JP2733416B2 - 亜鉛メッキ鋼板の合金化度計測方法 - Google Patents

亜鉛メッキ鋼板の合金化度計測方法

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JP2733416B2
JP2733416B2 JP19863692A JP19863692A JP2733416B2 JP 2733416 B2 JP2733416 B2 JP 2733416B2 JP 19863692 A JP19863692 A JP 19863692A JP 19863692 A JP19863692 A JP 19863692A JP 2733416 B2 JP2733416 B2 JP 2733416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛メッキ鋼板の合金
化度計測方法に関し、例えば合金化炉内において表層部
の合金化が進行中の亜鉛メッキ鋼板の合金化度を計測す
るために利用しうる。
【0002】
【従来の技術】亜鉛メッキ鋼板は、耐食性が高く発錆性
が低いという特徴を有しており、その中でも特に合金化
亜鉛メッキ鋼板は、塗装性に優れしかもプレス加工時に
トラブルの発生が少ないので、自動車や家電製品などの
用途に広く用いられている。
【0003】合金化亜鉛メッキ鋼板を製造する場合、一
般的には、まず鋼板を所定温度(例えば460℃)の溶
融亜鉛浴中に通して表面に亜鉛メッキ層を形成し、続い
てそれを合金化炉に入れて500〜600℃程度に加熱
する。この加熱処理によって、拡散が生じ、メッキ層に
鉄と亜鉛の合金が形成される。
【0004】合金化亜鉛メッキ鋼板を製造する上で重要
なことは、メッキ層の合金化の程度を適正に維持するこ
とである。即ち、合金化不足(生焼けと呼ばれる)の場
合には塗装性が悪化し、合金化が過度に進行すると、プ
レス加工時にパウダリングが生じたり、スポット溶接の
不良が発生し易くなる。一般に、合金化亜鉛メッキ鋼板
の適正な合金化メッキ層は、該層中の鉄分が10%程度
のものと考えられている。
【0005】合金化亜鉛メッキ鋼板の表層部の合金化度
は、合金化炉の温度や鋼板の通板速度(即ち合金化炉内
での滞留時間)の調整によって変えることができる。し
かしながら、それらの条件を一定に制御しても、合金化
度は別の要因によって変化してしまう。即ち、亜鉛浴中
の微量元素濃度や、鋼板素材に含まれる微量化学成分に
応じて、合金化の進行度合いは変化するので、合金化炉
の温度や鋼板の通板速度を一定に維持しても、コイル毎
に鋼板表層部の合金化度は変化してしまう。従って、合
金化亜鉛メッキ鋼板の表層部の合金化度を適正に制御す
るためには、合金化度を計測する必要がある。
【0006】合金化亜鉛メッキ鋼板の表層部の合金化度
を計測する技術としては、従来より、特開昭58−16
061号公報や、特開昭58−210550号公報に開
示されたものが公知である。前者の技術では、可視光線
を鋼板表面に照射し、鋼板からの乱反射光の強度を計測
して合金化度を検出しており、後者の技術では、鋼板に
光を照射し、正反射方向に配置した光検出器で反射光の
強度分布を測定し、光強度分布の半値幅の大きさから合
金化度を検出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛浴中を通り表
面に亜鉛メッキ層が形成された鋼板については、合金化
処理が完了するまではその表面に触れることができない
ので、溶融亜鉛浴から出た鋼板は、長い距離(例えば1
00m)を全く支持されることなく、鉛直方向に搬送さ
れ、その間に合金化炉を通る。このため、合金化処理中
の鋼板に、その搬送方向,幅方向,厚み方向等に対し
て、それぞれ振動あるいはパスライン変動が生じるのは
避けられない。
【0008】振動やパスライン変動が生じている鋼板に
対して、従来技術で合金化度を測定しようとすると、正
確な測定結果が得られない。即ち、乱反射光を検出する
場合には、振動やパスライン変動によって、鋼板に対す
る光の入射角と反射角が変化すると、固定された光検出
器に入射する乱反射光の強度が変化し、検出誤差が生じ
る。また正反射光の分布を検出する場合には、振動やパ
スライン変動によって、鋼板に対する光の入射角と反射
角が変化すると、正反射光の方向が検出器位置を外れる
ので、正反射光の強度分布が検出できず、また鋼板と検
出器との距離変動に伴なって受光レンズの焦点ずれが生
じるので、測定誤差が生じる。
【0009】また合金化炉においては、炉壁から発光が
生じるので、鋼板からの反射光の他に、炉壁から出た光
も光検出器に入射し、それが検出誤差の要因になる。
【0010】従って本発明は、鋼板の振動やパスライン
変動が生じている時でも、正確に合金化度を測定するこ
とを第1の課題とし、炉壁からの発光によって生じる測
定誤差をなくすることを第2の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1〜3番の各発明とも
に、ライン上を搬送されている合金化炉内の亜鉛メッキ
鋼板の合金化度を計測する方法において、亜鉛メッキ鋼
板の表面に光を照射するとともに、該照射光の位置を亜
鉛メッキ鋼板の搬送方向及び幅方向に面状に繰り返し走
査し、前記照射光の正反射方向の、亜鉛メッキ鋼板の表
面からそのパスライン変動に比べて充分に大きな距離を
隔てた位置に配置した受光器により、反射光の強度を実
質上連続的に検出する。
【0012】しかして第1番の発明においては、亜鉛メ
ッキ鋼板の表面に照射する光を一時的に遮断し、その時
に前記受光器で検出された受光強度を背景光レベルと
し、少なくとも1回の面走査の中で検出された反射光強
度分布の中での最大値が現われた位置に応じて、該最大
値に鋼板の角度ずれ量に対応する補正を施し、補正され
た前記最大値と前記背景光レベルとの差分に基づいて合
金化度を求める。
【0013】第2番の発明では、亜鉛メッキ鋼板の表面
に照射する光を一時的に遮断し、その時に前記受光器で
検出された受光強度を背景光レベルとし、1回の面走査
の中で検出された反射光強度分布の最大値と前記背景光
レベルとの差分を、複数回の面走査について平均化し、
その結果に基づいて合金化度を求める。
【0014】また第番の発明では、亜鉛メッキ鋼板の
表面に照射する光を一時的に遮断し、その時に前記受光
器で検出された受光強度に対応する信号レベルを背景光
レベルとし、該背景光レベルに比例する一定の電流を前
記受光器の信号を処理する回路に注入し、該電流を少な
くとも1回の面走査時間保持する。
【0015】
【作用】発明においては、合金化炉内の亜鉛メッキ鋼
板の表面に光を照射し、該鋼板からの正反射光の強度に
基づいて合金化度を求めている。前述のように、ライン
上を搬送されている亜鉛メッキ鋼板は、振動やパスライ
ン変動を生じるので、鋼板に光を照射する光源の位置が
一定であっても、正反射光の向かう方向,及び光源から
受光器までの光路長は変動する。しかし発明では、照
射光の位置を亜鉛メッキ鋼板の搬送方向及び幅方向に面
状に繰り返し走査するので、正反射光の方向が変化して
も1回の面走査の間には、必ず受光器に正反射光が入射
することになり、受光レベルの最大値を正反射光の強度
として確実に検出することができ、それに基づいて正確
な合金化度を求めることができる。しかも、反射光を検
出する位置は、亜鉛メッキ鋼板の表面からそのパスライ
ン変動に比べて充分に大きな距離を隔てた位置であるの
で、パスラインの変動による光源から受光器までの光路
長の変動は、大きな検出誤差を生じない。
【0016】しかして第1番の発明では、更に鋼板の振
動(角度)によって生じる誤差を低減しうる。光が照射
される鋼板面の角度に応じて、正反射光が受光器に入射
する時の、受光器検出面での入射角、ならびに鋼板表面
での入射角及び反射角が変化するので、1回の走査の間
に受光器で検出される最大値の大きさも、鋼板面の角度
の影響を受けて変動する。鋼板面の角度が変化すると、
1回の走査の間の最大受光レベルが現われる位置(タイ
ミング)が変化するので、この発明では最大受光レベル
が検出された位置によって鋼板の角度を検出し、検出し
た角度に応じて生じうる最大受光レベルの誤差を補正し
ている。
【0017】第2番の発明では、亜鉛メッキ鋼板表面に
合金化むら等がある場合でも、異常な合金化度が検出さ
れるのを防止しうる。即ち、亜鉛メッキ鋼板表面には、
局部的に、合金化むらが生じたり、粒子状の亜鉛が付着
した部分が生じる場合があるので、その部分からの反射
光レベルを含む1回の面走査のみの反射光強度分布の最
大値を使用すると、異常な合金化度が一時的に検出され
る。しかしこの発明では、複数回の面走査で得られた検
出値を平均化し、その結果に基づいて合金化度を求める
ので、実際に鋼板の合金化度が異常でない限り、異常な
合金化度が検出されることはない。
【0018】また第番の発明では、背景光レベルの変
化によって、信号処理回路のレベルが飽和するのを防止
しうる。受光器には、鋼板からの反射光と炉壁の発光な
どによる背景光が入射するが、背景光のレベルは炉温変
化等に応じて大きく変化する。背景光レベルが変化する
と、受光器の出力レベルが変動するので、受光器の信号
を処理する回路で入力レベルの飽和等が生じ、最大値が
正確に検出できない場合が生じる。しかしこの発明で
は、亜鉛メッキ鋼板の表面に照射する光を遮断した時に
受光器で検出された受光強度に対応する信号レベルを、
背景光レベルとし、背景光レベルに比例する一定の電流
を、受光器の信号を処理する回路に注入し、該電流を少
なくとも1回の面走査時間保持するので、注入する電流
によって背景光レベルを打ち消し、反射光を受光しない
時の信号処理回路の入力レベルを実質上零にすることが
でき、それによって信号レベルの飽和が防止される。
【0019】
【実施例】発明を実施する製造ラインの一部分を図3
に示す。図3を参照すると、この工程に入る鋼板は、ま
ず亜鉛ポット内の460℃の溶融亜鉛浴に浸漬され、そ
の表面に亜鉛メッキが付着する。亜鉛メッキ層が形成さ
れた鋼板は、亜鉛ポットから鉛直方向に搬送され、保熱
炉に向かう。500〜600℃の温度に制御された保熱
炉の内部を通る時に、拡散によって、鋼板表面に亜鉛と
鉄の合金が形成される。温度が高ければ高いほど、また
鋼板の炉内滞留時間が長ければ長いほど、合金化が進行
する。
【0020】鋼板の合金化度を測定するために、保熱炉
の壁面には3個の合金化センサが互いに異なる位置に設
置されている。3個の合金化センサが出力する電気信号
は、演算盤に入力される。各々の合金化センサは、ステ
ンレス製の円柱形状の容器に収めてあり、その全周囲が
水冷されている。容器の形状を円柱状にしたのは、水圧
が周囲に均等にかかるように配慮したものである。合金
化センサの検出面は、石英ガラスを介して、壁面の開口
部と対向している。炉内から飛散してくる亜鉛ヒュ−ム
が石英ガラスに付着すると、測定に悪影響を及ぼすの
で、石英ガラスの周囲から炉内に向かって窒素ガスを噴
射(窒素パ−ジ)している。水冷のための水及び窒素パ
−ジのためのガスは、各合金化センサの近傍に配置した
バルブスタンドを介して供給される。
【0021】保熱炉及び1つの合金化センサの横断面を
図1に拡大して示す。図1を参照して説明する。保熱炉
の壁1には測定のために開口1aが形成されている。こ
の開口1aと対向して、合金化センサが設置されてい
る。合金化センサのケ−シング2は、ヒンジ4によって
壁1に取付けてある。ケ−シング2は、前述のように円
柱形状になっており、検出面の開口部には、石英ガラス
3が装着されている。
【0022】ケ−シング2の内部には、レ−ザ光源5,
縦走査ミラ−6,横走査ミラ−7,受光ユニット8及び
処理ユニット10が設置されている。図示しないが、縦
走査ミラ−6及び横走査ミラ−7にはそれぞれ走査機構
が備わっており、前者はミラ−の中央部を中心として上
下方向(鋼板の長さ方向)に反射方向が変わるように揺
動し、後者はミラ−の中央部を中心として左右(鋼板の
幅方向)に反射方向が変わるように揺動する。縦走査ミ
ラ−6は揺動周波数が350Hz、揺動角度が±7.5
度であり、横走査ミラ−7は揺動周波数が20Hz、揺
動角度が±10度になっている。
【0023】レ−ザ光源5は、半導体レ−ザ発振器であ
り、出力レベルを一定に維持する自動調整機構を内蔵し
ている。レ−ザ光源5から出たレ−ザ光は、まず縦走査
ミラ−6に向かい、縦走査ミラ−6及び横走査ミラ−7
の各面で反射して鋼板の表面に照射される。縦走査ミラ
−6及び横走査ミラ−7は常時揺動しているので、鋼板
の表面に照射されるレ−ザ光の位置は、鋼板の表面上を
縦方向及び横方向に所定範囲で繰り返し走査され、面走
査される。鋼板表面に入射したレ−ザ光の正反射光は、
鋼板表面に対する入射角と一致する反射角の方向に現わ
れ、その強度は鋼板表面の光反射率によって定まる。鋼
板表面の光反射率は、後述するように合金化度によって
変化するので、正反射光の強度に基づいて、合金化度を
測定することができる。
【0024】この正反射光が届く位置に、受光ユニット
8が配置されている。受光ユニットの受光面には、凸レ
ンズが装着されており、入射した光を収束させて、面形
受光素子であるフォトダイオ−ド9の面に導く。鋼板
は、炉の近傍で全く支持されていないので、様々な方向
に対して振動やパスラインの変動が生じる。振動によっ
て鋼板表面の角度が変化すると、レ−ザ光の入射角及び
反射角が変化し、正反射光の届く位置が変化することに
なるが、この実施例ではレ−ザ光を振動周波数(数H
z)に比べて高い周波数で面走査しているので、1回の
面走査をする間には、短時間ではあるが確実に正反射光
が受光ユニット8に入射する。また、パスラインの変
動、即ち鋼板に生じうる位置ずれは±50mm程度であ
るが、ミラ−7と鋼板との距離、及び鋼板と受光ユニッ
ト8との距離をそれに比べて充分に大きく(800m
m)してあるので、パスラインの変動による光源から受
光器までの光路長の変化は小さく、それに伴なう受光ユ
ニット8での入射光の強度変動は小さい。
【0025】合金化センサと炉の壁面との間には、開口
部1aを閉塞しうるシャッタ板11が配置されており、
該シャッタ板11の合金化センサ側の面には、光反射率
が一定の校正板12が装着されている。測定時にはシャ
ッタ板11は図1のように開かれているが、これを動か
して開口部1aを閉塞することにより、ミラ−7から出
たレ−ザ光が校正板12の表面で、所定の反射率で反射
して受光ユニット8に入射するので、この時の受光レベ
ルに基づいて、合金化センサの特性を校正することがで
きる。
【0026】1つの合金化センサの電気回路構成を、図
2に示す。図2を参照すると、図1には示されていない
角度センサ21,22及びフォトダイオ−ド23が備わ
っている。角度センサ21及び22は、それぞれ、縦走
査ミラ−6及び横走査ミラ−7の角度(揺動位置)を検
出する。フォトダイオ−ド23は、レ−ザ光源5から出
るレ−ザ光の出力をモニタするために利用される。
【0027】フォトダイオ−ド9は、受光強度に比例し
た電流信号を出力する。この信号は、プリアンプ31に
よって増幅され、その出力レベルがA/D変換器32に
よってデジタル量に変換される。制御ユニット35は、
図示しないミラ−揺動機構を付勢するミラ−ドライバ
や、走査角度信号に基づいて様々なタイミング信号を生
成する回路を含んでいる。レ−ザドライバ37は、制御
ユニット35が出力するオン/オフ信号に従って、レ−
ザ発振器5の付勢/消勢を制御する。
【0028】A/D変換器32から出力される受光レベ
ルの情報は、ピ−ク値検出回路33と背景値検出回路3
6に入力され、ピ−ク値検出回路33が出力するピ−ク
値は角度補正演算回路34に入力される。そして、角度
補正演算回路34の出力レベルから背景値検出回路36
の出力レベルを減算した値が、移動平均演算回路40に
入力される。移動平均演算回路40が出力する値は、D
/A変換器41によってアナログ電圧信号に変換され、
更にV/I変換器42によって電流信号に変換され、測
定結果として出力される。
【0029】図4は、受光ユニット8で検出される受光
レベルの、面走査の2回分の変化を、3種類のそれぞれ
について示している。最上部に示すのは、鋼板が標準的
な状態(角度)にある時のものであり、中央に示すの
は、鋼板の縦方向の振動によって鋼板の角度が標準状態
に比べて縦方向にずれた時のものであり、下に示すの
は、鋼板の横方向の振動によって鋼板の角度が標準状態
に比べて横方向にずれた時のものである。
【0030】図4を参照すると、受光レベルは縦走査及
び横走査に伴なって振動的に変化しているが、1回の面
走査の中での最大値が現われる時が、正反射光が受光ユ
ニット8に入射した時であると考えられる。この面走査
毎の最大値の大きさが、図2のピ−ク値検出回路33に
よって検出され、角度補正演算回路に出力される。
【0031】但し、ピ−ク値検出回路33で検出される
最大値は、正反射光の他に、炉壁の発光によって生じた
外来光の成分も含んでいる。そこでこの実施例では、背
景値検出回路36によって、外来光レベルを検出してい
る。即ち、各面走査と面走査との間に、約1msec のレ
−ザ休止期間を設け、その時にレ−ザ発振器5を消勢
し、これに同期して、A/D変換器32が出力する受光
レベル、即ち外来光レベルを背景値検出回路36が保持
するように制御している。この外来光レベルを検出され
た最大値から減算することによって、外来光の影響を除
外した受光レベル、即ち鋼板の光反射率に応じた信号レ
ベルが得られる。
【0032】実際には、鋼板の振動によって鋼板の角度
が変化すると、図5に示すように受光レベルが変動し、
標準状態の鋼板角度からのずれが大きくなるに従って、
受光レベルは低下する。このような角度の影響を除外す
るために、図2の角度補正演算回路34では、補正処理
を実施している。角度のずれ量と受光レベルの低下量と
の関係は、図5から分かるようにほぼ一定である。そこ
で、この実施例では、各々の角度ずれ量に対応する定数
を配置したメモリテ−ブルが、角度補正演算回路34内
に備わっている。そして、検出した角度ずれ量から、前
記メモリテ−ブルを検索して必要な定数を入力し、それ
を前記最大値に掛けて、補正後の最大値を求めている。
【0033】角度ずれ量は、図4から分かるように、最
大値が検出される走査位置から求めることができる。即
ち、縦方向の角度ずれ量は、縦走査周期内の最大値が検
出される位置(位相)の変化として検出でき、横方向の
角度ずれ量は、横走査周期内の最大値が検出される位置
(位相)の変化として検出できる。つまりこれらは、走
査の基準タイミングから、最大値が検出される時までの
経過時間の変化として検出される。
【0034】図2の装置においては、ピ−ク値検出回路
33が最大値を検出した時に出力する信号に同期して、
走査角度保持回路39が、制御ユニット35の出力する
縦走査角及び横走査角の情報をそれぞれ保持するので、
角度補正演算回路34は、走査角度保持回路39が保持
した縦走査角及び横走査角の情報を入力し、それに基づ
いて補正演算を実施している。
【0035】ところで、鋼板表面には、合金化むらなど
が生じる場合があるので、検出される受光レベルの最大
値が異常に大きくなったり小さくなったりする場合があ
り、1回の面走査の結果だけを利用すると、測定誤差が
生じ易い。そこでこの実施例では、移動平均演算回路4
0において、それまでの過去40回の面走査で得られた
値から、移動平均値を求め、その計算結果を出力するよ
うに構成してある。
【0036】以上のように、各々の合金化センサは、鋼
板表面の光反射率に応じた電気信号を出力する。鋼板の
合金化の進行に伴なう光反射率の変化を図6に示す。反
射率の0.2〜0.3程度の範囲が適正合金化範囲であ
るが、合金化が進行するに従って、光反射率が低下し、
ある程度、合金化が進むと、適正合金化範囲に入る。こ
の実施例では、図3に示すように3個の合金化センサが
互いに異なる位置に配置されているので、演算盤は、3
個の合金化センサの出力値を参照することによって、ど
の位置で鋼板が適正合金化範囲に入ったかを調べること
ができる。その結果を利用して、保熱炉の温度を調整し
たり、保熱炉における鋼板の滞留時間を調整することに
よって、消費エネルギ−量を最小にし、また鋼板の合金
化度を適正に維持することが可能になる。
【0037】再び図2を参照すると、プリアンプ31が
出力する信号は、サンプルホ−ルド回路38にも入力さ
れる。また、サンプルホ−ルド回路38の制御入力端子
には、制御ユニット35が出力するレ−ザ付勢信号が印
加されている。このため、サンプルホ−ルド回路38
は、レ−ザ発振器5が消勢されている時に、プリアンプ
31が出力する信号のレベルをサンプリングし、そのレ
ベルを保持するとともに、そのレベルに応じた電流をプ
リアンプ31の入力端子に注入し、該電流を少なくとも
1回の面走査時間保持する。この時の電流値は、フォト
ダイオ−ド9が出力している電流と一致するように予め
調整されている。レ−ザ発振器5が付勢されている時に
は、サンプルホ−ルド回路38が保持するレベルは変化
せず、それがプリアンプ31に注入する電流値も変化し
ない。従って、レ−ザ発振器5を消勢した時、即ち反射
光が全くない時にフォトダイオ−ド9が出力する電流分
を打ち消すように、それと同一レベルの補償電流が逆方
向に注入される。このため、炉壁からの発光による外来
光の強度が大きくなった場合でも、プリアンプ31の入
力レベルが飽和する恐れはなく、正反射光の正しい受光
レベルが検出される。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、照射光の位置を亜鉛メッ
キ鋼板の搬送方向及び幅方向に面状に繰り返し走査する
ので、正反射光の方向が変化しても1回の面走査の間に
は、必ず受光器に正反射光が入射することになり、受光
レベルの最大値を正反射光の強度として確実に検出する
ことができ、それに基づいて正確な合金化度を求めるこ
とができる。しかも、反射光を検出する位置は、亜鉛メ
ッキ鋼板の表面からそのパスライン変動に比べて充分に
大きな距離を隔てた位置であるので、パスラインの変動
による光源から受光器までの光路長の変動によって、大
きな検出誤差は生じない。
【0039】第1番の発明では、更に鋼板の振動(角
度)によって生じる誤差を低減しうる。即ち、光が照射
される鋼板面の角度に応じて、正反射光が受光器に入射
する時の、受光器検出面での入射角、ならびに鋼板表面
での入射角及び反射角が変化し、1回の走査の間に受光
器で検出される最大値の大きさも、鋼板面の角度の影響
を受けて変動するので、最大受光レベルが検出された位
置から鋼板の角度を検出し、検出した角度に応じて生じ
うる最大受光レベルの誤差を補正しうる。
【0040】第2番の発明では、亜鉛メッキ鋼板表面に
合金化むら等がある場合でも、異常な合金化度が検出さ
れるのを防止しうる。即ち、亜鉛メッキ鋼板表面には、
局部的に、合金化むらが生じたり、粒子状の亜鉛が付着
した部分が生じる場合があるので、その部分からの反射
光レベルを含む1回の面走査のみの反射光強度分布の最
大値を使用すると、異常な合金化度が一時的に検出され
る場合が生じるが、複数回の面走査で得られた検出値を
平均化し、その結果に基づいて合金化度を求めることに
よって、平均化された、つまり正しい合金化度が検出さ
れる。
【0041】また第番の発明では、背景光レベルの変
化によって、信号処理回路のレベルが飽和するのを防止
しうる。受光器には、鋼板からの反射光と炉壁の発光な
どによる背景光が入射するが、背景光のレベルは炉温変
化等に応じて大きく変化する。背景光レベルが変化する
と、受光器の出力レベルが変動するので、受光器の信号
を処理する回路(図2のプリアンプ31)で入力レベル
の飽和等が生じ、最大値が正確に検出できない場合が生
じる。しかしこの発明では、亜鉛メッキ鋼板の表面に照
射する光を遮断した時に受光器で検出された受光強度に
対応する信号レベルを、背景光レベルとして保持し、背
景光レベルに比例する一定の電流を、受光器の信号を処
理する回路に注入するので、注入する電流によって背景
光レベルを打ち消し、反射光を受光しない時の信号処理
回路の入力レベルを実質上零に近づけることができ、炉
壁からの発光強度が強くなった場合でも、信号レベルの
飽和が防止され、正反射光の正しい受光レベルが検出さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図3の1つの合金化センサを示す拡大横断面
図である。
【図2】 合金化センサの信号処理回路を示すブロック
図である。
【図3】 本発明を実施する製造ラインの一部分を示す
斜視図である。
【図4】 受光レベルの変化の3例を示す波形図であ
る。
【図5】 鋼板角度に応じた受光感度の変化を示すグラ
フである。
【図6】 光反射率の時間変化と適正合金化度の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1:炉壁 1a:開口部 2:ケ−シング 3:石英ガラス 5:レ−ザ光源 6:縦走査ミラ− 7:横走査ミラ− 8:受光ユニット 9:フォトダイオ−ド 10:処理ユニット 21,22:角度センサ 23:フォトダイオ
−ド 31:プリアンプ 32:A/D変換器 33:ピ−ク値検出回路 34:角度補正演算
回路 35:制御ユニット 36:背景値検出回
路 37:レ−ザドライバ 38:サンプルホ−
ルド回路 39:走査角度保持回路 40:移動平均演算
回路 41:D/A変換器 42:V/I変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−210550(JP,A) 特開 昭54−103370(JP,A) 特開 昭61−105415(JP,A) 特開 昭58−16061(JP,A) 特開 平3−175342(JP,A) 特開 平4−164237(JP,A) 特開 平2−236439(JP,A) 特開 平1−233347(JP,A) 特開 平1−191041(JP,A) 実開 平1−120650(JP,U) 特公 昭60−56425(JP,B2) 特公 昭64−655(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン上を搬送されている合金化炉内の
    亜鉛メッキ鋼板の合金化度を計測する方法において、亜
    鉛メッキ鋼板の表面に光を照射するとともに、該照射光
    の位置を亜鉛メッキ鋼板の搬送方向及び幅方向に面状に
    繰り返し走査し、前記照射光の正反射方向の、亜鉛メッ
    キ鋼板の表面からそのパスライン変動に比べて充分に大
    きな距離を隔てた位置に配置した受光器により、反射光
    の強度を実質上連続的に検出し、亜鉛メッキ鋼板の表面
    に照射する光を一時的に遮断し、その時に前記受光器で
    検出された受光強度を背景光レベルとし、少なくとも1
    回の面走査の中で検出された反射光強度分布の中での最
    大値が現われた位置に応じて、該最大値に鋼板の角度ず
    れ量に対応する補正を施し、補正された前記最大値と前
    記背景光レベルとの差分に基づいて合金化度を求める
    亜鉛メッキ鋼板の合金化度計測方法。
  2. 【請求項2】 ライン上を搬送されている合金化炉内の
    亜鉛メッキ鋼板の合金化度を計測する方法において、亜
    鉛メッキ鋼板の表面に光を照射するとともに、該照射光
    の位置を亜鉛メッキ鋼板の搬送方向及び幅方向に面状に
    繰り返し走査し、前記照射光の正反射方向の、亜鉛メッ
    キ鋼板の表面からそのパスライン変動に比べて充分に大
    きな距離を隔てた位置に配置した受光器により、反射光
    の強度を実質上連続的に検出し、亜鉛メッキ鋼板の表面
    に照射する光を一時的に遮断し、その時に前記受光器で
    検出された受光強度を背景光レベルとし、1回の面走査
    の中で検出された反射光強度分布の最大値と前記背景光
    レベルとの差分を、複数回の面走査について平均化し、
    その結果に基づいて合金化度を求める、亜鉛メッキ鋼板
    の合金化度計測方法。
  3. 【請求項3】 ライン上を搬送されている合金化炉内の
    亜鉛メッキ鋼板の合金化度を計測する方法において、亜
    鉛メッキ鋼板の表面に光を照射するとともに、該照射光
    の位置を亜鉛メッキ鋼板の搬送方向及び幅方向に面状に
    繰り返し走査し、前記照射光の正反射方向の、亜鉛メッ
    キ鋼板の表面からそのパスライン変動に比べて充分に大
    きな距離を隔てた位置に配置した受光器により、反射光
    の強度を 実質上連続的に検出し、亜鉛メッキ鋼板の表面
    に照射する光を一時的に遮断し、その時に前記受光器で
    検出された受光強度に対応する信号レベルを背景光レベ
    ルとし、該背景光レベルに比例する一定の電流を前記受
    光器の信号を処理する回路に注入し、該電流を少なくと
    も1回の面走査時間保持する、亜鉛メッキ鋼板の合金化
    度計測方法。
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