JP2738999B2 - 高耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金、該合金を用いた摺動部材 - Google Patents

高耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金、該合金を用いた摺動部材

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JP2738999B2 JP3241457A JP24145791A JP2738999B2 JP 2738999 B2 JP2738999 B2 JP 2738999B2 JP 3241457 A JP3241457 A JP 3241457A JP 24145791 A JP24145791 A JP 24145791A JP 2738999 B2 JP2738999 B2 JP 2738999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗アルミニウム青銅
鋳造合金に係り、油圧機械、工作機械等の各種産業機械
における機械構造用鋼、工具鋼等の摺動部と摺動する摺
動部材として好適なアルミニウム青銅鋳造合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種産業機械における摺動部品、例えば
歯車、軸受、ウォームホイール等には、一般に銅合金が
用いられている。これは摺動部を構成する部材が炭素
鋼、Cr−Mo鋼、はだ焼鋼等の機械構造用鋼あるいは
軸受鋼、高速度鋼等の工具鋼同志ではともがね摺動によ
る摩耗が大きくなるためである。さらに、部品に要求さ
れる特性に応じて銅合金が使い分けられている。
【0003】その一例として、硬さと機械的強度が要求
される歯車、ウォームホイールなどには高力黄銅やアル
ミニウム青銅、焼付きにくいこと並びにかじりにくいこ
とが要求される軸受には青銅やりん青銅が用いられてい
る。さらに、高強度、高耐摩耗性の要求から、Cu−Z
n系合金にMn−Si化合物を晶出分散したもの(特許
第882216号公報)、Cu−Al系合金にFe−S
i化合物を晶出分散したもの(特許第1189793号
公報)が提案されている。しかし、これらも耐摩耗銅合
金として十分とは云えず、更に高性能の合金の出現が望
まれている。
【0004】また、ステンレス鋼、チタン等の活性金属
の冷間加工用ダイス材料として高硬度耐摩耗性アルミニ
ウム青銅合金(特許第1374020号公報)が提案さ
れている。これは過共析のAl(12%以上)を含み、
かつ、高Mn組成(Mn:6%以上)であるため、機械
的性質の伸び(伸び率約3%以下)が小さく、産業機械
の摺動部材としては不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
靱性(伸び率5%以上)と高耐摩耗性とを兼ね備えたア
ルミニウム青銅鋳造合金を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、各種産業機械の摺動
部材として高耐摩耗性の摺動部材を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は、Cu−Al系合金にMn−Si化合物を晶
出分散することで高靱性と高耐摩耗性を実現したもの
で、重量でAl:7〜12%、Mn:1.5〜5.5
%、Si:0.45〜2.7%、および残部が実質的にC
uよりなり、MnとSiとの金属間化合物が分散し、固
溶Si量が0.1〜1%であることを特徴とする耐摩耗
性アルミニウム青銅鋳造合金(以下、耐摩耗性アルミニ
ウム青銅合金と云う)にある。
【0008】特に、MnとSiの比が〜3.25およ
び固溶Si量が0.1〜1%であリ、伸び率が5%以上
であることが望ましい。また、前記合金にはZn:2%
以下、Pb:1%以下、Cr:1%以下、V:1%以
、Ti:1%以下、Zr:1%以下の一種以上を合計
で1%以下とを含有し、不純物0.5%以下(主として
Fe、Ni)を含有することができる。
【0009】
【作用】Cu−Al系合金は一般にアルミニウム青銅と
称され、アブレシブな摩耗に対しては優れた性質を有す
るが、凝着し易いためにかじりを生じ易いと云う欠点が
ある。しかし、前記本発明の組成の合金は、これを解消
することができる。これは、Cu−Al系合金の固溶体
中にMn−Si化合物が晶出し、かつ、固溶Si量を
0.1〜1%形成することで、摩耗に対し高い抵抗力
と、優れた機械的強度(引張り強さ)を有するためであ
る。
【0010】Mn−Si化合物の上記の作用効果をCu
−Al系合金に対して有効に発揮させるためには、次の
点を考慮することが重要である。
【0011】1.Mn−Si化合物は溶融状態のCu合
金を凝固する過程で固溶体中に晶出するが、そのMn−
Si化合物が過共晶組成領域(初晶として存在する領
域)のとき耐摩耗性が改善される。
【0012】2.Mn−Si化合物量の増加に伴って合
金の伸びが低下するので、前記過共晶組成領域が得られ
る添加量は極力少なくする。
【0013】3.Mn−Si化合物はCu−Zn系合金
中では棒状に晶出(化合物構造:Mn5Si3の六方晶)
するが、合金の伸びの低下を防止するためには、塊状に
晶出させ、それを微細化する。
【0014】次に本発明の合金の組成とその量的範囲に
ついて説明する。
【0015】(1)Al Al量は合金の強度と関係が深く、7〜12%がよい。
7%未満では鋳造のままで機械部品としての目標強度4
0kgf/mm2を満足せず、12%を超えるとγ2相が
析出するため脆弱となり、機械用部材として実用に不向
きとなる。特に8〜11%、最も8.0〜9.0%が好ま
しい。
【0016】(2)MnおよびSi MnとSiは合金組織中にMn−Si化合物として均一
に分散し、耐摩耗性向上のための必須元素である。特
に、Cu−Al固溶体中に晶出する化合物はX線マイク
ロアナライザによる分析結果から化学量論組成でMn5
Si3に近いものであることが判明した。この化合物は
重量比でMn:Si≒3.25:1である。
【0017】耐摩耗性向上には、Mn−Si化合物が初
晶で晶出することが望まれるが、Cu−Al合金の場合
必要なMn−Si化合物量は2%以上であり、純Cu、
Cu−Sn、Cu−Zn合金の24%、10%、3%に
比べて添加量は比較的小量でよい。本発明においては、
Mnは1.5〜5.5%、Siは0.45〜2.7%でよ
い。特に、引張り強度と耐摩耗性との両面からは、Mn
は3.8〜5.4%およびSiは1.0〜2.0%が好まし
い。
【0018】耐摩耗性はMn−Si化合物の量と共に向
上するが、7.2%を超えると合金の伸びが目標の5%
を達成できなくなる。従って、Mnが5.5%のとき、
Siは1.7%以下でよい。しかし、Mn−Si化合物
(化学量論組成のMn5Si3)の形成に必要な量より過
剰のSi(固溶Si)を1%以下含むことは耐摩耗性お
よび強度の向上に有利に作用する。従って、本発明では
Siを最大2.7%まで含むことができる。
【0019】更に、MnとSiの組成比はMn−Si化
合物の形成および固溶Si量との関係から、Mn/Si
は1〜3.25より2.0〜3.0が望ましい。特に、S
iの固溶量は伸び率を下げるので、全部がMn5Si3
作るとし、残ったSiが固溶するものとして計算で求め
るられる値が1.0%以下とする。特に、0.01〜0.
6%が好ましく、より0.1〜0.6%が好ましく、最も
0.3〜0.5%が好ましい。
【0020】(3)Pb Pbの添加は耐焼付き性および被切削性を向上させるも
のであり、特に、潤滑油のきれ易い状況下での耐摩耗性
の確保には有効である。添加量は1%以下で十分であ
り、それより多くなると合金の機械的強度の低下につな
がる。従って、0.2〜0.6%が好ましい。
【0021】(4)Zn Znは溶解作業時において溶湯の脱ガス作用があり、ま
た、鋳造時の湯流れも改善する効果がある。更に、合金
の摺動下でのなじみ性を改善する効果があるが、2%を
超えると摺動特性の低下を招く。従って、0.5〜1.5
%が好ましい。
【0022】(5)Cr、V、TiおよびZr Cr、V、TiおよびZrはSiと共存して化合物(ケ
イ化物)を形成する。これらの元素は強度を高める効果
があり、CrおよびVはMn−Si化合物を微細化する
作用がある。しかし、これらの量が合計で1%を超える
と靱性を低下させる。0.05〜0.5%が好ましい。
【0023】(6)FeおよびNi FeおよびNiは不純物として0.5%以下であれば許
容できる。特に、FeはMn−Si化合物に固溶して該
化合物を微細化する作用がある。しかし、前記許容量を
超えると融点の高いFe−Si化合物が生成し、鋳造性
が悪くなる。また、NiはMn−Si化合物の生成を抑
制する作用があるので少ないほうがよい。不純物として
も0.01〜0.1%が好ましい。
【0024】本発明のアルミニウム青銅合金は、一般の
アルミニウム青銅合金と同様に溶解鋳造法により製造さ
れる。しかし、大気溶解法では、酸素、水素等のガスを
溶湯中に巻き込むため、出湯前にスラグの除去並びに不
活性ガス(例えば窒素ガス)または不活性ガスとフッ化
物との混合ガス(例えばN2+NaFガス)による溶湯
の脱ガスのためのバブリングを行った後、鋳造する。こ
れらによって鋳造欠陥のない鋳物を得ることができる。
【0025】一方、鋳造後、鍛造加工、更には押出加工
を施すことは有意義であり、これらによって晶出したM
n−Si化合物粒子が微細化された半加工品が得られ
る。溶解鋳造合金のMn−Si化合物粒子の大きさは、
主として凝固完了温度以上の温度領域における冷却速度
に依存し、冷却速度が遅いほど粒子が大きくなり易い。
【0026】なお、本発明の合金は熱処理を施すことに
よって、機械的強度、耐摩耗性等を向上させることがで
きる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0028】〔実施例 1〕表1に本発明合金の組成の
一例を、また表2にその機械的特性を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】溶解手順は、基本合金No.4を例にとる
と、まずCuを溶解後Mn、Siを添加し、最後にAl
を添加して均一溶湯にした。その後、脱スラグ、溶湯中
に窒素ガスを吹き込みバブリングによる脱ガスを行い、
あらかじめ形成した砂型に鋳込み凝固させた。鋳込み温
度は1150℃であり、溶解炉はエレマ炉、ルツボは黒
鉛を用いた。鋳塊の大きさは直径50mm×長さ200
mmで重量は約3kgである。
【0032】本実施例の合金は、基本的にはCu−Al
合金にMn−Si化合物が均一分散したものである。こ
れは、各種産業用機械の摺動部材に要求される靱性に対
しても、伸び率で5%以上と満足すべき値を示した。
【0033】図1に本実施例の合金のうち、Mn/Si
比を1.96〜3.10の範囲で変えるとともに、Mn5
Si3として計算し、固溶Si量を約0.2%として、C
u−9%Alに添加し、Mn−Si化合物を晶出分散し
た鋳物のMn量と伸び率との関係を示す。
【0034】図1から明らかなようにMn量の増加に伴
い伸びは減少する。特に、Mn量が5.5%を超えると
伸び率5%を満足しなくなるので、摺動部材への適用は
素材の特性をよく見て選定する必要がある。また、前記
表1および表2のMn/Si比と固溶Si量の関係を図
7に、表2の固溶Si量と引張り強さの関係を図8に示
す。図8から固溶Si量が0.1〜1%の範囲において
引張り強さが優れていることが分かる
【0035】図2に本実施例の合金の代表的な顕微鏡写
真に基づく組織の模式図を示す。この模式図(倍率40
0倍に相当)の白地部分がα相、黒地部分がβ相を示
す。この2相素地に塊状のMn−Si化合物(斜線部)
が均一に分散している。該Mn−Si化合物の粒子の大
きさは20〜30μmのものが多く観察された。
【0036】なお、該組織に及ぼす添加元素の影響は、
Znの場合、Alと同様にβ相が増加し、Cr、V、T
i、Zrの場合、Mn−Si化合物が微細化する傾向を
示す。Pbの場合は、組織的に変化はなく、素地に固溶
しないため数μm以下の大きさで点存する形となる。
【0037】〔実施例 2〕実施例1で得られた鋳塊か
ら30mm×30mm×5mmの板状試料を採取し、無
潤滑下で合金の耐焼付き性を評価した。評価方法は板状
試料に軸受鋼球(SUJ−2、直径10mm)を押付
け、速度8mm/sで往復動の摩擦試験を行い、摩擦係
数が急激に上昇(目安:摩擦系数が0.5以上)する荷
重および摺動回数で耐焼付き性を評価した。ここで、往
復動は40mm/1ストロークであり、荷重100gで
200回摺動後も摩擦係数に変化が見られない場合は、
荷重を200g,300gと順次上げて測定した。
【0038】図3に合金の耐焼付き性の評価結果を示
す。一般のアルミニウム青銅合金No.1(JIS A
LBC2)およびCu−Zn系合金にMn−Si化合物
を分散した耐摩耗性高力黄銅合金No.2は、荷重10
0gの摩擦初期で焼付きが生じた。これらの比較例に対
して、本実施例の合金No.4〜No.7は優れた耐焼
付き性を示している。
【0039】〔実施例 3〕図4に油中での合金の耐摩
耗性を示す。この測定には直径10mm×長さ25mm
の円柱状固定試片を銅合金で作成し、これを120mm
×15mm×10mmの炭素鋼(JIS S45C)か
らなる可動片上に押圧し、タービン潤滑油中で往復摺動
させて、摩擦距離に対する該合金の摩耗量を測定した。
面圧は500kgf/cm2、摺動速度は0.2m/sと
した。
【0040】Mn−Si化合物を分散した本発明のアル
ミニウム青銅合金(No.4,No.8)の耐摩耗性
は、一般的なアルミニウム青銅合金(No.1)および
耐摩耗性高力黄銅合金(No.2)をはるかに上回るも
のであった。摺動部材としては、摺動相手材の摩耗が軽
減できても長寿命につながる。比較例である合金No.
1の相手材の摩耗量は、摩擦距離5kmで10mgであ
ったのに対して、本実施例のNo.4では上記No.1
の約1/2、No.8では約1/5と格段に低減できる
ことも分かった。
【0041】〔実施例 4〕次に本発明の合金の具体的
な一応用例について説明する。図5は本発明合金を用い
た減速機の構造を示す一部断面斜視図である。図から明
らかなように、減速機の主たる構成部分は、ウォーム1
の歯車とウォームホイール2の歯車とが噛み合う部分で
ある。ウォームホイール2にはホイールボス3が装着さ
れ、更にホイール軸6が装着されている。
【0042】今回、ウォームホイール2の歯車には本発
明合金を、ウォーム1の歯車には浸炭焼入れしたはだ焼
鋼(JIS SCM415)とを組合せて性能試験を実
施した。その結果、比較材として用いた市販の高力黄銅
やアルミニウム青銅に比べてその摩耗量は1/2以下
で、本発明合金が耐摩耗性に極めて優れていることが分
かった。
【0043】また、減速機の性能は歯車の大きさにも比
例するが、本合金をウォームホイール2の歯車の直径が
100mmから500mmのものに適用した場合の性能
試験を実施したが、上記と同様に摩耗量は少なく、耐焼
付き性も優れていることを確認した。
【0044】上記において、ウォームホイールの製造
は、ホイールボス3を鋳造時の中子とし、ウォームホイ
ール2の合金を外周に設けた鋳型で鋳造する、いわゆる
鋳ぐるみ法によって行うのがコスト的にも有利である。
【0045】〔実施例 5〕図6は食品の饅頭製造機の
主要部品の側断面図である。該部品は、ウォームホイー
ル12に取付けられたはね10、ガイドメタル11およ
びテーブル13から構成されている。饅頭の原料である
混練粉は、ウォームホイール12の回転に伴い矢印方向
に吐出される。このときガイドメタル11(固定)とウ
ォームホイール12(可動)は無潤滑状態で面接触され
ている。
【0046】従来の製造機においては、ウォームホイー
ル12は軸受鋼(JISSUJ−2)で、ガイドメタル
11はアルミニウム青銅(JIS AlBC−2)が用
いられていた。しかし、ウォームホイール12とガイド
メタル11との接触面で焼付きが発生するため、その使
用寿命はせいぜい8〜48時間であった。本発明の合金
をガイドメタル11に適用したところ、その使用寿命を
250時間以上に向上することができた。
【0047】こうした食品関係の製造機器においては、
潤滑油または潤滑剤の使用には制限がある。また、摺動
部材の摩耗粉等の混入も避けねばならない。こうした点
からも本発明の合金は、無潤滑でも優れた特性を有して
いるので好適な材料である。
【0048】〔実施例 6〕次に、本発明合金の鍛造お
よび押出し材の製造法の一例について説明する。
【0049】まず、本発明合金を所定の方法で溶解し、
直径350mm×長さ250mmの金型鋳造材を製造し
た。
【0050】前記金型鋳造材を850℃で3時間の加熱
を施し、次いで680〜880℃で鍛造して直径220
mm,鍛練比2.5の鍛造材を作製した。これから押出
素材直径200mm×長さ600mmを採取し、押出加
工を施した。押出温度は850〜860℃、押出圧力は
110〜280kgf/cm2であり、押出後の直径が
26mmの棒状素材を作製した。これらの加工素材はい
ずれもMn−Si化合物が分割されて微細化されるが、
耐摩耗性は鋳造部材と同等の性能を有する。
【0051】
【発明の効果】本発明のアルミニウム青銅合金は、従来
のアルミニウム青銅、Cu−Zn系合金にMn−Si化
合物を分散した耐摩耗性銅合金に比べ、伸び率が5%
で優れた高耐摩耗性を有する。
【0052】従って、各種産業機械における摺動部品、
例えば歯車、軸受、ウォームホイールなどに適用するこ
とにより、該機械の寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるアルミニウム青銅合金
のMn量と機械的伸び率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明のアルミニウム青銅合金の組織の模式図
である。
【図3】無潤滑下での摺動試験による耐焼付き性を示す
棒グラフある。
【図4】油中での耐摩耗性試験による摩擦距離と摩耗量
との関係を示すグラフである。
【図5】本発明合金を応用した減速機の一部断面斜視図
である。
【図6】本発明合金を応用した摺動部品の側断面図であ
る。
【図7】表1および表2のMn/Si比と固溶Si量の
関係を示すグラフである。
【図8】表2の固溶Si量と引張り強さの関係を示すグ
ラフである
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近崎 充夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 熊谷 養蔵 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会 社日立製作所素形材事業部内 (72)発明者 海沼 正吉 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会 社日立製作所素形材事業部内 (72)発明者 坂倉 勝 茨城県勝田市堀口832番地の2 株式会 社日立製作所素形材事業部内 (56)参考文献 特開 昭51−47518(JP,A) 特開 昭51−71819(JP,A) 特開 平2−50928(JP,A) 特公 昭53−47209(JP,B2) ”アルミニウム青銅 その性質と用 途”、銅、(社)日本銅センター、 (1980)、No.29、P.3−7

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量でAl:7〜12%、Mn:1.
    5〜5.5%、Si:0.45〜2.7%、および残部が
    実質的にCuよりなり、MnとSiとの金属間化合物が
    分散し、固溶Si量が0.1〜1%であることを特徴と
    する耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金。
  2. 【請求項2】 重量でAl:7〜12%、Mn:3.
    8〜5.4%、Si:0.45〜2.7%および残部が実
    質的にCuよりなり、MnとSiとの金属間化合物が分
    散しし、固溶Si量が0.1〜1%であることを特徴と
    する耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金。
  3. 【請求項3】 重量でAl:7〜12%、Mn:1.
    5〜5.5%、Si:0.45〜2.7%、および残部が
    実質的にCuよりなり、Mn/Si比が〜3.25
    よび固溶Si量が0.1〜1%であリ、伸び率が5%以
    上であることを特徴とする耐摩耗性アルミニウム青銅鋳
    造合金。
  4. 【請求項4】 重量でAl:7〜12%、Mn:1.
    5〜5.5%、Si:0.45〜2.7%、Zn:2%
    以下、Pb:1%以下、Cr:1%以下、V:1%以
    、Ti:1%以下、Zr:1%以下の一種以上を合計
    で1%以下とを含有し、残部が実質的にCuよりなり
    MnSiとの金属間化合物が分散し、固溶Si量が
    0.1〜1%であることを特徴とする耐摩耗性アルミニ
    ウム青銅鋳造合金。
  5. 【請求項5】 重量でAl:7〜12%、Mn:3.
    8〜5.4%、Si:0.45〜2.7%と、Zn:2%
    以下、Pb:1%以下、Cr:1%以下、V:1%以
    、Ti:1%以下、Zr:1%以下の一種以上を合計
    で1%以下とを含有し、残部が実質的にCuよりなり、
    かつ、Mn/Si比が〜3.25および固溶Si量が
    0.1〜1%であることを特徴とする耐摩耗性アルミニ
    ウム青銅鋳造合金。
  6. 【請求項6】 産業機器の鋼材からなる摺動部と摺動さ
    れる摺動部材であって、該摺動部材が重量でAl:7〜
    12%、Mn:1.5〜5.5%、Si:0.45〜2.7
    %および残部が実質的にCuよりなり、該合金組織中に
    MnとSiとの金属間化合物が分散し、固溶Si量が
    0.1〜1%である耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金
    により構成されていることを特徴とする摺動部材。
  7. 【請求項7】 産業機器の鋼材からなる摺動部と摺動さ
    れる摺動部材であって、該摺動部材が重量でAl:7〜
    12%、Mn:3.8〜5.4%、Si:0.45〜2.7
    %および残部が実質的にCuよりなり、該合金組織中に
    MnとSiとの金属間化合物が分散し、固溶Si量が
    0.1〜1%および伸び率が5%以上である耐摩耗性ア
    ルミニウム青銅鋳造合金により構成されていることを特
    徴とする摺動部材。
JP3241457A 1991-09-20 1991-09-20 高耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金、該合金を用いた摺動部材 Expired - Fee Related JP2738999B2 (ja)

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