JP2745672B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法

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JP2745672B2 JP1109945A JP10994589A JP2745672B2 JP 2745672 B2 JP2745672 B2 JP 2745672B2 JP 1109945 A JP1109945 A JP 1109945A JP 10994589 A JP10994589 A JP 10994589A JP 2745672 B2 JP2745672 B2 JP 2745672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関
するものである。さらに詳しくは、本発明は電子写真、
静電記録、および静電印刷において高精細画像を与える
静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関するもので
ある。
従来の技術 電子写真、静電記録、および静電印刷における静電潜
像の現像は、感光体上に形成された静電潜像に対し、摩
擦帯電されたトナーを静電的に吸着させ可視化すること
により行なわれている。
このような静電潜像の現像において用いられるトナー
を帯電させる方法としては、二成分現像方式では、一般
にキャリアと呼ばれる物質と混合・攪拌して荷電を付与
することが知られている。また一成分現像方式でも、現
像スリーブやトナー規制ブレード、あるいは感光体など
との接触により荷電を付与することが知られている。い
ずれの方法によっても、トナーに均一な荷電が与えられ
なければ、現像および転写の際に問題が生じる。
さらに、近年、静電潜像現像用トナーとしては、トナ
ーの高精細、高画質化あるいは多様化するトナーの機
能、用途に対応するため、機能分離ないしは表面性状の
改良を目的として積層構成されたトナーも各種提唱され
ている。
積層構成トナーは、トナーに要求される定着性、着色
性、帯電性等の各特性が最良に発揮されるように、それ
らの各機能が別々に付与された層が積層されているトナ
ーである。
積層構成トナーにおいては、一般にその定着性を芯粒
子で確保することが望ましいことから、芯粒子の溶融粘
度をかなり低くする必要がある。またカラートナーにお
いては、透光性を得るために、さらに芯粒子の溶融粘度
を低くしなければならない。一方、被覆層は耐保管性、
耐熱性をもたせるために高溶融粘度にする必要があり、
この層を保持するためには接着力の高い芯粒子樹脂が要
求される。しかしながら被覆層形成時には層保持のため
に芯粒子樹脂が一部被覆層と溶融する必要があり、芯粒
子樹脂がトナー表面に露出する。このことが使用中での
現像機内でのトナー凝集、または保管性能の低下の原因
となる。
また、積層構成トナーにおいては、使用中の現像器中
での混合攪拌、あるいはキャリアとの摩擦によって、最
表面被覆層あるいはそれよりも内側の中間層が剥離ある
いは摩耗しやすく、被覆層内部の粘度の低い樹脂が表面
に現れると、トナー耐熱性等の基本物性が大きく変化す
るといった問題を有する。
さらに、剥離、摩耗した粒子が、他のトナーまたはキ
ャリアと摩擦することにより相互に影響を及ぼし、現像
剤の帯電および画質に悪影響する。
また、層の剥離により生じた微粒子は小粒径であり、
感光体に強く付着し、クリーナーで除去されにくいた
め、クリーニング不良、フィルミング等も発生する。さ
らに微粉(特に、5μm以下の微粉)が増えると現像剤
の流動性が大幅に低下し、混合攪拌不良や現像機中での
現像剤の偏り、現像効率の低下が見られる。
積層構成トナーとしては、例えば特開昭61−275767号
に、コアー粒子の表面に磁性体および/または着色剤か
らなる層、さらにフッ素含有モノマー、アミノ基含有モ
ノマー、ニトロ基含有モノマーのうちから選ばれる少な
くとも1種のモノマーを含有するモノマーの重合体から
なるカプセル層を湿式で積層してなるトナーが、また、
特公昭59−38583号には、核体粒子の表面に乳化重合に
よって形成された微小粒子からなる被覆層を湿式で設け
てなるトナーが、さらに特開昭62−226162号には着色熱
可塑性樹脂表面に湿式で微小樹脂粒子を付着させた後、
加熱処理を施したトナーが示されている。これらのトナ
ーにおいては、いずれもトナーの電気的特性が主として
その表面部に依存することに着目し、着色剤、磁性体な
どを含有する芯粒子の表面に樹脂微粒子を付着させ、該
樹脂層の物性あるいは表面形状によって安定した帯電性
を図ろうとするものである。しかしながらこれらのトナ
ーにおいて芯粒子表面に湿式で付着させた樹脂層は、特
開昭62−226162号に示される電子顕微鏡写真からも明ら
かなように、その粒子形状を保持したまま核体粒子に固
着されてた微小樹脂粒子から形成されるものであり、従
って樹脂層は完全に芯粒子の表面を覆うものではない
(すなわち、緻密質のものではない)。このため、この
ような構成のトナーにおいても、芯粒子中における着色
剤、磁性粉などの影響により安定した荷電性が得られな
い虞れが大きく、殊にトナーが苛酷な温度条件下で保存
ないしは使用された場合においては、微小樹脂粒子同志
の間隙から芯粒子を構成する成分がトナー表面に浸出
し、さらに大きな影響を及ぼすこととなる。なお、この
ように芯粒子成分がトナー表面に浸出すると、トナー同
志の凝集をも同時にもたらすという問題も生じるもので
あった。
発明が解決しようとする課題 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、特に被覆層
下の樹脂の影響および被覆層剥離による悪影響を防止す
るためになされたものである。すなわち本発明は使用中
現像器内での混合攪拌あるいはキャリアとの摩擦により
表面被覆層あるいはそれよりも内側の中間層が剥離ある
いは摩耗しにくく、被覆層内部樹脂の露出を長期にわた
り防止したトナーを提供し、さらに耐久性、安定性に優
れた高画質の画像を形成できる積層構成トナーを提供す
ることを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、芯粒子、該芯粒子上に中間被覆層および外
殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の静電荷像現
像用トナーにおいて、該芯粒子、中間被覆層および外殻
被覆層がスチレン−アクリル系共重合樹脂で構成され、
該スチレン−アクリル系共重合樹脂の数平均分子量(M
n)が、芯粒子よりも中間被覆層における方が大きく、
かつ中間被覆層より外殻被覆層における方が大きい静電
荷像現像用トナーに関する。
さらにまた本発明は、芯粒子、該芯粒子上に中間被覆
層および外殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の
静電荷像現像用トナーの製造方法において、該芯粒子、
中間被覆層および外殻被覆層がスチレン−アクリル系共
重合樹脂を構成し、該芯粒子上に該スチレン−アクリル
系共重合樹脂の数平均分子量(Mn)が該芯粒子よりも大
きい樹脂粒子を付着させた後、衝撃力で成膜して該中間
被覆層を構成し、該中間被覆層上に該スチレン−アクリ
ル系共重合樹脂の数平均分子量(Mn)が該中間被覆層よ
りも大きい樹脂粒子を付着させた後、衝撃力で成膜して
該外殻被覆層を構成することを特徴とする静電荷像現像
用トナーの製造方法に関する。
さらにまた本発明は、芯粒子、該芯粒子上に中間被覆
層および外殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の
静電荷像現像用トナーにおいて、該芯粒子、中間被覆層
および外殻被覆層がスチレン−アクリル系共重合樹脂を
構成し、該芯粒子上に該スチレン−アクリル系共重合樹
脂の数平均分子量(Mn)が該芯粒子よりも大きい樹脂粒
子を付着させた後、衝撃力で成膜して該中間被覆層を構
成し、該中間被覆層上に該スチレン−アクリル系共重合
樹脂の数平均分子量(Mn)が該中間被覆層よりも大きい
樹脂粒子を付着させた後、衝撃力で成膜して該外殻被覆
層を構成して得たことを特徴とする静電荷像現像用トナ
ーに関する。
本発明の静電荷像現像用トナーは芯粒子、中間被覆層
および外殻被覆層の3層よりなる。
芯粒子は、スチレン−アクリル系共重合樹脂よりな
る。芯粒子は主にトナーを定着する働きを担うものであ
り、スチレン−アクリル系共重合樹脂は係る観点から通
常使用されているものを選択すればよい。かかる場合、
芯粒子を構成するスチレン−アクリル系共重合樹脂の数
平均分子量(Mn)は2500〜100000、好ましくは4000〜20
000である。係る分子量の低い樹脂で芯粒子を構成する
と隠蔽力に優れたトナーを得ること、低温定着性の向上
等に効果がある。数平均分子量が2500より小さいと製造
上造粒するのが困難となり、100000より大きいと定着性
が悪くなる。さらにMnが2500〜12000のものを選択する
ことによってトナーに透光性を付与することができ、特
に透光性カラートナーの調製に有効である。
スチレン−アクリル系共重合樹脂を構成するスチレン
系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−
ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン等のスチレンおよびその誘導体が挙げられ、その中
でもスチレンが最も好ましい。
スチレン−アクリル系共重合樹脂を構成するアクリル
系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ル等のアクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸およびその誘導
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドなどのような(メタ)アクリル酸誘導体等を挙げ
ることができる。
また本発明の静電潜像現像用トナーにおいて、芯粒子
として用いられる、樹脂粒子は、粉砕法によるもの、乳
化重合、懸濁重合などの造粒重合法によるもの、懸濁
法、スプレードライ法などの湿式造粒法によるものなど
トナー粒子の製法として公知の方法によって得られるも
のであればいずれでもよいが、芯粒子の形状、粒径分布
が最終的トナー粒子の形状、粒径分布を大きく左右し、
トナー粒子の流動性、帯電量などに影響を与えるため
に、芯粒子としての樹脂粒子は、望ましくは球形度の高
い、かつ粒径分布の狭い粒子であることが好ましく、乳
化重合、懸濁重合などの造粒重合法により得られるもの
が好ましい。特に、このような造粒重合法のうち、シー
ド重合として知られる方法を用いて造粒すると、容易に
球形度の高く粒径分布の狭いものが得られ、かつ重合度
の制御も容易であることから極めて望ましい樹脂粒子と
なるものである。このシード重合とは、特公昭57−2436
9号公報などに示されるように、重合性モノマーの一部
と重合開始剤を水系媒体あるいは乳化剤を添加してなる
水系媒体中に添加して攪拌乳化し、その後重合性モノマ
ー残部を徐々に滴下して微小な粒子を得、この粒子を種
として、重合性モノマー液滴中で重合を行なうものであ
る。
また、上記のごとき重合性モノマーを重合して所望の
樹脂粒子を得る場合に用いられる重合開始剤としては任
意の重合開始剤、特に油溶性重合開始剤が通常の温度範
囲で用いられる。重合開始剤の具体例としては、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合
物、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、デカノ
ニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステ
アロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t
−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの過酸化物
などが挙げられる。これらの重合開始剤の使用量はモノ
マー100重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましく
は0.5〜5重量部である。その使用量が0.01重量部より
少ないと重合速度が遅くなり、一方、10重量部より多い
と重合のコントロールが困難となるためである。
このようにして得られる芯粒子中には着色剤を配合す
ることも、あるいは着色剤を配合せず得られた芯粒子表
面に着色剤を含有する層を形成することも可能である。
従って、前記のごとき造粒重合法においては、重合性モ
ノマー中に着色剤を溶解ないしは分散させて着色剤を含
有する樹脂粒子を造粒することも可能であるが、より均
一な樹脂粒子を安定して得るためには着色剤は添加しな
いことが望まれる。
しかして、芯粒子としては、1〜20μm、好ましくは
平均粒径が3〜15μm、より好ましくは5〜10μmの大
きさの樹脂粒子として形成される。
さらに、この芯粒子として用いられる樹脂粒子は、そ
の粒径の変動係数が10%未満、好ましくは8%未満であ
るものが用いられる。また積層構造を形成して最終的な
トナー粒子として高い球形度を得るために芯粒子として
用いられる樹脂粒子も当然に球形であるもの、すなわち
形状係数SF1が120以下、好ましくは115以下のものが用
いられる。
本明細書において用いられる粒径の変動係数とは、粒
径のバラツキの尺度(%)を表わすものであって、粒径
における標準偏差(σ)を平均粒径で割ったものであ
り、以下のようにして求められるものである。すなわ
ち、まず走査型電子顕微鏡にて写真を撮影し、無作為に
100粒子を選択し、その粒子径を測定する。この測定結
果に基づき標準偏差(σ)および平均粒径を求める。な
お、本発明で使用する標準偏差(σ)は、n個の粒子径
の測定を行なったときの、各測定値の平均値からの差の
2乗を(n−1)で割った値の平方根で表される。
すなわち、次式で示される。
ただし、x1、x2…xnは試料粒子径の粒子径の測定値、
xはn個の各測定値の平均値である。このようにして得
られた標準偏差(σ)を平均粒子径()で割り、100
を掛けた値を変動係数とした。
また本明細書において用いられる形状係数SF1とは、
粒子の長径/短径の差(歪み性)を示すパラメータとし
て使用され、一般に粉体粒子の球形度を示すものであっ
て、以下に示されるような式により定義される。なお、
本明細書に示される各値はイメージアナライザー(日本
レギュレータ社製、ルーゼックス5000)によって測定さ
れたものである。
(式中、面積とは粉体の投影面積の平均値を示し、最大
長とは粉体の投影像における最大長の平均値を示す。) 従って、粒子の形状が真球に近いほどこの形状係数SF
1の値が100に近い値となるものである。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、上記のよ
うな芯粒子を被覆する。この被覆層は後述するようにさ
らに被覆されるので、本明細書中においては、芯粒子の
被覆層を「中間被覆層」ということにする。
中間被覆層はスチレン−アクリル系共重合樹脂で形成
されるが、該層形成に用いられるスチレン−アクリル系
共重合樹脂の分子量は芯粒子のスチレン−アクリル系共
重合樹脂より高く、かつ数平均分子量(Mn)が5000〜30
0000、好ましくは8000〜250000、より好ましくは10000
〜200000の範囲のものを用いる。係るスチレン−アクリ
ル系共重合樹脂より中間被覆層を形成するのは、芯粒子
と中間被覆層との接着性を向上させるためである。
数平均分子量(Mn)が5000より小さいと微小粒子の製
造が難しく、また粒子同士が凝集して均一に成膜するこ
とが困難となるためである。またMnが300000より大きい
と接着性が不良になり、さらに中間被覆層に着色剤を含
有させる際には、その分散性が悪くなり、画質が劣化す
る。
芯粒子中に着色剤を含有させた場合は、中間被覆層
が、芯粒子表面に露出する着色剤を完全に被覆し、トナ
ー帯電特性の着色剤による悪影響を防止できる。
中間被覆層の膜厚は、後述する中間被覆層形成時に用い
る樹脂微粒子の大きさによりほぼ定まるものであるが、
芯粒子の平均粒径の約1/5以下の厚さであればよく、芯
粒子表面の露出による悪影響が防止できる限り、いくら
薄くてもよい。
中間被覆層を形成する方法としては、芯粒子と該芯粒
子に対して小粒径、より具体的には約1/5以下の微小粒
子(すなわち、樹脂粒子)を適当な配合比で機械的に混
合し、ファンデルワールス力および静電気力の作用によ
り前記芯粒子を形成してなる芯材の周囲に均一に微粒子
を付着させた後、微粒子を例えば衝撃力などにより生じ
る局部的温度上昇により微小粒子を軟化させ成膜する方
法が好ましく挙げられる。
このような方法によると、芯粒子の形状および粒径分
布を実質的に変化させることなく、また芯粒子の熱可塑
性樹脂より中間被覆層の樹脂のほうが軟化点の高いもの
であっても、容易に芯粒子の外表面を実質的に完全に覆
う層を形成できるものである。
中間被覆層形成方法において好適に用いられ得る装置
としては、高速気流中衝撃法を応用したハイブリダイゼ
ーションシステム(奈良機械製作所社製)、オングミル
(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社
製)などがある。
しかしながら、合成樹脂被覆層の形成方法としては、
上記のごとき方法に何ら限定されるものではない。
なお、ここで使用される中間被覆層形成用樹脂微粒子
は、平均粒径が0.05〜3μm、好ましくは0.1〜1μm
であり、かつ粒径分布の変動係数が20%以下、好ましく
は、15%以下のものが使用される。平均粒径が0.05μm
より小さい粉体は製造上むずかしく、また3μmより大
きいと、または、変動係数が20%より大きいと、芯粒子
の表面を被覆成膜化することが難しくなる。
中間被覆層を形成するために用いられる樹脂微粒子
は、芯粒子の製法と同様にして調製可能で、所望する共
重合モノマー比、粒子径を有するように適宜条件を選定
する。
また中間被覆層を形成する際の樹脂微粒子の使用量
は、芯粒子全重量の示す100重量部に対して5〜50重量
部、好ましくは10〜30重量部である。すなわち、中間被
覆層を形成する樹脂の量が5重量部より少ないと芯粒子
を完全に中間被覆層により覆うことが困難となり、外殻
被覆層との接着性が不良となってしまい、外殻被覆層の
剥離を招く。一方50重量部を越えて使用すると均一な中
間被覆層を形成することができない。
中間被覆層には着色剤を含有させてもよく、芯粒子の
表面に着色剤を含む中間被覆層を形成する方法として
は、特に限定されるものではない。たとえば芯粒子とな
る樹脂粒子表面に、着色剤のみを湿式あるいは乾式的に
ファンデルワールス力および静電気力の作用により付着
させた後、熱あるいは機械的衝撃力などにより、芯粒子
に付着固定化させることも、あるいはまた着色剤を樹脂
微粒子とともに付着固定化させるないしは着色剤を含有
する樹脂微粒子を付着固定化させることも可能である。
この場合も、粒子の大きさとしては、前記した樹脂微粒
子と同程度の大きさの範囲であればよい。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいて用いられる着
色剤としては、特に限定されないが以下に示すような、
各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
本発明に使用しうる着色剤としては、具体的には、黄
色顔料では、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色
酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイ
エロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、
ハンザ−イエローG、ハンザ−イエロー10G、ベンジジ
ンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエロ
ーレーキ、パーマネントイエロー、NCG、タートラジン
レーキ等がある。
橙色顔料では、 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジ
G、インダスレンブリリアントオレンジGK等; 赤色顔料では、 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミ
ウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッド、カルシューム塩、レ
ーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B等; 紫色顔料では、 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ等; 青色顔料では、 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビク
トリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フ
タロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC等; 緑色顔料では、 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリ
ーンG等; 白色顔料では、 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等; 黒色顔料では ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラック等のカーボンブラック、あるいは活性炭等;
非磁性フェライト等; 体質顔料では、 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイ
トカーボン、タルク、アルミナホワイト等;を挙げるこ
とができる。
以上の着色剤は1種または2種以上混合して使用して
もよく、いずれも無公害で高い着色力があれば有機、無
機を問わず、これらに限定されるものではない。
これらの着色剤は、単独であるいは複数組合せて用い
ることができるが、トナー粒子中に含まれる樹脂100重
量部に対して、1〜20重量部、より好ましくは1〜10重
量部使用することが望ましい。すなわち、20重量部より
多いとトナーの定着性が低下し、一方、1重量部より少
ないと所望の画像濃度が得られない虞れがある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、中間被覆層をさら
に被覆する。該被覆層は、トナー最表面に位置するもの
であるから、本明細書においては、中間被覆層を被覆す
る層を「外殻被覆層」ということにする。
本発明のトナーは、定着性を向上させるため芯粒子の
Mnを低くし、かつ耐熱性を向上させるために表面被覆層
のMnを高くするに際して、芯粒子と表面被覆層とのMnの
差が大きくなるため、表面被覆層形成用樹脂粒子が芯粒
子に埋め込まれて良好な成膜が行われない問題を解決し
たものであり、表面被覆層(外殻被覆層)と芯粒子との
間に中間被覆層を形成し、かつそのMnが芯粒子、中間被
覆層そして外殻被覆層の順に大きくなる構成を有するも
のである。
かかる観点から、外殻被覆層の数平均分子量(Mn)は
10000〜1000000、好ましくは30000〜800000、より好ま
しくは100000〜700000である。
このように外殻被覆層を形成すると、内部に存在する
中間被覆層ないしは芯粒子の構成にほとんど影響される
ことなく、表面層である外殻被覆層の構成によって、帯
電性、現像性、耐熱性等を決定することができ、芯粒子
あるいは中間被覆層に含まれる着色剤の種類、量等が変
化しても安定したかつ各トナー粒子間において均一な荷
電性を付与することができる。
外殻被覆層を形成する方法としては、所望のスチレン含
量の樹脂微粒子を使用し、中間被覆層と同様の方法で形
成され、該被覆層には、さらに所望により荷電制御剤を
含有させてもよい。
すなわち、中間被覆層を有する芯粒子に対して小粒
径、より具体的には約1/5以下の微粒子(すなわち、樹
脂微粒子、樹脂微粒子および荷電制御剤微粒子、あるい
は荷電制御剤を含有する樹脂微粒子)を適当な配合比で
機械的に混合し、ファンデルワールス力および静電気力
の作用により中間被覆層の周囲に均一に微粒子を付着さ
せた後、該微粒子を例えば衝撃力などにより生じる局部
的温度上昇により微粒子を軟化させ成膜する方法が好ま
しく挙げられる。なお、ここで使用される外殻被覆層形
成用樹脂微粒子は、平均粒径が0.05〜3μm、好ましく
は0.1〜1μmであり、かつ粒径分布の変動係数が20%
以下、好ましくは、15%以下のものが使用される。平均
粒径が0.05μmより小さい粉体は製造上むずかしく、ま
た3μmより大きいと、または、変動係数が20%より大
きいと、芯粒子の表面を被覆成膜化することが難しくな
る。このような方法によると、前記したような中間被覆
層を有する芯粒子の形状および粒径分布を実質的に変化
させることなく、また、中間被覆層構成樹脂より外殻被
覆層構成樹脂のほうが軟化点の高いものであっても、容
易に中間被覆層外表面を実質的に完全に覆う外殻被覆層
を形成できるものである。またこのようにして得られる
トナー粒子の表面性状は芯粒子および外殻層形成粒子の
組成、物性(粒径、熱的特性およびゲル化成分等)を選
ぶことにより、さらに処理条件を適宜選択することによ
り平滑性・表面粗度を変化させることができる。トナー
粒子の流動性、クリーニング性および帯電性などの特性
の面から球状でかつその表面に微小な凹凸を有する形態
が望ましい。なお、このような方法において好適に用い
られ得る装置としては、高速気流中衝撃法を応用したハ
イブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社
製)、オングミル(ホソカワミクロン社製)、メカノミ
ル(岡田精工社製)などがある。
しかしながら、樹脂被覆層の形成方法としては、上記
のごとき方法に何ら限定されるものではない。
正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースEX
(オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩P
−51(オリエント化学工業社製)、ニグロシン ポント
ロンN−01(オリエント化学工業社製)、スーダンチー
フシュバルツBB(ソルベントブラック3:Color Index261
50)、フェットシュバルツHBN(C.I.NO.26150)、ブリ
リアントスピリッツシュバルツTN(ファルベン・ファブ
リッケン・バイヤ社製)、ザボンシュバルツX(ファル
ベルケ・ヘキスト社製)、さらにアルコキシ化アミン、
アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料などが挙げ
られる。
また、負荷電制御剤としては、例えば、オイルブラッ
ク(Color Index26150)、オイルブラックBY(オリエン
ト化学工業社製)、ボントロンS−22(オリエント化学
工業社製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化
学工業社製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニン
のスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保
土谷化学工業社製)、亜鉛金属錯体E−84(オリエント
化学工業社製)ボントロンS−34(オリエント化学工業
社製)、ニグロシンSO(オリエント化学工業社製)、セ
レスシュバルツ(R)G(ファルベン・ファブリケン・
バイヤ社製)、クロモーゲンシュバルツETOO(C.I.NO.1
4645)、アゾオイルブラック(R)(ナショナル・アニ
リン社製)などが挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独であるいは複数種組合せ
て使用することができるが、外殻被覆層に添加する荷電
制御剤の添加量は、外殻被覆層を形成する樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部で
ある。すなわち、添加量が0.1重量部未満であるとトナ
ー粒子表面部に存在する荷電制御剤の量が少ないため、
トナーの帯電量が不足し、一方、10重量部を越えるもの
であると樹脂被覆層より帯電制御剤が剥離し、キャリア
の表面にスペント化したり現像剤中に混入して耐刷性を
劣化させたりする虞れがあるためである。
外殻被覆層を構成するアクリル系モノマー成分として
は、前記したもの以外に、さらに以下に示すような含窒
素極性官能基あるいは弗素を有するモノマー成分を使用
してもよい。
このような極性基を導入してなる樹脂を外殻被覆層に
用いると、この樹脂自体が荷電制御の働きをするため
に、外殻被覆層に特に荷電制御剤を添加しなくてもある
程度の帯電性を付与することが可能となる。
下記モノマー成分の単独重合体を使用することも可能
で、係る重合体の樹脂微粒子を外殻被覆層の形成の際に
使用することによっても上記効果を得ることができる。
含窒素極性官能基は正荷電制御に有効であり、含窒素
極性官能基を有するモノマーとしては、下記一般式
(I) (式中、R1は水素またはメチル基、R2およびR3は水素ま
たは炭素数1〜20のアルキル基、Xは酸素原子または窒
素原子、Qはアルキレン基またはアリレン基である。) で表わされるアミノ(メタ)アクリル系モノマーがあ
る。
アミノ(メタ)アクリル系モノマーの代表例として
は、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレー
ト、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリ
レート、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)ア
クリレート、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メ
タ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノフェニル
(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノフェニ
ル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノフ
ェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミ
ノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチル
アミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプ
ロピルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N
−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−
N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p
−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリレート
などが例示される。さらに、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルア
ミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエ
チルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N
−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、
p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリルア
ミド、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリ
ルアミド、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)
アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノベンジル
(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノベ
ンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピル
アミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジ
ブチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N
−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p
−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミ
ド等が例示される。
弗素原子は負荷電制御に有効であり、弗素含有モノマ
ーとしては特に制限はないが、例えば、2,2,2−トルフ
ルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフル
オロアミルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフ
ルオロデシルアクリレートなどのフルオロアルキル(メ
タ)アクリレートが好ましく例示される。
しかしながら、本発明の静電潜像現像用トナーにおい
て、このような荷電制御剤あるいは前記したような極性
基含有樹脂は必ずしも添加する必要はなく、一成分系の
ものにおいては、現像スリーブ、トナー規制ブレード等
に、また二成分系のものにおいてはキャリアにトナーと
の十分な荷電差を有するものを用いれば、所望の電荷に
トナーを帯電させることができる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、上記のごとき構成
の積層構造を有するものであり、安定した帯電性、定着
性、耐熱性等を発揮し、さらに望ましくは最終的に得ら
れるトナー粒子の形状特性として、粒径の変動係数が20
%未満好ましくは10%未満でかつ形状係数SF1が110〜14
0であることが好ましい。すなわち、このようにトナー
粒子を極めて球形度の高いかつ粒径分布の狭いものとし
た場合、トナー粒子の小粒径化を図っても、高い流動性
と安定したかつ均一な帯電特性を付与することができ、
カブリ、トナーの飛散などの問題を生じることなく安定
した現像性を付与することができるものである。
以下に、本発明を実施例を用いて説明する。
芯粒子Iの製造例成 分 重量部 ・スチレン−n−ブチル 100 メタクリレート樹脂:(St/BMA=7/3) (軟化点108℃;ガラス転移点 52℃;Mn =12000;Mw/Mn=14) ・カーボンブラック 5 (三菱化成工業社製、MA#8) ・低分子量ポリプロピレン 4 (三洋化成工業社製;ビスコール550P) 上記材料をボールミルで充分混合した後、140℃に加
熱した3本ロール上で混練した。混練物を放置冷却後、
フェザーミルを用い粗粉砕し、さらジェットミルで微粉
砕した。つぎに、風力分級し、平均粒径11μmの微粉末
を得た。得られた微粒子を芯粒子Iとする。
芯粒子IIの製造例 芯粒子の製造例Iにおいて材料としてカーボンブラッ
クを添加しない以外は、同様の組成、方法により、平均
粒径11μmの微粉末を得た。得られた微粒子を芯粒子II
とする。
芯粒子IIIの製造例 成 分 重量部 ・スチレン 70 ・n−ブチルメタクリレート 28 ・メタクリル酸 2 ・2,2−アゾビス−(2,4−ジメ 0.5 チルバレロニトリル)(和光純薬工業社製1級) 上記材料をサンドスターラーにより充分に混合して、
重合性組成物を調製した。この重合性組成物を濃度3重
量%のアラビアゴム水溶液中に攪拌器、T.Kオートホモ
ミクサー(特殊機化工業社製)により回転数3200rpmで
攪拌しながら、温度60℃で6時間重合反応させ、さらに
温度80℃に昇温し重合反応させた。重合反応終了後、反
応系を冷却して5回水洗後、濾過し乾燥して球状粒子を
得た。
得られた球状粒子をさらに風力分級し、平均粒径11μ
mのものとした。この球状粒子を芯粒子IIIとする。な
お、この球状粒子のMnは9600、Mw/Mnは10、軟化点(T
m)は110℃、ガラス転移点(Tg)は51℃であった。
芯粒子IVの製造例 芯粒子IIIの製造例において、重合条件を変更するこ
とによって; 平均粒径; 10μm 数平均分子量Mn; 9400 分散度Mw/Mn; 4 ガラス転移点Tg; 50℃ 軟化点Tm; 103℃ の球状粒子IVを得た 樹脂微粒子の製造方法 攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた、重合反応器
においてイオン交換水に完全ケン化ポリビニルアルコー
ルおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを乳化
剤として加え、過硫酸ナトリウムを重合開始剤として表
1に示すモノマー組成のものを混合攪拌、加熱下におい
て乳化重合を行い、造粒した。この後、造粒物を水分散
系で塩化カルシウムを用い凝固した。続いて凝固物を水
洗、濾過、真空乾燥した後、ジェット粉砕機により解砕
することにより表−1に示す樹脂微粒子A〜Lを得た。
得られた各微粒子について下記評価を行ない、結果を
表1中にまとめた。
数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)の測定 数平均分子量及び分散度はゲル浸透クロマトグラフィ
ーにより、以下に記す条件で測定し、標準ポリスチレン
により作成した検量線から換算した数値を示した。
検出器:RID−300型示差屈折計(日本分光工業社製) カラム:A−80M×2 温度 :35℃ 溶媒 :THF 流速 :1.0ml/min フローテスタにおける溶媒粘度が106ポイズになる時の
温度Tf値の測定方法 島津製作所社製フローテスターCFT−500型を用い測定
条件; ノズル ;1φ×1mm 昇温スピード;3℃/min 荷重 ;20kg/cm2 にて溶媒粘度を測定し、溶融粘度が106ポイズになる時
の温度をTf値とした。
ガラス転移温度(Tg) ガラス転移温度(Tg)は、セイコー電子工業社製 示
差走査熱量計SSC/580 DSC20を用いて測定した値を示し
た。
ゲル化成分量 ゲル化成分量とは、トルエンに対して溶けない樹脂成
分を示すものであり、本明細書に示される各値は以下の
測定方法によるものである。すなわち、測定する熱可塑
性樹脂(Ms)[g]をグラスフィルター(G−3)を用
いてソックスレー抽出器によって抽出する。こうして樹
脂中のトルエン可溶成分を取除き、不溶成分(Mr)の重
量[g]を乾燥後測定する。このようにして得られた不
溶成分の重量パーセントをゲル化成分量とした。
ゲル化成分量(%)=(Mr/Ms)×100 トナー〜の製造 上記で得られた芯粒子および樹脂微粒子を着色剤と共
に、下記表2に示した組み合わせおよび組成比で調合、
混合した後、それらの混合物を1500rpmで回転している
容量10lのヘンシェルミキサー中で2分間混合攪拌し、
芯粒子表面に樹脂微粒子および着色剤を付着させた。
次に、得られた混合物150gをハイブリダイザーNHS−
1型(奈良機械製作所社製)に装入し、室温下、羽根の
周速度78m/secで8分間処理を行ない、芯粒子表面に着
色剤を含有する均一な中間被覆層を形成した。
引き続いて、樹脂微粒子および荷電制御剤を、下記表
2に示した組み合せおよび組成比で調合、混合した以
外、中間被覆層形成時と同様に処理することにより、荷
電制御剤を含有する外殻被覆層を形成し、表2に示した
トナー〜を得た。
キャリアの製造 成 分 重量部 ・ポリエステル樹脂 100 (軟化点123℃、ガラス転移点 65℃、AV23、OHV40) ・Fe−Zn系フェライト微粒子 500 MFP−2(TDK社製) ・カーボンブラック 2 (三菱化成工業社製、AM#8) 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分混合、粉砕
し、次いでシリンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に
設定した押し出し混練機を用いて、溶融、混練した。混
練物を放置冷却後、フェザーミルを用いて粗粉砕し、さ
らにジェットミルで微粉砕した後、分級機を用いて分級
し、平均粒径60μmのキャリアを得た。
〔評価方法〕
得られたトナー〜に対して、以下に述べるように
諸特性の評価を行った。なお、各トナーは、トナー100
重量部に対してコロイダルシリカR−972(日本アエロ
ジル社製)0.1重量部で後処理を行い諸特性に対する評
価を用いた。結果を表3に示した。
1.微粉の含有率(粒度分布測定) トナーの製造例〜で製造したトナーを、製造例で
示したキャリアとトナー/キャリア=7/93の割合で混合
し、2成分系現像剤を調整した。この現像剤に対して、
トナー〜、〜に対して普通紙複写機EP−570Z
(ミノルタカメラ(社)製)を、トナー、に対して
は普通複写機EP−470Z(ミノルタカメラ社製)を、トナ
ー、に対しては普通複写機EP−470Zの定着器をオイ
ル塗布型に改造した装置を用いて白紙を50000枚をコピ
ーし、その時のトナー中の微粉量の変化を測定した。
微粉の含有率は、まずトナーの粒度分布を測定し、粒
度分布において、0.5μm以上、トナーの重量平均粒径
の1/2以下の個数粒度分布の割合(重量%)として表わ
した。
トナーの粒度分布の測定は次のようにした行った。ま
ず、現像器中の5箇所から現像剤を約5gづつサンプリン
グし、界面活性剤を溶かした水系に分散する。この分散
液を超音波照射した後、マグネットによりキャリアのみ
を除去し、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−1100
(島津製作所(社)製)を用いてトナーの粒度分布を測
定した。
2.耐刷テスト(画像上の黒斑点) 上記粒度分布測定方法において、白紙コピーのかわり
にデータクェスト社標準チャートを適性露光下でコピー
し、100000枚の耐刷テストを行った。このときの、画質
を目視評価し、現像器中の混合攪拌により発生する凝集
物の量によりランク付けを行った。△ランク以上で実用
上使用可能であるが、○ランク以上が好ましい。
3.透光性の評価 上記の耐刷テスト初期において、OHPシート上にコピ
ーを行い、オーバーヘッドプロジェクターでスクリーン
に投影し、色調から透光性を評価して、ランク付けを行
った。△ランク異常で実用上使用可能であるが、△ラン
ク以上が好ましい。
発明の効果 本発明の静電荷像現像用トナーは、被覆層の剥離が生
じにくく、耐久性、安定性に優れ、黒斑点等のない高画
質の画像を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 純二 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 佐野 央一 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 小林 誠 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭63−240937(JP,A) 特開 昭58−176643(JP,A) 特開 平1−142557(JP,A) 特開 平2−985(JP,A) 特開 昭63−40169(JP,A) 特開 昭63−244052(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯粒子、該芯粒子上に中間被覆層および外
    殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の静電荷像現
    像用トナーにおいて、該芯粒子、中間被覆層および外殻
    被覆層がスチレン−アクリル系共重合樹脂で構成され、
    該スチレン−アクリル系共重合樹脂の数平均分子量(M
    n)が、芯粒子よりも中間被覆層における方が大きく、
    かつ中間被覆層より外殻被覆層における方が大きい静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】芯粒子、該芯粒子上に中間被覆層および外
    殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の静電荷像現
    像用トナーの製造方法において、該芯粒子、中間被覆層
    および外殻被覆層がスチレン−アクリル系共重合樹脂を
    構成し、該芯粒子上に該スチレン−アクリル系共重合樹
    脂の数平均分子量(Mn)が該芯粒子よりも大きい樹脂粒
    子を付着させた後、衝撃力で成膜して該中間被覆層を構
    成し、該中間被覆層上に該スチレン−アクリル系共重合
    樹脂の数平均分子量(Mn)が該中間被覆層よりも大きい
    樹脂粒子を付着させた後、衝撃力で成膜して該外殻被覆
    層を構成することを特徴とする静電荷像現像用トナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】芯粒子、該芯粒子上に中間被覆層および外
    殻被覆層をこの順に積層してなる積層構成の静電荷像現
    像用トナーにおいて、該芯粒子、中間被覆層および外殻
    被覆層がスチレン−アクリル系共重合樹脂を構成し、該
    芯粒子上に該スチレン−アクリル系共重合樹脂の数平均
    分子量(Mn)が該芯粒子よりも大きい樹脂粒子を付着さ
    せた後、衝撃力で成膜して該中間被覆層を構成し、該中
    間被覆層上に該スチレン−アクリル系共重合樹脂の数平
    均分子量(Mn)が該中間被覆層よりも大きい樹脂粒子を
    付着させた後、衝撃力で成膜して該外殻被覆層を構成し
    て得たことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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