JP2003076411A - 加減速制御装置、加減速制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

加減速制御装置、加減速制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

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JP2003076411A
JP2003076411A JP2001262276A JP2001262276A JP2003076411A JP 2003076411 A JP2003076411 A JP 2003076411A JP 2001262276 A JP2001262276 A JP 2001262276A JP 2001262276 A JP2001262276 A JP 2001262276A JP 2003076411 A JP2003076411 A JP 2003076411A
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deceleration
speed
clamp
distance
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Nobuyuki Takahashi
宣行 高橋
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減速完了位置がクランプ点に一致するように
加減速制御することで加工時間を短縮させるとともに、
クランプ点を挟んだ速度パターンを対称にすることで加
工面の品質を向上させる加減速制御装置、加減速制御方
法およびその方法を実行するためのプログラムを得るこ
と。 【解決手段】 通過速度決定部20では、減速所要距離
Dcを離散的な速度を元に算出する。減速開始判定部5
0では、この減速所要距離Dcおよび目標距離Daを比較
することで、減速開始タイミングを判定する。加速度調
整部60では、クランプ点から減速所要距離Dcだけ手
前の位置の近傍手前側と、クランプ点の近傍手前側とに
おいて、加速度の調整を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具軌跡と指令送
り速度とを用いて機械の性能内で通過可能であるか否か
を判断し、性能内での通過が不可能と判定されたクラン
プ点で性能内で通過できる所定のクランプ速度を求め、
該クランプ速度で通過させるための加減速補間処理を実
行する加減速制御装置、加減速制御方法およびその方法
をコンピュータに実行させるプログラムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】金型のような自由曲面を有する形状を、
数値制御(NC)工作機械で加工する場合、自由曲線を
微少区間に分割して微少線分データとし、これらの線分
データを用いて移動経路を補間し制御する方法が用いら
れている。
【0003】このような手法では、指令データであるN
Cプログラムは、指令送り速度と、微小線分データ(ブ
ロック)の連続で構成される。NC制御装置では、各微
小線分データを解析して、機械の許容加速度内で軌跡に
追従できるかどうかを判断し、必要に応じて指令送り速
度以下に通過速度(送り速度)を制限する処理を行う。
【0004】このように通過速度を制限する方法には、
特開平2−137006号公報あるいは特開平3−84
604号公報に示されるように、点列の連続する3点あ
るいは連続する2ブロックにおける連続する2つの速度
ベクトル差を求め、該求めた速度ベクトル差から加速度
を求め、該加速度を機械の許容加速度と比較して通過速
度を制限する手法、あるいは特開平2−110711号
公報あるいは特開平2−219107号公報に示される
ように、移動軌跡の曲率と機械の許容加速度を用いて通
過速度を制限する手法、さらには連続する2つの速度ベ
クトル差と機械に設定された許容速度差を比較する手法
や、連続する2つの速度ベクトルの成す角度を閾角度と
比較する手法などがある。
【0005】このように、通過速度を制限することを
「クランプする」といい、クランプされる位置をクラン
プ位置(クランプ点)、クランプされた通過速度をクラ
ンプ速度という。
【0006】上記手法などによって通過速度を決定した
後、クランプ位置が現在点から所定距離以上の場合に
は、減速する必要がないので、指令速度f×サンプリン
グ時間Δtで表される移動量(f×Δt)で微小線分ブ
ロックを補間することを続け、クランプ位置を所定距離
以内で検出したら、クランプ位置においてクランプ速度
で通過できるように加減速器によって、前もってクラン
プ点の手前からサンプリング周期毎に許容加速度内で減
速して、加減速処理を施した速度f´×Δtで表される
移動量で微小線分ブロックを補間する。
【0007】一方、上記クランプ制御において、減速開
始を判定するための従来技術としては、サンプリング周
期で速度指令を出力する毎に指令速度と実速度の差を和
した距離を保持し、クランプ点を検出したらその時点で
保持されている距離と目標距離とを比較する方法や、特
開平7−239708号公報に示されるように、時定数
Tが一定の平滑フィルタを用いて、ブロック毎の終点位
置のT時間前から所望の制限速度となるような上限速度
を前記フィルタに与えて加減速処理を行う方法がある。
【0008】上記いずれの従来技術にせよ、減速を開始
すると判断して加減速パターンに従って減速させた場
合、クランプ点Pcより手前で減速完了することしかな
し得ない。すなわち、図9(a)に示すように、クラン
プ点Pcから減速所要距離dlの位置に対して距離r1
の位置に現在点がある場合や、図9(b)に示すよう
に、クランプ点Pcから減速所要距離dlの位置に対し
て距離r2の位置に現在点がある場合もある。
【0009】このことから分かるように、一般には、あ
るクランプ点Pcに対する減速所要距離dlの位置に一
致して現在点が存在するわけではない。とすれば、減速
所要距離dl内に入るか否かの判定は、減速所要距離d
lより所定の距離m分だけ大きめの距離Dに見積もって
行われることになる。つまり、理論値よりも早めに減速
が開始されることになる。上記従来技術に従って加減速
を行うと、減速が図中に示したr分早めに完了し、減速
完了点から距離r分だけクランプ点Pcまで等速移動し
なくてはいけない。しかも距離rが常に異なるため、所
定の送りピッチ(ピックフィード)で隣り合う軌跡間
で、加減速パターンが異なってしまい、軌跡が揃わなく
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るために、例えば特開平6−289922号公報では、
指令速度=(目標距離−減速所要距離)/Δtという関
係を常に保つように速度を調整する方法が示されてい
る。しかしながら、この従来技術では、減速時の加速度
調整が減速中の任意の個所において複数回行われるた
め、クランプ点を挟んだ速度パターンが対称とならな
い。さらに減速距離が連続系で算出されるため、離散系
で算出した距離よりも大きくなる。これは減速開始を早
めることになり、結果として毎加減速時に調整される指
令速度の偏差である加速度が許容加速度からかなり下ま
わってしまう。
【0011】つぎに、特開平7−306708号公報に
は、離散的に距離分配した結果の端数分の距離を等速区
間で吸収する方法が示されている。しかしこの従来技術
では、端数処理を等速区間で吸収するため、減速開始前
の等速区間に遡って速度パターンの計画を行わねばなら
ず、妥当に計画できるまで繰り返し計画処理を行う必要
がある。また、減速開始判定に関しては開示がないた
め、一般に発生する減速開始時の減速所要距離に進入す
る長さに依存した残距離分だけ再分配しなければならな
い距離が増える。また、複数ブロックに跨った加減速を
行わなければならない場合、等速区間が前ブロックに跨
る可能性もあるが、この状況に関する考慮がなされてい
ないため、広範囲で加減速する場合に対応できない。
【0012】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
クランプ位置に向ってクランプ速度に減速していく際
に、減速完了位置がちょうどクランプ点に一致するよう
に加減速制御することで減速時間を短縮して加工時間を
短縮させるとともに、クランプ点を挟んだ速度パターン
を対称にすることで高品質な軌跡を得て加工面の品質を
向上させる加減速制御装置、加減速制御方法およびその
方法を実行するためのプログラムを得ることを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明にかかる加速度制御装置は、工具軌跡の点列の
各点の指令位置データと指令送り速度データとを用いて
機械の性能内で通過可能であるか否かを判断し、性能内
での通過が不可能と判定されたクランプ点で性能内で通
過できる所定のクランプ速度を求め、該クランプ速度で
通過させるための加減速補間処理を実行する加減速制御
装置において、現在の補間位置から前記クランプ点まで
の工具軌跡に沿った距離を目標距離として求める目標距
離監視部と、現在の速度から前記クランプ点でのクラン
プ速度まで減速するのに要する減速所要距離を、サンプ
リング周期とサンプリング周期ごとの離散的な速度とで
決定される距離の合計として算出する減速所要距離算出
部と、前記目標距離と前記減速所要距離を比較すること
により減速開始タイミングを判定する減速開始判定部
と、前記クランプ点で前記クランプ速度になるように、
前記クランプ点までの減速所要距離区間をサンプリング
周期ごとに減速する速度制御を行う速度出力部と、前記
クランプ点から前記減速所要距離だけ手前の第1の位置
の手前側近傍に現在位置があるとき、および前記クラン
プ点の手前側近傍に現在位置があるときに前記速度出力
部での加速度を調整する加速度調整部とを備えることを
特徴とする。
【0014】この発明によれば、現在の速度から前記ク
ランプ点でのクランプ速度まで減速するのに要する減速
所要距離を、サンプリング周期とサンプリング周期ごと
の離散的な速度とで決定される距離の合計として算出
し、該算出した減速所要距離と目標距離とを比較するこ
とにより減速開始タイミングを判定する。そして、クラ
ンプ点でクランプ速度になるように、クランプ点までの
減速所要距離区間をサンプリング周期ごとに減速する速
度制御を行う。ただし、クランプ点から前記減速所要距
離だけ手前の第1の位置の手前側近傍に現在位置がある
とき、および前記クランプ点の手前側近傍に現在位置が
あるときに前記速度出力部での加速度を調整するように
している。
【0015】つぎの発明にかかる加速度制御装置は、上
記の発明において、前記減速開始判定部は、前記目標距
離と前記減速所要距離を比較し、現在位置が前記第1の
位置と、該第1の位置から1サンプリング周期分の移動
量だけ手前の第2の位置との間に入ると、減速開始と判
定し、前記加速度調整部は、現在速度から許容加速度以
内で調整した加速度で一回減速した速度から、前記クラ
ンプ速度に減速するのに要する減速所要距離と、調整し
た加速度で減速した速度による1サンプリング周期分の
移動量との合計が前記目標距離と一致するように、加速
度を許容加速度以内で調整することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、減速開始判定部は、現
在位置が前記第1の位置と、該第1の位置から1サンプ
リング周期分の移動量だけ手前の第2の位置との間に入
ると、減速開始と判定する。また、加速度調整部は、現
在速度から許容加速度以内で調整した加速度で一回減速
した速度から、クランプ速度に減速するのに要する減速
所要距離と、調整した加速度で減速した速度による1サ
ンプリング周期分の移動量との合計が目標距離と一致す
るように、加速度を許容加速度以内で調整する。
【0017】つぎの発明にかかる加速度制御装置は、上
記の発明において、前記加速度調整部は、前記クランプ
点の直前の所定回数のサンプリング周期での加速度を調
整することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、加速度調整部は、前記
クランプ点の直前の所定回数のサンプリング周期におい
て、加速度を調整するようにしている。
【0019】つぎの発明にかかる加速度制御装置は、上
記の発明において、前記速度出力部は、クランプ点に到
達するまでの所定回数の速度を記憶する機能を有し、該
記憶した所定回数の速度を用いてクランプ点通過後の速
度を制御することを特徴とする。
【0020】この発明によれば、速度出力部は、クラン
プ点に到達するまでの所定回数の速度を記憶し、該記憶
した所定回数の速度を用いてクランプ点通過後の速度を
制御する。
【0021】つぎの発明にかかる加速度制御方法は、工
具軌跡の点列の各点の指令位置データと指令送り速度デ
ータとを用いて機械の性能内で通過可能であるか否かを
判断し、性能内での通過が不可能と判定されたクランプ
点で性能内で通過できる所定のクランプ速度を求め、該
クランプ速度で通過させるための加減速補間処理を実行
する加減速制御方法において、現在の補間位置から前記
クランプ点までの工具軌跡に沿った距離を目標距離とし
て求める目標距離算出ステップと、現在の速度から前記
クランプ点でのクランプ速度まで減速するのに要する減
速所要距離を、サンプリング周期とサンプリング周期ご
との離散的な速度とで決定される距離の合計として算出
する減速所要距離算出ステップと、前記目標距離と前記
減速所要距離を比較することにより減速開始タイミング
を判定する減速開始判定ステップと、前記クランプ点か
ら前記減速所要距離だけ手前の第1の位置の手前側近傍
に現在位置があるとき、および前記クランプ点の手前側
近傍に現在位置があるときにおける調整加速度を算出す
る加速度調整ステップと、前記クランプ点から前記減速
所要距離だけ手前の第1の位置の手前側近傍に現在位置
があるとき、および前記クランプ点の手前側近傍に現在
位置があるときは、前記加速度調整ステップで算出され
た調整加速度に基づく減速制御を行い、前記以外のクラ
ンプ点までの減速所要距離区間では、サンプリング周期
ごとに所定の加速度での減速制御を行う速度制御ステッ
プとを備えることを特徴とする。
【0022】この発明によれば、現在の速度から前記ク
ランプ点でのクランプ速度まで減速するのに要する減速
所要距離を、サンプリング周期とサンプリング周期ごと
の離散的な速度とで決定される距離の合計として算出
し、該算出した減速所要距離と目標距離とを比較するこ
とにより減速開始タイミングを判定する。そして、クラ
ンプ点から減速所要距離だけ手前の第1の位置の手前側
近傍に現在位置があるとき、およびクランプ点の手前側
近傍に現在位置があるときにおける調整加速度を算出
し、クランプ点から減速所要距離だけ手前の第1の位置
の手前側近傍に現在位置があるときおよびクランプ点の
手前側近傍に現在位置があるときは、前記加速度調整ス
テップで算出された調整加速度に基づく減速制御を行
い、前記以外のクランプ点までの減速所要距離区間で
は、サンプリング周期ごとに所定の加速度での減速制御
を行う。
【0023】つぎの発明にかかる加速度制御方法は、上
記の発明において、前記減速開始判定ステップでは、前
記目標距離と前記減速所要距離を比較し、現在位置が前
記第1の位置と、該第1の位置から1サンプリング周期
分の移動量だけ手前の第2の位置との間に入ると、減速
開始と判定し、前記加速度調整ステップでは、現在速度
から許容加速度以内で調整した加速度で一回減速した速
度から、前記クランプ速度に減速するのに要する減速所
要距離と、調整した加速度で減速した速度による1サン
プリング周期分の移動量との合計が前記目標距離と一致
するように、加速度を許容加速度以内で調整することを
特徴とする。
【0024】この発明によれば、減速開始判定ステップ
では、現在位置が前記第1の位置と、該第1の位置から
1サンプリング周期分の移動量だけ手前の第2の位置と
の間に入ると、減速開始と判定する。また、加速度調整
ステップでは、現在速度から許容加速度以内で調整した
加速度で一回減速した速度から、クランプ速度に減速す
るのに要する減速所要距離と、調整した加速度で減速し
た速度による1サンプリング周期分の移動量との合計が
目標距離と一致するように、加速度を許容加速度以内で
調整する。
【0025】つぎの発明にかかる加速度制御方法は、上
記の発明において、前記加速度調整ステップでは、前記
クランプ点の直前の所定回数のサンプリング周期での加
速度を調整することを特徴とする。
【0026】この発明によれば、加速度調整ステップで
は、クランプ点の直前の所定回数のサンプリング周期に
おいて、加速度を調整するようにしている。
【0027】つぎの発明にかかる加速度制御方法は、上
記の発明において、前記速度制御ステップでは、クラン
プ点に到達するまでの所定回数の速度を記憶し、該記憶
した所定回数の速度を用いてクランプ点通過後の速度を
制御することを特徴とする。
【0028】この発明によれば、速度制御ステップで
は、クランプ点に到達するまでの所定回数の速度を記憶
し、該記憶した所定回数の速度を用いてクランプ点通過
後の速度を制御する。
【0029】つぎの発明にかかるプログラムは、上記の
発明のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに
実行させるプログラムであり、そのプログラムがコンピ
ュータ読み取り可能となり、これによって、上記の発明
のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行する
ことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる加減速制御装置の好適な実施の形態を詳細
に説明する。
【0031】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態
1の一例を示すブロック図である。本発明の速度制御装
置は数値制御装置、ロボット制御装置等の一部として制
御装置に組み込まれるが、図1ではこれらの制御装置の
機能のうち本発明の特徴を示すのに必要な最低限の機能
部分のみを示してある。すなわち、この実施形態1で
は、加減速制御装置は、指令出力部10、通過速度決定
部20、減速所要距離算出部30、目標距離監視部4
0、減速開始判定部50,加速度調整部60および速度
出力部70を備えている。
【0032】指令出力部10には、外部のCAMシステ
ム(図示せず)あるいは前記制御装置内部の図示しない
軌跡データ作成部などから、工具軌跡を示す点列の各点
の指令位置データ(軌跡データ)と、指令送り速度デー
タとが入力される。外部CAMシステムでは、軌跡デー
タ、指令送り速度などを作成して、これらを指令データ
出力部を介して指令出力部10に入力する。制御装置内
部の軌跡データ作成部では、曲面モデルと工具モデルか
ら軌跡データを作成し、作成した軌跡データあるいは設
定された指令送り速度などを指令出力部10に入力す
る。指令出力部10は、入力された点列の各点の指令位
置データ(軌跡データ)および指令送り速度データと
を、逐次、通過速度決定部20に出力する。
【0033】通過速度決定部20は、指令出力部10か
ら受け取った指令軌跡データや指令送り速度を用いて、
与えられた工具軌跡が機械の性能以内で通過可能である
か否かを判断し、機械の性能以内で通過できない箇所
(クランプ位置)において、必要に応じて指令速度を制
限し、性能内で通過できる許容速度(クランプ速度)を
算出する。この通過速度の制限には、前述したように、
連続する2つの速度ベクトル差から求めた加速度を機械
の許容加速度と比較して通過速度を制限する手法、ある
いは移動軌跡の曲率と機械の許容加速度を用いて通過速
度を制限する手法、あるいは連続する2つの速度ベクト
ル差と機械に設定された許容速度差を比較する手法や、
さらには連続する2つの速度ベクトルの成す角度を閾角
度と比較する手法などがあり、これらのうちの適宜の手
法を採用する。通過速度決定部20で算出されたクラン
プ位置およびクランプ速度は、減速所要距離算出部30
に入力される。
【0034】減速所要距離算出部30は、現在速度から
クランプ速度まで減速するのに要する距離(減速所要距
離)Dcを、サンプリング周期dtと、サンプリング周
期dt毎の離散的な速度で決定される距離の和として、
以下のようにして算出する。
【0035】図2のように、現在速度をf[0]、クラン
プ速度fc、離散的な減速所要距離をDc、連続系の現在
速度f[0]からクランプ速度fcへの減速所要距離D(上
底辺を各々f[0]、fcとする台形Trの面積)、一回の減
速で生じる連続系と離散系の距離差分をΔs、クランプ
速度fcに達したときの補間長さ分面積Trからのはみ出
し分をr、クランプ速度fcに達したときの連続系と離
散系の距離差分をΔrとすると、減速所要距離Dcは式
(1)で表せる。すなわち、離散的な減速所要距離Dc
は、連続系のf[0]からfcへの減速所要距離Dから、距
離差分Δsの総和および距離差分Δrを引くことにより
求められる。
【0036】 Dc(f[0],fc)=D(f[0],fc)−ΣΔs+r−Δr …(1)
【0037】さらに、サンプリング単位時間(サンプリ
ング周期)をdt、機械の許容加速度をamax、現在速
度f[0]からクランプ速度fcへの減速所要時間をt、現
在速度f[0]からクランプ速度fcへの減速所要回数をn
=t/dt(ただしnの小数点以下は切り捨てる)とする
と、式(1)の右辺の各項は式(2)のように表せる。
【0038】 D(f[0],fc)=0.5t(f[0],fc) −ΣΔs=0.5amaxn(dt)2 r=(dt(n+1)−t)fc Δr=0.5amax(t−ndt)2 …(2)
【0039】したがって、離散化した減速所要距離Dc
は、現在速度f[0]、クランプ速度fc、現在速度f[0]
からクランプ速度fcへの減速所要時間t、機械の許容
加速度amax、減速所要回数n、サンプリング周期dt
を上記(1)(2)式に代入して求めることができる。
【0040】目標距離監視部40は、現在の補間位置か
ら前記速度を落とすべきと判断したクランプ位置までの
指令軌跡に沿った距離(目標距離)Daを逐次求め、こ
れを随時更新することで、目標距離Daを監視してい
る。
【0041】減速開始判定部50は、減速所要距離算出
部30で算出された減速所要距離Dcと目標距離監視部
40から入力される目標距離Daを比較し、減速開始を
判定する。減速開始判定部50での減速開始のタイミン
グ決定は次のようにして行われる。
【0042】図3に示すように、現在位置P[0]から現
在速度f[0]で移動量f[0]dtを移動した点P[1]が、
クランプ点Pcまでの減速所要距離Dc(f[0],fc)
に前記移動量f[0]dtを加算した距離Dc(f[0],f
c)+f[0]dtの範囲内に入る場合、次の補間時には
減速を行うが、今回は現在速度f[0]のままの速度を出
力するようにする。次の補間時には、図3のP[1]がP
[0]となり、現在位置P[0](図3のP[1])から現在速
度f[0]の移動量f[0]dtで移動した点が、クランプ点
Pcから減速所要距離Dc(f[0],fc)の範囲内に入る
ため、減速開始と判定する。このように、減速開始判定
部50では、現在位置が、クランプ点Pcから減速所要
距離Dc(f[0],fc)だけ離れた点Pkと、この点Pk
から1サンプリング周期分の移動量f[0]dtだけ手前
の位置Pgとの間に位置したときを、減速開始タイミン
グであると判定する。
【0043】つぎに、加速度調整部60は、クランプ点
Pcでのクランプ速度への減速を行うために、初めて減
速を開始するときにつぎのような手法で加速度を調整す
る(この場合は、減速開始時に1回)ことで、減速後の
位置をクランプ点Pcから減速所要距離Dcの位置に一致
させるとともに、クランプ点Pcに対して減速を完了す
る近傍で次のような手法によって加速度を調整する(こ
の場合は、減速終了時に2回)ことで、減速完了位置を
クランプ点Pcに一致させる。
【0044】まず、クランプ用の初めて減速を開始する
際の加速度調整手法について説明する。現在点をP
[0]、現在点P[0]の速度をf[0]、クランプ点をPc、ク
ランプ点Pcでの目標速度をfc、現在点P[0]からクラ
ンプ点Pcまでの距離(目標距離)をd2c、現在点f
[0]からクランプ点fcへの減速所要距離をDc(f[0],
fc)、調整後の加速度をA、サンプリング周期をd
t、調整後の加速度Aで減速補間した点をP[1]とする
と、図4または図5から次の関係式(3)が成り立つ。
【0045】 Dc(f[0]−Adt,fc)+(f[0]−Adt)dt=d2c …(3)
【0046】なお、図4のように現在位置P[0]から等
速移動した点P[1]がクランプ点PcからちょうどDc
(f[0],fc)+f[0]dtの位置にある場合には、P
[1]での1回目の減速時の調整加速度は0になり、図5
のようにP[1]がクランプ点PcからちょうどDc(f
[0],fc)の位置にある場合には、P[1]から1回目に
減速する時の調整加速度は許容加速度amaxになる。こ
れらの間の位置に、P[1]が位置する場合には、調整さ
れる加速度の取る範囲は0から許容加速度amaxまでの
値になる。
【0047】ここで、式(3)において、Dcの第1パラ
メータであるf[0]−Adtにこれから求めようとして
いる調整後の加速度Aが含まれているため、例えばf
[0]から許容加速度amaxでfcまで減速した場合の時間
を元に近似を導入してDcに調整後の加速度Aを含まな
いようにする。すなわち、調整された加速度Aで減速さ
れた速度f[0]−Adtをf'[1]とし、f[0]からfcに
減速するのに要する時間をtとすると、f'[1]からfcに
減速するのに要する時間は、t−dt以上であってt以
下であるので、f[0]からfcに減速するまでの補間回数
との差は高々1回である。
【0048】したがって、減速に要する時間tと補間回
数nを式(1)、式(2)に与えてDcを求め、この求
めたDcを式(3)に与えることにより、調整後の加速
度Aを求める。
【0049】このように、加速度調整部60では、許容
加速度以内で調整した加速度で現在速度を一回減速した
速度から、クランプ速度Pcに減速するのに要する減速
所要距離Dc(f[0]−Adt,fc)と、調整した加速
度で減速した速度による1サンプリング周期分の移動量
(f[0]−Adt)dtとの合計が目標距離d2cと一
致するように、加速度を許容加速度amax以内で調整す
るようにしている。このような手法を用いれば、前述し
たように、減速開始初回時に加速度調整を行う際に、必
ず加速度0から許容加速度amaxの範囲で加速度を調整
することができる。
【0050】なお、上記では、先にDcを近似すること
で調整後の加速度Aを求めたが、最小自乗法等によって
補間回数と加速度を求めても良い。
【0051】次に、加速度調整部60が減速を完了する
近傍において加速度を調整する際の動作について説明す
る。加速度調整部60では、クランプ点Pcの直前の所
定回数のサンプリング周期で加速度を調整する。
【0052】図6または図7はクランプ点Pcの手前で
の加減速調整を示すものである。図6においては、数回
の加速度調整を行う場合を示しており、調整した加速度
Aで減速した速度による現在位置P[0]からの1サンプ
リング周期分の移動量(f[0]−Adt)dtと、許容
加速度amax以内で調整した加速度で現在速度f[0]から
一回減速した速度から、クランプ速度Pcに減速するの
に要する減速所要距離Dc(f[0]−Adt,fc)との
合計が目標距離d2cと一致するように、加速度を許容
加速度amax以内で調整する。
【0053】図7はクランプ点Pc手前の一回の減速時
に加速度を調整する方法を示したものである。この場
合、調整された加速度Aを用いて減速した場合の補間長
さ(f[0]−Adt)dtとクランプ速度による補間長
さfcdtの和を現在点からクランプ点への距離d2c
と一致させればよいので、調整加速度Aは以下の式
(4)で得られる。
【0054】 A=((f[0]+fc)/dt)−(d2c/dt2) …(4)
【0055】図7の場合は、この調整加速度Aで一度減
速し、さらに減速した位置からクランプ速度fcで移動
すればちょうどクランプ点Pcに到達することになる。
【0056】つぎに、速度出力部70は、加速度調整部
60によって調整された加速度に従って速度を算出し、
該算出した速度を、軌跡データとともに、図示しないサ
ーボシステム制御装置に出力する。サーボシステム制御
装置では、軌跡データの示す各々の位置において、入力
された速度を守るように各軸についての加減速処理を行
い、加減速処理を施した速度とサンプリング周期dtか
ら単位時間あたりの移動量を算出する補間処理を行った
後、1〜複数の軸のサーボモータを駆動する。
【0057】ここで、速度出力部70は、クランプ点P
cに到達するまでの所定回数の速度を記憶するバッファ
を有しており、該バッファに記憶した所定回数の速度を
用いてクランプ点通過後の速度を制御するようにしてい
る。
【0058】例えば、速度出力部70は、上記のように
して減速している最中、常に前回の速度fk1と前々回の
速度fk2を記憶保持しており、かつ補間点が進むに伴っ
て新たな速度値でこれらの速度fk1,fk2を更新してい
る。そして、クランプ速度fcに達したときには、前回
の速度を更新するのを中止し、現在保持している速度f
k1とfk2をその後も保持しつづける。
【0059】目標距離監視部40は常に現在点から最も
近い前方のクランプ点Pcへの距離(目標距離)を監視し
ており、クランプ点を通過すると、次のクランプ点Pc
への目標距離を監視するように切り替わる。速度出力部
70においては、目標とするクランプ点が切り替わり、
減速開始判定部50が減速の必要を認めなければ、保持
しているクランプ点を通過する1回前の速度fk1を出力
することにより初回の加速を行う。同様に、次の回に
は、減速開始判定部50が減速の必要を認めなければ、
保持しておいたクランプ点を通過する2回前の速度fk2
を出力する。
【0060】図8は実施の形態1により生成される速度
パターンと加速度パターンの一例を示すものである。図
8(a)において、f[0]は指令速度(現在速度)、fc
はクランプ速度であり、図8(b)において、amax
許容加速度、a1は減速開始時に調整された加速度、a2
はクランプ点の手前で調整された加速度である。図8に
よれば、減速初回時には、f[0]から加速度a1でf[1]
まで減速し、次回からは許容加速度amaxで減速する。
クランプ速度fcに達する一回前には、加速度a2で減速
して速度がfk1となり、さらに加速度a3でクランプ点
に減速完了する。また、減速パターンと加速パターンが
クランプ点を挟んで左右対称になることが分かる。
【0061】このようにこの実施の形態1においては、
減速所要距離Dcが離散的な速度を元に算出されるた
め、減速開始判定が正確になる。また、加速度の調整
は、減速開始時に一回、クランプ点付近手前で数回行わ
れ、その間の区間は許容加速度a maxでの一定減速が行
われるので、動作時間が短縮され、加工時間を短縮する
ことが可能となるとともに、高品位な軌跡が得られ、加
工面の品質を向上させることができる。また、クランプ
点に到達するまでの速度を複数個記憶し、該記憶した複
数個の速度を用いて、クランプ点通過後の速度を制御す
るようにしているので、クランプ点を挟んで減速時の速
度パターンと加速時の速度パターンを簡単に対称にする
ことができ、これにより高品質な軌跡を得ることがで
き、加工面の品質を向上させることが可能となる。
【0062】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。本出願人は、特願2000−
64235号において、曲面モデルと使用工具モデルか
ら直接サーボ指令値を生成するシステムを既に出願して
いる。この出願においては、現在補間点が補間している
位置より所定量先行して評価点が生成されていき、生成
された評価点間の距離の和を軌跡に沿った減速位置まで
の目標距離として利用するが、評価点は工具が曲面に接
するように直接生成される方式ゆえに目標距離の正確さ
は評価時のサンプリングの粗密に依存する。
【0063】通常はサンプリングを十分密にしておけば
問題はないが、処理速度の向上等の理由からサンプリン
グが粗になった場合、目標距離の正確さが損なわれる傾
向があるため、前もって減速開始から完了までの速度パ
ターンを計画しておくことはできなくなる。しかし、前
述した従来技術のように、毎回の加減速時に加速度を調
整していては、隣り合うパスで速度パターンが違いすぎ
て加工面に悪影響を及ぼす。そこで、この特願2000
−64235号において示されている曲面モデルと使用
工具モデルから直接サーボ指令値を生成するシステムに
おいて、本発明を適用すれば、加減速調整が、最初に1
回行われ、クランプ点近傍で数回行われるだけなので、
隣り合う軌跡で速度パターンがほぼ同じとなり、加工面
の品質を向上させることが可能となる。
【0064】なお、上記した手法をプログラム化し、コ
ンピュータに実行させるようにすれば、そのプログラム
がコンピュータ読み取り可能となり、これによって、上
記の手法をコンピュータによって実行することができ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、減速所要距離が離散的な速度を元に算出されるた
め、減速開始判定が正確になる。また、加速度を調整す
ることで減速完了位置がクランプ位置により近づくた
め、クランプ点付近で低速で等速移動することがなくな
り、動作時間が短縮され、加工時間を短縮することが可
能となる。
【0066】つぎの発明によれば、減速開始時に一回加
速度を調整することで、それ以降の加速度は常に一定に
保つことができるため、高品位な軌跡制御ができ、これ
により加工面の品質を向上させることができる。
【0067】つぎの発明によれば、クランプ点付近手前
で再度加速度の調整を行うため、離散化誤差等減速途中
に発生する様々な誤差を吸収することができ、減速完了
位置がクランプ位置により近づくため、減速点付近で低
速で等速移動することがなくなり、動作時間が短縮さ
れ、加工時間を短縮することが可能となる。
【0068】つぎの発明によれば、クランプ点に到達す
るまでの所定回数の速度を記憶し、該記憶した所定回数
の速度を用いてクランプ点通過後の速度を制御するよう
にしているので、クランプ点を挟んで減速時の速度パタ
ーンと加速時の速度パターンを対称にすることができ、
これにより高品質な軌跡を得ることができ、加工面の品
質を向上させることが可能となる。
【0069】つぎの発明によれば、減速所要距離が離散
的な速度を元に算出されるため、減速開始判定が正確に
なる。また、加速度を調整することで減速完了位置がク
ランプ位置により近づくため、クランプ点付近で低速で
等速移動することがなくなり、動作時間が短縮され、加
工時間を短縮することが可能となる。
【0070】つぎの発明によれば、減速開始時に一回加
速度を調整することで、それ以降の加速度は常に一定に
持つことができるため、高品位な軌跡制御ができ、これ
により加工面の品質を向上させることができる。
【0071】つぎの発明によれば、クランプ点付近手前
で再度加速度の調整を行うため、離散化誤差等減速途中
に発生する様々な誤差を吸収することができ、減速完了
位置がクランプ位置により近づくため、減速点付近で低
速で等速移動することがなくなり、動作時間が短縮さ
れ、加工時間を短縮することが可能となる。
【0072】つぎの発明によれば、クランプ点に到達す
るまでの所定回数の速度を記憶し、該記憶した所定回数
の速度を用いてクランプ点通過後の速度を制御するよう
にしているので、クランプ点を挟んで減速時の速度パタ
ーンと加速時の速度パターンを対称にすることができ、
これにより高品質な軌跡を得ることができ、加工面の品
質を向上させることが可能となる。
【0073】つぎの発明にかかるプログラムによれば、
上記の発明のいずれか一つに記載された方法をコンピュ
ータに実行させるようにしたので、そのプログラムがコ
ンピュータ読み取り可能となり、これによって、上記の
発明のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる加減速制御装置の実施の形
態1の構成を示すブロック図である。
【図2】 離散的な減速所要距離を求める式を説明する
図である。
【図3】 減速開始タイミングの判定処理を説明するた
めの図である。
【図4】 初回減速時の加速度調整を説明するための図
である。
【図5】 初回減速時の加速度調整を説明するための図
である。
【図6】 クランプ点近傍での加速度調整を説明するた
めの図である。
【図7】 クランプ点近傍での加速度調整を説明するた
めの図である。
【図8】 実施の形態1による速度および加速度パター
ンを示す図である。
【図9】 従来技術の不具合を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
10 指令出力部、20 通過速度決定部、30 減速
所要距離算出部、40目標距離監視部、50 減速開始
判定部、60 加速度調整部、70 速度出力部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具軌跡の点列の各点の指令位置データ
    と指令送り速度データとを用いて機械の性能内で通過可
    能であるか否かを判断し、性能内での通過が不可能と判
    定されたクランプ点で性能内で通過できる所定のクラン
    プ速度を求め、該クランプ速度で通過させるための加減
    速補間処理を実行する加減速制御装置において、 現在の補間位置から前記クランプ点までの工具軌跡に沿
    った距離を目標距離として求める目標距離監視部と、 現在の速度から前記クランプ点でのクランプ速度まで減
    速するのに要する減速所要距離を、サンプリング周期と
    サンプリング周期ごとの離散的な速度とで決定される距
    離の合計として算出する減速所要距離算出部と、 前記目標距離と前記減速所要距離を比較することにより
    減速開始タイミングを判定する減速開始判定部と、 前記クランプ点で前記クランプ速度になるように、前記
    クランプ点までの減速所要距離区間をサンプリング周期
    ごとに減速する速度制御を行う速度出力部と、 前記クランプ点から前記減速所要距離だけ手前の第1の
    位置の手前側近傍に現在位置があるとき、および前記ク
    ランプ点の手前側近傍に現在位置があるときに前記速度
    出力部での加速度を調整する加速度調整部と、 を備えることを特徴とする加減速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記減速開始判定部は、前記目標距離と
    前記減速所要距離を比較し、現在位置が前記第1の位置
    と、該第1の位置から1サンプリング周期分の移動量だ
    け手前の第2の位置との間に入ると、減速開始と判定
    し、 前記加速度調整部は、現在速度から許容加速度以内で調
    整した加速度で一回減速した速度から、前記クランプ速
    度に減速するのに要する減速所要距離と、調整した加速
    度で減速した速度による1サンプリング周期分の移動量
    との合計が前記目標距離と一致するように、加速度を許
    容加速度以内で調整することを特徴とする請求項1に記
    載の加減速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記加速度調整部は、前記クランプ点の
    直前の所定回数のサンプリング周期での加速度を調整す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の加減速制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記速度出力部は、クランプ点に到達す
    るまでの所定回数の速度を記憶する機能を有し、該記憶
    した所定回数の速度を用いてクランプ点通過後の速度を
    制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ
    に記載の加減速制御装置。
  5. 【請求項5】 工具軌跡の点列の各点の指令位置データ
    と指令送り速度データとを用いて機械の性能内で通過可
    能であるか否かを判断し、性能内での通過が不可能と判
    定されたクランプ点で性能内で通過できる所定のクラン
    プ速度を求め、該クランプ速度で通過させるための加減
    速補間処理を実行する加減速制御方法において、 現在の補間位置から前記クランプ点までの工具軌跡に沿
    った距離を目標距離として求める目標距離算出ステップ
    と、 現在の速度から前記クランプ点でのクランプ速度まで減
    速するのに要する減速所要距離を、サンプリング周期と
    サンプリング周期ごとの離散的な速度とで決定される距
    離の合計として算出する減速所要距離算出ステップと、 前記目標距離と前記減速所要距離を比較することにより
    減速開始タイミングを判定する減速開始判定ステップ
    と、 前記クランプ点から前記減速所要距離だけ手前の第1の
    位置の手前側近傍に現在位置があるとき、および前記ク
    ランプ点の手前側近傍に現在位置があるときにおける調
    整加速度を算出する加速度調整ステップと、 前記クランプ点から前記減速所要距離だけ手前の第1の
    位置の手前側近傍に現在位置があるとき、および前記ク
    ランプ点の手前側近傍に現在位置があるときは、前記加
    速度調整ステップで算出された調整加速度に基づく減速
    制御を行い、前記以外のクランプ点までの減速所要距離
    区間では、サンプリング周期ごとに所定の加速度での減
    速制御を行う速度制御ステップと、 を備えることを特徴とする加減速制御方法。
  6. 【請求項6】 前記減速開始判定ステップでは、前記目
    標距離と前記減速所要距離を比較し、現在位置が前記第
    1の位置と、該第1の位置から1サンプリング周期分の
    移動量だけ手前の第2の位置との間に入ると、減速開始
    と判定し、 前記加速度調整ステップでは、現在速度から許容加速度
    以内で調整した加速度で一回減速した速度から、前記ク
    ランプ速度に減速するのに要する減速所要距離と、調整
    した加速度で減速した速度による1サンプリング周期分
    の移動量との合計が前記目標距離と一致するように、加
    速度を許容加速度以内で調整することを特徴とする請求
    項5に記載の加減速制御方法。
  7. 【請求項7】 前記加速度調整ステップでは、前記クラ
    ンプ点の直前の所定回数のサンプリング周期での加速度
    を調整することを特徴とする請求項5または6に記載の
    加減速制御方法。
  8. 【請求項8】 前記速度制御ステップでは、クランプ点
    に到達するまでの所定回数の速度を記憶し、該記憶した
    所定回数の速度を用いてクランプ点通過後の速度を制御
    することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記
    載の加減速制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか一つに記載され
    た方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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