JP2574274B2 - アルミニウム系軸受合金 - Google Patents

アルミニウム系軸受合金

Info

Publication number
JP2574274B2
JP2574274B2 JP62023469A JP2346987A JP2574274B2 JP 2574274 B2 JP2574274 B2 JP 2574274B2 JP 62023469 A JP62023469 A JP 62023469A JP 2346987 A JP2346987 A JP 2346987A JP 2574274 B2 JP2574274 B2 JP 2574274B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
weight
aluminum
less
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62023469A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63192837A (ja
Inventor
正彦 塩田
正司 有田
勝二 谷崎
広衛 大川
武志 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP62023469A priority Critical patent/JP2574274B2/ja
Publication of JPS63192837A publication Critical patent/JPS63192837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2574274B2 publication Critical patent/JP2574274B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、自動車,工作機械,農業機械等の各種機
械装置の構造部品として使用される軸受ならびに摺動部
材用の素材として適する軸受合金に関し、とくに銅系の
軸受材料に比べて軽量であってしかも耐疲労性,表面性
能にすぐれたアルミニウム系の軸受合金に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、すべり軸受の素材として用いられる合金には、
Cu−Pb系,バビット系等が使用目的などに応じて使用さ
れているが、近年、とくに内燃機関用の軸受合金として
は、耐熱耐摩耗性,耐腐食性,耐疲労性等の点からAl系
の軸受合金が注目されている。なかでも、Al−Sn系,Al
−Sn−Pb系の軸受合金は上記性能の点で他の材質のもの
に比べてかなりすぐれているため、最近に至り急速にそ
の使用量が増加している。
しかしながら、内燃機関の小型化による軸受幅の縮
小、高出力化に伴う軸受負荷の増大等の内燃機関の高性
能化により、軸受に課せられる要求はさらに強まり、と
りわけ耐疲労性の面、すなわち軸受合金の亀裂あるいは
鋼裏金からの局部的剥離を抑制すべく改善が望まれてい
るのが現状である。
このような内燃機関の高性能化に対応できるAl系の軸
受合金の一例として、本出願人は(1)特願昭59−1322
49号明細書および図面(特開昭61−12844号公報)なら
びに(2)特願昭60−268866号明細書および図面(特開
昭62−130253号公報)に示すようなAl−Pb−Sn系のアト
マイズ合金粉末に押出加工を加えることにより、高い疲
労強度と優れた潤滑性とを合わせ持たせた新しいタイプ
の軸受合金を開発した。
このうち、上記(1)のアルミニウム系軸受合金は、
Alを主成分とし、潤滑成分としてPb,Sn,In,Sb,Biよりな
る群から選ばれた1種以上の金属をAlマトリックスに対
する断面積比で0.006〜0.040、硬質成分としてSiを同じ
く断面積比で0.003〜0.060、強化成分としてCu,Cr,Mg,M
n,Ni,Znよりなる群から選ばれた1種以上の金属を0.2〜
5.0重量%、必要に応じて微細化成分としてTi,B,Zr,V,G
a,希土類元素よりなる群から選ばれた金属を全合金に対
して0.01〜3.0重量%含み、均一微細に分散した潤滑成
分の大きさが8μm以下である合金粉末から成形したビ
レットを押出比10以上で押出成形して成り、Alマトリッ
クス中に分散したSi粒子の大きさが12μm以下、常温で
の引張強さが15kgf/mm2以上、常温での伸びが13.5%以
上であることを特徴としているものである。
また、上記(2)のアルミニウム系軸受合金は、Alを
主成分とし、潤滑成分としてPb,Sn,In,Sb,Biよりなる群
から選ばれた1種以上の金属をAlマトリックスに対する
断面積比で0.04超過0.07以下、硬質成分としてSiを同じ
く断面積比で0.01以上0.17以下、強化成分としてCu,Cr,
Mg,Mn,Ni,Zn,Feよりなる群から選ばれた1種以上の金属
を0.2〜5.0重量%、必要に応じて微細化成分としてTi,
B,Zr,V,Ga,REM(Sc,Yを含む希土類元素の1種以上)よ
りなる群から選ばれた1種以上の金属を全合金に対して
0.01〜3.0重量%含み、均一微細に分散した潤滑成分の
大きさが8μm以下である合金粉末から成形したビレッ
トを押出比10以上で押出成形して成り、Alマトリックス
中に分散したSi粒子の大きさが12μm以下、とくに望ま
しくは6〜12μm、常温での引張強さが12Kgf/mm2
上、常温での伸びが11%以上であることを特徴としてお
り、Al系の軸受合金そのものとして使用したり、該軸受
合金を鋼板等と直接、あるいはAl,Ni等の密着層を介し
て接合した軸受として使用したりすることを特徴として
いるものである。
そして、上記(2)のアルミニウム系軸受合金を製造
するにあたっては、Al−8〜12重量%Pb−0.4〜1.8重量
%Sn−1.0〜15重量%Si−0.2〜5.0重量%(Cu,Cr,Mg,M
n,Ni,Zn,Feの1種以上)の合金粉末に350〜550℃で加熱
処理を施してSi粒子を6〜12μmに成長させた後、前記
合金粉末に、Al−10〜20重量%Sn系あるいはAl−10〜20
重量%Sn−1.0〜15重量%Si−0.2〜5.0重量%(Cu,Cr,M
g,Mn,Ni,Zn,Feの1種以上)系等のAl−潤滑成分(Pb,S
n,In,Sb,Biの1種以上)−硬質成分(Si)−強化成分
(Cu,Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,Feの1種以上)−必要に応じて微
細化成分(Ti,B,Zr,V,Ga,REMの1種以上)合金粉末を前
記アルミニウム系軸受合金の成分範囲となるように混合
し、さらに該混合粉末をビレットに成形した後該ビレッ
トを押出比10以上で押出成形するようにしたことを特徴
としているものである。
さらに、上記したアルミニウム系軸受合金の他の製造
法においては、前記アルミニウム系軸受合金のうちの潤
滑成分,強化成分および微細化成分についてはAl−潤滑
成分(Pb,Sn,In,Sb,Biの1種以上)−強化成分(Cu,Cr,
Mn,Ni,Zn,Feの1種以上)−必要に応じて微細化成分(T
i,B,Zr,V,Ga,REMの1種以上)アトマイズ合金粉末の形
で、硬質成分についてはSi粒子径が6〜12μmであるAl
−8〜30重量%Siアトマイズ合金粉末の形でそれぞれ用
いて前記アルミニウム系軸受合金の成分範囲となるよう
に両者を混合し、さらに該混合粉末をビレットに成形し
た後該ビレットを押出比10以上で押出成形するようにし
たことを特徴としているものである。
(発明が解決しようとする問題点) さて、上記したアルミニウム系軸受合金のなかでも、
潤滑成分として、潤滑性,耐熱耐摩耗性,親油性,耐腐
食性に優れたPbを多量に添加することが、合金全体の高
い疲労強度と優れた潤滑性を実現するという点からも望
ましい。
しかしながら、合金中のPb添加量が12重量%を超過す
ると、実用的な溶湯温度域から得られるアトマイズ粉末
では、Pb相の粗大化,偏析が生じるとともに、重力偏析
により材料間のPb含有量にばらつきが生じるため、軸受
合金の添加成分として用いた場合には、粗大なPb相の存
在により疲労強度が低下するほか、Pb含有量が異なるた
めに、耐焼付性が極端に劣る軸受合金(あるいはその部
分)や、耐疲労性が極端に劣る軸受合金(あるいはその
部分)が発生するという問題点が生じた。
したがって、上記したアルミニウム系軸受合金におい
ても、潤滑成分を均一微細に分散させるという点から、
アルミニウム合金中のPbの添加量については12重量%以
下に限定されていた。
一方、Pbをアルミニウム合金中には添加せず、単独粉
末として添加・混合する手法も考えられるが、押出のた
めの加熱時にPbの液相が粉末粒間にしみ出し、12重量%
を超過するPbを添加した場合にはPb粉末同士が結びつい
てPb相が粗大になるだけでなく、押出欠陥が発生するた
め、軸受合金に加工することは極めて困難であるという
問題点があった。
(発明の目的) この発明は、このような従来の問題点に着目してなさ
れたもので、潤滑成分のうちのPbの一部を単独の純Pb粉
末としてこれをアルミニウム合金粉末中に混合し、この
混合粉末をビレットに成形して該ビレットを押出比10以
上で押出成形することにより、Pbを均一かつ多量に添加
することを可能とし、従来よりも特に耐焼付性において
すぐれたアルミニウム系軸受合金を提供することを目的
としている。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明によるアルミニウム系軸受合金は、潤滑成分
としてPb,Sn,In,Sb,Biよりなる群から選ばれた1種以上
の金属をAlマトリックスに対する断面積比で0.03以上0.
07以下、硬質成分としてSiを同じく断面積比で0.01以上
0.17以下、強化成分としてCu,Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,Feよりな
る群から選ばれた1種以上の金属を0.2〜5.0重量%、必
要に応じて、微細化成分としてTi,B,Zr,V,Ga,REM(Sc,Y
を含む希土類元素の1種以上)よりなる群から選ばれた
1種以上の金属を0.01〜3.0重量%を含み、残部実質的
にAlおよび不純物の組成を有し、均一微細に分散した潤
滑成分の大きさが8μm以下であるアルミニウム合金粉
末88重量%以上とPb粉末12重量%以下の混合粉末の押出
成形体よりなり、Alマトリックス中に分散したSi粒子の
大きさが12μm以下、常温での引張強さが12Kgf/mm2
上、常温での伸びが13%以上であることを特徴とするも
のである。
すなわち、Pbを多量に含むAl−Pb系粉末押出材におい
て、Pbが全てアルミニウム合金粉末中に含有される場
合、実用的な溶湯温度域から得られるアトマイズ粉末で
は、Pb相の粗大化,偏析が生じると共に、材料間のPb含
有量にばらつきが生じるという問題がある。
一方、Pbを全て単独粉末としてアルミニウム合金粉末
に混合させる場合、押出のための加熱時にPbの液相が粉
末粒子間にしみ出して押出性を低下させると共に、Pb粉
末同士が結びついてPb相が粗大になるという問題があ
る。
これに対し、この発明によるアルミニウム系軸受合金
では、アルミニウム合金粉末中に含有されるPbの量を実
用的な溶湯温度域から得られるアトマイズ粉末中にPb相
を均一・微細に分散させることが可能な範囲に限定し、
その他に単独粉末としてのPb粉末を押出性を低下させず
且つPb相が粗大化しない量だけ別途添加・混合させたも
のであり、全てのPbをアルミニウム合金粉末中に含有さ
せた場合の問題点、および全てをPb単独粉末として別途
添加・混合させた場合の問題点を生じることなく、Pbの
多量添加を可能にしたものである。
以下、この発明によるアルミニウム系軸受合金の成分
および数値の限定理由について説明する。
(I)まず、アルミニウム合金粉末中に含まれる各元素
について説明する。
(1)Pb,Sn,In,Sb,Bi: Pb,Sn,In,Sb,Biは潤滑成分として有効であり、耐焼付
性にすぐれたものである。しかし、潤滑成分の総量が断
面積比(体積比)で0.03未満の場合は異物埋収性が劣
り、また0.07を超えるとマトリックスの疲労強度不足と
なり、耐荷重性の点で軸受性能を満足できなくなる。
さらに、潤滑成分の粒子径については、粒子径が過大
であると軸受合金の性能に悪影響を及ぼすので8μm以
下とするのが良い。
また、Pbについては、その添加量がアルミニウム合金
粉末中において12重量%を超過すると実用的な溶湯温度
域から得られるアトマイズ粉末中のPb相が粗大化,偏析
を生じるため、Pbの添加量は、アルミニウム合金粉末に
おいて12重量%以下とすることが望ましい。
(2)Si: Siは硬質成分として添加するものであり、共晶Siまた
は初晶SiとしてAlマトリックス中に分散し、硬質物質と
して軸受強度の向上および耐摩耗性の向上に寄与する。
このSiの添加量としては断面積比(体積比)で前記潤
滑成分の1/4より望ましくは1/3程度から2.5倍程度まで
の量が望ましく、多く添加するともろくなり加工性を阻
害するので、Alマトリックスに対する断面積比で0.01以
上0.17以下とするのが望ましい。
また、押出成形後にAlマトリックス中に分散したSi粒
子径については、12μmを超えると相手材を傷つけ、分
散の面密度が低下し、耐摩耗性が劣化するので、12μm
以下とするのがよい。
なお、特願昭60−268866号明細書および図面(特開昭
62−130253号公報)の第2の製造法のように、Si粒子径
が6〜12μmであるAl−8〜30重量%Siアトマイズ合金
粉末の形でSiを添加しても問題はない。
(3)Cu,Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,Fe: Cu,Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,FeはAlマトリックスの強度を高め
るのに有効な成分である。これらのうちCuはクリープ強
度すなわち高温軟化抵抗を高める主要な元素であり、高
温摺動下における耐疲労性の向上に寄与する。しかし、
0.2重量%未満では上記した効果が少なく、5.0重量%を
超えると針状のCuAl2化合物が多量に析出して脆くな
り、耐疲労性の低下を招く。また、Cu以外にマトリック
スの強度を高める元素として、Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,Feがあ
り、Al合金展伸材の添加元素としてよく使用されるもの
で、Cuを含むこれらの元素の1種以上を0.2〜5.0重量%
の範囲で添加してもよい。
(4)Ti,B,Zr,V,Ga,REM(Y,Scを含む希土類元素の1種
以上): Ti,B,Zr,V,Ga,REMは、Al合金の結晶粒微細化剤として
有効であり、この発明の主旨である潤滑成分(軟質物
質)の均一微細化を助長するものとして、必要に応じて
0.01重量%以上3.0重量%以下の範囲で添加することも
望ましい。
(II)次に、単独粉末として添加・混合するPb粉末につ
いて説明する。
(5)単独粉末として含まれるPbは、前記アルミニウム
合金粉末中の潤滑成分と同様に耐焼付性にすぐれ、親油
性,耐腐食性においてもすぐれている。しかし、単独粉
末として添加・混合するPb粉末の量が12重量%を超過す
ると、押出のための加熱時にPbの液相が粉末粒子間にし
み出して押出性を低下させると共に、Pb粉末同士が結び
ついてPb相が粗大になるため好ましくない。したがっ
て、Pb粉末の量が12重量%以下とアルミニウム合金粉末
の量が88重量%以上の混合粉末の押出成形体とする。
なお、単独粉末として添加・混合するPbの粒径につい
ては、押出加工により分断されて細かくなるが、アルミ
ニウム合金粉末中のPbと同程度に微細にするためには−
300メッシュ以下のものを用いる。
(III)次に、押出成形について説明する。
(6)前記アルミニウム合金粉末にPb粉末を添加・混合
した混合粉末を成形体(ビレット)に成形した後、当該
混合粉末成形体に対する押出比については、押出比が10
未満であると内部クラックおよび押出後の軸受素材の表
面割れを生じ、実用に供しうるものは得難くなるため10
以上とするのが良い。
そして、軸受合金として十分な特性が得られるよう
に、常温での引張強さが12kgf/mm2以上、常温での伸び
が13%以上であるようにした。
(実施例および比較例) <実施例1> 重量%で、Pb:12.0%,Sn:4.0%,Si:4.0%,Cu:0.75%,
Cr:0.5%,残部実質的にAlおよび不純物よりなるアルミ
ニウム合金粉末を、1000℃の溶湯からのエアーアトマイ
ズ粉末として得た。
次いで、このアルミニウム合金粉末に、−350メッシ
ュのPb粉末を8重量%添加・混合し、該混合粉末を直径
170mm,長さ200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて
冷間静水圧成形してビレットとし、このビレットを380
℃にて押出加工して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形
体を得た。
<比較例1> 実施例1で用いたエアーアトマイズ粉末のみを直径17
0mm,長さ200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて冷
間静水圧成形してビレットとし、このビレットを380℃
にて押出加工して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体
を得た。
<比較例2> 実施例1で用いたエアーアトマイズ粉末に−350メッ
シュのPb粉末15重量%を添加・混合し、実施例1と同様
にして厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体を得たが、押
出材全体に耳割れが発生した。
<比較例3> 重量%で、Pb:17.5%,Sn:4.0%,Si:4.0%,Cu:0.75%,
Cr:0.5%,残部実質的にAlおよび不純物よりなるアルミ
ニウム合金粉末を、1000℃の溶湯からのエアーアトマイ
ズ粉末として得た。
次いで、このアルミニウム合金粉末を直径170mm,長さ
200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて冷間静水圧
成形してビレットとし、このビレットを380℃にて押出
成形して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体を得た。
<実施例2> 重量%で、Pb:11.0%,Sb:6.0%,Si:2.5%,Cu:0.75%,
Cr:0.5%,残部実質的にAlおよび不純物よりなるアルミ
ニウム合金粉末を、1000℃の溶湯からのエアーアトマイ
ズ粉末として得た。
次いで、このアルミニウム合金粉末に、−350メッシ
ュのPb粉末を4重量%添加・混合し、該混合粉末を直径
170mm,長さ200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて
冷間静水圧成形してビレットとし、このビレットを460
℃にて押出加工して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形
体を得た。
<比較例4> 実施例2で用いたエアーアトマイズ粉末のみを直径17
0mm,長さ200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて冷
間静水圧成形してビレットとし、このビレットを460℃
にて押出加工して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体
を得た。
<比較例5> 実施例2で用いたエアーアトマイズ粉末に−350メッ
シュのPb粉末を14重量%添加・混合し、実施例2と同様
にして厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体を得たが、押
出材全体に耳割れが発生した。
<比較例6> 重量%で、Pb:15.2%,Sb:6.0%,Si:2.5%,Cu:0.75%,
Cr:0.5%,残部実質的にAlおよび不純物よりなるアルミ
ニウム合金粉末を、1000℃の溶湯からのエアーアトマイ
ズ粉末として得た。
次いで、このアルミニウム合金粉末を直径170mm,長さ
200mmの円柱形状に2.0tonf/cm2の静水圧にて冷間静水圧
成形してビレットとし、このビレットを460℃にて押出
成形して、厚さ3mm,幅115mmの板状押出成形体を得た。
第1表に、実施例1,2ならびに比較例1〜6で用いたA
lアトマイズ合金粉末中の潤滑成分および硬質成分であ
るSiのAlマトリックスに対する断面積比を示した。
また、押出材の引張強度と伸び、Si粒子の大きさも示
した。
摩擦試験 健全な板状押出材が得られた実施例1,2および比較例
1,3,4,6による押出成形体から幅35mm,長さ35mm,厚さ1.5
mmの供試材を切り出し、第2表および第1図に示す条件
で摩擦試験を行った。その結果を第3表に示す。
第3表に示すように、この発明による軸受合金(実施
例1,2)は比較合金(比較例1,3,4,6)よりも優れた表面
性能を有していることが明らかである。
軸受耐疲労性試験 健全な板状押出材が得られた実施例1,2および比較例
1,3,4,6による押出成形体を用いて、押出成形体→圧延
前加熱処理→圧延→アニール→純アルミニウム板とのプ
レクラッド→アニール→鋼板とのクラッド→アニール→
機械加工、の工程で軸受を製作した。
次に、各々製作した軸受に対して、第4表に示すよう
な苛酷な軸受耐疲労試験を行った。この結果を第2図に
示す。
第2図より明らかなように、本発明による実施例1,2
の軸受合金は、比較例1,4の軸受合金のPb量を増加させ
て第3表に示したように耐焼付性を向上させたものであ
るが、それにより軸受の耐疲労性が低下することはほと
んどなくほぼ同じ特性を示した。一方、従来法により比
較例1,4の軸受け合金中のPb量を増加させた比較例3,6の
軸受は耐疲労性に劣るものであった。
[発明の効果] 以上説明してきたように、この発明によるアルミニウ
ム系軸受合金は、潤滑成分としてPb,Sn,In,Sb,Biよりな
る群から選ばれた1種以上の金属をAlマトリックスに対
する断面積比で0.03以上0.07以下、硬質成分としてSiを
同じく断面積比で0.01以上0.17以下、強化成分としてC
u,Cr,Mg,Mn,Ni,Zn,Feよりなる群から選ばれた1種以上
の金属を0.2〜5.0重量%含み、残部実質的にAlおよび不
純物の組成を有し、均一微細に分散した潤滑成分の大き
さが8μm以下であるアルミニウム合金粉末88重量%以
上とPb粉末12重量%以下の混合粉末の押出成形体よりな
り、Alマトリックス中に分散したSi粒子の大きさが12μ
m以下、常温での引張強さが12Kgf/mm2以上、常温での
伸びが13%以上であることを特徴とするものであるか
ら、単独添加のPbを含めた潤滑成分が従来以上により多
く含有していても押出欠陥の発生がない高品質の軸受合
金を提供することが可能であり、耐疲労性および表面性
能(潤滑性能)という二律背反的な特性の両方共が従来
にない高い水準をもつ優れた特性の軽量軸受合金を提供
することが可能であって、とくに潤滑成分としてPbを従
来合金よりも多量かつ均一微細に分散させることが可能
であるため、潤滑性,耐熱耐摩耗性,親油性,耐腐食性
において極めて高い水準をもつ軸受合金であるという非
常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例および比較例によるアルミニ
ウム系軸受合金に対する摩擦試験の際の負荷パターンを
示す説明図、第2図は同じくこの発明の実施例および比
較例によるアルミニウム系軸受合金に対する耐疲労性試
験結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷崎 勝二 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (72)発明者 大川 広衛 習志野市実籾町1丁目687 エヌデーシ ー株式会社内 (72)発明者 坂井 武志 習志野市実籾町1丁目687 エヌデーシ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−12844(JP,A) 特開 昭58−81946(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑成分としてPb,Sn,In,Sb,Biよりなる群
    から選ばれた1種以上の金属をAlマトリックスに対する
    断面積比で0.03以上0.07以下、硬質成分としてSiを同じ
    く断面積比で0.01以上0.17以下、強化成分としてCu,Cr,
    Mg,Mn,Ni,Zn,Feよりなる群から選ばれた1種以上の金属
    を0.2〜5.0重量%含み、残部実質的にAlおよび不純物の
    組成を有し、均一微細に分散した潤滑成分の大きさが8
    μm以下であるアルミニウム合金粉末88重量%以上とPb
    粉末12重量%以下の混合粉末の押出成形体よりなり、Al
    マトリックス中に分散したSi粒子の大きさが12μm以
    下、常温での引張強さが12kgf/mm2以上、常温での伸び
    が13%以上であることを特徴とするアルミニウム系軸受
    合金。
JP62023469A 1987-02-05 1987-02-05 アルミニウム系軸受合金 Expired - Lifetime JP2574274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62023469A JP2574274B2 (ja) 1987-02-05 1987-02-05 アルミニウム系軸受合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62023469A JP2574274B2 (ja) 1987-02-05 1987-02-05 アルミニウム系軸受合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63192837A JPS63192837A (ja) 1988-08-10
JP2574274B2 true JP2574274B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=12111388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62023469A Expired - Lifetime JP2574274B2 (ja) 1987-02-05 1987-02-05 アルミニウム系軸受合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2574274B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU5718894A (en) * 1992-11-24 1994-06-22 Kbm-Metaalindustrie B.V. Aluminium-antimony master alloy

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5881946A (ja) * 1981-11-06 1983-05-17 Nissan Motor Co Ltd Al系焼結軸受合金およびその製造方法
JPS6112844A (ja) * 1984-06-26 1986-01-21 Nissan Motor Co Ltd アルミニウム系押出軸受合金およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63192837A (ja) 1988-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4857267A (en) Aluminum base bearing alloy and method of producing same
US4452866A (en) Aluminum-based alloy bearing
JP4424810B2 (ja) 焼結材料
JP3839740B2 (ja) 摺動材料
DE3631029A1 (de) Aluminium-lagerlegierung und zweischicht-lagermaterial mit einer lagerschicht aus der aluminium-lagerlegierung
JP2738999B2 (ja) 高耐摩耗性アルミニウム青銅鋳造合金、該合金を用いた摺動部材
JP2532790B2 (ja) オ―バ―レイを有する銅鉛合金軸受
JP2756407B2 (ja) 耐腐食性と耐摩耗性に優れた摺動材料およびその製造方法
JP2810057B2 (ja) アルミニウム系軸受合金
JP2769421B2 (ja) 耐腐蝕性に優れた銅鉛軸受合金材料及びその製造方法
JP5412530B2 (ja) すべり軸受用アルミニウム合金、すべり軸受及びその製造方法
US5453244A (en) Aluminum alloy bearing
JP3185219B2 (ja) アルミニウム系軸受合金
EP2041327B1 (en) Aluminium bearing alloy aluminiumlagerlegierung
US5665480A (en) Copper-lead alloy bearing
JPS6318659B2 (ja)
JP2574274B2 (ja) アルミニウム系軸受合金
JPS62235455A (ja) アルミニウム系軸受合金およびその製造方法
JPS636215A (ja) 軸受
JPH0569894B2 (ja)
JPS6237336A (ja) 軸受合金
JPH0421735A (ja) アルミニウム系軸受合金
KR102577574B1 (ko) 특수 황동 합금 및 특수 황동 합금 프로덕트
JPS6237337A (ja) 軸受合金
DE3000774C2 (de) Zinnhaltige Aluminium-Lagerlegierung