JPH08209849A - 天井および天井裏設備の設置構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インサート工事や吊りボルトの施工、支持用
アンカーを要しなく、高所作業も減らせて作業性を改善
・向上でき、安全面にも優れている天井および天井裏設
備の設置構造を提供する。 【構成】 梁２など建築物の躯体側に、ガイドレール３
を配設し、天井下地をなす枠体１をガイドレール３に案
内させて上下にスライド可能とする。天井工事として
は、工事該当階のスラブ上に載置させた枠体１へ設備部
材および天井面部の部材を取付け、この後、駆動手段で
これを持上げて梁２の間に枠体１を納めて天井部分を完
成させる。設計変更等による配設位置の変更工事は、枠
体１を吊り下げセットした状態で行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井および天井裏設備
の設置構造に関し、特に天井下地として枠体を配設する
ような天井および天井裏設備の設置構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、ダクト等の設備部材や設
備機器を天井裏へ配設することがあり、そうした設備工
事および天井の仕上げ工事は、スラブ上に足場を仮設
し、その足場上で天井裏へ向かって作業を行うようにし
ている。また、リフト装置を搬入して、それの昇降台の
上で作業することも一般に行われている。いずれにして
も天井軽鉄および設備部材はインサート工事を行って、
このインサートを介して吊りボルトにより吊り下げるよ
うにしている。また設備機器の設置は打ち込みアンカー
によっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そうし
た仮設足場やリフト装置では、部材を取付け位置にまで
持上げて保持することに手間がかかり、煩しく面倒で作
業効率が悪いという問題があった。また、インサートや
吊りボルトの配設工事は作業としては簡単で単純なもの
であるが、配設数量が多大となるため作業に時間を要
し、無視できない。さらに、仮設足場や昇降台の上での
作業には、高所であるため言うまでもなく安全面へも注
意をはらう必要があり、この点からも作業効率を上げる
ことには困難があった。

【０００４】そして、設計変更等のため設備機器の配設
位置を変えるような場合は、支持用のアンカーを打つこ
ととなることから、その際、上階の床スラブにすでに埋
設してある配管などを損傷させるおそれもある。

【０００５】本発明は前記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、インサート工事、吊りボルトの施
工、アンカーの打ち込みを必要とすることなく、高所作
業も極力減らすことにより作業性を改善・向上でき、安
全面にも優れている天井および天井裏設備の設置構造を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、梁などの建築物躯体側に取付けられる一対の
ガイド部材と、これらガイド部材間にこれらに案内され
て上下にスライド可能に設けられ、天井下地をなす枠体
と、該枠体をスライドさせて引き上げる引上げ手段とを
備えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の作用について述べると、配管等の設備
部材や設備機器が枠体へ取付けられ、この枠体は一対の
ガイド部材に案内されて梁などの建築物躯体に対して上
下にスライドされる。このため天井工事としては、工事
該当階のスラブ上に載置させた枠体へ設備部材や設備機
器および天井面部の部材を取付け、この後、引上げ手段
で枠体を持上げることになる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例につき、添付図面を参
照して説明する。図１は、本発明の好適な一実施例を示
す側面図である。同図はビル等の建築物で工事途上にあ
る階の天井部分を示している。

【０００９】本発明は、建築物の天井部分に対する設置
構造であり、配管等の設備部材や設備機器が天井下地を
なす枠体１へ取付けられ、建築物の躯体側に対して昇降
されるようになっている。つまり、梁２などの建築物躯
体側には一対のガイドレール３が上下方向に配設され、
枠体１がガイドレール３に案内されて上下にスライド可
能とされる構成となっている。

【００１０】枠体１は、本実施例では鋼材によりかご構
造に構成されており、梁２の設置間隔間に挿入されるサ
イズとされ、その両側部にはガイドレール３と連係され
る係合部１０が設けられている。さらに、この両側部に
は、ガイドレール３との間で昇降動作させるための駆動
手段が設けられている。本実施例では、ガイドレール３
の上方に滑車４０が配置され、係合部１０の上端に係止
した昇降ロープ４１を滑車４０を介して巻き取り部４２
で巻き取るようになっている。なお、この駆動手段は、
これに限定されるものではない。例えば油圧シリンダを
配置して、これにより昇降動作させるように構成しても
よく、あるいはギア機構とすることもできる。

【００１１】枠体１には、ダクト５０等の設備部材が配
設される。またさらに、設備部材として、消火配管５
１，給水配管５２，下水配管５３および各種のケーブル
類５４が枠体１へ配設されている。これら設備部材およ
び天井ボード等の取付けや仕上げは床の上で行えばよ
く、枠体１を工事該当階のスラブ上に載置させて取付け
作業を実施すればよい。

【００１２】天井工事としては、設備部材および天井ボ
ード等の取付けや仕上げを完了した枠体１を上方の取付
け位置まで持上げてガイドレール３に係合部１０を係合
させ、昇降ロープ４１を取り回してセットする。図１
（Ａ）に示すこの吊り下げの状態から次に駆動手段を動
作させ、つまり昇降ロープ４１を巻き取れば、枠体１が
上昇移動して梁２の間に納まり、図１（Ｂ）に示すよう
に、天井部分が完成することとなる。

【００１３】なお、設備部材および天井ボード等の取付
けや仕上げは、図１（Ａ）に示す吊り下げの状態で行っ
てもよい。このように枠体１を工事該当階の梁２に対し
て吊り下げセットした状態を確保できるので、設計変更
等のため設備機器の配設位置を変えるといった工事は簡
単・容易に行うことができ、従来必要とした支持用アン
カーは打たなくてもよいので、上階の床スラブにすでに
埋設してある配管などを損傷させるおそれもない。

【００１４】このように、工事該当階のスラブ上で天井
下地の枠体１を組立て、設備部材、設備機器および天井
面部の部材をその枠体１へ取付けた後、これを駆動手段
で持上げて、建築物の躯体側へ取付けたガイドレール３
に案内させて上下にスライド可能とすることから、従来
のような大掛かりな仮設足場やリフト装置は不要であ
り、高所作業は必要最低限ですむ。このため、安全面に
優れる。また、従来要したインサート工事、吊りボルト
の配設工事は必要ない。したがって、作業が容易であっ
て、作業性を格段に改善・向上することができる。

【００１５】また、枠体１は適宜なサイズのかご構造に
構成することから、工場生産でき、ユニット化すること
もできて、施工工程の管理面で好ましい。

【００１６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる天井および天井裏設備の設置構造によれば、配管等
の設備部材や設備機器が枠体へ取付けられ、この枠体は
一対のガイド部材に案内されて梁などの建築物躯体に対
して上下にスライドされる。このため天井工事として
は、工事該当階のスラブ上に載置させた枠体へ設備部材
や設備機器および天井面部の部材を取付け、この後、引
上げ手段でこれを持上げることになる。したがって、従
来のような大掛かりな仮設足場やリフト装置は不要であ
り、高所作業は必要最低限ですみ、安全面に優れる。ま
た、従来要したインサート工事や吊りボルトの配設工事
は必要ない。その結果、作業が容易であって、作業性を
格段に改善・向上することができる。さらに、設備部材
および天井ボード等の取付けや仕上げは、枠体を建築物
躯体に対して吊り下げセットした状態で行ってもく、こ
のように吊り下げセットした状態を確保できるので、設
計変更等のため設備機器の配設位置を変えるといった工
事は簡単・容易に行うことができ、従来必要とした支持
用アンカーは打たなくてもよいので、上階の床スラブに
すでに埋設してある配管などを損傷させるおそれもな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 梁 ３ ガイドレール ４２ 巻き取り部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 梁などの建築物躯体側に取付けられる一
   対のガイド部材と、これらガイド部材間にこれらに案内
   されて上下にスライド可能に設けられ、天井下地をなす
   枠体と、該枠体をスライドさせて引き上げる引上げ手段
   とを備えたことを特徴とする天井および天井裏設備の設
   置構造。