JP2733798B2 - 極薄金属帯の形状矯正方法 - Google Patents
極薄金属帯の形状矯正方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷間圧延されたり焼鈍されたりして長手方
向の長さが幅方向に不均一に分布している板厚が0.3mm
以下の極薄金属帯を連続的に長手方向に伸ばして形状矯
正を行う極薄金属帯の形状矯正方法に関するものであ
る。
向の長さが幅方向に不均一に分布している板厚が0.3mm
以下の極薄金属帯を連続的に長手方向に伸ばして形状矯
正を行う極薄金属帯の形状矯正方法に関するものであ
る。
一般に金属帯には冷間圧延されたり焼鈍されたりした
ことにより金属帯の幅方向中央部が両端部より部分的に
長い“中延び",金属帯の幅方向のほぼ1/4の個所が両端
部より部分的に長い“クオーター延び",金属帯の両端部
が幅方向中央部より部分的に長い“耳延び”などのよう
に長手方向の長さが部分的に幅方向に不均一に分布して
いる現象が発生している場合が非常に多い。
ことにより金属帯の幅方向中央部が両端部より部分的に
長い“中延び",金属帯の幅方向のほぼ1/4の個所が両端
部より部分的に長い“クオーター延び",金属帯の両端部
が幅方向中央部より部分的に長い“耳延び”などのよう
に長手方向の長さが部分的に幅方向に不均一に分布して
いる現象が発生している場合が非常に多い。
このような金属帯の長手方向の長さが幅方向に不均一
に分布している形状不良を矯正する手段として、従来は
テンシヨンレベラーが使用されていた。このテンシヨン
レベラーは、金属帯に張力を付与しながら長手方向と直
角な方向に配置した曲げロールにより曲げて形状矯正を
行う装置であり、テンシヨンレベラーによつて形状矯正
効果を有効に発揮させるためには曲げロールの直径を可
及的に小さくして金属帯に付与する曲げ歪を大きくする
こととこの曲げロールへの金属帯の巻付け角度を大きく
することが必要になる。
に分布している形状不良を矯正する手段として、従来は
テンシヨンレベラーが使用されていた。このテンシヨン
レベラーは、金属帯に張力を付与しながら長手方向と直
角な方向に配置した曲げロールにより曲げて形状矯正を
行う装置であり、テンシヨンレベラーによつて形状矯正
効果を有効に発揮させるためには曲げロールの直径を可
及的に小さくして金属帯に付与する曲げ歪を大きくする
こととこの曲げロールへの金属帯の巻付け角度を大きく
することが必要になる。
しかるに近年、ステンレス鋼等のように板厚が0.3mm
以下の極薄金属帯の用途が急速に拡大してきており、こ
のような極薄金属帯の形状矯正を行おうとすると、極薄
金属帯の板厚が非常に薄いために必然的に曲げロールの
直径も非常に小さなものを使用せざる得ない。しかしな
がらこのように曲げロールの直径を小さくすると、曲げ
ロールがたわみ易くなるので第7図に示す如く曲げロー
ルのたわみを防止するために曲げロールをバツクアツプ
ロールにより支持しておくことが必要になるが、曲げロ
ールの直径を小さくし且つ曲げロールへの極薄金属帯の
巻付け角度を大きくするという要求に答えようとすると
バツクアツプロールの直径を大きくすることが出来ない
ために順次直径を大きくした多数のバツクアツプロール
が必要となつて装置の構造が複雑になりその結果設備費
が高価となる欠点があつた。
以下の極薄金属帯の用途が急速に拡大してきており、こ
のような極薄金属帯の形状矯正を行おうとすると、極薄
金属帯の板厚が非常に薄いために必然的に曲げロールの
直径も非常に小さなものを使用せざる得ない。しかしな
がらこのように曲げロールの直径を小さくすると、曲げ
ロールがたわみ易くなるので第7図に示す如く曲げロー
ルのたわみを防止するために曲げロールをバツクアツプ
ロールにより支持しておくことが必要になるが、曲げロ
ールの直径を小さくし且つ曲げロールへの極薄金属帯の
巻付け角度を大きくするという要求に答えようとすると
バツクアツプロールの直径を大きくすることが出来ない
ために順次直径を大きくした多数のバツクアツプロール
が必要となつて装置の構造が複雑になりその結果設備費
が高価となる欠点があつた。
本発明は、このような板厚が0.3mm以下の極薄金属帯
の形状矯正を行う場合の致命的な欠点を解消して、安価
且つ容易にしかも良好に効率良く極薄金属帯の形状矯正
を行う方法を提供することを課題とする。
の形状矯正を行う場合の致命的な欠点を解消して、安価
且つ容易にしかも良好に効率良く極薄金属帯の形状矯正
を行う方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、先に特願昭62−201787号として『それ
ぞれの軸が互いに平行で且つ双方の間にギヤツプを設け
た同方向に回転する入側及び出側の円筒形ロールと、こ
の2本の円筒形ロールに近接して該円筒形ロールの軸と
平行に配置され前記ギヤツプから曲げられる金属帯の板
厚の2倍を引いた長さより大きい直径を有するフローテ
イングロールとを備えたロール群に、金属板を先ず入側
の円筒形ロールに沿わせてから該ギヤツプを通した後に
フローテイングロールに沿わせて曲げてから再び該ギヤ
ツプを通るように通板させることを特徴とする金属板の
曲げ加工方法』を提案した。
ぞれの軸が互いに平行で且つ双方の間にギヤツプを設け
た同方向に回転する入側及び出側の円筒形ロールと、こ
の2本の円筒形ロールに近接して該円筒形ロールの軸と
平行に配置され前記ギヤツプから曲げられる金属帯の板
厚の2倍を引いた長さより大きい直径を有するフローテ
イングロールとを備えたロール群に、金属板を先ず入側
の円筒形ロールに沿わせてから該ギヤツプを通した後に
フローテイングロールに沿わせて曲げてから再び該ギヤ
ツプを通るように通板させることを特徴とする金属板の
曲げ加工方法』を提案した。
この方法は本出願人が先に提案した特願昭61−243855
号「極薄金属管の製造方法」を実施するために金属帯に
塑性曲げ加工を施す方法として有効な方法であつて、こ
の方法により塑性曲げ加工を行つた極薄金属帯を長手方
向の曲率を零とすると幅方向の残留曲率によつてその極
薄金属帯は幅方向に曲がつて管状になる現象が生じるた
めに成形ロールを殆ど使用することなく極薄金属帯を製
造出来るのである。
号「極薄金属管の製造方法」を実施するために金属帯に
塑性曲げ加工を施す方法として有効な方法であつて、こ
の方法により塑性曲げ加工を行つた極薄金属帯を長手方
向の曲率を零とすると幅方向の残留曲率によつてその極
薄金属帯は幅方向に曲がつて管状になる現象が生じるた
めに成形ロールを殆ど使用することなく極薄金属帯を製
造出来るのである。
本発明者らはこの金属帯の曲げ加工方法を利用して板
厚が0.3mm以下の極薄金属帯に長手方向に張力を付与し
ながら極薄金属帯の長手方向の長さが幅方向に不均一に
分布している形状不良を矯正すべく鋭意研究の結果、極
薄金属帯に付与する張力の大きさと、極薄金属帯の板厚
とフローテイングロールの半径との比とを適切な範囲に
選定し、極薄金属帯の表裏両面共がフローテイングロー
ルに当接して曲げられるようにして極薄金属帯に付与す
る永久歪みの大きさを所定値以上とした後に曲げ戻しを
行えば良いことを究明して本発明を完成したのである。
厚が0.3mm以下の極薄金属帯に長手方向に張力を付与し
ながら極薄金属帯の長手方向の長さが幅方向に不均一に
分布している形状不良を矯正すべく鋭意研究の結果、極
薄金属帯に付与する張力の大きさと、極薄金属帯の板厚
とフローテイングロールの半径との比とを適切な範囲に
選定し、極薄金属帯の表裏両面共がフローテイングロー
ルに当接して曲げられるようにして極薄金属帯に付与す
る永久歪みの大きさを所定値以上とした後に曲げ戻しを
行えば良いことを究明して本発明を完成したのである。
以下、図面に基づいて本発明に係る極薄金属帯の形状
矯正方法について詳細に説明する。
矯正方法について詳細に説明する。
第1図は本発明に係る極薄金属帯の形状矯正方法を実
施している状態を示す説明図、第2図は第1図に示した
装置で板厚が0.05mmで耐力が125kgf/mm2のSUS304鋼板に
種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイング
ロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第
3図は1図に示した装置で板厚が0.3mmで耐力が125kgf/
mm2のSUS304鋼板に種々の張力を付与しながら種々の半
径のフローテイングロールに沿わせて曲げた場合の永久
歪の値を示す図、第4図は第1図に示した装置で板厚が
0.05mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に種々の張力を付
与しながら種々の半径のフローテイングロールに沿わせ
て曲げた場合の永久歪の値を示す図、第5図は第1図に
示した装置で板厚が0.3mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板
に種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイン
グロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、
第6図は第1図に示した装置で板厚が0.05mmで耐力が12
5kgf/mm2のSUS304鋼板と板厚が0.05mmで降伏点が24kgf/
mm2の軟鋼板とにそれぞれ耐力,降伏点の0.4倍の張力を
付与したしながら種々の半径のフローテイングロールに
沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図である。
施している状態を示す説明図、第2図は第1図に示した
装置で板厚が0.05mmで耐力が125kgf/mm2のSUS304鋼板に
種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイング
ロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第
3図は1図に示した装置で板厚が0.3mmで耐力が125kgf/
mm2のSUS304鋼板に種々の張力を付与しながら種々の半
径のフローテイングロールに沿わせて曲げた場合の永久
歪の値を示す図、第4図は第1図に示した装置で板厚が
0.05mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に種々の張力を付
与しながら種々の半径のフローテイングロールに沿わせ
て曲げた場合の永久歪の値を示す図、第5図は第1図に
示した装置で板厚が0.3mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板
に種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイン
グロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、
第6図は第1図に示した装置で板厚が0.05mmで耐力が12
5kgf/mm2のSUS304鋼板と板厚が0.05mmで降伏点が24kgf/
mm2の軟鋼板とにそれぞれ耐力,降伏点の0.4倍の張力を
付与したしながら種々の半径のフローテイングロールに
沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図である。
図面中、1はアンコイラー、2はアンコイラー1より
引き出された板厚tが0.3mm以下の極薄金属帯Sに張力
を付与するための入側ブライドルロール、3及び4はそ
れぞれの軸が互いに平行で且つ双方の間にギヤツプGを
設けて同方向に回転するように両端を支持された入側及
び出側の円筒形ロールであり、この入側と出側の円筒形
ロール3と4とはその直径が等しくてもまた等しくなく
ても良くまた駆動源により駆動されるロールであつても
駆動源に連結されていないアイドルロールであつても良
い。5はこの2本の円筒形ロール3,4に近接してすなわ
ちギヤツプGに近接して配置されており、円筒形ロール
3,4の軸と平行に前記ギヤツプGから曲げ加工を施され
る極薄金属帯Sの板厚tの2倍(2t)を引いた長さより
大きい直径2rを有し且つr/tが200以下となるフローテイ
ングロールである。これらのロール3,4及び5から成る
ロール群が曲げ加工部を構成し、入側ブライドルロール
2を経た極薄金属帯Sは、先ず入側の円筒形ロール3に
沿つて2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通つた
後にフローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギ
ヤツプGを通るように通帯されて曲げ加工を施されるの
であるが、本発明方法においてはこのような曲げ加工部
を少なくとも2組以上設置し、極薄金属帯Sの表裏両面
共にフローテイングロール5に当接して曲げられるよう
にして極薄金属帯Sに付与される永久歪が増大するよう
にするのである。6は最終の曲げ加工部を出た極薄金属
帯Sの進行方向を変向するデフレクターロール,7はデフ
レクターロール6を出た極薄金属帯Sの反りを修正する
ための反り修正装置であり、この反り修正装置7は設け
られていなくても良い。8は出側ブライドルロールであ
り、極薄金属帯Sはこの出側ブライドルロール8と入側
ブライドルロール2とにより極薄金属帯Sの降伏点又は
耐力の0.15倍以上の張力が付与されるのである。なお、
9は出側ブライドルロール8を出た極薄金属帯Sを巻き
取るコイラーである。
引き出された板厚tが0.3mm以下の極薄金属帯Sに張力
を付与するための入側ブライドルロール、3及び4はそ
れぞれの軸が互いに平行で且つ双方の間にギヤツプGを
設けて同方向に回転するように両端を支持された入側及
び出側の円筒形ロールであり、この入側と出側の円筒形
ロール3と4とはその直径が等しくてもまた等しくなく
ても良くまた駆動源により駆動されるロールであつても
駆動源に連結されていないアイドルロールであつても良
い。5はこの2本の円筒形ロール3,4に近接してすなわ
ちギヤツプGに近接して配置されており、円筒形ロール
3,4の軸と平行に前記ギヤツプGから曲げ加工を施され
る極薄金属帯Sの板厚tの2倍(2t)を引いた長さより
大きい直径2rを有し且つr/tが200以下となるフローテイ
ングロールである。これらのロール3,4及び5から成る
ロール群が曲げ加工部を構成し、入側ブライドルロール
2を経た極薄金属帯Sは、先ず入側の円筒形ロール3に
沿つて2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通つた
後にフローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギ
ヤツプGを通るように通帯されて曲げ加工を施されるの
であるが、本発明方法においてはこのような曲げ加工部
を少なくとも2組以上設置し、極薄金属帯Sの表裏両面
共にフローテイングロール5に当接して曲げられるよう
にして極薄金属帯Sに付与される永久歪が増大するよう
にするのである。6は最終の曲げ加工部を出た極薄金属
帯Sの進行方向を変向するデフレクターロール,7はデフ
レクターロール6を出た極薄金属帯Sの反りを修正する
ための反り修正装置であり、この反り修正装置7は設け
られていなくても良い。8は出側ブライドルロールであ
り、極薄金属帯Sはこの出側ブライドルロール8と入側
ブライドルロール2とにより極薄金属帯Sの降伏点又は
耐力の0.15倍以上の張力が付与されるのである。なお、
9は出側ブライドルロール8を出た極薄金属帯Sを巻き
取るコイラーである。
上述したような装置により極薄金属帯Sを通板する
と、アンコイラー1より引き出された極薄金属帯Sは入
側ブライドルロール2と出側ブライドルロール8とによ
り所定の張力が付与された状態で、先ず第1の曲げ加工
部に至つてこの曲げ加工部で入側の円筒形ロール3に沿
つて2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通つた後
にフローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギヤ
ツプGを通るように通板され、次に第2の曲げ加工部に
至つてこの曲げ加工部で入側の円筒形ロール3に沿つて
2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通った後にフ
ローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギヤツプ
Gを通るように通板されて、少なくとも極薄金属帯Sの
表裏両面共にフローテイングロール5に当接して曲げら
れるように曲げ加工を施され、しかる後に最終の曲げ加
工部を出た後にデフレクターロール6で進行方向を変向
されてから反り修正装置7で反りを修正され、出側ブラ
イドルロール8を経てコイラー9に巻き取られるのであ
る。
と、アンコイラー1より引き出された極薄金属帯Sは入
側ブライドルロール2と出側ブライドルロール8とによ
り所定の張力が付与された状態で、先ず第1の曲げ加工
部に至つてこの曲げ加工部で入側の円筒形ロール3に沿
つて2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通つた後
にフローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギヤ
ツプGを通るように通板され、次に第2の曲げ加工部に
至つてこの曲げ加工部で入側の円筒形ロール3に沿つて
2本の円筒形ロール3,4間のギヤツプGを通った後にフ
ローテイングロール5に沿つて曲げられて再びギヤツプ
Gを通るように通板されて、少なくとも極薄金属帯Sの
表裏両面共にフローテイングロール5に当接して曲げら
れるように曲げ加工を施され、しかる後に最終の曲げ加
工部を出た後にデフレクターロール6で進行方向を変向
されてから反り修正装置7で反りを修正され、出側ブラ
イドルロール8を経てコイラー9に巻き取られるのであ
る。
このように通板されるに際して、各曲げ加工部におい
てフローテイングロール5には極薄金属帯Sを介してギ
ヤツプG内に噛み込まれる方向の力(第1図においては
垂直分力)が作用し、出側の円筒形ロール4と極薄金属
帯Sとの間及びフローテイングロール5と極薄金属帯S
との間の各摩擦力によつて極薄金属帯Sは出側の円筒形
ロール4の周速とほぼ等しい速度で連続的に引き込まれ
てフローテイングロール5の半径で曲げ加工を受けるの
である。
てフローテイングロール5には極薄金属帯Sを介してギ
ヤツプG内に噛み込まれる方向の力(第1図においては
垂直分力)が作用し、出側の円筒形ロール4と極薄金属
帯Sとの間及びフローテイングロール5と極薄金属帯S
との間の各摩擦力によつて極薄金属帯Sは出側の円筒形
ロール4の周速とほぼ等しい速度で連続的に引き込まれ
てフローテイングロール5の半径で曲げ加工を受けるの
である。
このように少なくとも極薄金属帯Sの表裏両面共にフ
ローテイングロール5に当接して曲げられるように曲げ
加工部を通板されると、極薄金属帯Sは付与されている
張力と連続して長手方向に非常に小さなフローテイング
ロール5の半径に施される曲げ加工とによつて、極薄金
属帯Sの厚さ方向全体に長手方向に付与される永久歪が
増大して幅方向に不均一に分布している長手方向の長さ
が全体的に均一になるのであるが、第2〜5図に示すよ
うに極薄金属帯Sに付与される張力が小さいと極薄金属
帯Sに生じる永久歪がの大きさが小さくて充分な形状矯
正作用が発揮されないのであり、本発明者らの種々の実
験から極薄金属帯Sに与えられる永久歪が0.1%以上で
なければ良好に形状矯正されることを究明したので、フ
ローテイングロール5として採用し得る半径rを考慮し
て、極薄金属帯Sに付与する張力の大きさは極薄金属帯
Sの降伏点又は耐力の0.15倍以上に規定した。そして第
6図に示すように曲げ加工部におけフローテイングロー
ル5の半径rと極薄金属帯Sの板厚tとの関係は、その
条件が最も緩い軟鋼板の場合でもr/tが200以下でなけれ
ばならないことも究明したのである。
ローテイングロール5に当接して曲げられるように曲げ
加工部を通板されると、極薄金属帯Sは付与されている
張力と連続して長手方向に非常に小さなフローテイング
ロール5の半径に施される曲げ加工とによつて、極薄金
属帯Sの厚さ方向全体に長手方向に付与される永久歪が
増大して幅方向に不均一に分布している長手方向の長さ
が全体的に均一になるのであるが、第2〜5図に示すよ
うに極薄金属帯Sに付与される張力が小さいと極薄金属
帯Sに生じる永久歪がの大きさが小さくて充分な形状矯
正作用が発揮されないのであり、本発明者らの種々の実
験から極薄金属帯Sに与えられる永久歪が0.1%以上で
なければ良好に形状矯正されることを究明したので、フ
ローテイングロール5として採用し得る半径rを考慮し
て、極薄金属帯Sに付与する張力の大きさは極薄金属帯
Sの降伏点又は耐力の0.15倍以上に規定した。そして第
6図に示すように曲げ加工部におけフローテイングロー
ル5の半径rと極薄金属帯Sの板厚tとの関係は、その
条件が最も緩い軟鋼板の場合でもr/tが200以下でなけれ
ばならないことも究明したのである。
かくして張力を付与された状態で表裏両面共にフロー
テイングロール5に当接して曲げられるように曲げ加工
を施された極薄金属帯Sは曲げ戻されてコイラー9に巻
き取られるのである。
テイングロール5に当接して曲げられるように曲げ加工
を施された極薄金属帯Sは曲げ戻されてコイラー9に巻
き取られるのである。
実施例1,2 第1図に示した配置において、板厚が0.05mm,板幅600
mm,耐力125kgf/mm2の極薄冷間圧延ステンレス鋼帯(SUS
304)Sに耐力の0.4倍の引張応力(50kgf/mm2)を付与
しながら、入側の円筒形ロール3の半径及び出側の円筒
形ロール4の半径がそれぞれ150mm,フローテイングロー
ル5の半径が3mm(r/t=60)と1.5mm(r/t=30)の2
種,ギヤツプGが2mmのロール群から成る2組の曲げ加
工部により表裏両面共にフローテイングロール5に当接
して曲げられるように曲げ加工を施した処、フローテイ
ングロール5の半径が3mmの場合には0.18%の長手方向
の永久歪が、フローテイングロール5の半径が1.5mmの
場合には0.75%の長手方向の永久歪がそれぞれ得られ、
これにより長手方向の長さが幅方向に不均一に分布して
いる形状不良を矯正することが出来ることが究明出来
た。
mm,耐力125kgf/mm2の極薄冷間圧延ステンレス鋼帯(SUS
304)Sに耐力の0.4倍の引張応力(50kgf/mm2)を付与
しながら、入側の円筒形ロール3の半径及び出側の円筒
形ロール4の半径がそれぞれ150mm,フローテイングロー
ル5の半径が3mm(r/t=60)と1.5mm(r/t=30)の2
種,ギヤツプGが2mmのロール群から成る2組の曲げ加
工部により表裏両面共にフローテイングロール5に当接
して曲げられるように曲げ加工を施した処、フローテイ
ングロール5の半径が3mmの場合には0.18%の長手方向
の永久歪が、フローテイングロール5の半径が1.5mmの
場合には0.75%の長手方向の永久歪がそれぞれ得られ、
これにより長手方向の長さが幅方向に不均一に分布して
いる形状不良を矯正することが出来ることが究明出来
た。
実施例3 第1図に示した配置において、板厚が0.05mm,板幅600
mm,降伏点24kgf/mm2の軟鋼帯Sに降伏点の0.2倍の引張
応力(4.8kgf/mm2)を付与しながら、入側の円筒形ロー
ル3の半径及び出側の円筒形ロール4の半径がそれぞれ
150mm,フローテイングロール5の半径が3mm(r/t=6
0),ギヤツプGが2mmのロール群から成る2組の曲げ加
工部により表裏両面共にフローテイングロール5に当接
して曲げられるように曲げ加工を施した処、0.30%の長
手方向の永久歪がそれぞれ得られ、これにより長手方向
の長さが幅方向に不均一に分布している形状不良を矯正
することが出来ることが究明出来た。
mm,降伏点24kgf/mm2の軟鋼帯Sに降伏点の0.2倍の引張
応力(4.8kgf/mm2)を付与しながら、入側の円筒形ロー
ル3の半径及び出側の円筒形ロール4の半径がそれぞれ
150mm,フローテイングロール5の半径が3mm(r/t=6
0),ギヤツプGが2mmのロール群から成る2組の曲げ加
工部により表裏両面共にフローテイングロール5に当接
して曲げられるように曲げ加工を施した処、0.30%の長
手方向の永久歪がそれぞれ得られ、これにより長手方向
の長さが幅方向に不均一に分布している形状不良を矯正
することが出来ることが究明出来た。
比較例 第1図に示した配置において、板厚が0.05mm,板幅600
mm,耐力125kgf/mm2の極薄冷間圧延ステンレス鋼帯(SUS
304)Sに耐力の0.4倍の引張応力(50kgf/mm2)を付与
しながら、入側の円筒形ロール3の半径及び出側の円筒
形ロール4の半径がそれぞれ150mm,フローテイングロー
ル5の半径が5mm(r/t=100),ギヤツプGが2mmのロー
ル群から成る2組の曲げ加工部により表裏両面共にフロ
ーテイングロール5に当接して曲げられるように曲げ加
工を施した処、0.01%の長手方向の永久歪しか得られ
ず、長手方向の長さが幅方向に不均一に分布している形
状不良を矯正することが出来なかつた。
mm,耐力125kgf/mm2の極薄冷間圧延ステンレス鋼帯(SUS
304)Sに耐力の0.4倍の引張応力(50kgf/mm2)を付与
しながら、入側の円筒形ロール3の半径及び出側の円筒
形ロール4の半径がそれぞれ150mm,フローテイングロー
ル5の半径が5mm(r/t=100),ギヤツプGが2mmのロー
ル群から成る2組の曲げ加工部により表裏両面共にフロ
ーテイングロール5に当接して曲げられるように曲げ加
工を施した処、0.01%の長手方向の永久歪しか得られ
ず、長手方向の長さが幅方向に不均一に分布している形
状不良を矯正することが出来なかつた。
以上詳述した本発明に係る極薄金属帯の形状矯正方法
は、板厚tが0.3mm以下の極薄金属帯にその極薄金属帯
の降伏点又は耐力の0.15倍以上の張力を付与した状態
で、その半径rが1mm程度までの非常に小さい半径でr/t
が200以下となるフローテイングロールを用いて少なく
とも極薄金属帯の表裏両面共にフローテイングロールに
当接して曲げられるように曲げ加工を連続的に施して極
薄金属帯に0.1%以上の永久歪を与えることによつて極
薄金属帯の形状を矯正することが可能で、フローテイン
グロールは入側の円筒形ロールと出側の円筒形ロールと
極薄金属帯とによつて支持されるためほとんどたわみを
生ぜず、しかも曲げ半径の変更はその端部を支持されて
いないフローテイングロールの交換と入側の円筒形ロー
ルと出側の円筒形ロールとの間のギヤツプを調整だけで
済むので複雑で高価な設備を必要とせず、また曲げ加工
部のロール群に一切の潤滑を必要としないので材料の潤
滑油等による汚染に対する配慮も不要でしかも曲げ加工
部のロール群と曲げ加工を施される極薄金属帯との間に
スリツプもほとんど生じないから材料の表面にスレ疵が
発生しないのであり、種々の用途に利用される極薄金属
帯の形状矯正を安価且つ容易に実施出来るのであり、そ
の工業的価値は非常に大きなものである。
は、板厚tが0.3mm以下の極薄金属帯にその極薄金属帯
の降伏点又は耐力の0.15倍以上の張力を付与した状態
で、その半径rが1mm程度までの非常に小さい半径でr/t
が200以下となるフローテイングロールを用いて少なく
とも極薄金属帯の表裏両面共にフローテイングロールに
当接して曲げられるように曲げ加工を連続的に施して極
薄金属帯に0.1%以上の永久歪を与えることによつて極
薄金属帯の形状を矯正することが可能で、フローテイン
グロールは入側の円筒形ロールと出側の円筒形ロールと
極薄金属帯とによつて支持されるためほとんどたわみを
生ぜず、しかも曲げ半径の変更はその端部を支持されて
いないフローテイングロールの交換と入側の円筒形ロー
ルと出側の円筒形ロールとの間のギヤツプを調整だけで
済むので複雑で高価な設備を必要とせず、また曲げ加工
部のロール群に一切の潤滑を必要としないので材料の潤
滑油等による汚染に対する配慮も不要でしかも曲げ加工
部のロール群と曲げ加工を施される極薄金属帯との間に
スリツプもほとんど生じないから材料の表面にスレ疵が
発生しないのであり、種々の用途に利用される極薄金属
帯の形状矯正を安価且つ容易に実施出来るのであり、そ
の工業的価値は非常に大きなものである。
第1図は本発明に係る極薄金属帯の形状矯正方法を実施
している状態を示す説明図、第2図は第1図に示した装
置で板厚が0.05mmで耐力が125kgf/mm2のSUS304鋼板に種
々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイングロ
ールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第3
図は1図に示した装置で板厚が0.3mmで耐力が125kgf/mm
2のSUS304鋼板に種々の張力を付与しながら種々の半径
のフローテイングロールに沿わせて曲げた場合の永久歪
の値を示す図、第4図は第1図に示した装置で板厚が0.
05mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に種々の張力を付与
しながら種々の半径のフローテイングロールに沿わせて
曲げた場合の永久歪の値を示す図、第5図は第1図に示
した装置で板厚が0.3mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に
種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイング
ロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第
6図は第1図に示した装置で板厚が0.05mmで耐力が125k
gf/mm2のSUS304鋼板と板厚が0.05mmで降伏点が24kgf/mm
2の軟鋼板とにそれぞれ耐力,降伏点の0.4倍の張力を付
与したしながら種々の半径のフローテイングロールに沿
わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第7図は従来
のテンシヨンレベラーの構造を示す説明図である。 図面中 1……アンコイラー 2……入側のブライドルロール 3……入側の円筒形ロール 4……出側の円筒形ロール 5……フローテイングロール 6……デフレクターロール 7……反り修正装置 8……出側のブライドルロール 9……コイラー G……ギヤツプ S……極薄金属帯
している状態を示す説明図、第2図は第1図に示した装
置で板厚が0.05mmで耐力が125kgf/mm2のSUS304鋼板に種
々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイングロ
ールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第3
図は1図に示した装置で板厚が0.3mmで耐力が125kgf/mm
2のSUS304鋼板に種々の張力を付与しながら種々の半径
のフローテイングロールに沿わせて曲げた場合の永久歪
の値を示す図、第4図は第1図に示した装置で板厚が0.
05mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に種々の張力を付与
しながら種々の半径のフローテイングロールに沿わせて
曲げた場合の永久歪の値を示す図、第5図は第1図に示
した装置で板厚が0.3mmで降伏点が24kgf/mm2の軟鋼板に
種々の張力を付与しながら種々の半径のフローテイング
ロールに沿わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第
6図は第1図に示した装置で板厚が0.05mmで耐力が125k
gf/mm2のSUS304鋼板と板厚が0.05mmで降伏点が24kgf/mm
2の軟鋼板とにそれぞれ耐力,降伏点の0.4倍の張力を付
与したしながら種々の半径のフローテイングロールに沿
わせて曲げた場合の永久歪の値を示す図、第7図は従来
のテンシヨンレベラーの構造を示す説明図である。 図面中 1……アンコイラー 2……入側のブライドルロール 3……入側の円筒形ロール 4……出側の円筒形ロール 5……フローテイングロール 6……デフレクターロール 7……反り修正装置 8……出側のブライドルロール 9……コイラー G……ギヤツプ S……極薄金属帯
Claims (1)
- 【請求項1】板厚tが0.3mm以下の極薄金属帯(S)に
該極薄金属帯(S)の降伏点又は耐力の0.15倍以上の張
力を付与した状態で、それぞれの軸が互いに平行で且つ
双方の間にギヤツプ(G)を設けた同方向に回転する入
側及び出側の円筒形ロール(3,4)と、この2本の円筒
形ロール(3,4)に近接して該円筒形ロール(3,4)の軸
と平行に配置され前記ギヤツプ(G)から曲げられる極
薄金属帯(S)の板厚tの2倍を引いた長さより大きい
直径2rを有し且つr/tが200以下となるフローテイングロ
ール(5)とを備えたロール群に、該極薄金属帯(S)
を先ず入側の円筒形ロール(3)に沿わせてから該ギヤ
ツプ(G)を通した後にフローテイングロール(5)に
沿わせて曲げてから再び該ギヤツプ(G)を通るように
通帯させる曲げ加工を少なくとも該極薄金属帯(S)の
表裏両面共にフローテイングロール(5)に当接して曲
げられるように行つて該極薄金属帯(S)に0.1%以上
の永久歪を与えた後に、曲げ戻しを行うことを特徴とす
る極薄金属帯の形状矯正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22818490A JP2733798B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 極薄金属帯の形状矯正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22818490A JP2733798B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 極薄金属帯の形状矯正方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04111925A JPH04111925A (ja) | 1992-04-13 |
JP2733798B2 true JP2733798B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=16872529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22818490A Expired - Fee Related JP2733798B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 極薄金属帯の形状矯正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2733798B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5445900B2 (ja) | 2008-10-08 | 2014-03-19 | Ntn株式会社 | トルクリミッタ |
CN112743888A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-05-04 | 四川恒恩新材料科技有限公司 | 一种孔网钢塑管道的制备方法 |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP22818490A patent/JP2733798B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04111925A (ja) | 1992-04-13 |
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