JP2744291B2 - イミド化アクリル樹脂の製造法 - Google Patents

イミド化アクリル樹脂の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は透明性および耐熱性の優れたイミド化アクリ
ル樹脂の製造法に関する。
〔従来の技術〕
近年、弱電部品や工業部品特に車輌部品などの用途に
おいてアクリル樹脂の耐熱性向上に対する要求が強くな
りつつある。
メタクリル樹脂の耐熱性を向上させる従来の技術とし
てメタクリル系重合体をイミド化する方法が知られてい
る。例えば、日本特許第1363497によれば実質的に無水
状態において押出機中でアクリル系重合体とアンモニア
または第一級アミンとを約200℃〜450℃の温度において
反応させイミド単位を含むDMFに可溶なイミド化アクリ
ル樹脂の製法が知られている。しかしながらこの方法は
非常に特殊な構造の押出機を用いて、しかも実質的に無
水の条件を維持して製造する方法であり、高価な装置経
費と非常にわずらわしい条件の維持が要求されるばかり
でなく、部分的にイミド化されたアクリル樹脂を製造す
る場合、得られる生成物が組成的に不均一になりやすい
という問題がある。また実質的に無水の条件維持に注意
をはらっても、生成物中に酸および酸無水物の副生が避
けられず、そのために生成物の流動性が低下し、また吸
収率が増大するという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、このような事情のもとで、反応試薬
としてアンモニアまたは第一級アミンを使用することな
く、一般的な装置である槽型反応器を用い、実質的に生
成ポリマー中に酸および酸無水物の副生がなく高品質の
透明なイミド化アクリル樹脂を工業的に有利に製造する
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、本発明によりすなわち 一般式CH2=CR1(Y)(式中、R1は水素原子またはメ
チル基を示し、YはCONHR2を示す。ただし、R2は水素原
子、アルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。)
で表わされるアクリル系アミドとメタクリル酸メチルと
をラジカル融合触媒の存在下に共重合したのちイミド化
反応を行うにあたり、重合反応およびイミド化反応にお
ける溶媒として水を30wt%以下含有したメタノールを使
用し、アクリル系アミドに対して0.5〜10倍モルのメタ
クリル酸メチルを用い、その一部を予めアクリル系アミ
ドと共に該溶媒中に加えて混合し、その残りのメタクリ
ル酸メチルを供給しながら、共重合した後、塩基性触媒
の存在下でイミド化反応を行い、共重合体中のアクリル
系アミド単位をグルタルイミド単位に実質的に完全に変
換することにより達成される。
また、上記目的は、前記方法においてアクリル系アミ
ドの重合率を少なくとも90モル%以上になるように重合
反応を進めた後、イミド化反応を行うことにより達成さ
れる。
さらに、上記目的は、前記の方法等において、重合温
度を80〜150℃とすること、イミド化反応を80〜150℃で
行うこと等により達成することができる。
一般式CH2=CR1(Y)(式中、R1は水素原子またはメ
チル基を示し、YはCONHR2を示す。ただし、R2は水素原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基を示す。)で表わされるアクリル系アミドとメ
タクリル酸メチルはイミド形成性基となる原料単量体で
あって同一ポリマー鎖の中にある3個炭素原子で隔てら
れた2個の官能基Yまたは官能基Yとメタクリル酸メチ
ルに由来するエステル基の間で次の反応により6員環イ
ミド基が形成される。
ここでR1,R2は上記のとおりであるが、R2は特に水素
原子、メチル、エチル、シクロヘキシル基である場合が
好適であり、さらに好適なのは水素原子の場合である。
また使用するメタクリル酸メチルの0.1倍モル以下の量
でアクリル酸エステル類および芳香族ビニル化合物を併
用してもよい。0.1倍モル以上の量でアクリル酸エステ
ル類および芳香族ビニル化合物を併用すると、アミド基
の残存や生成ポリマーの熱変形温度の低下をもたらすの
で好ましくない。
本発明において、最も特徴とするところは、重合反応
およびイミド化反応の溶媒として微量乃至少量の水を含
有してもよいメタノールを使用することであるが、それ
は以下に述べるようにきわめて重要な意義を有してい
る。
第一に、後で詳しく説明するイミド化反応の有効な触
媒である塩基性触媒に対して十分な溶解力を有するこ
と。
第二に、水分の混入があってもメタノールの存在で酸
あるいは酸無水物の副生を完全に防止できること。
第三に、他のアルコール類を用いた場合、メタクリル
酸メチルのエステル基が溶媒のアルコールとエステル交
換反応を起し生成ポリマーの熱変形温度を低下させたり
するし、また多価アルコールやそのエステル化物を用い
た場合には、架橋製造が生成し流動性を失うことがある
が、メタノールの場合はメチルエステル基を維持できる
こと。
第四に、特に好ましいアクリル系アミドであるメタク
リルアミドまたはアクリルアミドを使用する場合、これ
らはメタクリル酸メチルに溶解せず、溶媒を使用しなけ
れば均一な組成の共重合体は生成しないが、水を30%以
下含有するメタノールは両者を溶解して均一溶液にする
ことができる。またメタクリルアミドおよびアクリルア
ミドは純粋な状態では結晶質固体であり重合防止剤が有
効に作用できず保存中に一部がポリマー化しやすい。こ
のホモポリマーは少量でも目的物質であるイミド化アク
リル樹脂の透明性を著しく損うものである。メタクリル
アミドやアクリルアミドをメタノール溶液状で保存する
ことは重合防止剤の有効な作用をもたらし保存中の重合
を完全に防止できる。
第五に、通常メタノールまたは含水メタノールはポリ
メタクリル酸メチルを溶解しないと考えられているが、
意外にもアクリル系アミドに対して0.5〜10倍モルの範
囲のメタクリル酸メチルを使用して本発明の方法に従っ
て得られたイミド化する前の共重合体はオートクレーブ
中で加圧下にて80℃以上、好ましくは100℃以上に加熱
された状態では工業的に実施するに必要な十分に高濃度
において、メタノールまたは水を30wt%まで含有する含
水メタノールにほぼ均一に溶解した状態になることが判
明した。生成共重合体が均一に溶解していることは透明
なイミド化アクリル樹脂を得るためのきわめて重要な事
項である。含水量が30wt%を超えると、該共重合体は、
工業的に実施するに必要な十分に高濃度において、均一
に溶解せず、透明なイミド樹脂が得られない。
第六に、イミド化反応が完結したポリマーは一般に常
温付近ではメタノールまたは含水メタノールに不溶であ
り、反応液を常温付近まで冷却することでポリマーは反
応液から固体状で析出し、過等による分離、さらにメ
タノールによる洗滌を行うことで塩基性触媒が有効に除
去され、目的物を容易に回収することができる。
以上述べた第一〜第六の理由により、本発明者らが溶
媒として水を30wt%以下含有したメタノールが使用でき
ることを見い出したことは本発明においてきわめて重要
な意義を有している。
使用するメタノールは無水メタノールでも、また微量
(5wt%未満)あるいは少量(5〜30wt%)の水分を混
入したものでもよく、それにより有害な酸および酸無水
物の副生をもたらす恐れはない。重合反応およびイミド
化反応において使用する溶媒の量は使用する全単量体の
重量の0.1〜10倍量、好ましくは0.5〜2倍量である。
本発明において使用するラジカル重合触媒としては、
例えばジ−tertブチルパーオキサイド、ジクミルバーオ
キサイド、メチルエチルケトンバーオキサイド、ジ−te
rtブチルパーフタレート、tertブチルパーベンゾエー
ト、tertブチルパーアセテート等の有機過酸化物、アゾ
ビスイソブタノールジアセテート、1,1アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジ
メチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2
プロピルアゾホルムアミド等のアゾ化合物が挙げられ
る。これらのラジカル重合触媒は単独でまたは2種類以
上混合して使用することができる。
重合度調節剤を使用して所望の重合度に調節すること
ができるが、それにはメルカブタン類が使用できる。例
えば、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタ
ン、nオクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、sec−ブチルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプ
タン、t−ブチルメルカプタン、フェニルメルカプタ
ン、チオクレゾール、チオグリコール酸とそのエステル
等が挙げられる。
ラジカル重合触媒および重合度調節剤の使用量は、そ
れらの種類、重合温度、重合時間、所望する重合度等に
応じて適宜決定される。
本発明における重合工程は半回分法が採用される。ア
クリル系アミドとメタクリル酸メチルの反応性は一般に
異っており、一括して両方の単量体全量を槽型反応器に
仕込んで重合する回分式重合法では重合反応の進行とと
もに、共重合比の異なるポリマーが生成し、イミド化反
応を経て得られるイミド化アクリル樹脂の透明性が著し
く劣ったものになり、不透明な白濁したポリマーになる
こともある。この問題を避けて常に一定の共重合比の共
重合体を得るのに、原理的には流通式の完全混合槽型反
応器を使用すれば可能ではあるが、未反応のアクリル系
アミドの残存がイミド化反応工程で著しい着色をもたら
すために、その重合率を少なくとも90モル%以上まで高
める必要があり、流通式では反応時間が極端に長くなり
経済的でない。
半回分法による重合法の採用により透明性に優れるイ
ミド化アクリル樹脂が得られることが本発明者の検討に
より確認された。本発明の重合工程をさらに詳しく説明
する。
例えば、オートクレーブにメタノール、水、アクリル
系アミド単量体、ラジカル重合触媒および重合度調節剤
そしてメタクリル酸メチルの一部を仕込み均一に溶解す
る。ここで系内に窒素ガスを導入して酸素を除去するこ
とが望ましい。ここで仕込むメタクリル酸メチルとアク
リル系アミドのモル比は、所望の共重合体組成比、両単
量体の間のその重合温度での混合溶媒中で実測された共
重合反応性比r1,r2(1,2はそれぞれメタクリル酸メチ
ル、アクリル系アミドを指す。)に従い、計算により決
定する。オートクレーブは80〜150℃、好ましくは100〜
120℃の範囲まで昇温して重合を開始する。それととも
に定量ポンプを使用して残りのメタクリル酸メチルを連
続的に圧入する。その注入する速度の設定が透明性の優
れるイミド化アクリル樹脂を得るために重要である。そ
の原理は重合反応の進行過程において、常に重合系での
アクリル系アミドとメタクリル酸メチルの両単量体の組
成比が最初に仕込んだ両単量体の組成比になるように消
費速度の大きいメタクリル酸メチルを追加しながら重合
することである。
上述の両単量体の組成比は目的物質であるイミド化ア
クリル樹脂のグルタルイミド含有量に応じて決定される
ものである。また採用した重合系における両単量体の消
費速度は予め同一反応条件で回分操作での重合反応に
て、例えば反応液中の両単量体の残存量をガスクロ分析
法で測定することにより求めることができる。
上述の原理に従えば、重合進行中に供給するメタクリ
ル酸メチルの供給速度は重合時間とともに連続的に変化
する曲線となるが、実際には、この曲線に近似できる段
階的な供給速度の調節でも十分に目的が達成され、透明
なイミド化アクリル樹脂を得ることができる。
以上述べた半回分法による重合法を採用して、アクリ
ル系アミドに対して0.5〜10倍モルの範囲のメタクリル
酸メチルの一部を予めアクリル系アミドと混合し、残り
を連続的に供給しながら共重合反応を行う。0.5倍モル
以下のメタクリル酸メチルを使用した場合は後で詳しく
述べるイミド化反応が円滑に進行せず、好ましくないア
ミド基の残存が起りやすく、また10倍モル以上のメタク
リル酸メチルを使用するとポリメタクリル酸メチルと比
較して、ほとんど耐熱性の向上が得られない。
重合反応においては特にアクリル系アミドの重合率が
少なくとも90モル%以上になるまで進めることが望まし
い。アクリル系アミド単量体の残存が、10モル%以上で
あると次のイミド化工程において反応液が黄色に強く着
色し、得られるイミド化アクリル樹脂にも着色をもたら
すので好ましくない。
重合反応が終了すると、引き続きイミド化反応に進む
が、その反応は重合反応槽において、好ましくは別の槽
型反応器に反応液を移送して行う。本発明においては前
述の2通りのイミド化反応を促進するために塩基性触媒
を使用する。塩基性触媒としては無機塩基化合物および
有機塩基化合物が挙げられる。無機塩基化合物として
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、有機塩基化合物としては
2−フェニルメチルイミダゾール、グアニジン、1,8−
ジアザビシクロ−〔5,4,0〕ウンデセン−7などのイミ
ン類、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ
重合アルコキシドが挙げられ、なかでもナトリウムメト
キシドが特に好ましい。その添加方法はメタノール溶液
にして反応器に圧入する方法が好適である。
塩基性触媒の添加量は重合に供した全単量体重量の0.
001〜1重量%の範囲の量であり、好ましくは0.01〜0.5
重量%である。塩基性触媒の添加量が0.001重量%以下
の場合、次に述べる好適なイミド化反応温度において反
応が円滑に進行しない。また1重量%以上では触媒の回
収されたポリマーへの混入量が増加してポリマー品質を
劣化させるので好ましくない。
イミド化反応は、塩基性触媒の存在下で80〜150℃の
温度範囲、好ましくは100〜120℃の温度範囲で行う。80
℃以下の温度では反応が円滑に進行しないし、また150
℃以上の温度でイミド化反応を行うと著しくポリマーが
着色するので好ましくない。反応時間は反応温度、塩基
性触媒の種類と量、アクリル系アミドの種類と共重合比
等により変化するが、共重合体中のアクリル系アミドに
由来するアミド基をグルタルイミド基単位に実質的に完
全に変換するまで、さらに具体的には、例えば95%以上
変換するまで反応を進めるに十分な時間である。反応が
不完全でアミド基が残存すると目的物であるイミド化ア
クリル樹脂の熱安定性、色相を損い、またその吸収率が
増加し耐候性も悪化するので好ましくない。イミド化反
応の反応率は、例えば生成ポリマーの1H−NMRスペクト
ルを測定することで求めることができる。アクリル系ア
ミドとしてメタクリルアミドを用いた場合、d−DMSO中
で6.6ppm付近に残存アミドの吸収が現われ、その積分強
度より残存アミド基を定量し反応率を求めることができ
る。
イミド化反応が完結したポリマーは反応液を常温付近
まで冷却することで固化析出するので、母液より分離
し、さらに多量のメタノールで洗滌し乾燥することで回
収できる。また、使用した塩基性触媒の量が極く少量で
ある場合は反応液をそのまま脱基機能を有する押出機に
導き、未反応単量体、溶媒等を除去することにより、ペ
レット状にて回収することができる。
このようにして得られたイミド化アクリル樹脂はその
ままでも、射出成形や押出成形に提供することができる
が、必要に応じ、さらに亜りん酸エステル等の熱安定剤
やベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの光
安定剤を添加してもよく、さらに滑剤として流動パラフ
ィン、C8〜C22の高級脂肪酸、C4〜C22の高級脂肪酸の金
属塩、エチレンビス脂肪酸アミド、ステアリルアルコー
ルなどの高級脂肪酸アルコール、アジピン酸やセバシン
酸のジブチルまたはジオクチルエステル、高級脂肪酸の
モノ、ジ、トリグリセリドなどを添加してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、重
合体の物性測定は次の方法によった。
(1) 重合体の還元粘度はオストワルド粘度計により
重合体濃度0.5g/dlのジメチルホルムアミド溶液の流動
時間(ts)とジメチルホルムアミドの流動時間(to)と
を温度25±0.1℃で測定し、ts/to値から重合体の相対粘
度ηre1を求め、次式より算出した値である。
還元粘度=(ηre1−1)/0.5 (2) 成形品の全光線透過率(%)はASTM D−1003法
によって測定した。
(3) 熱変形温度はASTM D−648に基いて測定した。
(4) グルタルイミド組成(mole%)は200MHz核磁気
共鳴スペクトルを用いグルタルイミドに特有な吸収3.57
ppmの積分強度をもとに算出した。
(5) 熱分解開始温度は熱重量測定装置(TGA)を使
用して求めた。試料重量5mgでN2ガス雰囲気中昇温速度1
0℃/分で昇温し重量減少が始まる温度を熱分解開始温
度とした。
実施例1 撹拌装置、温度計および定量ポンプを装備した2オ
ートクレーブを用い、メタクリル酸メチル282g、メタク
リルアミド152g、メタノール565g、ジ−t−ブチルパー
オキサイド4.3gおよびn−オクチルメルカプタン0.7gを
加え、撹拌下に120℃へ昇温し共重合を開始した。重合
の進行とともに定量ポンプを用いてメタクリル酸メチル
400gを3.0ml/分の速度で30分間、2.5ml/分の速度で40分
間、2.0ml/分の速度で50分間、1.5ml/分の速度で60分
間、最後に0.5ml/分の速度で40分間と変化させながら連
続的に供給して共重合を6時間行った。
引き続き同一装置、同一温度でナトリウムメトキシド
1.1g含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて供給
し撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、系内の
温度が45℃となった時に沈澱したポリマーを取り出し、
メタノールで洗滌後130℃で1昼夜減圧乾燥を行い重合
体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトル、1H−NMRを測
定したところ、赤外吸収スペクトルではグルタルイミド
のイミド基にもとづく、3250cm-1,3100cm-1,1690cm-1
見られ、さらに1H−NMRではグルタルイミドプロトンの
スペクトルが10ppmに、グルタルイミドのメチルプロト
ンが1.25ppmに見られ、グルタルイミド含有共重合体で
あることが確認された。また反応しなかったアミド基の
吸収は6.6ppmに現われるはずであるが、検出されなかっ
た。
得られた重合体の物性を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル257
g、メタクリルアミド257g、水20gを含有したメタノール
790g、ジ−t−ブチルパーオキサイド6.5gおよびオクチ
ルメルカプタン1.3gを加え、撹拌下に120℃へ昇温し共
重合を開始した。重合の進行とともに定量ポンプを用い
てメタクリル酸メチル224gを1.5ml/分の速度で60分間、
1.0ml/分の速度で60分間、最後に0.5ml/分の速度で180
分間と変化させながら連続的に供給して共重合を7時間
行った。
引き続き同一装置、同一温度でナトリウムメトキシド
を1.1g含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて供
給し、撹拌下1.5時間反応を行った。反応終了後、系内
の温度が45℃となった時に沈澱したポリマーを取り出
し、メタノールで洗滌後、140℃で一昼夜減圧乾燥を行
い、重合体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトル、1H−NMRを測
定したところ、赤外吸収スペクトルではグルタルイミド
のイミド基にもとづく吸収が、3250cm-1,3100cm-1,1690
cm-1に見られ、さらに1H−NMRではグルタルイミドプロ
トンのスペクトルが10ppmに、グルタルイミドのメチル
プロトンが1.25ppmに見られ、グルタルイミド含有共重
合体であることが確認された。また、6.6ppmに未反応ア
ミド基の吸収が痕跡として認められ、その積分強度から
求めたアミド基の反応率は9.9%であった。
得られた重合体の物性値を第1表に示す。熱変形温度
は167℃と高く、全光線透過率は90%と透明性に優れた
ものであった。
実施例3 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル158
g、メタクリルアミド267g、メタノール789g、ジ−t−
ブチルパーオキサイド6.1gおよびn−オクチルメルカプ
タン1.2gを加え、撹拌下に120℃へ昇温し共重合を開始
した。重合の進行とともに定量ポンプを用いてメタクリ
ル酸メチル154gを1.0ml/分の速度で100分、0.5ml/分の
速度で50分間と変えながら連続的に供給して共重合を7
時間行った。引き続き、同一装置、同一温度でナトリウ
ムメトキシド1.1gを含むメタノール溶液50mlを定量ポン
プを用いて供給し撹拌下で1.5時間反応を行った。反応
終了後、系内の温度が45℃となったとき、沈澱したポリ
マーを取り出し、メタノールで洗滌後、140℃で一昼夜
減圧乾燥を行い重合体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトル、1H−NMRを測
定したところ、グルタルイミド含有共重合体であること
が確認された。1H−NMRの6.6ppmに未反応アミド基の吸
収が痕跡として認められ、その積分強度から求めたアミ
ド基の反応率は96%であった。得られた重合体の物性値
を第1表に示す。熱変形温度は193℃と極めて高く、全
光線透過率も87%と透明性に優れるものであった。
実施例4 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル245
g、アクリルアミド110g、メタノール916g、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド5.0gおよびn−オクチルメルカプタ
ン0.8gを加え撹拌下に120℃へ昇温して共重合を開始し
た。重合の進行とともに定量ポンプを用いてメタクリル
酸メチル373gを2.0ml/分の速度で60分間、1.5ml/分の速
度で60分間、1.0ml/分の速度で120分間、0.5ml/分の速
度で80分間と変化させながら連続的に供給して共重合を
7時間行った。
引き続き、同一装置、同一温度でナトリウムメトキシ
ド1.1gを含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて
供給し、撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、
系内の温度が45℃となった時、沈澱したポリマーを取り
出し、メタノールで洗滌後、120℃で一昼夜減圧乾燥を
行い重合体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトル、1H−NMRを測
定したところ、赤外吸収スペクトルではグルタルイミド
のイミドに基づく吸収が、3250cm-1,3100cm-1,1700cm-1
に見られ、さらに1H−NMRではグルタルイミドプロトン
のスペクトルが10ppm、グルタルイミドのメチルプロト
ンが1.25ppmに見られグルタルイミド含有重合体である
ことが確認された。また、未反応アミド基の吸収が6.6p
pm付近に痕跡として認められ、その積分強度より求めた
アミド基の反応率は96%であった。
得られた重合体は熱変形温度129℃、全光線透過率85
%であり、耐熱性、透明性に優れたものであった。
実施例5 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル158
g、N−メチルメタクリルアミド307g、メタノール789
g、ジ−t−ブチルパーオキサイド6.1gおよびn−オク
チルメルカプタン1.2gを加え、撹拌下に120℃へ昇温し
共重合を開始した。重合の進行とともに定量ポンプを用
いてメタクリル酸メチル160gを1.0ml/分の速度で100分
間、0.5ml/分の速度で50分間と変化させながら連続的に
供給して共重合を7時間行った。
引き続き、同一装置、同一温度でナトリウムメトキシ
ド1.1gを含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて
供給し撹拌下1.5時間反応を行った。反応終了後、系内
の温度が45℃となった時、沈澱したポリマーを取り出し
メタノールで洗滌して130℃で一昼夜減圧乾燥を行い重
合体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトルではグルタルイ
ミドの特有な吸収が1660cm-1,742cm-1に見られ、また1H
−NMRではグルタルイミドのメチルプロトンが1.25ppmに
見られグルタルイミド含有重合体であることが確認され
た。重合体の物性を第1表に示す。
実施例6 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル282
g、メタクリルアミド152g、メタノール590g、水56g、ジ
−t−ブチルパーオキサイド4.3gおよびn−オクチルメ
ルカプタン0.7gを加え、撹拌下に120℃へ昇温し共重合
を開始した。重合の進行とともに定量ポンプを用いてメ
タクリル酸メチル400gを3.0ml/分の速度で30分間、2.5m
l/分の速度で40分間、2.0ml/分の速度で50分間、1.5ml/
分の速度で60分間、最後に0.5ml/分の速度で40分間と変
化させながら連続的に供給して共重合を6時間行った。
引き続き同一装置、同一温度でナトリウムメトキシド
1.1gを含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて供
給し撹拌下で1.5時間反応を行った。
反応終了後、オートクレーブのサンプリング用ノズル
を用いて別の2オートクレーブと配管で連結し、サン
プリング用ノズルと配管部分をリボンヒーターで120℃
に加熱するとともに新たに連続したオートクレーブをN2
ガスで5kg/cm2に加圧した。ポリマー溶液が入っている
オートクレーブをN2ガスで7kg/cm2まで昇圧し、サンプ
リング用ノズルのバルブを開いてポリマー溶液を新たに
連結したオートクレーブに移送した。系内の温度が45℃
となった時に沈澱したポリマーを取り出し、メタノール
で洗滌後130℃で一昼夜減圧乾燥を行い重合体を得た。
この反応生成物の赤外吸収スペクトル、1H−NMRを測
定したところ、赤外吸収スペクトルではグルタルイミド
のイミド基にもとづく、3250cm-1,3100cm-1,1690cm-1
見られ、さらに1H−NMRではグルタルイミドプロトンの
スペクトルが10ppmに、グルタルイミドのメチルプロト
ンが1.25ppmに見られ、グルタルイミド含有共重合体で
あることが確認された。また反応しなかったアミド基の
吸収は6.6ppmに現われるはずであるが、検出されなかっ
た。
また、13C−NMRではカルボン酸のカルボニル炭素の吸
収は180ppm付近に現われるはずであるが、検出されなか
った。
比較例1 実施例1と同じ装置を用い、メタクリル酸メチル244
g、メタクリルアミド131g、メタノール751g、ジ−t−
ブチルパーオキサイド5.0gおよびオクチルメルカプタン
0.8gを加え撹拌下に120℃へ昇温し共重合を開始し、そ
のまま、メタクリル酸メチルを供給することなく重合を
3時間行った。
引き続き、同一装置、同一温度でナトリウムメトキシ
ドを1.0g含むメタノール溶液50mlを定量ポンプを用いて
供給し撹拌下1.5時間反応を行った。反応終了後、系内
の温度が45℃となった時、沈澱したポリマーを取り出し
メタノールで洗滌後120℃一昼夜減圧乾燥を行い重合体
を得た。
この反応生成物は赤外吸収スペクトル、1H−NMRより
グルタルイミド含有重合体であることが確認され、熱変
形温度も159℃と耐熱性に優れたものであったが、全光
線透過率が58%と透明性に劣るものであった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、アクリル系アミドとメタクリル酸メ
チルとから工業的有利に耐熱性に優れた透明なイミド化
アクリル樹脂が得られる。この熱可塑性重合体は例えば
弱電部品や工業部品等に車輌部品などの各種用途に好適
に用いられる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式CH2・CR1(Y)(式中、R1は水素原
    子またはメチル基を示し、YはCONHR2を示す。ただし、
    R2は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基
    を示す。)で表わされるアクリル系アミドとメタクリル
    酸メチルとをラジカル重合触媒の存在下に共重合したの
    ちイミド化反応を行うにあたり、重合反応およびイミド
    化反応における溶媒として水を30wt%以下含有したメタ
    ノールを使用し、アクリル系アミドに対して0.5〜10倍
    モルのメタクリル酸メチルを用い、その一部を予めアク
    リル系アミドと混合し、その残りを供給しながら共重合
    した後、塩基性触媒の存在下でイミド化反応を行い、共
    重合体中のアクリル系アミド単位をグルタルイミド単位
    に実質的に完全に変換することを特徴とするイミド化ア
    クリル樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】溶媒として、無水メタノールを用いる、請
    求項1に記載のイミド化アクリル樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】アクリル系アミドの重合率を少なくとも90
    モル%以上になるように重合反応を進めた後、イミド化
    反応を行う、請求項1または2に記載のイミド化アクリ
    ル樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】重合温度を80〜150℃とする、請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のイミド化アクリル樹脂の製造
    法。
  5. 【請求項5】イミド化反応を80〜150℃で行う、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のイミド化アクリル樹脂の
    製造法。
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