JP2534073B2 - 電子部品構成用銅合金及びその製造方法 - Google Patents

電子部品構成用銅合金及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な銅合金、特にその機械的特性および電
気的特性ゆえに電子部品の構成に特に適した、銅合金及
びその製造方法に関する。
従来の技術 機械的にも熱的にも強度の応力が加わる多くの電子部
品、たとえばスイッチの部品、「リードフレーム」(マ
イクロプロセッサおよび/または記憶素子を構成する半
導体プレートを支えるフレーム)、直列母線ターミナル
支持板、サーモスタットの接点などは、高度の延性、高
度の耐久性および機械的強度と、高度の熱伝導性および
導電性とを同時に備えた合金で製造する必要がある。
今日市場には極めて多くの銅系合金が出回っている
が、これらはどれもその合金のそれぞれの開発目的にあ
った特定の用途にしか適していないという点で不都合で
あり、その結果、各合金は上掲の部品の1種ないしわず
か数種類にしか適当でなく、これでは全く不十分であ
る。
また、この種の合金の多くはカドミウムを含有してい
るので、その製造時には重大な環境汚染を引きおこす。
さらにこの種の合金の大半は、特に稀少な元素を使用し
たり、何よりもこれらの合金の製造方法が困難で、正確
な脱酸素、好ましくは特定の脱酸素剤成分を正確に案分
することによって行う必要があったりするので高価であ
る。
実際、極めて少ない割合の酸素によって、この種の合
金の熱伝導率および導電率が劇的に下がり、なによりも
水素脆化をひきおこす反応のせいで、はんだ付けが不能
となることが知られている。一方、酸素に対する親和性
の高い脱酸素元素たとえば燐の添加は、固溶体および/
または燐酸塩の形成による伝導率の急激な低下を防止す
る必要がある場合には、当該元素の含量を予想される酸
素含量に応じて正確に案分しなければならないという問
題を含むことも知られている。
米国特許第3,677,745号ではこの後者の問題が合金に
少量の割合のマグネシウムを添加することによって経済
的に解決されている。マグネシウムは過剰の燐と結合し
て金属間化合物を形成し、これによりマトリックス中の
遊離した燐および/またはマグネシウムの量が劇的に制
限され、不正確な割合の燐が存在してても伝導率の低下
が防止できる。さらに、形成した金属間化合物によっ
て、この合金は機械的特性を改善する析出による時効硬
化を行うことが可能となる。
上記の米国特許の合金は正確な案分の問題を単に燐か
らマグネシウムへと移すものであるが、一つの利点は、
マグネシウムの化学量論的割合に関して導電率に悪影響
を及ぼすことなく変化しうる割合が燐よりもはるかに広
く、合金に銀(0.2%以下)またはカドミウム(2%以
下)を添加することによってこの割合をさらに広げるこ
とができることにある。このような添加は上記特許に基
づいて工業的に製造した合金では必ず行われ、これは明
らかに、一次材料が高価格となり、さきに言及した汚染
の危険性が生じるという欠点が伴う。
また、米国特許第3,677,745号の合金では、電子部品
の分野の各種の用途に適した合金を製造できるようにす
るという技術上の問題は解決できない。そのため、現在
公知の合金を使用しようとする者は、製造すべき部品の
それぞれの種類(リードフレーム、接点など)につい
て、特定の化学組成の合金を他の部品に使用する合金と
は別に在庫するよう手配せねばならない。これでは明ら
かに大幅な節約を行うことはできないし、生産および供
給の管理が複雑になる。
発明が解決すべき問題点 本発明の目的は、使用者の要望に応じて同じ組成によ
って、十分高度な導電率および機械的強さを、現在は異
なった組成の合金によってのみ満足されている要求を満
足するような範囲内で変化させることのできる特性を有
し、そして同時に、電子用途を満足する機械的強さおよ
び導電率の最大値、高い延性およびはんだ付け適性を示
し、価格が低く、製造が極めて容易で、カドミウムを使
用しない、新規な銅合金及びその製造方法を提供するこ
とにある。
問題点を解決するための手段 この目的は、重量基準で0.05〜1%のマグネシウム、
0.03〜0.9%の燐、および0.002〜0.04%のカルシウムを
含有し、残部が銅で、不純物を含有することもあり、合
金に含有されるマグネシウムと燐の重量比が1:1〜5:1
で、かつ合金に含有されるマグネシウムとカルシウムの
重量比が5:1〜50:1である電子部品構成用銅合金によっ
て達成される。
このような範囲内の組成を有する合金は、実際に、出
願人が実験によって見出したように、高い値の熱伝導率
および導電率、耐破損性と引張降伏が最適に組合わさる
ことによって付与される高い機械的強度,硬さ,高い変
形性,高温時の優れた動作,脆性の不存在,応力不足お
よび水素脆化に対する性質,良好なはんだ付け適正を有
している。また、合金を時効硬化によって硬化が行える
ように、金属間化合物の微粒子を分子力により、固体銅
マトリックスの隣接する結晶粒子の境界部に集めるため
に熱処理を行うことができる。
さらに驚くべきことに、この種の合金は、全く同一の
合金元素の化学組成で2種の異なった析出温度範囲を有
し、この2種の析出温度範囲に対応して合金の機械的特
性および導電率特性が全く異なるという独特の特性を有
する。さらに本発明の合金は、実質的に同じ導電率を有
しつつ(すなわち狭い導電率の変化範囲内で)、それぞ
れどちらかの析出温度範囲にて行った時効硬化処理時の
異なった物理的状態のどちらにおいても、断面縮少率の
程度が異なり、圧延または冷間引抜によって生じた加工
硬化の状態に応じて、合金の機械的特性を広範囲にわた
って変化させることができる。
したがって、本発明の合金は実質的には合金中に重量
%で99%以上存在する銅系マトリックスを有し、合金成
分間および銅との間で二元,三元および四元金属間化合
物を形成するような方法で合金が相互に作用しうる特定
の割合の、マグネシウム(Mg),燐(P)およびカルシ
ウム(Ca)から構成される合金元素の新規な組合せを含
有する金属合金である。
このような三元および四元金属間化合物の存在の可能
性は本発明がはじめて明らかにしたものである。合金は
錫も、重量%で約0.03%〜0.15%の範囲、好ましくは上
限に近い量を含有するのが有利で、不可避に含まれる痕
跡量の各種の合金、特に危険性のない不純物である鉄だ
けでなく、さらに焼成温度を上昇させる目的で少量(0.
003重量%)の銀を含有することができる。
したがって、本発明の合金は、重量基準で0.22%のM
g,0.20%のP,0.01%のCa,および0.10%のSnを含有し、
残部がCuである公称組成を有し、不純物を含有する可能
性もある。上記合金元素のわずかな含有率はさきに説明
した合金の新規な特性を変更することなく比較的広範囲
に変化することができ、より具体的には、マグネシウム
は0.05%〜1重量%、燐は0.03〜0.90重量%、そしてカ
ルシウムは0.002〜0.040重量%の範囲で変化することが
でき、一方錫はすでに説明した範囲内で変化しうるが0.
08重量%未満となることがないのが好ましい。
本発明の合金のさきに説明した顕著な特性は、錫を導
入しなくても、すなわち本発明が本質的に四元合金、Cu
−Mg−P−Caに関連する場合でも得られるものである
が、驚くべきことに、錫は本発明の合金の高温流動性お
よび鋳造性を相当増大させるだけでなく、この合金の優
れた特性の由来する金属間化合物の形成に直接参画しう
ることが見出されているので、五元合金Cu−Mg−P−Ca
−Snも本発明の一部であると考えるべきである。後者は
錫によって改善され、合金成分、特に脱酸素用の燐およ
び脱燐用のカルシウムの割合の変化しうる範囲は、錫を
含まない基本的四元合金に比べて広くなる。
本発明の合金は、米国特許第3,677,745号、ブルッツ
ォーネ(Bruzzone)、(レスコモンメタルズ(Less Com
mon Metals)、1971,25,361)およびベントゥレッロと
フォルナセリ(Venturello and Fornaseri)(メト イ
タル (Met.Ital.)1937,29,213)の研究に基づいて開
発されたCu−Mg−SnおよびCu−Mg−Ca合金の三相状態図
およびダブリューサリー(W.Thury)(メタル(Metal
l)1961,第15巻,11月号1079〜1081頁)の、燐の添加に
よって導電性に影響を及ぼすことなく銅を還元する際
に、過剰の燐を除去するために、燐と結合して導電性を
低減させることのない燐酸カルシウムにするカルシウム
を添加する方法等の研究から出発し、出願人の行った研
究から生じたものである。
このような技術の状態に基づいて、CaおよびSnがMgお
よびCuと金属間化合物を形成するという理論的可能性に
よって、出願人の技術者らは、サリー(Thury)の方法
によりPとCaを添加することによって予め還元した銅
に、Mgおよび/またはSnを添加することにより、これら
の合金元素の片方または両方が過剰に存在すると考えら
れるカルシウムと結合してカルシウムまたはマトリック
スの銅との金属間化合物を形成しうるのではないかと期
待して、高度の強さおよび導電性と良好なはんだ付け適
性を有する銅合金の製造に努めた。
このようにして、本発明者らは、得られる合金を時効
硬化によって硬化可能とすることにより、機械的強さを
増大させることを期待し、同時に、銀のような貴重な合
金元素に頼ることなく還元元素の案分の問題を解決する
ことを期待していた。
後者の観点に限定して言えば、実際、PとMgを用いる
米国特許第3,677,745号で行う還元機構は、さきにも強
調したように、この方法によって、脱酸素剤の案分を監
視する問題が解決されたわけではなく、特に銀の存在下
で問題がさほど深刻でなくなっただけであるという点で
不十分であった。
一方、脱酸素後に残留Pに関して脱燐剤としてMgのか
わりにCaを使用する方法は、それだけでも高い導電性の
保持に関してはより有利であり、ともかく、2つの方法
を残留物をMgの添加によって除去することにより組み合
わせる理論的可能性を提供した。
ここでMgの添加は、上記米国特許で銀またはカドミウ
ムの添加によって得られた利点と同じ利点を提供してい
る。一方本出願人が行った試験では、予想した結果が得
られたことが立証されただけでなく、合金成分間の比率
が特定の範囲内であるならば、析出処理の前、あるいは
むしろ合金の溶融後の凝固時に、すでに、合金元素間の
相互作用が予想よりはるかに大きく、全く予想外の金属
間化合物、たとえば四元CuMgPCa化合物が形成されてい
ることも立証された。
これらの金属間化合物は透過型電子顕微鏡で検出さ
れ、0.4〜0.5ミクロン程度の寸法を有していた。このよ
うな化合物とともにマトリックスにはCuP,CuPMg,PCaお
よびCuMgのような超顕微鏡的粒子も存在しており、これ
らは倍率6〜9000倍の走査型電子顕微鏡で検出された。
時効硬化処理の前に上記のような金属間化合物が存在す
るのに伴って、合金が全く新規で予想外の驚くべき性質
をとること、すなわち、この合金が互に異なる2種の時
効硬化温度、というよりむしろ温度範囲を有することを
見出した。出願人が事実上明らかにしたのは、合金が特
定の組成を有するためにこのような予想外の化合物が存
在すると、この合金には1種でなく2種の異なった温度
での異なった処理を行うことができ、その結果合金が、
最初の組成は全く同じであるにもかかわらず、全く異な
った最終的特性を示すことである。
銅系合金のこのような全く新しくかつ驚くべき性質に
よって、特に電子部品産業では大規模な節約を行うこと
が可能になる。実際、本発明の合金はその特性ゆえに、
異なった熱処理を行うだけで互に極めて異なった要求も
その通りに満足することができる。
この熱処理は単純なので、最終使用者が実施すること
もでき、したがって、最終使用者は時効硬化していない
原材料を在庫しておき、種々の要求に応じて、異なった
温度での人為的時効硬化およびその後のどちらかといえ
ば強制的な低温での変形加工を、その時々に要望される
特性を有する製品が得られるような方法で行うことがで
きる。
これまではこのような製品は、最終用途に関して全く
互換性のない、異なった化学組成の異なった合金を使用
することによってしか得られなかったものである。
本発明のこのような基本的効果は、上述の含量のMg,P
およびCaを含有する合金を実現したことによってのみ達
成されたわけではなく、合金元素間の比が、合金が特定
の特性を失うようなある範囲内に含まれるようにしても
得られるものである。
具体的には、合金中のマグネシウム含量と燐含量の重
量比は1:1〜5:1の範囲である必要があり、同時にこの基
本比をくずさない範囲で、マグネシウム含量とカルシウ
ム含量の重量比は5:1〜50:1の範囲とする必要がある。
合金中のカルシウム含量が0.002〜0.02重量%で、Mg/P
の重量比が1〜3の範囲、Mg/Caの重量比が10〜20の範
囲で組み合わせると、優れた結果が得られる。
これらの範囲に限定することは、合金中で成分間の特
定の化学量論的比を決定せねばならないことに相当して
おり、この比の範囲内のときにはじめてさきに説明した
四元金属間化合物が形成されると推定され、この四元金
属間化合物によって、異なった時効硬化温度に応じて異
なった機械的特性を示す能力を有するか否かが決まると
考えられる。析出の前にCaP,CuMgおよびCuPが存在して
いることは実際には普通であるが、CuMgPおよびCuCaMgP
が存在していることは全く予期せざることで、これは熱
間加工の際にすでに生じていた部分的析出のためだと考
えられる。
したがって、時効硬化の際に生じる析出の間にCaPがC
uMgと反応して結晶粒子の境界部において細かく分散し
たCuCaMgPとなると考えることは正当である。
その他に、本発明の銅合金の製造は通常の方法によっ
て行い、溶融の後、鋳造し、次に凝固した合金を860〜8
90℃の範囲の温度で圧延または熱間押出しすることによ
り加工し、その後合金を圧延または冷間引抜によって加
工して断面積を50%〜80%の範囲で縮少し、次に合金の
人為的時効硬化を析出熱処理によって行う。
析出熱処理は、通常の合金に用いる製造方法とは異な
り、優れた機械的特性を得るのが望ましいのか、優れた
電気的特性を得るのが望ましいのかに応じてそれぞれ選
ばれた365〜380℃または415〜425℃の範囲の温度に十分
な時間(1ないし2時間)保つ工程よりなる。
実施例 本発明を添付図面に言及しつつ、以下の実施例によっ
て説明する。本発明はこれらの実施例によって限定され
ない。
実施例I 容量が約100Kgの、炭化珪素型のルツボを有するガス
ルツボ炉中で、ホウ砂系融剤で覆って溶融した70Kgの9
9.9ETP銅よりなる装填材料で実験溶融物を製造し、次に
水冷した直径220mmのインゴット・モールドで連続鋳造
し、その後、1.1Kgの燐酸銅(85重量%のCuおよび15重
量%のP)を工具を用いてルツボの底部に位置させるこ
とによって還元し、次に2KgのMgと7gのCaを加える。
分析用のサンプルを採取した後、インゴットモールド
への鋳造を行い、そしてその後インゴットを厚さ11mmま
で860〜890℃の温度で熱間圧延(HRと略称する)し、こ
うして得られたインゴットをフライス削り、すなわち
「皮むき」を行って酸化層を除去した後、断面積50%〜
80%の範囲で低減するような方法で冷間圧延(CRと略称
する)と、365〜425℃の範囲の温度で所定の温度に保持
することによって必要に応じて行う人為的時効硬化熱処
理とからなる各種の加工サイクルを行う。
こうして得られたインゴットに最後に、硬度試験(ビ
ッカース法、100グラム/30インチ)とIACS(Internatio
nal Annealed Copper Standard,国際焼鈍銅規格)規則
による標準電導率試験とを行った。
標準導電率試験では、導電率をIACS試験片の20℃での
導電率(1.7241マイクロオーム−cmの抵抗率を表わすこ
とが知られている)のパーセントで表現する。得られた
結果を第I表に示し、同じ組成でも合金の性能が処理の
種類に応じて、異った物理的特性および機械的特性とな
ることを例示する。耐高温軟化性(各種の温度での1時
間経過後のビッカースマイクロ硬度)については、得ら
れた結果を第1図に示す。
実施例II 容量が4トンで半連続鋳造位置を有する工業的誘導炉
を用い、炉の各種の容量に比例した量の銅および合金元
素を入れる以外は、実施例Iと同様に操作してインゴッ
トを得た。このインゴットを870℃の温度で厚さが11mm
となるまで完全に熱間圧延し、このようにして圧延した
インゴットを次にさらに断面縮小率50%で冷間圧延して
厚さが5.5mmの圧延インゴットを得、サンプルを採取し
た後、このインゴットをそれぞれAおよびBと称する2
つの部分に分け、その後電気炉中で、2時間加熱し2時
間その温度に保ち、次いで5時間冷却する工程よりなる
加熱サイクルで処理した。
A部分は425℃で処理し、B部分を370℃で処理する。
熱処理の後、各部分をさらに番号1,2および3で示す
サブグループに分けた。
サブグループ1は弱い加工硬化を行うよう断面縮小率
20%で冷間圧延し、サブグループ2はさらに強度の加工
硬化を行うために(半硬化状態)断面縮小率45%で圧延
し、一方サブグループ3は強度に加工硬化した(硬化状
態)圧延インゴットを製造するために98%の縮小率で圧
延した。A部分とB部分のサンプルをさらに圧延の前に
採取し、圧延した後に各サブグループ1,2および3から
サンプルを採取した。サンプルに機械的強度および導電
率の通常の試験を行い、得られた結果を第II表および第
III表に示す。
第 II 表 時効硬化後の合金の特性 A型 B型 導電率(*) 80%IACS 70%IACS 熱伝導率(Kcal/hm ℃) 274.7 240.3 密度(Kg/dm3) 8.796 8.796 (*)国際焼鈍銅規格試験片の20℃での導電率のパーセ
ントで示す。
実施例III 実施例IIと同様に操作して、重量%で以下の組成を有
する3トンの合金を製造した。
0.25%Mg,0.20%P,0.01%Ca,0.10%Sn,残部Cu。製造
した合金を「A型」および「B型」で示す2つの部分に
分け、実施例IIと同様にして圧延サイクルおよび時効硬
化サイクルを行った。
得られた圧延インゴットを実施例IIと同様に試験し、
得られた結果を図示し、市販されている主要な電子用銅
合金のいくつかの図示した性能を比較した。結果を第2
図に示す。第2図から、全く同一の化学組成を有する本
発明の合金が、行った加工の種類(「A型」部分および
「B型」部分)に応じて各種の物理的特性を示しうるこ
とがわかり、その特性が全く異なった組成(処理が異な
っているのではない)を有する公知の合金を占める位置
を占めることを見出した。特に、実施例IIで「A型」と
して示し、LMI108Aの記号で示すサイクルにしたがって
加工した本発明の合金は、ウィーランド(Wieland)K72
の合金0.3Cr−0.15Ti−0.02Si−Cu)と性能が似てお
り、一方、実施例IIで「B型」として示し、記号LMI108
Bで示すサイクルにしたがって加工した同じ合金は、オ
リン(Olin)C197の合金(0.6Fe−0.05Mg−0.20P−必要
に応じて0.23Sn−Cu)と性能が似ている。
実施例IV 実施例Iと同様にして、種々の合金元素の含量の影響
をテストするために、各種の化学組成の合金を製造し
た。製造の後、まず直径を24.5mmまで下げるべく870℃
で熱間押出し、次に直径を14.5mmまで下げるべく冷間引
抜したサンプルを、次に各種の温度で時効硬化し、そし
て標準導電率試験とビッカース硬度試験を行った。得ら
れた結果を第IV表に示す。
発明の効果 本発明によると、合金元素が適正な比率で含有されて
いるので、これらの元素の一部が合金の加工周期中に相
互間の化学的反応により金属間化合物を形成し、このよ
うな金属間化合物が存在することによって合金が2種の
時効硬化温度を有し、この結果、合金に2種の異なる温
度で処理を行って全く異なる最終的特性を付与すること
を可能にする。これにより、使用者の要望に応じて同じ
組成によって、十分高度な導電率および機械的強さを、
現在は異なった組成の合金によってのみ満足されている
要求を満足するような範囲内で変化させることのできる
特性を有する。そして同時に、電子用途を満足する機械
的強さおよび導電率の最大値、高い延性およびはんだ付
け適性を示し、価格が低く、製造が極めて容易で、カド
ミウムを使用しない、新規な銅系金属合金を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の合金の高温時の性能を例図、第2図
は、本発明の合金の性能と、数種の市販の電子部品合金
の性能との比較図である。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量基準で、0.05〜1%のマグネシウム、
    0.03〜0.9%の燐、および0.002〜0.04%のカルシウムを
    含有し、残部が銅で、不純物を含有することも可能であ
    り、合金に含有されるマグネシウムと燐の重量比が1:1
    〜5:1で、かつ合金に含有されるマグネシウムとカルシ
    ウムの重量比が5:1〜50:1であることを特徴とする電子
    部品構成用銅合金。
  2. 【請求項2】カルシウムの含量が0.002〜0.02重量%、
    マグネシウムと燐の重量比が1:1〜3:1で、かつマグネシ
    ウムとカルシウムの重量比が10:1〜20:1である特許請求
    の範囲1項記載の合金。
  3. 【請求項3】重量基準で、0.05〜1%のマグネシウム、
    0.03〜0.9%の燐、0.002〜0.04%のカルシウム及び0.03
    〜0.15重量%の量の錫を含有し、残部が銅で、不純物を
    含有することも可能であり、合金に含有されるマグネシ
    ウムと燐の重量比が1:1〜5:1で、かつ合金に含有される
    マグネシウムとカルシウムの重量比が5:1〜50:1である
    ことを特徴とする電子部品構成用銅合金。
  4. 【請求項4】カルシウムの含量が0.002〜0.02重量%、
    マグネシウムと燐の重量比が1:1〜3:1で、かつマグネシ
    ウムとカルシウムの重量比が10:1〜20:1である特許請求
    の範囲第3項記載の合金。
  5. 【請求項5】重量基準で、0.05〜1%のマグネシウム、
    0.03〜0.9%の燐、0.002〜0.04%のカルシウム、0.03〜
    0.15重量%の量の錫及び0.003重量%の銀を含有し、残
    部が銅で、不純物を含有することも可能であり、合金に
    含有されるマグネシウムと燐の重量比が1:5〜5:1で、か
    つ合金に含有されるマグネシウムとカルシウムの重量比
    が5:1〜50:1であることを特徴とする電子部品構成用銅
    合金。
  6. 【請求項6】カルシウムの含量が0.002〜0.02重量%、
    マグネシウムと燐の重量比が1:1〜3:1で、かつマグネシ
    ウムとカルシウムの重量比が10:1〜20:1である特許請求
    の範囲第5項記載の合金。
  7. 【請求項7】重量基準で、0.05〜1%のマグネシウム、
    0.03〜0.9%の燐、および0.002〜0.04%のカルシウムを
    含有し、残部が銅で、不純物を含有することも可能であ
    り、合金に含有されるマグネシウムと燐の重量比が1:1
    〜5:1で、かつ合金に含有されるマグネシウムとカルシ
    ウムの重量比が5:1〜50:1である合金を溶融およびそれ
    に続く鋳造によって製造し、860〜890℃の温度で熱間圧
    延または押出しによって凝固した合金を加工し、その後
    冷間圧延または引抜きにより合金を加工して断面積を50
    〜80%縮少し、そして目標特性が良好な機械的特性なの
    か電気的特性なのかに応じてそれぞれ365〜380℃および
    415〜425℃の範囲から選んだ温度に合金を十分な時間保
    つ析出熱処理により合金の人為的時効硬化を行う工程よ
    りなることを特徴とする電子部品構成用銅合金の製造方
    法。
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