JP2739230B2 - ポリプロピレン繊維 - Google Patents

ポリプロピレン繊維

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JP2739230B2 JP1084304A JP8430489A JP2739230B2 JP 2739230 B2 JP2739230 B2 JP 2739230B2 JP 1084304 A JP1084304 A JP 1084304A JP 8430489 A JP8430489 A JP 8430489A JP 2739230 B2 JP2739230 B2 JP 2739230B2
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真 飯島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリプロピレン繊維に関する。更に詳しく
は、熱エンボスロールを用いた不織布の製造に適したポ
リプロピレン繊維に関する。
(従来の技術) ポリプロピレン繊維は、加圧熱ロールにより繊維間を
軟化圧着する、いわゆる熱エンボスロール法により不織
布に加工され、紙オムツを始め、使い捨て衛生用品の表
皮材用不織布として使用されている。近年、この表皮材
用不織布は、強力がありかつ柔軟な風合いを有する低目
付け重量の不織布が要求されている。強力のある低目付
け重量のポリプロピレン製不織布を熱エンボスロールを
用いて製造するには、ポリプロピレン繊維間の融着結合
を良好にする必要があるが、そのためにはポリプロピレ
ン繊維が融着結合時に十分軟化する高い温度条件で不織
布を製造しなければならない。しかしながら、高い温度
で不織布を製造すると、融着結合点以外のポリプロピレ
ン繊維が熱の影響を受けて繊維物性が低下するいわゆる
熱へたりが発生するため、製造された不織布の柔軟性が
悪化してしまう。このために不織布強力がありかつ柔軟
性を有する低目付重量のポリプロピレン製不織布は、従
来より熱エンボスロール法を用いて製造することは困難
とされている。一方、ポリプロピレンを芯成分としポリ
エチレンのようなポリプロピレンよりも融点の低いポリ
マーを鞘成分とした鞘芯構造の複合繊維を用いれば強力
があり、かつ柔軟性のある低目付重量の不織布を製造す
ることができる。しかしながら、該複合繊維はその製造
工程が複雑であり、そのため製造コストも高くなるとい
つた欠点を有している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、強力があり、かつ柔軟な風合いを有す
る不織布を熱エンボスロール法を用いて製造することの
できるポリプロピレン繊維を得るべく鋭意研究した。そ
の結果、特定の化合物を配合したポリプロピレン組成物
よりなる繊維を用いることにより、熱エンボスロール法
による不織布製造時の熱による繊維のへたりが改善さ
れ、強力があり、かつ柔軟な風合いを有する不織布が得
られることを見いだし、この知見にもとづき本発明を完
成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は熱エ
ンボスロール法を用いて不織布を製造するときに、強力
があり、かつ柔軟な風合を有する不織布が得られるポリ
プロピレン繊維を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記の構成を有する。
ポリプロピレン100重量部に対し、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジターシヤリ−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン0.08〜0.2重量部およびジ
ミリスチル−3,3′−チオジプロピオン酸エステル0.15
〜0.3重量部を配合した組成物を用いたことを特徴とす
るポリプロピレン繊維。
本発明で用いるポリプロピレンは通常公知のチーグラ
ー・ナツタ系触媒を用いて得られる結晶性ポリプロピレ
ンであり、プロピレン単独重合体のみならず少量のエチ
レンまたはブテン−1などのα−オレフインとプロピレ
ンとの結晶性共重合体であつても良い。
本発明では、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジターシヤリ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン(以下化合物Aと言う。)を用いることが必須
であり、該化合物Aと類似のフエノール系化合物を使用
しても、本発明の効果すなわち、強力があり、かつ柔軟
性に富んだ不織布を製造することができる繊維は得られ
ない。該化合物Aの配合量は、ポリプロピレン100重量
部に対して0.08〜0.2重量部である。該配合量が0.08重
量部未満では不織布製造時の繊維の熱によるへたりが改
善されず、また、該配合量が0.2重量部を越えても増量
による上述の改善効果の向上が認められず、経済的に不
利であるばかりでなく、得られた繊維が経時的に着色す
る問題が発生するので好ましくない。
本発明ではさらにジミリスチル−3,3′−チオジプロ
ピオン酸エステル(以下化合物Bと言う。)を用いる。
該化合物Bと類似のチオエーテル系化合物を使用して
も、本発明の効果は得られない。該化合物Bの配合量
は、プロピレン100重量部に対して0.15〜0.3重量部であ
る。該配合量が0.15重量部未満では不織布製造時の熱に
よる繊維のへたりが改善されず、また該配合量が0.3重
量部を越えても増量による上述の効果の向上が認められ
ず、経済的に不利であるばかりでなく、紡糸時及び得ら
れた繊維がチオエーテル系化合物特有の臭気を発生する
ので好ましくない。
本発明のポリプロピレン繊維の原料組成物には、各種
の添加剤例えば光安定剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、
顔料、過酸化物の如きラジカル発生剤、金属石鹸などの
分散剤もしくは中和剤を本発明の目的を損なわない範囲
で併用することができる。
本発明の繊維の原料であるポリプロピレン樹脂組成物
は、ポリプロピレンに前記化合物Aおよび化合物Bなら
びに上述の各種添加剤の所定量を通常の混合装置例えば
ヘンセルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボ
ンブレンダー、バンバリミキサーなどを用いて混合し、
通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダーまたはロ
ールなどで、溶融混練温度150℃〜300℃、好ましくは18
0℃〜250℃で溶融混練ペレタイズすることにより得るこ
とができる。
本発明の繊維は、従来公知の溶融紡糸法により製造で
きる。例えば、250℃〜300℃の紡糸温度で溶融押出され
たフイラメントを500〜1500m/分の紡糸速度で引取り未
延伸糸としたのち、該未延伸糸を40〜100℃の延伸温度
で2〜4倍に延伸し、捲縮を与えたのちカツトすること
により得られる。
本発明の繊維を用いると、従来、不可能であつた熱エ
ンボスロール法により不織布とすることができる。例え
ば、本発明の繊維を乾式カード機によりウエブにしたの
ち、該ウエブを温度が140〜150℃に維持されたエンボス
ロールとフラツトロールよりなる1対のロールの間を通
過させることにより不織布とすることができる。
本発明の繊維は、複合繊維またはポリエチレン繊維の
ようなポリプロピレンよりも融点の低い繊維と混合して
不織布の製造に使用することもできる。また、本発明の
ポリプロピレン繊維の原料であるポリプロピレン組成物
は、複合繊維の1成分として複合繊維の形で不織布の製
造に使用することもできる。
(実施例) 以下実施例および比較例にもとづいて本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお実施例および比較例で用いた測定法は次の通
り。
(1) メルトフローレート(MFR): ASTM D 1238の条件(L)に準拠して測定した。
(2) 不織布強力: 目付け重量約20g/m2の不織布より、縦5cm、横10cmの
試験片を切り出し、該試験片を用いて、引張試験機を用
いて引張速度100mm/分、試験片つかみ間隔5cmの条件で
破断強力を測定し、不織布の目付け20g当りに換算して
表わした。
(3) 柔軟性: JIS L 1018.6.21Aに準拠して測定した。一辺が45度の
傾斜を持つ表面が滑らかでスケールが目盛られている水
平台(カンチレバー型試験機)の上に、目付け重量約20
gの不織布を裁断して得た、縦5cm、横10cmの不織布をス
ケールに合わせて置き、手動により不織布を斜面の方向
へ緩やかに滑らせて、不織布の一端が斜面と接したとき
の他端の位置をスケールにより読みとり、この数値を柔
軟性の指標とした。この値が小さいほど不織布の柔軟性
が大きいことを示す。
(4) 嵩高維持率: 目付け重量約25g/m2のウエブを、縦25cm、横25cmに裁
断し、その上に縦25cm、横25cm、重量5gのボール紙1枚
を乗せ、全体の高さ(H0cm)を測定し、ついでボール紙
を乗せたままのウエブを140℃のオーブン中に2分間放
置したのち取り出し、冷却したのちウエブの高さ(H1c
m)を測定し、次式により嵩高維持率を求めた。
嵩高維持率(%)=H1×100/H0 嵩高維持率が大きいほど熱による維持のへたりが小さ
いことを示す。
実施例1〜3および比較例1〜5 MFR10の粉末状ポリプロピレン100重量部に対して、後
述の第1表に示す化合物およびステアリン酸カルシウム
0.1重量部をヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分
間撹拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃に
て溶融混練しペレタイズした。
得られたペレツトを、ノズル径0.5mm、ノズル数450個
を有する溶融紡糸機により押出温度280℃、紡糸速度800
m/分の条件で溶融紡糸し4デニールの未延伸糸を製造
し、引き続きこの未延伸糸を延伸温度80℃、延伸倍率2
倍の条件で延伸したのち、捲縮を掛け長さ50mmの繊維と
した。得られた繊維をカード機により巻取り速度7.5m/
分のカード速度でウエブとしたのち、140℃に加熱され
たエンボスロールを用いて不織布を製造した。得られた
不織布およびウエブより所定の試験片を調製し、不織布
強力、柔軟性および嵩高維持率を測定した。その結果を
第1表に示した。
(発明の効果) 本発明のポリプロピレン繊維を用いることにより、従
来のポリプロピレン繊維の欠点である熱エンボスロール
法による不織布製造時の繊維の熱によるへたりに起因し
た不織布の柔軟性低下が改善され、不織布強力と柔軟性
に優れた不織布が得られる。
その結果、本発明のポリプロピレン繊維は、紙オムツ
を始め各種の用途に適したポリプロピレン製不織布の原
料として好適である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン100重量部に対し、1,3,5−
    トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジターシヤリ−ブチ
    ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.08〜0.2重量
    部およびジミリスチル−3,3′−チオジプロピオン酸エ
    ステル0.15〜0.3重量部を配合した組成物を用いたこと
    を特徴とするポリプロピレン繊維。
JP1084304A 1989-04-03 1989-04-03 ポリプロピレン繊維 Expired - Lifetime JP2739230B2 (ja)

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