂回プログラム作
成・解析手段とを具備したことを構成上の特徴とする数
値制御装置を提供する。
【0011】
【作用】第1の観点について、この発明の数値制御装置
では、軌跡許容誤差と連結角度とに基づいて減速チェッ
ク量演算手段が、連続する2つの位置決め指令のうちの
後段の位置決め指令の起動タイミングを判断するための
減速チェック量を演算する。減速チェック手段は、その
減速チェック量に応じて前記後段の位置決め指令の起動
タイミングを制御する。すなわち、連続する2つの位置
決め指令のうちの前段の位置決め指令の起動中に、前記
後段の位置決め指令が起動される。そこで、位置決め時
間を短縮することが出来る。ここで、減速チェック量
は、前ブロックと次ブロックの連結角度に基づいて演算
されるので、前ブロックと次ブロックの連結角度にかか
わらず、後段の位置決め指令の起動は適正なタイミング
とすることが出来る。
【0012】第2の観点について、この発明の数値制御
装置では、位置決め軌跡が通れない不可通領域に基づい
て、迂回要・不要判定手段が位置決め指令による位置決
め軌跡に代わる迂回軌跡の要・不要を判定する。迂回軌
跡演算手段は、前記要の判定により前記不可通領域を通
ることなく且つ前記位置決め指令の位置決め開始点,終
了点を起点,終点とする迂回軌跡を演算する。迂回プロ
グラム作成・解析手段は、前記迂回軌跡に対応する新た
な位置決め指令のプログラムを作成・解析する。前記迂
回軌跡は、前記位置決め指令の位置決め開始点,終了点
を起点,終点としているため、前記位置決め軌跡を部分
的に辿ることなく、対応する新たな位置決め指令が少な
くて済む。そこで、位置決め時間は短くなる。
【0013】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいてこの発明を
さらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。図1は、この発明の数値制御装
置の第1実施例の要部ブロック図である。この数値制御
装置1は、加工プログラム2,解析部3,補間部4,加
減速部5,設定部6,減速チェック量演算部7,減速チ
ェック部8から構成されている。
【0014】この数値制御装置1では、加工プログラム
2にプログラムされた位置決め指令が解析部3で解析さ
れ、補間部4で補間データが作成される。加減速部5
は、その補間データに加減速フィルタを掛けて加減速デ
ータを作成する。
【0015】例えば図2に示すように、ワークWに対し
て位置決め指令[位置決め開始点P1→位置決め終了点
P2],[位置決め開始点P2→位置決め終了点P3]
(以下、位置決め指令A,Bと略す。また、位置決め開
始点,終了点を位置決め点と総称する。)が連続してい
るときは、図3の(a)に示すような加減速データを作
成する。ただし、図2において、θは位置決め点P1,
P2を結ぶ線分S1と位置決め点P2,P3を結ぶ線分
S2との挟角であり、前記線分S1,S2は従来の位置
決め軌跡に相当する。点P2,Q間の距離である軌跡許
容誤差L1と点Q,R間の距離である減速チェック量L
2とについては後述する。こうして作成された加減速デ
ータによって駆動部KがモータMを駆動する。
【0016】以下、図3の(a)に示すような加減速デ
ータを作成する際の減速チェック量演算部7,減速チェ
ック部8などの処理について説明する。設定部6には、
オペレータが、位置決め終了点・開始点(=経由点)P
2の近傍で、位置決め軌跡がワークW側に近接許容な距
離に相当する軌跡許容誤差L1を設定しておく。この軌
跡許容誤差L1は、挟角θの中心上で位置決め経由点P
2からの距離で設定される。
【0017】減速チェック量演算部7では、前記軌跡許
容誤差L1を用いて、連続する位置決め指令A,Bの後
段である位置決め指令Bを起動するための判断データと
なる減速チェック量L2を図4の処理フローにしたがっ
て算出する。すなわち、ステップSt1にて解析部3に
より位置決め指令Aのブロックの次ブロックが位置決め
指令であることを確認すると、ステップSt2にて減速
チェック量L2を算出する。この減速チェック量L2
は、端点Qを通り軌跡許容誤差L1に直交する直線と線
分S1との交点Rから位置決め経由点P2までの距離で
あり、前記軌跡許容誤差L1を用いて L2=L1/{cos(θ/2)} として算出する。ただし、上式中の挟角θは、解析部3
の位置決め点P1,P2,P3の座標から算出される。
また、ステップSt1にて、前記次ブロックが位置決め
指令と確認されないときは、そのまま処理を終える。
【0018】減速チェック部8では、前記減速チェック
量L2を用いて、次ブロックである位置決め指令Bの起
動を図5の処理フローにしたがって制御する。ステップ
St3にて、補間部4により位置決め指令Bの補間デー
タが作成されたかを確認し、確認したところでステップ
St4へ進む。
【0019】ステップSt4にて、前記減速チェック量
L2による減速チェックを行う。この減速チェック量L
2による減速チェックは、位置決め指令Aの起動中に、
その位置決め指令Aの補間データの残量を考慮したモー
タMの追従誤差が前記減速チェック量L2以下かをチェ
ックする。すなわち、{時間Uでの位置決め指令Aの補
間データの残量D(=図3の(a)に示す加減速データ
の残量d)}+{時間UでのモータMの追従誤差DM
(図3の(b)参照)}=減速チェック量L2となる時
間Uで前記減速チェック量L2による減速チェックが完
了する。そして、ステップSt5にて、位置決め指令A
の起動中の時間Uで位置決め指令Bを起動させるように
加減速部5への補間データの出力などを制御する。
【0020】こうして、加減速部5では、図3の(a)
に示すような加減速データが作成される。このため、連
続する位置決め指令A,Bによる位置決め時間が前記補
間データの残量D、すなわち、加減速データの残量dの
分だけ短縮できる。また、連続する位置決め指令A,B
による位置決め軌跡Sは、図6に示すように、点Rで従
来の位置決め軌跡S1から離れ、序々に従来の位置決め
軌跡S2側に接近し、途中からその軌跡S2上を辿るよ
うになる。
【0021】次に、図7,図8,図9に基づいて具体的
な数値例を示す。図7は、ワークWaに対して位置決め
指令[位置決め開始点P4→位置決め終了点P5],
[位置決め開始点P5→位置決め終了点P6],[位置
決め開始点P6→位置決め終了点P7](以下、位置決
めしれいF,G,Hと略す。)が連続するときの説明図
である。S3,S4,S5はそれぞれ位置決め指令F,
G,Hについての従来の位置決め軌跡であり、例えばS
3=S4=S5=20mmである。S3,S4の挟角θa
とS4,S5の挟角θbとは、θa=θb=120゜(=
θ)である。また、オペレータにより軌跡許容誤差L1
=5mmと設定されたものとすると、減速チェック量L2
=L1/{cos(θ/2)}=10mmである。
【0022】図8は、連続する位置決め指令F,G,H
についての軌跡進行方向に対する加減速データの例示図
であり、図9は図8の従来相当図である。例えば、時定
数Ts=100msec,早送り速度Rp=10000mm
/minである。また、減速チェック量L2による減速チ
ェックが完了する時間Uでのモータの追従誤差DM=5
mmとする。
【0023】以上より、前記連続する位置決め指令F,
G,Hによる位置決め時間の短縮時間を計算する。ま
ず、連続する位置決め指令F,Gにおける短縮時間T1
を算出する。前記時点Uでの加減速データの速度をRx
とすると、 T1/Ts=Rx/Rp,d=Rx・Ta/2 であるため、これらから前記短縮時間T1は、 T1=√(d×2×Ts/Rp)=77.5msec である。また、連続する位置決め指令G,Hの短縮時間
も前記短縮時間T1と同等であるため、前記連続する位
置決め指令F,G,Hによる位置決め時間の短縮時間
は、T1×2=155msecである。
【0024】なお、従来の位置決め時間は、 (L/Rp+Ts)×3ブロック=660msec であるため、この発明による位置決め時間は、660−
T1=505msec である。また、このときの位置決め
軌跡は、図10のSaの如くである。
【0025】図11は、この発明の数値制御装置の第2
実施例の要部ブロック図である。この数値制御装置21
において、加工プログラム2,解析部3,補間部4,加
減速部5,減速チェック部108は従来装置101と同
様な構成要素であり、同じ参照符号を付している。とこ
ろが、不可通領域設定部26,迂回軌跡演算部27が異
なっている。
【0026】次に、不可通領域設定部26,迂回軌跡演
算部27について説明する。図12は、ワークWbに対
して位置決め指令[位置決め開始点P8→位置決め終了
点P9]がプログラムされているときの説明図である。
S7は前記位置決め指令についての解析部3の解析デー
タに基づく軌跡(以下K、解析軌跡と言う。)である。
Xは基本座標系にてワークWbを跨ぐ基本軸,Yは基本
軸Xに直交する軸,PPは基本座標系の原点である。L
3,L4は、基本軸Xの+方向,−方向での原点PPか
らワークエッジまでの距離であり、L5,L6は、軸Y
の+方向,−方向での原点PPからワークエッジまでの
距離である。L7は、位置決め軌跡が基本軸X方向に平
行なワークエッジに近接できない範囲を示す逃げ量であ
る。
【0027】また、前記点P8,P9の座標を(P8
x,P8y),(P9x,P9y)とし|P8x|>L
6,P9x>L5とすると、L11,L12,L13,
L14,L15は以下の如くである。 L11=|P8x|−L6 L12=P9x−L5 L13=|P8x−P9x| L14=L11/L13×(P9y−P8y) (但し
±の区別あり) L15=L12/L13×(P9y−P8y) (但し
±の区別あり)
【0028】不可通領域設定部26には、オペレータが
ワーク情報などに基づいて、ワークWbの領域を示す前
記L3,L4,L5,L6と前記逃げ量L7とを設定す
る。迂回軌跡演算部27では、解析部3の解析データお
よび不可通領域設定部26に設定されたデータを用い
て、図13の処理フローにしたがって以下のように処理
する。ステップSt21にて、解析軌跡S7がワークW
bの領域と逃げ量L7の領域からなる不可通領域を通る
か否かを確認して迂回軌跡の要・不要を判定する。
【0029】前記不可通領域を通るか否かの確認は、点
P8,P9が不可通領域になく且つ|P8x|>L6,
P9x>L5とすると、下記のような不可通領域の接触
条件 位置決め開始点P8側の不可通領域の接触条件=接触条件A; P8y+L14≧0のとき P8y+L14<L3+L7 …条件e P8y+L14<0のとき|P8y+L14|<L4+L7…条件f 位置決め終了点P9側の不可通領域の接触条件=接触条件B; P9y+L15≧0のとき P9y+L15<L3+L7 …条件g P9y+L15<0のとき|P9y+L15|<L4+L7…条件h に基づいて行う。
【0030】迂回軌跡の要・不要の判定は、図14の如
くであり、判定i,j,kが前記要の判定でる。また、
判定mが前記不要の判定である。判定iの場合は、ステ
ップSt22にて、図15に示すように、基本軸X方向
では逃げ量L7だけ離れてワークエッジと平行に移動
し、軸Y方向ではL11,L12を保持したままでワー
クエッジと平行に移動するような仮想迂回軌跡α,βを
演算する。ただし、 α=逃げ軌跡S11+逃げ量の軌跡S12+戻り軌跡S
13 β=逃げ軌跡S11a+逃げ量の軌跡S12a+戻り軌
跡S13a である。
【0031】そして、ステップSt23にて、前記仮想
迂回軌跡α,βを比較して距離の短い方を迂回軌跡と決
定する。例えば仮想迂回軌跡α<βから迂回軌跡αと決
定する。ステップSt24にて、迂回軌跡αの逃げ軌跡
S11に対応する位置決め指令のプログラムを作成して
解析する。
【0032】ステップSt25にて、迂回軌跡αの逃げ
量の軌跡S12に対応する位置決め指令のプログラムを
作成して解析する。ステップSt26にて、迂回軌跡α
の戻り軌跡S13に対応する位置決め指令のプログラム
を作成して解析したところで処理を終える。
【0033】なお、補間部4には、上記ステップSt2
4,St25,St26にて解析された各位置決め指令
の解析データが順に出力される。図23の一定量L=逃
げ量L7とすると、前記迂回軌跡αは従来の迂回軌跡
{S7a,S8,S9,S10,S7b}より距離が短
く、且つ、位置決め指令の数が少なくなっている。
【0034】判定jの場合は、ステップSt27にて、
基本軸Xに並行する基本軸並行軌跡を想定して位置決め
指令[位置決め開始点P8→位置決め終了点(P9x,
P8y)]に対応するプログラムを作成して解析する。
そして、ステップSt28にて、戻り軌跡を想定して位
置決め指令[位置決め開始点(P9x,P8y)→位置
決め終了点P9]に対応するプログラムを作成して解析
したところで処理を終える。なお、補間部4には、上記
ステップSt27,St28にて解析された各位置決め
指令の解析データが順に出力される。
【0035】判定kの場合は、ステップSt29にて、
逃げ軌跡を想定して位置決め指令[位置決め開始点P8
→位置決め終了点(P8x,P9y)]に対応するプロ
グラムを作成して解析する。そして、ステップSt30
にて、基本軸Xに並行する基本軸並行軌跡を想定して位
置決め指令[位置決め開始点(P8x,P9y)→位置
決め終了点P9]に対応するプログラムを作成して解析
したところで処理を終える。なお、補間部4には、上記
ステップSt29,St30にて解析された各位置決め
指令の解析データが順に出力される。判定mの場合は、
そのまま処理を終える。このとき補間部4には、解析部
3による解析データがそのまま出力されることになる。
【0036】この発明の数値制御装置の第3実施例とし
ては、仮想迂回軌跡,迂回軌跡に係る位置決め経由点を
不可通領域の境界線の端点に一致させるようにしたもの
が挙げられる。前記仮想迂回軌跡α,βに相当するこの
第3実施例の数値制御装置による仮想迂回軌跡γ,δを
図16に示す。ただし、仮想迂回軌跡γ,δ γ=逃げ軌跡SS11+逃げ量の軌跡SS12+戻り軌
跡SS13 δ=逃げ軌跡SS11a+逃げ量の軌跡SS12a+戻
り軌跡SS13a であり、例えば仮想迂回軌跡γ<δから迂回軌跡γと決
定される。
【0037】図17は、この発明の数値制御装置の第4
実施例の要部ブロック図である。この数値制御装置41
は、第2実施例の数値制御装置21に第1実施例の数値
制御装置1の設定部6,減速チェック量演算部7を加え
且つ減速チェック部108に代えて減速チェック部8を
備えた構成になっている。したがって、この数値制御装
置41では、前記第2実施例の数値制御装置21による
迂回軌跡α(図15参照)に相当する迂回軌跡は図18
のα1の如くとなる。ただし、連続する位置決め指令の
連結部分で軌跡許容誤差L1に応じて位置決め軌跡がワ
ーク側に近接することを考慮して逃げ量L7などを調整
することが望ましい。
【0038】この発明の数値制御装置の第5実施例とし
ては、第3実施例の数値制御装置に第1実施例の数値制
御装置1の設定部6,減速チェック量演算部7を加え且
つ減速チェック部108に代えて減速チェック部8を備
えたものが挙げられる。この数値制御装置では、前記第
3実施例の数値制御装置による迂回軌跡γ(図16参
照)に相当する迂回軌跡は図19のγ1の如くとなる。
図中、前記迂回軌跡γ1は不可通領域を通っているが、
前記第5実施例の場合と同様に逃げ量L7などを調整す
ることにより、容易に不可通領域を通らないように出来
る。
【0039】
【発明の効果】第1の観点について、この発明の数値制
御装置によれば、連続する2つの位置決め指令のうちの
前段の位置決め指令の起動中に後段の位置決め指令が起
動されるため、位置決め時間を短縮することが出来る。
そして、減速チェック量は、前ブロックと次ブロックの
連結角度に基づいて演算されるので、前ブロックと次ブ
ロックの連結角度にかかわらず、後段の位置決め指令の
起動は適正なタイミングとなる。この結果、連結角度が
大きいときにタイミングが遅過ぎて十分な短縮効果を得
られなかったり、前ブロックと次ブロックの連結角度が
小さいときに次の位置決め指令を起動させるタイミング
が早過ぎて工具がワークに干渉してしまうようなことを
防止することが出来る。
【0040】第2の観点について、この発明の数値制御
装置によれば、位置決め指令の位置決め開始点,終了点
が迂回軌跡の起点,終点となるように制御されるので、
前記迂回軌跡の距離が短く且つその迂回軌跡に対応する
新たな位置決め指令の数が少なくて済む。このため、位
置決め時間は短くなる。第3の観点について、この発明
の数値制御装置によれば、複数の仮想迂回軌跡のうち距
離の短いものを迂回軌跡と決定するため、位置決め時間
は短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の数値制御装置の第1実施例の要部ブ
ロック図である。
【図2】図1の数値制御装置に係る位置決め指令の説明
図である。
【図3】図1の数値制御装置に係る加減速データとモー
タの追従誤差についての説明図である。
【図4】図1の数値制御装置の減速チェック量演算部に
ついての処理フロー図である。
【図5】図1の数値制御装置の減速チェック部について
の処理フロー図である。
【図6】図1の数値制御装置による位置決め軌跡の例示
図である。
【図7】図1の数値制御装置に係る位置決め指令の例示
図である。
【図8】図1の数値制御装置の加減速データの例示図で
ある。
【図9】図8の加減速データについての従来相当図であ
る。
【図10】図1の数値制御装置による位置決め軌跡の例
示図である。
【図11】この発明の数値制御装置の第2実施例の要部
ブロック図である。
【図12】図11の数値制御装置に係る位置決め指令の
例示図である。
【図13】図11の数値制御装置の迂回軌跡演算部につ
いての処理フロー図である。
【図14】図11の数値制御装置の迂回軌跡演算部に係
る迂回軌跡の要・不要の判定について図表である。
【図15】図11の数値制御装置の仮想迂回軌跡につい
ての説明図である。
【図16】この発明の数値制御装置の第3実施例による
仮想迂回軌跡の説明図である。
【図17】この発明の数値制御装置の第4実施例の要部
ブロック図である。
【図18】図17の数値制御装置による迂回軌跡の例示
図である。
【図19】この発明の数値制御装置の第5実施例による
迂回軌跡の例示図である。
【図20】従来の数値制御装置の一例の要部ブロック図
である。
【図21】図20の数値制御装置による位置決め軌跡に
ついての例示図である。
【図22】図20の数値制御装置の加算減速データにつ
いての例示図である。
【図23】従来の数値制御装置による迂回軌跡について
の例示図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置 2 加工プログラム 3 解析部 4 補間部 5 加減速部 5 加減速部 6 設定部 7 減速チェック量演算部 8 減速チェック部 26 不可通領域設定部 27 迂回軌跡演算部 K 駆動部 L1 軌跡許容誤差 L2 減速チェック量 M モータ W ワーク

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続する2つの位置決め指令による位置決
    め軌跡が前記連続する2つの位置決め指令の連結部分で
    ワーク側に近接許容な距離に相当する軌跡許容誤差と連
    結角度とに基づいて前記連続する2つの位置決め指令の
    うちの後段の位置決め指令の起動タイミングを判断する
    ための減速チェック量を演算する減速チェック量演算手
    段と、その減速チェック量に応じて前記後段の位置決め
    指令の起動タイミングを制御する減速チェック手段とを
    具備したことを特徴とする数値制御装置。
  2. 【請求項2】 ワークの領域を示すワーク領域データと
    位置決め軌跡がワークに近接できない範囲を示す逃げ量
    とからなる不可通領域に基づいて、位置決め指令による
    位置決め軌跡が前記不可通領域を通るかを確認して前記
    位置決め軌跡に代わる迂回軌跡の要・不要を判定する迂
    回要・不要判定手段と、その迂回要・不要判定手段によ
    る要の判定により前記不可通領域を通ることなく且つ前
    記位置決め指令の位置決め開始点,終了点を起点,終点
    とする迂回軌跡を演算する迂回軌跡演算手段と、その迂
    回軌跡に対応する新たな位置決め指令のプログラムを作
    成・解析する迂回プログラム作成・解析手段とを具備し
    たことを特徴とする数値制御装置。
  3. 【請求項3】 ワークの領域を示すワーク領域データと
    位置決め軌跡がワークに近接できない範囲を示す逃げ量
    とからなる不可通領域に基づいて、位置決め指令による
    位置決め軌跡が前記不可通領域を通るかを確認して前記
    位置決め軌跡に代わる迂回軌跡の要・不要を判定する迂
    回要・不要判定手段と、その迂回要・不要判定手段によ
    る要の判定により前記不可通領域を通ることなく且つ前
    記位置決め指令の位置決め開始点,終了点を起点,終点
    とする複数の仮想迂回軌跡を演算する仮想迂回軌跡演算
    手段と、前記複数の仮想迂回軌跡のうち最短距離のもの
    を迂回軌跡と決定する迂回軌跡決定手段と、その迂回軌
    跡に対応する新たな位置決め指令のプログラムを作成・
    解析する迂回プログラム作成・解析手段とを具備したこ
    とを特徴とする数値制御装置。
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