JP3015423B2 - 素電池の処理方法 - Google Patents

素電池の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特許請求の範囲第1項の前文に記したよう
な素電池の処理方法に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] この様な方法は、例えば、耐用年数が過ぎたために処
理しなければならなくなった、高温度の蓄電池からの素
電池に適用される。今までに知られた素電池を処理する
方法は不十分である。なぜならその様な方法は有害な廃
棄物を生じ、この有害な廃棄物の最終沈殿物は高いコス
トと密接な関係をもつからでるある。
本発明の目的は、構成要素、反応物質、そして反応生
成物が、事実上全て再利用され得るように、リチャージ
可能な素電池を処理する方法を提供することである。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明は、金属製の格納
容器によって周辺を制限され、アルカリ金属のイオンを
伝導する固体電解質によって互いに分けられた陽極隔室
並びに陰極隔室と、ナトリウムが満たされたカートリッ
ジと、前記固体電解質内に配設され、ナトリウムで満た
された安全槽並びにギャップとを有し、前記陰極隔室中
には硫黄電極が入れられたナトリウムと硫黄に基づく素
電池の処理方法において、最初ナトリウムが、次に反応
生成物と構成要素とが前記素電池より除去され、前記ナ
トリウムは再利用されるためか、又は無害な廃棄物並び
に処理可能な状態へと調整されるために供給されること
を特徴とする。
[実施例] 以下、本発明に係わる方法を図面を参照してより詳細
に説明する。
図中、符号1は、軽金属よりなる格納容器2によって
外側が制限された素電池を示す。本実施例において、こ
の格納容器2は、アルミニウムよりなり、カップ形に形
成されている。同じくカップ形に形成されているのは、
βアルミナ酸化物よりなり、アルカリ金属のイオンを伝
導する固体電解質3である。この固体電解質3は内側
は、陽極隔室4となっている。この固体電解質3のディ
メンションは、これと格納容器2との間に、連続的な空
間、即ち陰極隔室5を規定し、この陰極隔室5中に硫黄
電極6が供給されるように設定されている。陽極隔室4
の内に配設されているのは、カップ形に形成されている
安全槽7である。この安全槽7のディメンションは、安
全槽7の外面と、固体電解質3の内面との間に、非常に
狭いギャップ8が提供されるように設定されている。
又、安全槽7の内側に配設されているのは、ナトリウム
10を内包するカートリッジ9てある。このカートリッジ
9の、固体電解質3の曲端面3Rと対面して配設されてい
る第1の端部には、ナトリウム10がカートリッジ9内か
ら安全槽7へ流れ得るような孔部9Eが設けられている。
このカートリッジ9のディメンションは、カートリッジ
9の外面と、安全槽7の外面との間にギャップ11が提供
されるように設定されている。
カートリッジ9より漏れ出るナトリウム10は、ギャッ
プ11中へと流れる。カートリッジ9内で生じる過剰圧力
のために、ナトリウム10は、ギャップ11内で安全槽7の
開口上端まで上る。そして安全槽7は素電池1のキャッ
プ領域IVの所の開口しているので、ナトリウム10は固体
電解質3と安全槽7との間のギャップ8に流れ込む。
本発明に係わる方法に従った素電池1の処理をするた
めに、素電池1は図示しない凝固されたすなわち固体状
のパラフィン中に埋設され、次にキャップ領域1Vの所で
開口される。この方法では、キャップ・プレート2Vとカ
ートリッジ9の端面9Fに穴が開けられる。この開口の
間、素電池1は水平位置すなわちその縦軸を水平面にし
て保たれ、パラフィンによって完全に囲まれる。キャッ
プ・プレート2Vに形成された穴は、安全槽7の直径と一
致するように拡げられる。次に素電池1は、110度から1
15度に加熱されたパラフィンを収容した、図示しない容
器中に配設される。素電池1は、その開口が下を向くよ
うにパラフィン中に配設される。加熱されたパラフィン
中での約30分間の存在期間で、素電池1のナトリウム10
は液化され、開口されたカートリッジ9より取出し得
る。簡単な方法で、しかも完全にカートリッジ9よりナ
トリウム10を除去させるため、例えば、カートリッジ9
の内側に孔部9Eに届く、図示しないライザー・チューブ
を配設することは可能である。カートリッジ9内に過剰
圧力を生じさせるため、窒素は、このライザー・チュー
ブを介してカートリッジ9に注入され得る。ナトリウム
10は、この過剰圧力の助けをかりてカートリッジ9の外
へ押し出され得る。
カートリッジ9とギャップ11からのナトリウム10は、
液体パラフィンが収容される容器の底に集められる。次
にカートリッジ9は、素電池1より除去される。この除
去は安全槽7に関しても同様である。ギャップ8内のナ
トリウムは、同様に素電池1より除去され、その時素電
池が配設されている容器の底の残りのナトリウムと共に
集められる。カートリッジ9並びに安全槽7の除去は、
図示しない特別な工具によって行われ、この工具は、素
電池1より各部材を簡単な方法で取り出すことを可能に
するものである。これらはアルコール中での清浄の後、
溶鉱炉に送られる。素電池1より除去されるナトリウム
は、ブランケット・ガスの下で凝固され得る。バラフィ
ンからなる不純物を除去して開口した後、ナトリウム
は、新しい素電池に充填され得る。素電池1並びにギャ
ップ8からのナトリウムの完全な除去の後、金属製の格
納容器2は、夫々の縦軸が素電池1の縦軸に平行となる
ように、正確に半体に二分される。これら格納容器2の
半体は、硫黄電極6より離され、パラフィン浴中より取
出される。図示しないアルコール浴中での清浄の後、半
体は新しく格納容器2を形成するために再利用され得
る。硫黄電極6が取着された固体電解質3は、5乃至10
ミリの粒径の粒体に処理される。この粒体は、例えば、
流動床式溶鉱炉で加熱され、硫酸並びに無害な廃棄物が
ここから最終沈殿又は次の処理へ回復できるような方法
で熱処理される。一方では、水による粒体のろ過並びに
処理可能なセラミック材のろ過が可能になる。これは、
ポリ硫化ナトリウムを含む溶液を生じさせる。過剰な硫
黄は、カセイソーダ溶液の添加によって溶解され得る。
これら溶液の化学量論並びに濃縮は、カセイソーダ溶
液、又は硫黄元素の添加によって調整され得る。この調
整は、化学産業において硫化染料を形成する後の処理
に、前記カセイソーダ溶液、又は硫黄元素が適合する方
法で行われる。さらに又、サラシ液を用いた酸化中和に
よって、ポリ硫化ナトリウムを含む過度の溶液を処理す
ることが可能である。これは、処理すなわち処分可能な
中性塩と、再利用物としての硫黄を生じる。
前述したような方法の工程は、すべて自動化できる。
素電池は、例えば、これらが貯蔵されたマガジンよりパ
ラフィンへ、コンベアによりって移送され、バラフィン
中に自動的に埋設され、穿孔機を用いて前述したように
開口される。次に素電池は、同様に自動的に、熱いパラ
フィンで満たされた容器、開口が下を向くように配設さ
れ得る。素電池からの、ナトリウム、カートリッジ並び
に安全槽の除去は、同様に自動化できる。分けられたカ
ートリッジ、安全槽並びにナトリウムなしの素電池は、
工具を用いて熱いパラフィンより取出され得、このパラ
フィンは110乃至115度の温度であり(一般的なワックス
状の材料を使用するときには110乃至150度が好まし
い)、清浄のためにアルコール浴に供給される。自動設
備の大きさ如何で、1時間当たり30又はそれ以上の素電
池が処理される。
[発明の効果] 素電池の解体は、ブランケット・ガスなしに行い得
る。この素電池の充電状態の如何によらず、これら素電
池は全て、本発明に係わる方法により、同じやり方で処
理され得る。クラックがある固体電解質を有する素電池
の処理も、同様に可能である。素電池はワックスの様な
材料、好ましくはパラフィン中にあらかじめ入れられる
ので、素電池の開口作業は安全に行われる。ナトリウム
の溶解は、硫黄の融点より低い温度に設定されたパラフ
ィン液中において行われる。液体ナトリウムの発熱反応
は、非常に弱まった形態でしか発生せず、部分的に限ら
れて残留する。各々の素電池からのナトリウム除去の
後、格納容器の材料と硫黄電極は互いに分けられ、清浄
された後処理される。これらは全て簡単な方法で行われ
る。本発明に係わる方法によって、素電池は、素電池材
料の約70重量%が新しい素電池の形成に利用され得るよ
うな方法で再利用される。残りの材料は他の製品に用い
られるか、無害な形態に処理される。特に、素電池から
取られたナトリウムの5乃至7重量%は、新しい素電池
を満たすために用いられる。素電池の高品質の鉄の10.5
重量%は鉄屑として処理され、アルミニウム合金の27重
量%は再融合方法で再利用される。ポリ硫化ナトリウム
並びに硫黄元素の25重量%は、硫黄電極を加工してなる
粒体より取り出される。これらの材料は、硫黄染料とし
て用いられる。取り出されたセラミック片と、黒鉛との
結合の26重量%は、無害かつ処理可能な廃材である。硫
黄電極より形成される粒体の熱処理によって、素電池の
材料の97重量%以上を再利用することが可能となる。固
着したナトリウムの残留即ちポリ硫化ナトリウムは、湿
式化学手段によって溶かされる。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例における素電池の構造を概略的に示す図で
ある。 1……素電池、2……格納容器、3……固体電解質、4
……陽極隔室、5……陰極隔室、6……硫黄電極、7…
…安全槽、9……カートリッジ、10……ナトリウム。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の格納容器(2)によって周辺を制
    限され、アルカリ金属のイオンを伝導する固体電解質
    (3)によって互いに分けられた陽極隔室(4)並びに
    陰極隔室(5)と、ナトリウム(10)で満たされたカー
    トリッジ(9)と、前記固体電解質(3)内に配設さ
    れ、ナトリウムで満たされた安全槽(7)並びにギャッ
    プ(8、11)とを有し、前記陰極隔室(5)中に硫黄電
    極(6)が入れられたナトリウムと硫黄に基づく素電池
    (1)の処理方法において、 最初ナトリウムが、次に反応生成物と構成要素とが前記
    素電池(1)より除去され、前記ナトリウム(10)は再
    利用されるためか、又は無害な廃棄物並びに処理可能な
    状態へと調整されるために供給されることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】最初夫々の前記素電池(1)がワックス状
    の材料中に埋設され、次にキャップ・プレート(2V)に
    前記安全槽(7)の直径に一致するようにキャップ領域
    (IV)で開口されることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】夫々の前記素電池(1)は、その前記開口
    部が、110乃至150度に加熱され液体化されたワックス状
    の材料中で下を向くように配設され、又、前記ナトリウ
    ム(10)は溶かされ、次に前記カートリッジ(9)、前
    記安全槽(7)並びに前記ギャップ(8、11)より除去
    されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】開口させるために、夫々の前記素電池
    (1)が、凝固されたプラフィン中に縦軸を水平面にし
    て埋設され、開口の後に、110度から115度の温度に加熱
    されたパラフィン溶中に配設され、それによって、液体
    ナトリウムが前記カートリッジ(9)内で生じる過剰圧
    力の助力によって押し出されることを特徴とする請求項
    2又は3に記載の方法。
  5. 【請求項5】ナトリウムの完全な除去の後、前記カート
    リッジ(9)並びに前記安全槽(7)が前記素電池
    (1)より取り出され、清浄されて溶鉱炉に運ばれるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載
    の方法。
  6. 【請求項6】ナトリウムが液体パラフィンを内包する槽
    の底に集められ、次にブランケット・ガスの下で凝固さ
    れ、そして開口に沿いかつ、開口から運ばれたパラフィ
    ンから分離した後、ナトリウムは新しい前記素電池
    (1)を満たすために再利用されることを特徴とする請
    求項1乃至5のうちいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】ナトリウムの除去の後、前記素電池(1)
    の金属製の前記格納容器(2)が前記素電池(1)の縦
    軸と平行な縦軸を夫々持つ半体に分けられて硫黄電極
    (6)より分けられ、アルコール浴での清浄の後、前記
    格納容器(2)の前記半体が新しい格納容器(2)を形
    成するために供給されることを特徴とする請求項1乃至
    6のうちいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】夫々の前記素電池(1)の前記固体電解質
    (3)は、前記硫黄電極(6)と共に5乃至10ミリメー
    トルの粒径の粒体を形成するように処理され、この処理
    によって結合並びに素電池の底が分かれることを特徴と
    する請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記粒体が流動床式溶鉱炉で加熱され、硫
    酸並びに構造材料は、この熱処理によって再利用可能に
    処理されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】前記粒体は、処理可能なセラミック片並
    びに硫化染料の基本材料を形成するよう処理されること
    を特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】ポリ硫化ナトリウム過多の溶液が、処理
    可能な中性塩、硫黄、並びに再利用可能な材料を形成す
    るよう処理されることを特徴とする請求項7又は9に記
    載の方法。
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