JP2740625B2 - ナトリウム硫黄電池の処理方法および装置 - Google Patents
ナトリウム硫黄電池の処理方法および装置Info
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Description
自動的に解体処理することができるナトリウム硫黄電池
の処理方法及び装置に関するものである。
固体電解質管の内部にナトリウムを充填し、外部に硫黄
を充填して封入したものであって、大量の電力を貯蔵す
るに適した電池として注目されている。ところがこの電
池の寿命は10年程度と想定されているので、10年先には
大量のナトリウム硫黄電池が発生することが予想され
る。しかしこれまでのところ、ナトリウム硫黄電池の処
理方法は確立されておらず、従ってナトリウム硫黄電池
の処理装置も全く知られていない。
うに将来大量に発生すると予想されるナトリウム硫黄電
池から有用物質を回収しつつ、これを自動的に解体処理
することができるナトリウム硫黄電池の処理方法及び装
置を提供するために完成されたものである。
めになされた請求項1のナトリウム硫黄電池の処理方法
は、予めキャップ部を開口させたナトリウム硫黄電池を
加温槽の内部に移送して加温し、ナトリウム排出位置に
おいて内部のナトリウムを溶融させて開口部から流下さ
せ、次に内筒引抜き位置において内筒をチャックして下
向きに引き抜くことを特徴とするものである。またこの
方法を実施するための請求項2の発明のナトリウム硫黄
電池の処理装置は、加温槽の上方に、ナトリウム硫黄電
池を開口部を下向きにして加温槽の内部を順次移動させ
る移送装置を設けるとともに、加温槽の内部のナトリウ
ム排出位置にはナトリウム排出手段を、また加温槽の内
部の内筒引抜き位置には内筒をチャックして下向きに引
き抜く抜取ヘッドを設けたことを特徴とするものであ
る。また請求項3のナトリウム硫黄電池の処理方法は、
予めキャップ部を開口させたナトリウム硫黄電池をその
開口部をシールした状態で加温槽の内部に移送して加温
し、ナトリウム排出位置において内部のナトリウムを溶
融させて開口部から流下させ、次に内筒引抜き位置にお
いて内筒をチャックして下向きに引き抜くことを特徴と
するものである。更にこの方法を実施するための請求項
4の発明のナトリウム硫黄電池の処理装置は、移送装置
がナトリウム硫黄電池の開口部のシール手段を備え、こ
のシール手段により開口部がシールされた状態でナトリ
ウム硫黄電池を加温槽の内部に移送するようにしたもの
である。更にナトリウム排出手段は上向きのノズルまた
はブラシとすることが好ましい。
置によれば、移送装置によってナトリウム硫黄電池を開
口部を下向きにしてチャックし、加温槽の内部のナトリ
ウム排出位置においてナトリウムを開口部から流下させ
たうえ、内筒引抜き位置において抜取ヘッドによって内
筒をチャックして下向きに引き抜くことができる。この
ため、ナトリウム硫黄電池からのナトリウムの完全な回
収と、内筒及び外筒の分離回収とを自動的に行うことが
できる。なお、移送装置に設けられたナトリウム硫黄電
池の開口部のシール手段により開口部をシールした状態
でナトリウム硫黄電池を加温槽の内部に移送すれば、ナ
トリウムが空気と接触することによる酸化を防止するこ
とができる。
細に説明するが、本発明を説明するに先立ち、この装置
で処理されるナトリウム硫黄電池の構造を図1により説
明する。図1に示されるように、ナトリウム硫黄電池は
内側から順にカートリッジ1、安全筒2、外筒3により
構成されており、カートリッジ1の内部にはナトリウム
が充填されている。なお、ナトリウムの入っているカー
トリッジ1の先端は金属蓋でシールされているが、先工
程でキャップ部を開口させた図1の状態としてある。本
明細書では、カートリッジ1と安全筒2を合わせて内筒
という。
に、本発明の装置は加温槽4と、その上方に設けられた
移送装置5とを備えている。この移送装置5は、図1に
示したナトリウム硫黄電池を開口部を下向きとした状態
で、スタート位置A、加温位置B、Na排出位置C、内筒
引抜き位置D、取り出し位置Eの5つの位置を順次移動
させるためのもので、実施例では下端にチャックハンド
を備えた2軸ロボットが使用されている。
図1の状態のナトリウム硫黄電池が他の機構によって置
き台6の上に倒立状態で供給される。加温位置Bは加温
槽4の内部でナトリウム硫黄電池を加温するための位置
であり、特別な装置は設けられていない。加温槽4の内
部には例えば110 ℃程度に加温された油が充填されてお
り、この位置でナトリウム硫黄電池は移送装置5のチャ
ックハンドによりチャックされたまま、一定時間保持さ
れる。その結果、内筒の内部のナトリウムは溶融して油
中に落下し、加温槽4の底部の受缶7の内部に溜まる。
出手段として上向きのノズル8が固定されている。この
ノズル8は窒素ガスをナトリウム硫黄電池の内筒の内部
に吹き込み、単に加温しただけでは流出せずに内筒内に
残留しているナトリウムを完全に排出する役割を持つ。
実施例では固定されたノズル8の上から移送装置5がナ
トリウム硫黄電池を下降させるが、昇降式のノズルとし
ても差し支えない。これによって内筒の内部のナトリウ
ムは完全に排出され、加温槽4の底部の受缶7の内部に
回収される。
て下向きに引き抜く抜取ヘッド9が設けられている。こ
れは図2に示すようにシリンダ10によって昇降される垂
直ロッド11の下端に取付けられたもので、開閉できる一
対の爪12を備えている。移送装置5のチャックハンドに
よりチャックされてこの位置に来たナトリウム硫黄電池
の内筒の内部にこの爪12を挿入して開き、内筒をチャッ
クしたうえで抜取ヘッド9を下降させれば、外筒3から
内筒を引き抜くことができる。
筒は抜取ヘッド9に保持され、一方外筒3は移送装置5
のチャックハンドにより取り出し位置Eへ搬送される。
図3に示すように、本実施例では加温槽4の上方に引き
抜かれた内筒の取り出し機13が設けられており、抜取ヘ
ッド9から内筒を受け取り、加温槽4の側方の回収ボッ
クス14に取り出すようになっている。
装置の作動は、次の通りである。まず図1の状態に前加
工されたナトリウム硫黄電池が置き台6の上に倒立状態
で供給されると、移送装置5のチャックハンドがこれを
加温槽4の加温位置Bに移送して保持する。加温槽4の
内部には110 ℃程度に加温された油が充填されているた
め、ナトリウム硫黄電池の内筒の内部のナトリウムは溶
融して油中に落下し、受缶7の内部に溜まる。しかしこ
れだけでは内筒の内部にナトリウムの一部が残留するた
め、次に移送装置5のチャックハンドがナトリウム排出
位置Cの上向きのノズル8までナトリウム硫黄電池を移
送し、窒素ガスを内筒の内部に吹き込んで残留している
ナトリウムを完全に排出する。このようにして内筒の内
部を空にした後、移送装置5のチャックハンドがナトリ
ウム硫黄電池を内筒引抜き位置Dに移送し、抜取ヘッド
9が内筒を下方に引き抜く。この操作も加温槽4の油中
で行われるので、内筒と外筒3との間にナトリウムがあ
っても危険はない。その後、内筒は取り出し機13によっ
て加温槽4の側方の回収ボックス14に取り出され、外筒
3は移送装置5のチャックハンドにより取り出し位置E
へ搬送される。
施例では、シール部を開口させたナトリウム硫黄電池が
置き台6の上から空中を経由して加温槽4の内部に移送
されるため、この間に内筒の内部のナトリウムが空気と
接触して酸化するおそれがある。そこで第2の実施例で
は、図4に示すように加温槽4の手前に油槽15を設ける
とともに、移送装置5にナトリウム硫黄電池の開口部の
シール手段16を設けた。
浅いカップ17とその揺動機構とを取り付けたものであっ
て、油槽15の内部にナトリウム硫黄電池を浸漬した状態
でこのカップ17をナトリウム硫黄電池の開口部の下面に
当て、そのままの状態で加温槽4へ移送すれば、カップ
17の内部の油によってナトリウム硫黄電池の開口部がシ
ールされ、槽内で空気を排除してからナトリウム硫黄電
池を下向きにセットする。またはカップ17の代わりに真
空板を端面に密着させ、真空吸引で内部の空気を排除し
てから加温槽4へ移送することもできる。なお、加温槽
4の内部に移送された後は空気中へ取り出されることな
くナトリウムが排出されるので、酸化の問題が生ずるお
それはない。
にナトリウム排出手段として上向きのブラシ18が設けら
れている。この実施例では、開口部を下向きとして保持
されたナトリウム硫黄電池はナトリウム排出位置Cで所
定時間保持された後に上下に揺動され、溶融したナトリ
ウムを流下させる。その後、ブラシ18に向かってナトリ
ウム硫黄電池は降下され、ブラシ18によって内部のナト
リウムを完全に掻き出して排出することができる。
置Cと内筒引抜き位置Dとの間に、ナトリウム硫黄電池
の口部を支えるレール19が設けられている。これはナト
リウムを排出したナトリウム硫黄電池を移送装置5によ
って加温槽4の内部で内筒引抜き位置Dまで移送する間
に、内筒が自重により下方へ抜け出してくることを防止
するためのものである。もし内筒が抜け出すと、図4で
は図示を略した抜取ヘッド9が正しくナトリウム硫黄電
池の内筒をチャックできなくなり、内筒の抜き取りが不
可能となるおそれがある。このようにして内筒の抜き取
りが完了したナトリウム硫黄電池の外筒3は移送装置5
のチャックハンドにより取り出し位置Eへ取り出され
る。
ウム硫黄電池の処理方法及び装置によれば、ナトリウム
硫黄電池からのナトリウムの回収と、内筒及び外筒の分
離回収とを自動的に行うことができる。特に請求項3、
請求項4の発明によれば、ナトリウムと空気との接触が
防止され、ナトリウムの完全な回収が可能となる。そし
てこれらの回収物は再利用に供される。よって本発明は
将来大量に発生することが予想されるナトリウム硫黄電
池を安全に処理するに適したナトリウム硫黄電池の処理
方法及び装置として、業界に寄与するところは極めて大
きいものがある。
ド、15 油槽、16 シール手段、18 ブラシ
Claims (5)
- 【請求項1】 予めキャップ部を開口させたナトリウム
硫黄電池を加温槽の内部に移送して加温し、ナトリウム
排出位置において内部のナトリウムを溶融させて開口部
から流下させ、次に内筒引抜き位置において内筒をチャ
ックして下向きに引き抜くことを特徴とするナトリウム
硫黄電池の処理方法。 - 【請求項2】 加温槽の上方に、ナトリウム硫黄電池を
開口部を下向きにして加温槽の内部を順次移動させる移
送装置を設けるとともに、加温槽の内部のナトリウム排
出位置にはナトリウム排出手段を、また加温槽の内部の
内筒引抜き位置には内筒をチャックして下向きに引き抜
く抜取ヘッドを設けたことを特徴とするナトリウム硫黄
電池の処理装置。 - 【請求項3】 予めキャップ部を開口させたナトリウム
硫黄電池をその開口部をシールした状態で加温槽の内部
に移送して加温し、ナトリウム排出位置において内部の
ナトリウムを溶融させて開口部から流下させ、次に内筒
引抜き位置において内筒をチャックして下向きに引き抜
くことを特徴とするナトリウム硫黄電池の処理方法。 - 【請求項4】 移送装置がナトリウム硫黄電池の開口部
のシール手段を備え、このシール手段により開口部がシ
ールされた状態でナトリウム硫黄電池を加温槽の内部に
移送するようにした請求項2に記載のナトリウム硫黄電
池の処理装置。 - 【請求項5】 ナトリウム排出手段が上向きのノズルま
たはブラシである請求項2または請求項4に記載のナト
リウム硫黄電池の処理装置。
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06196209A JPH06196209A (ja) | 1994-07-15 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
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JP4703989B2 (ja) * | 2004-08-31 | 2011-06-15 | 野村興産株式会社 | Nas電池の解体方法 |
CN111001211A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-04-14 | 北京京能清洁能源电力股份有限公司北京分公司 | 晶体硅电池碎片化学处理设备 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP24428493A patent/JP2740625B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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J.PAUL PEMSLER ET AL.,"RECYCLE OF BATTERY MATERIALS",INTERSOCIETY ENERGY CONVERSION ENGINEERING CONFERENCE,U.S.A.,1981,VOL.16,NO.1,P.695−698 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06196209A (ja) | 1994-07-15 |
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