JP2736707B2 - レベリング装置 - Google Patents

レベリング装置

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JP2736707B2
JP2736707B2 JP3087579A JP8757991A JP2736707B2 JP 2736707 B2 JP2736707 B2 JP 2736707B2 JP 3087579 A JP3087579 A JP 3087579A JP 8757991 A JP8757991 A JP 8757991A JP 2736707 B2 JP2736707 B2 JP 2736707B2
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千尋 丸茂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば表面粗さを測
定すべき被測定物や被加工物等を載置させ、且つ表面性
状が問題となる程度においてそれらの被測定面や被加工
面の姿勢を三次元的に所望の姿勢とさせ得るレベリング
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】載置部材に被載置物を載置させ、且つそ
れらの被測定面や非加工面の姿勢を三次元的に所望の姿
勢とさせ得るレベリング装置として、載置部材側に一走
査の測定をおこなうと、その位置走査の測定の度毎に載
置部材側の傾斜を検出してその検出で求めた姿勢に基づ
き所望の姿勢を得るように姿勢制御(傾斜制御)を行な
い、第一回目の姿勢制御が終わると続いて同様に第二回
目の傾斜検出と傾斜補正、第三回目の傾斜検出と傾斜補
正…と所望の回数だけ繰返して傾斜補正を連続しておこ
なうものが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば鏡面のような理
想的な平らな面では、その姿勢は、その平面上にある任
意の三つの点または任意の二本の線分の位置を得ること
によって、求めることができる。しかしながら、表面性
状が問題になる程度において現実の被測定面や被加工面
の姿勢を三次元的に制御する場合では、任意に選んだ三
つの点又は二本の線分の位置から一つの平面を得、その
平面に基づき姿勢制御(傾斜補正)を行うことは、多大
な誤差を含むことになり妥当とは言えない。さて、従来
のレベリング装置においては、載置部材側に一走査の測
定を行うことで載置部材側の傾斜を検出し、その検出で
求めた姿勢に基づき所望の姿勢を得るように姿勢制御
(傾斜補正)を行うものであるが、載置部材側に一走査
の測定を行って得られる傾斜検出は、走査し、傾斜検出
した部位の近傍の部分面のみに関してだけであり、被姿
勢制御の面全体の姿勢を検出しているとは言えず、よっ
て得られた走査検出結果は被測定面全体についての結果
とは言えず、結果的に必ずしも載置部材側全体の傾斜補
正が行えるとは限らないという問題があった。又、載置
部材側に一走査の測定を行って姿勢の検出結果を得て、
その検出結果の獲得の度毎に検出で求めた姿勢に基づき
所望の姿勢を得るように姿勢制御(傾斜補正)を行うた
め、最終の姿勢制御までには多くの時間を要するという
問題があった。
【0004】この発明は、前段落の問題を改善すべく構
成されたもので、姿勢制御すべき面全体が姿勢制御の対
象であって、且つ姿勢制御に要する時間の短いレベリン
グ装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、姿勢制御
(傾斜補正)すべき面の姿勢を、走査部位が異なる少な
くとも回以上の走査によって被走査面の走査方向に同
一サンプリング間隔の所要個数の三次元の相対座標を求
め、全走査で求められた各相対座標の位置に基づき被走
査面の最小二乗法による平均面を求め、その平均面の姿
勢を初期の姿勢として前記載置部材の基板に対する姿勢
を所望の姿勢へと制御するように構成したレベリング装
置である。
【0006】その詳細な構成は、基板と、前記基板の上
部に設けた被載置物を載置する載置部材と、それら基板
と載置部材との間に介在され、基板と載置部材の間隔を
一定距離に保持して支持する第一の支持部、及び基板と
載置部材の間隔を互いに独立して可変で支持する第二及
び第三の支持部からなる支持手段と、から構成されるレ
ベリング装置において、前記支持手段の第二の支持部及
び第三の支持部にそれぞれ設けられ、基板と載置部材の
間隔を可変とする第一の可変手段及び第二の可変手段
と、載置部材の基板に対する姿勢が検出された際にその
検出結果に基づき、第二の支持部及び第三の支持部が作
動して載置部材が基板に対して所望の姿勢を取り得るよ
うに前記第一の可変手段及び第二の可変手段を制御する
制御手段と、を有し、載置部材の基板に対する姿勢の検
出が、載置部材または載置部材に載置される被載置物の
被走査面を、走査部位が異なる少なくとも二回以上の走
査によって被走査面の走査方向に同一サンプリング間隔
の所要個数の三次元の相対座標を求め、全走査で求めら
れた各相対座標の位置に基づき被走査面の最小二乗法に
よる平均面を求め、その平均面の姿勢を初期の姿勢とし
て上記載置部材の基板に対する姿勢を所望の姿勢へと制
御されるように構成されてなるレベリング装置である。
つまり、この発明は被姿勢制御面は一つの平面であると
し且つ被姿勢制御面の表面粗さやうねりと言った表面性
状は前記平面上に存するものと考え、その一つの平面を
姿勢制御の対象とするレベリング装置である。そうし
て、上記一つの平面は、被姿勢制御面に対して一様に走
査をおこなうことで被姿勢制御面上から被走査面の走査
方向に同一サンプリング間隔の所要個数の三次元の相対
座標を求め、全走査で求められた各相対座標の位置に基
づき得られる平均面であるとするものである。
【0007】
【作用】姿勢制御(傾斜補正)は、被姿勢制御面を走査
し、傾斜検出して得られる平均面に対して行われる。
又、姿勢制御によって得られた姿勢は、被姿勢制御面を
走査し、傾斜検出して得られる平均面のものである。
【0008】
【実施例】この発明を、図1〜図12に示す実施例に基
づき詳述する。しかし、この実施例によって、この発明
が限定されるものではない。レベリング装置1は図1〜
図7に示すように、基板2と、載置部材3と、支持手段
と、可変手段4及び5と、制御手段6が備えられてい
る。載置部材3は、被測定物である被載置物を載置する
ものである。
【0009】支持手段は、三つの支持部7,8及び9か
らなり、載置部材3が基板2に対して所望の姿勢を得る
ように支持するものである。支持部7は図2、図3、図
4及び図5に示すように、径の同じ二つの丸棒を互いに
直交させて得られる回動部材10と、回動部材10を矢
印A方向に回動可能に枢支する枢支部材11及び12
と、回動部材10を矢印B方向に回動可能に枢支する枢
支部材13及び14から構成されている。そうして、枢
支部材11及び12は載置部材3の下面にビスによって
取付け固定され、枢支部材13及び14は基板2の上面
にビスによって取付け固定されている。支持部7はこの
構成により、基板2と載置部材3の間隔を一定に保持し
て載置部材3を基板2に対して支持するものである。
尚、枢支部材11、12、13及び14にはそれぞれ、
回動部材10を枢支するための孔15、16、17及び
18が設けられている。
【0010】支持部8は図1、図2及び図3に示すよう
に、球面コロ19と、球面コロ19を回動可能に枢支す
る枢支体20と、球面コロ19が回動可能で係合するス
ライダ21から主に構成されている。そうして、枢支体
20は載置部材3の下面に取付け固定され、スライダ2
1は矢印C方向に移動可能で基板2の上面に配設されて
いる。又、スライダ21の上面は、球面コロ19がコロ
ガリ係合すると共に、スライダ21の底面に対して15
゜の角度で傾斜している。支持部8はこの構成により、
基板2と載置部材3の間隔を可変として、つまり載置部
材3を、基板2に対して矢印D方向に変位可能に支持す
るものである。
【0011】支持部9は図1、図2及び図4に示すよう
に、球面コロ22と、球面コロ22を回動可能に枢支す
る枢支体23と、球面コロ22が回動可能で係合するス
ライダ24から主に構成されている。そうして、枢支体
23は載置部材3の下面に取付け固定され、スライダ2
4は矢印C方向に移動可能で基板2の上面に配設されて
いる。又、スライダ24の上面には球面コロ22がコロ
ガリ係合すると共に、スライダ24の底面に対して15
゜の角度で傾斜している。支持部9はこの構成により、
基板2と載置部材3の間隔を可変として、つまり載置部
材3を、基板2に対して矢印D方向に変位可能に支持す
るものである。
【0012】 尚、三つの支持部7、8及び9は、支持
部7を頂点とした二等辺三角形の形状が形成されるよう
に配置されている。
【0013】可変手段4は図1、図2及び図3に示すよ
うに、出力手段であるモータ25と、ネジ棒26と、モ
ータ25の出力軸27とネジ棒26を連結するジョイン
ト28と、ブッシュ29から主に構成されている。そう
して、モータ25は基板2に固定されていると共に、ブ
ッシュ29はネジ棒26と螺合され且つスライダ21に
固定されている。可変手段4はこの構成により、モータ
25を出力させるとスライダ21が矢印C方向にスライ
ドし、このスライダ21のスライドにより枢支体20が
上下方向である矢印D方向に移動し、結果的に支持部8
が支持する基板2の部位と載置部材3の部位との距離を
変えるものである。
【0014】可変手段5は図1、図2及び図4に示すよ
うに、出力手段であるモータ30と、ネジ棒31と、モ
ータ30の出力軸32とネジ棒31を連結するジョイン
ト33と、ブッシュ34から主に構成されている。そう
して、モータ30は基板2に固定されていると共に、ブ
ッシュ34はネジ棒31と螺合され且つスライダ24に
固定されている。可変手段5はこの構成により、モータ
30を出力させるとスライダ24が矢印C方向にスライ
ドし、このスライダ24のスライドにより枢支体23が
上下方向である矢印D方向に移動し、結果的に支持部9
が支持する基板2の部位と載置部材3の部位との距離を
変えるものである。
【0015】尚、モータ25及び30は共に、それぞれ
1000ステップで一回転するステップモータである。
又、ネジ棒26及び31は共に、一回転によってそれぞ
れブッシュ29及び34が矢印C方向に0.5mmだけ移
動するようにネジのピッチが決められている。
【0016】制御手段6は図6に示すように、モータ2
5を所望通りに出力させるためのモータドライバ49及
びモータ25のコントローラ50と、モータ30を所望
通りに出力させるためのモータドライバ51及びモータ
30のコントローラ52と、モータ25及び30の出力
量を求めるためのモータ25,30の出力量演算部53
と、検出部36からのデータを記憶するデータメモリ5
4と、載置部材3の平均傾斜角を演算する平均傾斜角演
算部55と、システムコントローラ56を備えて構成さ
れている。制御手段6は、載置部材3の基板2に対する
姿勢が検出され、更に所望の姿勢が決められると、検出
の姿勢を所望の姿勢とするための信号を可変手段4と可
変手段5にそれぞれ出力するものである。尚、制御手段
6の詳細な作動は、レベリング装置1の使用の説明にお
いて後述する。
【0017】レベリング装置1は、上述したように構成
されている。以下において、作動順序の概略を示すフロ
ーチャート(図8)及び作動順序を示すフローチャート
(図9〜図12)を用いて、表面粗さ計35と共に用い
る場合のレベリング装置1の使用を説明する。
【0018】ところで、レベリング装置1に載置した被
測定物48の傾斜(姿勢)の測定は、表面粗さ計35を
用いることによっておこなうものである。つまり詳しく
は、表面粗さ計35によって被測定物48の被測定面
(上面)に相異なる少なくとも二回以上の走査を行なっ
て表面粗さの測定をおこない、走査におけるある点の三
次元の相対座標を求める。この座標測定によって得られ
た複数個のデータに基づいて平均面を求め、この求めた
平均面を前記被測定物48の被測定面の平面とみなし、
且つその平面の姿勢(傾斜)を前記被測定面の姿勢(傾
斜)と見なす。そうして、この平面が、被測定物48の
矢印Y方向の移動に拘わらず検出部36の走査方向に対
して平行となるように、レベリング装置1を作動させて
被測定物48の傾斜補正(姿勢制御)をおこなうのであ
る(図8の「平均面の計算」)。
【0019】尚、二次元についてのみの傾斜補正を求め
る場合には、表面粗さ計35を被測定物48に対して唯
一度だけ走査させて表面粗さの測定を一度おこない、こ
の測定の結果に基づいて回帰直線を求め、その回帰直線
を検出部36の走査方向と平行になるようにレベリング
装置1を作動させることで達成する(図8の「自動で傾
斜補正(姿勢制御)させるために、操作・表示パネル4
2で必要な測定条件を設定する」において、n=1とし
た場合)。又、傾斜補正(姿勢制御)のための表面粗さ
測定では、検出部36から送られて来るそのままのデー
タ、つまり被測定物48の表面粗さを示す断面曲線その
ものを表すもので、いわゆる生のデータを用いており、
例えばうねり成分を除去するためのフィルタ等を介して
得られるデータは用いていない。
【0020】表面粗さ計35は図7に示すように、スタ
イラス(図示省略)が設けられてなる検出部36と、モ
ータ37が設けられ、検出部36を保持して矢印X方向
に走査させる走査部38と、モータ39が設けられ、走
査部38を支柱40に沿って上下方向、つまり矢印Z方
向にスライドさせるスライド部41が備えられている。
表面粗さ計35のベース44の前面は、操作・表示パネ
ル42になっている。
【0021】レベリング装置1を、表面粗さ計35のベ
ース44上のスライド装置43のスライダ46に載置す
る。尚、スライド装置43は、モータ45が設けられ、
スライダ46が本体47に対して矢印Y方向にスライド
するように構成されている。又、システムコントローラ
56と、モータ37、モータ39及びモータ45の間に
はそれぞれ、モータドライバ57と矢印X方向コントロ
ーラ58、モータドライバ59と矢印Z方向コントロー
ラ60及びモータドライバ61と矢印Y方向コントロー
ラ62が介在されている。
【0022】ここで、スライド装置43は、表面粗さ計
35の検出部36の走査方向とスライダ46の移動方向
が直交となるように、配置する。次に、レベリング装置
1の載置部材3に被測定物48を載置して、検出部36
のスタイラスの移動方向に対して被測定物48の被測定
面、つまり上面が平行になるように、レベリング装置1
を作動させる。
【0023】レベリング装置1は、操作・表示パネル4
2を操作して、まず測定者が表面粗さ計35の使用の諸
条件、つまり測定レンジの設定、サンプリングレングス
の設定、測定長さの設定、走査間隔の設定といった測定
条件の設定をおこなう。続いて、走査・表示パネル42
を操作してオートレベリング選択キーをONにする。
【0024】更に続いて、自動で被測定物48を載置し
ている載置部材3の傾斜補正(姿勢制御)を行わせるた
めの測定条件の設定を行う。走査部38が作動して検出
部36が被測定物48の表面粗さを走査し、スライド装
置43が作動して走査間隔Dyによって決まる距離だけ
被測定物48を矢印Y方向にスライドさせた後に表面粗
さの走査を行うという走査の回数nを、測定者が設定す
る。この回数nの設定により、システムコントローラ5
6から矢印Y方向コントローラ62に、モータ45を
(n−1)回だけ出力させるための信号が送られる。勿
論、走査の回数nが多いほどデータがよく多くなり、よ
り的確なレベリングを行うことができる。ここで矢印Y
方向のサンプリング間隔Δyが決定される。
【0025】ここで、スタートキーをONにし、予備測
定を開始する。この予備測定の開始によって、システム
コントローラ56から矢印X方向コントローラ58に、
モータ37の出力、つまり走査部38を作動させるため
の信号が送られると共に、検出部36から制御手段6の
データ・メモリ54に検出データが送られる状態にな
る。よって、表面粗さ計35の走査部38及び検出部3
6が作動し、データ・メモリ54は距離Lxの範囲で離
散データを取り入れる。データの取り入れは、被測定物
48が測定可能な範囲内にあることを確保して、n回の
走査で行われる。
【0026】尚、この走査の際、スライド装置43は
(n−1)回のスライド作動を行うが、検出部36の矢
印Y方向の位置j、及び次回の走査までの矢印Y方向の
移動距離Dyは、図10のフローチャートに示す等式で
与えられるものである。又、前記測定可能な範囲を超え
る場合、つまりオーバーレンジ状態が生じたり、スライ
ド装置43のリミットを越える場合には、予備測定を中
断して新たな予備測定をやり直す。
【0027】以上の予備測定により、座標測定から得ら
れた複数個のデータに基づいて平均面を求める。ここで
求めた平均面を、被測定物48の被測定面の平面とみな
すのである。尚、平均面はZ=a+bX+cYと置い
て、ここから定数bとcを求める。そうして、この定数
bとcから、平均面の矢印Z方向に対する矢印X方向及
び矢印Y方向の傾き成分を求めるのである。つまり、平
均面Zの方向余弦ベクトルの矢印X方向の成分λ及び矢
印Y方向の成分μを求める。制御手段6のデータ・メモ
リ54に蓄えられたデータは、システムコントローラ5
6の作動によって平均傾斜角演算部55に送られ、平均
面の傾斜角が求められる。ここで、平均面の矢印Z方向
に対する矢印X方向及び矢印Y方向の傾き成分が求まる
のである。
【0028】ここで、システムコントローラ56は、モ
ータ25,30の出力量演算部53に可変手段のモータ
25及び30の出力の量を演算させる信号を送り、自動
機能の場合(図9で「h=0」の場合)は更にモータ3
9が出力してスライド部41が作動し検出部36を被測
定物48から10mmだけ持上がらせるための信号を矢印
Z方向コントローラ60に送り、検出部36は矢印Z方
向に10mmだけ上昇する。
【0029】ここで、レベリング装置1のレベリング機
能が働き、被測定物48の被測定面の傾斜補正(姿勢制
御)が実行される。モータ25,30の出力量演算部5
3の演算によって得られた結果に基づき、システムコン
トローラ56はモータ25のコントローラ50及びモー
タ30のコントローラ52にモータ25及びモータ30
をそれぞれ所定量ずつ出力させるための信号を送る。
【0030】モータ25及びモータ30の出力によっ
て、可変手段4及び可変手段5がそれぞれ作動する。つ
まり、可変手段4ではスライダ21が、可変手段5では
スライダ24がそれぞれ矢印C方向に所定距離だけスラ
イドし、このスライドにより、スライダ21に係合して
いる球面コロ19及びスライダ24に係合している球面
コロ22はそれぞれ所定量づつ矢印D方向に移動し、支
持部8の支持している基板2と載置部材3の間の距離及
び支持部9の支持している基板2と載置部材3の間の距
離が変化する。他方、支持部7が支持している基板2と
載置部材3の間の距離は変わらず、一定を保ち続ける。
これら三つの支持部7、8及び9の支持状態の決定によ
って、基板2に対する載置部材3の傾斜補正(姿勢制
御)がなされ、結果的に被測定物48の被測定面の傾斜
補正(姿勢制御)がおこなわれることになる。
【0031】載置部材3がリミット内にある場合におい
て、上記傾斜補正(姿勢制御)で得られた補正の程度が
測定者の望むほどになるように傾斜補正(姿勢制御)を
繰返して、被測定物48が所望の姿勢である状態を得
る。もちろん、傾斜補正対象の面及び傾斜補正された状
態の面は、平均面である。測定者は、所望の姿勢となっ
た被測定物48に対し、表面粗さ計35を用いて表面粗
さ測定をおこなうことができる。
【0032】 さて、上述したようにレベリング装置1
では、被測定物48の傾斜補正対象面を走査して、走査
方向に同一サンプリング間隔の所要個数の三次元の相対
座標を求め、全走査で求められた各相対座標の位置に基
づき被走査面の最小二乗法による平均面を求め、その求
めた平均面に対して傾斜補正を行うものであるから、面
全体に対しての傾斜補正がなされることになり、面の特
定部分について傾斜補正を行う場合に比べてより妥当な
傾斜補正が得られている。又、最初の姿勢を求めた後は
一度の姿勢制御で略所望の姿勢を得ることができ、姿勢
制御全体に要する時間は短い。加えて、姿勢制御によっ
て所望の姿勢となった面は上記平均面であることより、
表面粗さ測定や表面加工をおこなう際、その対象の面は
姿勢制御後の上記平均面であり、対象面全体にとってよ
り妥当な測定や加工をおこなうことになるという効果も
得られている。因みに、被測定面の表面粗さが一様で、
その面積が25mm×25mmである被測定物をレベリ
ング装置1に載置し、水平に対して1.00゜だけ、つ
まり約17500×10−6radだけ傾けた場合を初
期の姿勢として、二つの走査をおこなってランダムに2
000個の点を取り、それらの点の位置から平均面を求
めて水平状態になるようにレベリングをおこなった。レ
ベリングの後に被測定面の平均面の傾きを求めたとこ
ろ、水平面に対して約200×10−6rad(41.
3秒 約0.0115°)であった。更に、この状態を
初期の姿勢として上記と同様な姿勢制御を行ったとこ
ろ、平均面の傾きは水平面に対して約25.0×10
−6rad(約5.16秒)であった。
【0033】 尚、上述したレベリング装置1の使用に
おいて被測定物48の被測定面の姿勢を求めるのに接触
式の表面粗さ計を用いているが、非接触式の表面粗さ計
を用いてもよい。又、被測定面から平均面の姿勢を求め
る際、走査して被測定面上の点を走査方向に同一サンプ
リング間隔で取って、その点の位置を求め得る測定手段
であれば、表面粗さ計以外のものであってもよい。
【0034】 この発明は被姿勢制御側の面に対して一
様な走査をおこない、被測定面に走査方向に同一サンプ
リング間隔の所要個数の点をとってそれらの三次元の座
標を求め、全走査で求められた各相対座標の位置に基づ
き被走査面の最小二乗法による平均面を求め、この平均
面を対象として姿勢制御(傾斜補正)するように構成し
たことにより、姿勢制御が部分的ではなく面全体に対し
てなされ、より妥当な姿勢が得られるレベリング装置で
ある。又、姿勢制御の面を部分的に姿勢を検出し、その
検出結果に基づき所望状態を得るように姿勢制御を繰返
す場合に比べて、より短い時間で姿勢制御をおこない得
るという効果も得ている。更に、姿勢制御をおこなうこ
とで得られた面の姿勢が姿勢制御対象面の平均面である
ことにより、その面に対して表面粗さ測定や加工等をお
こなう際に面全体を対象とすることになり、より妥当な
測定や加工等をおこなうことができるという効果も得ら
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施例において、載置部材を取除い
た際の平面図である。
【図3】図1のI−I断面図である。
【図4】図1に示す実施例の側面図である。
【図5】図1に示す実施例の第一の支持部の要部分解斜
視図である。
【図6】図1に示す実施例の制御手段の構成を含み、表
面粗さ計及びスライダ装置と共に作動させる際、その制
御系を示す構成説明図である。
【図7】図1に示す実施例を表面粗さ計及びスライダ装
置と共に作動させる際の全体斜視図である。
【図8】図1に示す実施例を表面粗さ計及びスライダ装
置と共に作動させる際、その作動順序の概略を示すフロ
ーチャート図である。
【図9】,
【図10】,
【図11】,
【図12】図1に示す実施例を表面粗さ計及びスライダ
装置と共に作動させる際、その作動順序を示すフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
1 レベリング装置 2 基板 3 載置部材 4,5 可動手段 6 制御手段 7,8,9 支持部(支持手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−221245(JP,A) 特開 昭62−152632(JP,A) 特開 昭49−93971(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板の上部に設けた被載置物を載置する載置部材
    と、 それら基板と載置部材との間に介在され、基板と載置部
    材の間隔を一定距離に保持して支持する第一の支持部、
    及び基板と載置部材の間隔を互いに独立して可変で支持
    する第二及び第三の支持部からなる支持手段と、 から構成されるレベリング装置において、 前記支持手段の第二の支持部及び第三の支持部にそれぞ
    れ設けられ、基板と載置部材の間隔を可変とする第一の
    可変手段及び第二の可変手段と、 載置部材の基板に対する姿勢が検出された際にその検出
    結果に基づき、第二の支持部及び第三の支持部が作動し
    て載置部材が基板に対して所望の姿勢を取り得るように
    前記第一の可変手段及び第二の可変手段を制御する制御
    手段と、 を有し、 載置部材の基板に対する姿勢の検出が、載置部材または
    載置部材に載置される被載置物の被走査面を、走査部位
    異なる少なくとも二回以上の走査によって被走査面の
    走査方向に同一サンプリング間隔の所要個数の三次元の
    相対座標を求め、全走査で求められた各相対座標の位
    に基づき被走査面の最小二乗法による平均面を求め、そ
    の平均面の姿勢を初期の姿勢として前記載置部材の基板
    に対する姿勢を所望の姿勢へと制御されるように構成さ
    れてなるレベリング装置。
  2. 【請求項2】 載置部材の基板に対する姿勢を検出する
    手段は、載置部材に載置される被載置物の表面粗さを測
    定する表面粗さ計であり、該表面粗さ計は、走査によっ
    て走査面全体に、走査方向に同一サンプリング間隔の所
    要個数の三次元の相対座標の点を求めることを特徴とす
    る請求項1に記載のレベリング装置。
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