JPH08165654A - 摩擦増大部材を設けた海上構造物 - Google Patents

摩擦増大部材を設けた海上構造物

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JPH08165654A
JPH08165654A JP6332205A JP33220594A JPH08165654A JP H08165654 A JPH08165654 A JP H08165654A JP 6332205 A JP6332205 A JP 6332205A JP 33220594 A JP33220594 A JP 33220594A JP H08165654 A JPH08165654 A JP H08165654A
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mat member
mat
caison
pressure
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JP6332205A
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Takatsu Wagi
多克 和木
Mitsuru Nonoda
充 野々田
Mitsuhiro Sato
光洋 佐藤
Katsuo Matsuzaki
勝夫 松崎
Akira Taniguchi
彰 谷口
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TAISEI ROTETSUKU KK
Bando Chemical Industries Ltd
Nippon Road Co Ltd
Japan Sea Works Co Ltd
World Engineering Co
Original Assignee
TAISEI ROTETSUKU KK
Bando Chemical Industries Ltd
Nippon Road Co Ltd
Japan Sea Works Co Ltd
World Engineering Co
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーソン等を捨石マウンドの上に載置して構
築する防波堤等の海上構造物において、ケーソンの海陸
側の下面端部にのみマット部材を配置することにより、
ケーソンの側面に加えられる圧力に対応させ、ケーソン
の支持構造を簡素化できるようにする。 【構成】 海底地盤1上に捨石マウンド2を構築し、そ
の上面にケーソン5を載置して防波堤を構築するに際し
て、ケーソン5の下面には、海側の端部と陸側の端部に
はマット部材10、11を配置する。前記2つのマット
部材10、11は、ケーソンの端部から所定の幅で配置
するもので、海側9からの波浪の圧力に対してはマット
部材10が対応し、陸側の埋立土砂7の土圧に対して
は、マット部材11が対応できるようにする。そして、
前記2つのマット部材によりケーソンの重量全体の支持
を行い、側圧力に対しては対向する側のマット部材がケ
ーソンの支持作用を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーソン等のような重
量の大きい海上構造物の底面に配置する摩擦増大部材に
関し、特に、廃棄物埋立護岸や、通常の埋立地等を仕切
る護岸を構築するケーソンの底面が、捨石マウンドの表
面部分に対して、ケーソンの底面全体にマット部材を設
けなくても、荷重や側圧に対して良好な状態で支持作用
を発揮できるようにした摩擦増大部材を設けた海上構造
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より岸壁や防波堤等の海上構造物を
構築する際には、図6に示されるように、海底地盤1の
表面を平らに均してから捨石マウンド2を所定の高さと
幅に構築し、支持基盤を構成している。そして、前記捨
石マウンドの上を平らに均して、上部にケーソン等の構
造物を載置することにより、防波堤等を構成するように
している。また、前記ケーソン5等の海上構造物は、そ
の下面に配置する摩擦増大部材としてのマット部材6を
介して配置し、前記マット部材の摩擦係数が大きいこと
により、ケーソンが波浪の影響を受けたとしても、移動
したりしないように支持される。さらに、前記ケーソン
等においては、捨石マウンドの上に設置する際に、内部
に海水や砂等を充満させて、ケーソンの重量を増大させ
るような処置を施している。したがって、鋼製のケーソ
ンや、コンクリート製のケーソンのいずれを用いた構造
物においても、ケーソンの自重を増大させることと、マ
ット部材の摩擦により波浪等の圧力に対抗させ得るよう
にしている。
【0003】前記ケーソンの下面に配置する摩擦増大部
材としては、特公平4−5100号公報等に示されるよ
うに、アスファルトマットを配置したものや、特公平5
−19617号公報等に示されるように、ゴムマットを
設けたもの等が知られている。前記2種類のマット部材
は、ケーソンの下面全体を覆うように一体に配置し、捨
石マウンドとの間での摩擦力を増大させることによっ
て、ケーソンを安定した状態に支持できるようにする。
また、マット部材をケーソンの下面に対して取り付ける
ためには、前記従来例に示されるような手段を用いるこ
とが可能であるが、その他に、マット部材の上面にマッ
ト部材を配置してから、ケーソンを載置する方式も用い
る場合があり、いずれの方法を用いる場合でも、ケーソ
ンに対する支持の作用を良好な状態で発揮させることが
できる。前述したように、ケーソンと捨石マウンドの間
に配置するゴムマットやアスファルトマットは、捨石マ
ウンドの上に支持するケーソンの下面部分と、捨石マウ
ンドの上部分との間で摩擦係数を増大させるために用い
るものであり、それ等のマット部材を用いることによ
り、ケーソンを小形化てきるという特徴を発揮すること
が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記図6および、従来
例に示されるマット部材は、ケーソンの下面全体に対し
て配置しているものであるが、実際には、ケーソンの波
浪等の外力に対抗させるための計算を行う際には、W×
μの式を用いている。つまり、前記計算式では、ケーソ
ンの重量Wと、マット部材を用いた場合の摩擦係数μの
みに関係するものであり、マット部材をケーソンの下面
全体に配置した場合と、一部に配置した場合とでは、ケ
ーソンの波浪に抵抗する力は変らないものとされてい
る。また、防波堤等が波浪の衝撃を受ける状態では、外
海側からの圧力により、ケーソンの下面の陸側で大きな
抵抗力を発揮することが必要であるが、ケーソンの下面
の海側ではマット部材を設ける必要がないものである。
【0005】ところが、従来のケーソン等を用いた防波
堤においては、ケーソンの下面全体に対してマット部材
を配置することを基本としているために、実際に必要と
されない部分に対しても、高価なマット部材を配置する
ものであり、防波堤等の建設コストを余分に費やしてい
るのが現状である。また、ケーソンの下面全体に対して
マット部材を取り付けたりする場合には、捨石マウンド
の上面に石が突出したりしないように均一な状態に均し
作業を行い、その後で、ケーソンを載置することが必要
である。そして、捨石マウンドの上面に石が突出するこ
とにより、マット部材に対して局部的に大きな押圧作用
が付与され、マット部材が破損したりしないようにし
て、ケーソンに対する支持作用を良好な状態で行わせ得
るようにされる。
【0006】しかしながら、前述したようにして、ケー
ソンを捨石マウンドの上に載置する状態で、防波堤等を
構築する場合には、捨石マウンドの上面を均すために、
潜水作業員を多く必要とすることや、捨石マウンドの上
部分に対して小さめの石を使用すること等の、捨石マウ
ンドの構築に際しての作業上の問題がある。さらに、ケ
ーソンの下面全体にマット部材を配置して構築する場合
には、ケーソンをジャッキアップして移動させる際に、
マット部材を破損しないようにして作業を行う必要があ
り、実際に必要とされない部分に対して、余分なコスト
を費やしてるのが現状である。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来のケーソ
ンの問題を解消するもので、波浪に対する抵抗のために
必要とされる部分、および、埋立地等での背後からの土
圧に抵抗するために必要とされる部分にのみマット部材
を配置して、ケーソンの製造コストを低減させるととも
に、ケーソンの取り扱いを容易に行い得るようにし、捨
石マウンドの構築のコストを低減させ得る摩擦増大部材
を設けた海上構造物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量物の下面
にマット部材を取り付け、海底の支持基盤の上面に対す
る滑動を防止する手段を設けたケーソン等の海上構造物
に関する。本発明においては、前記構造物の下面に対し
て、陸側と海側の端部からそれぞれ所定の幅でマット部
材を配置し、構造物が受ける側圧に対応させて、マット
部材を介して捨石マウンドの上で構造物を支持させるよ
うにしている。また、本発明において、前記構造物の下
面に配置するマット部材は、海側から受ける側圧に対応
させて構造物の下面の陸側に所定の幅で配置し、構造物
が陸側から受ける側圧に対応させて構造物の下面の海側
に所定の幅でマット部材を配置し、構造物の静荷重を両
側のマット部材により支持させるとともに、構造物が受
ける側圧に対応させてマット部材を介して捨石マウンド
の上で構造物を支持させることも可能である。
【0009】
【作用】例えば、本発明のケーソンを埋立地の仕切り堤
防として構築する場合には、陸から離れた位置に堤防を
建設する途中で、波浪に対抗させるために、ケーソンの
下面に対して陸側に狭い幅でマット部材を配置すること
により、波浪の圧力に対抗させ得るものとすることがで
きる。また、堤防の陸側に埋立土砂の投棄を開始する
と、その埋立土砂による土圧に対処するためには、ケー
ソンの海側の下面に配置するマット部材により対抗させ
る手段を用いることができる。したがって、前記構造物
が埋立地の仕切り堤防である場合には、堤防を構築する
作業の期間だけ、ケーソンを波浪の圧力に対処させるた
めのマット部材を、陸側に狭い幅で構成するが、埋立の
作業を開始した後では、土圧に対向できるだけの作用を
マット部材に持たせるために、海側に狭い範囲でマット
部材を配置することにより構成することができる。そし
て、前述したように、ケーソンの下面全体にマット部材
を配置しない場合には、マット部材に対応する部分に対
してのみ厳格に行う必要があるが、その他の部分ではケ
ーソンの重量により捨石マウンドの上面を均す動作を自
動的に行うことができるので、基礎工事を簡素化するこ
とができる。
【0010】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明のケーソ
ンを説明する。図1に示す例は、ケーソン5を用いた海
上構造物を、埋立地の仕切り堤防として用いる場合を示
しているもので、仕切り堤防が完成した後では、構造物
の陸側に投棄される廃棄物の堆積層である埋立土砂7の
上に、被覆土8を所定の厚さで施工して、他の用途に使
用可能な埋立地を造成する。前記堤防を構築する際に
は、一般の海上構造物の施工方法と同様に、海底地盤1
の上に捨石マウンド2を所定の幅と高さに施工し、前記
捨石マウンド2の上面を略平らに均してからケーソン5
を載置する。また、前記ケーソン5の下面には、捨石マ
ウンド2の上面との摩擦を増大させるために、マット部
材10、11を所定の幅で配置しており、前記マット部
材10は堤防建設中に、外海側からの波浪等の圧力に対
処させる部材として設ける。また、埋立地造成工事中と
埋立地造成後に、ケーソンの陸側から加えられる土圧に
対しては、マット部材11が抵抗部材としての作用を発
揮できるようにする。
【0011】前記図1に示されるように、ケーソンの幅
方向の両側の下面にマット部材10、11を配置した場
合には、ケーソンが横方向から圧力を受けない状態で
は、2つのマット部材11、10がケーソンの重量を支
持することになる。また、マット部材を配置しないケー
ソンの底面の中央部分では、ケーソンの底面が捨石マウ
ンドの上に載置されている状態になる。そして、捨石マ
ウンドに対して、ケーソンのコンクリートが接する状態
では、コンクリートと石の間の摩擦力にもとづいた抵抗
作用が発揮される。したがって、前述したように、ケー
ソンの下面全体にマット部材を配置しない状態でも、ケ
ーソンの下面と捨石マウンド2の上面との間では、ケー
ソンが受ける波浪や土圧等に対しては、十分に抵抗力を
発揮させることができる。
【0012】また、前記図1に示されるように、ケーソ
ンの幅方向の両側の部分に配置するマット部材は、図
2、3に示されるように、ケーソンの下面の海側と陸側
との両端部から、幅方向の中央部分に向けて所定の間隔
で設けることができる。例えば、ケーソンの幅Lに対し
て、マット部材10は幅L1に設定し、マット部材11
は幅L2に設定するが、両側のマット部材の間には、マ
ット部材を配置しない部分を構成することにより、ケー
ソンにマット部材を取り付ける作業を簡素化できるよう
にする。さらに、前記図2、3に示されるように、ケー
ソンの下面に対して、幅方向の両側から所定の幅でマッ
ト部材を配置する際に、図4、5のそれぞれに示すよう
に、ケーソンが受ける圧力に対抗できるように構成す
る。
【0013】図4に示す例では、ケーソンを用いた仕切
り堤防の建設後に、埋立土砂により加えられる圧力と、
ケーソンの底部分での反力の関係を示しているもので、
埋立土砂7と被覆土8によりケーソンの陸側から付与さ
れる圧力は、F2に示すように加えられる。また、前記
ケーソンに対して陸側から加えられる圧力F2の分布状
況に対抗して、ケーソンの下面ではF4に示すような力
が作用する。そして、前記反力F4は、ケーソンの海側
に配置したマット部材11に対して作用することにな
り、特に、ケーソンを海側に転倒させるような大きな力
が作用する部分に対して、マット部材11が大きい抵抗
作用を発揮する。したがって、前述したようなケーソン
の陸側からの圧力に対しては、ケーソンの底部分に配置
するマット部材11により支持作用を発揮させることが
できるので、埋立後の堤防に加えられる土圧に対応させ
て配置したマット部材11により支持させることが可能
になる。
【0014】図5に示される例は、ケーソン5に対し
て、堤防を建設中に海側から加えられる圧力に対応させ
る場合を示している。前記図5に示す例において、海側
9から波浪によりケーソンが受ける圧力F1は、ケーソ
ン5の上部程大きな力が付与される状態となり、前記圧
力によりケーソンの下面に加えられる力F3は、ケーソ
ン5の下面に対して、陸側の端部が最も大きい値の反力
を必要とする。そこで、前記ケーソンの下面が受ける圧
力に対抗させるために、図1のマット部材10を用い
て、ケーソンの滑りに対処させるようにする。したがっ
て、前記図5のように、ケーソン5の建設途中で、波浪
の圧力によりケーソンが転倒したり、捨石マウンドの上
で滑りを生じたりする問題に対しては、マット部材10
により対応させることができる。
【0015】また、前記図4、5に示す例において、海
側と陸側からそれぞれケーソンの側面に加えられる圧力
等に対しては、捨石マウンドの上に載置されているケー
ソンの下面全体が抵抗作用を発揮し、滑りを防止するこ
とはもちろんである。前述したように、ケーソンの下面
全体が滑りや転倒等に対抗する作用は、コンクリート製
ケーソンの場合には、コンクリートと捨石マウンドの上
面での摩擦係数とケーソンの重量により設定される値と
なる。また、鋼製のケーソンの場合には、鉄と捨石マウ
ンドの上面との間の摩擦係数と、ケーソンの重量の関係
で抵抗値が設定される。
【0016】これに対して、本発明においては、前述し
たようなコンクリートや鉄と捨石マウンドとの間の摩擦
に加えて、ケーソンの海陸側の両端部から中央部に向け
て、所定の範囲にマット部材をそれぞれ配置しているの
であり、それ等のマット部材がケーソンに加えられる側
圧力に対して、最も大きな応力として作用する部分に配
置されている。そして、本発明のケーソンにおいては、
底面の所定の部分に、摩擦係数の大きなマット部材を配
置することにより、ケーソンの底面自体の摩擦抵抗と、
マット部材により付加される大きな値の摩擦抵抗とを加
えた値の抵抗作用を発揮させることが可能になる。ま
た、前述したように構成したケーソンにおいても、側圧
力に対抗する力は、ケーソンの重量Wにマット部材の摩
擦係数μを乗じた値W×μで計算されるものであるか
ら、計算上のケーソンの安定度合いは、底面全体にマッ
ト部材を設けたものと同一になる。そこで、本発明にお
いては、マット部材の配置状態に応じたケーソンの底面
の局部的な圧力の分布を計算する等して、マット部材の
必要最小限の幅を算出し、その値に余裕を持たせること
により対応させることができる。
【0017】したがって、ケーソンの側面から加えられ
る大きな転倒方向の力に対しては、ケーソンの下面の両
側に配置する摩擦係数の大きなマット部材により支持さ
せることができ、ケーソンを捨石マウンドの上に安定し
た状態で支持させることが可能になる。そして、前述し
たように構成したことにより、本発明のケーソンでは、
従来の構造物の場合のように、ケーソンの下面全体に高
価なマット部材を配置する必要がなく、ケーソンの構築
の作業を容易に行うことが可能になる。その他に、マッ
ト部材を配置しない部分では、捨石マウンドの上面の均
しの作業を厳密に行う必要がなく、多少の凹凸があって
も、ケーソンの重量により押さえ付けるようにすること
ができるので、基礎工事を簡素化することもできる。
【0018】なお、前述したようにして、ケーソンの下
面全体にマット部材を配置しない場合に、例えば、鋼製
のケーソンの場合には、ケーソンの底部分で鋼板が露出
すると、鉄の海水による腐蝕の問題が発生する恐れがあ
る。そこで、そのようなケーソンに対しては、鉄板の表
面に塗料を比較的厚く塗布したり、その他の防蝕の処理
を施すことにより、対処させることも可能である。ま
た、本発明においては、従来よりケーソンに設けている
ゴムマットやアスファルトマット等の、任意のマット部
材を、任意の厚さに形成したものを用いることができ
る。そして、前記マット部材をケーソンの底に取り付け
る手段としても、例えば、ボルトを用いてケーソン本体
に固着する手段、針金を用いてコンクリートケーソンの
鉄筋に接続する手段等の、従来公知の任意の取り付け手
段を適用することが可能である。
【0019】さらに、本発明のケーソンにおいては、ケ
ーソンの側部から加えられる圧力の計算値に応じて、ケ
ーソンの底面に配置するマット部材の幅と、厚さ等を適
宜変更することが可能である。そして、比較的波の静か
な海域にケーソンを施工する場合には、陸側に配置する
マット部材の幅を狭く形成し、埋立地の陸側から付与さ
れる土圧に対しては、ケーソンの底面の海側に幅の広い
マット部材を配置する等、ケーソンの施工状況に対応さ
せた設計を行うことができる。前記構成に加えて、本発
明のケーソンに配置するマット部材は、ケーソンの底面
に一体に取り付ける必要はなく、捨石マウンドの上面に
マット部材を配置しておき、そのマット部材に対応させ
た位置にケーソンを設置して、捨石マウンドの上でのケ
ーソンの支持作用を行わせることも可能である。
【0020】また、本発明のケーソンでは、底面の両端
部に配置するマット部材は、端部から若干の隙間を介し
て設けることも可能であるから、ケーソンを陸上の構築
ヤードで作成した後で、ジャッキ等を用いて上昇させ、
台車を用いて搬送して進水させるような作業を行う場合
に、ジャッキや台車を係合させる位置を容易に設定する
ことができる。そして、マット部材に対してジャッキ等
を当接させないことにより、マット部材の変形等を防止
して、捨石マウンドの上に載置した後で、マット部材に
よる摩擦増大の作用を良好に発揮させることもできる。
なお、前述したようなマット部材を設ける海上構造物
は、前記実施例に示したようなケーソンに限定されるも
のではなく、その他に、任意の構造物を対象とすること
が可能であり、捨石マウンドの上や、任意の支持基礎の
上に構造物を載置するものに対しても適用が可能であ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明のケーソンには、前述したような
幅の狭いマット部材を両側端部に配置しているものであ
るから、ケーソンの下面全体にマット部材を配置する場
合のように、捨石マウンドの上面全体を厳密に均す必要
がなく、捨石マウンドの工事を簡素化することができ
る。そして、本発明のケーソンにおいては、底面の所定
の部分に、摩擦係数の大きなマット部材を配置すること
により、ケーソンの底面自体の摩擦抵抗と、マット部材
により付加される大きな値の摩擦抵抗とを加えた値の抵
抗作用を発揮させることが可能になる。したがって、ケ
ーソンの側面から加えられる大きな転倒方向の力に対し
ては、ケーソンの下面の両側に配置する摩擦係数の大き
なマット部材により支持させることができ、ケーソンを
捨石マウンドの上に安定した状態で支持させることが可
能になる。
【0022】前記効果に加えて、本発明のケーソンを埋
立地の仕切り堤防として構築する場合には、陸から離れ
た位置に堤防を建設する途中で、波浪に対抗させるため
に、ケーソンの下面に対して陸側に狭い幅でマット部材
を配置することにより、波浪の圧力に対抗させ得るもの
とすることができる。また、堤防の陸側に埋立土砂の投
棄を開始すると、その埋立土砂による土圧に対処するた
めには、ケーソンの海側の下面に配置するマット部材に
より対抗させる手段を用いることができる。したがっ
て、前記構造物が埋立地の仕切り堤防である場合には、
堤防を構築する作業の期間だけ、ケーソンを波浪の圧力
に対処させるためのマット部材を、陸側に狭い幅で構成
するが、埋立の作業を開始した後では、土圧に対向でき
るだけの作用をマット部材に持たせるために、海側に狭
い範囲でマット部材を配置することにより構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のケーソンを用いて構築する堤防の説
明図である。
【図2】 ケーソンの下面に配置するマット部材の説明
図である。
【図3】 図2に対応するケーソンの底面図である。
【図4】 ケーソンに対して陸側から加えられる圧力の
説明図である。
【図5】 ケーソンに対して海側から加えられる圧力の
説明図である。
【図6】 一般的なケーソンによる防波堤の説明図であ
る。
【符号の説明】
2 捨石マウンド、 5 ケーソン、 6 マッ
ト部材、7 埋立土砂、 8 被覆土、 10・1
1 マット部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000005061 バンドー化学株式会社 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 (72)発明者 和木 多克 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1−29−4 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野々田 充 東京都大田区多摩川2丁目11番20号 日本 道路株式会社内 (72)発明者 佐藤 光洋 東京都中央区京橋3丁目13番1号 有楽ビ ル内 大成ロテック株式会社内 (72)発明者 松崎 勝夫 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内 (72)発明者 谷口 彰 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量物の下面にマット部材を取り付け、
    海底の支持基盤の上面に対する滑動を防止する手段を設
    けたケーソン等の海上構造物において、 前記構造物の下面に対して、陸側と海側の端部からそれ
    ぞれ所定の幅でマット部材を配置し、 構造物が受ける側圧に対応させて、マット部材を介して
    捨石マウンドの上で構造物を支持させることを特徴とす
    る摩擦増大部材を設けた海上構造物。
  2. 【請求項2】 重量物の下面にマット部材を取り付け、
    海底の支持基盤の上面に対する滑動を防止する手段を設
    けたケーソン等の海上構造物において、 前記構造物の下面に配置するマット部材は、海側から受
    ける側圧に対応させて構造物の下面の陸側に所定の幅で
    配置し、 構造物が陸側から受ける側圧に対応させて構造物の下面
    の海側に所定の幅でマット部材を配置し、 構造物の静荷重を両側のマット部材により支持させると
    ともに、構造物が受ける側圧に対応させてマット部材を
    介して捨石マウンドの上で構造物を支持させることを特
    徴とする摩擦増大部材を設けた海上構造物。
JP6332205A 1994-12-13 1994-12-13 摩擦増大部材を設けた海上構造物 Pending JPH08165654A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011084868A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 World Engineering Kk ケーソンを用いた埋立地仕切護岸
CN103388340A (zh) * 2012-05-07 2013-11-13 中铁十局集团第五工程有限公司 一种加长型反压牛腿

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