JP2743296B2 - 屋上設備機器の据付工法と屋上設備機器の据付構造 - Google Patents

屋上設備機器の据付工法と屋上設備機器の据付構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビル等の建屋の屋上に
各種の設備機器を据え付ける場合の屋上設備機器の据付
工法と屋上設備機器の据付構造に係り、特に、工期の短
縮を図るとともに、設備機器の保守・点検作業の作業性
を向上させ、さらに、設備機器より発生する振動・騒音
の建屋階下への影響を緩和するように工夫したものに関
する。
【0002】
【従来の技術】建屋の屋上には、各種設備機器、例え
ば、キュービクル、熱源機器、空調用室外機、各種タン
ク等が設置される。その構造を図3及び図4に示す。ま
ず、建屋としてのコンクリート製建築物101の天井ス
ラブコンクリート壁103の上には、コンリート105
が設けられている。このコンクリート105の上には防
水層107が設置されていて、さらに、その上には、防
水層押さえコンリート109が設置されている。上記防
水層押さえコンクリート109の上には、設備機器用基
礎111が打設されていて、この設備機器用基礎111
の上に各種の設備機器113が据付・固定されている。
【0003】次に、上記設備機器113の据付・固定に
到るまでの工事の工程について説明する。まず、屋上階
の天井スラブコンクリート壁103の打設工事が行われ
る。つまり、コンクリートを打設した後一定の養生期間
を経て天井スラブコンクリート壁103の築造が完了す
る。次に、防水関連工事に入る。すなわち、天井スラブ
コンクリート壁103のの上面に下地処理を施した後、
コンクリート105を打設し、その上に防水層107を
設置する。さらに、その上に防水層押さえコンクリート
109を打設するものである。
【0004】防水層押さえコンクリート109が築造さ
れたら、設備機器用基礎111の築造を開始する。すな
わち、型枠を設置するとともに型枠の内側に配筋を施
し、アンカーボルトを固定した後、基礎コンクリートを
打設する。そして、表面に仕上げ作業を施すものであ
る。設備機器用基礎111の築造が完了したら、その上
に設備機器113を据付・固定する。すなわち、架台1
15を設置した後、設備機器113を固定するものであ
る。後は、配管117の敷設工事、必要な電気工事を施
して完了するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と次のような問題があった。すなわち、天井スラブコン
クリート103の築造完了から設備機器113の据付・
固定が終了するまでに、各種の工事が集中して行われる
ことになり、しかも、それらの工事は平行して行うこと
ができないので、工期の延長を来してしまうという問題
があった。又、屋上部分には、各種の設備機器113や
配管117が所狭しと設置される状態となるので、設置
した後に設備機器113の保守・点検を行う場合にも、
必要な作業空間を確保することが難しく、保守・点検作
業を困難なものとしていた。さらに、従来の構造による
と、設備機器113を運転した場合に、騒音や振動が直
接階下に伝達されることになり、階下の居住環境を悪化
させてしまうという問題もあった。
【0006】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、工期の短縮を図ること
ができるとともに、設備機器の保守・点検作業のための
空間を確保し、階下への振動及び騒音の影響を緩和して
居住環境の向上を図ることが可能な屋上設備機器の据付
工法と屋上設備機器の据付構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明による屋上設備機器の据付工法は、建屋の天井
スラブコンクリート壁を築造した後、屋上に突出配置さ
れた逆梁上に架台を掛け渡すように設置し、上記架台上
において各種の設備機器の据付・固定を行うとともに、
上記架台下において上記天井スラブコンクリート壁への
防水関連工事及び配管・配線工事を行うようにしたこと
を特徴とするものである。
【0008】又、本願発明による屋上設備機器の据付構
造は、建屋の屋上に逆梁を突出配置させ、上記逆梁上に
架台を掛け渡すように設置し、上記架台上に各種の設備
機器を設置するとともに、配管及び配線を上記架台より
吊り下げるように設置したことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】まず、屋上設備機器の据付工法の場合である
が、逆梁を屋上に突出配置して、この逆梁上に架台を掛
け渡すように設置したので、架台の上と下の空間が区画
されることになり、架台の上において各種の設備機器の
据付・固定を行うとともに、架台の下において天井スラ
ブコンクリート壁への防水関連工事及び配管・配線工事
を行うことが可能になった。よって、工期が大幅に短縮
されることになる。
【0010】又、屋上設備機器の据付構造の場合である
が、架台の下に空間が確保されるとともに、配管・配線
類を架台より吊り下げて敷設しているので、設備機器の
回りに広い空間を確保することができる。よって、保守
・点検作業の作業性も大幅に向上することになる。又、
設備機器と建屋の階下との間に、架台及び空間が介在す
ることになるので、設備機器より発生する振動・騒音が
階下に与える影響を低減させることができる。
【0011】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して本発明の一実
施例を説明する。まず、屋上設備機器の据付構造から説
明する。まず、建屋としてのコンクリート製建築物1の
天井スラブコンクリート壁3があり、この天井スラブコ
ンクリート壁3の上には、コンクリート5が打設されて
いる。このコンクリート5の上面には、防水シート7が
設置されていて、この防水シート7は防水押さえブロッ
ク9によって押さえられている。
【0012】又、コンクリート製建築物1の屋上部分に
は、逆梁11が突出配置されている。その代わりに、天
井内部には梁がない構造になっている。そして、逆梁1
1と別の逆梁11との間には、架台としての設備機器設
置用鉄骨架台13が掛け渡されている。この設備機器設
置用鉄骨架台13の上には、防振架台17を介して設備
機器19が据付・固定されている。又、設備機器19が
据付・固定されていない部分には、メッシュ上をなす鋼
製エキスパンドメタル15を設置する。この鋼製エキス
パンドメタル15上は歩行可能な空間となっている。
又、上記防振架台17には、防振用バネ部材21が介挿
されている。
【0013】上記設備機器設置用鉄骨架台13の下方に
は、空間23が形成されている。又、各種配管類25及
び図示市内配線類は、上記設備機器設置用鉄骨架台13
よりブラケット29を介して吊り下げられるようにして
敷設される。又、設備機器19の保守・点検を行う場合
には、図に示すように、空間23内に作業員27が入っ
て行うことができるようになっている。
【0014】次に、屋上設備機器の据付工法について説
明する。まず、天井スラブコンクリート壁1の築造を行
う。この時点で逆梁11も築造される。次に、逆梁11
上に、設備機器設置用鉄骨架台13を設置する。設備機
器設置用鉄骨架台13の設置が完了したら、設備機器1
9の据付・固定を行う。その際、防振架台17を介在さ
せる。
【0015】一方、上記作業と平行して、設備機器設置
用鉄骨架台13の下方では、防水関連工事と配管・配線
作業が行われている。すなわち、設備機器19の据付・
固定作業は、全て設備機器設置用鉄骨架台13の上方で
行われており、設備機器設置用鉄骨架台13の下方で行
われる防水関連工事と配管・配線作業とは相互に干渉し
ないようになっている。具体的には、天井スラブコンク
リート壁3の上にコンクリート5が打設され、その上面
に防水シート7が設置される。そして、その上に防水押
さえブロック9が設置される。又、配管25及び図示し
ない配線の敷設作業は、設備機器設置用鉄骨架台13よ
り、ブラケット29等を介して行われる。
【0016】以上本実施例によると次のような効果を奏
することができる。まず、工期の短縮を図ることができ
る。これは、逆梁11を設けるとともに、この逆梁11
上に設備機器設置用鉄骨架台13を設置して、設備機器
設置用鉄骨架台13の上の空間と下の空間とを区画し
て、上の空間で行われる作業と下の空間で行われる作業
とが相互に干渉しないようにしたからである。つまり、
設備機器19の据付・固定作業と、防水関連工事及び配
管・配線工事を同時に行うことができるようになったか
らである。
【0017】又、設備機器19を設置した後の保守・点
検作業の作業性が大幅に向上したものである。つまり、
設備機器19の回りに広い作業空間が確保されたからで
ある。具体的には、配管・配線類が、設備機器設置用鉄
骨架台13の下面側に敷設されたことにより、設備機器
19の回りの空間が広くなったものであり、又、設備機
器設置用鉄骨架台13の下面側にも広い空間23が確保
されたからである。そして、このように広い作業空間が
確保されたので、設備機器19に対して六面方向から
(全周から)点検作業を施すことができるようになり、
又、架台や大型機器の揚重のためにタワークレーン等の
使用も可能になるものである。
【0018】又、設備機器19の運転に伴う振動及び騒
音の問題であるが、設備機器設置用鉄骨架台13を設置
するとともに、その下に空間23を形成したので、階下
への影響は大幅に緩和されることになり、階下の居住環
境を良好なものとすることができる。又、逆梁11を屋
上に突出させる代わりに、天井内の梁がなくなったの
で、天井内における空調ダクト工事等がやり易くなっ
た。又、天井高さを変えることなく階高を下げるような
ことも可能になる。さらに、天井が無いような室(例え
ば、スタジオ)にあっては、障害物が無くなるという利
点もある。
【0019】尚、本発明は前記一実施例に限定されるも
のではない。逆梁11の位置、設備機器設置用鉄骨架台
13の位置、高さ、等については適宜設定すればよい。
又、設備機器設置用鉄骨架台13上に設備機器19を直
接設置してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による屋上設
備機器据付工法と屋上設備機器据付構造によると、架台
の上と下でそれぞれの作業を同時に行うことができるよ
うになったので、工期が大幅に短縮されることになる。
又、設備機器の回りに広い空間を確保することができる
ので、保守・点検作業の作業性が向上することになる。
さらに、設備機器と建屋の階下との間に架台と空間が介
在することになるので、設備機器より発生する振動・騒
音の階下への影響を緩和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で屋上設備機器据付
構造の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で屋上設備機器据付
構造の平面図である。
【図3】従来例を示す図で屋上設備機器据付構造の断面
図である。
【図4】従来例を示す図で屋上設備機器据付構造の平面
図である。
【符号の説明】
1 コンクリート製建築物(建屋) 3 天井スラブコンクリート壁 5 コンクリート 7 防水シート 9 防水押さえブロック 11 逆梁 13 設備機器設置用鉄骨架台(架台) 25 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−212556(JP,A) 実開 昭60−77621(JP,U) 実開 平3−4851(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋の天井スラブコンクリート壁を築造
    した後、屋上に突出配置された逆梁上に架台を掛け渡す
    ように設置し、上記架台上において各種の設備機器の据
    付・固定を行うとともに、上記架台下において上記天井
    スラブコンクリート壁への防水関連工事及び配管・配線
    工事を行うようにしたことを特徴とする屋上設備機器の
    据付工法。
  2. 【請求項2】 建屋の屋上に逆梁を突出配置させ、上記
    逆梁上に架台を掛け渡すように設置し、上記架台上に各
    種の設備機器を設置するとともに、配管及び配線を上記
    架台より吊り下げるように設置したことを特徴とする屋
    上設備機器の据付構造。
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