JP2735920B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Structures For Mounting Electric Components On Printed Circuit Boards (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明はインバータの主回路とその主回路を駆動させ
る駆動回路とが同一基板上に構成されたインバータ装置
に関し、特にハイパワーのインバータ装置に関する。
(ロ)従来の技術 従来から、パワー用の半導体素子を搭載したパワー用
の集積回路はその動作中に発生する熱放散を考慮してい
わゆるヒートシンク(銅板)を使用する方式が多用され
ている。この方式のパワー用の集積回路の中には回路パ
ターンを一面に形成し、他面に銅よりなる熱伝導層を設
けたアルミナセラミック板を前記ヒートシンク(以後放
熱板と呼称する)に半田付して一体とする型がある。こ
の型のパワー用集積回路は第4図に示す如く、アルミナ
セラミックス基板(51)の一主面に導電性のよい銅で回
路パターン(52)を形成し、その一部であるパッド部
(52′)にパワー用半導体素子(53)をろう材によって
固着する。ところで、銅の回路パターン(52)は溶射
法、メッキ法、メタライズ法、印刷法および蒸着法の単
独又はその組合せで形成するか、あるいは銅板をろう付
する方法で固定し大電流の回路パターン(52)が形成さ
れる。
半導体素子(53)の電極と前記回路パターン(52)の
一部を構成するパッド部(52′)を導電性金属細線(6
1)で接続し、前記アルミナセラミックス基板(51)の
他面に被着した銅からなる熱伝導層(54)と放熱板(5
5)とを半田層によって固着していた。
斯る放熱板(55)上には上述したパワー回路が形成さ
れたアルミナセラミックス基板(51)が複数個固着搭載
され、各アルミナセラミックス基板(51)上に形成され
たパッド部(52′)を上述した細線で接続し所定のパワ
ー回路、例えばインバータ回路のパワー部分を集積回路
化してパワーモジュールICとして使用されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 第4図の如き、パワーモジュールICではインバータ装
置のパワー部分となる主回路のみが構成されているため
に大電流化として見ればその効果は大である。しかしな
がら、第4図のパワーモジュールでは上述した如く、イ
ンバータの主回路のみしか形成されておらずその主回路
を駆動させる駆動回路は別部品での外付となりシステム
として見れば大型となる問題がある。
また、第4図の如き、構造ではセラミックス基板を使
用するために大電流用のパターンは形成できるが小信号
用のファインパターンを形成することが困難であるため
インバータのパイパワー用主回路と駆動回路とを同一基
板上に形成することが不可能であった。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、
金属基板と前記基板上に貼着され且つ前記基板表面を露
出させる複数の孔が設けられた絶縁薄層と前記絶縁薄層
上に形成された所望形状の導電路と前記孔で露出した前
記基板上に固着された熱抵抗比の小さいセラミックス片
と前記セラミックス片上に固着され前記導電路と接続さ
れたパワーインバータの主回路となる複数のパワー素子
と前記主回路を駆動させ且つ前記基板上に配置された駆
動回路となる複数の小信号回路素子とを具備し、前記孔
周端辺上に環状の導体層を形成し、前記導体層の近傍に
前記基板表面を露出させるザグリ部を形成し、前記導体
層と前記ザグリ部によって露出された基板とを接続した
ことを特徴とする。
(ホ)作 用 この様に本発明に依れば、金属基板上に貼着する絶縁
樹脂薄層に基板表面を露出させる孔を設け、その孔で露
出された基板上にセラミックス片を介してインバータの
主回路となるパワー素子を搭載し、他の領域上に主回路
を駆動させる複数の小信号用素子を配置することによ
り、パワー素子の熱放散性を極めて向上させることがで
き且つ同一基板上に小信号用素子が固着できる。その結
果、ハイパワー用の主回路と駆動回路とを一体化したイ
ンバータ装置を提供することができる。
また、孔周端辺に設けられた導体層と、その導体層の
近傍に設けられたザグリ部とを接続することにより、主
回路のパワー素子のスイッチング時の自己ノイズを抑制
することができる。
(ヘ)実施例 以下に第1図および第2図に示した実施例に基づいて
本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明のインバータ装置を示す平面図であ
り、第2図は第1図のI−I断面図である。
第1図および第2図に示す如く、本発明のインバータ
装置は、金属基板(1)と、その基板一主面上に貼着さ
れた複数の孔(2a)を有した絶縁薄層(2)と、絶縁薄
層(2)上に形成された所望形状の導電路(3)と、孔
(2a)によって露出された基板(1)上に固着されたセ
ラミックス片(4)と、セラミックス片(4)を囲み且
つ孔(2a)の周端部の絶縁薄層(2)上に形成された導
体層(3′)と、その導体層(3′)の近傍に設けられ
たザグリ部(9)と、セラミックス片(4)上に固着さ
れたパワー素子(5)と、導電路(3)上に固着された
複数の小信号素子(6)とから構成されている。
金属基板(1)として2〜5mm厚の銅基板が用いられ
る。その銅基板の表面には銅の酸化および機械的強度を
増すために無電解メッキによってニッケルメッキ膜(1
a)がコーティングされている。
基板(1)の一主面に貼着される絶縁薄層(2)とし
ては、例えばエポキシあるいはポリイミド樹脂が用いら
れ、その所定位置に複数の孔(2a)が設けられている。
孔(2a)は基板(1)に貼着される前にプレス等の手段
によってあらかじめ形成される。
基板(1)上に絶縁薄層(2)を貼着すると複数の孔
(2a)によって基板(1)の表面のみが露出されること
になる。その孔(2a)は基板(1)の略中央部に配置す
る様に設けられる。本実施例では三相インバータを用い
ているために孔(2a)は6個形成されることになる。
斯る絶縁薄層(2)上には銅箔より成る所望形状の導
電路(3)が形成される。ところで、銅箔と絶縁薄層
(2)とは、あらかじめ接着剤で一体化されており、絶
縁薄層(2)を基板(1)上に貼着する際に銅箔も同時
に貼着される。導電路(3)は第1図から明らかな如
く、パワー用の導電路(3a)と小信号用の導電路(3b)
とが形成される。パワー用の導電路(3a)は孔(2a)間
を延在する様に形成され、その延在された基板(1)の
周端辺にはパワー用リード端子が固着されるパワー用パ
ッド(3c)が形成される。一方、小信号用の導電路(3
b)はパワー用の導電路(3a)を挾む様に基板(1)の
両端部の領域に形成され、パワー用パッド(3c)の対向
辺側に導電路(3b)が延在され小信号用のパッド(3d)
が形成される。また、パワー用の導電路(3a)上には大
電流を対応とするために表面がNiメッキ処理された銅板
(7)を本実施例では固着している。更に本実施例で形
成される小信号用の導電路(3b)は30〜100μクラスの
ファインパターンが形成される。
ところで、孔(2a)の周端部の絶縁薄層(2)上には
後述するセラミックス片(4)を取り囲む様に導体層
(3′)が形成される。この導体層(3′)は導電路
(3)と同一材料である銅箔により形成され、しかも同
一工程で形成される。また、この導体層(3′)は製造
工程において不可欠なものとなり、本発明ではその導体
層(3′)を積極的に利用したものである。
絶縁薄層(2)と導電路(3)を形成する銅箔とは上
述した様にあらかじめ一体化されているため、その一体
化されたものに孔(2a)を形成し基板(1)上に貼着
し、銅箔をエッチングする際のレジスト膜を孔(2a)で
露出した基板(1)上のみに付着塗布することは非常に
困難である。そこで孔(2a)で露出した基板(1)上に
レジスト膜を塗布させる場合、孔(2a)の周辺の領域を
オーバラップさせる必要性がある。この結果、導電路
(3)をエッチング形成する際に孔(2a)を取り囲む導
体層(3′)が形成される。また、導体層(3′)上に
は表面保護等の目的のためメッキ処理が行われている。
一方、導体層(3′)の近傍には基板(1)の表面を
露出させるザグリ部(9)が設けられ、そのザグリ部
(9)によって露出された基板(1)と前述した導体層
(3′)とをアルミニウム線の如き接続手段を用いて電
気的に接続する。この構造に依れば、導体層(3′)と
基板(1)とがアースされることになり、導体層
(3′)によって囲まれた後述するパワー素子(5)か
ら発生する自己ノイズを吸収することができ、他の回路
素子、特に小信号系の素子による悪影響を著しく抑制す
ることができるものである。
上述した孔(2a)によって露出された基板(1)上に
は熱抵抗比の小さいセラミックス片(4)を介してパワ
ー素子(5)が基板(1)上に搭載される。
熱抵抗比の小さいセラミックス片(4)として、例え
ば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア等の材料が
あるが、本実施例でもっとも一般的である窒化アルミニ
ウムを用いるものとする。第3図はそのセラミックス片
(4)を示す断面図であり、その上下面には酸化銅を介
して銅板が固着された導体層(4a)が形成されている。
従って基板(1)上には半田によって固着できることが
可能となる。また、セラミックス片(4)上に固着され
るパワー素子(5)も半田によって固着搭載されること
はいうまでもない。また、上述したセラミックス片
(4)の上下面に形成された導体層(4a)の表面には図
示されないがニッケルメッキ膜が形成されている。
セラミックス片(4)上に固着したパワー素子(5)
とパワー用の導電路(3a)とはアルミニウム線によって
ボンディング接続しインバータの主回路となる様にブリ
ッジ接続を行う。本実施例ではセラミックス片(4)が
孔(2a)によって独立状態であるために、上述した主回
路を構成すべきブリッジ回路を形成するためにセラミッ
クス片(4)とパワー用の導電路(3a)とを接続してイ
ンバータの主回路を形成することができる。
セラミックス片(4)の上下面には上述した如く、導
体層(4a)が形成されているため、セラミックス片
(4)上に固着されたパワー素子(5)、例えばパワー
トランジスタのコレクタが導体層(4a)と共通となり、
導体層(4a)とパワー用の導電路(3a)とをワイヤ線等
で接続することによりパワーインバータの主回路を構成
することができる。導体層(4a)とパワー用の導電路
(3a)とはアルミニウム線でボンディング接続される
が、このとき夫々の表面にはニッケルメッキ膜が形成さ
れているために何んら問題はない。
一方、絶縁薄層(2)上に形成された小信号用の導電
路(3)上にはトランジスタ、チップ抵抗、チップコン
デンサー、ダイオード等の発熱を有さない複数の小信号
用素子(6)が搭載され、インバータの主回路を駆動す
べき駆動回路および保護回路が構成される。
斯る本発明に依れば、金属基板上に貼着する絶縁樹脂
薄層に基板表面を露出させる孔を設け、その孔で露出さ
れた基板上に熱抵抗比の小さいセラミックス片を介して
インバータの主回路となるパワー素子を搭載に、他の領
域上に主回路を駆動させる複数の小信号用素子を配置す
ることにより、パワー素子の熱放散性を極めて向上させ
ることができる。また、同一基板上に小信号用素子が固
着できるので、ハイパワー用の主回路と駆動回路とも一
体化したインバータ装置を提供することができる。
また、孔(2a)の周端辺、即ち、パワー素子(5)を
取り囲む様に導体層(3′)を設け、その導体層
(3′)とザグリ部(9)によって露出された基板
(1)とを接続することにより、パワー素子(5)のス
イッチングの際の自己ノイズを抑制することができる。
(ト)発明の効果 以上に詳述した如く、本発明に依れば、同一基板上に
ハイパワー用のインバータ主回路と、その回路を駆動さ
せる駆動回路とを形成することができることにより、極
めて薄型のハイパワー用のインバータ装置を提供するこ
とができる。
また、本発明で用いるセラミックス片上にはパワー素
子のみが固着されているため、安価でしかも同一基板上
に小信号用のファインパターンを形成することができ
る。
更に、本発明ではパワー素子の自己ノイズを抑制する
ことができるため、その結果、周辺の小信号系の回路素
子が安定して動作して特性の優れたインバータ装置を実
現できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す平面図、第2図は第1図
のI−I断面図、第3図は本実施例で用いるセラミック
ス片を示す断面図、第4図は従来例を示す要部断面図で
ある。 (1)……金属基板、(2)……絶縁薄層、(2a)……
孔、(3)……導電路、(3′)……導体層、(4)…
…セラミックス片、(5)……パワー素子、(6)小信
号素子、(9)……ザグリ部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基板と 前記基板上に貼着され且つ前記基板表面を露出させる複
    数の孔が設けられた絶縁薄層と 前記絶縁薄層上に形成された所望形状の導電路と 前記孔で露出した前記基板上に固着された熱抵抗比の小
    さいセラミックス片と 前記セラミックス片上に固着され前記導電路と接続され
    たパワーインバータの主回路となる複数のパワー素子と 前記主回路を駆動させ且つ前記基板上に配置された駆動
    回路となる複数の小信号回路素子とを具備し、 前記孔周端辺上に環状の導体層を形成し、前記導体層の
    近傍に前記基板表面を露出させるザグリ部を形成し、前
    記導体層と前記ザグリ部によって露出された基板とを接
    続したことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】前記金属基板として銅基板を用いたことを
    特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】前記セラミックス片として窒化アルミニウ
    ム片、窒化ホウ素片、炭化ケイ素片あるいはベリリア片
    を用いたことを特徴とする請求項1記載のインバータ装
    置。
  4. 【請求項4】前記導電路として銅箔を用いたことを特徴
    とする請求項1記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】前記パワー素子はブリッジ接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  6. 【請求項6】前記セラミックス片の両面には導体層が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載のインバー
    タ装置。
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