JP2736932B2 - 海洋構造物の安定化工法 - Google Patents

海洋構造物の安定化工法

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JP2736932B2
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篤 小俣
秀博 勝井
成三 上野
隆次郎 湊
政和 沖
幸一 原
英明 渡会
雅也 加藤
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Tokyu Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は重力式海洋構造物の滑動を防止し、安定化を
図るための海洋構造物の安定化工法に関するものであ
る。
〈従来の技術の問題点〉 重力式防波堤などの海洋構造物の構築においては、波
や地震などの外力による構造物の滑動を防止すること
が、設計施工上の重要なポイントである。
そこで従来は、外力に対する滑動抵抗を得るため、構
造物自体に大きな自重が必要であった。
特に、没水型の重力式構造物の場合は、構造物の全体
積に浮力が作用するため、滑動抵抗に要する構造物の重
量の確保が困難であった。
〈本発明の目的〉 本発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、波や地震等の外力に対する充分な滑動抵抗を
確保することができる海洋構造物の安定化工法を提供す
ることを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 即ち本発明は、海底に一次捨石マウンドを構築し、こ
の一次捨石マウンド上に、下部にネットを一体に取り付
けた構造物を設置し、ネットを構造物の下部の周囲に展
開し、この展開したネットの上に二次捨石マウンドを構
築することを特徴とした、海洋構造物の安定化工法であ
る。
また、上記の海洋構造物の安定化工法において、前記
の展開したネットの周縁部に、予めマットを取り付けて
おき、前記二次捨石マウンドの構築の際に、二次捨石マ
ウンドの周縁下端部を、マットの上面に位置させること
を特徴とした、海洋構造物の安定化工法である。
〈本発明の説明〉 以下、本発明を詳細に説明する。
〈イ〉構造物の設置 先ず、海底に一次捨石マウンド1を構築し、この一次
捨石マウンド1上に、下部にネット2を一体に取り付け
た構造物3を設置する。
ネット2は、捨石間の凹凸になじむ程度の撓性を有
し、かつ波力などの外力に充分抵抗できる強度を有する
素材で作製する(細い鋼線など)。
このネット2を構造物3の下部に取り付ける場合は、
構造物3の構築時に、予めネット2の端縁を構造物3内
に埋め込んでおく方法や、あるいは固定金具及びボルト
などにより、構造物3の外面に取り付ける方法などが考
えられる。
〈ロ〉ネットの展開・二次捨石マウンドの構築 次に、ネット2を一次捨石マウンド1及び海底地盤の
表面に展開する。
そして、この展開したネット2の上に捨石を積層し
て、二次捨石マウンド4を所定の高さまで構築する。
〈ハ〉マットの取付 上記施工方法に加えて、第4図に示すように、展開し
たネット2の周縁部に、予めマット5あるいはシートを
一体に取り付けておく。
そして、二次捨石マウンド4の構築の際に、二次捨石
マウンド4の周縁下端部を、マット5等の上面に位置す
るように構築する。
〈本発明の作用〉 次に本発明の作用について説明する。
〈イ〉ネットによる捨石自重の伝達作用(第3図) 構造物3に波力aなどの外力が作用すると、構造物3
を滑動させようとする。
この波力aに対し、構造物3の自重bが、構造物3と
捨石群との摩擦を介して、滑動抵抗力として働き、構造
物3を安定に保っている。
本発明は、捨石群の内部に、構造物3と一体化した撓
性を有するネット2を埋設し、捨石群の凹凸部とネット
2を噛み合わせることにより、捨石群の自重cの一部の
力dを、ネット2を介して構造物3に伝達することがで
きる。
従って、構造物3の有効な自重が増加し、構造物3の
滑動抵抗力eが増加することになる。
〈ロ〉位相差による作用 一般に、構造物3に最も大きい水平方向の波力aが作
用する時は、構造物3の安定上危険である上向きの波力
fが作用する。
しかし、構造物3と捨石群に作用する波力に位相差が
生じることから、二次捨石マウンド4の巾が十分広い場
合、構造物3に上向きの力が作用している間、捨石群に
は下向きの波力が作用し、構造物3の滑動安定上、有効
な力の伝達が行われる。
〈ハ〉マットによる作用 マット5あるいはシートを、第4図に示すように、二
次捨石マウンド4の周縁下端部より外側に設置すること
により、洗掘防止工としての機能を付加することができ
る。
マット5には、透水性のプレハブ砂利マット、合成繊
維の不織繊維マット、アスファルトマットなどが設計
上、施工上ともに適当である。
一般に、洗掘防止工は構造物3の安定性増加にかかわ
らず行われるものであるから、ネット+マットの敷設費
用は、一部当然行われるべき洗掘防止工の費用に吸収さ
れるので、大幅なコストアップにならないで済む。
〈本発明の効果〉 本発明は以上説明したようになるので、次のような効
果を期待することができる。
〈イ〉海洋構造物の構築において、従来は、外力に対す
る滑動抵抗を得るため、構造物自体に大きな自重が必要
であった。
それに対して本発明は、ネットによって、捨石の滑動
抵抗が構造物に伝達されるため、波や地震等の外力に対
する充分な滑動抵抗を確保することができ、構造物の安
定化を図ることができる。
〈ロ〉本発明は、特に、構造物の全体積に浮力が作用す
るような、没水型の重力式構造物の滑動防止に効果的で
ある。
〈ハ〉構造物と捨石群に作用する波力に位相差が生じる
ことから、構造物の安定上危険である上向きの波力が作
用する時に、捨石群には下向きの波力が作用し、構造物
の滑動安定上、有効な力の伝達が行われる。
〈ニ〉展開したネットの周縁部に取り付けたマットある
いはシートを、二次捨石マウンドの周縁下端部より外側
に設置することにより、洗掘防止工としての機能を付加
することができる。
そのため、洗掘防止工の施工を兼ねることができ、施
工費用の大幅な上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】 第1、2図:本発明の施工方法の説明図 第3図:作用を示す説明図 第4図:マットを取り付けた場合の説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小俣 篤 茨城県つくば市松代3―305―104 (72)発明者 勝井 秀博 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 上野 成三 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 湊 隆次郎 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 沖 政和 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 原 幸一 東京都稲城市東長沼366―8 (72)発明者 渡会 英明 神奈川県横浜市神奈川区神大寺1―31― 1 (72)発明者 加藤 雅也 神奈川県川崎市宮前区東有馬1―2―2 (56)参考文献 特開 平2−108711(JP,A) 特開 昭60−40404(JP,A) 特開 昭56−52208(JP,A) 実開 昭56−138923(JP,U) 特公 昭50−25269(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海底に一次捨石マウンドを構築し、 この一次捨石マウンド上に、下部にネットを一体に取り
    付けた構造物を設置し、 ネットを構造物の下部の周囲に展開し、 この展開したネットの上に二次捨石マウンドを構築する
    ことを特徴とした、 海洋構造物の安定化工法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の海洋構造物の
    安定化工法において、 前記の展開したネットの周縁部に、予めマットあるいは
    シートを取り付けておき、 前記二次捨石マウンドの構築の際に、二次捨石マウンド
    の周縁下端部を、マットあるいはシートの上面に位置さ
    せることを特徴とした、 海洋構造物の安定化工法。
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JP5923825B2 (ja) * 2012-03-01 2016-05-25 五洋建設株式会社 重力式ケーソン防波堤の捨石層保護構造
JP6464522B2 (ja) * 2014-12-15 2019-02-06 日立造船株式会社 海底設置型防波堤の支持構造

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