JP2737954B2 - 低温軟化性無酸素銅稀薄合金およびそれを用いたプリント基板用銅箔 - Google Patents

低温軟化性無酸素銅稀薄合金およびそれを用いたプリント基板用銅箔

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JP2737954B2 JP63256307A JP25630788A JP2737954B2 JP 2737954 B2 JP2737954 B2 JP 2737954B2 JP 63256307 A JP63256307 A JP 63256307A JP 25630788 A JP25630788 A JP 25630788A JP 2737954 B2 JP2737954 B2 JP 2737954B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、軟化温度が低くしかも繰返し曲げ特性にす
ぐれた無酸素銅稀薄合金ならびにそれを用いたフレキシ
ブルプリント基板用銅箔に関するものである。
[従来の技術] 銅はすぐれた導電性と比較的良好な機械的強度および
耐環境特性を有しており、導電材料として各種の分野に
広範囲に使用されている。
そのような導電材料としての一般的な利用分野におい
ては、通電による温度上昇を伴う場合が多く、従来の銅
合金の研究開発の目標は、導電性を十分に確保しつつ如
何にして軟化温度の高い即ち耐熱性にすぐれた材料を入
手するかという点に絞られてきた観がある。
しかし、利用分野によっては、つねに高耐熱性が要求
されるとは限らず、低温で容易に軟化しすぐれたフレキ
シビリティを発揮し得ることが要求される場合も少くな
い。一般例として、マグネットワイヤにおけるしなやか
さなどをあげるこができるが、今日広く実用化されてい
るフレキシブルプリント基板などにおいても同様のこと
がいえる。すなわち、フレキシブルプリント基板は、樹
脂と銅箔とをラミネートした状態で使用されるが、フレ
キシビリティをよくするためには銅箔を軟化させ十分な
屈曲特性を持たせる必要がある。この場合、ラミネート
工程では機械的強度の上から銅箔として圧延加工された
ままの硬質の材料を用いる必要があり、その硬銅箔をラ
ミネートした後熱処理をして軟化させている。
一方、樹脂側は前記ラミネートした後加熱キュアして
硬化させ強度を向上させるのが通常である。
従って、上記樹脂をキュアするための加熱温度である
約130℃程度以下の低温において前記銅箔が容易に軟化
すれば製造工程上非常に好都合であり、フレキシブルプ
リント基板用として上記樹脂のキュア温度で軟化し得る
銅箔が強く求められてきた。
上記のような低温において軟化させ得る材料として、
従来よりタフピッチ銅が使用されてきた。タフピッチ銅
は0.03〜0.05%程度の酸素を含有し、この酸素が銅中の
不純物を酸化物の形で析出させ、銅マトリックス中に固
溶し軟化を妨げている元素を清浄化して除去する作用が
あるために、無酸素銅よりも軟化温度が約30〜40℃程度
低くなり、上記した樹脂のキュア温度において容易に軟
化させることができるからである。
[発明が解決しようとする課題] 上記のタフピッチ銅は、前述のように低温軟化特性は
すぐれているが軟化後の繰返し曲げ疲労特性においては
無酸素銅よりもはるかに劣っている。フレキシブル基板
においてこの繰返し曲げ特性が十分でないことは甚だ不
都合であるため、屈曲特性にすぐれている無酸素銅を使
用しようという試みがこれまでも数多く検討されてき
た。しかし、前記した130℃の加熱温度では、加工度を
きわめて大きくとっても、これを軟化させることは非常
に困難であった。
これを改善するために、無酸素銅中にTiあるいはNbを
添加する試みもなされているが、これらの元素は酸化し
易いといった問題があり、溶解鋳造に多くの困難を伴う
上、所望の添加量をコントロールすることが難しいとい
う問題もあって、必ずしも満足すべきものとはいい難い
のが実情であった。
本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を
解消し、溶解鋳造が容易でありかつ樹脂のキュア温度程
度の低温において容易に軟化させることが可能な無酸素
銅稀薄合金およびそれを用いたプリント基板を提供しよ
うとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、不可避なる不純物の総量が0.005重量%以
下の無酸素銅中にNiのみあるいはNiにTi,V,Ca,Mnの中か
ら選ばれた少くとも一種を加えた添加元素を0.001〜0.0
3重量%の範囲で含有せしめたものである。
添加量が0.001重量%以下では元素添加の効果が不十
分となり、加工度をきわめて大きくとっても樹脂のキュ
ア温度で十分に軟化させることはできない。また、添加
量が0.03重量%を超えても反対に添加量が多くなりす
ぎ、添加元素のために軟化温度が再び上昇してしまい所
期目的を達成することができなくなる。
さらに、本発明においては、ベース素材となる無酸素
銅についても、酸素などの不可避な不純物が総量で0.00
5重量%以下のきわめて高純度の素材を用いる必要があ
る。これ以上の不純物が含まれていると添加したNi等と
相乗して純度の低下が大きくなり、タフピッチ銅と比較
して無酸素銅が有する最大の特徴点である繰返し曲げ疲
労特性に劣化が生じ、無酸素銅を用いたことの本来の意
義が失われるからである。
[作用] 上記の高純度無酸素銅中に上記添加元素を上記規定の
範囲内において添加すると、無酸素銅中に除去し難い元
素として固溶状態で残留しそれによって軟化温度を高め
ているPやS等と前記添加元素とが結合し、析出除去さ
れる上、添加元素が再結晶の核となり、再結晶核生成の
エネルギを小さくすることで軟化温度が大巾に低下す
る。このため、加工度をある程度大きくしてやれば樹脂
のキュア温度においても容易に軟化させることができ、
大きなフレキシビリティと繰返し曲げ疲労特性の改善を
図ることが可能となるばかりでなく、従来必要であった
銅箔を軟化させるためのその後の焼鈍工程を省略するこ
とができ、それだけ工数およびコストの低減を実現させ
ることができる。
[実施例] 以下に、本発明について実施例を参照し説明する。
連続溶解鋳造装置で溶解した無酸素銅(第1表の試料
No.1)の溶湯にそれぞれ母合金を用いて元素を添加し、
第1表におけるNo.3〜10に示す合金組成の無酸素銅稀薄
合金のインゴットを溶製した。この場合のベース材料で
あるNo.1試料の不純物の総量は0.004重量%以下であっ
た。
上記とは別に、シャフト炉により溶解したタフピッチ
銅により同じ形状のインゴットを溶製し、試料No.2とし
た。
上記のようにして得られた試料No.1〜10のインゴット
を常法に従って熱間圧延した後、中間焼鈍と冷間圧延を
繰返し、それぞれ第1表に示す加工度を有するそれぞれ
厚さ35μmの銅箔とした。これよりそれぞれ試験片を採
取し、1時間の等時軟化曲線を作成しそれぞれの軟化特
性を評価した。
第1表にその結果を示す。
第1表よりわかるように、無酸素銅(No.1)そのもの
はきわめて高純度材料であるにも拘らず、軟化温度はタ
フピッチ銅(No.2)に比較してかなり高い。
Niを添加しても、添加量が本発明の範囲よりも少ない
No.3ではなおタフピッチ銅よりも軟化温度が高く、反対
に本発明の範囲を越えて添加されたNo.5の場合も同様の
傾向を示す。
しかし、Niの添加量が本発明の範囲内であるNo.4,No.
5あるいはNiのほかにTi,V,Ca,Mnをそれぞれ極く微量添
加しているNo.7〜10においては、いずれも軟化温度がタ
フピッチ銅のそれよりも低くなり、すぐれた低温軟化特
性を具有するようになることがよくわかる。
因みに、上記したそれぞれの本発明に係る銅箔のうち
加工度90%のものを用い、それぞれフレキシブルプリン
ト基板に用いられる樹脂と同じ樹脂にラミネートさせ、
これらを130℃で24時間熱処理して樹脂をキュア硬化さ
せた。この結果、前記キュア工程中にラミネートされた
銅箔もすべて完全に軟化し、すぐれたフレキシビリティ
と繰返し曲げ疲労特性を発揮することが明らかとなっ
た。
以上においては、具体例として本発明に係る無酸素銅
稀薄合金をフレキシブルプリント基板に応用する場合に
ついて説明したが、必ずしもそれにのみ限定されるもの
ではない。
第1表に示した通り、タフピッチ銅よりも軟化温度が
低いことに着目すれば、例えば前述したマグネットワイ
ヤ用のエナメル線としても非常に有用である。軟化し易
い上に曲げ強度にすぐれているから、エナメル塗布にお
けるライン速度を大巾に上げることが可能となり、その
分コストダウン を図り得る上、しなやかさにすぐれた無酸素銅エナメル
線を入手することができる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、無酸素銅の軟化温度を
顕著に低下させ得るものであり、フレキシブルプリント
基板に応用して少い工数ですぐれたフレキシビリティと
耐屈曲性とを併せ有する製品を提供し得るばかりでな
く、マグネットワイヤ等への応用など軟化特性の要請さ
れる分野に広く適用できるものであって、そのコスト低
減効果と併せ工業上非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−140052(JP,A) 特開 昭62−243727(JP,A) 特開 昭60−17040(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiのみあるいはNiにTi、V、Ca、Mnの中か
    ら選ばれた少なく一種を加えた添加元素を0.001〜0.03
    重量%含有し、その酸素等の不可避なる不純物が合計量
    で0.005重量%以下である低温軟化性無酸素銅稀薄合
    金。
  2. 【請求項2】NiのみあるいはNiにTi、V、Ca、Mnの中か
    ら選ばれた少なく一種を加えた添加元素を0.001〜0.03
    重量%含有し、その酸素等の不可避なる不純物が合計量
    で0.005重量%以下である無酸素銅稀薄合金よりなるプ
    リント基板用銅箔。
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