JP2734932B2 - スキー靴用フィッティング材 - Google Patents
スキー靴用フィッティング材Info
- Publication number
- JP2734932B2 JP2734932B2 JP5075887A JP7588793A JP2734932B2 JP 2734932 B2 JP2734932 B2 JP 2734932B2 JP 5075887 A JP5075887 A JP 5075887A JP 7588793 A JP7588793 A JP 7588793A JP 2734932 B2 JP2734932 B2 JP 2734932B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fitting
- fitting material
- thermoplastic polymer
- foam
- boot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A43—FOOTWEAR
- A43B—CHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
- A43B5/00—Footwear for sporting purposes
- A43B5/04—Ski or like boots
- A43B5/0405—Linings, paddings or insertions; Inner boots
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスキー靴のシェル内に挿
入されて足を覆うインナーブーツに使用されるスキー靴
用フィッティング材に関し、特に形状を繰返し付与する
ことができるものに関する。
入されて足を覆うインナーブーツに使用されるスキー靴
用フィッティング材に関し、特に形状を繰返し付与する
ことができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、シェル1とインナーブーツ2と
からなるスキー靴の一例を示すものである。シェル1は
スキーヤーの脚部の運動をスキー板に直ちに伝え得るよ
うに硬質に形成されている。ところがこのシェル1内に
収容される足の形状には個人差があり、その形状の違い
を吸収し、足を苦痛なく保持することを目的としてシェ
ル1と足との間にインナーブーツ2が介在されている。
からなるスキー靴の一例を示すものである。シェル1は
スキーヤーの脚部の運動をスキー板に直ちに伝え得るよ
うに硬質に形成されている。ところがこのシェル1内に
収容される足の形状には個人差があり、その形状の違い
を吸収し、足を苦痛なく保持することを目的としてシェ
ル1と足との間にインナーブーツ2が介在されている。
【0003】この種のスキー靴のフィッティング方法と
しては、従来、軟質発泡ウレタン注入法(ウレタンフォ
ーミング)などが行われている。このウレタンフォーミ
ングによる方法は、インナーブーツ2をシェル1に収
め、さらにインナーブーツ2に足を挿入した状態で、2
種類の反応液(例えば、ポリオールとイソシアネート
等)を混合しこれらを発泡圧でインナーブーツ2に注入
し、インナーブーツ2内で反応液を発泡固化させて使用
者の足形状に合うインナーブーツにする作業(以下、フ
ィッティング作業という)を行っている。
しては、従来、軟質発泡ウレタン注入法(ウレタンフォ
ーミング)などが行われている。このウレタンフォーミ
ングによる方法は、インナーブーツ2をシェル1に収
め、さらにインナーブーツ2に足を挿入した状態で、2
種類の反応液(例えば、ポリオールとイソシアネート
等)を混合しこれらを発泡圧でインナーブーツ2に注入
し、インナーブーツ2内で反応液を発泡固化させて使用
者の足形状に合うインナーブーツにする作業(以下、フ
ィッティング作業という)を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されていたフィッティング材料は、一度発泡固化する
とその形状が固定されてしまうので、修正することがで
きない。それ故フィッティング作業時に、ブーツ内で足
を動かしてしまうと適正な形状が得られなくなるという
問題があった。また、一度反応液を混合すると、途中で
フィッティング作業を中止することができず、或いは反
応液を混合した後でフィッティング作業を中止すると、
混合した反応液が無駄になってしまう。さらに、反応液
にはポットライフがあり、フィッティング作業には時間
的制約がある、などの不満があった。
用されていたフィッティング材料は、一度発泡固化する
とその形状が固定されてしまうので、修正することがで
きない。それ故フィッティング作業時に、ブーツ内で足
を動かしてしまうと適正な形状が得られなくなるという
問題があった。また、一度反応液を混合すると、途中で
フィッティング作業を中止することができず、或いは反
応液を混合した後でフィッティング作業を中止すると、
混合した反応液が無駄になってしまう。さらに、反応液
にはポットライフがあり、フィッティング作業には時間
的制約がある、などの不満があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、形状を繰返し付与することができるスポーツシュー
ズ用フィッティング材の提供を目的としている。
で、形状を繰返し付与することができるスポーツシュー
ズ用フィッティング材の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のスキー靴用フィ
ッティング材は、連続気泡を有する軟質発泡体のセル内
面に、融点が40〜90℃の熱可塑性ポリマーを付着さ
せた構成としたことによって前記課題を解決した。
ッティング材は、連続気泡を有する軟質発泡体のセル内
面に、融点が40〜90℃の熱可塑性ポリマーを付着さ
せた構成としたことによって前記課題を解決した。
【0007】
【作用】本発明のスキー靴用フィッティング材は、連続
気泡を有する軟質発泡体のセル内面に、融点が40〜9
0℃の熱可塑性ポリマーを付着させたものなので、熱可
塑性ポリマーの融点以上に加熱して熱可塑性ポリマーを
溶融軟化させることにより容易に変形可能な状態とな
り、この状態の時に使用者の足形状に合うように変形さ
せて、それをそのままの状態で室温冷却することによ
り、軟化したポリマーが硬化してその形状が保持されて
フィッティング作業が完了する。さらに、一度形状を固
定したフィッティング材を熱可塑性ポリマーの融点以上
に加熱すると、熱可塑性ポリマーが溶融軟化しかつ軟質
発泡体の復元力によってこのフィッティング材は元の形
状に復元され、これを用いて再度フィッティング作業が
可能である。
気泡を有する軟質発泡体のセル内面に、融点が40〜9
0℃の熱可塑性ポリマーを付着させたものなので、熱可
塑性ポリマーの融点以上に加熱して熱可塑性ポリマーを
溶融軟化させることにより容易に変形可能な状態とな
り、この状態の時に使用者の足形状に合うように変形さ
せて、それをそのままの状態で室温冷却することによ
り、軟化したポリマーが硬化してその形状が保持されて
フィッティング作業が完了する。さらに、一度形状を固
定したフィッティング材を熱可塑性ポリマーの融点以上
に加熱すると、熱可塑性ポリマーが溶融軟化しかつ軟質
発泡体の復元力によってこのフィッティング材は元の形
状に復元され、これを用いて再度フィッティング作業が
可能である。
【0008】
【実施例】図1は本発明のスキー靴用フィッティング材
の一実施例を示すものであり、符号10はフィッティン
グ材である。このフィッティング材10は、連続気泡を
有する軟質発泡体11のセル12内面に、融点が40〜
90℃の熱可塑性ポリマー13を付着させてなるもので
ある。
の一実施例を示すものであり、符号10はフィッティン
グ材である。このフィッティング材10は、連続気泡を
有する軟質発泡体11のセル12内面に、融点が40〜
90℃の熱可塑性ポリマー13を付着させてなるもので
ある。
【0009】上記軟質発泡体11としては、ガラス転移
点(以下、Tgという)が、Tg≦0℃、好ましくはT
gが使用環境外気温度以下である材料が使用され、例え
ばウレタン発泡材、シリコンゴム発泡材、フッ素ゴム発
泡材、天然ゴム発泡材などが好適に用いられる。スキー
ブーツの使用環境外気温度は一般に0℃以下である。発
泡体のTgが使用環境外気温度よりも高いと、使用環境
温度では発泡体が硬くなり、フィッティング材には適さ
なくなる。一方、Tgが使用環境外気温度以下の軟質発
泡体を用いれば、使用環境温度でも発泡体が硬くなら
ず、フィッティング材の機能を損なうことがない。また
軟質発泡体11は連続気孔を有するものが使用される。
この発泡体11が独立気孔であると、軟質発泡体11内
部の気孔セル12内に熱可塑性ポリマー13を含浸させ
ることが困難となるので好ましくない。
点(以下、Tgという)が、Tg≦0℃、好ましくはT
gが使用環境外気温度以下である材料が使用され、例え
ばウレタン発泡材、シリコンゴム発泡材、フッ素ゴム発
泡材、天然ゴム発泡材などが好適に用いられる。スキー
ブーツの使用環境外気温度は一般に0℃以下である。発
泡体のTgが使用環境外気温度よりも高いと、使用環境
温度では発泡体が硬くなり、フィッティング材には適さ
なくなる。一方、Tgが使用環境外気温度以下の軟質発
泡体を用いれば、使用環境温度でも発泡体が硬くなら
ず、フィッティング材の機能を損なうことがない。また
軟質発泡体11は連続気孔を有するものが使用される。
この発泡体11が独立気孔であると、軟質発泡体11内
部の気孔セル12内に熱可塑性ポリマー13を含浸させ
ることが困難となるので好ましくない。
【0010】上記熱可塑性ポリマー13としては、融点
(Tm)が40℃〜90℃の樹脂材料が使用され、例え
ば熱可塑性ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹
脂、エチレンアクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル-アク
リル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などが使用可能で
あり、特に好適な市販品を例示するとダイセル社製のプ
ラクセルH7が挙げられる。この熱可塑性ポリマー13
の融点が40℃よりも低いと、使用時に体温によって溶
融又は軟化し、足に対するホールド性が低下してしま
う。またその融点が90℃よりも高いと、形状固定時に
はインナーブーツ2内に足を入れるので、90℃よりも
高温のフィッテイング材10を用いるのは好ましくな
い。90℃も人体にとってかなりの高温であるが、フィ
ッティング材10が発泡体であるので熱伝導が悪く、足
に過度の熱さを感じさせることがないので、90℃まで
は使用可能である。
(Tm)が40℃〜90℃の樹脂材料が使用され、例え
ば熱可塑性ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹
脂、エチレンアクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル-アク
リル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などが使用可能で
あり、特に好適な市販品を例示するとダイセル社製のプ
ラクセルH7が挙げられる。この熱可塑性ポリマー13
の融点が40℃よりも低いと、使用時に体温によって溶
融又は軟化し、足に対するホールド性が低下してしま
う。またその融点が90℃よりも高いと、形状固定時に
はインナーブーツ2内に足を入れるので、90℃よりも
高温のフィッテイング材10を用いるのは好ましくな
い。90℃も人体にとってかなりの高温であるが、フィ
ッティング材10が発泡体であるので熱伝導が悪く、足
に過度の熱さを感じさせることがないので、90℃まで
は使用可能である。
【0011】このフィッティング材10は、図3に示す
スキー靴のシェル1に収められるインナーブーツ2の内
部に使用される。フィッティング材10をインナーブー
ツ2に固定する方法は特に限定されず、例えばインナー
ブーツ縫製時にブーツ内部に縫い込む方法、接着剤で接
着する方法、フィッティング材10を熱融着性繊維で包
んでブーツ内に溶着する方法などが用いられる。またフ
ィッティング材10の配置についても特に限定されず、
インナーブーツ2全体にフィッティング材10を配して
も良いし、踝部分、踵部分、甲部分等の特にフィット感
の要求される要部のみに配しても良い。このようにイン
ナーブーツ2にフィッティング材10を固定することで
フィッティング作業のできるインナーブーツを構成する
ことができる。
スキー靴のシェル1に収められるインナーブーツ2の内
部に使用される。フィッティング材10をインナーブー
ツ2に固定する方法は特に限定されず、例えばインナー
ブーツ縫製時にブーツ内部に縫い込む方法、接着剤で接
着する方法、フィッティング材10を熱融着性繊維で包
んでブーツ内に溶着する方法などが用いられる。またフ
ィッティング材10の配置についても特に限定されず、
インナーブーツ2全体にフィッティング材10を配して
も良いし、踝部分、踵部分、甲部分等の特にフィット感
の要求される要部のみに配しても良い。このようにイン
ナーブーツ2にフィッティング材10を固定することで
フィッティング作業のできるインナーブーツを構成する
ことができる。
【0012】次にこのフィッティング材の製造方法の一
例を説明する。図2はこのフィッティング材10の製造
装置の一例を示すものである。この製造装置は、熱可塑
性ポリマー溶液21の容器を収容する真空チャンバ20
と、この真空チャンバ20の空気出入口に接続された真
空ポンプ22とを備えて構成されている。この製造装置
によりフィッティング材10を製造するには、まず、熱
可塑性ポリマーを有機溶剤に溶かした熱可塑性ポリマー
溶液(以下、ポリマー溶液という)21と、所望の寸法
や形状とした軟質発泡体11とを用意し、真空チャンバ
20内にポリマー溶液21の容器を入れ、その容器内に
軟質発泡体11を入れて真空チャンバ20を密封し、次
いで真空ポンプ22を駆動させて真空チャンバ20内を
真空排気する。そして真空チャンバ20内を所定の真空
度まで減圧して軟質発泡体11のセル12内の空気と熱
可塑性ポリマー溶液21とを置換する。次いで真空チャ
ンバ20から該ポリマー溶液21を含浸させた軟質発泡
体を取り出し、有機溶剤を揮発除去する。これにより図
1に示すフィッティング材10が得られる。
例を説明する。図2はこのフィッティング材10の製造
装置の一例を示すものである。この製造装置は、熱可塑
性ポリマー溶液21の容器を収容する真空チャンバ20
と、この真空チャンバ20の空気出入口に接続された真
空ポンプ22とを備えて構成されている。この製造装置
によりフィッティング材10を製造するには、まず、熱
可塑性ポリマーを有機溶剤に溶かした熱可塑性ポリマー
溶液(以下、ポリマー溶液という)21と、所望の寸法
や形状とした軟質発泡体11とを用意し、真空チャンバ
20内にポリマー溶液21の容器を入れ、その容器内に
軟質発泡体11を入れて真空チャンバ20を密封し、次
いで真空ポンプ22を駆動させて真空チャンバ20内を
真空排気する。そして真空チャンバ20内を所定の真空
度まで減圧して軟質発泡体11のセル12内の空気と熱
可塑性ポリマー溶液21とを置換する。次いで真空チャ
ンバ20から該ポリマー溶液21を含浸させた軟質発泡
体を取り出し、有機溶剤を揮発除去する。これにより図
1に示すフィッティング材10が得られる。
【0013】このフィッティング材10は、連続気泡を
有する軟質発泡体11のセル12内面に熱可塑性ポリマ
ー13を付着させた構成としたものなので、これをスキ
ー靴のインナーブーツ2に固定し、熱可塑性ポリマー1
3の融点以上に加熱すると、熱可塑性ポリマー13が溶
融軟化し、外力を付与すると容易に変形する状態にな
り、この状態の時にフィッティング作業を行う。即ち、
このインナーブーツ内に足を挿入し、フィッティング材
10を足の形状にフィットさせ、そのままの状態で室温
冷却することにより、軟化したポリマーが硬化してその
形状が保持され、これによりフィッティング作業が完了
する。ここで、フィッティング材10を加熱するには、
熱風加熱等が好適である。
有する軟質発泡体11のセル12内面に熱可塑性ポリマ
ー13を付着させた構成としたものなので、これをスキ
ー靴のインナーブーツ2に固定し、熱可塑性ポリマー1
3の融点以上に加熱すると、熱可塑性ポリマー13が溶
融軟化し、外力を付与すると容易に変形する状態にな
り、この状態の時にフィッティング作業を行う。即ち、
このインナーブーツ内に足を挿入し、フィッティング材
10を足の形状にフィットさせ、そのままの状態で室温
冷却することにより、軟化したポリマーが硬化してその
形状が保持され、これによりフィッティング作業が完了
する。ここで、フィッティング材10を加熱するには、
熱風加熱等が好適である。
【0014】さらにこのフィッティング材10では、最
初のフィッティング作業で十分なフィット感が得られな
かった場合など、再度フィッティング作業が必要である
場合には、一度フィッティング作業を終えたフィッティ
ング材10を再度熱可塑性ポリマー13の融点以上に加
熱することにより、熱可塑性ポリマー12が溶融軟化さ
れ軟質発泡体の復元力によりこのフィッティング材10
は元の形状に復元され、これによって再度フィッティン
グ作業を行うことができる。以下、本発明に係るフィッ
ティング材の製造例を記す。
初のフィッティング作業で十分なフィット感が得られな
かった場合など、再度フィッティング作業が必要である
場合には、一度フィッティング作業を終えたフィッティ
ング材10を再度熱可塑性ポリマー13の融点以上に加
熱することにより、熱可塑性ポリマー12が溶融軟化さ
れ軟質発泡体の復元力によりこのフィッティング材10
は元の形状に復元され、これによって再度フィッティン
グ作業を行うことができる。以下、本発明に係るフィッ
ティング材の製造例を記す。
【0015】(製造例)軟質発泡体として連続気孔を有
する軟質ウレタン発泡材を用い、熱可塑性ポリマーとし
て、ダイセル社製のプラクセルH7を用い、図2に示す
製造装置によりフィッティング材を製造した。ポリマー
(プラクセルH7)をトルエンに溶かし、20wt%の
ポリマー溶液21を作製した。このポリマー溶液21の
容器を真空チャンバ20内に入れ、ポリマー溶液21中
に発泡体11を入れ、真空チャンバ20を密封した。次
いで真空ポンプ22を駆動させて真空チャンバ20内を
8kPa程度に減圧し、発泡体11のセル中の空気とポ
リマー溶液21とを置換した。次いで真空チャンバを開
け、ポリマー溶液21が含浸された発泡体11を取り出
し、トルエンを揮発させて発泡体11のセル内面にポリ
マーを付着させ、フィッティング材を得た。得られたフ
ィッティング材は、60〜80℃程度に加熱することに
よって容易に変形し、次いで室温冷却することによって
その形状を保持することができ、スキー靴用フィッティ
ング材として十分な実用性を備えていた。またこのフィ
ッティング材は、形状を固定した後、再度加熱すること
によって元の形状に復元し、再度のフィッティング作業
が可能であった。
する軟質ウレタン発泡材を用い、熱可塑性ポリマーとし
て、ダイセル社製のプラクセルH7を用い、図2に示す
製造装置によりフィッティング材を製造した。ポリマー
(プラクセルH7)をトルエンに溶かし、20wt%の
ポリマー溶液21を作製した。このポリマー溶液21の
容器を真空チャンバ20内に入れ、ポリマー溶液21中
に発泡体11を入れ、真空チャンバ20を密封した。次
いで真空ポンプ22を駆動させて真空チャンバ20内を
8kPa程度に減圧し、発泡体11のセル中の空気とポ
リマー溶液21とを置換した。次いで真空チャンバを開
け、ポリマー溶液21が含浸された発泡体11を取り出
し、トルエンを揮発させて発泡体11のセル内面にポリ
マーを付着させ、フィッティング材を得た。得られたフ
ィッティング材は、60〜80℃程度に加熱することに
よって容易に変形し、次いで室温冷却することによって
その形状を保持することができ、スキー靴用フィッティ
ング材として十分な実用性を備えていた。またこのフィ
ッティング材は、形状を固定した後、再度加熱すること
によって元の形状に復元し、再度のフィッティング作業
が可能であった。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスキー靴
用フィッティング材は、連続気泡を有する軟質発泡体の
セル内面に、融点が40〜90℃の熱可塑性ポリマーを
付着させたものなので、熱可塑性ポリマーの融点以上に
加熱して熱可塑性ポリマーを溶融軟化させることにより
容易に変形可能な状態となり、この状態の時にフィッテ
ィング作業を行い、それを放冷することにより、軟化し
たポリマーが硬化してその形状が保持される。さらに、
一度形状を固定したフィッティング材を熱可塑性ポリマ
ーの融点以上に加熱すると、熱可塑性ポリマーが溶融軟
化しかつ軟質発泡体の復元力によってこのフィッティン
グ材は元の形状に復元され、これを用いて再度フィッテ
ィング作業を行うことが可能となる。従ってこのフィッ
ティング材によれば、スキー靴のインナーブーツを使用
者の足にフィットさせるフィッティング作業を繰り返し
て行うことができるので、フィッティング作業が容易と
なる。またフィッティング作業を繰り返し行うことがで
きるので失敗がなく、確実にスキー靴と足とをフィット
させることができるので、スキー靴のフィット性を一層
向上させることができる。
用フィッティング材は、連続気泡を有する軟質発泡体の
セル内面に、融点が40〜90℃の熱可塑性ポリマーを
付着させたものなので、熱可塑性ポリマーの融点以上に
加熱して熱可塑性ポリマーを溶融軟化させることにより
容易に変形可能な状態となり、この状態の時にフィッテ
ィング作業を行い、それを放冷することにより、軟化し
たポリマーが硬化してその形状が保持される。さらに、
一度形状を固定したフィッティング材を熱可塑性ポリマ
ーの融点以上に加熱すると、熱可塑性ポリマーが溶融軟
化しかつ軟質発泡体の復元力によってこのフィッティン
グ材は元の形状に復元され、これを用いて再度フィッテ
ィング作業を行うことが可能となる。従ってこのフィッ
ティング材によれば、スキー靴のインナーブーツを使用
者の足にフィットさせるフィッティング作業を繰り返し
て行うことができるので、フィッティング作業が容易と
なる。またフィッティング作業を繰り返し行うことがで
きるので失敗がなく、確実にスキー靴と足とをフィット
させることができるので、スキー靴のフィット性を一層
向上させることができる。
【図1】本発明のスキー靴用フィッティング材の一実施
例を示すもので、フィッティング材の要部拡大断面図で
ある。
例を示すもので、フィッティング材の要部拡大断面図で
ある。
【図2】同じフィッティング材を製造するのに好適な製
造装置の一例を示す概略構成図である。
造装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】インナーブーツを有するスキー靴の一例を示す
斜視図である。
斜視図である。
1……シェル、2……インナーブーツ、10……フィッ
ティング材、11……軟質発泡体、12……連続気泡の
セル、13……熱可塑性ポリマー、20……真空チャン
バ、21……熱可塑性ポリマー溶液、22……真空ポン
プ。
ティング材、11……軟質発泡体、12……連続気泡の
セル、13……熱可塑性ポリマー、20……真空チャン
バ、21……熱可塑性ポリマー溶液、22……真空ポン
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−4802(JP,A) 特開 平3−234201(JP,A) 特開 昭47−7829(JP,A) 特開 平2−63405(JP,A) 特開 平4−242601(JP,A) 特表 昭55−500186(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 スキー靴のシェル内に挿入されて足を覆
うインナーブーツに使用されるフィッティング材であっ
て、 連続気泡を有する軟質発泡体のセル内面に、融点が40
〜90℃の熱可塑性ポリマーを付着させてなることを特
徴とするスキー靴用フィッティング材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5075887A JP2734932B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | スキー靴用フィッティング材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5075887A JP2734932B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | スキー靴用フィッティング材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06284901A JPH06284901A (ja) | 1994-10-11 |
JP2734932B2 true JP2734932B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=13589265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5075887A Expired - Lifetime JP2734932B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | スキー靴用フィッティング材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2734932B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1273915B (it) * | 1994-10-27 | 1997-07-11 | Nordica Spa | Scarpetta interna per calzature sportive e procedimento per ottenimento della stessa. |
CH693584A5 (fr) * | 1999-12-21 | 2003-10-31 | Lange Int Sa | Chausson de confort pour chaussure de sport. |
AU2003292092A1 (en) | 2003-11-24 | 2005-06-24 | Tyrolia Technology Gmbh | Skis and ski boots combination |
ITUD20070021A1 (it) | 2007-02-02 | 2008-08-03 | Calzaturificio Dal Bello S R L | Serie di calzature sportive, quali scarponi da sci, da snowboard o simili, di taglie differenti, combinazione fra due o piu serie e relativo procedimento di realizzazione |
JP6558749B2 (ja) * | 2014-08-30 | 2019-08-14 | フッド株式会社 | インナーブーツ |
-
1993
- 1993-04-01 JP JP5075887A patent/JP2734932B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06284901A (ja) | 1994-10-11 |
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