JP2739827B2 - 数値制御装置およびその方法 - Google Patents

数値制御装置およびその方法

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JP2739827B2 JP6236569A JP23656994A JP2739827B2 JP 2739827 B2 JP2739827 B2 JP 2739827B2 JP 6236569 A JP6236569 A JP 6236569A JP 23656994 A JP23656994 A JP 23656994A JP 2739827 B2 JP2739827 B2 JP 2739827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穴明け加工機やレーザ
スポット溶接ロボット等の産業機械に用いられる数値制
御装置に関し、特に、被加工物の位置決め精度を落とす
ことなく、加工時間を短縮するための数値制御装置およ
びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、穴明け加工機やレーザスポット
溶接ロボット等の産業機械では、被加工物の位置決めと
位置決めされた被加工物に対する加工動作とが繰り返さ
れる。そして、これら産業機械に備えられる数値制御装
置では、加工プログラムの指令にしたがって被加工物を
任意の位置へ位置決めするとともに、被加工物の位置決
めが完了した時点で、被加工物に対する加工動作を起動
させる。ここで、加工動作の起動とは、例えば、穴明け
加工では、ドリルを設けたZ軸部材を下降あるいは上昇
させることを示し、また、レーザスポット溶接では、レ
ーザ発振器からレーザ光を照射させることを示す。
【0003】この種の産業機械では、生産性が大変重要
であり、単位時間当たりの加工量、すなわち、ヒットレ
ートの向上が切望されている。しかしながら、ヒットレ
ートの向上を望むあまり、被加工物の位置決めが不十分
のうちに加工動作を起動させてしまうと、加工位置や加
工の精度が劣化するという問題点があった。
【0004】そこで、従来の数値制御装置では、例え
ば、特開平2−54308号公報に開示されているよう
に、被加工物の位置決め完了を高速、高精度に検知し、
位置決めが完了するとすぐに加工動作を起動させること
によって、加工時間を短縮していた。
【0005】この従来の数値制御装置について図8を参
照して説明する。ここで、被加工物の位置決め機構は、
X軸、Y軸の2軸が駆動されることによって被加工物を
搭載したステージの位置が制御されるXYステージを用
いるものとする。
【0006】図8は、従来の数値制御装置の構成を示す
ブロック図であり、ブロックデータ入力部10は、加工
プログラムの一区切り(一単位)であるブロックデータ
を例えば中央処理装置から入力し、そのブロックデータ
を補間演算部20に出力する。そのブロックデータは、
例えば、XYステージのX軸およびY軸の送り速度や、
それらの軸の初期位置から被加工位置までの移動距離等
が含まれる。補間演算部20は、ブロックデータ入力部
10から出力されるブロックデータに基づいてサンプリ
ング周期毎の移動指令を補間演算するとともに、そのブ
ロックデータにしたがって移動する各軸の終点位置を算
出する。サーボ制御部41、42は、補間演算部20か
ら出力される移動指令にしたがってXYステージのX軸
およびY軸を駆動するモータ51、52を制御する。イ
ンポジション判定部70は、補間演算部20から出力さ
れる各軸の終点位置およびサーボ制御部41、42から
出力されるX軸およびY軸の移動量に基づいて、現在の
X軸およびY軸の位置からそれらの終点位置までの距離
(以下、位置偏差量とする。)を算出し、この位置偏差
量が予め設定されたインポジション許容値よりも小さく
なった場合に加工起動信号を出力する。
【0007】次に、この数値制御装置の動作を図8から
図11を参照して説明する。
【0008】図9は、移動指令と各軸の応答との関係を
示す図であり、図10は、インポジション判定部の動作
を説明するフローチャートであり、図11は、従来の数
値制御装置の動作を説明するタイミングチャートであ
る。
【0009】まず、ブロックデータ入力部10は、加工
プログラムの一区切りであるブロックデータを入力し、
補間演算部20に出力する。ここで、ブロックデータ
は、X軸、Y軸の送り速度FX、FYおよび移動距離P
X、PYの情報を含む。
【0010】次に、補間演算部20では、入力されるブ
ロックデータに基づいて、X軸およびY軸の移動を指令
する移動指令(dX、dY)が算出され、その移動指令
がサーボ制御部41、42に出力される。ここで、移動
指令(dX、dY)は、サンプリング周期をtとする
と、 dX=FX×t dY=FY×t により算出される。また、移動指令(dX、dY)の累
積値が移動距離PX、PYと等しくなると、補間演算部
20は、そのブロックデータに対する補間演算を終了
し、次のブロックデータをブロックデータ入力部10か
ら入力する。
【0011】次に、サーボ制御部41、42では、補間
演算部20から出力される移動指令(dX、dY)にし
たがってX軸およびY軸のモータ51、52を制御し、
モータ51、52によって駆動されるそれぞれの軸の位
置を制御する。ところが、一般にサーボ制御部41、4
2では、入力される移動指令に対して実際のモータ5
1、52を遅れて追従させるという動特性を有してい
る。例えば、図9(a)に示すように、移動指令(d
X、dY)がサーボ制御部41、42にステップ状に入
力された場合、モータ51、52の応答(dXm、dY
m)は図9(b)のように指数関数的に遅れて追従する
ことになる(この場合の動特性は、1時遅れ特性を示し
ている)。なお、モータ51、52により駆動される各
軸の応答は、モータ51、52の応答(dXm、dY
m)とほぼ等価であるとし、以降、各軸の応答とモータ
51、52の応答(dXm、dYm)とは特に区別しな
いものとする。
【0012】このように各軸の応答(dXm、dYm)
は、移動指令(dX、dY)に対して遅れて追従すると
いう動特性を有するために、補間演算部20が、各軸の
終点位置(Xe、Ye)まで移動指令(dX、dY)を
サーボ制御部41、42に出力し終えたとしても、その
時点での各軸の位置(Xm、Ym)は、終点位置(X
e、Ye)まで達していないという現象が生じる。した
がって、正確な位置決めを行うためには、各軸が終点位
置まで達するまで加工動作の開始を待たなければならな
い。
【0013】そこで、インポジション判定部70におい
て、位置決め完了と見なしてもよい最大の位置誤差量で
あるインポジション許容値(Xa、Ya)を予め設定し
ておき、補間演算部20から出力される各軸の終点位置
(Xe、Ye)およびサーボ制御部41、42から出力
されるX軸、Y軸の移動量(dXm、dYm)に基づい
て算出される位置偏差量(Xr、Yr)がインポジショ
ン許容値(Xa、Ya)以下になった時点で、インポジ
ション判定部70から加工起動信号が出力されるように
していた。
【0014】ここで、図10に示すフローチャートを用
いてインポジション判定部の動作について説明すると、
まず、インポジション判定部70は、補間演算部20か
ら各軸の終点位置(Xe、Ye)を入力し(S10
1)、位置偏差量(Xr、Yr)を Xr=Xe Yr=Ye のように初期化する(S102)。
【0015】次に、サーボ制御部41、42から各軸の
移動量(dXm、dYm)をサンプル周期t毎に逐次入
力し(S103)、位置偏差量(Xr、Yr)を Xr=Xr−dXm Yr=Yr−dYm と更新していく(S104)。
【0016】そして、位置偏差量(Xr、Yr)と予め
設定されたインポジション許容値(Xa、Ya)とを比
較し(S105)、この位置偏差量(Xr、Yr)がイ
ンポジション許容値(Xa、Ya)以下となったとき
に、加工起動信号を出力する(S106)。
【0017】ここで、図11は加工起動信号の出力タイ
ミングを示しており、(a)は、移動指令(dX,d
Y)を示し、(b)は、軸の応答(dXm、dYm)を
示し、(c)は、加工起動信号の出力を示す。サーボ制
御部41、42に入力される移動指令(dX、dY)3
00に対し軸の応答(dXm、dYm)400は、遅れ
て追従しており、移動指令(dX、dY)300が0に
なった時刻、つまり、各軸の位置が終点位置(Xe、Y
e)に達するための移動指令(dX、dY)300の出
力が終了した時刻T0から、Ti時間後、つまり、位置
偏差量(Xr、Yr)がインポジション許容値(Xa、
Ya)700に到達している。したがって、この時刻T
1にインポジション判定部70から加工起動信号501
が出力されることになる。
【0018】このインポジション判定部70の処理を補
間演算部20と同等のサンプリング周期で行うことによ
り、位置偏差量(Xr、Yr)がインポジション許容値
(Xa、Ya)700以下となる各軸の位置決め完了を
高速に判定することができ、したがって、加工起動信号
501の出力タイミングを適切なものに制御することが
可能となった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】一般に、穴明け加工機
やレーザスポット溶接ロボット等の産業機械にあって
は、加工起動信号を受信すると即座に加工動作を開始す
るが、実際に、被加工物に対する加工が開始されるまで
には多少の加工無駄時間がある。例えば、ドリルを用い
た穴明け加工では、加工起動信号を受けてドリルが下降
しはじめてからワークにドリルが接触するまでの間に、
ドリルが空を切っている加工無駄時間が存在する。ま
た、レーザ加工では、加工起動信号を受けてから実際に
レーザが照射されるまでにフィルタ等により信号の伝達
遅れによる加工無駄時間が存在する。
【0020】前述の従来の数値制御装置では、図11
(d)に示すように、加工起動信号501が出力されて
から実際の加工動作602が開始されるまでの加工無駄
時間Taが存在する場合に、その時間Taの間に、各軸
の位置と加工終点位置との位置偏差量が小さくなり、被
加工物の位置決め精度は設定したインポジション許容値
(Xa、Ya)700よりも向上することになる。しか
しながら、加工動作602の開始時間に関しては、加工
無駄時間Taだけ遅くなってしまい、したがって、全体
の加工時間が長くなってしまうという問題点があった。
【0021】そこで、必要な位置決め精度を維持しなが
ら、かつ、加工時間を短縮するために、加工無駄時間に
相当する時間を予想しておき、インポジション許容値を
その加工無駄時間に対応する分だけ大きく設定するとい
うことも考えられる。
【0022】しかしながら、このような方法を採ったと
しても、加工無駄時間は、加工動作の運転条件(例え
ば、動作速度等)によって変化してしまい、したがっ
て、加工無駄時間を考慮した最適なインポジション許容
値を設定することは非常に困難であるという問題点があ
った。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の数値制御装置は、予め設定される加工プ
ログラムに基づいて、被加工物を載置する載置台を移動
させるための移動指令を補間演算するとともに、その載
置台の移動終点位置を算出する補間演算手段と、前記補
間演算手段から出力される移動指令を一定時間遅らせて
出力する遅延手段と、前記遅延手段から出力される移動
指令にしたがって前記載置台を移動させるサーボ制御手
段と、前記補間演算手段から出力される移動指令に基づ
き、前記遅延手段から出力される移動指令に対する前記
載物台の応答に先んじて、前記載置台の移動量を推定す
る推定手段と、前記補間演算手段から出力される前記載
置台の移動終点位置および前記推定手段において推定さ
れた前記載置台の移動量にしたがって、その載置台の移
動終点位置までの位置偏差量を算出し、この位置偏差量
が予め設定される許容値以下となったときに、前記被加
工物への加工動作を開始させるための加工起動信号を出
力するインポジション判定手段とを有している。
【0024】つまり、補間演算手段から出力される移動
指令をサーボ制御手段に先んじて入力することで、実際
の応答よりも先に載置台の移動量を推定し、インポジシ
ョン判定手段では、推定された移動量と補間演算手段か
ら出力される載置台の移動終点位置とに基づいて、終点
位置までの位置偏差量を算出し、その位置偏差量が予め
設定した許容値以下になった場合に加工起動信号が出力
される。
【0025】さらに、遅延手段における移動指令出力の
遅延時間を加工起動信号が出力されてから被加工物に対
する加工動作が開始されるまでの時間に一致させること
により、位置決め精度を維持しつつ、加工無駄時間の影
響のない最も高速な加工動作が可能となる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の数値制御装置の一実施例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図であり、本実施例の構成のうち、遅延部および
推定部以外の構成は、前述の従来の数値制御装置と同様
の構成であるので、重複部分の説明は省略する。
【0028】そして、本実施例の数値制御装置は、補間
演算部20から各軸に対する移動指令を一定時間だけ遅
延してサーボ制御部41、42に出力するとともに、補
間演算部20から出力される移動指令に基づいて各軸の
移動量を推定する。そして、インポジション判定部70
から、その推定移動量に基づいて決定されるタイミング
で加工起動信号を出力することによって、位置決め精度
を維持しつつ、加工無駄時間の影響を除き、加工時間を
短縮しようというものである。
【0029】図2は、遅延部の一実施例の構成を示すブ
ロック図であり、遅延部31は、N個の遅延器310を
備えている。そして、補間演算部20からサンプリング
周期tごとに出力されるX軸に対する移動指令dXを入
力し、N(N=1、2、・・・)周期後(N回の遅延処
理の後)にサーボ制御部41へ遅延された移動指令dX
dを出力する。したがって、補間演算部20から出力さ
れる移動指令dXは、この遅延部31により、遅延時間
Td(=t×N)だけ遅延されて、遅延移動指令dXd
としてサーボ制御部41へ出力されることになる。ま
た、遅延部31、32における遅延時間の設定は、遅延
器310の設置数を変更することにより簡単に変更でき
る。ここで、Y軸に対する移動指令dYが入力される遅
延部32も同様の構成を備えており、遅延移動指令dY
dをサーボ制御部42へ出力する。
【0030】また、図3は、推定部の一実施例の構成を
示すブロック図であり、推定部61は、補間演算部20
から出力される移動指令dXを入力し、サーボ制御部4
1およびモータ51により駆動されるX軸の推定移動量
dXpを出力する。つまり、推定部61は、移動指令d
Xに応じて、X軸がどのように応答するかというサーボ
の動特性をシミュレートするものである。数値制御装置
に用いるサーボの動特性をシミュレートする方法として
は、1次または2次程度の簡単な伝達関数で近似して表
すことが可能である。そして、図3に示す推定部は、サ
ーボの動特性を時定数Tの1次遅れ特性として、移動指
令dXを入力して、推定移動量dXpを出力するもので
あり、加算器610、乗算器611および遅延器61
2、613を有する。
【0031】次に、推定部の動作について図3および図
4を参照して説明する。
【0032】図4は、サンプリング周期tごとに入力さ
れる移動指令dXと、その移動指令dXに対する推定部
61の応答、つまり、推定移動量dXpを示しており、
説明の簡単化のため、dX=1としてある。また、遅延
器612の出力をA、遅延器613の出力をBとし、そ
れぞれの初期状態を0とする。
【0033】まず、時刻0では、dX=1、A=0、B
=0であるので、推定部61の出力dXpは、 dXp=K(dX+A−B)=K となる。ここで、Kは乗算器611における乗算係数を
示す。
【0034】次に、時刻tでは、dX=1、A=前回の
(dX+A−B)=1、B=前回のdXp=Kであるか
ら、推定部61の出力dXpは、 dXp=K(1+1−K)=K(2−K)=1−(1−
K)2 となる。
【0035】さらに、時刻2tでは、dX=1、A=2
−K、B=K(2−K)であるから、推定部61の出力
dXpは、 dXp=1−(1−K)3 となる。
【0036】同様に、時刻nt(n=0、1、・・・)
では、推定部61の出力dXpは、 dXp=1−(1−K)n+1 となる。
【0037】ここで、乗算係数K=1−exp(−t/
T)とすると、 dXp=1−exp{−(n+1)t/T} となり、この式は、時定数Tの1次遅れのステップ応答
において、時刻(n+1)tの応答を表すものである。
ここでは、X軸における推定部61について説明したが
Y軸における推定部62も同様の構成を備え、同様の処
理が行われる。
【0038】また、図3では、サーボの動特性が1次遅
れの場合を示したが、より高次の動特性も加算器、乗算
器および遅延器の組合せでシミュレートすることができ
る。
【0039】以上のような構成を備える本発明の一実施
例の動作について図1、図5および図6を参照して説明
する。
【0040】図5は、本実施例の動作を示すタイミング
チャートであり、(a)は推定部に入力される移動指令
を示し、(b)は、推定部において推定される軸の応答
と示し、(c)は、サーボ制御部に入力される移動指令
を示し、(d)は、実際の軸の応答を示し、(e)は、
インポジション判定部から出力される加工起動信号を示
し、(f)は、実際の加工動作を示す。また、図6は、
インポジション判定部の動作を示すフローチャートを示
す。
【0041】まず、ブロックデータ入力部10は、加工
プログラムの一区切りであるブロックデータを入力し、
補間演算部20に出力する。ここで、ブロックデータ
は、X軸、Y軸の送り速度FX、FYおよび移動距離P
X、PYの情報を含む。
【0042】次に、補間演算部20では、入力されるブ
ロックデータに基づいて、X軸およびY軸の移動を指令
する移動指令(dX、dY)が算出され、その移動指令
が遅延部31、32および推定部61、62に出力され
る。ここで、移動指令(dX、dY)は、サンプリング
周期をtとすると、 dX=FX×t dY=FY×t により算出される。また、移動指令(dX、dY)の累
積値が移動距離PX、PYと等しくなると、補間演算部
20は、そのブロックデータに対する補間演算を終了
し、次のブロックデータをブロックデータ入力部10か
ら入力する。さらに、補間演算部20では、各軸の終点
位置、つまり、被加工物に対する加工動作が行われる位
置が算出される。
【0043】次に、推定部61、62では、例えば、図
3に示すように、サーボの動特性を時定数Tの1次遅れ
特性として、補間演算部20から出力される移動指令
(dX、dY)100が入力され、各軸の推定移動量
(dXp、dYp)200がインポジション判定部70
に出力される。
【0044】一方、遅延部31、32では、補間演算部
20から出力される各軸の移動指令(dX、dY)10
0が入力され、一定時間Tdだけ遅らせてサーボ制御部
41、42に遅延移動指令(dXd、dYd)として出
力される。
【0045】そして、サーボ制御部41、42には、遅
延部31、32を介して一定時間Tdだけ遅れた移動指
令(dXd、dYd)300が入力され、この移動指令
(dXd、dYd)300にしたがってモータ51、5
2が駆動され、X軸、Y軸が移動量(dXm、dYm)
400だけ移動される。
【0046】ここで、図5(b)および図5(d)を参
照すれば、推定部61、62の応答(dXp、dYp)
200は、実際の各軸の応答(dXm、dYm)400
よりも時間Tdだけ先の応答を推定していることがわか
る。
【0047】次に、インポジション判定部70では、軸
の位置決め完了と見なしてもよい最大の位置誤差量であ
るインポジション許容値(Xa、Ya)700が予め設
定され、補間演算部20から出力される各軸の終点位置
(Xe、Ye)および推定部61、62から出力される
X軸、Y軸の推定移動量(dXp、dYp)200に基
づいて算出される位置偏差量(Xr、Yr)がインポジ
ション許容値(Xa、Ya)700以下になった時点
で、加工起動信号500が出力される。
【0048】ここで、図6に示すフローチャートを用い
てインポジション判定部の動作について説明すると、ま
ず、インポジション判定部70は、補間演算部20から
各軸の終点位置(Xe、Ye)を入力し(S601)、
各軸の現在の位置からそれらの終点位置までの位置偏差
量(Xr、Yr)を Xr=Xe Yr=Ye のように初期化する(S602)。
【0049】次に、推定部61、62から各軸の推定移
動量(dXp、dYp)200をサンプル周期t毎に逐
次入力し(S603)、位置偏差量(Xr、Yr)を Xr=Xr−dXp Yr=Yr−dYp と更新していく(S604)。
【0050】そして、位置偏差量(Xr、Yr)と予め
設定されたインポジション許容値(Xa、Ya)700
とを比較し(S605)、この位置偏差量(Xr、Y
r)がインポジション許容値(Xa、Ya)700以下
となったときに、加工起動信号500を出力する(S6
06)。
【0051】本実施例では、インポジション判定部70
において、位置偏差量(Xr、Yr)を算出する際、実
際の各軸の移動量(dXm、dYm)400に代えて、
時間Tdだけ先の各軸の移動量を推定した推定移動量
(dXp、dYp)200を用いているために、位置決
めの完了を実際よりも時間Tdだけ先に判定することが
できる。したがって、加工起動信号500が出力されて
から実際に加工動作600が開始されるまでに加工無駄
時間Taがあったとしても、加工起動信号500を実際
の軸の位置決め完了の時刻よりも時間Tdだけ早く出力
することになるので、その時間Tdだけ加工無駄時間を
減縮することができる。
【0052】さらに、図7(f)に示すように、遅延部
31、32における遅延時間Tdを、加工無駄時間Ta
と等しくなるように設定することにより、軸の位置決め
完了時刻と被加工物に対する加工動作601の開始時刻
とを完全に一致させることができる。したがって、加工
無駄時間の影響を皆無にすることができる。ここで、図
7(a)、(b)、(c)および(d)は、図5に示し
たものと同様であるため、説明は省略する。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の数値制御
装置は、補間演算部から出力される移動指令に対する軸
の応答を実際の軸の応答に先んじて推定する推定部と、
この推定した軸の応答に基づいて被加工物の位置決め完
了を判定し、加工起動信号を出力するインポジション判
定部と、補間演算部から出力される移動指令を一定時間
遅延する遅延部と、遅延部によって遅延された移動指令
にしたがって各軸を駆動させるサーボ制御部とを備えて
おり、各軸の位置決め完了の判定を実際の軸の応答に先
んじて推定されされた軸の応答にしたがって行い加工起
動信号を出力しているために、加工起動信号が出力され
てから実際に加工動作を開始するまでの加工無駄時間に
よる加工時間の遅延を低減させることができる。
【0054】さらに、被加工物の位置決め完了の判定タ
イミングを簡単な遅延手段によって制御することができ
るために、加工起動信号の出力タイミングを簡単に制御
することができる。
【0055】さらに、遅延部による遅延時間を加工無駄
時間と一致するように設定することにより、軸の位置決
め完了時刻と加工動作の開始時刻とを完全に一致させる
ことができる。したがって、位置決め精度に影響を与え
ることなく、加工無駄時間も考慮した最も高速な加工動
作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値制御装置の一実施例の構成を示す
ブロック図。
【図2】図1における遅延部の構成を示すブロック図。
【図3】図1における推定部の構成を示すブロック図。
【図4】図3に示めす推定部の動作を示す図。
【図5】本発明の一実施例の動作を説明するタイミング
チャート。
【図6】図1におけるインポジション判定部の動作を説
明するフローチャート。
【図7】本発明の他の実施例の動作を説明するタイミン
グチャート。
【図8】従来の数値制御装置の構成を示すブロック図。
【図9】移動指令に対する軸の応答を示すタイミングチ
ャート。
【図10】図8におけるインポジション判定部の動作を
説明するフローチャート。
【図11】従来の数値制御装置の動作を説明するタイミ
ングチャート。
【符号の説明】
10 ブロックデータ入力部 20 補間演算部 31、32 遅延部 41、42 サーボ制御部 51、52 モータ 61、62 推定部 70 インポジション判定部 310 遅延器 610 加算器 611 乗算器 612、613 遅延器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定される加工プログラムに基づい
    て、被加工物を載置する載置台を移動させるための移動
    指令を補間演算するとともに、その載置台の移動終点位
    置を算出する補間演算手段と、 前記補間演算手段から出力される移動指令を一定時間遅
    らせて出力する遅延手段と、 前記遅延手段から出力される移動指令にしたがって前記
    載置台を移動させるサーボ制御手段と、 前記補間演算手段から出力される移動指令に基づき、前
    記遅延手段から出力される移動指令に対する前記載物台
    の応答に先んじて、前記載置台の移動量を推定する推定
    手段と、 前記補間演算手段から出力される前記載置台の移動終点
    位置および前記推定手段において推定された前記載置台
    の移動量にしたがって、その載置台の移動終点位置まで
    の位置偏差量を算出し、この位置偏差量が予め設定され
    る許容値以下となったときに、前記被加工物への加工動
    作を開始させるための加工起動信号を出力するインポジ
    ション判定手段とを有することを特徴とする数値制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記遅延手段において前記移動指令の出
    力を遅らせる時間を変更可能とすることを特徴とする請
    求項1記載の数値制御装置。
  3. 【請求項3】 前記遅延手段において前記移動指令の出
    力を遅らせる時間を、前記インポジション判定手段から
    加工起動信号が出力されてから前記被加工物に対する加
    工動作が開始されるまでの時間に一致させることを特徴
    とする請求項1記載の数値制御装置。
  4. 【請求項4】 予め設定される加工プログラムに基づい
    て、被加工物を載置する載置台を移動させるための移動
    指令を補間演算するとともに、その載置台の移動終点位
    置を算出する第1のステップと、 前記移動指令を一定時間遅らせて出力する第2のステッ
    プと、 一定時間遅れて出力される前記移動指令にしたがって前
    記載置台を移動させる第3のステップとを含むととも
    に、一定時間遅れる 前の移動指令にしたがって、前記一定時
    間遅れて出力される移 動指令に対する前記載置台の応答
    に先んじて、該載置台の移動量を推定する第4のステッ
    プと、 前記載置台の移動終点位置および推定された前記載置台
    の移動量にしたがって、その載置台の移動終点位置まで
    の位置偏差量を算出し、この位置偏差量が予め設定され
    る許容値以下となる場合に、前記被加工物への加工動作
    を開始させるための加工起動信号を出力する第5のステ
    ップとを含むことを特徴とする数値制御方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のステップで前記移動指令に対
    する遅延時間を前記加工起動信号が出力されてから前記
    加工動作の開始までの時間に一致させることを特徴とす
    る請求項4記載の数値制御方法。
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