JPH0649571A - 経年寸法変化フリーの鋳造用亜鉛合金、鋳造部品及び鋳造部品の熱処理法 - Google Patents
経年寸法変化フリーの鋳造用亜鉛合金、鋳造部品及び鋳造部品の熱処理法Info
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- JPH0649571A JPH0649571A JP21660392A JP21660392A JPH0649571A JP H0649571 A JPH0649571 A JP H0649571A JP 21660392 A JP21660392 A JP 21660392A JP 21660392 A JP21660392 A JP 21660392A JP H0649571 A JPH0649571 A JP H0649571A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アルミニウム2〜10重量%、銅0〜1重量
%を含み、所望によりマグネシウム0.01重量%以
下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%以下及び
ベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1重量%以
下含有し、更に所望によりチタン、コバルト、マンガン
及びランタノイドの1種以上を合計で0.3重量%以下
含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物からなり、経年寸
法変化が±0.1%の範囲内である鋳造用亜鉛合金。 【効果】 本発明の鋳造用亜鉛合金の経年寸法変化は±
0.1%の範囲内にあり、精密亜鉛合金ダイカスト部品
の製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜鉛合
金であるので、広範な用途に用いることができる。
%を含み、所望によりマグネシウム0.01重量%以
下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%以下及び
ベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1重量%以
下含有し、更に所望によりチタン、コバルト、マンガン
及びランタノイドの1種以上を合計で0.3重量%以下
含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物からなり、経年寸
法変化が±0.1%の範囲内である鋳造用亜鉛合金。 【効果】 本発明の鋳造用亜鉛合金の経年寸法変化は±
0.1%の範囲内にあり、精密亜鉛合金ダイカスト部品
の製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜鉛合
金であるので、広範な用途に用いることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経年寸法変化フリーの鋳
造用亜鉛合金、特に自動車、OA機器、家電用部品など
の分野で要求されている精密亜鉛合金ダイカスト部品の
製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜鉛合
金、該亜鉛合金からなる鋳造部品(特にダイカスト部
品)、ならびに該鋳造部品(特にダイカスト部品)の熱
処理法に関する。
造用亜鉛合金、特に自動車、OA機器、家電用部品など
の分野で要求されている精密亜鉛合金ダイカスト部品の
製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜鉛合
金、該亜鉛合金からなる鋳造部品(特にダイカスト部
品)、ならびに該鋳造部品(特にダイカスト部品)の熱
処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛合金からなる鋳造部品、特に
ダイカスト部品は車体装飾用品等の自動車部品、OA機
器部品、家電用部品等として広く用いられている。その
ような用途のための鋳造用亜鉛合金として一般にZDC
#2(Zn−4%Al−0.04%Mg)、ZDC#1
(Zn−4%Al−1%Cu−0.04%Mg)等が用
いられている。
ダイカスト部品は車体装飾用品等の自動車部品、OA機
器部品、家電用部品等として広く用いられている。その
ような用途のための鋳造用亜鉛合金として一般にZDC
#2(Zn−4%Al−0.04%Mg)、ZDC#1
(Zn−4%Al−1%Cu−0.04%Mg)等が用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの亜鉛合金から
なる部品は経年により寸法変化する。このような経年寸
法変化を抑制するためには安定化熱処理を行う必要があ
り、このことはコストアップに結付く。しかしながら、
精密亜鉛合金ダイカスト部品における寸法精度への要求
が高まっており、経年寸法変化(本明細書においては常
温で1年間経過後の寸法変化率をいう)が±0.1%の
範囲内であることが必要とされている。
なる部品は経年により寸法変化する。このような経年寸
法変化を抑制するためには安定化熱処理を行う必要があ
り、このことはコストアップに結付く。しかしながら、
精密亜鉛合金ダイカスト部品における寸法精度への要求
が高まっており、経年寸法変化(本明細書においては常
温で1年間経過後の寸法変化率をいう)が±0.1%の
範囲内であることが必要とされている。
【0004】本発明の目的は、上記のような欠点のな
い、即ち経年寸法変化が±0.1%の範囲内である鋳造
用亜鉛合金、該合金からなる鋳造部品、及び該鋳造部品
の熱処理法を提供することにある。
い、即ち経年寸法変化が±0.1%の範囲内である鋳造
用亜鉛合金、該合金からなる鋳造部品、及び該鋳造部品
の熱処理法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、Zn−Al系
合金においてマグネシウム添加量を0.01重量%以下
にし、銅添加量を1重量%以下にすることにより経年寸
法変化を±0.1%の範囲内に抑制できることを見出
し、本発明を完成した。
を解決するために種々検討を重ねた結果、Zn−Al系
合金においてマグネシウム添加量を0.01重量%以下
にし、銅添加量を1重量%以下にすることにより経年寸
法変化を±0.1%の範囲内に抑制できることを見出
し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明の鋳造用亜鉛合金は、アルミ
ニウム2〜10重量%を含み、所望により銅1重量%以
下を含み、更に所望によりマグネシウム0.01重量%
以下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%以下及
びベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1重量%
以下追加含有し、或は更に所望によりチタン、コバル
ト、マンガン及びランタノイドの1種以上を合計で0.
3重量%以下追加含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物
からなり、経年寸法変化が±0.1%の範囲内であるこ
とを特徴とする。
ニウム2〜10重量%を含み、所望により銅1重量%以
下を含み、更に所望によりマグネシウム0.01重量%
以下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%以下及
びベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1重量%
以下追加含有し、或は更に所望によりチタン、コバル
ト、マンガン及びランタノイドの1種以上を合計で0.
3重量%以下追加含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物
からなり、経年寸法変化が±0.1%の範囲内であるこ
とを特徴とする。
【0007】また、本発明の鋳造部品は、上記の鋳造用
亜鉛合金からなるものである。
亜鉛合金からなるものである。
【0008】更に、本発明の熱処理法は、上記の鋳造部
品を70〜150℃の雰囲気中に1時間以上保持して、
経年寸法変化が±0.05の範囲内である鋳造部品を得
ることを特徴とする。
品を70〜150℃の雰囲気中に1時間以上保持して、
経年寸法変化が±0.05の範囲内である鋳造部品を得
ることを特徴とする。
【0009】Zn−Al−Cu−Mg系合金からなる鋳
造部品の経年寸法変化は、共析反応によるAl相中のZ
n相の析出に起因する経年収縮であり、その収縮量はZ
n−22%Alの場合で0.4〜0.5%である。ま
た、Zn相中のCuのT’相あるいはε相としての析出
に起因する膨張は時間的に遅れて生じる。この膨張量は
Cu含有量に依存するが、Cu含有量が1重量%以下の
場合にはそのような膨張は生じない。それでCu含有量
を1重量%以下とした場合には、上記の共析反応に起因
する経年収縮だけが問題となる。この収縮反応は合金中
にマグネシウムが存在することにより遅れて、即ち鋳造
部品として使用している時期に経年寸法変化として現れ
ることになる。そこでこの収縮反応とマグネシウム含有
量との関係を求めるために種々の試験を実施した結果、
マグネシウム含有量が0.01重量%以下の場合には、
凝固後の冷却過程で収縮反応の大部分が終了し、経年寸
法変化を±0.1%の範囲内に抑制できることを見出し
た。この意味で本発明の技術的中心はマグネシウム量及
び銅量を制限することにある。
造部品の経年寸法変化は、共析反応によるAl相中のZ
n相の析出に起因する経年収縮であり、その収縮量はZ
n−22%Alの場合で0.4〜0.5%である。ま
た、Zn相中のCuのT’相あるいはε相としての析出
に起因する膨張は時間的に遅れて生じる。この膨張量は
Cu含有量に依存するが、Cu含有量が1重量%以下の
場合にはそのような膨張は生じない。それでCu含有量
を1重量%以下とした場合には、上記の共析反応に起因
する経年収縮だけが問題となる。この収縮反応は合金中
にマグネシウムが存在することにより遅れて、即ち鋳造
部品として使用している時期に経年寸法変化として現れ
ることになる。そこでこの収縮反応とマグネシウム含有
量との関係を求めるために種々の試験を実施した結果、
マグネシウム含有量が0.01重量%以下の場合には、
凝固後の冷却過程で収縮反応の大部分が終了し、経年寸
法変化を±0.1%の範囲内に抑制できることを見出し
た。この意味で本発明の技術的中心はマグネシウム量及
び銅量を制限することにある。
【0010】そもそも、マグネシウムはZn−Al系合
金に特有の粒間腐食の抑制のために一般的には0.04
重量%以上の量で添加されている。この粒間腐食とはZ
n−Al系合金中にPb、Sn、Cd等の不純物が混入
している場合に腐食割れが発生するという現象である。
従って、Zn−Al系合金中にPb、Sn、Cd等の不
純物がほとんど混入していない場合にはマグネシウムを
添加しなくても粒間腐食は発生せず、またマグネシウム
を添加しないことで経年収縮も生じない。Zn−Al系
合金中のPb、Sn、Cd等の不純物の混入量が非常に
少ない(通常よりも少ない)場合には0.01重量%以
下のマグネシウムの添加でも粒間腐食を抑制することが
でき、また上記したようにマグネシウム含有量が0.0
1重量%以下の場合には、経年寸法変化が±0.1%の
範囲内に抑制されるのである。従って、本発明の合金に
おいてはマグネシウムを添加する場合と添加しない場合
とがあり、添加する場合にはその添加量は0.01重量
%以下である。
金に特有の粒間腐食の抑制のために一般的には0.04
重量%以上の量で添加されている。この粒間腐食とはZ
n−Al系合金中にPb、Sn、Cd等の不純物が混入
している場合に腐食割れが発生するという現象である。
従って、Zn−Al系合金中にPb、Sn、Cd等の不
純物がほとんど混入していない場合にはマグネシウムを
添加しなくても粒間腐食は発生せず、またマグネシウム
を添加しないことで経年収縮も生じない。Zn−Al系
合金中のPb、Sn、Cd等の不純物の混入量が非常に
少ない(通常よりも少ない)場合には0.01重量%以
下のマグネシウムの添加でも粒間腐食を抑制することが
でき、また上記したようにマグネシウム含有量が0.0
1重量%以下の場合には、経年寸法変化が±0.1%の
範囲内に抑制されるのである。従って、本発明の合金に
おいてはマグネシウムを添加する場合と添加しない場合
とがあり、添加する場合にはその添加量は0.01重量
%以下である。
【0011】本発明の合金においては、所望によりニッ
ケル、リチウム及びベリリウムの1種以上を添加するこ
ともでき、これらの元素はマグネシウムと同様に粒間腐
食の抑制に有効である。これらの元素はマグネシウムの
ように時効を抑制することがないのでマグネシウムより
も多量に添加することができる。しかし、それらの添加
量が1重量%を越えると強度面で脆化などの悪影響が生
じることがある。従って、本発明の合金において粒間腐
食抑制元素を添加する場合には、マグネシウム0.01
重量%以下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%
以下及びベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1
重量%以下、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好
ましくは0.01〜0.3重量%添加することが望まし
い。
ケル、リチウム及びベリリウムの1種以上を添加するこ
ともでき、これらの元素はマグネシウムと同様に粒間腐
食の抑制に有効である。これらの元素はマグネシウムの
ように時効を抑制することがないのでマグネシウムより
も多量に添加することができる。しかし、それらの添加
量が1重量%を越えると強度面で脆化などの悪影響が生
じることがある。従って、本発明の合金において粒間腐
食抑制元素を添加する場合には、マグネシウム0.01
重量%以下、ニッケル1重量%以下、リチウム1重量%
以下及びベリリウム1重量%以下の1種以上を合計で1
重量%以下、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好
ましくは0.01〜0.3重量%添加することが望まし
い。
【0012】本発明の合金において、所望により銅を添
加することができ、銅は一般的に合金の強度、硬さの向
上に有効である。銅含有量の増加とともにそれらの特性
が向上するが、前記したように銅含有量が1重量%を越
えると合金の経時膨張が生じる傾向がある。従って、本
発明の亜鉛合金において銅を添加する場合には、銅添加
量は1重量%以下である。
加することができ、銅は一般的に合金の強度、硬さの向
上に有効である。銅含有量の増加とともにそれらの特性
が向上するが、前記したように銅含有量が1重量%を越
えると合金の経時膨張が生じる傾向がある。従って、本
発明の亜鉛合金において銅を添加する場合には、銅添加
量は1重量%以下である。
【0013】本発明の合金において、アルミニウムは合
金の強度、硬さを増加させるとともに溶湯の流動性を改
善する。アルミニウム含有量の増加とともにそれらの特
性が向上し、2重量%以上の添加でそれらの特性の有意
義な向上が達成される。合金の経年寸法変化が±0.1
%の範囲内に抑制される点だけを考慮すれば、かなり多
量の、例えば30重量%までのアルミニウムを添加する
ことができるが、アルミニウム含有量が多くなりすぎる
と合金の融点が高くなり、ダイカスト可能温度も高くな
る。従って、本発明の亜鉛合金においてはアルミニウム
添加量を2重量%以上、ホットチャンバーダイカストが
可能な10重量%以下、好ましくは3.5〜8重量%と
する。
金の強度、硬さを増加させるとともに溶湯の流動性を改
善する。アルミニウム含有量の増加とともにそれらの特
性が向上し、2重量%以上の添加でそれらの特性の有意
義な向上が達成される。合金の経年寸法変化が±0.1
%の範囲内に抑制される点だけを考慮すれば、かなり多
量の、例えば30重量%までのアルミニウムを添加する
ことができるが、アルミニウム含有量が多くなりすぎる
と合金の融点が高くなり、ダイカスト可能温度も高くな
る。従って、本発明の亜鉛合金においてはアルミニウム
添加量を2重量%以上、ホットチャンバーダイカストが
可能な10重量%以下、好ましくは3.5〜8重量%と
する。
【0014】本発明の合金においては、所望によりチタ
ン、コバルト、マンガン及びランタノイドからなる群か
ら選ばれた1種以上の元素を0.3重量%以下の量で添
加することができ、これらの元素はいずれも機械的強度
を改善する効果を有し、一般に用いられている元素であ
る。しかし、それらの添加量が0.3重量%を超えると
強度面で脆化などの悪影響が生じることがある。従っ
て、本発明の合金においてそれらの元素を添加する場合
には、チタン、コバルト、マンガン及びランタノイドの
1種以上を合計で0.3重量%以下添加する。
ン、コバルト、マンガン及びランタノイドからなる群か
ら選ばれた1種以上の元素を0.3重量%以下の量で添
加することができ、これらの元素はいずれも機械的強度
を改善する効果を有し、一般に用いられている元素であ
る。しかし、それらの添加量が0.3重量%を超えると
強度面で脆化などの悪影響が生じることがある。従っ
て、本発明の合金においてそれらの元素を添加する場合
には、チタン、コバルト、マンガン及びランタノイドの
1種以上を合計で0.3重量%以下添加する。
【0015】本発明の合金においては、簡便な熱処理に
よって経年寸法変化を更に小さくすることができる。即
ち、本発明の合金からなる鋳造部品を70〜150℃の
雰囲気中に、例えば70〜100℃の水中に又は70〜
150℃の空気中に、好ましくは70〜100℃の水中
に1時間以上保持して、経年寸法変化が±0.05の範
囲内である鋳造部品を得ることができる。この熱処理に
よって、凝固後の冷却過程で終了していなかった収縮反
応を完全に終了させることができる。この熱処理は工程
中に鋳造部品を湯に浸漬する程度のことであり、あまり
コストアップには繋がらない。
よって経年寸法変化を更に小さくすることができる。即
ち、本発明の合金からなる鋳造部品を70〜150℃の
雰囲気中に、例えば70〜100℃の水中に又は70〜
150℃の空気中に、好ましくは70〜100℃の水中
に1時間以上保持して、経年寸法変化が±0.05の範
囲内である鋳造部品を得ることができる。この熱処理に
よって、凝固後の冷却過程で終了していなかった収縮反
応を完全に終了させることができる。この熱処理は工程
中に鋳造部品を湯に浸漬する程度のことであり、あまり
コストアップには繋がらない。
【0016】
実施例1〜11及び比較例1〜3 黒鉛坩堝中に、ベースとしての電気亜鉛及び所要量のA
l 、Cu 、Mg 及びその他の添加成分を装入し、溶融さ
せて、表1に示す合金成分、組成(重量%)を有する
(不可避の不純物を含む)合金を調製した。それらの合
金溶湯から、下記のダイカスト条件で、長さ100m
m、10mm角、端面は機械加工仕上した試験片を作成
した: 東芝135ton コールドチャンバー ダイカスト圧力95kgf/cm 金型温度 180〜190℃ ダイカスト温度は各合金毎に健全な鋳物が得られる最低
温度として設定 これらのダイカストしたままの試験片(実施例1〜9及
び比較例1〜3)及び100℃の湯に1時間浸漬した試
験片(実施例10〜11)を60℃の空気中に1年間保
持し、この間、適宜寸法測定を実施して最大の寸法変化
を求めた。その結果は表1に示す通りであった。
l 、Cu 、Mg 及びその他の添加成分を装入し、溶融さ
せて、表1に示す合金成分、組成(重量%)を有する
(不可避の不純物を含む)合金を調製した。それらの合
金溶湯から、下記のダイカスト条件で、長さ100m
m、10mm角、端面は機械加工仕上した試験片を作成
した: 東芝135ton コールドチャンバー ダイカスト圧力95kgf/cm 金型温度 180〜190℃ ダイカスト温度は各合金毎に健全な鋳物が得られる最低
温度として設定 これらのダイカストしたままの試験片(実施例1〜9及
び比較例1〜3)及び100℃の湯に1時間浸漬した試
験片(実施例10〜11)を60℃の空気中に1年間保
持し、この間、適宜寸法測定を実施して最大の寸法変化
を求めた。その結果は表1に示す通りであった。
【0017】
【表1】例番号 組 成 経年寸法変化 比較例1 Zn−4Al− 0.04 Mg(ZDC 2) −0.23 実施例1 Zn−4Al− 0.01 Mg −0.08 実施例2 Zn−4Al −0.05 実施例3 Zn−4Al− 0.01 Mg− 0.01 Ni −0.08 比較例2 Zn−4Al−1Cu− 0.04 Mg(ZDC 1) −0.28 比較例3 Zn−4Al−2Cu− 0.04 Mg +0.42 実施例4 Zn−4Al−1Cu− 0.01 Mg −0.09 実施例5 Zn−5Al−1Cu− 0.01 Mg −0.09 実施例6 Zn−6Al−1Cu− 0.02 Ni −0.08 実施例7 Zn−8Al−1Cu− 0.02 Ni −0.06 実施例8 Zn−8Al−1Cu− 0.02 Li −0.06 実施例9 Zn−8Al−1Cu− 0.02 Be −0.06 実施例10 Zn−5Al−1Cu− 0.01 Mg −0.0025 実施例11 Zn−6Al−1Cu− 0.02 Ni −0.0018
【0018】上記の実施例の範囲内では、銅含有量が0
〜1重量%で、マグネシウム含有量が0〜0.01重量
%であるZn−Al系合金からなるダイカスト試験片の
経年寸法変化は±0.09%の範囲内であり、更に熱処
理したダイカスト試験片の経年寸法変化は±0.003
%の範囲内であり、合金の組成変化を考慮しても本発明
のZn−Al系合金からなるダイカスト試験片の経年寸
法変化は±0.1%の範囲内であり、更に熱処理したダ
イカスト試験片の経年寸法変化は±0.05%の範囲内
であることは明らかである。
〜1重量%で、マグネシウム含有量が0〜0.01重量
%であるZn−Al系合金からなるダイカスト試験片の
経年寸法変化は±0.09%の範囲内であり、更に熱処
理したダイカスト試験片の経年寸法変化は±0.003
%の範囲内であり、合金の組成変化を考慮しても本発明
のZn−Al系合金からなるダイカスト試験片の経年寸
法変化は±0.1%の範囲内であり、更に熱処理したダ
イカスト試験片の経年寸法変化は±0.05%の範囲内
であることは明らかである。
【0019】
【発明の効果】本発明の鋳造用亜鉛合金の経年寸法変化
は±0.1%の範囲内にあり、精密亜鉛合金ダイカスト
部品の製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜
鉛合金であるので、広範な用途に用いることができる。
は±0.1%の範囲内にあり、精密亜鉛合金ダイカスト
部品の製造に用いるのに適した経年寸法変化フリーの亜
鉛合金であるので、広範な用途に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星谷 光治 埼玉県上尾市大字原市1333番地の2 三井 金属鉱業株式会社総合研究所内 (72)発明者 柳 清隆 埼玉県上尾市大字原市1333番地の2 三井 金属鉱業株式会社総合研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 アルミニウム2〜10重量%を含み、銅
及びマグネシウムを含まず、残部が亜鉛と不可避の不純
物からなり、経年寸法変化が±0.1%の範囲内である
ことを特徴とする鋳造用亜鉛合金。 - 【請求項2】 アルミニウム2〜10重量%及び銅1重
量%以下を含み、マグネシウムを含まず、残部が亜鉛と
不可避の不純物からなり、経年寸法変化が±0.1%の
範囲内であることを特徴とする鋳造用亜鉛合金。 - 【請求項3】 マグネシウム0.01重量%以下、ニッ
ケル1重量%以下、リチウム1重量%以下及びベリリウ
ム1重量%以下の1種以上を合計で1重量%以下追加含
有することを特徴とする請求項1又は2記載の鋳造用亜
鉛合金。 - 【請求項4】 チタン、コバルト、マンガン及びランタ
ノイドの1種以上を合計で0.3重量%以下追加含有す
ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の鋳造用亜
鉛合金。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の合金から
なる鋳造部品。 - 【請求項6】 鋳造部品がダイカスト部品である請求項
5記載の部品。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載の鋳造部品を70〜
150℃の雰囲気中に1時間以上保持して、経年寸法変
化が±0.05%の範囲内である鋳造部品を得ることを
特徴とする鋳造部品の熱処理法。 - 【請求項8】 70〜150℃の雰囲気中が70〜10
0℃の水中である請求項7記載の熱処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4216603A JPH0819504B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 経年寸法変化フリーの鋳造用亜鉛合金、鋳造部品及び鋳造部品の熱処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4216603A JPH0819504B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 経年寸法変化フリーの鋳造用亜鉛合金、鋳造部品及び鋳造部品の熱処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649571A true JPH0649571A (ja) | 1994-02-22 |
JPH0819504B2 JPH0819504B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=16691015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4216603A Expired - Lifetime JPH0819504B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 経年寸法変化フリーの鋳造用亜鉛合金、鋳造部品及び鋳造部品の熱処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819504B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5423893A (en) * | 1992-06-18 | 1995-06-13 | Kotaki; Daizo | Plastic filter, its injection molding die and producing method |
US5650181A (en) * | 1993-06-17 | 1997-07-22 | Kotaki; Daizo | Injection molding die for producing plastic filter |
CN102367531A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-03-07 | 广东金亿合金制品有限公司 | 一种拉链行业专用锌合金 |
CN102367530A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-03-07 | 广东金亿合金制品有限公司 | 一种卫浴行业专用锌合金 |
JP2022031079A (ja) * | 2020-08-05 | 2022-02-18 | 百路達(厦門)工業有限公司 | 亜鉛合金およびその製造方法 |
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1992
- 1992-07-23 JP JP4216603A patent/JPH0819504B2/ja not_active Expired - Lifetime
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